JP2012035223A - 有機性排水の処理方法及び処理設備 - Google Patents

有機性排水の処理方法及び処理設備 Download PDF

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Abstract

【課題】薬剤を使用せずに、汚泥減量化を促進でき、さらには、リン除去性能を維持できるとともに、リン高含有でコンポスト化に適した汚泥を回収できる有機性排水の処理方法提供すること。
【解決手段】有機性排水を生物学的処理槽で処理した後、処理液を汚泥と処理水に固液分離装置3で固液分離して、処理水は放流するとともに、汚泥の一部を返送汚泥として前記生物学的処理槽に戻して汚泥減量化を図る有機性排水の処理方法。返送汚泥を、旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)7による粉砕処理を経て生物学的処理槽1に戻す。そして、粉砕媒体として鉄製ボール(鋼球)を使用することが望ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性排水処理において発生する余剰汚泥を減量化するのに好適な有機性排水の処理方法及び処理設備に関し、更には、薬剤を使用せずにリン(P)除去能を維持でき、リン含量の高い回収汚泥を得ることが容易となる有機性排水の処理方法及び処理設備に関する。処理放水中に含まれるリンは海や湖沼の富栄養化を招き、また、リン含量の高い回収汚泥は、堆肥原料として好適である。
本明細書で使用する排水処理技術用語の略語の意味は下記の通りである。
BOD(Biochemical Oxygen Demand)・・・生物化学的酸素要求量、
COD(Chemical Oxygen Demand)・・・化学的酸素要求量、
SS(Suspended Solid)・・・浮遊物質、
TOC(Total Organic Carbon)・・・全有機炭素量、
T−N(Total Nitrogen)・・・全窒素量、
T−P(Total Phosphorus)・・・全燐量、
PAC(Poly-Aluminum Chloride)・・・ポリ塩化アルミニウム、
HRT(Hydraulic Retention Time)・・・水理学的滞留時間、
MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)・・・活性汚泥浮遊物質
従来、有機性排水処理施設から発生する余剰汚泥は乾燥及び焼却処理されてきたが、余剰汚泥処理コストが排水処理コストの大半を占め、近年では、余剰汚泥処理に起因するCO2排出も地球温暖化の要因として問題視されている。
汚泥減量化技術として、物理的処理であるボールミル(特許文献1参照)や超音波(特許文献2参照)による技術や、化学的処理であるオゾン酸化(特許文献3参照)、熱処理である水熱処理(特許文献4参照)、生物学的処理である高温消化(特許文献5参照)による技術などが提案されている。
なお、本発明で使用する旋回式粉砕機(遠心ミル;偏心ミルと称されることもある。)に関する記載がある先行技術文献としては、特許文献6・7などが存在する。
特開2000-325983号公報(特許請求の範囲等) 特開2006-130475号公報(特許請求の範囲等) 特開2008-86848号公報(特許請求の範囲等) 特開2008-100218号公報(特許請求の範囲等) 特開2007-61773号公報(特許請求の範囲等) 特開平10-34000号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2008−290025号公報(図1等)
しかし、いずれの汚泥減量化技術も汚泥を減量化できるが、処理した汚泥を生物学的処理槽(排水処理槽)へ返送することにより、生物学的処理槽の処理水のTOC、COD、T−N、T−Pが悪化してしまう(排水処理性能が低下する。)。
T−P処理性能を向上させるためには、PACなどの薬剤(凝集剤)使用も従来技術として確立されている。
しかし、薬剤費により運転費(ランニングコスト)が圧迫されることに加え、余剰汚泥の引き取り先として有望である堆肥化施設などでの堆肥原料としては適さない。PACは、アルミニウムを含むためである。
