JP2012026871A - 制御装置及び方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定に制御すること。
【解決手段】高速演算処理媒体22の記憶部104は、エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に所定回転数に到達させるAPP値との組が、複数組保持されたテーブルを記憶している。制御演算部102は、制御開始時点では、当該テーブルから、エンジンの目標回転数が属する組に含まれるAPP値を指令値として演算し、一定時間経過した後は、目標回転数に対する現状回転数の偏差に基づいてAPP値を演算する。指令発行部103は、演算されたAPP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の検査装置に搭載可能な制御装置及び方法、並びにプログラムに関する。詳しくは、車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定に制御することが可能な制御装置及び方法、並びにプログラムに関する。
従来より、完成した車両に対しては各種各様の検査が行われており、検査の種類によっては検査装置も適宜用いられている(特許文献1参照)。
このような車両の検査の1つとして、エンジンの回転数が例えば4000(rpm)等で一定に維持された状態で、車両から排出される排気ガスの量が検査される場合がある。
この場合、エンジンを一定の回転数に維持するために、従来、検査員(人間)が、車両に乗り込んでアクセルを踏み込む等の運転操作をしていた。
平9−210869号公報
しかしながら、このような人手に頼る運転操作では、検査員の能力や体調等の各種人的要因により、エンジンの回転数を一定に維持することは困難である。また、アクセルを踏み込む検査員が必要になるということは、車両検査のための人件費が高騰する等の各種問題も発生させる。
このため、車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定にする制御を自動的に行いたいという要望が挙げられているが、特許文献1も含め従来の技術では、当該要望に充分に応えることができない状況である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定にする制御を自動的に行うことで、検査員(人間)が車両に乗り込んでアクセルを踏むといった運転操作を一切不要にすることを目的とする。
本発明の制御装置(例えば実施形態における高速演算処理媒体22)は、
アクセル開度に応じて車両(例えば実施形態における車両11)のエンジンの回転数を調整するECU(例えば実施形態におけるECU12)に対して、前記アクセル開度を示す指令値を送信することで、前記エンジンの回転数を制御する制御装置であって、
エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に前記所定回転数に到達させるアクセル開度の実績値との組が、複数組保持されたテーブルを記憶する記憶手段(例えば実施形態における記憶部104)と、
制御開始時点では、前記記憶手段に記憶された前記テーブルから、エンジンの目標回転数が属する組に含まれるアクセル開度の実績値を前記指令値として演算し、前記一定時間経過した後では、前記目標回転数に対する、前記ECUにより調整されたエンジンの現状回転数の偏差に基づいて、前記指令値を演算する演算手段(例えば実施形態における制御演算部102)と、
前記演算手段により演算された前記指令値を、前記ECUに送信する送信手段(例えば指令発行部103。インタフェース部85を含んでもよい)と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定にする制御が自動的に行われるため、検査員(人間)が車両に乗り込んでアクセルを踏むといった運転操作が一切不要になる。
この場合、
前記ECUは、調整したエンジンの回転数を送信し、
前記制御装置は、前記ECUから送信された前記回転数を、前記現状回転数として取得する取得手段をさらに備え、
前記演算手段は、前記取得手段により取得された前記現状回転数を用いて前記偏差を演算し、前記偏差に基づいて前記指令値を演算する、
ようにしてもよい。
本発明の制御方法及びプログラムは、上述した本発明の制御装置に対応する方法及びプログラムである。従って、上述した本発明の制御装置と同様の効果を奏することが可能になる。
本発明によれば、車両の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定にする制御が自動的に行われるため、検査員(人間)が車両に乗り込んでアクセルを踏むといった運転操作が一切不要になる。
本発明の一実施形態に係る制御装置を含む車両検査装置にとって、検査対象となる車両の室内を示す側面の断面図である。 図1の車両検査装置のうち、端末、及び、本発明の一実施形態に係る制御装置として機能する高速演算処理媒体の外観構成の概略を示す正面図である。 図2の高速演算処理媒体の内部の構成の概略を示すブロック図である。 図2の高速演算処理媒体の内部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。 図4のテーブルの作成手法を説明する図であって、APP値を可変した場合のエンジンの回転数の実際の時間推移を示すタイミングチャートである。 図3の高速演算処理媒体が実行する、車両検査用エンジン回転数制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図6の車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS4の初回安定処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。 図6の車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS5の初回安定後処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。 本発明が適用される制御装置のハードウェア構成例であって、図2の高速演算処理媒体とは異なる例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置を含む車両検査装置にとって、検査対象となる車両の室内を示す側面の断面図である。
