JP2012034875A - リサイクルタイルカーペット - Google Patents

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Abstract

【課題】バッキング層と補強層の接着性を向上させ、寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペットを提供する。
【解決手段】粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含む、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた組成物をタイルカーペットのバッキング層3とし、目付が15〜38g/mであり、繊維径が、8μm以上、且つ繊維長さが15mm以上のガラス繊維の不織布からなる補強層4を用いることにより、寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペット1とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂を含有したタイルカーペット廃材をバッキング層の構成材料に用い、タイルカーペットの寸法安定性を向上させることができるリサイクルタイルカーペットに関する。
カーペットの製造の際には裁断端材が多く発生し、また一般家庭やオフィス等から廃棄処分に供されるカーペットの量も膨大なものになる。従来このようなカーペット廃材は、埋立処理または焼却処理されることが多かった。しかるに、塩化ビニル樹脂からなるバッキング剤で裏打ちされたタイルカーペットを焼却処理すると、有害物質が発生しやすいという問題があった。また、近年、地球環境保護の観点から、カーペット廃材を回収してリサイクル利用することが強く要請されている。このような社会的要請に応えるべく、塩化ビニル樹脂を含むカーペット廃材をリサイクル利用した新たなカーペットが開発されている。
例えば、使用済みのタイルカーペットのバッキング材から産出された、ガラス繊維を含み、塩ビを主体とする合成樹脂からなるチップ状或は細片状の小片(ペレット)を集合させ、加熱処理を施しながら加圧処理を行いつつ所定の厚みと幅とを有する長尺状のシート状物に成型する再生タイルカーペット用のバッキング材を得る技術も知られている。(特許文献1参照)。
また、産業廃棄物として排出される廃タイルカーペットのPVCバッキング層等を粉体化し、その粉体を散布し加熱、溶融、加圧し、シート状に成形し、ガラス不織布を挟んで積層し、タイルカーペットのバッキング層とする、各種廃内装材のリサイクルを可能にした技術も公知である(特許文献2参照)。
上記のような技術を用いれば、塩化ビニル樹脂を含有したカーペット廃材を裏打ち層の構成素材の一部に用いたリサイクルカーペットの提供が可能となる。
一方、寸法安定性を向上させるために、線膨張係数の小さい網目状のガラス織布からなる補強層を介在させるという技術も知られている。(特許文献3参照)。
また、優れた寸法安定性や反り性能を有し、バックステッチの凹凸が激しい表面パイル層においても、所定の厚みに制御可能な、経済性にも優れたタイルカーペットとして、補強層を網目の大きさ25〜400mmのガラスネットを用いる技術も知られている。(特許文献4参照)。
特開2009−95521号公報 特開2004−114663号公報 特開昭61−19886号公報 特開2009−131341号公報
しかしながら、特許文献1の技術においては、使用済みのタイルカーペットのバッキング材から産出された塩ビを主体とする合成樹脂からなるバッキング層の収縮は大きく、複数の短繊維状のガラス繊維が互いにランダムな方向に配列されて混入されている構成だけでは上下のシートの収縮差等により、タイルカーペットの反り性能や寸法安定性を抑えることは困難であり、チェアーキャスターなどによるハードな摩耗に耐えうるタイルカーペットとはならなかった。
また、特許文献2の技術においても、成分として、塩化ビニル樹脂ポリマー分が約15〜20%のタイルカーペットバッキング材の粉体40部と塩化ビニル樹脂ポリマー分が約40〜50%の塩ビ長尺シートの粉体40部を混合させることにより、新たなバッキング材として形成を可能としているが、樹脂分が多く、高温で溶融しなくてはならないために、樹脂分である塩化ビニル樹脂の分解が起こる可能性があり、タイルカーペットの寸法安定性に欠けるおそれがある。また加工する際に多大なエネルギーを必要とする。さらに寸法変化を抑えるためにガラス不織布を挿入しているが、ガラス不織布の挿入だけでは、ゲル化した塩化ビニル樹脂ポリマーがガラス不織布の表面に接着しているだけで、ガラス不織布がバッキング層と一体化しておらず、タイルカーペットの寸法変化、及びバッキング層の層内剥離を抑えることは困難であった。ガラス不織布をバッキング層と一体化させ、寸法安定性を向上させるためには、予め、ガラス不織布に樹脂を含浸させておくか、加工工程で含浸させる必要があった。
