JP2012035509A - 深絞り成形用フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MFRが1〜3g/10分であるポリオレフィンを主成分とし、MFRが1g〜3g/10分であるエチレン系共重合体からなる改質剤を、当該改質剤を除く全成分の合計量に対して0質量%以上30質量%未満の割合で含有する樹脂組成物(A)と、MFRが1〜3g/10分である酸基含有重合体およびそのアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂(B)とを用い、インフレーション法により製膜された3層フィルムであり、該3層フィルムの外層1、2がそれぞれ前記樹脂組成物(A)からなり、外層1、2の間に配置された中間層3が前記樹脂(B)からなり、外層1、2の厚みがそれぞれ中間層3の厚み以下であり、総厚みが160μm未満である深絞り成形用フィルム。
【選択図】図1
Description
しかしポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂は、熱成形性が不良で、そのフィルムに深絞り成形により凹部を形成した場合、金型への付着、形くずれ等が生じる問題があった。このような問題に対し、特許文献1には、耐放射線性、熱賦形性等が良好で、医療器具等の包装に適したフィルムとして、特定のエチレン−プロピレン共重合体組成物からなる層(A層)と、エチレン−プロピレンブロック共重合体および特定のエチレン−αオレフィン共重合体を特定比率でブレンドした組成物からなる層(B層)とを少なくとも1層ずつ有する積層体が提案されている。
特許文献1に記載の積層体は、熱賦形性や成形後の諸物性(破断強度、耐衝撃強度等)が良好であるとされている。しかしA層およびB層のみから構成される積層体は、成形後の諸物性が不充分で、その他フィルム(C層)と貼り合わせる事でその機能を補う必要がある。実際、特許文献3の実施例では、A層/B層の2層積層体に、さらに、C層としてポリアミド(ナイロン)フィルムをドライラミネートしてA層/B層/C層の3層積層体としている。このようなフィルムは、製造に手間がかかり、コスト的にも高くなる。
なお、特許文献2〜3の方法は、塩化ビニル系樹脂の改質を目的としたものであり、ポリオレフィン系樹脂については言及されていない。また、塩化ビニル系樹脂は、放射線を照射すると色調や物性の変化、臭気の発生等があることから、放射線滅菌に適合しない材料である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、放射線滅菌が可能で、深絞り成形後の厚みの均一性が高く、製造も容易なフィルム、該フィルムを用いた医療器具の包装方法を提供することを目的とする。
[1]メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1〜3g/10分であるポリオレフィンを主成分とし、メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1g〜3g/10分であるエチレン系共重合体からなる改質剤を、当該改質剤を除く全成分の合計量に対して0質量%以上30質量%未満の割合で含有する樹脂組成物(A)と、メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1〜3g/10分である酸基含有重合体およびそのアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂(B)とを用い、インフレーション法により製膜された3層フィルムであり、
該3層フィルムの一方の表面を構成する第一の外層および他方の表面を構成する第二の外層がそれぞれ前記樹脂組成物(A)からなり、前記第一の外層と前記第二の外層との間に配置された中間層が前記樹脂(B)からなり、
前記第一の外層の厚みおよび前記第二の外層の厚みがそれぞれ前記中間層の厚み以下であり、前記3層フィルムの総厚みが160μm未満である深絞り成形用フィルム。
[2]前記酸基含有重合体がエチレン−メタクリル酸共重合体である、[1]に記載の深絞り成形用フィルム。
[3]前記エチレン系共重合体が、密度0.860g/cm3以上0.900g/cm3未満のエチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−ブテン共重合体から選ばれる、[1]または[2]に記載の深絞り成形用フィルム。
[4]前記第一の外層の厚みと前記第二の外層の厚みとが同じである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルム。
[5]医療器具用包装材料である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルム。
[6][1]〜[5]のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルムを深絞り成形して凹部を形成する工程と、該凹部に医療器具を収容し、該凹部の開口を蓋材により封止して包装体とする工程と、該包装体に対して放射線滅菌処理を施す工程と、を有する医療器具の包装方法。
本発明の深絞り成形用フィルム(以下、単にフィルムということがある。)は、下記樹脂組成物(A)と、下記樹脂(B)とを用い、インフレーション法により製膜された3層フィルムであり、該3層フィルムの一方の表面を構成する第一の外層および他方の表面を構成する第二の外層がそれぞれ樹脂組成物(A)からなり、第一の外層と第二の外層との間に配置された中間層が前記樹脂(B)からなる。
