JP2012032710A - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤層を介して構造体の上面と対向電極基板とを接着する場合であっても、接着力の低下を抑制し、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性を向上した電気泳動表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の電極基板100上に立設した絶縁性の構造体103で形成される複数のセル104を形成する工程(A)と、セルに電気泳動インク前駆体Aを充填する工程(B)と、充填された電気泳動インク前駆体Aに含まれる溶媒を揮発乾燥させて電気泳動インク前駆体A’を形成する工程(C)、(D)と、電気泳動インク前駆体A’から余剰な粒子を除去する工程(E)、(F)と、構造体の上面に第1の接着剤層を形成する工程(G)〜(I)と、第1の電極基板100上に電気泳動インク前駆体Bを充填する工程(J)と、を有する電気泳動表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界等の作用により可逆的に視認状態を変化させることができる電気泳動表示装置の製造方法に関する。
近年、表示ディスプレイの低消費電力化、薄型軽量化、フレキシブル化等の需要が増してきており、その一つとして電子ペーパーに注目が集まってきている。このような電子ペーパーの一つとして電気泳動インク等を用いた電気泳動表示装置が知られている。この電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の電極基板を対向するように配置させ、対向配置した電極間に電気泳動インクを設け、表示パネルとした構成となっている。そして、この表示パネルに電界を印加することにより透明電極面に表示を得ようとするものである。
用いる電気泳動インクは、1種類ないしは複数種の電荷をもった電気泳動粒子が、分散媒に分散されたものであり、外部から電界を付与することにより、粒子が分散媒中を移動して、任意の表示を得るものである。この電気泳動インクには、電気泳動粒子の他に非帯電粒子や、界面活性剤、染料、分散剤、などの添加剤が付与される場合もある。
このような電気泳動表示装置は、電界の向きを制御することにより、電気泳動インク中の電気泳動粒子を移動させて、所望の表示を得ることができるものであり、低コストで、視野角が通常の印刷物並みに広く、消費電力が小さく、表示のメモリ性を有する等の長所を持っている。
しかしながら、電気泳動インクに用いられる電気泳動粒子は、長期保存に伴って粒子同士が凝集すること、繰り返し表示を行っているうちに粒子が偏在すること等によって、表示の劣化が生じやすいといった問題を有しているため、電気泳動インクを微細に隔離された多数のセル(小区画)に分割して充填することにより、粒子同士の凝集や偏在を抑制する方法が提案されている。
例えば、1)製造工程が簡略化できると共に、電気泳動インクを均一に充填できる電気泳動表示装置の製造方法を提供するために、少なくとも一方に光透過性を有する電極が形成された光透過可能な基板と、上記電極に対向配置した電極が形成された基板と、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子を含む電気泳動インクと、該電気泳動インクを対向配置された基板間に封止するシール部とを有する電気泳動表示装置の製造方法であって、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子を含む電気泳動インク前駆体Aを一方の基板に塗布する工程と、もう一方の基板に電気泳動インク前駆体Bを充填する工程と、前記電気泳動インク前駆体Aと電気泳動インク前駆体Bとを合わせることで電気泳動インクとする工程とを少なくとも含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法(例えば、特許文献1参照)、2)少なくとも一方の基板に第一電極と該第一電極と異なる電圧を印加することができる第二電極が形成された一対の基板間に帯電泳動粒子を含有する泳動用分散液を充填してなる電気泳動表示装置の製造方法において、該帯電泳動粒子を含有する泳動用分散液中で該第一電極及び第二電極に交流電圧を印加して電気泳動現象を誘起し、該帯電泳動粒子を該第一電極上あるいは第二電極上に移動させ、該基板上の電極面を被覆する工程と、該帯電泳動粒子を被覆した前記第一電極及び第二電極が形成された基板上に泳動用分散液を充填する工程と、該泳動用分散液を前記少なくとも一方の基板に第一電極及び 第二電極が形成された一対の基板間に封止する工程とを有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載される各電気泳動表示装置の製造方法では、セルを構成する構造体と電極基板の間に粒子が挟まってしまうことによる電極基板間隔(ギャップ)の乱れによる表示低下や、2枚の電極基板を貼り合わせる際の接着剤中に電気泳動インクや電気泳動粒子が入り込むことによる接着不良からくる表示装置の破損や、電気泳動インクを充填して電極を貼り合わせる際の気泡混入による表示欠陥といった課題を十分に解決することはできていないのが現状である。
一方、電気泳動インクを微細に隔離するセル(小区画)の形成には、マイクロカプセル、エンボス、フォトレジスト等を用いて形成するものであるが、マイクロカプセル以外の方法を用いる場合には、電気泳動粒子同士の凝集や偏在を抑制するために、一方の基板側に形成された構造体と、他方の基板の間に隙間ができないように接着剤等を介して接着させることが必要となる。
そこで、構造体の上面と対向基板とを接着剤を介して接着させる方法として、例えば、1対の対向する電極基板と該電極基板間に位置する隔壁とで密封され構成された複数のセルに、電気泳動分散液(以下、「電気泳動インク」という)を収容した電気泳動表示装置の製造方法において、一方の電極基板に、頂部平面の高さのバラツキが他方の電極基板の厚みの10%以下となるように隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記隔壁の頂部平面に、該頂部平面の幅の10〜100%の幅を有する粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程と、隔壁で囲まれる各部位に、少なくとも電気泳動粒子と分散液とを含む電気泳動インクを充填する充填工程と、他方の電極基板を前記粘着剤層に固着させてセルを構成する固着工程と、を有することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。なお、上記構造体を、スペーサー、柱、隔壁、リブ等と称される場合もある。
しかしながら、上記特許文献3に記載される方法では、構造体の上面に接着剤層を形成した後に電気泳動インクをセルに充填する場合、構造体の上面に形成された接着剤層の表面に電気泳動インクが接触することにより接着剤層の接着力低下が生じてしまい、2枚の電極基板を十分に貼り合わせることが出来ないといった不具合を生じる。特に、この接着力低下により、対向する2枚の電極基板が剥がれやすくなって電気泳動インクが漏れだしてしまうといった問題や、構造体と電極基板との間に隙間ができてしまって十分な電気泳動粒子の凝集や偏在の抑制ができないといった課題など、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性に課題を生じる。また、構造体と対向する電極基板側に接着剤層を形成して構造体の上面と接着させる場合でも、構造体の上面に付着した電気泳動インクにより、上記と同様の課題を生じる。
