JP2012036043A - シリコンインゴットの製造装置および製造方法 - Google Patents

シリコンインゴットの製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁誘導加熱にプラズマ加熱を併用して、太陽電池の基板材として用いられる、太陽電池としての変換効率が高く維持された多結晶シリコンインゴットを製造することができるシリコンインゴットの製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】無底冷却モールド1と、加熱用誘導コイル2を有し、さらに、加熱源としてプラズマトーチ3を有し、電磁誘導加熱とプラズマ加熱を併用するシリコンインゴットの製造装置であって、前記プラズマトーチ内に配設されたプラズマ電極12として銅(Cu)を用いる製造装置。前記プラズマ電極を陽極とし、被加熱物であるシリコン11を陰極とすれば(図1(c)参照)、電極の消耗を僅少に抑えるとともに、太陽電池を構成したときの変換効率を向上させ得るので望ましい。本発明の製造方法は、この装置を用いて容易に実施することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁誘導による連続鋳造技術を適用して多結晶シリコンインゴットを製造することができるシリコンの製造装置および製造方法に関し、特に、プラズマアークによるプラズマ加熱を併用して、太陽電池の基板材の素材として用いられる多結晶シリコンインゴットを、太陽電池特性を低下させずに製造することができるシリコンの製造装置および製造方法に関する。
周方向に分割された無底の冷却モールドが取り付けられた電磁誘導による連続鋳造装置(以下、「電磁鋳造装置」という)を使用すれば、溶解された物質(ここでは、溶融シリコン)とモールドとはほとんど接触しないので、不純物汚染のない鋳塊(シリコンインゴット)を製造することができる。モールドからの汚染がないので、モールドの材質として高純度材料を使用する必要がないという利点もあり、また、連続して鋳造することができるので、製造コストの大幅な低下が可能である。したがって、電磁鋳造装置は、従来から太陽電池の基板材として用いられる多結晶シリコンの製造に適用されてきた。
図3は、多結晶シリコンの製造に使用される電磁鋳造装置の構成例を模式的に示す図である。同図に示すように、加熱用誘導コイル2の内側に、内部を水冷できる縦方向に長い銅製の板状片が、誘導コイル2の巻き軸方向と平行に、かつ誘導コイル2内では相互に絶縁された状態で配列されており、この板状片によって囲まれた空間がモールド(すなわち、側壁部が水冷されている無底の冷却モールド)1を構成する。冷却モールド1には、通常、板状片を銅片とした水冷銅モールドが用いられる。
加熱用誘導コイル2の下端位置(すなわち、冷却モールド1の底部に相当する位置)には下方に移動できる支持台4が設置されている。また、加熱用誘導コイル2の下側には、凝固した鋳塊(シリコンインゴット5)を加熱して、急激な冷却を防ぐための保温装置6が設置されており、保温装置6の下側には、均熱筒7が取り付けられている。シリコンインゴット5は引抜き装置(図示せず)により下方に引き抜かれる。
冷却モールド1の上方には、溶解中に原料をモールド1内に投入できる原料投入機15が設置されている。さらに、この例では、モールド1の上方に、必要に応じて原料シリコンを加熱するためのプラズマトーチ3が取り付けられている。
これらの諸装置は、溶融シリコン11および高温のシリコンインゴット5が大気と直接触れることがないように、密閉容器8内に設置され、通常は、容器8内を不活性ガスで置換して、若干の加圧状態で連続鋳造が行えるように構成されている。
上記の電磁鋳造装置を用いた電磁鋳造法では、モールド1にシリコン原料を装入し、誘導コイル2に交流電流を通じると、モールド1を構成する短冊状の各素片は互いに電気的に分割されていることから、各素片内で電流がループを作り、これによりモールド1の内壁側に電流が生じ、モールド1内に磁界が形成され、シリコン原料が加熱溶解される。
モールド1内のシリコン原料は、モールド1内壁の電流がつくる磁界と溶融シリコン11表面の電流の相互作用によって、溶融シリコン11表面の内側法線方向の力を受けることから、モールド1と非接触の状態で溶解される。
溶融シリコン11が十分均一化した後、支持台4を少しずつ下方に移動させていけば、誘導コイル2から離れることにより冷却が始まり、モールド1内の溶融シリコン11に向けての一方向性凝固が進行してモールド断面と同じ形状の断面を有するシリコンインゴット5が形成される。
支持台4の下方への移動分に対応して溶融シリコン11の量が減少するので、その分の原料シリコンを原料投入機15から供給し、溶融シリコン11の上面が常に同じ高さレベルを保つようにして、加熱溶解、引き抜き、原料供給を継続していくことにより、多結晶シリコンインゴット5を連続して製造することができる。
