JP2012031817A - 送液ポンプ及び送液装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプ室内の圧力を圧力センサを設けることなく検知することができるようにする。
【解決手段】演算制御部8は圧力検出部12、圧力比較部14及び負荷データ保持部16を備えている。負荷データ保持部16には制御部10から発せられる制御パルスに対する駆動検知手段6の検知信号の遅れ時間と第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bのそれぞれのモータの負荷との相関関係が格納されている。圧力検出部12は、駆動検知手段6の検知信号とドライバ18から発せられる制御パルスに基づいて遅れ時間を求め、その遅れ時間と負荷データ保持部16の相関関係データに基づいてモータの負荷を求め、そのモータの負荷からポンプ室30a又は30b内の圧力を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】演算制御部8は圧力検出部12、圧力比較部14及び負荷データ保持部16を備えている。負荷データ保持部16には制御部10から発せられる制御パルスに対する駆動検知手段6の検知信号の遅れ時間と第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bのそれぞれのモータの負荷との相関関係が格納されている。圧力検出部12は、駆動検知手段6の検知信号とドライバ18から発せられる制御パルスに基づいて遅れ時間を求め、その遅れ時間と負荷データ保持部16の相関関係データに基づいてモータの負荷を求め、そのモータの負荷からポンプ室30a又は30b内の圧力を求める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポンプ室内でプランジャを一方向において往復運動させることにより液の吸引と吐出を行なう送液ポンプ及び2つの送液ポンプを連動させて一定流量の送液を行なう送液装置に関するものである。
2つのプランジャポンプを連動させて一定流量の送液を行なうことができるように構成された送液装置が従来から提案され、実施されている(特許文献1参照。)。図8に2つのプランジャポンプを備えた送液装置の一例を示す。第1ポンプ4aの液出口と第2ポンプ4bの液入口が逆止弁40を介して接続されており、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bは互いに直列に接続されている。第2ポンプ4bの液出口が液体クロマトグラフの分析流路へ繋がる送液流路41に接続されている。
第1ポンプ4aはポンプヘッド28a内に設けられたポンプ室30a内でプランジャ26aが一方向へ往復動することにより液の吸引と吐出を行なう。プランジャ26aはポンプボディ24a内に収容されたクロスヘッド20aの先端に保持され、クロスヘッド20aの基端のカムフォロア22aがカム34aの周面に追従することによって駆動される。カム34aは第1モータ36aによって駆動される。第2ポンプ4bの構造についてここでの説明は省略するが、第1ポンプ4aと同様の構造をもっている。
第1ポンプ4aのプランジャ26aと第2ポンプ4bのプランジャ26bは、図9に示されるように、一方のポンプが吸引動作を行なっているときに他方のポンプが吐出動作を行なうように駆動される。第2ポンプ4bは第1ポンプ4aのおよそ半分の流量で液の吸引と吐出を行なうように駆動される。これにより、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bとの合成流量が一定になり、送液流路41の流量を一定にすることができる。
液体クロマトグラフの分析流路に移動相を送液する場合、送液装置にはさまざまな送液圧力が必要となる。ポンプ室内に吸引された液は圧縮されてポンプ室内の圧力が送液圧力に達して初めて吐出されるため、必要な送液圧力が高いほどポンプ室内の液の圧縮に時間がかかる。図8の送液装置では、第1ポンプ4aのポンプ室30aから液を吐出する際に、ポンプ室30a内の圧力がポンプ室30b内の圧力を超えるまで送液が行なわれないため、ポンプ室30b内の圧力が高い場合には、ポンプ室30aからの液の吐出開始が第1モータ36aの駆動開始に対して遅れる。そのため、図9のように第1モータ36aの吐出側への駆動を第2モータ36bの吸引側への駆動と同時に開始しても、ポンプ室30a内の圧力がポンプ室30b内の圧力以上の圧力に達するまで液が吐出されず、その圧力に達したと同時に急激に液が吐出されるため、送液流路41で送液される合成流量に脈動が生じるという問題があった。
