JP2012027138A - 画像形成装置、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】カラー画像を形成する画像形成装置において各色画像の位置ずれ補正に用いる各色指標に対する位置検出精度を向上させる。
【解決手段】有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号に対して第1の閾値Th_1および第2の閾値Th_2を設定し、この検出信号が第1の閾値Th_1および第2の閾値Th_2各々を通過する時点を用いて黒色の位置ずれ補正用指標と有彩色の位置ずれ補正用指標との間の検出誤差を補正する補正量を算出する。そして、黒色の位置ずれ補正用指標と有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号によりこれらの位置検出値を生成し、算出した補正量により黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値の何れか一方を補正して、補正した一方の位置検出値と補正しない他方の位置検出値とにより黒色画像および有彩色画像の位置ずれを補正する。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置、およびプログラムに関する。
用紙などの記録媒体に複数色の画像を重ね合わせることでカラー画像を形成するカラープリンタやカラー複写機などの画像形成装置が広く用いられている。この種の画像形成装置では、一般に、記録媒体上に重ね合わされる各色画像の位置ずれ量などを事前に測定し、位置ずれなどを補正する制御を行っている。
例えば特許文献1には、1つの発光素子と2つの受光素子とを備えた反射濃度検知センサを用い、発光素子から出射されて中間転写体から反射された光のうち、正反射成分を一方の受光素子で受光し、拡散反射成分を他方の受光素子で受光することで中間転写体上に形成された基準パターンなどを検知して、画像濃度制御と位置ずれ制御とを行う画像形成装置が記載されている。
特開2010−44098号公報
本発明は、カラー画像を形成する画像形成装置において、各色画像の位置ずれ補正に用いる各色指標に対する位置検出精度を向上させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、黒色画像と有彩色画像とを各々形成する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部各々にて形成された黒色画像と有彩色画像とが順次重ねて転写される転写体と、前記複数の画像形成部により前記転写体上に形成された黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を検出して検出信号を生成する検出手段と、前記検出手段にて生成された前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号に対して複数の閾値を設定し、当該検出信号が当該複数の閾値各々を通過する時点を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標と当該有彩色の位置ずれ補正用指標との間の検出誤差を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号と前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号とより、当該黒色の位置ずれ補正用指標および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を生成し、前記補正量算出手段にて算出された前記補正量を用いて当該黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値の何れか一方を補正し、補正した当該一方の位置検出値と補正しない他方の当該位置検出値とを用いて前記複数の画像形成部にて形成される前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記転写体の異なる位置に対向して複数の前記検出手段が配置されるとともに、前記補正量算出手段は、当該複数の検出手段各々にて生成された前記検出信号により当該複数の検出手段毎に個別に前記補正量を算出し、前記補正手段は、前記複数の検出手段各々にて検出された前記黒色の位置ずれ補正用指標および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記位置検出値の何れか一方を、当該複数の検出手段毎に算出された前記補正量により補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記補正量算出手段は、前記補正量を算出した際の履歴情報を記憶手段に記憶しておくとともに、前記補正手段が前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正するのに先立ち、前記記憶手段に記憶された前記履歴情報を参照して前記補正量算出手段による前記補正量を算出する処理を行うか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、コンピュータに、複数の画像形成部各々にて形成された黒色画像と有彩色画像とが順次重ねて転写される転写体上に、当該複数の画像形成部により黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を順次形成させる機能と、前記複数の画像形成部により前記転写体上に形成された黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を検出して検出信号を生成する検出手段から、当該位置ずれ補正用指標に関する当該検出信号を取得する機能と、前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記検出信号に対して複数の閾値を設定し、当該検出信号が当該複数の閾値各々に到達する時点を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標と当該有彩色の位置ずれ補正用指標との間の検出誤差を補正するための補正量を算出する機能と、前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号と前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号とより、当該黒色の位置ずれ補正用指標および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を生成する機能と、前記補正量を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値の何れか一方を補正する機能と、補正した前記一方の位置検出値と補正しない他方の前記位置検出値とを用いて前記複数の画像形成部にて形成される前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正する機能とを実現させることを特徴とするプログラムである。
請求項5に記載の発明は、前記転写体の異なる位置に対向して配置された複数の前記検出手段各々にて検出された前記検出信号により当該複数の検出手段毎に個別に前記補正量を算出する機能と、前記複数の検出手段毎に個別に算出された前記補正量を記憶手段に記憶させる機能と、前記複数の検出手段各々からの前記検出信号により生成された前記黒色の位置ずれ補正用指標および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記位置検出値の何れか一方を、当該複数の検出手段毎に個別に算出された前記補正量により補正する機能とをさらに実現させることを特徴とする請求項4記載のプログラムである。
請求項6に記載の発明は、前記補正量を算出した際の履歴情報を記憶手段に記憶させる機能と、前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正するのに先立ち、前記記憶手段に記憶された前記履歴情報を参照して前記補正量を算出する処理を行うか否かを判定する機能とをさらに実現させることを特徴とする請求項5記載のプログラムである。
請求項7に記載の発明は、前記補正量を算出する処理を行わないと判定した場合に、前記記憶手段から前記補正量を読み出し、前記複数の検出手段各々からの前記検出信号により生成された前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値または前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を当該補正量により補正する機能とをさらに実現させることを特徴とする請求項6記載のプログラムである。
請求項1の発明によれば、カラー画像を形成する画像形成装置において、本発明を採用しない場合に比べ、各色画像の位置ずれ補正に用いる各色指標に対する位置検出精度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、位置ずれ補正用指標に関する位置検出精度を、検出手段各々の特性ばらつきに対応させて向上させることができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、黒色画像および有彩色画像の位置ずれを補正するための処理を迅速に行うことができる。