他方で、本願発明の近接技術を開示するものとして、少なくとも2種類の画像表示媒体を分散媒に分散させた分散液を、マスクを解して基板上の所定位置に配置し、分散媒を乾燥除去後、基板を重ね合わせることを特徴とする画像表示用パネルの製造方法(例えば、特許文献4参照)や、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、隔壁上面に接着剤を配置する接着剤層形成工程において、1)隔壁を形成した基板の水平移動と同期させて、表面に接着剤を付着させた転写ロールを前記隔壁上面に接触させた状態で回転させることにより、前記転写ロールに付着させた接着剤を前記隔壁上面に転写することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法(例えば、特許文献5参照)、2)隔壁を形成した基板の水平移動と同期させて、表面に接着剤付フィルムを支持した転写ロールを前記隔壁上面に接触させた状態で回転させることにより、前記接着剤付フィルムの接着剤を前記隔壁上面に転写することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献4〜6に示される当該パネルは、電極基板間に粉体を封じ込めた表示媒体であり、気泡の混入を嫌う電気泳動インクを用いた電気泳動表示装置とは基本的に技術思想が異なるものである。
特開2007−33680号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特許第3531916号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2009−251214公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006−58564号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006−184893号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006−184894号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、電気泳動インクを気泡混入させることなく均一に充填でき、かつ、接着剤層を介して構造体の上面と対向電極基板とを接着する場合であっても、接着力の低下を抑制し、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性を向上した電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、第一の電極基板上に絶縁性の構造体からなる複数のセルを形成する工程と、溶剤などの溶媒を含む特定組成となる電気泳動インク前駆体を前記セルに充填する工程と、該セルに充填した電気泳動インク前駆体から溶媒を除去する工程と、前記構造体の上面に接着剤層を形成する工程と、特定組成となる電気泳動インク前駆体Bを前記セルに充填する工程と、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を特定配置等して貼り合わせる工程とを有することにより、上記目的の電気泳動表示装置の製造方法が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 第一の電極基板上に絶縁性の構造体からなる複数のセルを形成する工程と、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子と溶媒とを含む電気泳動インク前駆体Aを前記セルに充填する工程と、該セルに充填した電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程と、前記構造体の上面に接着剤層を形成する工程と、粒子を含まない電気泳動インク前駆体Bを前記セルに充填する工程と、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板とを対向配置させて、第一の電極基板と第二の電極基板とを前記接着層を介して接着させることにより、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程と、を有する電気泳動表示装置の製造方法。
(2) 前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程の前に、第二の電極基板上に、前記第一の電極基板上の構造体上面に形成した接着剤層のパターン形状と略同一である第二の接着剤層を形成する工程を含み、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程が第一の電極基板と第二の電極基板を対向配置させて前記接着剤層と前記第二の接着剤層とを接着させることにより行うことを特徴とする上記(1)記載の電気泳動表示装置の製造方法。
(3) 前記電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程の後に、構造体の上面に存在する電気泳動粒子を除去する工程を含む上記(1)又は(2)に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
本発明によれば、電気泳動インクを気泡混入させることなく均一に充填でき、かつ、接着剤層を介して構造体の上面と対向電極基板とを接着する場合であっても、接着力の低下を抑制し、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性を向上した電気泳動表示装置の製造方法が提供される。
(A)〜(L)は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の一例となる製造工程を各工程ごとに説明する概略図面である。 (A)〜(E)は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の他例となる製造工程であり、図1と相違する工程を説明するための概略図面である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の一例(以下、「本第1発明方法」という)となる製造工程を各工程ごとに説明する概略図面である。
本第1発明方法は、図1に示すように、第一の電極基板上に絶縁性の構造体からなる複数のセルを形成する工程〔セル形成工程、図1(A)参照〕と、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子と溶媒とを含む電気泳動インク前駆体Aを前記セルに充填する工程〔電気泳動インク前駆体Aの充填工程、図1(B)参照〕)と、該セルに充填した電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程〔電気泳動インク前駆体A’の形成工程、図1(C)、(D)参照〕と、前記構造体の上面に接着剤層を形成する工程〔接着剤層形成工程、図1(G)〜(I)参照〕と、粒子を含まない電気泳動インク前駆体Bを前記セルに充填する工程〔電気泳動インク前駆体Bの充填工程、図1(J)参照〕と、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板とを対向配置させて、第一の電極基板と第二の電極基板とを前記接着層を介して接着させることにより、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程〔貼り合わせる工程、図1(K)、(L)参照〕とを有することを特徴とするものである。以下に、各工程ごとに、図1(A)〜(L)を参照しながら具体的に説明する。