脈動を小さくするために、図8の例で説明すれば、従来では、ポンプ室30a内の圧力をポンプ室30b内の圧力に到達させるために必要な液の圧縮率(プランジャの移動量)を予め求めておき、ポンプ室30a内の液がその圧縮率に達するまでの第1モータ36aの回転速度を増速させることで、液が吐出されない時間を短縮するようにしていた。
しかし、必要な圧縮率は送液する液の種類によって変化するため、送液する液が変わる度に圧縮率を計算して装置に入力することは面倒である上、液が混合溶液であるために必要な圧縮率が不明な場合もあった。また、ポンプ室30a内の液の圧縮率を求めるためにはポンプ室30a内の圧力値が必要であるが、図8の構成では逆止弁40が閉じているときのポンプ室30a内の圧力値を検知することができないため、第1モータ36aの増速の開始と終了のタイミングを正確に設定することができなかった。ポンプ室30a内の圧力を検知するための圧力センサを設ければ第1モータ36aの増速のタイミングをより正確に制御することも可能になるが、圧力センサ部分の容量がデッドボリュームとなり、送液装置内の溶液の速やかな置換の妨げとなる。
本発明の第1の目的は、ポンプ室内の圧力を圧力センサを設けることなく検知することができるようにすることである。
本発明の第2の目的は、ポンプ室内の圧力を検知することによってポンプ室内の液の圧縮率を入力することなく送液ポンプのモータの駆動制御を正確に行ない、送液を行なうポンプの切替え時に発生する脈動を低減することである。
本発明の送液ポンプは、液を貯留するためのポンプ室、ポンプ室に液を流入させるための液入口及びポンプ室から液を吐出するための液出口が設けられたポンプヘッドと、ポンプ室内に先端から摺動可能に挿入されたプランジャと、モータを備えモータの回転によってプランジャを一方向において往復運動させる駆動機構と、モータにプランジャの駆動量に相当する駆動信号を与えてモータの回転を制御する制御部と、モータの駆動を検知する駆動検知手段と、駆動信号に対する駆動検知手段の検知信号の遅れ時間とモータの負荷との相関関係を保持する負荷データ保持部と、駆動信号に対する検知信号の遅れ時間を求め、その遅れ時間から負荷データ保持部に保持されている相関関係に基づいてモータの負荷を求め、その負荷からポンプ室内の圧力を検知する圧力検出部と、を備えたものである。
上記駆動検知手段としては、モータに取り付けられ該モータの回転を逐次検知するエンコーダ又はモータに取り付けられ該モータの回転速度を検知する速度検出機構を挙げることができる。
本発明にかかる送液装置は、第1ポンプと第2ポンプを備え、第1ポンプの吐出動作中に第2ポンプの吸引動作を行ない、第1ポンプの吸引動作中に第2ポンプの吐出動作を行なうことによって、液を送液するための送液流路に一定流量の送液を行なうものである。そのような本発明にかかる送液装置の第1の形態として、第1ポンプと第2ポンプが直列に接続されているものを挙げることができる。第1ポンプ及び第2ポンプは本発明の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動される。第1ポンプの液出口と第2ポンプの液入口とが逆止弁を介して接続され、第2ポンプの液出口が送液流路に接続されている。第2ポンプの吐出動作中において、第1ポンプは吸引動作に加えて、第1ポンプの圧力検知部の検出値が第2ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値になるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御される。
本発明にかかる送液装置の第2の形態として、第1ポンプと第2ポンプが並列に接続されているものを挙げることができる。第1ポンプ及び第2ポンプは本発明の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動される。第1ポンプの液出口と第2ポンプの液出口とが別個に送液流路に接続されており、送液流路内の圧力を検知する圧力センサを備えている。第2ポンプの吐出動作中においては、第1ポンプは吸引動作に加えて、第1ポンプの圧力検知部の検出値が圧力センサにより検知される圧力値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御される。逆に、第1ポンプの吐出動作中においては、第2ポンプは吸引動作に加えて、第2ポンプの圧力検知部の検出値が圧力センサにより検知される圧力値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御される。