図1に示すように、車両検査装置10は、検査対象の車両11の室内に置かれ、各種検査に伴う処理を実行すると共に、本実施形態ではさらに、エンジンの回転数を一定にする制御(以下、「エンジン回転数制御」と呼ぶ)を実行することができる。エンジン回転数制御を実行する制御装置は、後述するように、高速演算処理媒体22の形態で車両検査装置10に内蔵されている。
車両検査装置10は、車両11に積載されるECU(Engine Control Unit)12に対して取り外し可能に電気的に接続される。車両検査装置10は、端末21と、高速演算処理媒体22と、ケーブル23と、を備えている。
端末21は、例えば、車両11の前の座席等に置かれる。端末21は、ケーブル23によりECU12と電気的に接続され、各種情報をECU12と授受する。
高速演算処理媒体22は、車両検査装置10全体の動作を制御するために、端末21とECU12との間で授受された情報を適宜用いて、各種演算処理を実行する。例えば、高速演算処理媒体22は、本発明の一実施形態に係る制御装置として機能し、エンジン回転数制御に必要な各種演算処理を実行する。
図2は、端末21及び高速演算処理媒体22の外観構成の概略を示す正面図である。
高速演算処理媒体22は、本体部51と、端子部52と、を備えている。
図2の例では、本体部51は、パーソナルコンピュータ等に挿入できるIC(Integrated circuit)カードで構成されている。本実施形態では、本体部51が端末21に着脱自在に挿入されることによって、車両検査装置10の一部が構成される。
この場合、本体部51は、特に、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)タイプII又はPCMCIA タイプIIIのICカードで構成されると好適である。
PCMCIA タイプII又はPCMCIA タイプIIIは、名刺サイズ(54mm×84mm)のカードであって、タイプIIは、厚さが5mm、タイプIIIは、厚さが10.5mmに規格化されているため、汎用性が高く、着脱や携帯が容易だからである。
なお、高速演算処理媒体22は、特にICカードで構成されている必要はなく、その他例えば、USB(Universals Serial Bus)の規格に準拠した各種媒体により構成することができる。
端子部52は、本体部51の端のうち、端末21に挿入される側と逆側の端に設けられている。端子部52は、音入力端子61と、振動入力端子62と、回転数等入力端子63と、を備えている。
音入力端子61は、マイクロフォン(図示せぬ)から延びるケーブル(図示せぬ)の差し込み口である。
即ち、当該ケーブルが音入力端子61に差し込まれることによって、高速演算処理媒体22とマイクロフォンとは、当該ケーブルによって電気的に接続される。これにより、高速演算処理媒体22は、検査対象の車両11の室内に到達する音の信号を取得することができる。
換言すると、音の検査が不要な場合は、音入力端子61は省略してもよい。
振動入力端子62は、振動センサ(図示せぬ)から延びるケーブル(図示せぬ)の差し込み口である。
即ち、当該ケーブルが振動入力端子62に差し込まれることによって、高速演算処理媒体22と振動センサとは、当該ケーブルによって電気的に接続される。これにより、高速演算処理媒体22は、検査対象の車両11の室内の振動を取得することができる。
換言すると、振動の検査が不要な場合は、振動入力端子62は省略してもよい。
回転数等入力端子63は、ケーブル23から分岐した分岐ハーネス23aの差し込み口である。
即ち、分岐ハーネス23aが回転数等入力端子63に差し込まれることによって、高速演算処理媒体22とECU12(図1)とは、分岐ハーネス23a及びケーブル23によって電気的に接続される。
これにより、高速演算処理媒体22は、エンジンの回転数を取得することができる。詳細については後述するが、このようにして取得されたエンジンの回転数は、エンジン回転数制御としてフィードバック制御(後述する定常期制御)が実行されている最中には、フィードバック情報として用いられる。
さらに、高速演算処理媒体22は、必要に応じて、車速やトランスミッションのシャフト回転速度等もECU12から取得することができる。
なお、高速演算処理媒体22の内部の構成については、図3を参照して後述する。
端末21は、車両11の検査に使用されるラインエンドテスター(以下、「LET」と記す)として機能させることができる。
端末21は、筐体71と、握り部72と、キー類から構成される操作部73と、ディスプレイ74と、高速演算処理媒体スロットル75と、差し込み口76と、を備えている。
即ち、高速演算処理媒体22が高速演算処理媒体スロットル75に挿入され、かつ、ケーブル23が差し込み口76に差し込まれた状態で、検査員が、片方の手で握り部72を握り、他方の手で操作部73を操作することによって、車両11の各種検査を行うことができる。
検査結果等の各種情報は、ディスプレイ74に適宜表示されることによって、検査員に提示される。
また、検査員は、車両11の排気ガス量を検査する場合(当該排気ガス量の検査自体は図示せぬ別の検査装置も用いられる)、同様な操作をするだけで、車両11のエンジンの回転数を一定にすることができる。
即ち、エンジン回転数制御が開始された後は、検査員は、車両11に乗り込んで端末21を保持している必要は特になく、端末21を車両11の室内に残したまま、車両11の外に出ることができる。