さらに、特許文献3、4の技術においては、リサイクル樹脂をバッキング層に使用すると表面に凹凸が発生し、空隙の小さな網目の織布や、網目の大きなガラスネットでは、接着面積が小さくなり、タイルカーペットの寸法を確保する力はなく、リサイクルタイルカーペットの寸法安定性を抑えることは困難であった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた組成物をタイルカーペットのバッキング層とし、所定の補強層を用いることにより、バッキング層と補強層の接着性を向上させ、寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペットを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた、粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含む樹脂組成物をバッキング層として用い、さらに、繊維径が8μm以上、且つ長さが15mm以上であるガラス繊維の不織布を用いることにより、リサイクル樹脂を使用した、表面に凹凸のあるバッキング層においても、バッキング層と補強層の接着性に優れ、寸法安定性の優れたリサイクルタイルカーペットとすることができることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]基布にパイル糸が植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、ガラス繊維の不織布からなる補強層と、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物からなるバッキング層で構成されたリサイクルタイルカーペットにおいて、前記補強層を構成するガラス繊維の不織布の目付が15〜38g/mであり、該ガラス繊維の不織布の繊維径が、8μm以上、且つ繊維長さが15mm以上であり、さらに、前記樹脂組成物に粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含むことを特徴とするリサイクルタイルカーペット。
[2]前記ガラス繊維の不織布が耐熱温度400℃以上の耐熱性繊維であるガラス繊維で構成され、引張強度120N/50cm以上、180℃10分間熱処理後の熱収縮率0.1%以下であることを特徴とする前項1に記載のリサイクルタイルカーペット。
[3]前記ガラス繊維の不織布の隙間の内部まで含浸した前記樹脂組成物によって、前記ガラス繊維の不織布が前記バッキング層と接合され一体になっていることを特徴とする前項1または2に記載のリサイクルタイルカーペット。
[4]前記樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の長さが0.1mm〜30mmの範囲に含まれていることを特徴とする前項1乃至3に記載のリサイクルタイルカーペット。
[5]前記補強層の上面に位置するバッキング層と下面に位置するバッキング層との厚みの比が、1:1〜1:9であるように挿入することを特徴とする前項1乃至4に記載のリサイクルタイルカーペット。
[1]の発明では、補強層を構成するガラス繊維の不織布の目付が15〜38g/mであり、該ガラス繊維の不織布の繊維径が、8μm以上、且つ繊維長さが15mm以上であることから、不織布の目が粗くバッキング層を構成する樹脂組成物が染み込みやすくなり、前記バッキング層と一体化させることができる。また、前記樹脂組成物に粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含んでいることから、前記バッキング層内に前記ガラス繊維やパイル糸がランダムに配置されることにより、前記バッキング層自体も強固な寸法安定性を発揮することになる。さらに、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物を使用することにより、再生材料の使用比率が高く、地球環境保護に十分に貢献できるリサイクルタイルカーペットとなる。
[2]の発明では、ガラス繊維の不織布が耐熱温度400℃以上の耐熱性繊維であるガラス繊維で構成され、引張強度120N/50cm以上、180℃10分間熱処理後の熱収縮率0.1%以下であることから、タイルカーペットの加工時の高温にも性能や寸法が変化する事無く、また、タイルカーペットの施工後の使用において、過酷な環境においても寸法が変化することは無い。
[3]の発明では、ガラス繊維の不織布の隙間の内部まで含浸した前記樹脂組成物によって、前記ガラス繊維の不織布が前記バッキング層と接合され一体になっていることから、バッキング層における層内剥離が生じず、ガラス繊維の不織布の寸法安定性がタイルカーペット全体の強固な寸法安定性となる。
[4]の発明では、樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の長さが0.1mm〜30mmの範囲に含まれていることから、前
記ガラス繊維やパイル糸が、互いにランダムな方向に配列される結果となり、バッキング層における層内剥離が生じず、タイルカーペットに強固な寸法安定性を付与することができる。
[5]の発明では、前記補強層の上面に位置するバッキング層と下面に位置するバッキング層との厚みの比が、1:1〜1:9であるように挿入することから、タイルカーペットの厚さ方向の中間位置より上方に前記補強層が挿入されることになり、反り性能、及び寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペットとなる。
この発明のリサイクルタイルカーペット(1)は、図1に示すように、基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層(2)と、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物からなるバッキング層(3)、及びガラス繊維の不織布からなる補強層(4)が積層一体化されてなるものである。
本発明における前記表面パイル層(2)としては、特に限定されるものではないが、例えばカーペット基材に表面にパイルが植設されたもの、タフテッドカーペット、織カーペット、編カーペット、電着カーペット等を例示できる。