また、第2の形態の変形例として、第2の形態から圧力センサを除いたものを挙げることができる。第1ポンプ及び第2ポンプは本発明の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動される。第1ポンプの液出口と第2ポンプの液出口とが別個に送液流路に接続されている。第2ポンプの吐出動作中においては、第1ポンプは吸引動作に加えて、第1ポンプの圧力検知部の検出値が第2ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御される。逆に、第1ポンプの吐出動作中においては、第2ポンプは吸引動作に加えて、第2ポンプの圧力検知部の検出値が第1ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御される。
本発明の送液ポンプによれば、モータの駆動を検知する駆動検知手段と、駆動信号に対する駆動検知手段の検知信号の遅れ時間とモータの負荷との相関関係を保持する負荷データ保持部と、駆動信号に対する検知信号の遅れ時間を求め、その遅れ時間から負荷データ保持部に保持されている相関関係に基づいてモータの負荷を求め、その負荷よりポンプ室内の圧力を検知する圧力検出部と、を備えているので、送液ポンプのポンプ室内の圧力を圧力センサを設けることなく検知することができる。これにより、圧力センサを設けた場合に比べてデッドボリュームの低減を図ることができ、ポンプ内の液の置換に要する時間を短縮することができる。
本発明の送液装置のうち第1ポンプと第2ポンプとが直列に接続された第1の形態では、第2ポンプの吐出動作中において、第1ポンプは吸引動作に加えて、第1ポンプの圧力検知部の検出値が第2ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値になるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御されるので、第2ポンプの吐出動作中に第1ポンプが吐出可能な状態になり、第2ポンプの吐出動作終了後直ちに第1ポンプから液が吐出することができる。よって、ポンプ室内の液の圧縮率を入力しなくてもポンプ室内の圧縮を予め正確に行なうことができ、送液するポンプを第2ポンプから第1ポンプへ切り替える際に起こる脈動を小さくすることができる。
また、本発明の送液装置のうち第1ポンプと第2ポンプとが並列に接続された第2の形態では、第2ポンプの吐出動作中においては、第1ポンプは吸引動作に加えて、第1ポンプの圧力検知部の検出値が圧力センサにより検知される圧力値または第2ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御され、第1ポンプの吐出動作中においては、第2ポンプは吸引動作に加えて、第2ポンプの圧力検知部の検出値が圧力センサにより検知される圧力値または第1ポンプの圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまでプランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御されるので、一方のポンプの吐出動作中に他方のポンプが吐出可能な状態になり、一方の吐出動作終了後直ちに他方のポンプから液が吐出することができる。よって、ポンプ室内の液の圧縮率を入力しなくてもポンプ室内の圧縮を予め正確に行なうことができ、送液するポンプを切り替える際に起こる脈動を小さくすることができる。
図1及び図2を用いて送液装置の一実施例を説明する。
送液装置は駆動部2、演算制御部8及びドライバ18により構成されている。駆動部2は第1ポンプ4a、第2ポンプ4b及び駆動検知手段6を備えている。第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bはドライバ18からの励磁電流によって駆動される。ドライバ18は演算制御部8の制御部10から発せられる制御パルスに応じた励磁電流を第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bに与えるものである。
送液装置は駆動部2、演算制御部8及びドライバ18により構成されている。駆動部2は第1ポンプ4a、第2ポンプ4b及び駆動検知手段6を備えている。第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bはドライバ18からの励磁電流によって駆動される。ドライバ18は演算制御部8の制御部10から発せられる制御パルスに応じた励磁電流を第1ポンプ4a及び第2ポンプ4bに与えるものである。