樹脂組成物(A)は、メルトマスフローレイト(以下、MFRと略記する。)(JIS K7210:温度190℃)が1〜3g/10分であるポリオレフィンを主成分とし、MFR(JIS K7210:温度190℃)が1g〜3g/10分であるエチレン系共重合体からなる改質剤を、当該改質剤を除く全成分の合計量に対して0質量%以上30質量%未満の割合で含有する。
MFRは、樹脂の流動性を示す指標である。以下、特に断りのない限り、MFRは、JIS K7210に準拠して、温度190℃、試験荷重21.18Nで測定される値を示す。
ポリオレフィンとしては、インフレーション法による製膜が使用可能であり、かつMFRが所定の範囲内のものであれば特に制限はなく、たとえば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ブロック重合ポリプロピレン、ランダム重合ポリプロピレン等のポリプロピレン;等が挙げられる。これらの中でも、LLDPEが好ましく、特に、メタロセン触媒を用いて合成されたメタロセンLLDPEが好ましい。
「低密度」は密度が0.94g/cm3以下であることが一般的である。
ポリオレフィンの密度は、成形性、柔軟性、膜強度の点から、0.910〜0.940g/cm3が特に好ましい。
ポリオレフィンは、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。ポリオレフィンのMFRは、重合度、モノマー種等により調節できる。
樹脂組成物(A)に含まれる、MFR1〜3g/10分のポリオレフィンは1種でも2種以上でもよい。
ここで「エチレン系共重合体」は、エチレンを主モノマーとし、エチレン以外の他のモノマーをコモノマーとする共重合体を意味する。
エチレン系共重合体中、エチレン単位の割合は、50〜90モル%が好ましく、80〜90モル%がより好ましい。「単位」は、重合体を構成する繰り返し単位を示す。
コモノマーとして用いられる、エチレン以外の他のモノマーとしては、エチレンと共重合可能なものであればよく、特に限定されないが、たとえばプロピレン、ブテン等のオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、加工適性、汎用性の点から、プロピレンまたはブテンが好ましい。すなわち、エチレン系共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体またはエチレン−ブテン共重合体が好ましい。
エチレン系共重合体は、前記ポリオレフィンとの相溶性、加工適性の点から、密度が0.860〜0.900g/cm3であることが好ましい。
エチレン系共重合体は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。エチレン系共重合体のMFRは、重合度、重合比、モノマー種等により調節できる。
改質剤を配合する場合、つまり改質剤の配合量が0質量%超の場合、該配合量が少量であると、改質剤の効果が充分に得られず、配合しない場合よりもかえって深絞り成形性が悪くなることがある。そのため、該改質剤の配合量は、0質量%であるか、または10質量%以上25質量以下が好ましく、0質量%であるか、または15質量%以上25質量以下がより好ましい。
樹脂組成物(A)に含まれる改質剤は1種でも2種以上でもよい。
樹脂(B)は、MFRが1〜3g/10分である酸基含有重合体およびそのアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる。
酸基含有重合体は、構造中に酸基を含む重合体であり、該酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基含有重合体としては、インフレーション法による製膜が使用可能であり、かつMFRが所定の範囲内のものであれば特に制限はなく、たとえば、酸変性ポリオレフィン、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン共重合ポリプロピレン等が挙げられる。エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)等が挙げられる。
アイオノマー樹脂は、酸基含有重合体の分子間を、ナトリウム、カリウム、亜鉛等の金属イオンで結合(イオン架橋)した樹脂であり、たとえばEMAA−Na、EMAA−Zn、EMAA−K等が挙げられる。
樹脂(B)としては、特に、深絞り成形性に優れることから、エチレン−メタクリル酸共重合体およびそのアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく、なかでもエチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂が好ましい。
樹脂(B)は、突刺耐性等の物性強度の点から、密度が0.92〜1g/cm3であることが好ましく、0.93〜0.96g/cm3が特に好ましい。
樹脂(B)は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。樹脂(B)のMFRは、酸基含有率、重合度等により調節できる。
