JP2012028144A - エレクトロルミネセンス表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度の低下や映り込み等の品質低下を招くことなく、表示画面内の輝度のムラを低減することができるエレクトロルミネセンス表示装置を提供すること。
【解決手段】基板101と、基板101上に、画素120毎に形成された複数の画素電極122と、画素電極122上に形成されたエレクトロルミネセンス層123と、エレクトロルミネセンス層123が発光する発光領域150を区画する絶縁層105と、複数の画素120にまたがってエレクトロルミネセンス層123上に形成された金属薄膜である共通電極124とを有し、共通電極124は、発光領域150に配置される第1の部分127と、発光領域150外に配置され、第1の部分127より厚みの厚い第2の部分128を有し、第2の部分128は、透明性を有するエレクトロルミネセンス表示装置100。
【選択図】図1
【解決手段】基板101と、基板101上に、画素120毎に形成された複数の画素電極122と、画素電極122上に形成されたエレクトロルミネセンス層123と、エレクトロルミネセンス層123が発光する発光領域150を区画する絶縁層105と、複数の画素120にまたがってエレクトロルミネセンス層123上に形成された金属薄膜である共通電極124とを有し、共通電極124は、発光領域150に配置される第1の部分127と、発光領域150外に配置され、第1の部分127より厚みの厚い第2の部分128を有し、第2の部分128は、透明性を有するエレクトロルミネセンス表示装置100。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレクトロルミネセンス表示装置に関する。
基板に対し発光層を形成した側に光線を取り出す、いわゆるトップエミッション型のエレクトロルミネセンス表示装置では、エレクトロルミネセンス層上面の共通電極にインジウム錫酸化物やインジウム亜鉛酸化物等の透明電極が用いられる。しかしながら、これらの透明電極は比較的電気抵抗が大きく、電圧降下を起こすため、表示画面内の輝度が一定とならない。
特許文献1には、かかる問題を軽減するものとして、壁状絶縁壁上に補助電極を設けたエレクトロルミネセンス表示装置が開示されている。しかしながら、同文献には、当該補助電極及び第2電極(共通電極)が満足すべき条件について十分な開示はなされていない。補助電極については、材料として用いる低抵抗金属材料が例示されているほか、図面ではその厚みは第2電極より厚いかのように図示されている。第2電極については、インジウム錫酸化物やインジウム亜鉛酸化物等を用いることが記載されているほか、金属等からなる極薄の薄膜により形成してもよい旨が述べられている。
本発明はかかる観点に鑑みてなされたものであって、その目的は、輝度の低下や映り込み等の品質低下を招くことなく、表示画面内の輝度のムラを低減することができるエレクトロルミネセンス表示装置を提供することである。
本出願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)基板と、前記基板上に、画素毎に形成された複数の画素電極と、前記画素電極上に形成されたエレクトロルミネセンス層と、前記エレクトロルミネセンス層が発光する発光領域を区画する絶縁層と、複数の画素にまたがって前記エレクトロルミネセンス層上に形成された金属薄膜である共通電極とを有し、前記共通電極は、前記発光領域に配置される第1の部分と、前記発光領域外に配置され、前記第1の部分より厚みの厚い第2の部分を有し、前記第2の部分は、透明性を有するエレクトロルミネセンス表示装置。
(2)(1)において、前記第1の部分は第1の金属薄膜からなり、前記第2の部分は、前記第1の金属薄膜と第2の金属薄膜からなるエレクトロルミネセンス表示装置。
(3)(2)において、前記第1の金属薄膜と前記第2の金属薄膜の材質が同じであるエレクトロルミネセンス表示装置。
(4)(2)において、前記第1の金属薄膜より前記第2の金属薄膜の厚みが薄いエレクトロルミネセンス表示装置。
(5)(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記共通電極の少なくとも上部または下部のいずれかに、透明導電膜が設けられているエレクトロルミネセンス表示装置。
(6)(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記エレクトロルミネセンス層は異なる色に発光する複数種のエレクトロルミネセンス層を含み、前記第1の部分の厚みは、前記エレクトロルミネセンス層の発光色に応じて異なる請求項1記載のエレクトロルミネセンス表示装置。