駆動部2の一例を図2を参照しながら説明する。
図2の駆動部2は、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bが直列に接続されたものである。まず、第1ポンプ4aの構造について説明すると、第1ポンプ4aは基端部にカムフォロア22a、先端部にプランジャ26aを備えたクロスヘッド20aがポンプボディ24a内に収容されている。プランジャ26aはポンプボディ24aの先端に取り付けられたポンプヘッド28a内のポンプ室30aに先端から挿入されている。ポンプ室30aのプランジャ26a挿入部分はシール部材32aによって封止されている。
図2の駆動部2は、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bが直列に接続されたものである。まず、第1ポンプ4aの構造について説明すると、第1ポンプ4aは基端部にカムフォロア22a、先端部にプランジャ26aを備えたクロスヘッド20aがポンプボディ24a内に収容されている。プランジャ26aはポンプボディ24aの先端に取り付けられたポンプヘッド28a内のポンプ室30aに先端から挿入されている。ポンプ室30aのプランジャ26a挿入部分はシール部材32aによって封止されている。
クロスヘッド20aはバネからなる弾性体によって基端側へ付勢されており、カムフォロア22aがカム34aの周面に追従し、カム34aの回転に伴なってクロスヘッド20aがポンプボディ24a内で一方向に往復動する。クロスヘッド20が往復動することにより、プランジャ26aがポンプ室30a内で一方向へ摺動し、ポンプ室30a内への液の吸引と吐出が行なわれる。なお、クロスヘッド20a,20bを一方向に往復動させる機構として上記のカム機構のほか、ボールネジの回転を利用するものが挙げられる。
ポンプ室30aの液入口は逆止弁38を介して送液対象の液の吸引用流路に接続され、液出口は逆止弁40を介して第2ポンプ4bのポンプ室30bに接続されている。逆止弁38は第1ポンプ4aの吸入動作時に圧力差によって自動的に開き、逆止弁40は第1ポンプ4aの吐出動作時に圧力差によって自動的に開く。
カム34aは第1モータ36aにより回転させられる。第1モータ36aはステッピングモータであり、制御部10から制御パルスに応じて流されるドライバ18(図1)からの励磁電流により一定角度ずつ回転する。第1モータ36aには駆動検知手段6(図1)としてのエンコーダ6aが設けられている。エンコーダ6aは第1モータ36aの回転角度を逐次検知することができる。エンコーダ6a,6bとしてインクリメント型のものを使用する場合は、カムの軸に切欠きを1ヵ所設けたカム軸とともに回転する円板等を設置しておき、その切欠きをフォトインタラプタで検出することによりカム34a,34bの原点検出をそれぞれ行なう。また、エンコーダ6a,6bとしてアブソリュート型のものを使用する場合はそのようなカム34a,34bの原点検出機構は不要である。
第2ポンプ4bの構造は第1ポンプ4aとほぼ同じであるが、プランジャ26bのストロークは第1ポンプ4aのプランジャ26aのストロークの半分である。第2ポンプ4bのポンプ室30bの液出口には例えば液体クロマトグラフの分析流路へと繋がる送液流路41が接続されている。
第1ポンプ4aから吐出される液は第2ポンプ4bのポンプ室30bを通って送液流路41へ送液される。第2ポンプ4bからの液吐出量は第1ポンプ4aの液吐出量の半分である。第2ポンプ4bは第1ポンプ4aの吐出動作中に吸引動作を行なうように制御され、第1ポンプ4aから吐出される液の半分を吸引する。これにより、第1ポンプ4aの吐出動作時と第2ポンプ4bの吐出動作時において送液流路41に送液される合成流量は同じになり、一定流量の送液が行なわれる。
この送液装置では、第1ポンプ4aの吐出動作開始時にポンプ室30a内の圧力がポンプ室30b内の圧力を超えるまで逆止弁40が開かずに第1ポンプ4aから液が吐出されない。そのため、第2ポンプ4bの吐出動作が終了したと同時に第1ポンプ4aのプランジャ20aを吐出側へ駆動してもポンプ室30a内の圧力がポンプ室30b側の圧力に達するまでは液が吐出されず、送液流路41への送液流量が低下する。