<セル形成工程>
セル形成工程では、第1の電極基板100上に立設した絶縁性の構造体103、103…からなる複数の小部屋(セル104、104…)を形成する(図1(A)参照)。複数のセル104は、立設した構造体103によりそれぞれ分離されており、円形、矩形(長方形、正方形)、六角形等の様々な形状で設けることができる。なお、構造体103は、その形状や目的から、スペーサー、柱、隔壁、リブ等と称される場合がある。
第1の電極基板100は、電極を有する基板であればよく、例えば、図1(A)に示すように、第1の基材101上に第1の電極層102を設けた構成とし、当該第1の電極層102上に絶縁性の構造体103を形成することができる。
第1の基材101は、例えば、ガラス、石英、サファイア、MgO、LiF、CaF2等の透明な無機材料、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン等の有機高分子のフィルムまたはセラミック等を用いて形成することができる。
第1の電極層102は、例えば、ITO、ZnO、SnO2等の透明導電性材料や、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の金属を用いて形成することができる。また、PODET/PVSやPODET/PSSなどの導電性ポリマーや、酸化チタン系、酸化亜鉛系、酸化スズ系などの透明導電材料でも良い。これらの材料は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成することができる。第1の電極層102の形状は、対向電極となる第2の電極層の形状に応じて適宜選択することができる。なお、第1の電極層102は、第1の基材101に接して設けてもよいし、第1の基材101上にTFT素子などを設けてもよい。
本第1発明方法において、第1の電極基板100が前面側電極基板となる場合には、第1の電極基板100を介して電気泳動インクで形成される文字等の表示を視認するため、第1の基材101、第1の電極層102としては、透光性を有する材料で形成することが好ましい。
第1の電極基板100上に立設する構造体103は、PETフィルム等の樹脂材料を用いて形成することができる。例えば、一定の厚みを有するPETフィルムなどの合成樹脂にレーザー加工して正方形や六角形、円形等の形状を形成することにより、複数のセル104を形成することができる。また、第1の電極層102上に絶縁層を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて当該絶縁層をパターニングすることにより、複数のセル104を形成することができる。他にも、第1の電極層102上に熱可塑性の樹脂を形成し、ホットエンボスのような方法で井桁状の構造体103からなるセル104を形成することも可能である。
<電気泳動インク前駆体Aの充填工程>
電気泳動インク前駆体Aの充填工程では、図1(B)に示すように、第1の電極基板100上に形成されたセル104に、電気泳動インク前駆体Aを充填する。
電気泳動インク前駆体Aを充填する方法としては、例えば、ダイコーターなどによるコーティングや、第1の電極基板の任意箇所に配した電気泳動インク前駆体Aをバーコーター、ドクターブレード、コンマロールなど、略接触によって、塗り広げてもよいものであるし、スクリーン印刷などを用いた印刷法、あるいはインクジェットやディスペンサーによる充填など、セル内にインクを充填することが可能な方法であれば、各種方法を用いることができる。本実施形態の図面は、ダイコーター106を用いて、電気泳動インク前駆体Aを充填するものである。
用いる電気泳動インク前駆体Aとしては、少なくとも、1種類以上の電気泳動粒子と溶剤などの溶媒を含むものであれば良いものである。
用いることができる電気泳動粒子としては、例えば、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子、高分子微粒子等を用いることができ、これらは各単独(1種)又は2種以上を混合して用いることができる。また、親油性表面処理されている微粒子であってよいものである。
具体的な一例としては、正に帯電した白粒子と、負に帯電した黒粒子と、これらの粒子を分散させる溶剤(溶媒)で形成することができる。白粒子としては、酸化チタン等の白色顔料や、白色の樹脂粒子、または白色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。黒粒子としては、チタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料や、黒色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。これら粒子は、コントラスト表示可能な範囲で様々な色の粒子を任意に用いることも可能であり、白と赤、白と青、黄色と黒などのような組合せとすることもできる。また、白粒子のみ又は黒粒子のみといった1種類の帯電粒子のみを用いる構成とすることもできる。
これらの電気泳動粒子は、平均粒子径が0.05〜20μmのものが用いられ、特に好ましくは、平均粒子径が0.1〜10μmのものが望ましい。また、これらの微粒子の合計含有量は、電気泳動インク前駆体Aに対して、好ましくは、5〜95質量%、更に好ましくは、10〜80質量%とすることが望ましい。
また、溶媒としては、例えば、炭化水素系、芳香族系、エステル系、ケトン系、テルペン系、アルコール系、シリコーン系、フッ素系等の溶剤を各単独又は2種類以上を混合して用いることができる。好ましくは、次の工程で電気泳動インクAから溶媒を除去するので、簡単な方法により、溶媒を除去でき、かつ、電気泳動粒子の物性に悪影響を及ぼすことなく、好適な電気泳動インクCを得る点等から、特に、炭化水素系、アルコール系から選ばれる少なくとも1種の溶媒の使用が望ましい。
これらの溶媒の含有量としては、用いる電気泳動粒子や溶媒種、次工程で電気泳動インク前駆体Aから溶媒を効率的に除去する点などを勘案すると、電気泳動インク前駆体A全量に対して、20〜80%となるように含有することが好ましく、更に好ましくは、35〜65%とすることが望ましい。
また、電気泳動インク前駆体Aとしては、1種類以上の電気泳動粒子と溶媒に、更に、分散剤、電荷制御剤とを含有しても良い。用いることができる分散剤としては、慣用的に用いられる各種の分散剤、界面活性剤や高分子界面活性剤、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの分散剤の含有量としては用いる電気泳動粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、電気泳動インクC全量に対して、0.01〜50.0%となるように含有されることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜30%となるように含有することが望ましい。
電荷制御剤としては、電気泳動表示に用いられている各種タイプのものを用いることができる。
なお、本第1発明方法において、後述するように、製造される電気泳動表示装置30内(基板100、200間)に収容されることとなる電気泳動インクCは、少なくとも、1種類以上の微粒子、溶剤などの溶媒を含有するものであり、溶媒を除去した電気泳動インク前駆体A’及び電気泳動粒子を含まない電気泳動インクBが混合されることにより構成されるものである。
