JP2012034552A - 回転機器 - Google Patents

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Yasuo Oishi
泰生 大石
Junichi Shimabukuro
淳一 島袋
Yoshihiro Takeda
義弘 武田
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Abstract

【課題】コアと軸とを精度よく同軸に組み付け、効率よく組み付け作業が可能な回転機器を提供する。
【解決手段】シャフト10に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器において、第1ハウジング20はシャフト10が挿入される中央孔26を有する。第2ハウジング30は第1ハウジング20と結合して回転機器の外形を形成する。コア40は、円環部を有する。コアホルダ50は、シャフト10が内挿される円筒部52と、円筒部52の一端から径方向に延在し、第1ハウジング20に接合されるフランジ部54とを有し、円筒部52の外周にコア40の円環部の内周が固定される。第1ハウジング20には中央孔26と同心の環状段差部22が形成され、環状段差部22にフランジ部54の外周端が当接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器に関する。
エアコンディショナーや空気清浄機のファンを回転する駆動源としてモータなどの回転機器が設けられる。この回転機器には、ファンを回転させる軸が設けられ、軸と同軸にコアやマグネットなどの部材が配置される。
たとえば特許文献1には、ステータコアと、ロータと、ロータのシャフトの一端側を支持するフロントベアリングと、シャフトの他端側を支持するリヤベアリングとを備えるブラシレスモータが開示されている。このブラシレスモータは、フロントベアリングを保持する第1の保持部材と、リヤベアリングを保持する第2の保持部材が、ステータコアの内周面に固定されてなる。
特開2007−244084号公報
ところで、回転機器は駆動したときの駆動音が小さいことが望ましく、駆動音を小さくするために駆動時の振動を低減することが求められる。回転機器には回転体として軸が設けられ、固定体としてコアが同軸に設けられる。このコアと軸との軸心がずれて組み付けられると、駆動時に軸がぶれて振動が大きくなる。また、コアと軸とを同軸に精度よく組み付けようとすると、組み付け作業に時間がかかる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、コアと軸とを精度よく同軸に組み付け、効率よく組み付け作業が可能な回転機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の回転機器は、軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、第1ハウジングと結合して回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、円環部を有するコアと、軸が内挿される円筒部と、円筒部の一端から径方向に延在し、第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有し、円筒部の外周に円環部の内周が固定されるコアホルダと、を備える。この回転機器の第1ハウジングには中央孔と同心の環状段差部が形成され、環状段差部にフランジ部の外周端が当接する。
第1ハウジングの中央孔は軸が挿入されるため軸と同軸となり、コアホルダの円筒部はコアの円環部の内周が固定されるためコアと同軸となる。コアホルダのフランジ部は第1ハウジングの中央孔と同心の環状段差部を基準として組み付けられるため、コアホルダも第1ハウジングの中央孔と同軸に配設できる。これにより、環状段差部を基準として効率よく組み付け作業をすることができる。また、コアと軸とを同軸に精度よく組み付けることができ、回転機器の駆動時の振動を低減することができる。