従って、本実施形態では、エンジン回転数を制御するためにアクセルを踏み込む人間は不要であり、排気ガス量を検査する検査員が、当該検査前に端末21を操作するだけでよい。これにより、端末21に挿入された高速演算処理媒体22によってエンジン回転数が自動的に実行されるので、検査員がアクセルを特に踏み込むことなく、エンジンの回転数がほぼ一定に維持される。
このような各種検査及びエンジン回転数制御に必要な各種演算処理は、上述したように、高速演算処理媒体22によって実行される。これらの各種演算処理を行うために必要な高速演算処理媒体22の内部の構成は、例えば図3に示されるようになる。
図3は、高速演算処理媒体22の内部の構成の概略を示すブロック図である。
高速演算処理媒体22は、切替部81と、増幅部82と、A/D変換部83と、主制御部84と、端末21との間で各種情報を授受するインタフェース部85と、を備えている。
切替部81は、入力信号を切り替えて、増幅部82に出力する。即ち、切替部81の入力側は、音入力端子61と、振動入力端子62と、回転数等入力端子63と、が接続されている。
従って、例えば音の検査が行われる場合、切替部81の入力信号は、音入力端子61から供給される信号、即ち、図示せぬマイクロフォンに入力された音のアナログ信号に切り替えられる。
また例えば、振動の検査が行われる場合、切替部81の入力信号は、振動入力端子62から供給される信号、即ち、図示せぬ振動センサから出力されたアナログ信号に切り替えられる。
また例えば、車両11の排気ガス量の検査(当該排気ガス量の検査自体は図示せぬ別の検査装置も用いられる)のために、エンジン回転数制御が実行される場合、切替部81の入力信号は、回転数等入力端子63から供給される信号、即ち、ECU12(図11)から出力された、エンジンの回転数(実績値)を示すアナログ信号に切り替えられる。
なお、以下、説明の便宜上、エンジン回転数制御が実行される場合を例として、高速演算処理媒体22の内部の構成について説明する。即ち、高速演算処理媒体22が制御装置として機能する場合における、高速演算処理媒体22の内部の構成について説明する。
この場合、ECU12から出力されてケーブル23(図1)を伝達してくるアナログ信号、即ち、エンジンの回転数(実績値)を示すアナログ信号が、切替部81から増幅部82に供給される。
増幅部82は、切替部81から供給されたアナログ信号を増幅し、A/D変換部83に供給する。
A/D変換部83は、増幅部82により増幅されたアナログ信号に対して、A/D変換処理(Analog to Digital変換処理)を施し、その結果得られるデジタル信号を主制御部84に供給する。
このようにA/D変換部83から出力されるデジタル信号は、エンジン回転数制御としてフィードバック制御(後述する定常期制御)が実行されている場合には、エンジンの回転数(実績値)を示すフィードバック情報として主制御部84に供給される。そこで、以下、主制御部84の構成のうち、エンジン回転数制御の実行機能を発揮するための機能的構成について説明する。
主制御部84は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)として構成されている。
主制御部84は、エンジン回転数制御の実行機能を発揮すべく、回転数取得部101と、制御演算部102と、指令発行部103と、記憶部104と、を備えている。
回転数取得部101は、A/D変換部83から出力されたデジタル信号から、エンジンの回転数(実績値)を取得する。
なお、このように回転数取得部101によって取得される回転数(実績値)を、以下、「現状回転数NEf」と呼ぶ。
回転数取得部101に取得された現状回転数NEfは、制御演算部102によってフィードバック制御(後述する定常期制御)が実行されている場合に、フィードバック情報として制御演算部102に供給される。
制御演算部102は、エンジンの回転数が目標値となるようにエンジン回転数制御を実行する。なお、このようなエンジンの回転数の目標値を、以下、「目標回転数NEt」と呼ぶ。
ここで、車両11のエンジンの回転数を実際に調整する機構は、制御装置として機能する高速演算処理媒体22ではなく、車両11に搭載されたECU12である。
ECU12は、通常、運転手によりアクセルが踏まれた場合、その踏み込み量に応じたアクセル開度(以下、「APP値」と呼ぶ)に基づいて、エンジンの回転数を調整する。従って、制御装置として機能する高速演算処理媒体22は、エンジン回転数制御の出力(指令)として、目標回転数NEtではなく、現状回転数NEfを目標回転数NEtで一定に維持することが可能なAPP値を、ECU12に与える必要がある。
そこで、制御演算部102は、エンジン回転数制御の結果として、ECU12に対して指令として与えるAPP値を求めて、指令発行部103に出力する。
指令発行部103は、制御演算部102から出力されたAPP値を、ECU12に対する指令として発行する。具体的には例えば、APP値を示す制御信号が、指令発行部103から出力される。指令発行部103から出力された制御信号(APP値)は、インタフェース部85から端末21に送信され、さらに、端末21からケーブル23を介してECU12に送信される(図1参照)。
ECU12は、当該制御信号からAPP値を認識し、当該APP値に応じてエンジンの回転数を調整する。
調整後のエンジンの回転数を示すアナログ信号は、ECU12からケーブル23を介して端末21に送信され、さらに、端末21から高速演算処理媒体22の内部に入力される。高速演算処理媒体22の内部において、当該アナログ信号は、デジタル信号に変換されて、新たな現状回転数NEfとして回転数取得部101に取得される。
ここで、本実施形態では、制御演算部102によるエンジン回転数制御は、制御開始直後の過渡状態の期間における制御と、それ以降の定常状態の期間における制御とに大別される。そこで、以下、前者の過渡状態の期間の制御を、「過渡期制御」と呼び、後者の定常状態の期間の制御を、「定常期制御」と呼ぶ。
なお、定常期制御は、本実施形態では、さらに2つの制御に区分される。即ち、定常期制御は、後述する図7の初回安定補正処理により実現される1段階目の制御と、後述する図8の初回安定後補正処理により実現される2段階目の制御とに区分される。ただし、これらの2段階の定常制御の詳細については、図7及び図8を参照して後述する。