電気泳動インク前駆体Aを充填する際に、好ましくは、これらの基板100の表面に電気泳動インク前駆体Aに対し、ぬれ性を向上させるぬれ性調整工程を付加してもよいものである。絶縁性の構造体103からなる複数のセル104,104…の内壁や角部分等まで十分に電気泳動インク前駆体Aを行き渡らせ、空気等の気体を絶縁性の構造体103、103…からなる複数のセル104,104…内から追い出すために好ましい工程である。
このぬれ性調整工程としては、例えば、溶剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV処理、UVイトロ処理、レーザー処理、電子線による処理、イオン注入法による処理、イオンビームによる処理、イオン照射による処理、プライマー処理、界面活性剤処理、スパッタリングによる処理、(物理気相成長法)、CVD(化学気相成長法)、ポリマー層形成及び無機層形成を行う方法等が挙げられる。これらは複数組み合わせて用いることもできるし、これらに限定されるものでもない。
また、基板表面の汚れを予め除去するために、溶剤による洗浄等の処理、例えば、アルコール類による洗浄等を組み合わせて行うことにより、より効果的にぬれ性の調整が可能となる。
<電気泳動インク前駆体A’の形成工程>
電気泳動インク前駆体A’の形成工程では、前記のいずれかの方法により、第1の電極基板100上に形成されたセル104に充填された電気泳動インク前駆体Aを、室温、あるいは、送風乾燥(室温下で風を当てることによる乾燥)、加熱炉などで加熱する加熱乾燥、熱風乾燥、真空乾燥などを用いて、電気泳動インク前駆体Aに含まれる溶媒成分を揮発乾燥させる〔(図1(C)〕。なお、乾燥温度は、前記電気泳動インク前駆体Aに含まれる粒子群、界面活性剤などの添加剤、第1の電極基材、セルを構成する構造体のおのおのが、劣化しない温度域であることが望ましい。
また、電気泳動インク前駆体Aは、帯電した電気泳動粒子を含むため、揮発乾燥させる環境は、強度の電界や、静電気の存在しない場所が望ましく、さらには、粒子の偏在を防ぐために振動や、傾斜などがない場所が望ましい。
なお、図1(D)中の107は、電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去した後の電気泳動粒子から構成される凹部である。また、A’は電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去した残部(電気泳動粒子等)を示す。
<接着剤層形成工程>
本第1発明方法において、接着剤層形成工程では、構造体103の上面に第1の接着剤層105を形成する(図1(G)、(H)、(I)参照)。
この接着剤層の形成前に、構造体103上面に付着した電気泳動インク前駆体A’に含まれる余剰粒子103aを除去することが望ましい。例えば、粘着テープのようなもので、付着除去しても良いし、ゲル材料、弾性材料などで付着除去しても良い。あるいは、スクレーパー、スキージ、ドクターブレードのような物で、擦り取っても良いし、多孔体物質や不織布などで吸着除去しても良い物である。さらには、例えば、電気泳動インク前駆体A106に含まれる溶媒などの電気泳動インク前駆体A’が可溶な液体を含んだ、吸湿体で洗浄しても良い。本実施形態では、セル上面からの電気泳動粒子の剥離と剥離した電気泳動粒子を表示エリア外への除去を1工程で行える点から、図1(E)及び(F)に示すように、粘着テープ108による剥離で除去するものである。
この構造体103,103…上面に存在する電気泳動粒子103a、103a…を除去する工程を行うことにより、構造体上面への接着剤の濡れが良くなることや、粒子が除去されて接着面面積が拡大することによって、構造体上面への接着剤層形成がより確実になり、更に、2枚の電極基板を貼り合わせる際の接着剤中に電気泳動粒子等が入り込むことによる接着不良からくる表示装置の破損、電極を貼り合わせる際の上記ギャップによる気泡混入による表示欠陥といった課題を解決することができるものとなる。
接着剤層105は、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤、光硬化性接着剤等の各種接着剤を使用することに形成することができ、特に、熱可塑性接着剤を用いることが好ましい。熱可塑性接着剤は、加熱して溶融もしくは軟化した状態で構造体103の上面に接着剤層105を形成した後、冷却することで構造体103の上面だけに接着剤を固定化させることができる。これにより、セル内部への接着剤の流入などを抑制することが可能となる。さらに、電気泳動インク前駆体Bの充填後に再度加熱することで溶融もしくは軟化させることができるので、貼り合わせ工程において基板同士を接着することも可能となるためである。
また、熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤を用いる場合も、構造体103の上面からセル内部への接着剤の流入などを抑制できるように接着剤層105を形成することが好ましい。例えば、構造体103の上面に接着剤を固定化できる程度に必要最小限の加熱あるいは紫外線照射して硬化させておき、貼り合わせ工程において再度加熱あるいは紫外線照射することで完全に接着・硬化させる方法などを挙げることができる。
本第1発明方法において、接着剤層105は、用いる接着剤の特性に合わせて、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット、転写等の各種方法を用いて形成することができるが、特に転写法を用いることが好ましい。本実施形態では、転写法を用いるものであり、図1(G)〜(I)に示すように、表面に接着剤301が形成された基材300を、構造体103の上面に接触させた後に剥がすことにより、基材表面に接着剤の一部を構造体103の上面に転写することができる。転写法を用いることで、接着剤層105を構造体103の上面に対し、選択的に、かつ容易に形成することが可能となるためである。
この接着剤層105の厚さ(乾燥後の膜厚)は、十分な接着力を得られる条件として、好ましくは、2〜10μmとすることが望ましい。この接着剤層の厚さは、対向する2枚の基板間距離(ギャップ)を決定するため、表示性能を考慮して決定することができる。また、接着剤層105は、対向する2枚の基板間の密着力と、電気泳動粒子の移動の抑制効果を考慮すると、構造体103の上面全体に形成することが好ましい。
<電気泳動インク前駆体Bの充填工程>
上記接着剤層105、105…を形成した後、図1(J)に示すように、電気泳動粒子を含まない電気泳動インク前駆体Bを前記セル104,104…に充填する。
用いる電気泳動インク前駆体Bとしては、電気泳動粒子を含有せず、少なくとも1種類以上の分散媒(溶媒)を含むものであれば良く、例えば、分散媒(溶媒)、分散剤、電荷制御剤とを含有する液状の前駆体Bが挙げられる。好ましくは、分散剤、電荷制御剤等が接着剤層に付着すると接着性低下が発生する点から、電気泳動インク前駆体Bが単一溶媒又は少なくとも2種類以上の溶媒の混合物であることが望ましい。
用いることができる分散剤としては、慣用的に用いられる各種の分散剤、界面活性剤や高分子界面活性剤、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、高分子型界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの分散剤の含有量としては用いる電気泳動粒子や溶媒種によって適宜決定されるが、電気泳動インクC全量に対して、0〜50%、好ましくは、0.01〜50.0%となるように含有されることが望ましく、更に好ましくは、0.5〜30%となるように含有することが望ましい。
