JP2012030569A - 段ボールシート、及び段ボール箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】箔押し感を有する段ボールシート及び段ボール箱を提供する。
【解決手段】段ボールシート1は外側ライナー2と、内側ライナー10と、外側ライナー2と内側ライナー10との間に介在された中芯9とを備えている。このうち外側ライナー2はマット剤8aにより表面に凹凸形状8が形成された基材フィルム3と、基材フィルム3の裏面に光輝性顔料を含むインキによりパターン状に形成されたメタリック調絵柄層6および一般絵柄層7とを有している。基材フィルム3の裏面にメタリック調絵柄層6および一般絵柄層7を覆って、紙層5が接着層4を介して設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】段ボールシート1は外側ライナー2と、内側ライナー10と、外側ライナー2と内側ライナー10との間に介在された中芯9とを備えている。このうち外側ライナー2はマット剤8aにより表面に凹凸形状8が形成された基材フィルム3と、基材フィルム3の裏面に光輝性顔料を含むインキによりパターン状に形成されたメタリック調絵柄層6および一般絵柄層7とを有している。基材フィルム3の裏面にメタリック調絵柄層6および一般絵柄層7を覆って、紙層5が接着層4を介して設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、段ボールシート、及び段ボールシートで作製した段ボール箱に係り、とりわけ箔押し感を有する段ボールシート及び段ボール箱に関する。
従来、オフセット印刷における光輝性印刷は非常に困難であり、金色は黄土色、銀色は灰色に表現されてしまうという問題がある。このため書籍の表紙、板紙等、オフセット印刷により意匠を施す被化粧体にメタリック調の光沢を与える化粧方法としては、箔押しフィルムを用いた箔押し法が使用されている。
箔押しフィルムは、離型フィルムと、この離型フィルムに設けられた透明着色層、アルミニウム蒸着層及び熱活性接着層を有している。そして、箔押しフィルムを加熱した凸版を用いて被化粧体に圧着し、離形フィルムから、透明着色層とアルミニウム蒸着とからなるメタリック調の絵柄を剥離し、この絵柄を被化粧体に熱転写して画像を形成している。そして、透明着色層が、黄色の場合は黄金色を、無色の場合は銀色を、そして他の色の場合は、メタリック調カラーによる画像を被化粧体上に形成することができる。
しかしながら、被化粧体が段ボールシートである場合、箔押しフィルムから被化粧体上に絵柄を熱転写しようと思っても、波形に加工した中芯の構造に起因する圧力むらが発生するため、きれいに、安定的に絵柄を転写することは不可能であった。
更に、箔押し法を用いて明度が変化するグラデーションを表現することも不可能であった。
更に、箔押し法を用いて明度が変化するグラデーションを表現することも不可能であった。
また、裏面印刷を施した透明プラスチックフィルムを段ボールシートに貼り付けて耐水性や意匠性に優れる段ボールシートを製造する方法(例えば、特許文献1)、また、裏面印刷を施したプラスチックフィルムと紙、金属箔、クロス、不織布等を貼り合わせた積層体をライナーとして用い、中芯と貼り合わせて段ボールシートを製造する方法(例えば、特許文献2)が知られている。
このような製造において、透明プラスチックフィルムの裏面に光輝性印刷により絵柄を形成した場合、メタリック調の絵柄を得ることができるが、表面に介在する透明プラスチックフィルムの光沢の存在のため、メタリック調画像が表面に発現されず、立体感のある箔押し感を提供することができなかった。また、基材フィルムの表面に印刷を施したときは、メタリック調の発色性が劣り充分な箔押し感を表現できず、また光輝性顔料は、バインダーとの親和性に劣るために摩擦などで脱落し易いという問題があった。
また、表面に凹凸形状をもつ基材フィルムの裏面に、少なくとも光輝性顔料によるメタリック調絵柄層、接着層、及び通気性繊維シートからなる積層体を設けた構造も知られているが、当該積層体を段ボールシートに組み込むことは考えられていない(特許文献3)。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、箔押し感を有する段ボールシート、および当該段ボールシートで製造した段ボール箱を提供することを目的とする。
本発明は、外側ライナーと、内側ライナーと、外側ライナーと内側ライナーとの間に介在された中芯を備え、外側ライナーは外側を向く表面側にマット剤を含み、表面に凹凸形状が形成された透明性基材フィルムと、透明性基材フィルムの裏面に光輝性顔料を含むインキによりパターン状に形成されたメタリック調絵柄層と、透明性基材フィルムの裏面に、接着層を介してメタリック調絵柄層を覆って設けられた紙層とを有することを特徴とする段ボールシートである。