請求項4の発明によれば、カラー画像を形成する画像形成装置において、本発明を採用しない場合に比べ、各色画像の位置ずれ補正に用いる各色指標に対する位置検出精度を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、位置ずれ補正用指標に関する位置検出精度を、検出手段各々の構成ばらつきに対応させて向上させることができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、黒色画像および有彩色画像の位置ずれを補正するための処理を迅速に行うことができる。
請求項7の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成動作中において黒色画像および有彩色画像の位置ずれを補正するための処理をさらに迅速に行い、画像生産性を向上させることができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置の構成を示した図である。 位置ずれ制御を実行するための構成を説明する図である。 第1の位置検出センサ部および第2の位置検出センサ部における画質調整用パターンを読み取る読取機能部の構成を説明する図である。 主制御部、第1の位置検出センサ部、および第2の位置検出センサ部の機能を説明するブロック図である。 各画像形成ユニットによって中間転写ベルト上に形成される画質調整用パターンの一例を示す図である。 第1の位置検出センサ部が画質調整用パターンを読み取ることで生成する信号を説明するタイミングチャートである。 PDに入射されるK色の制御用マークからの反射光強度と、それに基づき生成される位置算出用信号とを説明する図である。 PDに入射されるC色の制御用マークからの反射光強度と、それに基づき生成される位置算出用信号とを説明する図である。 誤差補正量を算出する方法を説明する図である。 主制御部が各画像形成ユニットにて形成される画像に対する位置ずれ制御を実行する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。 画質調整用パターンを用いた位置ずれ量の計測方法を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであって、画像データに基づいてカラー画像を形成する画像形成プロセス部20と、画像形成プロセス部20の動作を制御する主制御部60とを備えている。
画像形成プロセス部20は、一定の間隔を置いて並列的に配置された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナー像をそれぞれ形成する画像形成部の一例としての4つの画像形成ユニット30Y,30M,30C,30K(以下、「画像形成ユニット30」とも総称する)を備えている。なお、それ以外に、例えばライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、コーポレートカラーなどの各色トナー像を形成するものを加えて、5色以上の画像形成ユニットを備えた構成としてもよい。
画像形成ユニット30は、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成される感光体ドラム31と、感光体ドラム31の表面を帯電する帯電ロール32と、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を現像する現像器33と、一次転写後の感光体ドラム31表面を清掃するドラムクリーナ34とを備えている。各画像形成ユニット30に配置された現像器33は、トナー容器35Y,35M,35C,35Kから供給されるY,M,C,Kの各色トナーにより、感光体ドラム31上の静電潜像を現像する。
また、画像形成プロセス部20は、各画像形成ユニット30に設けられた各感光体ドラム31を例えばレーザ光で露光する露光手段の一例としてのレーザ露光装置26と、各画像形成ユニット30の各感光体ドラム31上に形成された各色トナー像が多重転写され、多重転写された各色トナー像を保持しながら搬送する転写体の一例としての中間転写ベルト41とを備えている。さらには、各画像形成ユニット30の各色トナー像を一次転写部TRにて中間転写ベルト41に順次転写(一次転写)する一次転写ロール42と、中間転写ベルト41上に転写された重畳トナー像を二次転写部Tr2にて記録材(記録紙)である用紙P(P1,P2)に一括転写(二次転写)する二次転写ロール40と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置25とを備えている。
加えて、二次転写部Tr2(二次転写ロール40)からみて中間転写ベルト41の移動方向上流側であって、黒の画像形成ユニット30Kよりも下流側には、検出手段の一例としての第1の位置検出センサ部80と検出手段の一例としての第2の位置検出センサ部90とが配置されている。この第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90は、それぞれ中間転写ベルト41の移動方向に直交する方向の両端部側に配置されている(後段の図2参照)。そして、中間転写ベルト41の両端部側それぞれの領域に形成された位置合わせを行うための第1の画質調整用パターンおよび第2の画質調整用パターン(画質調整用トナー像)を読み取り、後段で説明する各色画質調整用トナー像の位置ずれ制御を行う際に各画質調整用トナー像の位置を検出する。
レーザ露光装置26は、光源としての半導体レーザ27と、レーザ光を感光体ドラム31に走査露光する走査光学系(不図示)と、例えば正六角面体で形成された回転多面鏡(ポリゴンミラー)28と、半導体レーザ27の駆動を制御するレーザドライバ29とを備えている。レーザドライバ29は、画像処理された画像データや、主走査方向および副走査方向における露光タイミングを補正するための制御信号、レーザ光量を補正するための制御信号などを主制御部60から取得し、半導体レーザ27の点灯制御を行う。
一次転写ロール42は、一次転写電源(不図示)から一次転写バイアス電圧の供給を受け、中間転写ベルト41上に各色トナー像を一次転写する。また、二次転写ロール40は二次転写電源(不図示)から二次転写バイアス電圧の供給を受け、用紙P上に各色トナー像を二次転写する。
定着装置25は、内部に加熱源を備える定着ロールと加圧ロールとの間に未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させて、用紙Pにトナー像を定着する。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、転写体の一例として中間転写ベルト41を用いたが、転写体の一例としてドラム状の中間転写ドラムを用いる構成を採用してよい。また、転写体の一例として用紙Pを直接搬送する用紙搬送部材を用い、各画像形成ユニット30に設けられた各感光体ドラム31から直接、各色トナー像が用紙Pに転写される構成を採用してよい。
また、本実施の形態の画像形成装置1では、露光手段の一例としてレーザ露光装置26を用いたが、露光手段の一例としてLED(Light Emitting Diode)アレイを用いたもの、有機EL(Electro-Luminescence)を用いたものなどを用いてもよい。
<画像形成動作の説明>
画像形成装置1では、パーソナルコンピュータ(PC)や画像読取装置(スキャナ)などから画像データを取得し、取得した画像データに対して予め定められた画像処理を施して、各色毎に分解された画像データ(各色画像データ)を生成する。そして、生成した各色画像データを画像形成プロセス部20のレーザ露光装置26に供給する。
その間、感光体ドラム31は帯電ロール32により帯電される。そして、レーザ露光装置26は、各画像形成ユニット30にて帯電された感光体ドラム31を、供給された各色画像データや各種制御信号に基づき点灯制御されたレーザ光で走査露光する。それにより、感光体ドラム31各々には各色の静電潜像が形成される。形成された静電潜像は各現像器33により現像され、各感光体ドラム31上には各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット30で形成された各色トナー像は、一次転写ロール42により、図1の矢印B方向に循環移動する中間転写ベルト41上に順次、一次転写される。それにより、中間転写ベルト41上には各色トナー像が重ね合わされた重畳トナー像が形成される。この重畳トナー像は、中間転写ベルト41の移動に伴って二次転写ロール40とバックアップロール49とが配置された二次転写部Tr2に向けて搬送される。
一方、画像形成装置1には複数の例えば用紙保持部71A,71Bが配置されている。そして、例えば操作入力パネル(不図示)からのユーザによる指示入力に基づき、例えば用紙保持部71Aに保持された用紙P1が取り出される。取り出された用紙P1は、搬送経路Rに沿って1枚ずつ搬送され、中間転写ベルト41上を重畳トナー像が二次転写部Tr2に搬送されるタイミングに合わせて二次転写部Tr2に搬送される。そして、二次転写部Tr2に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は用紙P1上に一括して二次転写される。