以上の本出願において開示される発明によれば、輝度の低下や映り込み等の品質低下を招くことなく、表示画面内の輝度のムラを低減することができるエレクトロルミネセンス表示装置を提供することができる。
以下本発明の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、第1の実施形態に係るエレクトロルミネセンス表示装置100の構造を示す模式断面図である。本実施形態に係るエレクトロルミネセンス表示装置100は一般的な同種の装置同様、ガラス等からなる基板101上に多数形成されたTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子110により、基板101上に形成された画素120の点灯又は消灯を制御する。なお、本実施形態では、エレクトロルミネセンス表示装置100は基板101とは反対側にエレクトロルミネセンス層123で発する光を取り出すいわゆるトップエミッション型であるので、基板101は必ずしも透明であることを要せず、その材質も特に限定されない。
図中符号102はゲート絶縁層、符号103は層間絶縁層、符号104は保護層、符号105は画素分離層であり、符号106は絶縁性の平坦化層である。本実施形態では、ゲート絶縁層102及び層間絶縁層103は二酸化ケイ素(SiO2)膜であり、保護層104はいわゆる無機パッシベーション膜、画素分離層105はアクリル樹脂またはポリイミド樹脂、平坦化層106はいわゆる有機パッシベーション膜である。しかしながら、これらの膜の材料は、絶縁性を有し、画素120を形成する上で十分な性能を有しているものであれば特に限定されず、どのようなものであってもよい。
また、符号111はポリシリコン等からなるチャネル、符号112はゲート電極、符号113及び114はそれぞれソース電極、ドレイン電極である。これらのソース電極113、ドレイン電極114とそれらをつなぐチャネル111、ゲート絶縁層102を介してチャネル111中に電界を発生させるゲート電極112、各電極を絶縁する層間絶縁層103と保護層104によりTFTであるスイッチング素子110が形成される。また、必要であれば、チャネル111のさらに下側に、基板101からの不純物によるチャネル111の汚染を防止するための下地膜を設けてもよい。かかる下地膜には、例えば、窒化シリコン(SiN)膜及び二酸化ケイ素膜を用いてよい。
さらに、符号121は反射層、符号122はソース電極113に接続された画素電極であり、エレクトロルミネセンス層123に正孔を供給するアノードとして機能する。反射層121はエレクトロルミネセンス層123から下方に向かう光を反射させて上方へ取り出すための層であり、画素電極122が光線を反射する機能を有している場合には、省略してもよい。
符号124は金属薄膜である共通電極であり、複数の画素にまたがって設けられており、エレクトロルミネセンス層123に電子を供給するカソードとして機能する。本実施形態では、共通電極124は、第1の金属薄膜125と第2の金属薄膜126からなる。また、共通電極124は、電源線130に中間電極131を介して電気的に接続されている。中間電極131は、スルーホールにおける共通電極124と電源線130との導通を確実にとるためのものであるが、必要無ければ省略しても差し支えない。
なお、画素電極122及び共通電極124に印加する電位を逆向きとし、画素電極122をカソード、共通電極124をアノードとして用いても差し支えない。
封止基板140はガラスやプラスチックなどの透明基板であり、かかる封止基板140と基板101との間の空間141に窒素ガスなどの不活性ガスと、図示しない乾燥剤を封入し、水分や酸素によりエレクトロルミネセンス層123が劣化するのを防ぐ。なお、エレクトロルミネセンス層123の保護は、本実施形態のように封止基板140を用いる方法によってもよいし、透明樹脂を基板101上に塗布してエレクトロルミネセンス層123を封止する、いわゆる樹脂封止の方法によってもよい。
ここで、エレクトロルミネセンス層123は、画素電極122と接している領域である、発光領域150において正孔及び電子を注入され発光する。換言すれば、発光領域150は、エレクトロルミネセンス層123のうち、光線を取り出すことができる領域を指している。基板101上に画素120が形成されている領域である表示領域の面積に占める発光領域150の割合は、一般に開口率と呼ばれている。
ここで、共通電極124についてより詳しく説明する。共通電極124は、本実施形態では、第1の金属薄膜125のみからなる第1の部分127と、第1の金属薄膜125と第2の金属薄膜126が積層されている第2の部分128とを有している。第1の金属薄膜125及び第2の金属薄膜126の厚みはおおむね一定であるため、第2の部分128の厚みは第1の部分127の厚みより厚い。また、発光領域150上には第1の部分127が配置されており、第2の部分128は発光領域150の外側に配置される。そして、第1の部分127及び第2の部分128はともに、エレクトロルミネセンス層123からの光線を透過する程度、すなわち、透明性を有する薄い膜である。