更に、分散媒(溶媒)としては、例えば、従来電気泳動表示に用いられている各種タイプのものを用いることができる。具体的には、芳香族系炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソパー、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、リン酸エステル類、フタル酸エステル類、カルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの分散溶媒の含有量としては、用いる電気泳動粒子や分散剤種によって適宜決定されるが、電気泳動インクC全量に対して、25〜85%となるように含有することが好ましく、更に好ましくは、30〜60%とすることが望ましい。また、上記分散溶媒に対して各種油溶性染料を溶解して着色して用いることが可能である。
電荷制御剤としては、電気泳動表示に用いられている各種タイプのものを用いることができる。
特に、電気泳動インク前駆体Bとしては、電気泳動インク前駆体Aで用いた溶媒と同じ材料が望ましく、他に、類似の性能が得られる材料であれば、揮発しづらい材料や、電気泳動インク前駆体A’への濡れが良い材料を選択しても良い。電気泳動インク前駆体Bの塗布量は、電気泳動インク前駆体A’の占有体積を除いた各セルの容積総量よりも、若干量余剰に塗布することで、気泡の混入を低減させることができる。
本第1発明方法では、電気泳動インク前駆体Bを充填する方法としては、インクジェットを用いて充填していく方法や、電気泳動インク前駆体Bをキャスティングしてドクターブレード等で表面をならす方法や、電気泳動インク前駆体Bをキャスティングして遠心力により余分な電気泳動インク前駆体Bを除去する方法等が挙げられる。本実施形態の図面は、ダイコーター106を用いて、電気泳動インク前駆体Bを充填するものである。
また、電気泳動インク前駆体B、上述の電気泳動インク前駆体Aを充填する際、表示エリア内に空気等の気泡が極力入り込まない、若しくは残らないようにするために、充填前、充填時、又は充填後に、電気泳動インク前駆体A又はB中に溶存している気体や巻き込まれている空気等を、十分に脱気して除去する(環境雰囲気を減圧環境とする)ことが好ましい。具体的には、おのおのの充填工程を減圧環境下で行うか、おのおのを塗布したのちに、減圧環境下で放置する。これにより、電気泳動インク前駆体A’中の空隙や、セル内の空気と電気泳動インク前駆体Bとの置換が促進され、パネル内に気泡が残ってしまう可能性を低減でき、また、基板同士を貼り合わせた後(封止後)の基板間には気泡の混入が抑えられるため、表示ムラや表示欠陥、気泡の成長による劣化等が抑制され、長期に渡って安定した表示品質を持つ電気泳動表示装置を得ることが可能となる。
充填前の脱気の方法としては、例えば、電気泳動インク前駆体Bを撹拌棒などで撹拌する方法、加温する方法、加温しつつ撹拌する方法、超音波による方法、減圧による方法、遠心力による方法、消泡剤等の添加剤添加による方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、電気泳動インク前駆体Bの充填時の脱気方法としては、加温しつつ充填する方法、減圧下において充填する方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
一方、電気泳動インク前駆体Bの充填後の脱気方法としては、充填後の基板に超音波をかける方法、加温する方法、遠心力による方法、減圧下におく方法、一定時間静置する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらの方法を組み合わせて用いることも可能である。
<貼り合わせ工程>
本第1発明方法において、貼り合わせ工程では、図1(K)に示すように、第1の電極基板100と第2の電極基板200を対向配置させて、接着剤層105と第2の電極基板200とを接着させることにより、電気泳動インクCをセル104内に封止して、図1(L)に示す電気泳動表示装置が製造されるものとなる。
具体的には、電気泳動インク前駆体Bを充填した後、第1の電極基板100の接着剤層105と第2の電極基板200とを接着させることにより貼り合わせた後、超音波振動、一定温度以上の環境下に一定期間放置したり、一定温度以上の環境下でリフレッシュ動作を繰り返したりすること等により前記電気泳動インク前駆体A’と電気泳動インク前駆体Bとが混合されることにより電気泳動インクCとなることにより電気泳動表示装置が製造されることとなる。
本第1発明方法において用いられる第二の電極基板200としては、例えば、透明樹脂フィルムや透明ガラス等にITO等の透明導電性材料を塗工法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の蒸着法等により形成した光透過性のものや、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、セラミックス等の非導電性物質表面に金属等の導電性材料膜(層)を形成したものや、金属板を用いることができる。また、第一の電極基板100及び第二の電極基板200の貼り合せの際に、貼り合せ工程を真空内で行うことで、表示エリア内への気泡の混入を防いでも良い。
本第1発明方法において、上記工程で基板100及び200を貼り合わせて電気泳動インクとした後に、電気泳動表示装置の用途(使用用途、書換方法等)に応じて、基板に別の光透過性電極、非光透過性電極、樹脂フィルム、樹脂、木、金属、セラミックス、紙、布及び/又はガラスと貼り合わせることも可能である。
また、基板に樹脂フィルムを用いた場合には、溶媒透過抑制効果や気体透過抑制効果を有する樹脂フィルムやその他基材を貼り合わせることによって、その効果を増大させることも可能である。
その他、電気泳動表示装置の強度を上げるために、別の基材を貼り合わせて補強することや、表示装置の装飾用に別の基材として紙や布等を貼り合わせることも可能である。
このように構成される本第1発明方法では、第一の電極基板100上に絶縁性の構造体103,103…からなる複数のセル104、104…を形成する工程と、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子と溶媒とを含む電気泳動インク前駆体Aを前記セル104、104…に充填する工程と、該セル104、104…に充填した電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去(電気泳動インク前駆体A’と)する工程と、前記構造体103、103…の上面に接着剤層105、105…を形成する工程と、粒子を含まない電気泳動インク前駆体Bを前記セル104、104…に充填する工程と、前記第一の電極基板100と前記第二の電極基板200とを対向配置させて、第一の電極基板100と第二の電極基板200とを前記接着層105、105…を介して接着させることにより、前記第一の電極基板100と前記第二の電極基板200を貼り合わせる工程とを有することにより、従来よりも製造工程が簡略化でき、特に、電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程と、前記構造体103、103…の上面に接着剤層105、105…を形成する工程を備えることにより、電気泳動インクを気泡混入させることなく均一に充填でき、かつ、接着剤層を介して構造体の上面と対向電極基板とを接着する場合であっても、接着力の低下を抑制し、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性を向上した電気泳動表示装置がえられるものであり、更に、接着剤層105形成前に、構造体103、103…の上面に存在する前記電気泳動粒子103a、103a…を除去する工程を付加することにより、更に、電極基板間隔(ギャップ)を均一に制御することができると共に、接着剤への粒子混入を抑制して基板同士の剥がれからくる破損の抑制が可能な従来にない優れた電気泳動表示装置の製造方法が提供されるものとなる。