なお、二次転写部Tr2への用紙Pの搬送は、用紙保持部71A,71Bに保持された用紙P1,P2が搬送される搬送経路Rの他に、用紙Pへの両面印刷時に使用される両面搬送路R2や用紙Pを手差しする際に使用される手差し用紙保持部75からの搬送経路R3からも行われる。
その後、二次転写部Tr2にて各色トナー像が静電転写された用紙P1は、中間転写ベルト41から剥離され、定着装置25に向けて搬送される。定着装置25では、各色トナー像が用紙P1に定着される。そして定着画像が形成された用紙P1は、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部79に搬出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト41に付着しているトナー(転写残トナー)は、中間転写ベルト41に接触して配置されたベルトクリーナ45によって除去され、次の画像形成サイクルに備えられる。
このようにして、画像形成装置1での画像形成は、指定された枚数分だけ繰り返して実行される。
<位置ずれ制御の説明>
次に、各画像形成ユニット30で形成される各色トナー像に関する中間転写ベルト41上での位置ずれ制御(色ずれ制御、所謂「レジストレーションコントロール」)について説明する。
画像形成ユニット30各々に配置された感光体ドラム31は、通常、製造時の組み立て誤差や画像形成装置1内に設定される際のばらつきなどによって、それぞれにおける中間転写ベルト41との相対的な位置にばらつきが生じている。また、レーザ露光装置26に配置される走査光学系においても、製造時の組み立て誤差があり、さらには、環境温度の変動や機内昇温などによって走査光学系を構成するミラーなどに相対的な位置関係のずれが生じることもある。製造時の組み立て誤差や画像形成装置1内での設定ばらつきに関しては、画像形成装置1それぞれが固有に有するものであり、通常は、工場出荷前に各色トナー像の位置ずれが許容レベルの範囲内に収まるように調整される。しかし、環境温度の変動や機内昇温や物流における振動衝撃によるずれなどに対応させるのは製造工程では困難であることから、本実施の形態の画像形成装置1では、上記のような各色トナー像に関する位置ずれ制御を行っている。
すなわち、本実施の形態の画像形成装置1においては、機内温度が予め定められた温度を超えて変動した場合や、画像形成動作が予め定められた枚数分のサイクルを超えた場合、さらには、例えば画像形成装置1の主電源(不図示)がオンされた場合や画像形成装置1のフロントカバー(前扉)が開けられた場合などのように画像形成装置1での前回の画像形成動作から長い時間が経過し、画像形成装置1内の温度環境が変動していると想定される状況にある場合などにおいて、各色トナー像に関する中間転写ベルト41上での位置ずれを許容レベル内に調整し、画像における色ずれの発生を抑制するための制御(位置ずれ制御、色ずれ制御、レジストレーションコントロール)を行っている。
<位置ずれ制御を実行するための構成の説明>
次の図2は、位置ずれ制御を実行するための構成を説明する図である。図2に示したように、本実施の形態の画像形成装置1では、二次転写部Tr2(二次転写ロール40)からみて中間転写ベルト41の移動方向上流側であって、黒(K)の画像形成ユニット30Kに配置された感光体ドラム31よりも下流側に、検出手段の一例としての第1の位置検出センサ部80と検出手段の一例としての第2の位置検出センサ部90とを配置している。この第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90それぞれは、中間転写ベルト41の移動方向に直交する方向の両端部側に配置されている。例えば、レーザ露光装置26によって感光体ドラム31上において走査露光が開始される領域と対向する中間転写ベルト41上の端部領域に第1の位置検出センサ部80が配置され、走査露光が終了する領域と対向する中間転写ベルト41上の端部領域に第2の位置検出センサ部90が配置されている。なお、検出手段として3個以上の位置検出センサ部を設けてもよい。
主制御部60は、画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kに対し、中間転写ベルト41上の第1の位置検出センサ部80が対向する一方の端部側の領域(第1の位置)と、第2の位置検出センサ部90が対向する他方の端部側の領域(第2の位置)とに画質調整用パターンTを形成するように指示する。そして、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90が画質調整用パターンTを読み取って、各画質調整用パターンの位置に関する検出信号を主制御部60に送る。
主制御部60は、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90からの検出信号に基づいて各画像形成ユニット30に対する主走査方向および副走査方向の露光タイミングを補正するための制御信号を生成する。そして、レーザ露光装置26のレーザドライバ29に対し、この制御信号を送信する。
<第1の位置検出センサおよび第2の位置検出センサ部の構成の説明>
次に、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90における画質調整用パターンTを読み取る読取機能部の構成について説明する。
図3は、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90における画質調整用パターンTを読み取る読取機能部の構成を説明する図である。図3に示したように、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90は、中間転写ベルト41のトナー像保持面を照射する第1のLED(Light Emitting Device)81および第2のLED82を備えている。また、第1の位置検出センサ部80は、これら第1のLED81および第2のLED82にて照射された中間転写ベルト41および中間転写ベルト41上に形成された画質調整用パターンTからの反射光を受光し、受光量に応じた強度の電流値を出力するPD(Photo Diode)83を備えている。
これら第1のLED81、第2のLED82、およびPD83は、下向きの開口を有するケース84内にて、中間転写ベルト41の移動方向に直交する方向に配列されるように収容されている。そして、第1のLED81による照射光は、ケース84に設けられた第1の射出スリット84aを通過し、中間転写ベルト41の表面を例えば70°の角度で照らすように構成されている。また、ケース84には、第2のLED82からの照射光を中間転写ベルト41表面へと導く第2の射出スリット84bも設けられている。第2のLED82による照射光は、中間転写ベルト41を例えば135°の角度で照らすように構成されている。さらに、ケース84には、中間転写ベルト41および中間転写ベルト41表面に形成された画質調整用パターンT(画質調整用トナー像)からの反射光をPD83に向けて通過させるための入射スリット84cも設けられている。入射スリット84cは、中間転写ベルト41の表面に対し例えば110°の方向に設けられている。したがって、PD83には、第1のLED81による照射光のうち、中間転写ベルト41および画質調整用パターンTで正反射した反射光が入射することになる。一方、このPD83には、第2のLED82による照射光のうち、中間転写ベルト41および画質調整用パターンTで拡散した反射光が入射することになる。例えば黒のトナー像では、トナーによる光の吸収が大きいことから拡散光による受光量が不充分となる。このため、本実施の形態に係る第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90では、それぞれ取り付け角度を異ならせた第1のLED81および第2のLED82を光源として用いている。なお、入射スリット84cの内部には、入射光をPD83の受光面に集光させるためのレンズ85が装着されている。また、入射スリット84cの開口は例えば画質調整用パターンTの線幅0.9mmに対してφ0.8に設定されている。
このように、第1の位置検出センサ部80は、第1のLED81による照射光のうちの画質調整用パターンTからの正反射光と、第2のLED82による照射光のうちの画質調整用パターンTからの拡散反射光とをPD83に入射させることで、黒トナーを含めた各色トナーからなる画質調整用パターンTを検出する。
<位置ずれ制御を実行する主制御部などの機能の説明>
続いて、位置ずれ制御を実行する主制御部60、第1の位置検出センサ部80、および第2の位置検出センサ部90の機能について説明する。
図4は、主制御部60、第1の位置検出センサ部80、および第2の位置検出センサ部90の機能を説明するブロック図である。なお、図4においては、主制御部60が実行する複数の制御のうち、上述した位置ずれ制御に関連するブロックのみを示している。