本発明の別の態様もまた、回転機器である。この回転機器は、軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、第1ハウジングと結合して回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、軸が内挿される円筒部と、円筒部の一端から径方向に延在し、第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有するコアホルダと、円筒部の外周に内周が固定される円環部と、そこから径方向に伸びる突極とを有するコアと、突極に巻線を巻回して形成されるコイルと、コイルと軸方向に対向し、巻線を引き出す開口部が形成される基板と、開口部に設けられるはんだ付けのための電極と、基板に設けられる磁気センサと、を備える。
この態様によると、コイルから出た巻線をコイルと軸方向に対向する基板の開口部に引き出すことができ、引き出した巻線のはんだ付け作業が容易となる。また、コイルと軸方向に対向する基板に磁気センサを設けることで、磁束密度を精度よく検出することができる。
本発明のさらに別の態様もまた、回転機器である。この回転機器は、軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、第1ハウジングと結合して回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、軸が内挿される円筒部と、円筒部の一端から径方向に延在し、第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有するコアホルダと、円筒部の外周に内周が固定される円環部と、そこから径方向に伸びる突極とを有するコアと、突極に巻線を巻回して形成されるコイルと、コイルと軸方向に対向し、巻線を引き出す開口部が形成される基板と、基板に設けられる磁気センサと、を備える。この回転機器において、磁気センサに接続される磁気センサ用口出し線、および巻線に接続されるコイル用口出し線を、第2ハウジングに形成した連通口から導き出し、コイル用口出し線は基板上において巻線の端末にはんだ付けして接続される。
この態様によると、コイルから出た巻線をコイルと軸方向に対向する基板の開口部に引き出すことができ、作業が容易となる。また、コイルと軸方向に対向する基板に磁気センサを設けることで、磁束密度を精度よく検出することができる。また磁気センサ用口出し線およびコイル用口出し線を基板からまとめて第2ハウジングに形成された連通口から導き出すことができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、回転機器においてコアと軸とを精度よく同軸に組み付け、効率よく組み付け作業ができる。
実施形態に係るモータを示す断面図である。 実施形態に係るモータを示す上面図である。 実施形態に係る基板における第1ハウジングと対向する側の面を示す図である。 実施形態に係るコイルの巻線を示す斜視図である。 実施形態に係るコイルの巻線を示す断面図である。 実施形態に係る第1巻線および第2巻線の接続を示す図である。 実施形態に係る第1巻線および第2巻線の接続を示す図である。 実施形態に係る第1巻線および第2巻線の接続を示す図である。 実施形態に係るコアホルダの第1変形例を示す断面図である。 実施形態に係るコアホルダの第2変形例を示す断面図である。 実施形態に係るコアホルダの第3変形例を示す断面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施形態に係るモータ200を示す断面図である。また、図2は、実施形態に係るモータ200を示す上面図である。モータ200は、回転機器の一例であり、たとえばエアコンディショナーのファンや送風機のファンを回転させる駆動源として機能する。モータ200はシャフト10に連結するファンなどの外部の装置にトルクを伝達する。
モータ200は、シャフト10、第1ハウジング20、第2ハウジング30、コア40、コアホルダ50、マグネット60、ロータヨーク65、コイル70、基板80、基板ホルダ90、第1軸受110、第2軸受115、回り止め部120、コイル用口出し線130、磁気センサ用口出し線135および磁気センサ160を備える。
第1ハウジング20は、円盤形状に形成され、その中央にシャフト10が挿入される中央孔26を有する。また第1ハウジング20の中央部分には環状の凸部24が形成され、凸部24は、モータ200に組み付けた場合に外部空間に向かって張り出す。第1ハウジング20の凸部24の径方向外側には、軸方向に延びる環状段差部22が形成される。環状段差部22は、第1ハウジング20の中央孔26と同心であり、凸部24とも同心である。第1ハウジング20の外周端28は、第2ハウジング30の筒部の周端38と結合する。