また、本発明と同類である特許文献1で提案されているボールミルによる汚泥減量化技術においては、可溶化及び生分解化を促進するためにアルカリ剤を必要とする。このため、薬剤費もランニングコストを圧迫する他、薬剤添加が処理汚泥を返送する生物学的処理槽に悪影響を及ぼす。
本発明の目的は、薬剤を使用せずに、汚泥減量化を促進できる有機性排水の処理方法及び処理設備を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記目的に加えて、リン除去能を維持でき、さらには、リン高含有でコンポスト化に適した汚泥を回収できる有機性排水の処理方法及び処理設備を提供することにある。
本発明者らは、上記第一の目的(課題)を解決するために、従来の同種技術であるボールミルとは異なる旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)に着目して、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の有機性排水の処理方法に想到した。
有機性排水を生物学的処理槽で処理した後、処理液を汚泥と処理水に固液分離装置で固液分離して、処理水は放流するとともに、汚泥の一部を返送汚泥として前記生物学的処理槽に戻して汚泥減量化を図る有機性排水の処理方法において、
前記返送汚泥を、旋回式粉砕装置による粉砕処理を経て前記生物学的処理槽へ戻すことを特徴とする。
旋回式粉砕装置は、汚泥減量化に適する。その理由は、1)内部構造が単純であり異物の混入に対応し易い、2)振幅が大きいため高い破砕力を有し、汚泥の生分解化性能に優れている、3)薬剤を必要としないため返送先の生物学的処理槽の微生物に悪影響を与えない、等にある。
特に、上記高い破砕力を利用して、汚泥構成要素である微生物の細胞膜を物理的に破壊することで、返送汚泥の生分解化が促進される。したがって、生物学的処理槽における汚泥発生量を更に減少化できる。
上記構成において、前記粉砕処理を、水溶性(溶存性)リン酸塩を凝集(非溶化:不要化乃至難溶化)可能な金属類(例えば、Fe)の存在下で行うことにより、上記他の目的(課題)を解決できる。
即ち、PAC等の薬剤(凝集剤)を使用せずにリン成分を凝集除去し、リン除去性能を向上させることができ、放流排水中のT−Pを格段に減少させることができ排水処理性能がさらに向上する。そして、従来、放流排水中のT−P減少のために添加していたPAC等の薬剤が回収汚泥中に含まれないため、回収汚泥の堆肥(コンポスト)化も容易となる。
本発明の上記有機性排水の処理方法に好適な処理設備は、下記構成となる。
有機性排水を生物学的処理する生物学的処理槽と、該生物学的処理槽で発生する処理液を汚泥と処理水に固液分離する固液分離装置と、前記固液分離装置の汚泥取り出し口に前記汚泥の一部を生物学的処理槽に戻す汚泥返送配管が接続され、
前記汚泥返送配管が旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)を備えていることを特徴とする。
本発明の旋回式粉砕装置を導入した有機性排水処理設備の概略を示すフロー図である。 本発明に用いる旋回式粉砕装置の一例を示す概略平面断面図である。 同じく旋回式粉砕装置における粉砕筒の旋回運動の説明図である。 本発明で使用する旋回式粉砕装置に対する返送汚泥の投入・排出の関係を示す流れ図である。 汚泥発生量及び汚泥中リン含量の比較を示す棒グラフ図である。 排水処理性能の比較を示した棒グラフ図である。
以下、本発明の一実施形態について、説明する。
図1に、本発明の有機性排水の処理方法に使用する有機性排水処理設備の流れ図を示す。
有機性排水を生物学的処理する生物学的処理槽1と、該生物学的処理槽1で発生する処理液を汚泥と処理水に固液分離する固液分離装置3と、前記固液分離装置3の汚泥取り出し口4に前記汚泥の一部を生物学的処理槽1に戻す汚泥返送配管5a、5bが接続されている。そして、本実施形態では、汚泥返送配管5a、5bが旋回式粉砕装置7を備えている。
ここで、生物学的処理槽7は、標準活性汚泥法、嫌気/好気処理でもよいが、汚濁負荷が高い場合には、他の固液分離処理を組み込むことが望ましい。
また、固液分離装置は、遠心分離装置や、フィルタープレス装置でもよいが、通常、沈澱槽(図例ではコーン型)3とすることが望ましい。