このように、厚みの異なる第1の部分127及び第2の部分128を設ける理由は、次の通りである。すなわち、金属薄膜はその膜厚が厚くなるほど透過率が低下する性質を有する一方、膜厚が薄いとその電気抵抗が増大する。したがって、共通電極124の電気抵抗に起因する輝度のムラを低減するには膜厚を増大し、共通電極124の電気抵抗を下げることが有効であるが、そのようにすると透過率が低下し、取り出せる光線量が少なくなってしまう。そこで、高い透過率を必要とする発光領域150上にある第1の部分127は、エレクトロルミネセンス層123に十分な電子を供給できる程度の薄い膜とし、取り出せる光線量に影響のない第2の部分128は、輝度のムラを低減できる程度に電気抵抗の低い厚い膜とするのである。
しかしながら、本実施形態では、第2の部分128もまた透明性を有する厚みとすることを特徴としている。これは、次の理由による。第1の金属薄膜125及び第2の金属薄膜126は通常マスクを用いた蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の真空プロセスにより製造され、その寸法精度は、マスクと基板101の位置関係や蒸着源あるいはスパッタターゲットとの機械的位置関係に依存するため、それほど高くない。一方、エレクトロルミネセンス表示装置100が小型あるいは高精細若しくはその両方であると、画素あたりのサイズが極めて小さくなり、特に第2の金属薄膜126の位置の誤差が無視できない。そのため、第2の金属薄膜126、すなわち、第2の部分128が発光領域150の一部を覆ってしまうことが起こりうるが、第2の部分128が光線を透過するならば、開口率の低下は生じない。前述の通り、金属薄膜はその膜厚が厚くなるほど透過率が低下する性質を有するため、取り出せる光線量の若干の低下は起こるものの、エレクトロルミネセンス表示装置100全体としての表示品質の低下をきたすほどではない。一方、第2の部分128が遮光性を有するならば、その位置の誤差に起因する開口率の低下、すなわち取り出せる光線量の低下は無視できないことになる。
また、第2の部分128が光線を透過するならば、エレクトロルミネセンス表示装置100に外部から入射した光線は、第2の部分128を透過し、エレクトロルミネセンス層123あるいはさらにその下部の層に当たり吸収され、あるいは拡散する。そのため、エレクトロルミネセンス表示装置100表面での外光の反射、すなわち映り込みは軽微である。これに対し、第2の部分128が遮光性を有する程度の金属薄膜であれば、入射した光線の大部分を反射することになるため、エレクトロルミネセンス表示装置100への外光の映り込みが顕著となる。特に、エレクトロルミネセンス表示装置100が小型あるいは高精細若しくはその両方であると、開口率が低く、発光領域150以外の部分の割合が高くなるため、外光の写り込みがエレクトロルミネセンス表示装置100の外観に与える影響は無視できなくなる。
本実施形態に係るエレクトロルミネセンス表示装置100では、このように、小型あるいは高精細若しくはその両方である場合においても、開口率の低下による取り出せる光線量の低下と、外光の写り込みの影響の両方が低減される。
以上より、第1の部分127の膜厚は、エレクトロルミネセンス層123から取り出せる発光量が最大となる程度の膜厚にすることが望ましく、第2の部分128の膜厚は、エレクトロルミネセンス層123からの光線を透過する程度の膜厚とするとよい。金属薄膜は、入射する光線の波長程度の厚みを有すると反射層として機能するため、第2の部分128の膜厚は、その隣接するエレクトロルミネセンス層123からの光線の波長より小さいものとすることが好ましく、より好ましくは、かかる波長の1/10以下とする。
続いて、第1の部分127と第2の部分128の膜厚を決定する具体的な手法について説明する。
図2Aは、エレクトロルミネセンス層上に形成した金属薄膜の厚みと発光効率との関係を示すグラフである。ここでは、例として、エレクトロルミネセンス層は赤色に発光するものを、また金属薄膜の材質は銀を用いた。横軸は、金属薄膜の厚みであり、単位は[nm]である。縦軸は、エレクトロルミネセンス層の発光効率であり、電流[A]に対する輝度[cd/m2]の割合を、最大となる点を1として相対値で示したものである。