そこで、図5に示されているように、第1ポンプ4aは第2ポンプ4bの吐出動作が終了するまでに吸引動作に加えて与圧動作を行なうように制御される。与圧動作は、ポンプ室30a内の圧力をすぐに液の吐出が可能な圧力に高めておく動作である。この送液装置では、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bのそれぞれのポンプ室30a,30b内の圧力を逐次検出する機能を備えており、検出したポンプ室30a,30b内の圧力値に基づいて第1ポンプ4aの与圧動作の制御が行なわれる。
図1、図2及び図3を用いてポンプ室30a,30b内の圧力検出機能とその圧力検出値に基づいた与圧動作について説明する。第1ポンプ4aの第1モータ36a及び第2ポンプ4bの第2モータ36bは制御部10からの制御パルスに応じて一定角度ずつ回転するが、各モータ36a,36bに負荷がかかると制御パルスに対する回転動作に遅れが生じ、かかる負荷が増大するにつれてその遅れも大きくなる。
図3に送液ポンプの吐出動作時の制御部10から発せられた制御パルスとそのときのモータの回転動作との関係の一例を示す。プランジャを駆動するモータの回転は負荷によって遅れ時間tLが生じる。ポンプ室内の圧力はプランジャをポンプ室内に押し込むにつれて高くなり、モータにより大きな負荷がかかって遅れ時間tLが増大する。なお、図3の上側の図は駆動検知手段としてエンコーダを用いた場合の時間‐モータ回転角度の関係を示す図であるが、駆動検知手段6としてはエンコーダのほか、タコジェネレータ(速度検出機構)を用いることもできる。タコジェネレータを用いた場合には、駆動検知手段6の検知信号として図4に示されるような信号波形が得られ、そのピーク点を読み取ることによって遅れ時間tLを得ることができる。
モータにかかる負荷の源としては、ポンプヘッド内の圧力とバネ等からなる弾性体25a、25bが挙がられ、モータにかかる総負荷から弾性体による負荷を減算したものを圧力による負荷とすることができる。弾性体による荷重は弾性体のバネ定数と弾性体の変位量から求められ、その荷重によるモータの負荷は荷重とカム34a、34bとカムフォロワ22a,22bの形状で求められる。弾性体25a、25bのバネ定数、カム34a、34bの形状、カムフォロワ22a,22bの形状は既知であり、弾性体の変位量はカムの形状とカムの回転角から決まり、カムの原点からドライバ18に送信した制御パルス数から弾性体による負荷を求めることができる。演算制御部8は圧力検出部12、圧力比較部14及び負荷データ保持部16を備えている。負荷データ保持部16には遅れ時間tLとポンプ4a及び4b内のそれぞれの負荷との相関関係が格納されている。
圧力検出部12は、エンコーダ6a,6bからなる駆動検知手段6の検知信号と制御部10から発せられる制御パルスに基づいて遅れ時間tLを求め、その遅れ時間tLと負荷データ保持部16の相関関係データに基づいてモータの負荷を求める。そして、カムの原点からドライバ18に送信したパルス数から求めた弾性体25a、25bの負荷を求め、そのモータの負荷からから弾性体による負荷を減算してポンプ室30a又は30b内の圧力を求める。これにより、別途圧力センサを設けてデッドボリュームを大きくすることなくポンプ室30a,30b内の圧力を逐次検出できる。負荷データ保持部16に格納されている相関関係は予め測定されたデータに基づいて作成されたものである。その相関関係を測定する際には各ポンプ室に圧力センサを接続するが、実機では圧力センサはデッドボリュームとなるため取り外す。
制御部10は、上述のように、第2ポンプ4bの吐出動作中に第1ポンプ4bの吸引動作と与圧動作が行なわれるように第1モータ36a及び第2モータ36bを制御する。第2ポンプ4bの吐出動作中に第1モータ36aを第2モータ36bの2倍よりも早い速度で吸引側へ回転させて第1ポンプ4aの吸引動作を終了させ、さらに第2ポンプ4bの吐出動作が終了するまでに、第1モータ36aを吐出側へ回転させてポンプ室30a内の圧力をポンプ室30b内の圧力と同等の圧力に到達させる。
圧力比較部14は、与圧動作時に圧力検出部12によって検出されるポンプ室30a内の圧力とポンプ室30b内の圧力値を逐次比較する。制御部10はポンプ室30a内の圧力がポンプ室30b内の圧力と同等の圧力に達したところでプランジャ26aの吐出側への駆動が停止するように第1モータ36aのフィードバック制御を行なう。このように、第2ポンプ4bの吐出動作が終了するまでにポンプ室30a内の圧力をポンプ室30b内の圧力と同等の圧力に到達させておくことで、第2ポンプ4bの吐出動作が終了した後すぐに第1ポンプ4aからの液の吐出を行なうことができ、送液流路41における合成流量の低下や脈動を抑制することができる。