沈澱槽3は、汚泥を沈降回収し易く、且つ、分離汚泥を生物学的処理槽1へ返送し易く、さらには、分離のための機械的動力が不要である、等のためである。
本発明で使用する旋回式粉砕装置7の一例及びその原理を図2〜4に示すとともに、以下に説明する。
図2・3は、特許文献7の図1・3を引用したものであり、説明は、段落0019〜0038を、適宜、変更を加えて引用したものである。
ここでは、粉砕筒一筒式の場合を例に採ったが、特許文献6の図1・2に示すような粉砕筒二筒式でも同様である。
基本的構成は、粉砕媒体及び被粉砕物が充填された(円)筒形の粉砕筒12を、複数(図例では一対:2本)のクランク(偏心シャフト)14により旋回(公転)させる如く、絶対座標系に対して自らは回転させることなく、その絶対座標系の原点Oの周りを旋回(旋回軌跡L)させる如くして、容器(粉砕筒)12内部に充填された粉砕媒体及び被粉砕物に対し、遠心力を発生させて粉砕可能としたものである(図符号以外は、特許文献6請求項1から引用)。なお、図3において、英小文字a、b、c、dは、それぞれ、各位置にある粉砕筒12A、12B、12C、12Dの中心位置を示す。
より具体的には、下記の通りである。
各偏心シャフト14は、大径部(クランク腕)14aと、大径部の両側偏心位置に形成される小径部(クランク軸)14bとで構成される。
該一対の小径部(クランク軸)14bは、固定支持台16に配された一対の主軸受け(固定軸受け)18、18に支持される。小径部(クランク軸)14bには、それぞれ、カウンタウェイト(バランスウェイト)20が取り付けられ、振動モーメントが打ち消され、実質的に振動が発生しないようになっている。
各偏心シャフト14の一方側の小径部(クランク軸)14aは、自在軸継手(ユニバーサルジョイント)22を介して、駆動モータ24の出力軸と連結される。
他方、一対の偏心シャフト14の大径部(クランク腕)14aは固定支持されていない副軸受け(浮動軸受け)26が装着されている。そして、各副軸受け26、26の副軸受け箱27、27間には、軸前後方向に一対の粉砕筒取付け板28、28が架け渡され、該粉砕筒取り付け板に粉砕筒を着脱可能とされている。当然、粉砕筒は固着方式であってもよい。
また、前記駆動モータ24、24の間は、プーリ30、30を介してタイミングベルト32により、駆動モータ24、24相互が同期回転可能となっている。
上記において、旋回直径(G)と粉砕筒内径(D)の比率は、0.01<G/D<0.3の範囲から適宜選定する。これらの数値は、回転数500〜1200 min-1の場合を想定したもので、回転数がこれらの範囲外である場合は、上記G/Dの範囲も若干変動する(図3参照)。
具体的には、粉砕筒12の内径を、例えば、180mmとした場合、旋回直径(振幅):約1.8〜54mmとなる。
旋回直径Gが粉砕筒内径Dに比して、大きすぎると、旋回時の遠心力が大きくなり、偏心シャフト14(特にクランク軸14b)を相対的に太くする必要があるとともにカウンタウェイト20も重くする必要がある。また、旋回直径Gが粉砕筒内径Dに比して、小さすぎると、旋回時に十分な遠心力が発生せず、汚泥粉砕に必要な粉砕能を得難くなる。結果的に汚泥構成要素である微生物の細胞膜を物理的に破壊することが困難になると考えられる。
粉砕筒12は、図例では、原料投入口(返送汚泥投入口)12aを上面側に備え、原料投入口12aと反対側に多孔板13がキャップ蓋部12bで挟持結合されている。多孔板13は、バッチ式で製品を排出する際、製品とボールを分離するためのものである。そして、キャップ蓋部12bの下面側には製品排出口(破砕処理汚泥排出口)12dを備えている。
なお、原料投入口12aおよび製品排出口12dは、通常、汚泥返送配管5の前部5aおよび後部5bと蛇腹継手等により接続される。
なお、粉砕筒12の内面は、特に限定されないが、磨耗防止の見地から、通常、ライナー張りとする。また、粉砕筒の周面には、適宜、温調(水冷)用ジャケットや熱放散(空冷用)フィンを形成する。なお、粉砕筒は、円筒に限られず、多角筒(断面4〜8角形)であってもよい。
次に、上記旋回式粉砕装置7を使用しての、汚泥の粉砕方法について説明する。