第2ハウジング30は、略カップ形状に形成され、第1ハウジング20と結合してモータ200の外形を形成する。第1ハウジング20および第2ハウジング30により覆われた空間がモータ200の内部空間であり、その逆の覆われていない空間がモータ200の外部空間である。第2ハウジング30の底部の中央には、環状の凸部34が形成され、凸部34は外部空間に向かって張り出す。第2ハウジング30の筒部には、内部空間と外部空間を連通する連通口32が形成される。
第1ハウジング20の凸部24の内部空間側には、第1軸受110が設けられる。第1軸受110の外周面は凸部24の内周面に固定される。第1軸受110の中央に設けられた挿入孔は、第1ハウジング20の中央孔26と同心に配置される。また第2ハウジング30の凸部34の内部空間側には、第2軸受115が設けられる。第2軸受115の外周面は凸部34の内周面に固定される。第1軸受110および第2軸受115は対向して同軸に配置される。棒形状のシャフト10は、第1ハウジング20の中央孔26、第1軸受110および第2軸受115に挿入され、第1軸受110および第2軸受115により回動可能に支持される。
ロータヨーク65は、第2ハウジング30より小さい略カップ形状に形成され、底部の中央に中央孔66が形成され、その中央孔66はシャフト10の外周面に固定される。ロータヨーク65の筒部68の内周面には、リング状のマグネット60が固定される。マグネット60は、コア40の突極46と対向する位置に、周方向に等間隔で複数の磁極を有する。マグネット60の軸方向中心の位置は、コア40の軸方向中心の位置と略同一の高さに設定される。ロータヨーク65およびマグネット60は、シャフト10と一体に回動する。すなわち、シャフト10とロータヨーク65とマグネット60とは回転体を構成する。
第1ハウジング20の内部空間側の面にはコアホルダ50が接合される。コアホルダ50は、たとえば鋼板をプレス加工によって形成してよく、表面にメッキが施されていてもよい。コアホルダ50は、シャフト10が内挿される円筒部52と、円筒部52の一端から径方向に延在するフランジ部54とを有する。円筒部52の外周面にはコア40の円環部43の内周面が固定される。モータ200の駆動時には電流と磁界によってコア40が駆動力を受けるが、コアホルダ50への固定によりコア40の位置ずれを抑えることができる。
第1ハウジング20とコアホルダ50との接合について具体的に説明する。第1ハウジング20の凸部24の外径から環状段差部22までの間の面に、コアホルダ50のフランジ部54の一端面54aが接合される。フランジ部54の外周端は環状段差部22に当接する。第1ハウジング20の中央孔26とコアホルダ50とを同軸に配置することができる。そしてコアホルダ50にはコア40が同軸に取り付けられるため、軸孔となる中央孔26とコア40を同軸に組み付けることが可能となり、コア40とシャフト10とを精度よく同軸に組み付けることが可能となる。これにより、駆動時の軸ぶれによる振動を低減することができ、振動による騒音も低減することができる。また、フランジ部54の外周端を基準として第1ハウジング20にコアホルダ50を接合することができ、組み付け作業が容易となり、生産性を向上することができる。なお第1ハウジング20の凸部24の内径とフランジ部54の内径は略同一である。コアホルダ50の組み付け作業において、外周側を環状段差部22を基準とし、内周側を凸部24の内径を基準とすることができる。
フランジ部54の外周端の外径は、円筒部52の外径の1.5倍以上である。これにより、フランジ部54の接合面を確保することができ、十分な接合強度を有することができる。とくに、接着および溶接で接合する場合に必要な接合面を確保することができる。
フランジ部54の一端面54aと、第1ハウジング20の内部空間側の端面との接合は、カシメ、接着および溶接のいずれかによって行われる。カシメにより接合することで、フランジ部54の外周端と環状段差部22との当接がずれることを抑えることができる。また接着および溶接により接合することで、コアホルダ50と第1ハウジング20の中央孔26とを精度よく同軸に配置することができる。
次に、コアホルダ50にはコア40が固定される。コア40は、円筒部52の外周面に内周面が固定される円環部43と、そこから径方向に伸びる突極46とを有する。円環部43は、円筒部52に形成されるコア用段差部58を基準として位置決めがなされる。