樹脂(B)の酸基含有率は0%超10%以下が好ましく、5%以上10%以下がより好ましい。酸基含有率が10%を超えると、MFRが高くなりすぎるおそれがある。なお、酸基含有率は、赤外吸収スペクトル法、示差熱分析により求められる。
樹脂(B)としては、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
第一の外層1および第二の外層2はそれぞれ樹脂組成物(A)からなり、中間層3は樹脂(B)からなる。
第一の外層1および第二の外層2の厚みはそれぞれ中間層3の厚み以下であり、かつ該3層フィルムの総厚みが160μm未満である。中間層の比率をある程度確保することにより、フィルム全体の厚みが薄くても充分な強度を確保することができる。また、総厚みを160μm未満とすることで、樹脂組成物(A)および樹脂(B)を用いたインフレーション製膜を安定に実施できる。
第一の外層1および第二の外層2の厚みと、中間層3の厚みとの比は、1:1〜1:5が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。
3層フィルムの総厚みは、160μm未満であり、その下限は、製膜適性を考慮すると、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましい。
また、第一の外層1の厚みと第二の外層2の厚みは、異なってもよいが、カールが生じにくいフィルムを得られる点から、同じであることが好ましい。
中間層3の厚みは、50μm〜110μmが好ましい。
すなわち、樹脂組成物(A)を構成するオレフィンおよび改質剤ならびに樹脂(B)のMFRが近いことから、各成分の相溶性が良く、インフレーション製膜時にも層ムラ等が発生しにくい。また、インフレーション法では、他の製膜法(たとえばTダイ法)に比べて、製膜時の温度を抑えることが可能であるため、オレフィンに改質剤として上記のようなMFRを有するエチレン系共重合体をブレンドしても、製膜時にフィルムがブロッキングしにくく、安定生産が可能である。
また、それらの成分のMFRが上記範囲内であることにより、上吹空冷方式の汎用的なインフレ設備で製膜することができ、且つ、インフレーション製膜時の過加熱による局所的なドローダウンを回避し、均一な肉厚を保持して製膜することができる。また、得られるフィルムを深絞り成形した際の局所的な肉厚低減も抑制される。
また、樹脂(B)からなる中間層では、酸基含有重合体の酸基部分もしくはアイオノマー樹脂の架橋部分を中心とした3次元構造が形成される。そのため、中間層を所定の比率で有することでフィルム全体の強度が向上し、深絞り成形時のずり応力により分子鎖間が剥離して局所的に薄肉化してしまうことを回避出来、深絞り成形時の局所的な肉厚低減が抑制される。
外層に改質剤をある程度配合した場合、外層の柔軟性が改善され、成型時の伸び性が向上することによっても、局所的な肉厚低減の抑制効果が向上する。
局所的な肉厚低減が抑制されていることから、該フィルムを用いて包装した包装体は、輸送時や保管時に穴が空く等の不具合を生じにくい。
さらに、2層の外層の厚みを同じとすることで、得られるフィルムが、カールが少ないものとなる。このことは、製膜機、成型充填機における加工適性の点から有用である。
また、該フィルムは、各層を構成する材料が放射線による滅菌処理が可能な材料であることから、特に、医療器具用包装材料として有用である。
本発明のフィルムを医療器具用包装材料として用いて医療器具を包装する方法の一例を、図2を用いて説明する。ただし本発明はこれに限定されるものではない。
該方法は、本発明のフィルムを深絞り成形して凹部11aを形成して底材11とする工程と、凹部11aに医療器具12を収容し、該11aの開口を蓋材13により封止して包装体10とする工程と、該包装体10に対して放射線滅菌処理を施す工程と、を有する。
蓋材13としては、特に限定されず、上記のような構成の包装体の蓋材として公知のものを利用できる。一例として、シーラント層に剥離層を設けたものが挙げられる。このような蓋材は、剥離層側の表面が底材11に接するように積層され、剥離時に剥離層がシーラント層から凝集剥離する。
このようにして医療器具12が密封包装された後、放射線滅菌される。
このようにして得られた包装体10は、内容物(医療器具12)の無菌性が保たれている。また、底材11が、局所的な肉厚低減が抑制されていることから、輸送時にピンホールが空く等の不具合が生じにくい。
<実施例1〜5、比較例1〜6>
表1にそれぞれ示す樹脂(A)または樹脂(A)と改質剤とのブレンドからなる外層形成用材料と、表1に示す樹脂(B)からなる中間層形成用材料を用い、上吹空冷方式のインフレーション製膜機にて3層フィルムの製膜を実施した。
外層形成用材料のうち、樹脂(A)と改質剤とのブレンドは、樹脂(A)と、樹脂(A)に対して表1に示す配合量の改質剤とをブレンダーにより室温で撹拌することにより調製した。
製膜は、得られる3層フィルムの総厚み(μm)、層比(外層/中間層/外層)がそれぞれ表1に示す値となるように外層形成用材料および中間層形成用材料の押出量を設定し、外層温度170℃、中間層温度150℃、ラインスピード6m/minにて実施した。
[製膜性の評価]
製膜時のブロッキングの発生の有無、バブル安定性、得られたフィルムの外観を、目視にて観察し、製膜性を評価した。具体的には、ブロッキングが発生せず、バブル安定性が良好で、外観も良好であったものを「OK」、それ以外のものを「NG」と評価した。その結果を表1に示す。