グラフをみると、金属薄膜が厚くなるにつれ発光効率が上昇し、金属薄膜の膜厚が12nmの時点で最大となり、それ以上金属薄膜が厚くなると逆に発光効率が低下している。これは、金属薄膜が薄すぎると電気抵抗が高く、エレクトロルミネセンス層に十分な電子を供給できない一方、金属薄膜が厚すぎるとその透過率が低下し、エレクトロルミネセンス層からの発光を遮ってしまうためと考えられる。そのため、エレクトロルミネセンス層上に形成する金属薄膜には最適値が存在する。この例では、図1の第1の部分127として適した厚みは12nmであることがわかる。この金属薄膜の膜厚の最適値は金属の材質に依存し、ここで述べた銀以外の材質についても同様の解析で最適値が求められる
続いて、図2Bは、共通電極である金属薄膜の厚みを全面にわたり一定とした際の、金属薄膜の厚みと導電率との関係を示すグラフである。ここでも、金属薄膜の材質は銀を用いた。横軸は、金属薄膜の厚みであり、単位は[nm]である。縦軸は、全ての画素電極に同電位を付与した際のエレクトロルミネセンス層の発光強度の最大値をimax、最小値をiminとした際に、
を満足する、すなわち、輝度のムラが表示領域内で10%以下となる金属薄膜の導電率を1として導電率を相対値で示したものである。
輝度のムラとしてどの程度を許容するかは製品の仕様に依存するため、一概には言えないが、表示領域内で10%以下であれば視認する上でさほど違和感を与えないため、本実施形態ではこの値を採用する。したがってこの例では、グラフより、金属薄膜の厚みは16nm以上であればよいことがわかる。
ここで、図1の共通電極124は厚みの異なる第1の部分127及び第2の部分128を有している。このとき、共通電極124全体の電気抵抗は、共通電極124の平均膜厚と等しい膜厚を有する平坦な金属薄膜とおおよそ等しいと考えられる。すなわち、共通電極124の平均膜厚が16nm以上で有ればよい。
ここで、開口率Aを0.2とすると、t=16nm、t1=12nmであるから、式3よりt2=17nmが得られる。すなわち、図1の第1の部分127は12nm、第2の部分128は17nm以上とすればよい。換言すれば、第1の金属薄膜125として12nmの膜を、第2の金属薄膜126として5nm以上の膜を設ければよい。ここで、第2の部分128は、透明性の確保及び材量使用料の低減の観点からは、可能な限り薄い方が好ましい。従って、第2の部分128は17nm、第2の金属薄膜126は5nmとするとよい。
なお、以上の試算からわかるように、本実施形態では、第2の金属薄膜126の厚みは前記第1の金属薄膜125の厚みより薄い。これは、第2の金属薄膜126は、第1の金属薄膜125のみでは不足する導電性を補うものであるから、その厚みは最低限のもので足ることによる。これにより工程短縮による低コスト化が図れる。もちろん、第2の金属薄膜126の厚みを第1の金属薄膜125より厚いものとすることを妨げるものではない。また、第2の部分128の厚みは必要な厚み以上であればよく、必ずしも一定の厚みであることを要しない。
また、エレクトロルミネセンス層123が異なる色に発光する複数種のエレクトロルミネセンス層を含むものである場合、第1の部分127の厚みを、エレクトロルミネセンス層123の発光色に応じて異なるものとしてよい。かかる発光色は、エレクトロルミネセンス表示装置100がフルカラー表示可能なものである場合には、光の三原色である赤、緑、青の三色があげられる。もちろん、かかる三色に加えて他の色、例えば、白色をさらに有するものであってもよい。図3は、緑色と青色について、エレクトロルミネセンス層上に形成した金属薄膜の厚みと発光効率との関係を示すグラフである。グラフの横軸、縦軸は図2A同様、金属薄膜の厚みと、エレクトロルミネセンス層の発光効率を最大となる点を1として相対値で示したものである。金属薄膜の材料は、ここでも銀とした。
図中符号Gを付した折れ線は緑色に発光するエレクトロルミネセンス層について、符号Bを付した折れ線は青色に発光するエレクトロルミネセンス層について得られたものである。グラフよりわかるように、両者とも厚みが16nm乃至20nmで最も発光効率が良くなる。したがって、赤色に発光するエレクトロルミネセンス層上の第1の部分の厚みは前述のとおり、最適値である12nmとし、緑色及び青色に発光するエレクトロルミネセンス層上の第1の部分の厚みは、最適値である16nm乃至20nmとするとよい。
なお、本実施形態ではエレクトロルミネセンス層123が発光領域150の外側である画素分離層105上にも形成されているが、かかる構造は必須のものではなく、エレクトロルミネセンス層123が発光領域150上のみを覆うようにしてもよい。
続いて、本実施形態のエレクトロルミネセンス表示装置100の製造方法を説明する。