また、本第1発明方法により得られる電気泳動表示装置は、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができ、応答性にも優れ、表示特性の劣化がきわめて少ない電気泳動表示装置となるものである。
図2(A)〜(E)は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法の他例(以下、「本第2発明方法」という)となる製造工程であり、図1と相違する工程を説明するための概略図面である。
本第2発明方法では、上述の第1発明方法において、第一の電極基板100と第二の電極基板200を貼り合わせる工程の前に、第二の電極基板200上に、第一の電極基板上100の構造体上面に形成した接着剤層105のパターン形状と略同一である第二の接着剤層を形成する工程を付加するものであり、上述の貼り合わせる工程が第一の電極基板100と第二の電極基板200を対向配置させて前記接着剤層105と後述する前記第二の接着剤層とを接着させることにより行う点でのみ相違するものである。すなわち、図1(A)〜(J)まで上述の第1発明方法と同じ工程で製造することができるものであり、以下に、上述の第1発明方法と相違する部分を中心として詳述する。
<第2の接着剤層形成工程>
本第2発明方法において、第2の接着剤層形成工程では、第2の電極基板200の表面に、構造体103の上面に形成した接着剤層105,105…のパターン形状と略同一である第2の接着剤層203、203、203…を形成する(図2(A)参照)。
用いる第2の電極基板200は、第1発明方法と同様に、電極が設けられた基板で形成すればよく、例えば、第2の基材201上に第2の電極層202を設けた構成とすることができる。なお、第2の基材201は、上記第1の基材101の説明で示した材料のうちいずれかの材料を用いて形成すればよい。また、第2の電極層202は、上記第1の電極層102の説明で示した材料のうちいずれかの材料を用いて形成すればよい。なお、電気泳動表示装置において、第2の電極基板200が前面側電極基板となる場合には、第2の電極基板200を介して電気泳動インクで形成される文字等の表示を視認するため、第2の基材201、第2の電極層202として、透光性を有する材料で形成することが好ましい。
第2の接着剤層203は、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤、光硬化性接着剤等の接着剤を使用することができる。また、これらの接着剤は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法、転写法等を用いて形成することができる。
ここで、第2の接着剤層203は、第1の電極基板100に設けられる構造体の上面のパターン形状と略同一に形成する(図2(A)参照)。
構造体103、103…の上面のパターン形状と略同一とは、図2(D)、(E)に示すように、構造体103、103…の上面のパターン形状と対応するように第2の接着剤層203が形成されていることを表しており、好ましくは、図2(A)におけるW1の中心とW2の中心が一致している状態を表している。さらに、W1とW2の関係においては、表示性能に影響を及ぼさない範囲であればW1>W2であっても良く、接着力を確保可能な限りにおいてW1>W2であっても良い。W1=W2であることが接着力と表示性の両面から特に好ましい。また、この第2の接着剤層203の厚さ(乾燥後の膜厚)は、十分な接着力を得られる条件として、1〜10μmとすることが好ましく、一般に、対向する2枚の電極基板間距離(ギャップ)が小さい方が駆動に有利とされる点から、更に好ましくは、1〜5μmとすることが望ましい。
第2の接着剤層203としては、接着剤層105と同じ材料、又は接着剤層105の材料に対して接着性向上の効果を持つ材料で形成することが好ましい。これにより、第1の接着剤層105と第2の接着剤層203の接着性を向上することができる。
<貼り合わせ工程>
本第2発明方法において、貼り合わせ工程では、図2(A)及び(B)に示すように、第1の電極基板100と第2の電極基板200を対向配置させて、接着剤層105と第2の電極基板200上に形成された接着剤層203とを接着させることにより、電気泳動インクCをセル104内に封止して、図2(C)に示す電気泳動表示装置が製造されるものとなる。
また、本第2発明方法の貼り合わせ工程において、電気泳動インク前駆体Bだけが、接着・接合面に介在する場合、電気泳動インク前駆体A、および電気泳動インクCが接着・接合面に介在する場合と比較して、接着力を向上させることができる。
その理由としては、接着剤層105および第2の接着剤層203に用いる接着剤は、第2の電極基材200や構造体103との接着性に優れる材料を選ぶことが望ましいが、被着体である第2の電極基材200や構造体103表面に電気泳動粒子や電気泳動インクCに含まれる成分が存在する場合、接着力を著しく低下させてしまう。この接着力低下は、電気泳動粒子の存在によって有効な接着面積が減少してしまうことや、電気泳動インクA中の界面活性剤等の添加剤が第2の電極基材200や構造体103の表面に付着することにより生じているものである。
本第2発明方法によれば、予め被着体である第2の電極基材200および構造体103表面に接着剤層105、203が形成されるため、電気泳動粒子や電気泳動インク106中の界面活性剤等が介在することがなく、接着力の低下を抑制することができる。
本第2発明方法(及び本第1発明方法も含む)における接着剤として熱可塑性材料を用いる場合、熱可塑性材料はある所望の温度(例えば、100℃など)で軟化し、温度が高い方が基材との濡れがよくなり、密着性、接着性が向上するものである。また、常温であっても粘着性(タック性)を有する熱可塑性材料もあり、このような材料は常温に近い温度でも密着性、接着性を得られるものである。
また、紫外線硬化材料を用いる場合、紫外線硬化材料はある所望の積算光量(例えば3000mJ/cm2など)を吸収して硬化するが、例えば、接着剤層105および第2の接着剤層203形成直後に、予め所望の積算光量の一部を照射して半硬化状態とした後に、電気泳動インクAをセル104に充填し、貼り合わせ工程を行うことにより、接着剤層105と第2の電極基板200、および第2の接着剤層203と構造体103、各々の密着性を高めるとともに、貼り合わせ工程は比較的少ない積算光量で接着性を得ることができる。
このように構成される本第2発明方法では、上述の第1発明方法の工程に、第二の電極基板上に、前記第一の電極基板上の構造体上面に形成した接着剤層のパターン形状と略同一である第二の接着剤層を形成する工程を付加して、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程が第一の電極基板と第二の電極基板を対向配置させて前記接着剤層と前記第二の接着剤層とを接着させることにより電気泳動表示装置が製造するものであるので、電気泳動インクを気泡混入させることなく均一に充填でき、かつ、第一の電極基板と第二の電極基板の双方に形成した接着剤層を介して構造体の上面と対向電極基板とを接着するため、接着力の低下を更に抑制でき、上述の第1発明方法に較べて、更に、第1の電極基板と第2の電極基板の貼り合わせを強化することができるので、電気泳動表示装置の構造的耐久性や表示耐久性が更に向上した電気泳動表示装置の製造方法が提供されるものとなる。