以下、過渡期制御と、定常期制御とについて、その順番で個別に説明する。
本実施形態では、過渡期制御として、制御開始時点から一定時間(例えば3秒程度)の間、ECU12に対して一定のAPP値が指令として与えられる制御、即ちいわゆるオープンループ制御が実行される。
ここで、本実施形態の制御対象は、上述したように、APP値ではなくエンジンの回転数であるため、過渡期制御の目的も、理想的には、制御開始時点から一定時間(例えば3秒程度)が経過した時点で、エンジンの現状回転数NEfが目標回転数NEtに到達していることである。
このためには、過渡期制御の指令として与えるAPP値が、適切な値となっていなければならない。
なお、後述するフィードバック制御の指令として用いられるAPP値と区別すべく、過渡期制御の指令として与えるAPP値を、以下、「初期APP値」と呼ぶ。即ち、過渡期制御の制御開始時点から一定時間(例えば3秒程度)が経過した時点で、理想的にはエンジンの現状回転数NEfが目標回転数NEtに到達できるように、適切な初期APP値を設定する必要がある。
そこで、本実施形態では、一定時間経過後の目標回転数NEtと初期APP値との対応関係を示すテーブルが事前に作成されて、予め記憶部104に記憶されている。
図4は、一定時間経過後の目標回転数NEtと初期APP値との対応関係を示すテーブルの一例を示している。
図4の例では、テーブルは行列構造を有しているため、以下、図4中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と称する。
所定の行の第1列目の「目標回転数NEt」の項目には、当該行に対応する、一定時間経過後の目標回転数NEt(rpm)の範囲が格納される。
所定の行の第2列目の「初期APP値」の項目には、一定時間経過後に現状回転数NEfが、当該行の第1列目に格納された目標回転数NEt(rpm)に到達するために必要な初期APP値の実績値が格納されている。
なお、図4の例は、ガソリン車のうち所定の車種に対して好適なテーブルであり、いわゆるハイブリッド車や、ガソリン車であっても別の車種に対しては、図4の例とは別のテーブルが採用される。即ち、本実施形態では、検査対象の車両11が、ガソリン車のうち所定の車種であるものとしている。
制御演算部102(図3)は、過渡期制御を実行する場合、目標回転数NEtが与えられると、図4に示すテーブルを記憶部104から検索して、与えられた目標回転数NEtが第1列目の項目に属する行を認識する。そして、制御演算部102は、認識した行の第2列目の項目に格納された初期APP値を読み出して、指令発行部103に出力する。
指令発行部103は、制御演算部102から出力された初期APP値を、ECU12に対する指令として発行する。
初期APP値は、インタフェース部85から端末21を介してECU12に供給される(図1参照)。ECU12は、この初期APP値に応じてエンジンの回転数を調整する。
これにより、一定時間が経過すると、エンジンの現状回転数NEfが目標回転数NEtにほぼ一致するようになる。
図5は、図4のテーブルの作成手法を説明する図であって、APP値を可変した場合のエンジンの回転数の実際の時間推移を示すタイミングチャートである。
図5において、横軸は時間(秒)を示し、縦軸はエンジンの回転数(rpm)を示している。
図5の例では、例えば、ECU12によりAPP値が7%で一定に保持されると、3秒経過後には、エンジンの回転数は実績として1600rpm程度になる。してみると、過渡期制御が実行される一定の制御を3秒とするならば、初期APP値として7%程度を採用すると、現状回転数NEfは、図5の波形とほぼ同様に応答して、3秒後には1600rpm程度になるはずである。このことは、3秒経過後の目標回転数NEtとして1600rpm程度が与えられた場合には、初期APP値は7%程度が最適値であることを意味する。
同様に、例えば、ECU12によりAPP値が14%で一定に保持されると、3秒経過後には、エンジンの回転数は実績として2600rpm程度になる。してみると、過渡期制御が実行される一定の制御を3秒とするならば、初期APP値として14%程度を採用すると、現状回転数NEfは、図5の波形とほぼ同様に応答して、3秒後には2600rpm程度になるはずである。このことは、3秒経過後の目標回転数NEtとして2600rpm程度が与えられた場合には、初期APP値は14%程度が最適値であることを意味する。
このようにして、図5に示すタイミングチャート(実績)から、3秒経過後の各目標回転数NEtの各々に対して最適な初期APP値がそれぞれ求められ、これらがリスト化されたものが、図4のテーブルである。
このように、本実施形態の過渡期制御のために、事前に行われた測定の実績値に基づいて、一定時間(例えば3秒)経過後の各目標回転数NEtと、それにとって最適な初期APP値との組を複数組含むテーブルが作成されて、記憶部104に予め記憶されている。
従って、制御演算部102が、このようなテーブルに基づいて初期APP値を求めて、過渡期制御に用いることで、制御開始時点から一定時間(例えば3秒程度)が経過した時点で、エンジンの現状回転数NEfが目標回転数NEtにほぼ到達するようになる。
その結果、過渡期制御から定常期制御に移行して、後述するフィードバック制御が実行されても、破綻のない安定した制御が実現され、エンジンの現状回転数NEfが目標回転数NEtでほぼ一定に維持されるようになる。
以上、主制御部84によるエンジン回転数制御のうち、過渡期制御について説明した。次に、エンジン回転数制御のうち、過渡期制御に引き続き実行される定常期制御について説明する。
上述の如く、過渡期制御が実行されて一定時間(例えば3秒)が経過すると、エンジン回転数制御は定常期制御に移行する。
本実施形態では、主制御部84は、定常期制御として、エンジンの現状回転数NEfをフィードバック情報として用いるフィードバック制御を実行する。