再び図1を参照し、まず、基板101上にCVD(Chemical Vapor Deposition)によりアモルファスシリコン膜を形成し、レーザー照射によりポリシリコン膜に変換し、チャネル111を形成する。次いで、ゲート絶縁層102、ゲート電極112を形成する。さらに、ゲート電極112をマスクとして、チャネル2にリンやボロン等の不純物をイオンインプランテーションによって付与し、ソース部及びドレイン部を形成する。さらにゲート電極112を覆うように層間絶縁層103を形成し、ソース電極113及びドレイン電極114を、スルーホールを介してチャネル111と接続するように作成する。同時に、図示しない映像信号線及び電源線130を形成する。その後、完成したスイッチング素子110を保護するため、保護層104を、さらにその上に平坦化層106を形成する。
平坦化層106上に反射層121をアルミニウムまたはその合金により形成し、画素電極122をインジウム錫酸化物により形成する。インジウム錫酸化物は、摂氏200度程度に加熱し、アニールすることにより電気抵抗を低減する。また、画素電極122はスルーホールによりソース電極113と接続する。
次いで、各画素の発光領域150を分離する画素分離層105を形成した後、エレクトロルミネセンス層123を形成する。エレクトロルミネセンス層123は、下層から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の5層からなっている。エレクトロルミネセンス層123を構成する各層は、マスク蒸着により形成する。このとき、エレクトロルミネセンス層123が異なる色に発光する複数種のエレクトロルミネセンス層を含むものである場合には、発光色ごとにマスク蒸着を行う。
そして、エレクトロルミネセンス層123の上部に、蒸着、スパッタリングあるいはイオンプレーティング等の真空プロセスにより第1の金属薄膜125及び第2の金属薄膜126を形成する。本実施形態では、第1の金属薄膜125及び第2の金属薄膜126の素材は同じであり、銀である。しかしながら、その他にも、銅、金、アルミニウムあるいはこれらの合金であってもよい。そして、第1の金属薄膜125及び第2の金属薄膜126の素材を同じにすると、基板101を真空チャンバ中に搬入し、第1の金属薄膜125を形成するための第1のマスクを用いて成膜したのち、そのまま真空チャンバ中でマスクを第2のマスクに交換し、続けて第2の金属薄膜126を成膜できる。このようにして共通電極124を作成することにより、一度の真空プロセスで第1の金属薄膜125と第2の金属薄膜126の両方が成膜される。しかしながら、第1の金属薄膜125と第2の金属薄膜126の材質を違うものとしてもよい。また、第1の金属薄膜125と第2の金属薄膜126を形成する順序を逆にしてもよい。その場合、第2の金属薄膜126は第1の金属薄膜125の下側に形成されることになる。あるいは、共通電極124の作成方法は、必ずしも上記した二段階の真空プロセスによらなくともよい。たとえば、一旦第2の部分128に等しい厚みで表示領域全体に金属薄膜を設け、その後エッチングをすることにより部分的に厚さを薄くし、第1の部分127を作成するようにしてもよい。しかしながら、この方法では、エッチングの方法は慎重に選ばれなければならない。なぜなら、現在、エレクトロルミネセンス層123を形成する材料としては有機材料が主流であり、かかる有機材料は水分の存在下で激しく劣化する。そのため、エッチングするにあたっては、いわゆるドライエッチングを行うか、もしくはエレクトロルミネセンス層123に悪影響を与えないエッチャントを使用する。この場合には、共通電極124は、二層以上の積層膜からなるのではなく、凹凸のある単一の膜からなることになる。
また、共通電極124の第1の部分127の厚みがエレクトロルミネセンス層123の発光色に応じて異なる場合には、各色に対応するマスクを用意し、真空チャンバ内で各色に対応する第1の部分を順番に作成していけばよい。あるいは、第1の部分127の最も薄い部分(本実施形態の場合、赤色画素に形成するもの)と同じ膜厚となるまで表示領域全域に金属薄膜を形成し、その後、マスクを適用し、第1の部分127の次に薄い部分(本実施形態の場合、緑色画素又は青色画素に形成するもの)と同じ膜厚となるまで追加で成膜し、以降同様のプロセスを反復することによってもよい。こちらの方法のほうが、各色別々に成膜するより成膜に要する時間は短くなる。
以上のようにして、基板101上にスイッチング素子110やエレクトロルミネセンス層123等からなる画素120が形成されたら、封止基板140を基板101上に空間141を隔てて取り付け、空間141内に窒素ガス等の不活性ガス及びシリカゲル等の乾燥材を封入して完成である。
なお、ここで説明したエレクトロルミネセンス表示装置100の製造方法は一例として説明したものであり、他の順序あるいは方法によってもよい。