この電磁鋳造装置を用いて製造される多結晶シリコンを高純度化し、その品質、特に太陽電池の基板として用いたときの変換効率(入射した光のエネルギーに対し、電気エネルギーに変換して取り出すことができるエネルギーの割合)を高めるために、従来から多くの技術開発がなされている。その際、誘導コイルによる電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用する方法の開発が積極的に進められている。
例えば、特許文献1には、電磁誘導加熱とプラズマ加熱を併用して太陽電池としての品質を向上させたシリコン連続鋳造方法が開示されている。同文献に記載の鋳造方法によれば、鋳造途中の原料溶解にプラズマ加熱を併用することにより電磁誘導加熱の負担を軽減でき、その軽減により、電磁力による溶融シリコンの熱対流が抑制され、下方への熱流速が抑制されることにより、固液界面が平坦化される。その結果、凝固直後のシリコン鋳塊の半径方向の温度勾配が低減し、結晶内部に発生する熱応力が緩和され、太陽電池の変換効率を悪化させる結晶欠陥の発生が抑制されるとしている。
そして、同特許文献では、プラズマ加熱の効果を最大限活用するために、加熱をルツボ内のシリコン融液の中心部に固定的に行わず、シリコン融液上でプラズマアークトーチを水平方向に走査させる方法が提案され、さらに、プラズマアークは、シリコン鋳造に必要な大出力を得やすい移行式プラズマアーク望ましいとしている。
特許文献2には、太陽電池用に使用される高純度の多結晶シリコン鋳塊の製造方法として、無底るつぼ内に供給された原料を電磁誘導加熱により溶解してシリコン鋳塊を製造するに際し、H2Oガス、O2、CaOなどの酸素含有物質を添加した熱プラズマガスを溶融シリコン浴面に吹付けて、シリコン中のB、Pなどを酸化除去する方法が開示されている。ここで用いるプラズマトーチは、移行型、非移行型のいずれでもよいとしている。
また、特許文献3には、原料の金属Siを、電磁誘導加熱を伴わずに、プラズマ溶解することにより高純度金属Siを製造する方法が開示されている。すなわち、プラズマ溶解の際に、Siの溶湯に水蒸気を添加することによりB、CをBO、COに酸化し、併せて添加するNH3ガスから生じる多数の、かつ微細な水素ガスの気泡中にBO、COガスを取り込んでB、Cを効率よく除去する方法である。
このように太陽電池の基板材として使用される高品質、高純度のシリコンの製造にプラズマ加熱が利用されつつある。しかし、従来の金属精錬分野等におけるプラズマの利用方法をそのままシリコンの製造に適用しているためと考えられるが、前掲の特許文献1〜3のいずれにおいても、プラズマ電極の材質についての記載がない。一方、電極の極性についても特に説明はされていないが、特許文献1または3のそれぞれの図面の記載から、プラズマ電極が陰極(カソード)であることが読み取れる。
非特許文献1には、溶接熱源として利用されているプラズマの金属精錬分野における利用についての記述があるが、その中に、プラズマ電極をカソード(陰極)とし、被加工物をアノード(陽極)として構成されたプラズマトーチの図面(非特許文献1の図7・1)が記載されている。また、カソード(つまり、プラズマ電極)には、非酸化性雰囲気ではタングステン(W)など、酸化性雰囲気ではジルコニウム(Zr)などの高融点金属が使用されるという記載がみられる。
すなわち、WやZrをプラズマ電極として使用し、これを陰極としてプラズマトーチを構成するのが一般的な方法である。前掲の特許文献1または3では、プラズマ電極を一般的な方法に準じてカソードとしている。一方、プラズマ電極の材質については、特許文献1〜3のいずれの文献においても特に言及されてはいないが、鋳造はAr雰囲気(非酸化性雰囲気)中で行われるので、同じく一般的な方法に準じてWが使用されていると考えられる。
ところで、プラズマ電極にWが使用されている場合、鋳造されるシリコンインゴットの金属(W)による汚染が懸念される。Wは融点が3400℃の高融点材料ではあるが、W電極はプラズマアークの衝撃により損傷を受けてWの蒸発物が発生し、雰囲気中に金属汚染物質が導入され、インゴットの汚染が生じ得るからである。金属不純物は、光によって発生するキャリアの再結合のトラップ(捕獲)準位となってキャリアを消滅させ、変換効率を低下させるので、特に太陽電池の基板材として用いられる多結晶シリコンの品質をより一層高めるにあたっては、金属(W)による汚染は看過し得ない問題である。
特開2001−19594号公報 特開平4−130009号公報 特開2001−261323号公報