前記カーペット基材としては、特に限定されるものではなくどのようなものでも使用できる。例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維からなる糸を製編織した布地の他、各種の繊維や糸を、ニードリング等により機械的に接結したり、あるいは接着剤等により化学的に接結した不織布等を使用できる。
前記パイル素材としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他、麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等を使用できる。更にパイル層の形成手段も特に限定されるものではなく、例えばモケット等のように経パイル織、緯パイル織等の製織によりパイル層を形成する手段、タフティングマシン等によりパイル糸を植毛してパイル層を形成する手段、編機によりパイル層を形成する手段、接着剤を用いてパイル糸を接着してパイル層を形成する手段等を例示することができる。パイル形態も特に限定されず、カットパイル、ループパイル等いずれの形態であっても良い。
また、表面パイル層(2)の下面にパイル抜け止め用の低粘度のポリ塩化ビニル樹脂やカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体等の目止め層(5)等を設けても良い。特に含浸性、接着性の面から低粘度のポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。
本発明において、バッキング層を構成する、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物に含まれる多くの繊維成分がバッキング層内にランダムに配置され、リサイクルタイルカーペット(1)の基本性能である寸法安定性に寄与するが、さらに寸法安定性を向上させるために補強層(4)が必要となる。
本発明における補強層(4)はリサイクルタイルカーペット(1)の形状及び寸法安定性を向上させるものであって、ガラス繊維の不織布を用いる必要がある。前記補強層(4)は前記バッキング層(3)の層間、或いは層上に積層する事により、カーペットの形状安定性を向上させるものである。即ち、前記ガラス繊維の不織布が耐熱温度400℃以上の耐熱性繊維であるガラス繊維で構成され、引張強度120N/50cm以上、180℃10分間熱処理後の熱収縮率0.1%以下であることから、有効にカーペットの形状を安定化することが可能である。この点からガラス繊維の不織布が最も好適なものである。
前記ガラス繊維からなる不織布の目付け量は、従来技術では、寸法安定性を発揮させるには40g/m以上を必要としていたが、本発明においては、樹脂組成物が不織布内部まで含浸することにより、低目付けで寸法安定性の確保が可能となり、好ましくは15〜38g/mの範囲である。この範囲より低い目付け量では、寸法安定性の効果が不足し、またこの範囲を超える高い目付け量では、いずれも樹脂層と不織布間の層間剥離が生じ易く好ましくない。
前記ガラス繊維からなる不織布の繊維径は、8μm以上、且つ繊維長さが15mm以上が必要である。該繊維径及び繊維長さであれば、不織布の目が粗くなり、樹脂が染み込みやすくなる不織布になる。該繊維径及び繊維長さがこの範囲を逸脱すると目が細かく樹脂が染み込み難い不織布になる。
前記補強層(4)の挿入位置は前記バッキング層(3)の層間に積層する事が必要である。即ち、上面に位置するバッキング層と下面に位置するバッキング層との厚みの比が、1:1〜1:9であるように配置されるように挿入する必要がある。この位置であれば、バッキング層の厚さ方向の中間位置より上方に前記補強層(4)が挿入されることになり、伸縮しやすい表面パイル層(2)の動きを抑制し、反り性能、及び寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペットとなる。例えば、歩行頻度の激しいハードユースな場所に施工する場合は、高い反り性能、及び寸法安定性に優れる、例えば1:9の上層に積層することが好ましく、一般的なオフィス等では快適な歩行性から例えば1:1の中間の層間が好ましい。
本発明における塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物からなるバッキング層(3)はタイルカーペットの形状を形成するもので、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られる。塩化ビニル樹脂が含有してなるカーペット廃材としては、ガラス繊維やパイル糸が含んでいれば、特に限定されるものではないが、例えばカーペット製造時の裁断端材、一般家庭やオフィス等から出た廃棄処分に供されるカーペットなどが挙げられ、中でも塩化ビニル樹脂が裏打ちされ、ガラス繊維からなる不織布や織布が挿入され、パイル糸が植えられたタイルカーペットが好適に用いられる。
塩化ビニル樹脂が裏打ちされたカーペット廃材から削り取られ、粉砕された微粉砕物を得るための削り取り方法、粉砕手法は、特に限定されるものではないが、例えば塩化ビニル樹脂からなる裏打ち層をカーペット廃材から剥離し、この剥離した廃材を粉砕機を用いて粉砕し、得られた粉砕物を風力振動分級等で樹脂分と繊維分に分離し(例えば特開2003−47878号公報に記載の粉砕手法を採用できる)、この分離された樹脂分をさらに微粉化(特願2004−310179号参照)する手法などが挙げられる。