主制御部60は、画像形成装置1による画像形成動作制御、位置ずれ制御などを実行する際の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)61と、CPU61が実行する画像形成動作および位置ずれ制御などのためのソフトウェアプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)63と、各種カウンタ値やプログラム実行中に発生する一時的なデータを記憶するRAM(Random Access Memory)62と、各種のデータが記憶されるSRAM(Static Random Access Memory)やフラッシュメモリ等からなる記憶手段の一例としての不揮発性メモリ(NVM:Non-Volatile Memory)68とを備えている。なお、本実施の形態では、CPU61が補正量算出手段、補正手段、および判定手段として機能している。
ここで、CPU61は、ソフトウェアプログラムを外部記憶部から主記憶装置(RAM62)に読み込み、画像形成動作および位置ずれ制御などの処理を実行する。
なお、このソフトウェアプログラムに関するその他の提供形態としては、予めROM63に格納された状態にて提供され、RAM62にロードされる形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROM63を備えている場合には、CPU61がセッティングされた後に、プログラムだけがROM63にインストールされ、RAM62にロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介して主制御部60にプログラムが伝送され、主制御部60のROM63にインストールされ、RAM62にロードされる形態がある。さらにまた、DVD−ROMやフラッシュメモリ等の外部記録媒体からRAM62にロードされる形態がある。
また、主制御部60は、CPU61からの命令に基づいて実際の画像形成動作における画像情報や、画質調整用パターンTを形成するための画像情報を出力する画像出力手段の一例としての画像出力回路64と、画質調整用パターンTを形成するための画像情報(制御用マークの画像データ)を予め記憶した画質調整用パターンデータ記憶部65とを備えている。この画像出力回路64からは、各画像形成ユニット30に対応するレーザ露光装置26に対して、実際の画像形成動作における画像情報や画質調整用パターンTを形成するための画像情報が出力される。ここでの画像出力回路64と画質調整用パターンデータ記憶部65とは、指標形成手段として機能する。
さらに、主制御部60は、第1の位置検出センサ部80に設けられた第1のLED81および第2のLED82の点灯を制御する第1光源駆動回路66と、第2の位置検出センサ部90に設けられた第1のLED81および第2のLED82の点灯を制御する第2光源駆動回路67とを備えている。
一方、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90は、上記図3に示した画質調整用パターンTを読み取る読取機能部の他に、検出回路89,99をそれぞれ備えている。検出回路89,99それぞれは、PD83(図2参照)から出力される受光量に応じた電流値をその大きさに対応する電圧値に変換し、さらには増幅させてパターン検出信号を生成する。そして、パターン検出信号を主制御部60に出力する。
<画質調整用パターンの説明>
次の図5は、主制御部60の画像出力回路64によって画質調整用パターンデータ記憶部65から読み出され、各画像形成ユニット30によって中間転写ベルト41上に形成される画質調整用パターンTの一例を示す図である。図5に示したように、画質調整用パターンTは、各色毎の制御用マークMY,MM,MC,MK(以下、「制御用マークM」とも総称する)が、中間転写ベルト41の移動方向に、基準となるシアン(C)の制御用マークMCを挟むように交互に並ぶように形成されている。また、各制御用マークMは、中間転写ベルト41の移動方向(副走査方向:プロセス方向)およびこれと直交する方向(主走査方向:ラテラル方向)の双方に対して斜めに交わることで略「く」の字を形成する第1の辺Maおよび第2の辺Mbで構成されている。そして、これら第1の辺Maおよび第2の辺Mbは、副走査方向(プロセス方向)および主走査方向(ラテラル方向)に対してそれぞれ45°の傾斜角度を有しており、第1の辺Maおよび第2の辺Mbは角度90°で交差している。このような構成により、画質調整用パターンTは、後段の図11を用いて説明するように、主走査方向(ラテラル方向)および副走査方向(プロセス方向)双方の位置ずれ量を検出する構成を持った位置ずれ補正用指標(マーク)として機能する。
なお、本実施の形態の画質調整用パターンTでは、Cの制御用マークMCを基準とする構成としたが、他の色(Y,M,K)の制御用マーク(MY,MM,MK)を基準とする構成の画質調整用パターンTを採用してもよい。
また、本実施の形態における黒(K)の制御用マークMKを構成する色である「黒」としては、濃いダークグレイやマットブラック、濃い墨色などといった「黒に準ずる無彩色」をも含むものである。
<画質調整用パターンの読取処理の説明>
続いて、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90と主制御部60とによる画質調整用パターンTに関する読取処理について説明する。
図6は、一例として、第1の位置検出センサ部80が画質調整用パターンTを読み取ることで生成する信号を説明するタイミングチャートである。図6(a)は、第1の位置検出センサ部80が6画質調整用パターンTを読み取ることで生成するパターン検出信号、(b)は、主制御部60が第1の位置検出センサ部80から取得したパターン検出信号に基づき生成した位置算出用信号をそれぞれ示している。
図6(a)に示したように、各画像形成ユニット30によって中間転写ベルト41上に形成された画質調整用パターンTを構成する各制御用マークM(図5参照)は、中間転写ベルト41の循環移動に伴って第1の位置検出センサ部80との対向位置を通過し、第1の位置検出センサ部80に配置されたPD83(図3参照)の視野領域Rを横切ることになる。それにより、第1の位置検出センサ部80の検出回路89は、制御用マークMの第1の辺Maおよび第2の辺Mbと視野領域Rとの重複面積に対応したパターン検出信号を生成する。そして、検出回路89は、生成したパターン検出信号を主制御部60に出力する。
主制御部60のCPU61は、取得した制御用マークMの第1の辺Maおよび第2の辺Mbでのパターン検出信号に対して、図6(a)に示した位置算出用閾値Th_0を適用し、パターン検出信号の信号レベルが位置算出用閾値Th_0を超える部分(=Th_0以下の領域部分)に対応した位置算出用信号を生成する(図6(b))。そして、CPU61は、図6(b)に示した各制御用マークMに関する位置算出用信号各々の立ち上がり時点t1および立ち下がり時点t2を、例えば予め定められた基準時点からの基準クロック数をカウントすることで計測する。さらに、CPU61は、立ち上がり時点t1および立ち下がり時点t2の中心時点T′を例えば次の(1)式により算出し、算出した位置算出用信号の中心時点T′に基づき、制御マークMの第1の辺Maや第2の辺Mbの位置を決定する。
T′=(t1+t2)/2……(1)
<PDに入射される制御用マークからの反射光強度の説明>
ところで、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90では、画質調整用パターンTからの正反射光と拡散反射光とをPD83に入射させることで、黒トナーを含めた各色トナーからなる画質調整用パターンTを検出する。しかし、PD83に入射されるK色の制御用マークMKからの反射光に関しては、K色トナーによる光の吸収が大きいことから拡散反射光成分は殆ど含まれず、正反射光成分だけのものとなる。その一方で、有彩色であるY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCからの反射光に関しては、拡散反射光成分と正反射光成分とが混在したものとなる。それにより、K色の制御用マークMKと、それ以外のY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCとでは、検出位置の誤差が生じる場合がある。
ここで図7は、PD83に入射されるK色の制御用マークMK(第1の辺Ma)からの反射光強度と、それに基づき生成される位置算出用信号とを説明する図である。この図7においては、横軸が時間t、縦軸が反射光強度Lまたは信号強度Sをそれぞれ示している。また、図7(a)は、制御用マークMKの第1の辺Maが第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90に配置されたPD83(図3参照)の視野領域Rを横切る過程、(b)が制御用マークMKからの反射光における正反射光成分の反射光強度、(c)が制御用マークMKからの反射光における拡散反射光成分の反射光強度、(d)が制御用マークMKからの正反射光成分と拡散反射光成分とに基づき生成されたパターン検出信号、(e)がパターン検出信号に基づき生成される位置算出用信号をそれぞれ示している。なお、検出回路89は、制御用マークMKに関して(d)に示したパターン検出信号を主制御部60に出力することとなる。