まず、有機性排水は、生物学的処理槽(例えば、好気性処理:曝気槽)1で生物学的処理された処理排水が、コーン型の沈澱槽3で沈降分離(固液分離)されて汚泥が発生する。該汚泥は定期的に一部が返送汚泥として汚泥返送配管5a、5bを介して生物学的処理槽1へ戻される(返送される。)。汚泥返送比は、汚泥の特性乃至発生量により異なるが、通常(旋回式粉砕装置導入前)の返送汚泥量の3倍程度に設定することができる。ここで「汚泥返送比」とは、「汚泥返送量/流入水量(有機性排水:原料)」のことで、通常は、0.25〜1程度である。したがって、本発明では、返送汚泥比は、0.75〜3程度となる。
そして、返送汚泥(スラリー状)は、本実施形態では、旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)7による粉砕処理を経て前記生物学的処理槽1へ戻される(返送される。)。
ここで、旋回式粉砕装置7は、予め、粉砕媒体を投入しておく。粉砕媒体(ミディアム)の形態および材質は、汚泥の形成要素である動植物細胞膜を物理的に破壊可能であれば、特に限定されない。即ち、形態は、ボール、ロッド、その他の異形であってもよい。また、材質は、金属、セラミックス、更には、細胞膜より高硬度であれば、プラスチックや種子等であってもよい。特に、種子の場合は、磨耗粉がそのまま回収汚泥中に含まれてもコンポスト化の阻害要因とならない。なお、金属としては、Fe以外にMg、Ca、Al等も使用可能であるが、有害重金属(Zn、Cu、Cd、Cr、Pb等)及びそれらの合金は避けることが望ましい。回収汚泥のコンポスト化の阻害要因となるためである。
なお、通常、粉砕媒体を投入して粉砕処理を行うが、遠心加速度が高い状態で旋回式粉砕装置を運転する場合で、内部に邪魔板等を設けたような構成とした場合は、生物細胞膜が破損可能であれば、粉砕媒体の投入は必然的ではない。更に、邪魔板や粉砕筒の内壁を鉄製としておけば、鉄製ボール(鋼球)を投入しなくても、摩耗により鉄微粉が発生して、後述の効果(リンの除去能を維持でき、かつ、リン含量の高い汚泥を回収できる。)も達成できる。
本実施形態では、粉砕媒体を投入する場合は、水溶性リン酸塩を凝集(沈澱)可能な金属類(例えば、Fe)で形成した粉砕媒体を使用することが望ましい。リン酸イオンは次式のように鉄(Fe3+)と反応し、不溶性のリン酸鉄となって凝集沈澱する。
Fe3++PO4 3-→FePO4(非水溶性)
粉砕媒体であるボール(ビーズ)の粒径は、投入原料(有機性排水)や返送汚泥の性状により異なるが、3〜30mmの範囲から適宜選定する。
粉砕媒体をロッドとする場合は、ロッド径は15〜30mmφとし、ロッド長さは、通常、粉砕筒の内側長さより若干短いものとする。ロッドの材質や充填率は、ボールの場合と同様である。
また、粉砕媒体の充填率は、例えば、ボールの場合、容積見掛け充填率で、60〜90%、望ましくは65〜85%とする。ボールの充填率が低過ぎても、高すぎても、汚泥の粉砕効率に悪影響を与え易い。
そして、返送汚泥(スラリー状)の投入量は、有機性排水の種類、汚泥(通常、スラリー)の固形分率等により、また、粉砕媒体の種類・形態・充填率等により異なる。ボール充填の空隙体積に、投入原料体積の割合が略1.0、つまりは、ボールの空隙に原料が満たされるものとすることが望ましい。ボールと原料の接触効率が高くなるためである。
そして、回転数は、公転(旋回)直径を、10〜30mmとしたとき、500〜1800min-1、より普通には、500〜1200min-1とする。
すなわち、下記計算式で求められる加速度数(G)が、4〜72G、望ましくは、10〜32G、さらに望ましくは、12〜20Gの範囲で適宜設定する。加速度数が小さすぎると、微生物の細胞膜を物理的に破壊することが困難となり、加速度数が大きすぎると、運転時負荷が大きすぎて実際的でない。
加速度数(G)=
1/(9.8ms-2)×片振幅(旋回半径)(m)×(2π×振動数(min-1)×60s-1)2
運転時間は排水(原料)特性等により異なるが、通常、10〜20minとする。即ち、汚泥の形成要素である生物細胞膜が破砕される時間とする。
なお、この粉砕処理は、回分(バッチ)処理、連続処理、半回分処理を問わない。
この粉砕処理により汚泥形成要素の生物細胞の細胞膜が破砕された返送汚泥は、生物学的処理槽へ戻され、他の有機性排水とともに、再度、生物学的処理が施される。