本発明における塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物としては、粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含んでいる必要がある。該ガラス繊維やパイル糸の含有量であれば、前記バッキング層(3)内に前記ガラス繊維やパイル糸がランダムに配置されることにより、前記バッキング層(3)自体も強固な寸法安定性を発揮することになる。
さらに、前記樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の長さが0.1mm〜20mmの範囲に含まれている必要がある。該ガラス繊維やパイル糸の長さであれば、前記ガラス繊維やパイル糸が、厚さ方向に突き抜ける事無く、互いにランダムな方向に配列される結果となり、バッキング層(3)における層内剥離が生じず、リサイクルタイルカーペット(1)に強固な寸法安定性を付与することができる。
塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物をバッキング層(3)に形成し、補強層(4)を挿入する方法としては、パウダー散布加工、コーティング加工、カレンダー加工等の公知の加工技術を用いることができるが、リサイクル樹脂をできるだけ多く使用するにはパウダー散布加工が好ましい。
例えばパウダー散布加工の方法として、まず、粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含む前記塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物をスキャッターに投入する。この投入前に、必要に応じて可塑剤、滑剤、充填剤、顔料等をブレンドしておくことも可能である。次に、連続走行する無端離型性ベルト上に、上方に配置されたスキャッターから前記粉砕物を散布する。このスキャッターは、その下側の散布口において、表面にゴルフボールのようなディンプル(窪み)が多数形成されたローラーが配置されており、該ローラーを回転させることによりディンプルに入り込んだ前記粉砕物を順次下方に散布する装置であり、貯留された前記粉砕物を所望の一定量で散布することができる。次いで、加熱装置を用いて、無端離型性ベルト上に散布された前記粉砕物を加熱溶融させ、加圧ロールで加圧することによって、バッキング層(3)に形成することができる。さらに、タイルカーペット加工機内に連続走行する離型性ベルトの上方に前記スキャッターを縦に複数個並べることにより、複数層のバッキング層(3)を形成することができ、該複数層のバッキング層(3)の間に前記補強層(4)を挿入することが可能となる。
前記粉砕物を加熱溶融する加工温度は、前記樹脂組成物に塩化ビニル樹脂が含有しているために180℃以下で十分に、強度に優れた、タイルカーペット(1)に安定した寸法安定性を付与するバッキング層(3)とすることができる。
本発明において、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物からなるバッキング層(3)の前記樹脂組成物の散布量は300〜4000g/mが好適である。散布量が300〜4000g/mであれば、大きなエネルギーを必要とせず、上方からの加熱装置の熱により、溶融させ、冷却加圧させればリサイクルタイルカーペット(1)の、強度があり、寸法安定性のある裏打ち層となる。この範囲を下回れば強度がある層としての形成が困難で、上回れば溶融が困難となり層としての形成が困難となり、経済的にも不利となる。
さらに、前記補強層(4)を前記バッキング層(3)の層間に挿入することができる。挿入後、バッキング層形成のための加熱、加圧により、バッキング層を構成する樹脂が内部まで含浸し、前記ガラス繊維の不織布からなる前記補強層(4)と強固な接着力で積層される。
上記のバッキング層(3)に形成し、補強層(4)を挿入する方法により、リサイクル樹脂を多く使用しても、寸法安定性に優れたリサイクルタイルカーペットとすることができる。
本発明のリサイクルタイルカーペット(1)は、前記表面パイル層(2)、及び各バッキング層(3)と、補強層(4)を積層し加熱、加圧後、冷却し、最後に所定形状、例えば500mm角の正方形に裁断すれば、最終製品としてのリサイクルタイルカーペット(1)が得られる。
なお、この発明のリサイクルタイルカーペット(1)は、上記製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>表面パイル層として目付90g/m のポリエステル繊維の不織布(カーペット基材)に、ナイロン繊維からなるパイル糸がループパイルにタフティングされたもの(パイル目付610g/m)の裏面に、パイル抜け止め用の低粘度のポリ塩化ビニル樹脂の目止め層(塗布量300g/m)を施したものを用意し、パウダー散布加工機において、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物(粉砕されたガラス繊維やパイル糸が5重量%含む)を無端離型性ベルトの上方に位置するスキャッターに投入し、無端離型性ベルトの上に散布量2000g/m で散布し、次いで加熱装置により170℃で前記微粉砕物を加熱溶融せしめた後、水冷式の冷却加圧ロールで加圧した。次に、繊維径が10μm、且つ繊維長さが20mmであり、目付が25g/mのガラスの不織布からなる補強層を
重ね合わせ、さらに、その上に、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物(粉砕されたガラス繊維やパイル糸が5重量%含む)を無端離型性ベルトの上方に位置するスキャッターに投入し、無端離型性ベルトの上に散布量2000g/m で散布し、次いで加熱装置により170℃で前記微粉砕物を加熱溶融せしめ、水冷式の冷却加圧ロールで加圧した。さらに、表面パイル層を積層し、ついで加熱圧着して、最後に500mm角の正方形に裁断し、タイルカーペットを製造した。