図2に示すように、突極46は、巻線140が巻かれる棒状体48と、棒状体48の径方向外側に設けられ、周方向に延在する歯部41とを有する。歯部41の外周面は、円弧形状に形成され、円弧形状の中央部が突端42である。また歯部41の突端42とは逆側で径方向内側の端面が内周側端面44である。
コイル70は、突極46の棒状体48に巻線140を巻回して形成される。なお、コイル70はコアカバー45を介して棒状体48に巻回される。3相の駆動電流がコイル70を流れることにより、複数の突極に沿って磁束が発生する。この磁束によってマグネット60にトルクが与えられ、マグネット60と一体にシャフト10が回転する。
コア40の円環部43は、円環部43の内周面から切り欠いて形成されたコア溝部47を有する。また、コアホルダ50の円筒部52は、開放端から切り欠いて形成された切り欠き部56を有する。コア溝部47と切り欠き部56の周方向幅は略同一である。組み付けの際、コア溝部47および切り欠き部56に、四角柱に形成された回り止め部120が嵌合される。モータ200を駆動した際にコア40はマグネット60から回転方向とは逆の反力を受け、その周方向の反力はコアホルダ50にも伝達される。そして、経年的に駆動することでコア40とコアホルダ50の位置関係がずれることがある。そこで一体の回り止め部120をコア40とコアホルダ50に取り付けることで、コア40とコアホルダ50の位置関係が周方向にずれることを防止することができる。
コア溝部47は円環部43を切り欠いて形成するため、円環部43が薄くなる箇所が形成されると、その箇所に流れる磁束が減少する。そこでコア溝部47は突極46の延出方向に位置し、突極46の根元領域にある円環部43に形成される。これにより、コア溝部47が形成された円環部43においては、磁束が突極46の根元を通ることができ、円環部43に流れる磁束の減少を抑えることができる。
基板80は、コイル70と軸方向に対向して組み付けられる。基板80は、基板ホルダ90に固定される。基板ホルダ90は円環形状に形成され、基板ホルダ90の内周面は円筒部52の外周面に固定され、基板ホルダ90の外周面には基板80が固定される。基板ホルダ90の外周面には段部92が形成されている。この段部92に基板80の内周端部が載置され、基板80を貫通する固定ねじ89によって基板80が固定される。ここで、基板80について具体的に説明する。
図3は、実施形態に係る基板80における第1ハウジング20と対向する側の面を示す図である。基板80は、円弧形状に形成され、小径部84と、径方向幅が小径部84より大きい大径部86とからなる。
基板80の小径部84には開口部82が3つ形成され、3つの開口部82が周方向に等間隔に配設される。開口部82は、外周端部から内周に向かって切り欠いて形成される。開口部82から図1に示すコイル70を形成する巻線140の端末を引き出し、巻線140をコイル用口出し線130に接続する。巻線140の端末はコイル70の径方向内側の端部から出ている。3相駆動の電流を供給するため、巻線140の端末およびコイル用口出し線130は3つとなる。開口部82であって、図3に示す切り欠き形状の奥部には、はんだ付けのための電極88が設けられる。
巻線140とコイル用口出し線130とは、駆動時の振動によって断線しないよう接続されることが望ましい。その一方、巻線140とコイル用口出し線130との接続の信頼性を確保しようとすると組み付けの作業性が低下してしまう。実施形態において、コイル70と基板80は対向しており、コイル70の近くに基板80が配置されているため、巻線140の端末を基板80の開口部82へ容易に引き出すことができ、開口部82でのはんだ付け作業も容易となる。開口部82が隣接するコイル70の間に位置するように、基板80を基板ホルダ90に組み付ける。これにより、巻き終えた巻線140の端末をそのまま鉛直に開口部82に引き出すことができる。なお、開口部82は基板80に設けられた貫通孔であってよい。
小径部84から巻線140の端末を引き出してコイル用口出し線130に固定する。コイル用口出し線130は、基板80上において巻線140の端末に直接はんだ付けして接続される。巻線140をフレキシブルプリント配線板を介してコイル用口出し線130に接続すると大電流を流した場合、最悪フレキシブルプリント配線板が破損して断線する可能性がある。しかしながら、巻線140をコイル用口出し線130に直接はんだ付けすることで大電流に耐用可能となる。また、開口部82に引き出した巻線140の端末を開口部82にそのままはんだ付けすることができ、はんだ付け作業が容易かつ正確に行うことができる。
