JP2012030488A - Uv硬化性インク用記録媒体、記録物の製造方法及び製版フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても、滲みが十分少ない高解像度の画像形成を可能とするUV硬化性インク用記録媒体、高品質の画像を有する記録物を得ることができる記録物の製造方法、及び、高品質の画像を有する製版フィルムを提供すること。
【解決手段】 本発明のUV硬化性インク用記録媒体は、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層とを備え、上記機能層の上記基材とは反対側の面が、UV硬化性インクに対して撥インク性を有し、当該面上で硬化したUV硬化性インクを保持できることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のUV硬化性インク用記録媒体は、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層とを備え、上記機能層の上記基材とは反対側の面が、UV硬化性インクに対して撥インク性を有し、当該面上で硬化したUV硬化性インクを保持できることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するためのUV硬化性インク用記録媒体、及びこれを用いる記録物の製造方法に関する。また、本発明は、オフセット印刷やスクリーン印刷などの版を作製するための製版フィルムに関する。
印刷業界においては、オフセット印刷のPS版やスクリーン印刷及びフレキソ印刷の感光性樹脂版に、所定の画像が形成された製版フィルムを密着させて、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ等により紫外線を照射することにより、製版が行われている。製版フィルムは、感光材料を層着させたフィルムに製版カメラを使用して版下を写し出し、現像処理及び定着処理、更に水洗、乾燥等の後処理を行って作製される。
近年、印刷作業のデジタル化が進み、画像データからインクジェット方式で製版フィルムを作製することが行われている。例えば、下記特許文献1には、親水性処理を施した透明フィルム上にインクジェットプリンタを用いて特定の製版用インクを直接描画して製版フィルムを作製する方法が開示されている。
最近、インクジェットプリンタのプリント画質は高解像度化が進んでおり、インク液滴量は従来の60ピコリットルから3ピコリットルへと極めて少量になっている。そして、インク液滴量の極小化に伴い1200dpi、2400dpi等の高解像度記録が熱望されている。しかし、このような液滴量の場合、従来のインク受容層を設けた記録媒体に水性インクをインクジェット方式により吐出すると、従来の液滴量では目立たなかった記録媒体のインク受容層へのインクの滲みが記録ドットの拡がりを顕在化させ、製版フィルムなどの記録物における画像品質の向上が妨げられるという新たな問題が発生することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても、滲みが十分少ない高解像度の画像形成を可能とするUV硬化性インク用記録媒体、高品質の画像を有する記録物を得ることができる記録物の製造方法、及び、高品質の画像を有する製版フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、インクジェット方式で吐出させるインクとしてUV硬化性インクに着目し、このインクに対して特定の性質が発現される機能層を表面に備える記録媒体を用いることにより、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても滲みが十分少ない高解像度の画像形成が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層とを備え、上記機能層の上記基材とは反対側の面が、UV硬化性インクに対して撥インク性を有し、当該面上で硬化したUV硬化性インクを保持できることを特徴とする第1のUV硬化性インク用記録媒体を提供する。
本発明の第1のUV硬化性インク用記録媒体は、上記機能層を有することにより、この機能層上に付着するインク液滴を適度な高さを有する半球の状態で硬化させることができ、なおかつ硬化したインクを保持することができる。これにより、インクの滲みや広がりを防止でき、単位面積あたりの色材の濃度を十分高めることができ、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても高品質の画像を形成することができる。
本発明はまた、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層とを備え、上記機能層が、上記基材上に、上記高分子化合物を含有する高分子化合物含有層を設け、当該高分子化合物含有層の上記基材とは反対側の面に界面活性剤が含まれる表面処理剤を塗布することにより形成されたものであることを特徴とする第2のUV硬化性インク用記録媒体を提供する。