<実施例2>カーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の含有量が2重量%であること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<実施例3>カーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の含有量が8重量%であること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<実施例4>ガラスの不織布からなる補強層の目付けが20g/mであること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<実施例5>ガラスの不織布からなる補強層の目付けが35g/mであること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<比較例1>カーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の含有量が0重量%であること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<比較例2>ガラスの不織布からなる補強層の目付けが40g/mであること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<比較例3>ガラスの不織布からなる補強層を構成する繊維径が5μmであること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
<比較例4>ガラスの不織布からなる補強層を構成する繊維長さが10mmであること以外は実施例1と全く同様にしてリサイクルタイルカーペットを得た。
上記のようにして得られた各リサイクルタイルカーペット(1)に対して下記評価法に基づいて寸法安定性試験を調べた。その結果を表1に示す。
(寸法安定性試験)(A)JISL4406に準じて、各塩化ビニルリサイクルタイルカーペット(1)を60℃で2時間放置後、水道水に2時間浸漬し、その後、60℃で24時間放置した後、20℃65RH%下で、リサイクルタイルカーペット(1)のたて方向及びリサイクルタイルカーペット(1)のよこ方向のそれぞれについて測定した。測定は、3サンプル行い、その平均値を求めた。(B)500mm角のリサイクルタイルカーペット(1)1枚の表面上に荷重90kgを加えたチェアーキャスターを2000回転させた後、縦横寸法を測定し、転動前の寸法と対比した値を縦横の平均値で示した。(A)(B)共にその値が±0.15%未満であれば実際の使用に耐えうるタイルカーペットとなる。また、チェアーキャスターが回転中にバッキング層に層間剥離が発生したものは、実際の使用に耐えれないタイルカーペットとした。
表1から明らかなように、実施例1〜5のリサイクルタイルカーペットは、いずれも寸法安定性に優れた十分に使用に耐えうるタイルカーペットとなる結果を得た。
これに対し、比較例1〜4のリサイクルタイルカーペットは寸法安定性に関して良好な性能は得られなかった。さらに、比較例2、4はバッキング層において層間剥離が発生した。
本発明における一実施形態に係るリサイクルタイルカーペットの概略断面図である。
1・・・リサイクルタイルカーペット 2・・・表面パイル層 3・・・バッキング層 4・・・補強層 5・・・目止め層

Claims (5)

  1. 基布にパイル糸が植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、ガラス繊維の不織布からなる補強層と、塩化ビニル樹脂を含有してなるカーペット廃材を粉砕して得られた樹脂組成物からなるバッキング層で構成されたリサイクルタイルカーペットにおいて、前記補強層を構成するガラス繊維の不織布の目付が15〜38g/mであり、該ガラス繊維の不織布の繊維径が、8μm以上、且つ繊維長さが15mm以上であり、さらに、前記樹脂組成物に粉砕されたガラス繊維やパイル糸が0.5〜10重量%含むことを特徴とするリサイクルタイルカーペット。
  2. 前記ガラス繊維の不織布が耐熱温度400℃以上の耐熱性繊維であるガラス繊維で構成され、引張強度120N/50cm以上、180℃10分間熱処理後の熱収縮率0.1%以下であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクルタイルカーペット。
  3. 前記ガラス繊維の不織布の隙間の内部まで含浸した前記樹脂組成物によって、前記ガラス繊維の不織布が前記バッキング層と接合され一体になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のリサイクルタイルカーペット。
  4. 前記樹脂組成物に含まれる粉砕されたガラス繊維やパイル糸の長さが0.1mm〜30mmの範囲に含まれていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のリサイクルタイルカーペット。
  5. 前記補強層の上面に位置するバッキング層と下面に位置するバッキング層との厚みの比が、1:1〜1:9であるように挿入することを特徴とする請求項1乃至4に記載のリサイクルタイルカーペット。
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