また、本第2発明方法により得られる電気泳動表示装置は、更に、高コントラストな表示の実現と、繰り返し表示時においても高い信頼性を持ってコントラスト表示することができ、応答性にも優れ、表示特性の劣化がきわめて少ない電気泳動表示装置となるものである。
本発明は、上述の如く構成されるものであるが、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができる。
例えば、電気泳動インク前駆体Aを2種類以上に分け、塗布と乾燥を複数回に分けて実施しても良い。
また、製造された際に、複数の種類(色)の電気泳動インクを、ある種のパターンを表示するように制御して並べる場合のような、マルチカラー、フルカラー電気泳動表示装置を得ようとする場合には、基板100をアドレスしてインクジェット等により各種カラーインクを充填していく方法や、充填しない部分をフォトマスクのようなものでマスクして、マスクされていない部分にのみ充填した後、マスクを除去し、さらに充填しない部分をフォトマスクのようなものでマスクして、マスクされていない部分にのみ充填することを繰り返して、マルチカラー、フルカラー電気泳動表示装置を得ることもできる。
次に、本発明を実施するに適した実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、図1準拠)
<セル形成工程>
第1の電極基板(ITO−PETフィルム)に、アクリレート系レジストフィルムを、真空ラミネーターを用いて貼り合わせた後、フォトレジスト法によりハニカム形状のパターンを有する構造体を形成した。
<電気泳動インク前駆体Aの充填工程>
構造体の上面及び第2の電極基板上に形成された熱可塑性接着剤を冷却した後、第1の電極基板にダイコーターを用いて電気泳動インク前駆体A〔(白粒子(親油性表面処理された酸化チタン10質量%、負帯電)、黒粒子(カーボンブラックにより着色されたアクリル粒子(正帯電)10質量%、ヒドロキシラウリルアミン3質量%、溶媒としてアイソパーG77質量%(エクソンモービル社製、沸点180℃)を塗布することにより、構造体からなるセルに電気泳動インク前駆体Aを充填した。
<電気泳動インク前駆体A’の形成工程>
次に、電気泳動インク前駆体Aが充填された第1の電極基板を、30℃乾燥雰囲気下に30分間静置して、電気泳動インク前駆体Aに含まれる溶媒を揮発させた。電気泳動インク前駆体Aの塗膜は乾燥状態となり、電気泳動インク前駆体A’が形成された。
<接着剤層形成工程>
PETフィルム(商品名「ルミラー」、厚さ50μm、東レ社製)上に、溶剤で希釈した熱可塑性接着剤(ホットメルト樹脂、バイロン55ss、東洋紡社製)を、コンマロールを用いて膜厚12μm塗布した後に乾燥させた。次に、上記熱可塑性接着剤層が形成されたPETフィルムと、構造体が形成された第1の電極基板とを120℃の熱ラミネーターに通し、熱された状態のまま引き剥がすことにより、PETフィルムに形成された熱可塑性接着剤層の一部を構造体の上面に転写した。構造体の上面全体に形成された熱可塑性接着剤層の膜厚は、6〜8μmであった。
<電気泳動インク前駆体Bの充填工程>
次に、乾燥した電気泳動インク前駆体A’が形成された、第1の電極基板上に、ダイコーターを使用して、電気泳動インク前駆体B(ノルマルドデカン、沸点216℃)を塗布して、各セル内に充填し、電気泳動インクCを得た。
次に、電気泳動インクCが形成された部分の外周にディスペンサーを用いて紫外線硬化型接着剤(TB3052D、スリーボンド社製)を塗布してメインシール部分を形成した。
<貼り合わせ工程>
電気泳動インクCが形成された第1の電極基板と、第2の電極基板とを、接着剤層を介して位置を合わせ、ラミネーターに通して貼り合わせ、セル形成部の外周に形成したメインシール部に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化することにより、電気泳動表示パネルを作製した。
(実施例2、図1及び図2準拠)
上記実施例1と同様にセル形成工程、電気泳動インク前駆体Aの充填工程、電気泳動インク前駆体A’の形成工程、接着剤層形成工程、電気泳動インク前駆体Bの充填工程を経た後、以下の第2の接着剤層形成工程を付加して、以下の内容となる、貼り合わせ工程を経て電気泳動パネルを作製した。
<第2の接着剤層形成工程>
実施例1において、溶剤で希釈した熱可塑性接着剤を、構造体のハニカム形状のパターン(W1=W2=20〜25μm)と一致するようにスクリーン印刷法を用いて第2の電極基板(ITO−PETフィルム)に塗布・乾燥した。乾燥後の膜厚は3μmであった。
次に、電気泳動インクCが形成された部分の外周にディスペンサーを用いて紫外線硬化型接着剤(TB3052D、スリーボンド社製)を塗布してメインシール部分を形成した。
<貼り合わせ工程>
電気泳動インクCが形成された第1の電極基板と、第2の電極基板とを、接着剤層と第2の接着剤層が合わさるように位置を合わせ、ラミネーターに通して貼り合わせ、セル形成部の外周に形成したメインシール部に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化することにより、電気泳動表示パネルを作製した。
(実施例3、図1及び図2準拠)
上記実施例1の電気泳動インク前駆体Aの形成工程後、下記構造体上面に存在する電気泳動粒子を除去する工程を行った後、接着剤層形成工程、電気泳動インク前駆体Bの充填工程を経た後、上記実施例2の第2の接着剤層形成工程、貼り合わせ工程を経て電気泳動パネルを作製した。
<構造体上面に存在する電気泳動粒子を除去する工程>
上記実施例1と同様に、電気泳動インク前駆体A’を形成した後、さらに、電気泳動インク前駆体A’が形成された第1の電極基板上に粘着テープ(ユニ工業社製)を貼り付けてから、剥がすことによって、セルや、構造体上面に存在している余剰粒子を除去した。
(比較例1)
<セル形成工程>
第1の電極基板(ITO−PETフィルム)にアクリレート系レジストフィルムを、真空ラミネーターを用いて貼り合わせた後、フォトレジスト法によりハニカム形状のパターンを有する構造体を形成した。
<接着剤層形成工程>
剥離剤付きPETフィルム上に、溶剤で希釈した熱可塑性接着剤(ホットメルト樹脂)を、コンマロールを用いて膜厚12μm塗布した後に乾燥させた。次に、上記熱可塑性接着剤層が形成されたPETフィルムと、構造体が形成された第1の電極基板とを120℃の熱ラミネーターに通し、熱された状態のまま引き剥がすことにより、PETフィルムに形成された熱可塑性接着剤層の一部を構造体の上面に転写した。構造体の上面に全体に形成された熱可塑性接着剤層の膜厚は、6〜8μmであった。
<電気泳動インクの充填工程>
構造体の上面及び第2の電極基板上に形成された熱可塑性接着剤を冷却した後、第1の電極基板にダイコーターを用いて電気泳動インク〔白粒子(親油性表面処理された酸化チタン10質量%、負帯電)、黒粒子(カーボンブラックにより着色されたアクリル粒子10質量%(正帯電)、ヒドロキシラウリルアミン3質量%、溶媒77質量%(ノルマルドデカン、沸点216℃)から構成されるインク〕を塗布することにより、構造体からなるセルに電気泳動インクを充填した。
次に、電気泳動インクを塗布充填した部分の外周に紫外線硬化型接着剤を用いてメインシール部分を形成した。
<貼り合わせ工程>
電気泳動インクが塗布された第1の電極基板と第2の電極基板とを第1の接着剤層を介して位置合わせした後、ラミネーターに通して貼り合わせ、セル形成部の外周に形成したメインシール部に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化することにより、電気泳動表示パネルを作製した。
