JP2012028544A - 基板加熱炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
炉心管11を赤外線を透過するセラミックスで形成し、炉心管11の内周側面と対面する向きに向けられて基板保持部13に保持された基板12に、炉心管11とリフレクタ14との間に配置されたランプ加熱ヒーター15から赤外線を照射して加熱する。リフレクタ14は炉心管11の外周側面と離間した位置に、炉心管11の外周側面を取り囲んで配置され、炉心管11とリフレクタ14との間の流路19に送風部17により空気等の赤外線を透過する流体が吹き流されて、炉心管11が冷却される。
【選択図】図1
Description
図4は従来の第一例の基板加熱炉110の内部構成図を示している。
第一例の基板加熱炉110は、炉心管111と、多段の平板サセプタ113と、抵抗加熱ヒーター115とを有している。
平板サセプタ113は炉心管111内に配置され、複数枚の基板112を水平に重ねて保持できるように構成されている。
抵抗加熱ヒーター115は炉心管111の外側に配置され、炉心管111を加熱できるように構成されている。炉心管111が加熱されると、炉心管111内の複数の基板112が同時に加熱されるようになっている。基板112を加熱するためにはまず炉心管111を加熱する必要があり、第一例の基板加熱炉110はホットウォール型と呼ばれている。
ホットウォール型の基板加熱炉110では、特に基板112に窒化層を形成する場合には、化学構造中に窒素を含有する反応ガスを炉心管111内に導入すると、反応ガスの一部は炉心管111の壁面で熱により分解されてしまうため基板112の窒化には使われず、すなわち基板112を効率的に窒化できないという課題があった。また、基板112は直接加熱されないため、後述のランプ加熱に比べて、基板112の昇温速度が遅いという問題があった。
第二例の基板加熱炉210は、炉心管211と、平板サセプタ213と、ランプ加熱ヒーター215と、冷却装置216とを有している。
平板サセプタ213は炉心管211内に配置され、一枚の基板212を水平に保持できるように構成されている。
ランプ加熱ヒーター215は炉心管211の上方に配置され、基板212の表面に赤外線を照射して加熱できるように構成されている。冷却装置216は炉心管211の壁面の外周に取り付けられ、炉心管211を冷却できるように構成されている。基板212を加熱するために炉心管211を加熱する必要はなく、第二例の基板加熱炉210はコールドウォール型と呼ばれている。炉心管211内に導入された反応ガスは、壁面で分解されずに基板212表面に到達し、基板212との反応に効率的に使用される。
しかしながら、第二例の基板加熱炉210では一回のプロセスで加熱できる基板212は一枚であり、量産性に劣るという課題があった。量産性を上げるために、仮に第一例のように多段の平板サセプタに複数枚の基板を重ねて保持させると、下方の基板が上方の基板の陰に入って、下方の基板に赤外線が照射されない部分が生じるため、各基板を均等に加熱できないという問題があった。
本発明は基板加熱炉であって、前記流路形成筒は前記リフレクタで構成された基板加熱炉である。
本発明は基板加熱炉であって、前記基板保持部は、前記基板を前記炉心管の周方向に沿って複数個保持できるように構成された基板加熱炉である。
本発明は基板加熱炉であって、前記基板保持部は、前記炉心管の中心軸線に沿って複数個配置された基板加熱炉である。
本発明は基板加熱炉であって、前記基板保持部を前記炉心管の中心軸線の周りに回転させる回転装置を有する基板加熱炉である。
本発明は基板加熱炉であって、前記ランプ加熱ヒーターは、前記基板保持部に保持された前記基板を1400℃以上に加熱できるように構成され、前記基板保持部は、炭化ケイ素と、炭化ケイ素で表面を被膜されたグラファイトと、アルミナとからなる群のうちいずれか一種類の材質で形成された基板加熱炉である。
本発明は基板加熱炉であって、前記炉心管の材質は石英である基板加熱炉である。
炉心管を冷却できるので、反応ガスが炉心管の壁面で分解されることはなく、反応ガスと基板を効率的に反応させることができる。
基板を1400℃以上の高温に加熱できるので、SiC基板上のゲート酸化膜の形成に使用できる。
本発明の基板加熱炉の構造を説明する。
図1は基板加熱炉10の内部構成図、図2は同A−A線切断断面図を示している。
基板加熱炉10は、赤外線を透過するセラミックスで筒状に形成された炉心管11と、炉心管11の内側に配置され、基板12を炉心管11の内周側面と対面する向きに向けて保持する基板保持部13と、炉心管11の外側に配置され、炉心管11の外周側面と対面する面は赤外線を反射できるように構成されたリフレクタ14と、炉心管11とリフレクタ14との間に配置されたランプ加熱ヒーター15と、炉心管11の外周側面と離間した位置に、炉心管11の外周側面を取り囲んで配置された筒状の流路形成筒と、炉心管11と流路形成筒との間の空間に、赤外線を透過する流体を吹き流す送風部17と、炉心管11の内側に基板12と反応する反応ガスを供給する反応ガス供給部18とを有している。