即ち、主制御部84のうち、回転数取得部101は、エンジンの現状回転数NEfをECU12から端末21を介して取得する。
制御演算部102は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差を求め、当該偏差に応じてAPP値を補正する。
指令発行部103は、補正後のAPP値を、ECU12に対する指令として発行する。
補正後のAPP値は、インタフェース部85から端末21を介してECU12に供給される(図1参照)。ECU12は、補正後のAPP値に応じてエンジンの回転数を調整する。調整後のエンジンの回転数は、現状回転数NEfとして、ECU12から端末21を介して高速演算処理媒体22の制御演算部102に供給される。
このような一連の処理が所定の時間間隔毎に繰り返し実行されることで、定常期制御としてのフィードバック情報が実現する。
次に、図6のフローチャートを参照して、このような機能的構成を有する高速演算処理媒体22がエンジン回転数制御を実現する処理(以下、「車両検査用エンジン回転数制御処理」と呼ぶ)について説明する。
図6は、車両検査用エンジン回転数制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
車両検査用エンジン回転数制御処理は、車両11の排気ガス量の検査(当該排気ガス量の検査自体は別の独立した処理として実行される)が行われるときに開始する。
この場合、ステップS1乃至S3の処理により、エンジン回転数制御のうち過渡期制御が実現される。そして、ステップS4乃S5の処理により、エンジン回転数制御のうち定常期制御が実現される。
ステップS1において、図3の高速演算処理媒体22の制御演算部102は、記憶部104に記憶されたテーブル(図4参照)から、目標回転数NEtに対応する初期APP値を取得する。
ステップS2において、指令発行部103は、初期APP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する(図1参照)。
ECU12は、初期APP値に応じてエンジンの回転数を調整する。
この間、ステップS3において、制御演算部102は、一定時間(例えば3秒)待機する。
上述の如く、ステップS1の処理で用いられたテーブルにおいては、一定時間が経過したときのエンジンの回転数が目標回転数NEtにほぼ到達するために必要なAPP値(実績値)が、初期APP値として記憶されている。このため、ステップS3の処理の経過後、即ち、ステップS1の過渡期制御の開始時点から一定時間経過後、現状回転数NEfが目標回転数Netにほぼ到達するようになる。
このように、エンジン回転数制御として、ステップS1乃至S3の処理により過渡期制御が実現されると、次に、以下に示すようなステップS4及びS5の処理により定常期制御が実現される。
具体的には、本実施形態の定常期制御は2段階に区分されており、1段階目の制御として、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差を、制御がある程度安定する値まで小さくする目的のフィードバック制御が、ステップS4の処理で実現される。
換言すると、ステップS4において、主制御部84は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差が閾値以下になるまでの間、当該偏差に応じてAPP値を補正する。ここで、閾値は、後述するように特に限定されないが、制御がある程度安定する偏差に基づいて設定される。
このようなステップS4の処理を、以下、「初回安定補正処理」と呼ぶ。初回安定補正処理のさらなる詳細については、図7を参照して後述する。
ステップS4の初回安定補正処理により1段階目の定常期制御が実現されると、次に、ステップS5の処理により、2段階目の定常期制御が実現される。即ち、このような2段階目の定常制御として、本実施形態では、現状回転数NEfをほぼ目標回転数NEtに維持するためのフィードバック制御が、ステップS5の処理で実現される。
換言すると、ステップS5において、主制御部84は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差が常時略0で維持するように、APP値を適宜補正する。
このようなステップS5の処理を、以下、「初回安定後補正処理」と呼ぶ。初回安定後補正処理のさらなる詳細については、図8を参照して後述する。
ステップS5の初回安定後補正処理が終了すると、車両検査用エンジン回転数制御処理の全体が終了する。
次に、車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS4の初回安定補正制御と、ステップS5の初回安定後補正処理とについて、その順番で個別に説明する。
図7は、図6の車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS4の初回安定処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
上述の如く、エンジン回転数制御として、ステップS1乃至S3の処理により過渡期制御が実現されると、1段階目の定常期制御を実現すべく、ステップS4の初回安定処理が開始する。
ステップS21において、制御演算部102は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差を演算する。
本実施形態では、目標回転数NEtは、図6のステップS1の処理で用いられた値がそのまま採用されている。現状回転数NEfは、車両11のECU12から端末21を介して高速演算処理媒体22にアナログ信号として供給され、当該高速演算処理媒体22内部においてデジタル信号に変換されて、回転数取得部101によって取得された値が採用されている。
ステップS22において、制御演算部102は、偏差が第1閾値以下であるか否かを判定する。
ここで、第1閾値は、特に限定されないが、1段階目の定常制御としてある程度安定したと判断できる指標値が設定されると好適であり、本実施形態では、±100(rpm)が採用されている。