このとき、汚泥形成要素である生物細胞の細胞膜が破砕されているため、生物学的処理(分解処理)が格段に促進されて、汚泥減量化率が増大する。
また、破砕処理に際して、鉄製ボール等を使用した場合、摩耗により汚泥中に鉄微粉(鉄成分)が混入し、該鉄成分の存在によりリン酸成分が鉄成分と反応して不溶化凝集して、汚泥中にリン酸成分が移行する。結果的に、処理放水中のT−Pが大幅に減少するとともに回収汚泥(余剰汚泥)中のリン酸成分が増大する。したがって、コンポスト化の阻害要因となるリン成分凝集剤も使用しないことも相まって回収汚泥のコンポスト化が容易となる。
本発明を、対照例とともに実施例に基づいて、更に詳細に説明をする。
実施例は、図1に示したフローに従って、生物的排水処理手法にA20法を採用したミニチュア試験を20℃の恒温室で行った。対照例は、図1において、旋回式粉砕装置7を無くしたものとした。
ここで「A20法」とは、生物学的窒素除去プロセスのひとつである循環式硝化脱窒法と生物学的リン除去プロセスであるA0法(嫌気-好気活性汚泥法)を組み合わせることにより、窒素とリンを同時に除去するものである。窒素については、好気タンクで生成したNO3−NやNO2−Nを含む硝化液を前段の嫌気タンクへ循環し、ここで、水素供与対として原水と接触することにより脱窒を図る。リンについては、嫌気タンクでポリリン酸を加水分解して放出され、溶存酸素もNOx−N等の結合型酸素も含まない無酸素タンクで活性汚泥へ蓄積される。好気タンクでは、ポリリン酸として再合成される。このような、リン過剰摂取現象を利用して、リンを多く含有した汚泥を引き抜くことで、リンを除去する処理方法である。
有機性排水は、BOD:200mg・L-1、T−N:45 mg・L-1、T−P:5mg・L-1、SS:120mg・L-1に調整した実生活排水を用いた。
生物学的処理槽1には30L(嫌気槽:無酸素槽:好気槽=1:1:3)の矩形リアクターを用い、後段に10Lコーン型の沈殿槽3を設置した。
実験条件をHRT:15h、循環比:2.0、汚泥返送比:0.5の一定条件とした。MLSS:4,000 mgで維持するように、汚泥を1回/週の頻度で引き抜いた。
旋回式粉砕装置7には、ポット容積1Lの中央化工機(株)社製(EXTB-1型)を用い、振幅:30mm、回転数:750min-1(rpm)に制御した。
粉砕媒体には7.9 mmΦの鋼球を使用し、粉砕媒体充填率を85%とした。破砕時間は15minとした。
測定項目を以下に示す。汚泥特性として、余剰汚泥量、SS、リン含量を測定した。一方、排水処理性能には、処理水のBOD、T−N、T−P、SSを測定した。ここで、汚泥発生量は余剰汚泥量に処理水SSを加算した値とした。処理水質が安定した期間の結果から、対照例及び実施例の平均汚泥発生量を算出した。
図5は汚泥発生量及び汚泥中のリン含量を比較した図であり、2ヶ月間の安定した結果から算出している。対照例の汚泥発生量は3.2g・d-1であったのに対し、実施例の汚泥発生量は1.5g・d-1であった。よって、約53%と大幅な汚泥減量化を達成した。
対照例における汚泥中リン含量は0.28g・g-SS-1であったのに対し、実施例における汚泥中リン含量は0.43g・g-SS-1と高い値を示した。実施例では、旋回式粉砕装置に鋼球を使用したことによって、汚泥破砕とともに摩耗した鉄が生物学的処理槽へ供給され、リン酸の凝集が引き起こされたためと考えられる。
以上のことから、本発明の旋回式粉砕装置を用いた実施例では、薬剤を添加せずに汚泥減量化が可能で、さらに、本発明の有機性排水の排水処理方法は、付随設備を使用せずに、安価にリン成分(リン酸)を回収できることが確認できた。
図6は排水処理性能の比較を示した図であり、2ヶ月間の安定した結果から算出している。
対照例の処理性能は、SS:8.7mg・L-1、BOD:3.7mg・L-1、T−N:14.3mg・L-1、T−P:2.8mg・L-1であった。
一方、実施例の処理性能は、SS:3.4mg・L-1、BOD:2.0mg・L-1、T−N:12.9mg・L-1、T−P:0.9mg・L-1であった。