「溶接・接合便覧(第2版)」溶接学会編(丸善株式会社)平成15年2月25日発行 729頁 JOHN RANSFORD DAVIS 他「IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES」VOL.ED−27,NO.4 APRIL 1980 682頁
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、電磁誘導加熱にプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して、太陽電池の基板材の素材として用いられる多結晶シリコンインゴットを、金属による汚染の影響を抑えて、太陽電池特性(特に、変換効率)を低下させずに製造することができるシリコンインゴットの製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、多結晶シリコンに混在する金属不純物が、当該多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成したときの変換効率に及ぼす影響を調査した。
図2は、P型シリコン中の金属不純物濃度と太陽電池を構成したときの変換効率の関係を示す図で、前掲の非特許文献2に記載されている図である。図2において、縦軸の「太陽電池の相対的効率」とは、各金属元素の濃度が太陽電池の変換効率に及ぼす影響を規格化して相対的効率として表したものである。
図2によると、シリコン中に金属が混入すると、例外なく太陽電池を構成したときの変換効率は低下する。変換効率に影響が現れる濃度の下限値は金属の種類によって異なり、同図において、紙面の右方向に位置する金属ほど太陽電池の変換効率に影響を与えにくい金属であると言うことができる。
現在シリコンの電磁鋳造の際に併用されるプラズマトーチの電極材として用いられているWは、金属不純物濃度として1012原子数/cm3のオーダーで太陽電池の変換効率を低下させる。一方、例えばCuは、金属不純物濃度として1017原子数/cm3のオーダーではじめて変換効率に影響を及ぼすことがわかる。すなわち、Cuは、影響が現れる濃度の下限値がWより5桁程度も高濃度で、太陽電池の変換効率に対して極めて影響を与えにくい金属であるといえる。
プラズマトーチの電極(プラズマ電極;陰極)と被加熱物(ここでは、溶融シリコン;陽極)間のアーク放電においては、プラズマ電極(陰極)にプラズマ媒体である気体(通常はAr)分子と電離したArイオンが衝突し、プラズマ電極(陰極)では電子の放出が促進される。前記のAr分子やArイオンの衝突により、プラズマ電極は損傷を受けて蒸発し、プラズマ媒体中に混入するとともに、電極は消耗する。電極の消耗を抑えるためには、電極に高融点材料を使用することが有効であり、前述のように電極材料としてWが使用されてきた。しかし、Wは、前記図2に示したように、極微量が蒸発しても太陽電池の変換効率を低下させる可能性がある。
これに対し、Cuは、融点が1084℃で、Wに比べるとかなり低いが、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼす濃度は著しく高く、変換効率の向上を重視する太陽電池の基板材用多結晶シリコンを製造するにあたっては、プラズマ加熱を併用する際のプラズマ電極としてCuを用いることは極めて有利である。
そこで、本発明者らは、プラズマ電極にCuを用い、これを従来と同様に陰極とし、溶融シリコンを陽極として、電磁誘導加熱とプラズマ加熱を併用しつつ多結晶シリコンインゴットを製造し、Cuのプラズマ電極への適用の可能性を調査した。その結果、電極の消耗速度は、後述する実施例に示すように、W電極に比べると75倍程度となるが、太陽電池を構成したときの変換効率はW電極を使用した場合よりも高く、少なくとも太陽電池の基板材用の多結晶シリコンインゴットを製造する場合においては、十分実用可能であることが判明した。
本発明者らは、さらに、プラズマ電極にCuを用い、かつ、プラズマ電極を陽極とし、溶融シリコンを陰極として(つまり、陽極陰極を逆転させて)、同様に多結晶シリコンインゴットを製造した。Cu電極の方を陽極としたのは、Ar分子やArイオンの衝突による損傷を回避し、電極の蒸発による消耗を抑えるためである。その結果、電極の消耗を僅少に抑制するとともに、太陽電池を構成したときの相対変換効率を向上させ得ることを知見した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、下記(1)のシリコンインゴットの製造装置、および(2)のシリコンインゴットの製造方法を要旨とする。
(1)軸方向の一部が周方向で複数に分割された導電性の無底冷却モールドと、このモールドを取り囲む誘導コイルを有し、さらに、加熱源として、前記冷却モールドの上方に昇降可能に設置された、プラズマアークを発生させるためのプラズマトーチを有し、前記誘導コイルによる電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させるシリコンインゴットの製造装置であって、前記プラズマトーチ内に配設されたプラズマ電極として銅(Cu)を用いることを特徴とするシリコンインゴットの製造装置。