本発明の第2のUV硬化性インク用記録媒体は、上記表面処理剤によって高分子化合物含有層の表面エネルギーを低減することができ、これにより機能層上に付着するインク液滴を適度な高さを有する半球の状態で硬化させることができ、なおかつ硬化したインクを保持することができる。これにより、インクの滲みや広がりを防止でき、単位面積あたりの色材の濃度を十分高めることができ、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても高品質の画像を形成することができる。
本発明はまた、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層とを備え、上記機能層が、上記高分子化合物及び界面活性剤を含む組成物から形成されたものであることを特徴とする第3のUV硬化性インク用記録媒体を提供する。
本発明の第3のUV硬化性インク用記録媒体は、上記機能層を有することにより、この機能層上に付着するインク液滴を適度な高さを有する半球の状態で硬化させることができ、なおかつ硬化したインクを保持することができる。これにより、インクの滲みや広がりを防止でき、単位面積あたりの色材の濃度を十分高めることができ、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても高品質の画像を形成することができる。
本発明の第1〜3のUV硬化性インク用記録媒体において、機能層の基材とは反対側の面は、UV硬化性インクとの接触角が40度以上90度以下であることが好ましい。
機能層の撥インク性を上記の範囲内に設定することにより、解像度、色濃度及びインクの保持性のすべてを高水準で両立することができる。
本発明はまた、本発明の第1〜3のUV硬化性インク用記録媒体の機能層上に、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出し、当該UV硬化性インクを硬化させることにより画像を形成することを特徴とする記録物の製造方法を提供する。
本発明の記録物の製造方法によれば、本発明に係るUV硬化性インク用記録媒体を用いることにより、高品質の画像を有する記録物を得ることができる。また、本発明の記録物の製造方法によれば、記録媒体上に高さを有する画像を形成することができるので、記録物を重ねたときの記録物同士の張り付きが抑制された記録物を得ることができる。
本発明の記録物の製造方法において、吐出されるUV硬化性インクの液滴の容量が3ピコリットル以下であることが好ましい。
また、UV硬化性インクが溶剤を含まないものであることが好ましい。
本発明はまた、基材が光透過性を有するフィルムである本発明のUV硬化性インク用記録媒体と、当該UV硬化性インク用記録媒体上に形成されたUV硬化性インクの硬化物からなる画像とを有する製版フィルムを提供する。
本発明の製版フィルムは高品質の画像を有することができる。また、本発明の製版フィルムにおいては、UV硬化性インクが基材上に盛り上がった状態で硬化されるので、透明な基材表面に画像による凹凸を設けることが可能になる。この凹凸は、製版フィルムを感光性樹脂版などに密着させるときのスペーサーとなる。これにより、本発明の製版フィルムは、従来の銀塩写真フィルムを用いる場合に必要であったエアー抜き用の透明微粒子塗布などの操作を行わなくても容易に密着させることができ、その後容易に剥離することができる。特に、露光機の多くは、フィルムと版との密着度を高めるために吸引圧着を行うが、このような場合にも密着及び剥離が容易となる。すなわち、インクによる凹凸があることで、露光時には空気溜まりが生じることなく真空吸引ができ、露光後にフィルムを剥がすときには容易に空気が入り込みフィルムを簡単に剥がすことができる。
更に、本発明の製版フィルムは、例えば、基材が光透過性を有するフィルムである本発明のUV硬化性インク用記録媒体上に、インクジェット方式でUV硬化性インクを吐出し、これを紫外線照射して硬化することにより画像を形成することにより得ることができる。この方法は、画像を紫外線照射によって瞬時に形成できるので、次の工程にすばやく進むことができるうえ、感光材料を用いて作製される従来の製版フィルムとは異なり現像機が不要であり、現像液の管理を必要としない。これにより、製版フィルムの製造において、省スペース、省エネルギーを実現することが可能となる。
本発明によれば、インクジェット方式におけるインク液滴量を小さくした場合であっても、滲みが十分少ない高解像度の画像形成を可能とするUV硬化性インク用記録媒体、高品質の画像を有する記録物を得ることができる記録物の製造方法、及び、高品質の画像を有する製版フィルムを提供することができる。
本発明のUV硬化性インク用記録媒体について、一実施形態である製版用フィルムを例に説明する。図1は、本実施形態の製版用フィルムを示す模式断面図である。図1に示す製版用フィルム10は、基材1と、基材1上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層2とを備えて構成されている。本実施形態に係る機能層2は、基材1上に、上記高分子化合物を含有する高分子化合物含有層(アンカーコート層)を設け、当該高分子化合物含有層の上記基材とは反対側の面S1に界面活性剤が含まれる表面処理剤を塗布することにより形成されたものである。