まず、各画像形成ユニット30によって中間転写ベルト41上に形成された画質調整用パターンTを構成する各制御用マークMは、中間転写ベルト41の循環移動に伴って例えば第1の位置検出センサ部80との対向位置を通過し、第1の位置検出センサ部80に配置されたPD83(図3参照)の視野領域Rを横切ることになる。すなわち、図7(a)に示したように、視野領域R内にK色の制御用マークMKの第1の辺Maが進入すると、第1の位置検出センサ部80のPD83には制御用マークMK(第1の辺Ma)からの反射光が入射される。この場合に、制御用マークMKからの反射光の正反射光成分(図7(b))の反射光強度は、視野領域Rと制御用マークMK(第1の辺Ma)との重複が開始される時点tk1から変化を開始し、制御用マークMK(第1の辺Ma)が移動して視野領域Rに含まれる制御用マークMK(第1の辺Ma)の面積すなわち視野領域Rと第1の辺Maとの重複面積が拡大していくことで低下する。そして、視野領域Rが第1の辺Maによってほぼ覆われる時点tk2において、正反射光成分の反射光強度はピーク(最小値)となる。そしてその後、正反射光成分の反射光強度は、制御用マークMK(第1の辺Ma)が移動して視野領域Rと第1の辺Maとの重複面積が減少していくことで上昇し、制御用マークMK(第1の辺Ma)との重複が終了する時点tk3にて最大となる。
ここで、図7(b)に示したように、制御用マークMKからの正反射光成分は、制御用マークMKによる光の吸収により、視野領域Rとの重複面積が拡大するに従って小さくなるプロファイル(反射光強度の時間経過)を有する。
一方、制御用マークMKからの反射光の拡散反射光成分(図7(c))の反射光強度は、ほぼ0レベルである。上記したように、制御用マークMKを形成する黒(K)色トナーによる光の吸収が大きいからである。
そのため、制御用マークMKからの正反射光成分と拡散反射光成分とに基づき生成されるパターン検出信号(図7(d))は、正反射光成分(図7(b))の反射光強度とほぼ一致したプロファイルを有する。この場合に、正反射光成分の反射光強度は、図7(b)に示したように、ピーク(最小値)となる時点tk2を中心として経過時間の前後でほぼ対称なプロファイルを有する。そのため、第1の位置検出センサ部80の検出回路89が生成するパターン検出信号(図7(d))も正反射光成分の反射光強度がピーク(最小値)となる時点tk2に関してほぼ対称なプロファイルを構成する。それにより、主制御部60のCPU61がパターン検出信号に対して位置算出用閾値Th_0を適用して生成する位置算出用信号(図7(b)参照)も、正反射光成分の反射光強度がピーク(最小値)となる時点tk2に関してほぼ対称となる。その結果、上記(1)式により算出した位置算出用信号の中心時点T′は、制御用マークMKの第1の辺Maや第2の辺Mbの中心位置を表すものとなる。
これに対し、次の図8は、一例として、PD83に入射されるC色の制御用マークMC(第1の辺Ma)からの反射光強度と、それに基づき生成される位置算出用信号とを説明する図である。この図8では、図7と同様に、横軸が時間t、縦軸が反射光強度Lまたは信号強度Sをそれぞれ示している。また、図8(a)は、制御用マークMCの第1の辺Maが第1の位置検出センサ部80に配置されたPD83(図3参照)の視野領域Rを横切る過程、(b)が制御用マークMCからの反射光における正反射光成分の反射光強度、(c)が制御用マークMCからの反射光における拡散反射光成分の反射光強度、(d)が制御用マークMCからの正反射光成分と拡散反射光成分とに基づき生成されたパターン検出信号、(e)がパターン検出信号に基づき生成される位置算出用信号をそれぞれ示している。なお、検出回路89は、C色の制御用マークMCに関し、(d)に示したパターン検出信号を主制御部60に出力することとなる。
図8(a)に示したように、視野領域R内にC色の制御用マークMCの第1の辺Maが進入すると、第1の位置検出センサ部80のPD83には、制御用マークMC(第1の辺Ma)からの反射光が入射される。この場合に、制御用マークMCからの反射光の正反射光成分の反射光強度は、図8(b)に示したように、上記した制御用マークMKと同様のプロファイルで変動する。
一方、C色の制御用マークMCからの反射光には、拡散反射光成分が含まれ、拡散反射光成分は図8(c)に示したプロファイルで変動する。すなわち、この拡散反射光成分は拡がりを有するため、拡散反射光成分の反射光強度は、視野領域Rと制御用マークMC(第1の辺Ma)との重複が開始される時点tc1よりも以前である時点td1から変化を開始し、視野領域Rと第1の辺Maとの重複面積が拡大していくことで上昇する。そして、視野領域Rが第1の辺Maによってほぼ覆われる時点tc2とは異なる時点td2において、拡散反射光成分の反射光強度はピーク(最大値)となる。そしてその後、拡散反射光成分は、制御用マークMC(第1の辺Ma)が移動して視野領域Rと第1の辺Maとの重複面積が減少していくことで反射光強度が低下し、制御用マークMC(第1の辺Ma)との重複が終了する時点tc3よりも以後である時点td3にて最小となる。
ここで、図8(c)に示したように、制御用マークMCからの拡散反射光成分は、中間転写ベルト41表面からの拡散反射光によって最小となり、視野領域Rとの重複面積が拡大するに従って大きくなるプロファイルを有する。また、この拡散反射光成分に関しては、第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90の光源である第1のLED81および第2のLED82における発光分布や、第1のLED81や第2のLED82やPD83に生じた光軸のずれなどが要因となって、PD83の視野領域Rが制御用マークMKの第1の辺Maまたは第2の辺Mbによってほぼ覆われる位置に到達する時点tc2とは異なる時点td2においてピーク(最大値)に到達する場合が多い。
このようなことから、第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90にて制御用マークMCからの正反射光成分(図8(b))と拡散反射光成分(図8(c))とに基づき生成されるパターン検出信号は、図8(d)に示したようなプロファイルを有する。すなわち、第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90にて生成される制御用マークMCに関するパターン検出信号は、図8(d)に示したように、正反射光成分(図8(b))の反射光強度がピーク(最小値)となる時点tc2に関して非対称なプロファイルを有する。それにより、主制御部60のCPU61がパターン検出信号に対して位置算出用閾値Th_0を適用して生成する位置算出用信号(図8(d))は、正反射光成分(図8(b))の反射光強度がピークとなる時点tc2に関して非対称となる。その結果、主制御部60のCPU61において制御用マークMCに関して上記(1)式により算出した位置算出用信号の中心時点T′は、本来の制御用マークMCの中心位置に対応する位置である正反射光成分(図8(b))の反射光強度がピークとなる時点tc2に対し、時間に換算して△Pのずれ(誤差)が生じることとなる。このような△Pのずれは、Y,M色の制御用マークMY,MMを検出するに際しても、同様に発生する。
このように、主制御部60のCPU61にて算出されるY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関する位置と、K色の制御用マークMKに関する位置との相互間に、図8(d)に示した△Pだけ検出誤差が発生する。
そこで、本実施の形態の主制御部60は、位置ずれ制御を実行するのに先立ち、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から取得したY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号を用いて、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCとK色の制御用マークMKとの間に存在する検出誤差を補正するための誤差補正量を予め算出し、算出した誤差補正量を例えばNVM68(図4参照)に記憶しておく。そして、主制御部60は、位置ずれ制御を実行するに際し、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関しては、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から取得したパターン検出信号と、NVM68に記憶された誤差補正量とを用いて、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCの位置検出値を算出する。
<誤差補正量の算出方法についての説明>
ここで、次の図9は、一例として、第1の位置検出センサ部80から取得したY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号を用いて、それぞれの誤差補正量を算出する方法を説明する図である。図9(a)は、一例として制御用マークMCの第1の辺Maが第1の位置検出センサ部80に配置されたPD83(図3参照)の視野領域Rを横切る過程、(d)が制御用マークMCからの正反射光成分と拡散反射光成分とに基づき生成されたパターン検出信号、(e)がパターン検出信号に第1の閾値Th_1を適用して生成する第1の誤差算出用信号、(f)がパターン検出信号に第2の閾値Th_2(<第1の閾値Th_1)を適用して生成する第2の誤差算出用信号をそれぞれ示している。