本発明のシリコンインゴットの製造装置において、前記プラズマ電極を陽極とし、被加熱物であるシリコンを陰極とすれば、電極の消耗を僅少に抑えるとともに、太陽電池を構成したときの変換効率を向上させ得るので望ましい。
(2)シリコン原料を無底の冷却モールドに装入し、電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して溶融し、当該溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させることによりシリコンインゴットを連続的に鋳造するシリコンインゴットの鋳造方法であって、前記プラズマアークを発生させるためのプラズマ電極として銅を用いることを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
本発明のシリコンインゴットの製造方法において、前記プラズマ電極を陽極とし、被加熱物であるシリコンを陰極とする実施形態を採用すれば、電極の消耗を僅少に抑えるとともに、太陽電池を構成したときの変換効率を向上させ得るので望ましい。
本発明のシリコンインゴットの製造装置は、加熱源として、誘導コイルに加えてプラズマトーチを有し、プラズマ電極として銅を用いる製造装置であり、通常は、さらに、プラズマ電極(銅電極)を陽極とする望ましい実施形態が採用される。この製造装置を使用すれば、金属による汚染の影響を抑えて変換効率が高く維持された、太陽電池の基板材として用いられる多結晶シリコンインゴットを製造することができる。本発明のシリコンインゴットの製造方法は、前記本発明の製造装置を用いれば容易に実施することができる。
本発明のシリコンインゴットの製造装置の概略構成例を示す縦断面図で、(a)は全体図、(b)および(c)はプラズマトーチの部分拡大図である。 P型シリコン中の金属不純物濃度と太陽電池を構成したときの変換効率の関係を示す図である。 多結晶シリコンの製造に使用される電磁鋳造装置の構成例を模式的に示す図である。
本発明のシリコンインゴットの製造装置は、軸方向の一部が周方向で複数に分割された導電性の無底冷却モールドと、このモールドを取り囲む誘導コイルを有する電磁鋳造装置であることを前提としている。
このような電磁鋳造装置を前提とするのは、太陽電池の基板材として用いられる多結晶シリコンを製造するに際し、モールド内で、溶融シリコンとモールドとをほとんど接触させずに鋳造を行い、モールドからの金属汚染がなく、変換効率を良好に維持できるシリコンインゴットを製造することができるからである。モールドの材質として高純度材料を使用する必要がなく、また、連続して鋳造することができるので、製造コストの大幅な低下も可能である。
本発明の製造装置が、さらに、加熱源として、前記冷却モールドの上方に昇降可能に設置された、プラズマアークを発生させるためのプラズマトーチを有することを前提とするのは、前掲の特許文献1に記載されるように、原料溶解にプラズマアークによるプラズマ加熱を併用することにより太陽電池としての品質を向上させたシリコンインゴットを製造することができるからである。
本発明の製造装置の特徴は、プラズマトーチ内に配設されたプラズマ電極として銅(Cu)を用いることにある。
図1は、本発明のシリコンインゴットの製造装置の概略構成例を示す縦断面図で、(a)は全体図、(b)および(c)はプラズマトーチの部分拡大図である。同図(a)に示すように、本発明の製造装置は、導電性の無底冷却モールド1と、このモールド1を取り囲む誘導コイル2を有し、さらに、加熱源として、プラズマアークを発生させるためのプラズマトーチ3を有している。プラズマトーチ3は冷却モールド1の上方に昇降可能に設置されている。
誘導コイル2の下端位置(すなわち、冷却モールド1の底部に相当する位置)には下方に移動できる支持台4が設置されている。また、誘導コイル2の下側には、凝固したシリコンインゴット5を加熱して、急激な冷却を防ぐための保温装置6が設置されており、保温装置6の下側には、均熱筒7が取り付けられている。シリコンインゴット5は引抜き装置10により下方に引き抜かれる。これらの諸装置は、溶融シリコンおよび高温のシリコンインゴット5が大気と直接触れることがないように、密閉容器8内に設置されている。
プラズマトーチ3内にはプラズマ電極が配設されており、図示した例では、直流電源9の正極に接続されている。直流電源9の負極はインゴット5の引抜き装置10およびシリコンインゴット5を介して溶融シリコン11に接続されている。