図1には、製版用フィルム10上に、インクジェット方式により吐出されたUV硬化性インク20が付着している様子が示されている。本明細書において、UV硬化性インクとの接触角とは図1のA1で示される角度を指す。
基材としては、紫外線(380〜400nm)の透過性が高い(好ましくは、透過率が90%以上)透明な基材を用いることができる。透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレンなどのフィルムが挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムや、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチックフィルムが寸法安定性の点で好ましい。
基材の厚みとしては、50〜300μm程度が好ましい。
アンカーコート層は、例えば、基材上に、例えば、ラテックス組成物、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの高分子化合物を含むアンカーコート剤を塗布し、これを乾燥させることにより形成することができる。アンカーコート剤には、水などの溶剤を含有させることができる。また、アンカーコート剤は、固着性改良剤、塗布性改良剤、消泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。
ラテックス組成物を含むアンカーコート剤としては、例えば、特開2007−100034号公報に記載のものが挙げられ、なかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を重合して得られるラテックス組成物が好ましい。
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体を含むアンカーコート剤としては、例えば、特開平8−164968号公報に記載のものが挙げられる。
UV硬化性インクがUV線硬化樹脂としてアクリル酸エステルを含むものである場合、接着性の観点から、高分子化合物は、同じアクリル系であるものが好ましい。
アンカーコート剤の塗布方法としては、例えば、ワイヤーバー、スプレーコート、エアーナイフ、グラビアコートなどが挙げられる。
アンカーコート層の厚みとしては、0.01〜0.5μmが好ましい。
本実施形態において、表面処理剤が塗布される前のアンカーコート層は、UV硬化性インクに対する接着性を有している。
本実施形態の製版用フィルムの機能層は、アンカーコート層の基材とは反対側の面S1に界面活性剤が含まれる表面処理剤を塗布、乾燥し、アンカーコート層の表面張力を低下させることにより、機能層の基材とは反対側の面S1が、UV硬化性インクに対して撥インク性を有することができる。
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、アルキル末端界面活性剤、及びシリコネート化界面活性剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基を有する「S11」(AGCセイミケミカル社製、商品名)などが挙げられる。アルキル末端界面活性剤としては、例えば、アルキル化アミノエーテルなどが挙げられる。シリコネート化界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
表面処理剤は、使用するUV硬化性インクの組成及び特性に応じて、界面活性剤の種類及び濃度を設定することが好ましい。本実施形態においては、表面処理剤が塗布され乾燥された後のアンカーコート層のUV硬化性インクとの25℃における接触角が40度以上90度以下の範囲になることが好ましく、40度以上75度以下となることがより好ましい。
UV硬化性インクとの接触角は以下の方法により測定される。まず、温度25℃の環境下、携帯式接触角計PG−X(株式会社マツボー製)を用いてUV硬化性インクを約1μリットル滴下する。次に、滴下してから5分経過後の接触角(静的接触角)を測定する。
この静的接触角が40度未満であると、形成されるドットが拡がりすぎて、画像品質が低下すると同時にドットの高さが低くなり、厚みが少なくなることによりUV光透過濃度が低下する傾向にある。一方、接触角が90度を超えると、インク滴の接着面の直径がインク滴の直径よりも小さくなり、硬化したインクの接着性が不十分となる傾向にある。
表面処理剤は、適当な溶媒に所定濃度の界面活性剤を溶解させることにより調製でき、これの塗布方法としては、例えば、バーコート、エアーナイフ、スプレーコートなどが挙げられる。塗膜を乾燥する方法としては、例えば、ヒートロールなどが挙げられる。
製版用フィルム10には、帯電防止被膜が設けられていてもよい。この帯電防止被膜は、例えば、上記の透明基材の機能層が形成されている面とは反対側の面に、共重合ポリエステル樹脂及びアクリル系共重合体から選ばれる1種以上のバインダー樹脂と、帯電防止剤とが含まれる水性の塗工液を塗布することにより形成することができる。