図4は、第2の実施形態に係るエレクトロルミネセンス表示装置200の構造を示す模式断面図である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、共通電極124上に透明導電層129が形成されている点のみ相違しており、他は同じである。そこで、第1の実施形態と同じ部分については同符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
透明導電層129の材質は、インジウム錫酸化物あるいはインジウム亜鉛酸化物が好適である。しかしながら、エレクトロルミネセンス層123の劣化を防止する観点から、基板101を加熱しアニールすることはできない。そのため、アニールしない段階で比較的電気抵抗の小さいインジウム亜鉛酸化物が好適である。なお、透明導電層129には、これ以外の材質、例えば、酸化亜鉛、酸化錫を用いてもよい。
本実施形態に係るエレクトロルミネセンス表示装置200において、かかる透明導電層129を設けることにより、共通電極124の断線が防止される。すなわち、共通電極124は上述したように極めて薄い金属薄膜であるため、場所によっては十分に金属が積層されず、膜が不連続となる部分が含まれる場合がある。このような部分が円形に発生した場合には、その内側の部分は導通が取れないことになり、共通電極124として機能しない。しかしながら、共通電極124上に透明導電層129が設けられていると、そのような部分も導通が取れ、共通電極124としての機能が確保される。なお、以上の説明から明らかなように、本実施形態では透明導電層129は共通電極124の上側に設けられているが、これを逆にして、透明導電層129を共通電極124の下側に設けてもよい。
また、透明導電層129の厚みは、共通電極124の導通が確保できる厚みであればどのようなものであってもよいが、あまり厚いと光の透過率に悪影響を及ぼすため、薄いほうが望ましい。一例として、本実施形態では30nmである。
100,200 エレクトロルミネセンス表示装置、101 基板、102 ゲート絶縁層、103 層間絶縁層、104 保護層、105 画素分離層、106 平坦化層、110 スイッチング素子、111 チャネル、112 ゲート電極、113 ソース電極、114 ドレイン電極、120 画素、121 反射層、122 画素電極、123 エレクトロルミネセンス層、124 共通電極、125 第1の金属薄膜、126 第2の金属薄膜、127 第1の部分、128 第2の部分、129 透明導電層、130 電源線、131 中間電極、140 封止基板、141 空間、150 発光領域。
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上に、画素毎に形成された複数の画素電極と、
前記画素電極上に形成されたエレクトロルミネセンス層と、
前記エレクトロルミネセンス層が発光する発光領域を区画する絶縁層と、
複数の画素にまたがって前記エレクトロルミネセンス層上に形成された金属薄膜である共通電極とを有し、
前記共通電極は、前記発光領域に配置される第1の部分と、前記発光領域外に配置され、前記第1の部分より厚みの厚い第2の部分を有し、
前記第2の部分は、透明性を有する
エレクトロルミネセンス表示装置。 - 前記第1の部分は第1の金属薄膜からなり、
前記第2の部分は、前記第1の金属薄膜と第2の金属薄膜からなる
請求項1記載のエレクトロルミネセンス表示装置。 - 前記第1の金属薄膜と前記第2の金属薄膜の材質が同じである請求項2記載のエレクトロルミネセンス表示装置。
- 前記第2の金属薄膜の厚みは前記第1の金属薄膜の厚みより薄い請求項2記載のエレクトロルミネセンス表示装置。
- 前記共通電極の少なくとも上部または下部のいずれかに、透明導電膜が設けられている請求項1記載のエレクトロルミネセンス表示装置。
- 前記エレクトロルミネセンス層は異なる色に発光する複数種のエレクトロルミネセンス層を含み、前記第1の部分の厚みは、前記エレクトロルミネセンス層の発光色に応じて異なる請求項1記載のエレクトロルミネセンス表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2010165197A JP2012028144A (ja) | 2010-07-22 | 2010-07-22 | エレクトロルミネセンス表示装置 |
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-
2010
- 2010-07-22 JP JP2010165197A patent/JP2012028144A/ja active Pending
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