主制御部60のCPU61は、位置ずれ制御を実行するのに先立ち、画像出力回路64によって、少なくともY,M,C色の制御用マークMY,MM,MC(上記図6参照)を含む画質調整用パターンTを中間転写ベルト41上の第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90の何れか一方または双方と対向する領域に形成する。そして、CPU61は、中間転写ベルト41上に形成された制御用マークMY,MM,MCを第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90によって読み取らせ(図9(a))、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号(図9(d))を取得する。
CPU61は、取得した制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号に第1の閾値Th_1および第2の閾値Th_2を適用し、パターン検出信号の信号レベルが第1の閾値Th_1を超える部分(=Th_1以下の領域部分)に対応する第1の誤差算出用信号(図9(e))と、第2の閾値Th_2を超える部分(=Th_2以下の領域部分)に対応する第2の誤差算出用信号(図9(f))とを生成する。
そして、CPU61は、図9(e)に示した制御用マークMY,MM,MCに関する第1の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t11および立ち下がり時点t12を、例えば予め定められた基準時点からの基準クロック数をカウントすることで計測する。また、図9(f)に示した制御用マークMY,MM,MCに関する第2の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t21および立ち下がり時点t22を、同様にして計測する。
主制御部60のCPU61は、第1の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t11および立ち下がり時点t12と、第2の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t21および立ち下がり時点t22とを用いて、次の(2)式により、制御用マークMY,MM,MCに関する誤差補正量△Tを算出する。
△T=(t11+t12)/2−(t21+t22−t11−t12)×a……(2)
ここでのaは、定数である。
そして、CPU61は、(2)式により算出した誤差補正量△TをNVM68(図4参照)に記憶する。
主制御部60のCPU61は、実際に位置ずれ制御を実行するに際しては、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90からY,M,C,K色の制御用マークMY,MM,MC,MKに関するパターン検出信号を取得する。そして、CPU61は、制御用マークMY,MM,MC,MKに関するパターン検出信号に対して位置算出用閾値Th_0を適用して位置算出用信号を生成する(上記図7(e),図8(e)参照)。さらには、CPU61は、位置算出用信号の立ち上がり時点t1および立ち下がり時点t2を計測し、これらを上記(1)式に適用して、位置算出用信号の中心時点T′を算出する。
続いてCPU61は、NVM68に記憶された誤差補正量△Tを読み出し、次の(3)式を用いて、制御用マークMY,MM,MCに関する位置検出値Tを算出する。
T=T′−△T……(3)
一方、K色の制御用マークMKに関しては、上記した理由から、上記(1)式を用いて算出した位置算出用信号の中心時点T′をそのまま位置検出値Tとする。
このように、本実施の形態の主制御部60は、拡散反射光成分に起因して制御用マークMKに関する位置検出値と制御用マークMY,MM,MCに関する位置検出値との相互間に生じる検出誤差を低減している。それにより、位置ずれ制御を実行するに際して、制御用マークMY,MM,MCとK色の制御用マークMKとの相対的な位置関係がより正確に計測され、位置合わせ精度が向上する。
ところで、本実施の形態では、NVM68に記憶された誤差補正量△Tを用いて制御用マークMY,MM,MCに関する位置検出値Tを算出し、K色の制御用マークMKに関しては、上記(1)式を用いて算出した位置算出用信号の中心時点T′をそのまま位置検出値Tとした。このような補正方法以外にも、NVM68に記憶された誤差補正量△Tを用いてK色の制御用マークMKを補正し、制御用マークMY,MM,MCに関しては、上記(1)式を用いて算出した位置算出用信号の中心時点T′をそのまま用いることとしてもよい。すなわち、K色の制御用マークMKと、それ以外のY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCとの間に生じる検出位置の誤差は相対的なものである。そのため、K色の制御用マークMKおよびY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCの何れか一方を補正すればよい。
なお、上記したように、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCとK色の制御用マークMKとの相互間に生じる検出誤差は、第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90の光源である第1のLED81および第2のLED82における発光分布や、第1のLED81や第2のLED82やPD83に生じた光軸のずれなどが要因となって発生する。そのため、第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90各々の構成に対応させるため、誤差補正量△Tを第1の位置検出センサ部80や第2の位置検出センサ部90各々で別個に算出してもよい。また、Y,M,C色各々の拡散反射光成分における拡散状態が異なることに対応して、Y,M,C色それぞれに関して誤差補正量△Tを算出してもよい。また、位置ずれ制御時のCPU61の負荷を低減するため、制御用マークMY,MM,MC各々に関して算出した誤差補正量△Tの平均値をNVM68に記憶し、位置ずれ制御を実行するに際して共通した誤差補正量△Tを適用してもよい。
また、制御用マークMY,MM,MCに関する誤差補正量△Tを算出するに際して使用する閾値としては、2つ以上の複数であれば、いくつの閾値を用いて算出してもよい。
また、誤差補正量△Tを算出する処理は、位置ずれ制御を実行するのに先立って行うが、位置ずれ制御を実行する毎に毎回行うことは必ずしも必要ではない。例えば、画像形成装置1の主電源(不図示)がオンされた場合には誤差補正量△Tの算出処理を行うが、その後の機内温度が予め定められた温度を超えて変動した場合や、画像形成動作が予め定められた枚数分のサイクルを超えた場合などに位置ずれ制御を実行する場合には、それに先立って誤差補正量△Tの算出処理を行わないように設定してもよい。さらには、工場出荷後の画像形成装置1の主電源(不図示)がオンされた時点においてだけ、誤差補正量△Tの算出処理を行うように設定してもよい。もちろん、位置ずれ制御を実行するのに先立って、位置ずれ制御を実行する毎に毎回誤差補正量△Tを算出する処理を行ってもよい。
ところで、位置ずれ制御に用いる画質調整用パターンTを構成する各色毎の制御用マークMY,MM,MC,MKとして、画像濃度(画像面積率Cin(Input Coverage))が例えば100%、75%、50%、25%のものからなる図6に示したような制御用マークMの複数の組み合わせ(ここでは4組)を中間転写ベルト41の移動方向(副走査方向)に沿って連続的に形成し、第1の位置検出センサ部80がこれらの画像濃度を検出するように構成してもよい。それにより、主制御部60は、第1の位置検出センサ部80による各色の制御用マークMの各画像面積率Cin毎の検出結果に基づいて、各色の制御用マークMの画像濃度と、予め定められている濃度目標値との誤差を演算する。そして、主制御部60は、各色のレーザ露光装置26におけるレーザパワーの補正量を演算し、得られた補正量に基づいてレーザパワーの設定を行う。これによって、各画像形成ユニット30によって形成される各色トナー像の画像濃度は、その時点での環境条件などの影響をふまえたものに調整される。このことにより、各単色トナー像を重ね合わせて形成されるフルカラー画像の色再現や階調性は高精度なものとなる。
<位置ずれ制御を実行する際の処理手順の説明>
図10は、主制御部60が各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kにて形成される画像に対する位置ずれ制御を実行する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10に示したように、主制御部60(画像出力回路64)は、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCを含む画質調整用パターンT(上記図5参照)を、各画像形成ユニット30によって中間転写ベルト41上の第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90に対向する領域(第1の位置および第2の位置)に形成する(ステップ101)。なお、このときには、誤差補正量△TはNVM68から消去されている。