磁気センサ160は、基板80の大径部86に設けられ、マグネット60などの回転体の回転に伴う磁束密度の変化を検出する。磁束密度の変化にもとづいてマグネット60などの回転体の位置を検出することが可能となる。磁気センサ160は、3相のコイル70に応じて3つ設けられ、コイル70の間隔に応じて周方向に等間隔に配置される。磁気センサ160は対向する突極46の歯部41の近傍に配置される。磁気センサ160を突極46の近くに取り付けることで、磁束密度の測定精度を高めることができる。
磁気センサ160に接続される磁気センサ用口出し線135、および巻線140に接続されるコイル用口出し線130を、第2ハウジング30に形成した連通口32から導き出す。基板80にコイル用口出し線130および磁気センサ用口出し線135が配設されているため、これらの配線を1つにまとめて連通口32から外部空間に導き出すことができる。コイル用口出し線130および磁気センサ用口出し線135は、コネクタ150に接続される。
基板80の大径部86の外径87は、突極46の歯部41の内周側端面44の径より大きく、歯部41の突端42の径より小さい。これにより、マグネット60およびロータヨーク65をコア40を含む固定体に組み付ける際に、マグネット60とコア40の接触を防ぐ非磁性体のガイドをマグネット60とコア40の間に挿入することができる。
基板ホルダ溝部94は、基板ホルダ90の内周面から径方向外側に向かって切り欠いて形成される。基板ホルダ溝部94に回り止め部120が嵌合される。回り止め部120との嵌合によって基板80とコア40とコアホルダ50とを一体にすることができ、コア40に対して磁気センサ160が周方向にずれることを防止することができる。これにより、磁気センサ160は回転体の位置検出の精度を保つことができる。
図4は、実施形態に係るコイル70の巻線140を示す斜視図である。また、図5は実施形態に係るコイル70の巻線140を示す断面図である。巻線140は、線径が異なる第1巻線142および第2巻線144を有する。たとえば、第1巻線142の線径は第2巻線144の線径の1.25倍から1.35倍の大きさである。
巻線140は、第1巻線142と第1巻線142より線径が小さい第2巻線144とを直列に接続して生成される。同一線径の巻線でコイル70と同じ巻き数だけ巻回してコイルを形成しようとすると、線径が大きい第1巻線142では大きく膨らむためコイルを形成することができず、第1巻線142より線径が小さい第2巻線144で形成することになる。この第2巻線144だけで形成したコイルは、第1巻線142および第2巻線144で形成したコイル70と比べて電気抵抗値が大きくなってしまう。つまり、実施形態の巻線140であれば突極46間のスペースを有効に利用しつつ、コイル70の抵抗値を下げることができる。
コイル70は、線径が大きい第1巻線142が内側に巻回され、線径が小さい第2巻線144が外側に巻回されて形成される。コイル70の外側を線径が小さい第2巻線144で巻くことで、コイル70を第1巻線142で巻く場合と比べてコイル70の表面を滑らかに形成することができ、突極46間のスペースを有効に利用できる。
第1巻線142と第2巻線144の接続部は絶縁シート146で覆う。これにより、第1巻線142と第2巻線144の接続部がコアなどに接触して短絡することを防ぐことができる。なお、絶縁シート146以外にも、絶縁テープなどの絶縁部材を用いてよい。
図6は、実施形態に係る第1巻線142および第2巻線144の接続を示す図である。図6では、第1巻線142の巻き始めの端末142aと、第2巻線144の巻き終わりの端末144aとを接続している。これにより、隣接する突極46の間で第1巻線142と第2巻線144を接続することができる。また、第1巻線142および第2巻線144をよじって接続している。よじることで第1巻線142と第2巻線144とをたわみなく係合することができ、第1巻線142および第2巻線144の接続部がモータ200の駆動時に振動することを抑えることができる。
図7は、実施形態に係る第1巻線142および第2巻線144の接続を示す図である。図7では、第1巻線142の巻き終わりの端末142bと、第2巻線144の巻き終わりの端末144bとを接続している。これにより、第1巻線142と第2巻線144との接続部を突極46と径方向内向きに対向して配置することができる。なお、第1巻線142の巻き始めの端末と、第2巻線144の巻き始めの端末とを接続してもよい。