本発明は、メタリック調絵柄層は、絵柄層の明度が変化するグラデーション領域を含むことを特徴とする段ボールシートである。
本発明は上記記載の段ボールシートを箱状に組立てて作製された段ボール箱である。
本発明によれば、透明性基材フィルムの裏面に設けられたメタリック調絵柄層の部分と、透明基材フィルムの外側を向く表面に形成された凹凸形状との相乗効果により、高級感にあふれた仕上がりを発現する。このため、あたかも紙層の表面に立体感のある金箔を施した感じをもつ、従来箔押しできなかった段ボールシートを提供することができる。そして、当該段ボールシートにより作製された段ボール箱は、段ボール箱が有する堅固さ、およびクッション性を維持しながら、従来にない高級感を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明による段ボールシート1は外側ライナー2と、内側ライナー10と、外側ライナー2と内側ライナー10との間に介在された中芯9とを備えている。
このうち、外側ライナー2は外側を向く表面側に微粒子状マット剤8aを含み表面に凹凸形状8が形成された透明性合成樹脂フィルム(基材フィルム)3と、基材フィルム3の裏面側に光輝性顔料を含むインキによりパターン状に形成されたメタリック調絵柄層6と、基材フィルム3の裏面側に通常の顔料を含むインキにより形成された文字等からなる一般絵柄層7と、基材フィルム3の裏面側にメタリック調絵柄層6および一般絵柄層7を覆って設けられた接着剤層4と、接着層4の裏面に設けられた紙層5と有している。
このうち基材フィルム3は、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムフィルムまたはポリアミドフィルムからなり、これらフィルムの表面側に微粒子状マット剤8aが添加されている。微粒子状マット剤8aは、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどの無機顔料や、ポリカーボネート、ポリエステルなどの有機微粒子から選択される。
基材フィルム3の厚みは、印刷や積層工程に支障がない程度のものであり、材料により異なるが、10〜35μmである。そして、基材フィルム3のうち光輝性顔料を含むインキにより印刷される裏面には、インキの接着を安定化するためにコロナ放電処理、ポリエチレンイミン、イソシアネート系化合物などのプライマー層を設けることにより、易接着処理が施されている。
メタリック調絵柄層6を形成する光輝性顔料は、金属アルミニウム微粉末、真鍮微粉末、50〜2000nm のアルミニウム蒸着を施した厚み4〜15μmのポリエステルフィルムなどに透明色料で着色した蒸着プラスチックフィルムの砕片、魚鱗箔などのパール顔料からなり、これらは適宜透明色料を用いて着色される。
透明な色料としては、染料、顔料のいずれをも使用でき、透明性からは染料を用いることが好ましく、また化学的に安定であり、耐光性、耐薬品性に優れた顔料を用いることもできる。例えば、色料としてベンチジンエロー、ジスアゾエロー、クロモフタルエロー、イソインドリンエローなどの黄色顔料、クロモフタルレッド、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンレッド、ペリノンレッドなどの赤色系顔料、フタロシアニンブルー、インダスロンブルー、フタロシアニングリーンなどが用いられる。
そして、好ましい光輝性顔料としては、鮮やかな色彩と、メタリック調とをもつ蒸着プラスチックフィルムの砕片が用いられる。
上記の光輝性顔料をインキ化するために使用するバインダーとしては、基材フィルム3の種類によって選択される。一般的には、バインダーは硝化綿・ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、アクリル系樹脂などから選択される。更に、安定剤などの添加物を加えたバインダーを溶剤に溶解したベヒクルと光輝性顔料とによりインキが作製される。
そして、メタリック調絵柄層6を形成するための印刷方法としては、グラビア輪転印刷又はフレキソ輪転印刷などの基材フィルムを巻取りで加工できる方法が好ましい。
本発明の紙層5に用いられる紙としては、綿、麻、絹などの天然繊維、再生繊維素系のレーヨンや、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンなどからなる合成繊維等が考えられる。好ましくは紙層5として、基材フィルム3との接着工程が容易で、繊維の太さが安定しているレーヨンが用いられる。また紙層5は、紙、織布、不織布などの形状で構成されるものである。