図1(b)はプラズマ電極を一般的な方法に準じて陰極とした場合のプラズマトーチ3の先端部とその周辺の状態を模式的に示している。陰極を構成するプラズマ電極12と陽極を構成する溶融シリコン11との間でアーク放電13が発生する。プラズマ電極(陰極)にはAr分子や電離したArイオンが衝突し、Cuの蒸発物14が発生してプラズマ媒体中に混入し、雰囲気中に金属汚染物質(Cu)が導入される。電極12の消耗も大きい。しかし、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼす金属不純物濃度の下限値で比較すると、Cuは、従来プラズマ電極材料として用いられていたWに比べて著しく高く、後述する実施例に示すように、太陽電池を構成したときの変換効率は従来に比べて向上する。
本発明のシリコンインゴットの製造装置においては、プラズマ電極としてCuを用い、さらに、プラズマ電極(Cu電極)を陽極とし、被加熱物である溶融シリコン11を陰極とするのが望ましい。
プラズマ電極を陰極とした場合は(図1(b)参照)、電極の消耗が大きく、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼす金属不純物濃度の下限値が著しく高いとはいえ、雰囲気中に金属汚染物質(Cu)が導入される。この状態を改善するためには、プラズマ電極の極性を逆にするのが効果的であり、電極の消耗を抑えるとともに、太陽電池を構成したときの変換効率を向上させることができる。
図1(c)はこのように接続されたプラズマトーチ3の先端部とその周辺の状態を模式的に示している。プラズマ電極12と溶融シリコン11との間でアーク放電13が発生するが、Ar分子や電離したArイオンのプラズマ電極12への衝突が回避されるので、電極の消耗が僅少であり、雰囲気中への金属汚染物質(Cu)の導入が抑えられる。太陽電池を構成したときの変換効率も向上する。
プラズマ電極の電極材料に用いるCuとしては、純Cu、特に高純度の無酸素銅が望ましい。電極材料の場合、合金元素はいずれも太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼす金属不純物濃度がCuより低いと考えられるので、Cu合金の使用は、太陽電池としての変換効率を高く維持する観点からみて不利である。
ここで利用できるプラズマトーチとしては、図1に示した被加熱物を対極とする移行形と、トーチ内の電極間で放電させ、発生したプラズマをトーチから噴出させる非移行形があるが、大出力が得やすく、熱効率が高い移行形のプラズマトーチが望ましい。
本発明のシリコンインゴットの製造方法は、シリコン原料を無底の冷却モールドに装入し、電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して溶融し、当該溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させることによりシリコンインゴットを連続的に鋳造することを前提とし、前記プラズマアークを発生させるためのプラズマ電極としてCuを用いることを特徴とする方法である。この前提をおいた理由、およびプラズマ電極としてCuを用いる理由は前述のとおりである。
本発明の製造方法においても、プラズマ電極としてCuを用い、さらに、プラズマ電極(Cu電極)を陽極とし、被加熱物であるシリコンを陰極とする実施形態の採用が望ましい。電極の消耗を抑えるとともに、太陽電池を構成したときの変換効率を高く維持できるからである。
プラズマ加熱を併用するに際し、プラズマ媒体としては、通常使用されているArを用いればよい。その他の条件についても、プラズマトーチのW電極をCu電極に変更することによって基本的には変わることはなく、従来の方法に準拠して操業すればよい。
本発明の製造方法は、前述の本発明のシリコンインゴットの製造装置を用い、従来行われている操業手順により容易に実施することができる。
以上説明したように、本発明のシリコンインゴットの製造装置および製造方法は、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼす金属不純物濃度が金属によって大きく相違することを利用して、プラズマ電極にCu電極を採用し、太陽電池を構成したときの変換効率を高く維持する技術である。さらに、プラズマトーチにおける電流方向を逆転(陽極陰極を逆転)させることにより、Cu電極の消耗を最小限に留め、変換効率をより高く維持することができる。
前記図1に示した概略構成を有する本発明のシリコンインゴットの製造装置を用い、本発明の方法を適用して、断面寸法が345mm×505mmで、長さが7mのシリコンインゴットを製造し、電極の消耗速度、電極材によるインゴット汚染量および相対変換効率を調査した。比較のために、従来のタングステン電極を用いた場合についても同様の調査を行った。