また、駆動部2の他の例として第1ポンプ4aと第2ポンプ4bが並列に接続されている例が挙げられる。図6にその一例を示す。この例では、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bの液出口がそれぞれ送液対象の液の吸引用流路に接続されており、第1ポンプ4aの液入口に逆止弁44aが設けられ、第2ポンプ4bの液入口に逆止弁44bが設けられている。また、第1ポンプ4aと第2ポンプの液出口がそれぞれ送液流路41に接続されており、その合流部の下流側に圧力センサ42が設けられている。第1ポンプ4aの液出口に逆止弁46aが設けられ、第2ポンプの液出口に逆止弁46bが設けられている。プランジャ26aとプランジャ26bのストローク量は同じであり、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bの液の吸引流量及び吐出流量も同じである。
この例では、図7に示されているように、第1ポンプ4aの吐出動作中に第2ポンプ4bが吸引動作と与圧動作を行ない、第2ポンプ4bの吐出動作中に第1ポンプ4aが吸引動作と与圧動作を行なうように各ポンプ4a,4bが演算制御部8によって制御される。圧力比較部14は、第1ポンプ4aの与圧動作時においては圧力検出部12によって検出されるポンプ室30a内の圧力値と圧力センサ42により検出される圧力値とを比較し、第2ポンプ4bの与圧動作時においては圧力検出部12によって検出されるポンプ室30b内の圧力値と圧力センサ42により検出される圧力値とを比較するように構成される。そして、制御部10はポンプ室30a及び30bの圧力がそれぞれ圧力センサ42により検出される圧力値と同等の圧力に到達したところで与圧動作を終了するようにモータ36a及び36bをフィードバック制御する。
図6の変形例として圧力センサ42を除いた例をしめす。この例では、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bの液出口がそれぞれ送液対象の液の吸引用流路に接続されており、第1ポンプ4aの液入口に逆止弁44aが設けられ、第2ポンプ4bの液入口に逆止弁44bが設けられている。また、第1ポンプ4aと第2ポンプの液出口がそれぞれ送液流路41に接続されている。第1ポンプ4aの液出口に逆止弁46aが設けられ、第2ポンプの液出口に逆止弁46bが設けられている。プランジャ26aとプランジャ26bのストローク量は同じであり、第1ポンプ4aと第2ポンプ4bの液の吸引流量及び吐出流量も同じである。
この例では、図7に示されているように、第1ポンプ4aの吐出動作中に第2ポンプ4bが吸引動作と与圧動作を行ない、第2ポンプ4bの吐出動作中に第1ポンプ4aが吸引動作と与圧動作を行なうように各ポンプ4a,4bが演算制御部8によって制御される。圧力比較部14は、第1ポンプ4aの与圧動作時においては圧力検出部12によって検出されるポンプ室30a内の圧力値と第2ポンプのポンプ室30bの圧力値とを比較し、第2ポンプ4bの与圧動作時においては圧力検出部12によって検出されるポンプ室30b内の圧力値と第1ポンプのポンプ室30a内の圧力値とを比較するように構成される。そして、制御部10はポンプ室30aと30bの圧力が同等の圧力に到達したところで与圧動作を終了するようにモータ36a及び36bをフィードバック制御する。
2 駆動部
4a 第1ポンプ
4b 第2ポンプ
6 駆動検知手段
6a,6b エンコーダ
8 演算制御部
10 制御部
12 圧力検出部
14 圧力比較部
16 負荷データ保持部
18 ドライバ
20a,20b クロスヘッド
22a,22b カムフォロア
24a,24b ポンプボディ
25a,25b 弾性体
26a,26b プランジャ
28a,28b ポンプヘッド
30a,30b ポンプ室
32a,32b シール部材
34a,34b カム
36a,36b モータ
4a 第1ポンプ
4b 第2ポンプ
6 駆動検知手段
6a,6b エンコーダ
8 演算制御部
10 制御部
12 圧力検出部
14 圧力比較部
16 負荷データ保持部
18 ドライバ
20a,20b クロスヘッド
22a,22b カムフォロア
24a,24b ポンプボディ
25a,25b 弾性体
26a,26b プランジャ
28a,28b ポンプヘッド
30a,30b ポンプ室
32a,32b シール部材
34a,34b カム
36a,36b モータ
Claims (6)
- 液を貯留するためのポンプ室、ポンプ室に液を流入させるための液入口及びポンプ室から液を吐出するための液出口が設けられたポンプヘッドと、