(比較例2)
上記比較例1と同様にセル形成工程、接着剤層形成工程、電気泳動インクの充填工程を経た後、以下の第2の接着剤層形成工程を付加して、以下の内容となる、貼り合わせ工程を経て電気泳動パネルを作製した。
<第2の接着剤層形成工程>
比較例1の溶剤で希釈した熱可塑性接着剤を、構造体のハニカム形状のパターン(W1=W2=20〜25μm)と一致するようにスクリーン印刷法を用いて第2の電極基板(ITO−PETフィルム)に塗布・乾燥した。乾燥後の膜厚は3μmであった。
次に、電気泳動インクを塗布充填した部分の外周に紫外線硬化型接着剤を用いてメインシール部分を形成した。
<貼り合わせ工程>
電気泳動インクが塗布された第1の電極基板と第2の電極基板とを接着剤層と第2の接着剤層が合わさるように位置合わせした後、ラミネーターに通して貼り合わせ、セル形成部の外周に形成したメインシール部に紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤を硬化することにより、電気泳動表示パネルを作製した。
なお、比較例1及び2は、上記実施例1及び2における電気泳動インク前駆体Aを充填したのちに乾燥させて電気泳動インク前駆体A’を形成する工程と、電気泳動インク前駆体Bを充填する工程を含まず、電気泳動インクを塗布した直後に貼り合わせ工程を行う点で相違するものである。
(試験例1:評価1)
<接着力評価>
実施例および比較例の方法で作成された電気泳動パネルの一部を想定して、以下の方法で試料を作成し、JIS K6854「180°T型剥離試験」の試験方法にもとづいて、下記の通り評価した。
試料1は、実施例1を想定し、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材と、該電極基材に電気泳動インク前駆体Bとしてドデカンを塗布したのちに、第2の電極基板とを貼り合わせたものである。第2の電極基材に接着剤層が形成されていない点で下記実施例2及び3と異なっている。
試料2は、実施例2を想定し、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材と、該電極基材に電気泳動インク前駆体Bとしてドデカンを塗布したのちに、該構造体の上面のパターン形状と略同一に第2の接着剤層が形成された第2の電極基板とを貼り合わせたものである。
試料3は、実施例3を想定し、上記試料2に対して、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材は、構造体上面に存在する電気泳動粒子を除去した後に、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材を用いたものである。
試料4は、比較例1を想定し、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材と、概電極基材に電気泳動インクCを塗布したのちに、第2の電極基板とを貼り合わせたものである。
試料5は、比較例2を想定し、上面に接着剤層が形成されている構造体が立設されている電極基材と、該電極基材に電気泳動インクCを塗布したのちに、該構造体の上面のパターン形状と略同一に第2の接着剤層が形成された第2の電極基板とを貼り合わせたものである。
以上の方法で作成された各試料(5枚)を、それぞれ幅25mmの帯状に裁断し、JIS K6854「180°T型剥離試験」を行った。具体的には、剥離速度50mm/s、剥離距離100mmで剥離させ、そのうちの前後10mmずつはデータから除外して行った。
接着力および目視に基づいて、下記の各評価基準で評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
<評価基準>
◎:必要十分以上の接着力を発現し長期の信頼性がより高い。
○:必要十分な接着力を発現する。接着力0.5N以上、接着剤の糸引き(伸び)が、基板全体で見られる
△:接着力0.5N以下、もしくは0.5N以上でも接着剤に欠損が見られる
×:接着力が不足して測定不可、接着剤に欠損が見られ、糸引きも少ない、
(試験例2:評価2)
<粒子移動評価>
実施例、比較例で作製したそれぞれの電気泳動表示パネルを、縦置き(地面に対して垂直に立てた状態)で電気泳動表示パネルの電極間に+50V及び−50Vの電圧を交互に印加して白黒表示切換を50000回行い、初期と50000回表示切換後、粒子の移動(凝集と偏在)について目視で観察し、下記評価基準で評価した。これらの結果を下記表1に示す。
<評価基準>
○:表示領域内の全域で沈降が見られない
△:表示領域内の一部に沈降が見られる
×:表示領域内の全域に沈降が見られる、表示できない部分(いわゆるドット抜け)が発生する
Figure 2012032710
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜3は、本発明範囲外となる比較例1及び2に較べ、接着力に優れることが判った。これにより構造的耐久性や表示耐久性に優れるものである。
これに対して、比較例1及び2では、接着不足のために構造体と電極基板の間に隙間が生じてしまい、粒子の移動が起こったのに対し、実施例1〜3においては粒子移動が起こらなかった。
得られた実施例1〜3を比較すると、接着力の点で実施例3が特に優れており、より長期の信頼性、電気泳動パネルの屈曲、外部からの振動や衝撃などへの耐久性がより期待できるものである。
100 第1の電極基板
101 第1の基材
102 第1の電極層
103 構造体
104 セル
105 接着剤層
106 ダイコーターヘッド
200 第2の電極基板
201 第2の基材
202 第2の電極層
203 第2の接着剤層
300 基材
302 接着剤

Claims (3)

  1. 第一の電極基板上に絶縁性の構造体からなる複数のセルを形成する工程と、少なくとも一種類以上の電気泳動粒子と溶媒とを含む電気泳動インク前駆体Aを前記セルに充填する工程と、該セルに充填した電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程と、前記構造体の上面に接着剤層を形成する工程と、粒子を含まない電気泳動インク前駆体Bを前記セルに充填する工程と、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板とを対向配置させて、第一の電極基板と第二の電極基板とを前記接着層を介して接着させることにより、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程と、を有する電気泳動表示装置の製造方法。
  2. 前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程の前に、第二の電極基板上に、前記第一の電極基板上の構造体上面に形成した接着剤層のパターン形状と略同一である第二の接着剤層を形成する工程を含み、前記第一の電極基板と前記第二の電極基板を貼り合わせる工程が第一の電極基板と第二の電極基板を対向配置させて前記接着剤層と前記第二の接着剤層とを接着させることにより行うことを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  3. 前記電気泳動インク前駆体Aから溶媒を除去する工程の後に、構造体の上面に存在する電気泳動粒子を除去する工程を含む請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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