プラズマアークによるプラズマ加熱を併用した場合における加熱の条件は以下のとおりである。
プラズマ電流 :1100A
プラズマ電圧 :120V
プラズマ照射時間 :70時間
被加熱物と電極間の距離:200mm
調査結果を表1に示す。表1において、「インゴット汚染量」は、得られたそれぞれのインゴットの長手方向5箇所における外周部と中心部からサンプルを採取して、すべて溶解した後、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma−Mass Spectroscopy;誘導結合高周波プラズマ分光分析)を用いてWまたはCuの分析を行い、原子数/cm3に換算した。また、「相対変換効率」は、得られたそれぞれのインゴットからシリコンウェーハを切り出し、当該ウェーハを基板として構成した太陽電池の電流電圧特性(IV特性)を測定して変換効率を求め、プラズマ電極にCuを用いてこれを陽極(表1では、「極性」の欄にプラスと表示)としてプラズマ加熱を行ったときの変換効率を基準(1.0)として表示した。
Figure 2012036043
表1に示したように、電極材料をCuとした場合(本発明例)、極性がプラスのとき(つまり、Cuを陽極とした場合)と、極性がマイナスのとき(つまり、Cuを陰極とした場合)とを比較すると、前者の方が、電極消耗速度が著しく低下した。これは、Cu電極を陽極としたことによりAr分子や電離したArイオンのCu電極への衝突が回避できたことによるもので、インゴット汚染量が大きく低減し、得られたインゴットを素材として太陽電池を構成したときの変換効率は極めて良好(表1では、相対変換効率で1.0と表示)であった。一方、後者(Cuを陰極とした場合)では、相対変換効率は0.9で、前者に比べて若干低かった。
電極材料をWとした場合は、極性がマイナスのとき(Wを陰極とした場合で、従来例に相当する)であっても、電極材料をCuとした場合に比べて、電極消耗速度およびインゴット汚染量がかなり低い値を示した。しかしながら、Wは、太陽電池の変換効率に影響を及ぼす不純物濃度の下限値がCuに比べて著しく低いため、相対変換効率は0.7で、電極材料をCuとした場合(極性は問わず)に比べて変換効率は明らかに低かった。
なお、電極材料をWとした場合で、極性がプラスのとき(比較例)は、電極消耗速度およびインゴット汚染量は極めて低い値を示し、その結果、電極材料をCuとし、これを陽極とした場合には及ばないが、変換効率は良好(相対変換効率で0.9)であった。
本発明のシリコンインゴットの製造装置および製造方法によれば、金属による汚染の影響を抑えて変換効率が高く維持された、太陽電池の基板材として用いられる多結晶シリコンインゴットを製造することができる。したがって、本発明は、太陽電池の製造分野において有効に利用することができ、自然エネルギー利用技術の進展に大きく寄与することができる。
1:モールド、 2:誘導コイル、 3:プラズマトーチ、
4:支持台、 5:シリコンインゴット、 6:保温装置、
7:均熱塔、 8:密閉容器、 9:直流電源、
10:引抜き装置、 11:溶融シリコン、 12:プラズマ電極、
13:アーク放電、 14:Cuの蒸発物、 15:原料投入機

Claims (4)

  1. 軸方向の一部が周方向で複数に分割された導電性の無底冷却モールドと、このモールドを取り囲む誘導コイルを有し、さらに、加熱源として、前記冷却モールドの上方に昇降可能に設置された、プラズマアークを発生させるためのプラズマトーチを有し、前記誘導コイルによる電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させるシリコンインゴットの製造装置であって、
    前記プラズマトーチ内に配設されたプラズマ電極として銅を用いることを特徴とするシリコンインゴットの製造装置。
  2. 前記プラズマ電極を陽極とし、被加熱物であるシリコンを陰極とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコンインゴットの製造装置。
  3. シリコン原料を無底の冷却モールドに装入し、電磁誘導加熱とプラズマアークによるプラズマ加熱を併用して溶融し、当該溶融したシリコンを下方に引き下げ凝固させることによりシリコンインゴットを連続的に鋳造するシリコンインゴットの鋳造方法であって、
    前記プラズマアークを発生させるためのプラズマ電極として銅を用いることを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
  4. 前記プラズマ電極を陽極とし、被加熱物であるシリコンを陰極とすることを特徴とする請求項3に記載のシリコンインゴットの製造方法。
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