図8は、実施形態に係る第1巻線142および第2巻線144の接続を示す図である。図8では、第1巻線142の巻き始めの端末142cと、第2巻線144の巻き終わりの端末144cとを接続し、その接続部を基板80にはんだ付けして固定している。これにより、モータ200を駆動したときの振動によって第1巻線142および第2巻線144の接続部が振動して騒音を発生することを防ぐことができる。
次にコアホルダ50の変形例を図9から図11に示す。図9は、実施形態に係るコアホルダ50aの第1変形例を示す断面図である。このコアホルダ50aは、円筒部52とフランジ部54との連結を補強する補強部51が形成される。補強部51は、円筒部52とフランジ部54との接続部分の角を径方向外向きに凹ましたリブ形状を有する。補強部51は、突極46の棒状体48と略同一の周方向幅を有し、突極の本数と同じ数だけ周方向に等間隔に設ける。これによりコアホルダ50の剛性が高まり、その結果モータの剛性を高めることができる。
図10は、実施形態に係るコアホルダ50bの第2変形例を示す断面図である。このコアホルダ50bは、回り止め部53をさらに設けて構成される。回り止め部53は円筒部52の外周面に設けられ、円筒部52の外周面から径方向外側に突出するように形成されている。回り止め部の周方向幅は、図2に示す回り止め部120と略同一大きさであってよい。回り止め部53の形状に応じてコア40の円環部43の内周面にコア溝部47が形成される。回り止め部53は、コア溝部47に嵌合し、コア溝部47と協働してコア40の周方向の回転ずれを防止する。また回り止め部53の形状に応じて基板ホルダ溝部94が形成されてよく、基板ホルダ溝部94に回り止め部53が嵌合される。回り止め部53はプレス加工により形成する。
図11は、実施形態に係るコアホルダ170の第3変形例を示す断面図である。このコアホルダ170は、図1に示すコアホルダ50と異なる製造方法で形成したものであり、モールド成形により樹脂材料で形成される。コアホルダ170は円環形状に形成され、コアホルダ170の上面172の全体が第1ハウジング20に固定される。コアホルダ170の内周面174は、基板ホルダ90およびコア40の内周を覆っている。コアホルダ170を成形する金型内にコイル70を巻き付けたコア40と基板80とを入れた状態で溶融した樹脂を注入してコアホルダ170を形成する。これにより、コアホルダ170とコア40とを一体化することができる。また、この金型内に第1ハウジング20をさらに入れて、第1ハウジング20とコイル70を巻き付けたコア40と基板80とを金型に入れた状態でコアホルダ170を形成し、各部材と一体化する。これにより、部材間の密着性を高めることができ、モータ200の使用時にコイル70などに生じる熱をコアホルダ170を介して第1ハウジング20に伝達し、第1ハウジング20から外部に効率的に放熱しすることができる。
以上、実施形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
10 シャフト、 20 第1ハウジング、 22 環状段差部、 24 凸部、 26 中央孔、 30 第2ハウジング、 32 連通口、 40 コア、 41 歯部、 42 突端、 43 円環部、 44 内周側端面、 45 コアカバー、 46 突極、 47 コア溝部、 48 棒状体、 50 コアホルダ、 52 円筒部、 54 フランジ部、 56 切り欠き部、 58 コア用段差部、 60 マグネット、 65 ロータヨーク、 70 コイル、 80 基板、 82 開口部、 84 小径部、 86 大径部、 88 電極、 89 固定ねじ、 90 基板ホルダ、 92 段部、 94 基板ホルダ溝部、 110 第1軸受、 115 第2軸受、 120 回り止め部、 130 コイル用口出し線、 135 磁気センサ用口出し線、 140 巻線、 142 第1巻線、 144 第2巻線、 145 コアカバー、 146 絶縁シート、 150 コネクタ、 160 磁気センサ、 200 モータ。

Claims (10)

  1. 軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、
    前記軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングと結合して前記回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、
    円環部を有するコアと、