偏差が第1閾値以下である場合、1段階目の定常制御は終了させてよいので、ステップS22においてYESであると判定されて、処理はステップS28に進む。ただし、ステップS28以降の処理については後述する。
これに対して、偏差が第1閾値を超えている場合、1段階目の定常制御は継続させる必要があるので、ステップS22においてNOであると判定されて、処理はステップS23に進む。
ステップS23において、制御演算部102は、偏差が第2閾値以下であるか否かを判定する。
ここで、第2閾値は、第2閾値>第1閾値の関係を満たす限り特に限定されないが、本実施形態では、±200(rpm)が採用されている。
偏差が第2閾値以下である場合、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS24に進む。
ステップS24において、制御演算部102は、第1範囲内でAPP値を補正する。
ここで、第1範囲は、特に限定されないが、本実施形態では、補正前のAPP値に対して±0.5%の範囲が採用されている。
これに対して、偏差が第2閾値を超えているである場合、ステップS23においてNOであると判定されて、処理はステップS25に進む。
ステップS25において、制御演算部102は、第2範囲内でAPP値を補正する。
ここで、第2範囲は、特に限定されないが、偏差が第2閾値以下の場合の補正に適用する第1範囲と比較して、偏差が第2閾値を超えている場合(偏差が大きい場合)の補正に適用するため、第2範囲>第1範囲の関係を満たしていると好適である。本実施形態では、第2範囲として、補正前のAPP値に対して±1%の範囲が採用されている。
ただし、ステップS24及びS25の各々の処理共に、補正後のAPP値が大きくなりすぎると、エンジンの回転数が急上昇するおそれがある。そこで、このようなおそれをなくすため、即ち安全上の観点から、補正後のAPP値のリミットが設けられていると好適である。このため、本実施形態では、このようなリミットとして20%が採用されている。
このようにして、ステップS24又はS25の処理でAPP値が補正されると、処理はステップS26に進む。
ステップS26において、指令発行部103は、補正後のAPP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する(図1参照)。
ECU12は、補正後のAPP値に応じてエンジンの回転数を調整する。ただし、ステップS26の処理タイミング、即ち、指令(補正後のAPP値)の送信タイミングに対して、ECU12による調整によってエンジンの回転数が実際に変化するまでの間には、エンジン回転数制御の応答遅れによるタイムラグが発生する。
そこで、ステップS27において、制御演算部102は、所定時間待機する。
ここで、所定時間は、特に限定されないが、エンジン回転数制御の応答遅れによるタイムラグの間処理を待機する趣旨であることから、当該タイムラグに基づいて設定されると好適である。ただし、当該タイムラグは、検査対象の車両11の車種等によって異なるものである。そこで、本実施形態では、検査対象の車両11が、上述の如くガソリン車のうち所定の車種であることを考慮して、所定時間として500(ms)が採用されている。ただし、これは例示であって、例えばいわゆるハイブリッド車が検査対象となるならば、1000(ms)等異なる時間を所定時間として採用してもよい。
ステップS26の処理タイミング、即ち、指令(補正後のAPP値)の送信タイミングから所定時間が経過すると、ステップS27の処理は終了して、処理はステップS21に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、偏差が第1閾値以下になるまで、所定時間間隔毎に、ステップS21乃至S27のループ処理が繰り返し実行されて、その都度、APP値が補正される。従って、ECU12は、所定時間間隔毎に補正されるAPP値を用いてエンジンの回転数を調整する。
その後、偏差が第1閾値以下になると、ステップS22においてYESであると判定されて、処理はステップS28に進む。
ステップS28において、指令発行部103は、補正無しの元のAPP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する(図1参照)。
従って、ECU12は、補正無しの元のAPP値を引き続き用いてエンジンの回転数を調整する。
ステップS29において、制御演算部102は、ステップS27の処理と同趣旨で、所定時間待機する。
ステップS28の処理タイミング、即ち、指令(補正無しの元のAPP値)の送信タイミングから所定時間が経過すると、ステップS29の処理は終了して、初回安定補正処理が終了する。
なお、図7の例では、本実施形態のECU12が、所定時間毎に指令(APP値)を受け取る仕様となっているため、同一値(補正無しの元のAPP値)であっても、ステップS28の処理としてECU12に送信され、その後ステップS29の処理が実行されるようになっている。
ただし、ECU12にとっては、指令値として同一値(補正無しの元のAPP値)を受け取った場合には、エンジンの回転数の調整の仕方を変化させないことになる。このため、ECU12が、指令(APP値)は変化した時だけ取得するような仕様を取っている場合、ステップS28及びS29の処理は不要になる。
以上、図6の車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS4の初回安定補正制御について、図7を参照して説明した。
このようなステップS4の処理が終了すると、処理はステップS5の初回安定後補正処理に進む。そこで、以下、図8を参照して、ステップS5の初回安定後補正処理について説明する。
図8は、図6の車両検査用エンジン回転数制御処理のうち、ステップS5の初回安定後処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