主制御部60(CPU61)は、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号を取得する(ステップ102)。さらに主制御部60(CPU61)は、取得した制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号に第1の閾値Th_1および第2の閾値Th_2を適用し、第1の誤差算出用信号と第2の誤差算出用信号とを生成する(ステップ103)。
続いて、主制御部60(CPU61)は、第1の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t11および立ち下がり時点t12と、第2の誤差算出用信号各々の立ち上がり時点t21および立ち下がり時点t22とを、予め定められた基準時点からの基準クロック数をカウントすることで計測する(ステップ104)。そして、主制御部60(CPU61)は、これら立ち上がり時点t11および立ち下がり時点t12と立ち上がり時点t21および立ち下がり時点t22とを用いて、上記(2)式によりY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関する誤差補正量△Tを算出する(ステップ105)。さらには、算出した誤差補正量△TをNVM68(図5参照)に記憶する(ステップ106)。
次に、主制御部60(画像出力回路64)は、Y,M,C,K色の制御用マークMY,MM,MC,MKからなる画質調整用パターンT(上記図5参照)を、各画像形成ユニット30によって中間転写ベルト41上の第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90に対向する領域(第1の位置および第2の位置)に形成する(ステップ107)。
そして、主制御部60(CPU61)は、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90からY,M,C,K色の制御用マークMY,MM,MC,MKに関するパターン検出信号を取得する(ステップ108)。さらに主制御部60(CPU61)は、取得した制御用マークMY,MM,MC,MKに関するパターン検出信号に位置算出用閾値Th_0を適用して位置算出用信号を生成し(ステップ109)、位置算出用信号の中心時点T′を上記(1)式により算出する(ステップ110)。
次に、主制御部60(CPU61)は、位置算出用信号の中心時点T′がY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号に基づくものである場合には(ステップ111でYes)、NVM68に記憶された誤差補正量△Tを読み出し(ステップ112)、位置算出用信号の中心時点T′と誤差補正量△Tとを用いて、上記(3)式により制御用マークMY,MM,MCに関する位置検出値Tを算出する(ステップ113)。一方、位置算出用信号の中心時点T′がK色の制御用マークMKに関するパターン検出信号に基づくものである場合には(ステップ111でNo)、算出した位置算出用信号の中心時点T′をK色の制御用マークMKに関する位置検出値Tとする(ステップ114)。
なお、上記したように、誤差補正量△Tを算出する処理は、位置ずれ制御を実行するのに先立って行えば充分であって、位置ずれ制御を実行する毎に毎回行うことは必ずしも必要ではない。そのため、例えば誤差補正量△Tの算出処理を行ったことの履歴情報(ログ)を例えばNVM68に記憶しておいてもよい。そして、位置ずれ制御を実行するに際し、このNVM68に記憶された履歴情報を参照して、主制御部60(CPU61)が例えばステップ101の前に誤差補正量△Tの算出処理を行うか否かの判断処理を行ってもよい。例えば画像形成装置1の主電源(不図示)がオンされた場合に誤差補正量△Tの算出処理を行い、主電源がオフされなければ、その後の機内温度が予め定められた温度を超えて変動した場合や、画像形成動作が予め定められた枚数分のサイクルを超えた場合などに位置ずれ制御を実行する場合には、それに先立って誤差補正量△Tの算出処理を行わないように設定してもよい。それにより、前回の誤差補正量△Tを用いることができるような状況にある場合には、画像形成動作中における位置ずれ制御が迅速に行われ、画像生産性が向上する。
<第1の位置検出センサ部および第2の位置検出センサ部による位置ずれ量の計測についての説明>
次に、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90による位置ずれ量の計測について説明する。
図11は、画質調整用パターンTを用いた位置ずれ量の計測方法を説明する図である。
上記図5を用いて説明したように、画質調整用パターンTは、主走査方向(ラテラル方向)および副走査方向(プロセス方向)双方のずれ量を検出するための第1の辺Maおよび第2の辺Mbを備えた構成を有している。そして、上記図6を用いて説明したように、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90と主制御部60とは、画質調整用パターンTを構成する各制御用マークMの第1の辺Maおよび第2の辺Mbの位置を検出する。ここで図11では、実線で示した制御用マークMを今回の検出対象とし、破線で示した制御用マークM′を理想状態の位置に形成されたもの(以下、「理想状態の制御用マークM′」)とする。
図11に示したように、中間転写ベルト41上に予め設定されている基準位置から第1の辺Maの検出位置Aまでの距離をDA、基準位置から第2の辺Mbの検出位置Bまでの距離をDBとすると、制御用マークMの主走査方向(ラテラル方向)のずれ量(以下、「主走査ずれ量」)Lerrは、第1の辺Maと第2の辺Mbとが対称に形成されていることから、DAとDBとの差に対応する。すなわち、理想状態の制御用マークM′(図11の破線)では第1の辺Maが検出位置A′で検出され、第2の辺Mbが検出位置B′で検出されるとして、この場合のDAとDBとの差をDWとすると、主走査ずれ量Lerr(1)は、以下の(4)式によって求められる。
Lerr(1)=((DB−DA−DW)×0.5 )× tanθ……(4)
ここで、θは、第1の辺Maおよび第2の辺Mbが副走査方向となす角度であり、本実施の形態では45°である。また、DWは、理想状態の制御用マークM′の主走査方向中間位置に第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90のPD83の視野領域Rが設置されているとして、第1の辺Maまたは第2の辺Mbの長さにcosθを乗じることで算出される。
また、制御用マークMの副走査方向(プロセス方向)のずれ量(以下、「副走査ずれ量」)Perrについても、DAとDBとを基に求められる。すなわち、理想状態の制御用マークM′を検出した場合の検出位置A′と検出位置B′との中間位置をC′、上記の基準位置から中間位置C′までの距離をDPとすると、副走査ずれ量Perr(1)は、第1の辺Maと第2の辺Mbとが対称に形成されていることから、以下の(5)式によって求められる。
Perr(1)=0.5×(DA+DB)−DP……(5)
なお、理想状態の制御用マークM′における基準位置から第1の辺Maの検出位置A′までの距離をDA′、基準位置から第2の辺Mbの検出位置B′までの距離をDB′とすると、DP=(DA′+DB′)/2である。
実際には、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90は、第1の辺Maの検出位置Aおよび第2の辺Mbの検出位置Bにおけるピーク検知信号を主制御部60に出力する。これにより、主制御部60は、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から検出位置Aおよび検出位置Bでのピーク検知信号を受信するタイミングを用いて主走査ずれ量Lerr(1)および副走査ずれ量Perr(1)を算出する。すなわち、主制御部60は、検出位置Aおよび検出位置Bでのピーク検知信号の受信タイミングを、それぞれ基準位置(基準時点)からの時間TA,TBとして計測する。ここで、中間転写ベルト41の移動速度(プロセス速度)をVとすると、DA=TA×V、DB=TB×Vとなる。また、中間転写ベルト41が距離DWを移動するのに要する時間TWは、第1の辺Maまたは第2の辺Mbの長さにcosθを乗じたものをプロセス速度Vで除算することで得られる。さらには、θ=45°であることから、tanθ=1である。
そのため、主制御部60は、基準位置を基準とした検出位置Aおよび検出位置Bでのピーク検知信号の受信タイミングTA,TBを用いて、主走査ずれ量Lerr(1)を次の(6)式、副走査ずれ量Perr(1)を(7)式によって求めることとなる。
Lerr(1)=(TB−TA−TW)×V×0.5……(6)
Perr(1)=(0.5×(TA+TB)−TP)×V……(7)
ここでの時間TPは、基準位置から上記の中間位置C′までの距離DPを中間転写ベルト41が移動するのに要する時間であり、TP=(DA′+DB′)/2Vである。