本発明に係る機能層は、上述した以外の方法でも形成することができる。例えば、上記高分子化合物及び界面活性剤が含まれる組成物を用いて基材上に機能層を形成してもよい。
次に、本発明の記録物の製造方法について説明する。本発明の記録物の製造方法は、本発明のUV硬化性インク用記録媒体の機能層上に、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出し、当該UV硬化性インクを硬化させることにより画像を形成することを特徴とする。
更に、本発明の記録物の一実施形態として製版フィルムを説明する。
本実施形態の製版フィルムは、上記の本実施形態に係る製版用フィルムと、この製版用フィルム上に形成されたUV硬化性インクの硬化物からなる画像とを有する。
本実施形態の製版フィルムは、上述した製版用フィルムに、インクジェット方式によりUV硬化性インクを画像状に吐出し、これに紫外線を照射してインクを硬化して画像を形成することにより作製される。
本実施形態において、吐出液滴量は3ピコリットルに設定することができる。また、解像度は2400dpiに設定することができる。本実施形態に係る製版用フィルムを用いることにより、上記の印刷設定であっても、滲みが十分少ない高解像度の画像形成が可能となる。
UV硬化性インクは、紫外線硬化樹脂、開始剤、色材を含むものが挙げられる。紫外線硬化樹脂としては、アクリル酸エステルなどの単官能アクリルモノマーと二アクリル酸ヘキサメチレンなどの多官能アクリルモノマーとを組み合わせたものが挙げられる。色材としては、UV光の遮光性が良好なカーボンブラックが挙げられる。UV硬化性インクは無溶剤型であるものが好ましい。
UV硬化性インクには、重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤などの添加剤を含有させることができる。
UV硬化性インクの粘度は、安定した液滴吐出の観点から、6〜8mPa・sが好ましい。
本実施形態において、UV硬化性インクがアクリル酸エステルを含むものである場合、製版用フィルムにおける機能層がアクリル系モノマーをモノマー単位として含む高分子化合物を含有することが好ましい。
また、本実施形態の製版フィルムにおいては、機能層と、UV硬化性インクとが、上述した静的接触角の範囲を満たす関係にあることが好ましい。
本実施形態の製版フィルムは、オフセット印刷のPS版やスクリーン印刷及びフレキソ印刷の感光性樹脂版の製版に好適に用いることができる。本実施形態の製版フィルムは、画像による凹凸を設けることが可能であり、従来の銀塩写真フィルムを用いる場合に必要であったエアー抜き用の透明微粒子塗布などの操作を行わなくても容易に密着させることができ、その後容易に剥離することができる。特に、露光機の多くは、フィルムと版との密着度を高めるために吸引圧着を行うが、このような場合にも密着及び剥離が容易となる。すなわち、インクによる凹凸があることで、露光時には空気溜まりが生じることなく真空吸引ができ、露光後にフィルムを剥がすときには容易に空気が入り込みフィルムを簡単に剥がすことができる。
本発明は、上述した製版フィルム以外の記録物を提供することができる。記録物としては、例えば、飲料用ペットボトルのラベル、各種プラスチックカード等が挙げられる。
記録物が飲料用ペットボトルのラベルである場合、基材としてはポリ塩化ビニル樹脂(PVC)が挙げられる。記録物がプラスチックカードである場合、基材としては硬質塩化ビニールが挙げられる。
基材が硬質塩化ビニールなどの硬質材である場合、この表面に本発明に係る機能層を設け、インクジェット方式によりUV硬化性インクを画像状に吐出し、これに紫外線を照射してインクを硬化して画像を形成してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<製版用フィルムの準備>
(製版用フィルム1)
厚み188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に0.1μm以下のアンカーコート層が形成された透明易接着性PETフィルム(東山フィルム(株)製、商品名「HK−31WF」)を用意した。このフィルムのアンカーコート層に、フッ素系界面活性剤(AGCセイミケミカル株式会社製、商品名「S−211」)の0.6質量%水溶液をバーコートにて塗布し、その後60℃で60分間乾燥させた。こうして製版用フィルム1を得た。
(製版用フィルム1)
厚み188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に0.1μm以下のアンカーコート層が形成された透明易接着性PETフィルム(東山フィルム(株)製、商品名「HK−31WF」)を用意した。このフィルムのアンカーコート層に、フッ素系界面活性剤(AGCセイミケミカル株式会社製、商品名「S−211」)の0.6質量%水溶液をバーコートにて塗布し、その後60℃で60分間乾燥させた。こうして製版用フィルム1を得た。
(製版用フィルム2)
厚み188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に0.1μm以下のアンカーコート層が形成された透明易接着性PETフィルム(東山フィルム(株)製、商品名「HK−31WF」)を用意した。これを製版用フィルム2とした。