ステップS41において、制御演算部102は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差を演算する。
ステップS42において、制御演算部102は、偏差が閾値以下であるか否かを判定する。
ここで、閾値は、特に限定されないが、本実施形態では、±100(rpm)が採用されている。なお、本実施形態で閾値として採用されている±100(rpm)は、図7の初回安定補正処理のステップS22の第1閾値と同値であるが、これは例示に過ぎず、第1閾値と同値である必要は特にない。
偏差が閾値以下の場合、ステップS42においてYESであると判定されて、処理はステップS43に進む。
ステップS43において、指令発行部103は、補正無しの元のAPP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する(図1参照)。
これに対して、偏差が閾値を超えている場合、ステップS42においてNOであると判定されて、処理はステップS44に進む。
ステップS44において、制御演算部102は、APP値を補正する。
ここで、APP値の補正範囲は、特に限定されないが、本実施形態では、補正前のAPP値に対して±0.2(%)が採用されている。また、図7の初回安定補正処理と同様に安全上の観点から、APP値のリミットとして20(%)が採用されている。
ステップS45において、指令発行部103は、補正後のAPP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する(図1参照)。
ECU12は、指令発行部103から指令として発行されたAPP値に応じて、エンジンの回転数を調整する。即ち、偏差が閾値以下の場合には補正無しの元のAPP値がそのまま用いられ、偏差が閾値を超えている場合には補正後のAPP値が用いられて、エンジンの回転数が調整される。
この場合、ステップS5の初回安定後処理の説明の際に上述したように、指令(APP値)の送信タイミングに対して、ECU12による調整によってエンジンの回転数が実際に変化するまでには、エンジン回転数制御の応答遅れによるタイムラグが発生する。
そこで、ステップS46において、制御演算部102は、ステップS5の初回安定後処理のステップS27やS29の処理と同様の趣旨で、所定時間待機する。
従って、所定時間は、特に限定されないが、ステップS5の初回安定後処理のステップS27やS29の処理で採用された値と同一値を採用するのが好適であり、本実施形態では500(ms)が採用されている。
指令(APP値)の送信タイミングから所定時間が経過すると、ステップS46の処理は終了して、処理はステップS47に進む。
ステップS47において、制御演算部102は、処理終了の指示があったか否かを判定する。
処理終了の指示は、特に限定されないが、本実施形態では、並行して行われている車両11の排気ガス量の検査の終了を示す信号が入力されたことであるものとする。
従って、車両11の排気ガス量の検査が継続している場合には、ステップS47においてNOであると判定されて、処理はステップS41に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、車両11の排気ガス量の検査が継続している間、所定時間間隔毎に、ステップS41乃至S47のループ処理が繰り返し実行されて、エンジンの現状回転数NEfがほぼ目標回転数NEtで維持されるようになる。これにより、検査員は、自身又は他の検査員(人間)が車両11の室内に乗り込んでアクセルを踏まずとも、車両11の排気ガス量の検査を安定して行うことが可能になる。
その後、車両11の排気ガス量の検査が終了し、その旨の信号が制御演算部102に入力されると、ステップS47においてYESであると判定されて、初回安定後補正処理は終了する。即ち、図6のステップS5の初回安定後補正処理が終了し、その結果、車両検査用エンジン回転数制御処理の全体が終了する。
以上説明したように、高速演算処理媒体22は、本実施形態に係る制御装置、即ち、アクセル開度に応じて車両11のエンジンの回転数を調整するECU12に対して、アクセル開度を示す指令値を送信することで、エンジンの回転数を制御する制御装置として機能する。
具体的には、高速演算処理媒体22の記憶部104は、エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に当該所定回転数に到達させるAPP値(実績値)との組が、複数組保持されたテーブル(図4参照)を記憶している。
制御演算部102は、制御開始時点では、記憶部104に記憶されたテーブルから、エンジンの目標回転数NEtが属する組に含まれるAPP値を指令値として演算し、一定時間待機することで、エンジン回転数制御のうち過渡期制御を実現させる。そして、一定時間経過した後は、制御演算部102は、目標回転数NEtに対する現状回転数NEfの偏差に基づいてAPP値を演算することで、エンジン回転数制御のうち定常期制御(フィードバック制御)を実現させる。
指令発行部103は、APP値を、インタフェース部85及び端末21を介してECU12に送信する。
これにより、本実施形態によれば、例えば、以下の(1)や(2)のような効果を奏することが可能になる。
(1)本実施形態では、高速演算処理媒体22が車両検査装置10に搭載されており、当該高速演算処理媒体22が、エンジンの回転数を制御する制御装置として機能する。
これにより、車両11の排気ガス量を検査する場合、エンジンの回転数をほぼ一定にする制御が自動的に行われるため、検査員(人間)が車両11に乗り込んでアクセルを踏むといった運転操作が一切不要になる。
(2)制御開始後一定時間経過するまでは、過渡期制御として、記憶部104に記憶されたテーブルから、エンジンの目標回転数NEtが属する組に含まれるAPP値が指令値として求められる。このAPP値とは、制御開始時点から一定時間経過後に目標回転数Netに到達させるAPP値の実績値である。