このように、本実施の形態の画像形成装置1では、画質調整用パターンTにおいて主走査方向(ラテラル方向)および副走査方向(プロセス方向)双方のずれ量を検出するための第1の辺Maと第2の辺Mbとからなる制御用マークMを形成する。さらには、このような画質調整用パターンTを予め定められた位置(例えば、感光体ドラム31上に走査露光が開始される領域と対向する中間転写ベルト41上の両端部領域)に配置された第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90により検出する。さらには、主制御部60は、(6)式および(7)式によって、各色毎の制御用マークMY,MM,MC,MKに関し、理想状態の制御用マークM′を基準とした主走査ずれ量Lerr(1)および副走査ずれ量Perr(1)を求める。そして、主制御部60は、例えば、制御用マークMY,MM,MKについて、基準となるシアン(C)の制御用マークMCとの相対的な主走査ずれ量Lerr(1)′および副走査ずれ量Perr(1)′を算出する。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1では、位置ずれ制御を実行するのに先立ち、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から取得したY,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関するパターン検出信号を用いて、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCとK色の制御用マークMKとの間に存在する検出誤差を補正するための誤差補正量を複数の閾値を用いて予め算出し、算出した誤差補正量を例えばNVM68(図4参照)に記憶しておく。そして、主制御部60は、位置ずれ制御を実行するに際し、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCに関しては、第1の位置検出センサ部80および第2の位置検出センサ部90から取得したパターン検出信号と、NVM68に記憶された誤差補正量とを用いて、Y,M,C色の制御用マークMY,MM,MCの位置検出値を算出する。
それにより、拡散反射光成分に起因して制御用マークMKに関する位置検出値と制御用マークMY,MM,MCに関する位置検出値との相互間に生じる検出誤差が低減されるので、位置ずれ制御を実行するに際して、制御用マークMY,MM,MCとK色の制御用マークMKとの相対的な位置関係がより正確に計測され、位置合わせ精度が向上する。
1…画像形成装置、26…レーザ露光装置、30(30Y,30M,30C,30K)…画像形成ユニット、41…中間転写ベルト、60…主制御部、80…第1の位置検出センサ部、90…第2の位置検出センサ部

Claims (7)

  1. 黒色画像と有彩色画像とを各々形成する複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部各々にて形成された黒色画像と有彩色画像とが順次重ねて転写される転写体と、
    前記複数の画像形成部により前記転写体上に形成された黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を検出して検出信号を生成する検出手段と、
    前記検出手段にて生成された前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号に対して複数の閾値を設定し、当該検出信号が当該複数の閾値各々を通過する時点を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標と当該有彩色の位置ずれ補正用指標との間の検出誤差を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号と前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号とより、当該黒色の位置ずれ補正用指標および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を生成し、前記補正量算出手段にて算出された前記補正量を用いて当該黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値の何れか一方を補正し、補正した当該一方の位置検出値と補正しない他方の当該位置検出値とを用いて前記複数の画像形成部にて形成される前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写体の異なる位置に対向して複数の前記検出手段が配置されるとともに、前記補正量算出手段は、当該複数の検出手段各々にて生成された前記検出信号により当該複数の検出手段毎に個別に前記補正量を算出し、
    前記補正手段は、前記複数の検出手段各々にて検出された前記黒色の位置ずれ補正用指標および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記位置検出値の何れか一方を、当該複数の検出手段毎に算出された前記補正量により補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記補正量算出手段は、前記補正量を算出した際の履歴情報を記憶手段に記憶しておくとともに、
    前記補正手段が前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正するのに先立ち、前記記憶手段に記憶された前記履歴情報を参照して前記補正量算出手段による前記補正量を算出する処理を行うか否かを判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. コンピュータに、
    複数の画像形成部各々にて形成された黒色画像と有彩色画像とが順次重ねて転写される転写体上に、当該複数の画像形成部により黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を順次形成させる機能と、
    前記複数の画像形成部により前記転写体上に形成された黒色および有彩色の位置ずれ補正用指標を検出して検出信号を生成する検出手段から、当該位置ずれ補正用指標に関する当該検出信号を取得する機能と、
    前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記検出信号に対して複数の閾値を設定し、当該検出信号が当該複数の閾値各々に到達する時点を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標と当該有彩色の位置ずれ補正用指標との間の検出誤差を補正するための補正量を算出する機能と、
    前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号と前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する検出信号とより、当該黒色の位置ずれ補正用指標および当該有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を生成する機能と、
    前記補正量を用いて前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値の何れか一方を補正する機能と、
    補正した前記一方の位置検出値と補正しない他方の前記位置検出値とを用いて前記複数の画像形成部にて形成される前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
  5. 前記転写体の異なる位置に対向して配置された複数の前記検出手段各々にて検出された前記検出信号により当該複数の検出手段毎に個別に前記補正量を算出する機能と、
    前記複数の検出手段毎に個別に算出された前記補正量を記憶手段に記憶させる機能と、
    前記複数の検出手段各々からの前記検出信号により生成された前記黒色の位置ずれ補正用指標および前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する前記位置検出値の何れか一方を、当該複数の検出手段毎に個別に算出された前記補正量により補正する機能と
    をさらに実現させることを特徴とする請求項4記載のプログラム。
  6. 前記補正量を算出した際の履歴情報を記憶手段に記憶させる機能と、
    前記黒色画像および前記有彩色画像の位置ずれを補正するのに先立ち、前記記憶手段に記憶された前記履歴情報を参照して前記補正量を算出する処理を行うか否かを判定する機能と
    をさらに実現させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
  7. 前記補正量を算出する処理を行わないと判定した場合に、前記記憶手段から前記補正量を読み出し、前記複数の検出手段各々からの前記検出信号により生成された前記黒色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値または前記有彩色の位置ずれ補正用指標に関する位置検出値を当該補正量により補正する機能と
    をさらに実現させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
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JP2019207364A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法、およびプログラム

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