    前記軸が内挿される円筒部と、前記円筒部の一端から径方向に延在し、前記第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有し、前記円筒部の外周に前記円環部の内周が固定されるコアホルダと、を備え、
    前記第1ハウジングには前記中央孔と同心の環状段差部が形成され、前記環状段差部に前記フランジ部の外周端が当接することを特徴とする回転機器。
  2. 前記フランジ部の外周端の外径は、前記円筒部の外径の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の回転機器。
  3. 軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、
    前記軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングと結合して前記回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、
    前記軸が内挿される円筒部と、前記円筒部の一端から径方向に延在し、前記第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有するコアホルダと、
    前記円筒部の外周に内周が固定される円環部と、そこから径方向に伸びる突極とを有するコアと、
    前記突極に巻線を巻回して形成されるコイルと、
    前記コイルと軸方向に対向し、前記巻線を引き出す開口部が形成される基板と、
    前記開口部に設けられるはんだ付けのための電極と、
    前記基板に設けられる磁気センサと、を備えることを特徴とする回転機器。
  4. 軸に連結する外部の装置にトルクを伝達する回転機器であって、
    前記軸が挿入される中央孔を有する第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングと結合して前記回転機器の外形を形成する第2ハウジングと、
    前記軸が内挿される円筒部と、前記円筒部の一端から径方向に延在し、前記第1ハウジングに接合されるフランジ部とを有するコアホルダと、
    前記円筒部の外周に内周が固定される円環部と、そこから径方向に伸びる突極とを有するコアと、
    前記突極に巻線を巻回して形成されるコイルと、
    前記コイルと軸方向に対向し、前記巻線を引き出す開口部が形成される基板と、
    前記基板に設けられる磁気センサと、を備え
    前記磁気センサに接続される磁気センサ用口出し線、および前記巻線に接続されるコイル用口出し線を、前記第2ハウジングに形成した連通口から導き出し、
    前記コイル用口出し線は、前記基板上において前記巻線の端末にはんだ付けして接続されることを特徴とする回転機器。
  5. 前記基板は、小径部と径方向幅が前記小径部より大きい大径部とからなる円弧形状に形成され、
    前記大径部に前記磁気センサを取り付け、前記小径部から前記巻線の端末を引き出して前記コイル用口出し線に固定することを特徴とする請求項4に記載の回転機器。
  6. 前記大径部の外径は、前記突極の歯部の内周側端面の径より大きく、前記歯部の突端の径より小さいことを特徴とする請求項5に記載の回転機器。
  7. 前記円環部は、内周面から切り欠いて形成されたコア溝部を有し、
    前記円筒部は、切り欠き部を有し、
    前記コア溝部および前記切り欠き部に回り止め部が嵌合されることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の回転機器。
  8. 円環形状に形成され、内周が前記円筒部の外周に固定され、前記基板が外周に固定される基板ホルダをさらに備え、
    前記基板ホルダは、内周面から切り欠いて形成された基板ホルダ溝部を有し、
    前記基板ホルダ溝部に前記回り止め部が嵌合されることを特徴とする請求項7に記載の回転機器。
  9. 前記巻線は、第1巻線と、前記第1巻線より線径が小さい第2巻線とを直列に接続して生成されることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の回転機器。
  10. 前記コイルは、前記第1巻線が内側に巻回され、前記第2巻線が外側に巻回されて形成されることを特徴とする請求項9に記載の回転機器。
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