さらに紙層5としては、上質紙、せんか紙、晒しクラフト紙、純白ロール、ライスペーパー、インディアンペーパー、合紙、エアメールペーパー、裏カーボン原紙、薄葉紙、リンター紙、オーバーレイ紙、レーヨン紙、不織布などがある。
そして紙層5の坪量は30〜100g/m2のものを用いると、中芯9のフルートが透けて見え難く、好ましいが、中芯9のフルートを見せたい場合、見えても良い場合、印刷インキで透明プラスチックフィルムに遮光性を付与する場合等があるため、坪量が30g/m2未満の紙でも用いる場合がある。また、段ボールシート1の腰を上げる目的、中芯9が見えないようにする目的、または、中芯9のフルートとの貼り合わせによる表面の凹凸を無くしたい目的のため、100g/m2を越える紙を使用する場合もあるため、紙の坪量は特に限定する必要はない。
基材フィルム3と紙層5は、接着層4を介して通常の積層方法により積層されるが、ウエットラミネーション、ドライラミネーション(ラッカーラミネーション又はノンソルベントラミネーション)、溶融樹脂によるサンドイッチラミネーションなどいずれの積層方法を用いて積層してもよい。
図2は、本発明による段ボールシート1を示す概略平面図である。通常の色インキによる文字、図柄、バーコード等の一般絵柄層7と、光輝性顔料を含むインキで設けたメタリック調絵柄層6が、段ボールシート製造時の断裁位置12間に、断裁ピッチと同一の間隔で設けられている。特に図示しないが、一般絵柄層7およびメタリック調絵柄層6に加えて、エンドレス印刷の絵柄層を設けても良い。また、段ボールシート1は断裁位置12において断裁される。このため、断裁位置12を断裁機が認識できるように光電管マーク11が一般絵柄層7と同様に基材フィルム3の裏面に設けられている。なお、一般絵柄層7が機械が認識できる図形を含む場合、光電管マーク11を設けなくても良い。
外側ライナー2と中芯9とを積層する際、外側ライナー2の貼り合わせ面が紙層5であることから、一般的には水、キャリアと呼ばれる糊化した澱粉、未糊化のメイン澱粉、アルカリ化合物、硼素化合物で構成される接着剤9aが段ボール製造機械であるコルゲーター上で、波形に成形された中芯9の頂部に塗布され、中芯9と外側ライナー2とが貼り合わされる。次に加熱工程により外側ライナー2と中芯9が固化乾燥される。必要に応じて内側ライナー10として積層ライナーを用いることもできるが、内側ライナー10は、クラフト紙等、通常の段ボールと同じ用紙を用いることができる。
また、中芯9として、一般的に用いられるAフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルート、Fフルート、及び、Gフルートその他を用いることができ、これらの中芯9を組み合せたWフルート等を用いてもよい。
このようにして製造された段ボールシート1を、断裁位置12で断裁し、枚葉状の段ボールシート1としたものを図3に示す。枚葉状の段ボールシート1を形成した後、この枚葉状の段ボールシート1に対して通常の段ボール箱製造工程や、紙器製造工程の抜き及び貼り工程が施される。尚、貼り工程において使用する接着剤は、通常のPP貼りコートボールの貼りに用いる接着剤をそのまま使用することができる。
図5(a)(b)に、本発明に係る段ボールシート1で作成した、メタリック調絵柄層6を有する段ボール箱20を示す。このように、通常の箔押しでも困難な、尖った頂点を複数有する星型図柄等のメタリック調絵柄層6を段ボール箱20の表面に発現させることができる。更に、箔押しでは不可能な、メタリック調絵柄層6に明度が変化するグラデーション領域を形成することもできる(図5(a)(b))。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
厚み12μmの微粒子状マット剤8aを含む二軸延伸延伸ポリエステルフィルム(マット調基材フィルム)3を準備した。この基材フィルム3の裏面にアルミニウム微粉末と透明黄色顔料とで着色した金色インキ、及び(通常の裏面印刷では使用される白色印刷を省略して)通常の絵柄を形成する着色インキのみを用いてグラビア輪転印刷により金色刷りのメタリック調絵柄層6と一般絵柄層7を各々設けた。
そして、メタリック調絵柄層6と一般絵柄層7上にポリエステル・イソシアネート型の2液硬化型の接着剤層(接着層)4を5μmの厚みで設けて、坪量70g/m2のポリプロピレン、パルプ混抄湿式不織布(紙層)5をドライラミネーションして外側ライナー2を作製した。