炉心管11の内側には炉心管11の中心軸線上に回転軸22が配置されている。
各枝部23は、回転軸22の長手方向に沿った同じ位置に、回転軸22と直角に向けられて放射状に固定されている。
各板部24は、表面を炉心管11の内周側面と対面するように向けられて、それぞれ異なる枝部23の先端に取り付けられている。
ここでは炉心管11の中心軸線は鉛直方向と平行に向けられている。板部24は表面が斜め上方を向くように鉛直方向に対して傾けられた状態で枝部23の先端に固定され、板部24の下端には表面から突出した凸部が設けられている。
板部24の表面に基板12を載せると、基板12の縁が凸部の側面と接触して、基板12は板部24の表面から滑り落ちないように支えられ、保持されるようになっている。
従って、図2を参照し、基板保持部13は、基板12を炉心管11の周方向に沿って複数個保持できるように構成されている。
ランプ加熱ヒーター15はここでは棒状であり、長手方向を炉心管11の中心軸線と平行に向けられて、炉心管11の周方向に沿って複数個並んで配置されている。
炉心管11の中心軸線に沿って並んだ基板保持部13の列を基板保持部列と呼ぶと、ランプ加熱ヒーター15の長手方向の長さは、ここでは基板保持部列の長さと同じかそれよりも長く形成されており、各基板保持部13はそれぞれランプ加熱ヒーター15と対面できるようになっている。
各基板保持部13がそれぞれランプ加熱ヒーター15と対面できるならば、本発明のランプ加熱ヒーター15は、長手方向の長さが基板保持部列の長さと同じかそれよりも長いものに限定されず、長手方向の長さが基板保持部列の長さよりも短く形成され、炉心管11の中心軸線に沿って複数本並んで配置されて、各基板保持部13がそれぞれランプ加熱ヒーター15と対面できるようになっていてもよい。
炉心管11の材質はここでは石英であり、入射する赤外線は炉心管11の壁面を透過するようになっている。
炉心管11の壁面を透過した赤外線は、基板保持部13に保持された基板12の表面と、基板保持部13とに入射し、基板12の表面と基板保持部13とを加熱する。赤外線により基板12の表面を直接加熱するので、抵抗加熱や高周波加熱(RF)に比べて、短時間で基板12の表面を昇温できる。
ここではランプ加熱ヒーター15は、基板12の表面を1400℃以上に加熱できるように構成され、基板保持部13は、炭化ケイ素と、炭化ケイ素で表面を被膜されたグラファイトと、アルミナとからなる群のうちいずれか一種類の材質で形成されている。従って、基板保持部13は1400℃以上に加熱されても溶解しないようになっている。
流路形成筒であるリフレクタ14と、炉心管11の外周側面との間に形成される空間を流路19と呼ぶと、送風部17はここでは流路19の下端に配置され、流路19内の空気を下端から流路19の外側に排出するように構成されている。
送風部17により流路19内の空気を排出させると、流路19の上端から内側に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は流路19内を上端から下端まで炉心管11の中心軸線と平行に流れて、流路19の下端から排出されるようになっている。
流路19内に流される空気は乾燥空気が好ましい。空気中に水分子が含まれると、赤外線が水分子に吸収されるからである。
本発明は、流路19内に流される流体は、赤外線を透過するものであれば空気に限定されず、他のガスや液体でもよいが、空気であればコストが安いため好ましい。
炉心管11の一端には筒状の接続管45の一端が気密に接続され、接続管45の他端には第一の真空ゲートバルブ42を介して搬入出室41が気密に接続されている。
接続管45には第一の真空排気装置16が接続され、搬入出室41には第二の真空排気装置44が接続されている。第一の真空ゲートバルブ42を閉じると、炉心管11の内部空間は搬入出室41の内部空間から遮断されるようになっており、第一の真空排気装置16は、炉心管11内を真空排気できるように構成され、第二の真空排気装置44は搬入出室41内を真空排気できるように構成されている。
移動回転装置21は回転軸22を炉心管11の中心軸線の周りに回転できるように構成され、かつ回転軸22を炉心管11の中心軸線と平行に移動できるように構成されている。移動回転装置21により回転軸22を回転させると、基板保持部13は炉心管11の中心軸線の周りに回転するようになっている。また移動回転装置21により回転軸22を炉心管11の中心軸線に沿って移動させると、基板保持部13は炉心管11と搬入出室41との間を往復移動できるようになっている。
搬入出室41の壁面には第二の真空ゲートバルブ43が取り付けられている。基板保持部13を搬入出室41内に移動させた状態で、第二の真空ゲートバルブ43を開くと、基板保持部13は第二の真空ゲートバルブ43の開口から露出されるようになっている。