厚み188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に0.1μm以下のアンカーコート層が形成された透明易接着性PETフィルム(東山フィルム(株)製、商品名「HK−31WF」)を用意した。これを製版用フィルム2とした。
(製版用フィルム3)
厚み145μmのインクジェット用製版フィルム(ピクトリコ社製、商品名「ピクトリコグラフィックアーツ製版フィルム」)を用意した。これを製版用フィルム3とした。
厚み145μmのインクジェット用製版フィルム(ピクトリコ社製、商品名「ピクトリコグラフィックアーツ製版フィルム」)を用意した。これを製版用フィルム3とした。
(製版用フィルム4)
厚み145μmのインクジェット用製版フィルム(ピクトリコ社製、商品名「ピクトリコグラフィックアーツ製版フィルム」)を用意した。このフィルムに、フッ素系界面活性剤(AGFセイミ化学社製、商品名「S211」)の0.6質量%水溶液をバーコートにて塗布し、その後60℃で60分間乾燥させた。こうして製版用フィルム4を得た。
厚み145μmのインクジェット用製版フィルム(ピクトリコ社製、商品名「ピクトリコグラフィックアーツ製版フィルム」)を用意した。このフィルムに、フッ素系界面活性剤(AGFセイミ化学社製、商品名「S211」)の0.6質量%水溶液をバーコートにて塗布し、その後60℃で60分間乾燥させた。こうして製版用フィルム4を得た。
(PETフィルム)
表面が無処理の厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。
表面が無処理の厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。
製版用フィルム1〜4及びPETフィルムについて、携帯式接触角計PG−X(株式会社マツボー製)により、25℃におけるUV硬化インクとの接触角を測定した。接触角は、UV硬化性インクを約1μリットル滴下し、滴下してから5分経過後の接触角を測定した。また、この測定を任意の5個所で行い、平均値をそれぞれ求めた。
<製版フィルムの作製>
(実施例1及び比較例1〜4)
上記の各製版用フィルム及びPETフィルムにそれぞれ、解像度2400dpi、吐出液適量3.0ピコリットル、ノズル数318のインクジェット記録ヘッドを用いて、キャリッジ機構によりノズルからUV硬化性インク(株式会社ミマキエンジニアリング製LH100ブラックインク)を吐出し、画像形成を行った。なお、UV硬化性インクは、フィルム上に付着した直後に、インクジェット記録ヘッドと並んでキャリッジに取り付けられたUVランプにより紫外線を照射して硬化した。キャリッジは、UV硬化性インクの吐出及び硬化を行いながら製版用フィルムを横切るように走査し、この走査毎に製版用フィルムを所定量搬送する動作を繰り返すことにより、ベタ画像が形成された製版フィルムを作製した。更に、上記と同様にして、10%網点(175線)及び3〜8ポイントの抜き文字(黒地に白く文字が抜かれたもの)の画像を形成し、画像品質評価用の製版フィルムを作製した。
(実施例1及び比較例1〜4)
上記の各製版用フィルム及びPETフィルムにそれぞれ、解像度2400dpi、吐出液適量3.0ピコリットル、ノズル数318のインクジェット記録ヘッドを用いて、キャリッジ機構によりノズルからUV硬化性インク(株式会社ミマキエンジニアリング製LH100ブラックインク)を吐出し、画像形成を行った。なお、UV硬化性インクは、フィルム上に付着した直後に、インクジェット記録ヘッドと並んでキャリッジに取り付けられたUVランプにより紫外線を照射して硬化した。キャリッジは、UV硬化性インクの吐出及び硬化を行いながら製版用フィルムを横切るように走査し、この走査毎に製版用フィルムを所定量搬送する動作を繰り返すことにより、ベタ画像が形成された製版フィルムを作製した。更に、上記と同様にして、10%網点(175線)及び3〜8ポイントの抜き文字(黒地に白く文字が抜かれたもの)の画像を形成し、画像品質評価用の製版フィルムを作製した。
[ベタ画像のUV濃度の測定]
ベタ画像が形成された製版フィルムについて、濃度6までのUV濃度測定ができる白黒透過濃度計であるX−Rite 361T(V)(エックスライト社製)を用いて、ベタ画像のUV透過濃度を測定した。なお、UV透過濃度の値が大きいほど透過率が小さくなることを意味する。
ベタ画像が形成された製版フィルムについて、濃度6までのUV濃度測定ができる白黒透過濃度計であるX−Rite 361T(V)(エックスライト社製)を用いて、ベタ画像のUV透過濃度を測定した。なお、UV透過濃度の値が大きいほど透過率が小さくなることを意味する。
[画像品質の評価]
画像品質評価用の製版フィルムについて、UV硬化インクの拡がりによる画像の拡大の程度を比較するため175線10%網点パターンの縦横長さをデジタル顕微鏡YDU−2(八洲光学工業株製)で200倍に拡大して計測し比較した。また、3ポイント抜き文字の鮮明さにより画質品質を評価した。なお、鮮明さの判定基準は下記のとおりである。