次にAフルートのコルゲーター(段ボールシート製造装置)に上記の外側ライナー2をセットし、中芯9および内側ライナー10と、外側ライナー2とを貼合し、段ボールシート1を製造した。次に段ボールシート1を断裁して枚葉状の段ボールシート1を得た。当該枚葉段ボールシート1から、通常の段ボール箱のブランクを抜き、貼りを施した後、段ボール箱20を組み立てた。
その結果、通常の段ボール箱には無い、高級な電気製品等の輸送箱に最適と思われる高級感のある箔押し感を有する段ボール箱20が得られた。
厚み20μmの微粒子状マット剤8aを含む二軸延伸ポリプロピレンフィルム(マット調基材フィルム)3を準備した。この基材フィルム3の裏面にアルミニウム微粉末と透明顔料とで作成した銀色インキ、通常の色インキ及び裏打ちの白色インキを用いて、グラビア輪転印刷でグラデーション領域6aをもつ銀色刷り(メタリック調絵柄層6)と、一般絵柄層7を各々設けた。
そしてメタリック調絵柄層6と一般絵柄層7上にアンカーコート剤を塗布しつつ、溶融低密度ポリエチレン樹脂(接着層)4を用いてサンドイッチラミネーションにより、坪量45g/m2のレーヨン雲龍紙(紙層)5を積層して、メタリック調の箔押し感をもつ外側ライナー2を作製した。
次にGフルートのコルゲーター(段ボールシート製造装置)に上記の外側ライナー2をセットし、中芯9および内側ライナー10と、外側ライナー2とを貼合し、段ボールシート1を製造した。次に段ボールシート1を断裁して枚葉状の段ボールシート1を得た。当該枚葉状段ボールシート1から、1.8リットルガラスびん用サック箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、段ボール箱20を組み立てた。
その結果、通常の箔押しでは有り得ない銀色のグラデーション領域6aを含む、日本酒や醤油等の、高級食材に最適と思われる高級感のある箔押し感を有する段ボール箱20が得られた。
中芯と内側ライナーとからなるGフルート段ボール枚葉シートの中芯側の白色面にオフセット印刷機を用いて実施例2と同じデザインの印刷を施し、実施例2と同一寸法の1.8リットルガラスびん用サック箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、段ボール箱を組み立てた。
その結果、実施例2において銀色に表現されていた部分が灰色に表現されてしまい、高級感が無くなってしまった。
比較例1とは銀色印刷が無い点のみ異なり、その他の絵柄は同じ印刷をオフセット印刷機を用いて施した後、実施例2において銀色に表現されていた部分から、箔押しは不可能なグラデーション部を除いて箔押しを施した。
その結果、中芯に由来する段ボールシート表面の凹凸により箔押しむらが生じ、段ボール箔のバリ及び転写不良が発生し、設計通りの箔押しを得ることができなかった。
1 段ボールシート
2 外側ライナー
3 基材調フィルム
4 接着層
5 紙層
6 メタリック調絵柄層
6a グラデーション領域
7 一般絵柄層
8 凹凸形状
8a マット剤
9 中芯
9a 接着剤
10 内側ライナー
11 光電管マーク
12 断裁位置
20 段ボール箱
2 外側ライナー
3 基材調フィルム
4 接着層
5 紙層
6 メタリック調絵柄層
6a グラデーション領域
7 一般絵柄層
8 凹凸形状
8a マット剤
9 中芯
9a 接着剤
10 内側ライナー
11 光電管マーク
12 断裁位置
20 段ボール箱
Claims (3)
- 外側ライナーと、
内側ライナーと、
外側ライナーと内側ライナーとの間に介在された中芯を備え、
外側ライナーは外側を向く表面側にマット剤を含み、表面に凹凸形状が形成された透明性基材フィルムと、透明性基材フィルムの裏面に光輝性顔料を含むインキによりパターン状に形成されたメタリック調絵柄層と、透明性基材フィルムの裏面に、接着層を介してメタリック調絵柄層を覆って設けられた紙層とを有することを特徴とする段ボールシート。 - メタリック調絵柄層は、絵柄層の明度が変化するグラデーション領域を含むことを特徴とする請求項1記載の段ボールシート。
- 請求項1記載の段ボールシートを箔状に組立てて作製された段ボール箱。
Priority Applications (1)
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JP2010174340A JP2012030569A (ja) | 2010-08-03 | 2010-08-03 | 段ボールシート、及び段ボール箱 |
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- 2010-08-03 JP JP2010174340A patent/JP2012030569A/ja active Pending
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