上記試験例1で、製膜性が「OK」であった3層フィルムについて、150mmのクロスカット法によりカールの発生しにくさを評価した。具体的には、3層フィルムを縦500mm×横500mmにカットして試験片とし、該試験片に対し、流れ方向に対し45°角度でそれぞれの中央が直角に交わる様に150mm長さの切り込みを入れ、直交部分の基材の持ち上がり高さを金尺により測定し、それらの平均値を算出した。該平均値が30mm以上であったものは×、30mm未満であったものは○と評価した。その結果を表1に示す。
上記試験例1で、製膜性が「OK」であった3層フィルムを下記整形条件にて圧空成形して下記形状の凹部を設け、成形後の最薄部分の厚みを測定した。同じ操作をさらに4回実施し、最薄部分の厚みについて、合計5回の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
<成形条件>加熱温度:90℃(直接加熱)、サイクル時間:12.7ショット/分、加熱時間:1秒、フォーム時間:1.5秒(ムルチバック社製 R535使用)。
<凹部>横断面形状:短径40mm×長径140mmの楕円形、深さ:25mm。
なお、MFRはいずれも、JIS K7210に準拠し、温度190℃にて測定した値である。
[樹脂(A)]
A−1:(株)プライムポリマー「エボリューSP2520」(メタロセンLLDPE、MFR1.9g/10分、密度0.925g/cm3)。
X−1:三井化学(株)「タフマーA−1085S」(エチレンを主モノマー、ブテンをコモノマー成分とするエチレン−ブテン共重合体)、MFR1.9g/10分、密度0.885g/cm3)。
X−2:エチレンを主モノマー、ブテンをコモノマー成分とするエチレン−ブテン共重合体)、三井化学(株)「タフマーA−4085S」(MFR3.6g/10分、密度0.885g/cm3)。
B−1:EMAA、三井デュポン・ポリケミカル(株)「ニュクレルN0903HC」(MFR2.7g/10分、密度0.94g/cm3)。
B−2:三井デュポン・ポリケミカル(株)「ハイミラン1650」(EMAAの分子間を亜鉛イオンにより結合したアイオノマー樹脂)、MFR1.3g/10分、密度0.95g/cm3)。
B−3:三井デュポン・ポリケミカル(株)「ハイミラン1702」(EMAAの分子間を亜鉛イオンにより結合したアイオノマー樹脂)、MFR16g/10分、密度0.95g/cm3)。
B−4:三井デュポン・ポリケミカル(株)「エバフレックス」(エチレン−酢酸ビニル共重合体、MFR3g/10分、密度0.93g/cm3)。
一方、MFRが3.6g/10分の改質剤X−2を配合した比較例1、樹脂(B)としてMFRが16のB−3を用いた比較例2、改質剤を30質量%配合した比較例3、総厚みが160μmの比較例4、中間層の厚みが外層の厚みよりも薄い比較例5は、インフレーション法による製膜を安定に実施できなかった。
また、樹脂(B)としてB−4(EVA)を用いた比較例6は、樹脂(B)以外は全て一致する実施例1に比べて、成形性が悪かった。
Claims (6)
- メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1〜3g/10分であるポリオレフィンを主成分とし、メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1g〜3g/10分であるエチレン系共重合体からなる改質剤を、当該改質剤を除く全成分の合計量に対して0質量%以上30質量%未満の割合で含有する樹脂組成物(A)と、メルトマスフローレイト(JIS K7210:温度190℃)が1〜3g/10分である酸基含有重合体およびそのアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂(B)とを用い、インフレーション法により製膜された3層フィルムであり、
該3層フィルムの一方の表面を構成する第一の外層および他方の表面を構成する第二の外層がそれぞれ前記樹脂組成物(A)からなり、前記第一の外層と前記第二の外層との間に配置された中間層が前記樹脂(B)からなり、
前記第一の外層の厚みおよび前記第二の外層の厚みがそれぞれ前記中間層の厚み以下であり、前記3層フィルムの総厚みが160μm未満である深絞り成形用フィルム。 - 前記酸基含有重合体がエチレン−メタクリル酸共重合体である、請求項1に記載の深絞り成形用フィルム。
- 前記エチレン系共重合体が、密度0.860g/cm3以上0.900g/cm3未満のエチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−ブテン共重合体から選ばれる、請求項1または2に記載の深絞り成形用フィルム。
- 前記第一の外層の厚みと前記第二の外層の厚みとが同じである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルム。
- 医療器具用包装材料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の深絞り成形用フィルムを深絞り成形して凹部を形成する工程と、該凹部に医療器具を収容し、該凹部の開口を蓋材により封止して包装体とする工程と、該包装体に対して放射線滅菌処理を施す工程と、を有する医療器具の包装方法。
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