「○」:文字が鮮明。
「△」:一部につぶれが発生。
「×」:全部につぶれが発生。
画像品質評価用の製版フィルムについて、UV硬化インクの拡がりによる画像の拡大の程度を比較するため175線10%網点パターンの縦横長さをデジタル顕微鏡YDU−2(八洲光学工業株製)で200倍に拡大して計測し比較した。また、3ポイント抜き文字の鮮明さにより画質品質を評価した。なお、鮮明さの判定基準は下記のとおりである。
「○」:文字が鮮明。
「△」:一部につぶれが発生。
「×」:全部につぶれが発生。
[インクの接着性]
画像品質評価用の製版フィルムの画像部にセロテープ(登録商標)を貼り付け、はがすことにより、インクの接着性を評価した。なお、接着性の判定基準は下記のとおりである。
「○」:剥離が無い。
「△」:一部が剥離。
「×」:剥離が大きい。
画像品質評価用の製版フィルムの画像部にセロテープ(登録商標)を貼り付け、はがすことにより、インクの接着性を評価した。なお、接着性の判定基準は下記のとおりである。
「○」:剥離が無い。
「△」:一部が剥離。
「×」:剥離が大きい。
製版用フィルム1〜4及びPETフィルムの上記で用いたUV硬化性インクに対する静的接触角を下記の手順で測定した。結果を表2に示す。
[UV硬化性インクに対する接触角の測定]
温度25℃の環境下、製版用フィルム上に、携帯式接触角計PG−X(株式会社マツボー製)を用いてUV硬化性インクを約1μリットル滴下した。次に、滴下してから5分経過後に、上記の携帯式接触角計PG−Xを用いてインクに対する接触角を測定した。
温度25℃の環境下、製版用フィルム上に、携帯式接触角計PG−X(株式会社マツボー製)を用いてUV硬化性インクを約1μリットル滴下した。次に、滴下してから5分経過後に、上記の携帯式接触角計PG−Xを用いてインクに対する接触角を測定した。
1…基材、2…機能層、10…UV硬化性インク用記録媒体、20…UV硬化性インク、S1…処理面、A1…接触角。
Claims (8)
- インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、
基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層と、を備え、
前記機能層の前記基材とは反対側の面が、UV硬化性インクに対して撥インク性を有し、当該面上で硬化したUV硬化性インクを保持できることを特徴とするUV硬化性インク用記録媒体。 - インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、
基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層と、を備え、
前記機能層が、前記基材上に、前記高分子化合物を含有する高分子化合物含有層を設け、当該高分子化合物含有層の前記基材とは反対側の面に界面活性剤が含まれる表面処理剤を塗布することにより形成されたものであることを特徴とするUV硬化性インク用記録媒体。 - インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出して画像を形成するために用いられるUV硬化性インク用記録媒体であって、
基材と、当該基材上に設けられた、UV硬化性インクに対して接着性を有する高分子化合物を含有する機能層と、を備え、
前記機能層が、前記高分子化合物及び界面活性剤を含む組成物から形成されたものであることを特徴とするUV硬化性インク用記録媒体。 - 前記機能層の前記基材とは反対側の面は、UV硬化性インクとの静的接触角が40度以上90度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のUV硬化性インク用記録媒体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性インク用記録媒体の前記機能層上に、インクジェット方式によりUV硬化性インクを吐出し、当該UV硬化性インクを硬化させることにより画像を形成することを特徴とする記録物の製造方法。
- 吐出されるUV硬化性インクの液滴の容量が3ピコリットル以下であることを特徴とする請求項5に記載の記録物の製造方法。
- 前記UV硬化性インクが溶剤を含まないものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の記録物の製造方法。
- 前記基材が光透過性を有するフィルムである請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性インク用記録媒体と、当該UV硬化性インク用記録媒体上に形成されたUV硬化性インクの硬化物からなる画像と、を有する、製版フィルム。
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JP2010172085A JP2012030488A (ja) | 2010-07-30 | 2010-07-30 | Uv硬化性インク用記録媒体、記録物の製造方法及び製版フィルム |
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