前記ポンプ室内に先端から摺動可能に挿入されたプランジャと、
モータを備え前記モータの回転によって前記プランジャを一方向において往復運動させる駆動機構と、
前記モータに前記プランジャの駆動量に相当する駆動信号を与えて前記モータの回転を制御する制御部と、
前記モータの駆動を検知する駆動検知手段と、
前記駆動信号に対する前記駆動検知手段の検知信号の遅れ時間と前記モーターの負荷との相関関係を保持する負荷データ保持部と、
前記駆動信号に対する前記検知信号の遅れ時間を求め、その遅れ時間から前記負荷データ保持部に保持されている前記相関関係に基づいて求めた前記モータの負荷から前記ポンプ室内の圧力を検知する圧力検出部と、を備えた送液ポンプ。 - 前記駆動検知手段は前記モータに取り付けられ該モータの回転を逐次検知するエンコーダである請求項1に記載の送液ポンプ。
- 前記駆動検知手段は前記モータに取り付けられ該モータの回転速度を検知する速度検出機構である請求項1に記載の送液ポンプ。
- 第1ポンプと第2ポンプを備え、前記第1ポンプの吐出動作中に前記第2ポンプの吸引動作を行ない、前記第1ポンプの吸引動作中に前記第2ポンプの吐出動作を行なうことによって、液を送液するための送液流路に一定流量の送液を行なう送液装置において、
前記第1ポンプ及び第2ポンプは請求項1から3のいずれか一項に記載の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動され、前記第1ポンプの液出口と前記第2ポンプの液入口とが逆止弁を介して接続され、前記第2ポンプの液出口が前記送液流路に接続されており、
前記第1ポンプは、前記第2ポンプの吐出動作中に、吸引動作に加えて、前記第1ポンプの前記圧力検知部の検出値が第2ポンプの前記圧力検知部の検出値と同等の圧力値になるまで前記プランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御されることを特徴とする送液装置。 - 第1ポンプと第2ポンプを備え、前記第1ポンプの吐出動作中に前記第2ポンプの吸引動作を行ない、前記第1ポンプの吸引動作中に前記第2ポンプの吐出動作を行なうことによって送液流路に一定流量の送液を行なう送液装置において、
前記第1ポンプ及び第2ポンプは請求項1から3のいずれか一項に記載の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動され、前記第1ポンプの液出口と前記第2ポンプの液出口とが別個に前記送液流路に接続され、
前記送液流路内の圧力を検知する圧力センサを備え、
前記第1ポンプは、前記第2ポンプの吐出動作中に、吸引動作に加えて、前記第1ポンプの前記圧力検知部の検出値が前記圧力センサにより検知される圧力値と同等の圧力値となるまで前記プランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御され、
前記第2ポンプは、前記第1ポンプの吐出動作中に、吸引動作に加えて、前記第2ポンプの前記圧力検知部の検出値が前記圧力センサにより検知される圧力値と同等の圧力値となるまで前記プランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御されることを特徴とする送液装置。 - 第1ポンプと第2ポンプを備え、前記第1ポンプの吐出動作中に前記第2ポンプの吸引動作を行ない、前記第1ポンプの吸引動作中に前記第2ポンプの吐出動作を行なうことによって送液流路に一定流量の送液を行なう送液装置において、
前記第1ポンプ及び第2ポンプは請求項1から3のいずれか一項に記載の送液ポンプであり、互いに別々のモータによってプランジャが駆動され、前記第1ポンプの液出口と前記第2ポンプの液出口とが別個に前記送液流路に接続され、
前記第1ポンプは、前記第2ポンプの吐出動作中に、吸引動作に加えて、前記第1ポンプの前記圧力検知部の検出値が前記第2ポンプの前記圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまで前記プランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御され、
前記第2ポンプは、前記第1ポンプの吐出動作中に、吸引動作に加えて、前記第2ポンプの前記圧力検知部の検出値が前記第1ポンプの前記圧力検知部の検出値と同等の圧力値となるまで前記プランジャを吐出側へ駆動する与圧動作を行なうように制御されることを特徴とする送液装置。
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