従来の汚泥減量化技術とは異なり、実施例においては、いずれの処理性能の悪化も見られなかった。これは、摩耗した鉄が生物学的処理槽へ供給されることによって、汚泥の沈降性が良好となるとともに、微生物の活性が向上したためと考えられる。リン除去性能については、鉄成分供給によるリンの凝集効果が大きく寄与しているといえる。
以上のことから、本発明の旋回式粉砕装置による粉砕処理において鉄製ボールを使用することによって、汚泥の破砕とともに、リン除去が可能であり、汚泥減量化性能と排水処理性能の両立した技術として期待できる。
なお、本発明者らは、旋回式粉砕装置による汚泥減量化は75%まで可能であることを確認しているが、汚泥減量化率53%の場合と異なり、放流排水中のT−Nが悪化する傾向が見られた。破砕汚泥返送により窒素負荷が高くなったためと考えられる。
排水処理設備における有機性排水の特性により容量負荷は異なるので、低負荷の施設には、本発明の旋回式粉砕装置を導入するのみでよいが、高負荷の排水処理設備では、フィルタや他の固液分離技術と組み合わせる必要があると考えられる。
1 生物学的処理槽(排水処理槽)
3 沈殿槽
5a 汚泥返送配管(前部)
5b 汚泥返送配管(後部)
7 旋回式粉砕装置

Claims (11)

  1. 有機性排水を生物学的処理槽で処理した後、処理液を汚泥と処理水に固液分離装置で固液分離して、処理水は放流するとともに、汚泥の一部を返送汚泥として前記生物学的処理槽に戻して汚泥減量化を図る有機性排水の処理方法において、
    前記返送汚泥を、旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)による粉砕処理を経て前記生物学的処理槽へ戻すことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 前記生物学的処理槽が活性汚泥処理槽であることを特徴とする請求項1記載の有機性排水の処理方法。
  3. 前記固液分離が沈降分離であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機性排水の処理方法。
  4. 前記粉砕処理を、水溶性リン酸塩を凝集可能な金属成分の存在下で行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機性排水の処理方法。
  5. 前記金属成分が、Feであることを特徴とする請求項4記載の有機性排水の処理方法。
  6. 前記粉砕処理を、粉砕媒体として鉄製ミディアムを用いることにより前記Feの存在下とすることを特徴とする請求項5記載の有機性排水の処理方法。
  7. 有機性排水を生物処理する生物学的処理槽と、該生物学的処理槽で発生する処理液を汚泥と処理水に固液分離する固液分離装置と、前記固液分離装置の汚泥取り出し口に前記汚泥の一部を生物学的処理槽に戻す汚泥返送配管が接続され、
    前記汚泥返送配管が旋回式粉砕装置(遠心振動ミル破砕装置)を備えていることを特徴とする有機性排水の処理設備。
  8. 前記生物学的処理槽が好気槽(活性汚泥槽、曝気槽等)であるとともに、前記固液分離装置が沈澱槽であることを特徴とする請求項7記載の有機性排水の処理設備。
  9. 前記旋回式粉砕装置が粉砕媒体投入タイプであることを特徴とする請求項7又は8記載の有機性排水の処理設備。
  10. 有機性排水から沈降分離又は浮遊分離された汚泥を、旋回式粉砕装置で粉砕処理を経て、生物学的処理を行うことを特徴とする汚泥減量化法。
  11. 前記粉砕処理を、水溶性リン酸塩を凝集可能な金属成分の存在下で行うことを特徴とする請求項10記載の汚泥減量化法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61268397A (ja) * 1985-05-23 1986-11-27 Nishihara Environ Sanit Res Corp 汚水処理方法
JP2002219493A (ja) * 2001-01-25 2002-08-06 Chuo Kakoki Kk 汚泥の処理方法
JP2008290025A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Chuo Kakoki Kk 木質材の粉砕方法

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