なお、図2を参照し、ここではリフレクタ14は内周の直径が炉心管11の外周の直径よりも大きい円筒形状であり、中心軸線に沿った一の平面により二つの半円筒部14a、14bに分割できるように構成されている。リフレクタ14を二つの半円筒部14a、14bに分割すると、炉心管11はリフレクタ14の内側から取り出され、炉心管11のメンテナンスができるようになっている。
本発明の基板加熱炉10を用いた基板処理方法を、SiC基板にゲート酸化層を形成する方法を例に説明する。
基板保持部13を搬入出室41内に移動させて静止させておく。
第一の真空ゲートバルブ42を閉じて、第一の真空排気装置16により炉心管11内を真空排気する。以後、第一の真空排気装置16による真空排気を継続して炉心管11内の真空雰囲気を維持する。
第二の真空ゲートバルブ43を開いて、第二の真空ゲートバルブ43の開口から露出された基板保持部13の表面に基板12を載置する。基板保持部13を回転軸22の周りに回転させながら、基板12を各基板保持部13にそれぞれ複数枚ずつ載置する。基板12はここではSiC基板を使用する。
第一の真空ゲートバルブ42を開いて、基板保持部13を炉心管11内に移動させた後、第一の真空ゲートバルブ42を閉じる。
送風部17により流路19内に空気を流して、炉心管11を冷却する。以後、送風部17による炉心管11の冷却を継続する。
ランプ加熱ヒーター15から赤外線を放射させる。放射された赤外線は炉心管11の壁面を透過して、基板保持部13に保持された基板12の表面と、基板保持部13とに照射される。基板保持部13を回転軸22の周りに回転させると、各基板12の表面に均等に赤外線が照射される。
基板12と基板保持部13とはここでは1400℃以上に加熱される。
炉心管11内に供給された反応ガスは加熱された基板12の表面に到達すると、反応して、基板12の表面にゲート酸化層が形成される。
炉心管11は流路19を流れる空気により冷却されているので、反応ガスが炉心管11の壁面で熱分解されて失われることはない。
第一の真空排気装置16により炉心管11内を真空排気した後、第一の真空ゲートバルブ42を開いて、基板保持部13を搬入出室41内に移動させ、第一の真空ゲートバルブ42を閉じる。
第二の真空ゲートバルブ43を開いて、基板保持部13から基板12を取り外し、搬入出室41の外側に搬出して次工程に回す。
次いで、未処理の基板12を基板保持部13に載置して、上記工程を繰り返す。
11……炉心管
12……基板
13……基板保持部
14……リフレクタ
15……ランプ加熱ヒーター
17……送風部
18……反応ガス供給部
Claims (7)
- 赤外線を透過するセラミックスで筒状に形成された炉心管と、
前記炉心管の内側に配置され、基板を前記炉心管の内周側面と対面する向きに向けて保持する基板保持部と、
前記炉心管の外側に配置され、前記炉心管の外周側面と対面する面は赤外線を反射できるように構成されたリフレクタと、
前記炉心管と前記リフレクタとの間に配置されたランプ加熱ヒーターと、
前記炉心管の外周側面と離間した位置に、前記炉心管の外周側面を取り囲んで配置された筒状の流路形成筒と、
前記炉心管と前記流路形成筒との間の空間に、赤外線を透過する流体を吹き流す送風部と、
前記炉心管の内側に前記基板と反応する反応ガスを供給する反応ガス供給部と、
を有する基板加熱炉。 - 前記流路形成筒は前記リフレクタで構成された請求項1記載の基板加熱炉。
- 前記基板保持部は、前記基板を前記炉心管の周方向に沿って複数個保持できるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の基板加熱炉。
- 前記基板保持部は、前記炉心管の中心軸線に沿って複数個配置された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の基板加熱炉。
- 前記基板保持部を前記炉心管の中心軸線の周りに回転させる回転装置を有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の基板加熱炉。
- 前記ランプ加熱ヒーターは、前記基板保持部に保持された前記基板を1400℃以上に加熱できるように構成され、
前記基板保持部は、炭化ケイ素と、炭化ケイ素で表面を被膜されたグラファイトと、アルミナとからなる群のうちいずれか一種類の材質で形成された請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の基板加熱炉。 - 前記炉心管の材質は石英である請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の基板加熱炉。
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A02 | Decision of refusal |
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