これにより、エンジン回転数制御をより精度よく行うことが可能になる。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述した実施形態では、エンジンの回転数を一定にする制御対象は、ガソリン車の所定の車種である車両11とされたが、特にこれに限定されず、アクセル開度に応じてエンジンの回転数を調整する機構を有している車両であれば足りる。
また例えば、上述した実施形態では、本発明が適用される制御装置は、高速演算処理媒体22によって構成される例として説明した。
しかしながら、本発明は、特にこれに限定されず、上述した一連の処理を実行可能な情報処理装置一般に広く適用することができ、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯型ナビゲーション装置等に幅広く適用可能である。
換言すると、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
図9は、上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合の、本発明が適用される異音検査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図9の例では、制御装置は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、バス504と、入出力インタフェース505と、入力部506と、出力部507と、記憶部508と、通信部509と、ドライブ510と、を備えている。
CPU501は、ROM502に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。又は、CPU501は、記憶部508からRAM503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
例えば、図3の回転数取得部101乃至指令発行部103と等価の機能を実現するプログラムが、ROM502や記憶部508に記憶され得る。また、この場合、図3の記憶部104は、ROM502や記憶部508の一領域に構成される。従って、CPU501が、これらのプログラムに従った処理を実行することで、回転数取得部101乃至指令発行部103と等価の機能を実現することができる。
CPU501、ROM502、及びRAM503は、バス504を介して相互に接続されている。このバス504にはまた、入出力インタフェース505も接続されている。入出力インタフェース505には、入力部506、出力部507、記憶部508、及び通信部509が接続されている。
入力部506は、各種釦等の操作部で構成され、検査員等の指示操作を受け付ける他、各種情報を入力する。
出力部507は、各種情報を出力する。例えば、出力部507には、図示せぬ表示部が設けられており、車両11の検査結果等の各種情報は、当該表示部に適宜表示される。
記憶部508は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部509は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
入出力インタフェース505にはまた、必要に応じてドライブ510が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア511が適宜装着される。ドライブ510によってリムーバブルメディア511から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部508にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア511により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア211は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROM502や記憶部508に含まれるハードディスク等で構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
10 車両検査装置
11 車両
12 ECU
21 端末
22 高速演算処理媒体
51 本体部
52 端子部
84 主制御部
85 インタフェース部
101 回転数取得部
102 制御演算部
103 指令発行部
104 記憶部
501 CPU

Claims (5)

  1. アクセル開度に応じて車両のエンジンの回転数を調整するECUに対して、前記アクセル開度を示す指令値を送信することで、前記エンジンの回転数を制御する制御装置であって、
    エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に前記所定回転数に到達させるアクセル開度の実績値との組が、複数組保持されたテーブルを記憶する記憶手段と、
    制御開始時点では、前記記憶手段に記憶された前記テーブルから、エンジンの目標回転数が属する組に含まれるアクセル開度の実績値を前記指令値として演算し、前記一定時間経過した後では、前記目標回転数に対する、前記ECUにより調整されたエンジンの現状回転数の偏差に基づいて、前記指令値を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された前記指令値を、前記ECUに送信する送信手段と、
    を備える制御装置。
  2. 前記ECUは、調整したエンジンの回転数を送信し、
    前記制御装置は、前記ECUから送信された前記回転数を、前記現状回転数として取得する取得手段をさらに備え、
    前記演算手段は、前記取得手段により取得された前記現状回転数を用いて前記偏差を演算し、前記偏差に基づいて前記指令値を演算する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. アクセル開度に応じて車両のエンジンの回転数を調整するECUに対して、前記アクセル開度を示す指令値を送信することで、前記エンジンの回転数の制御を実行する制御装置の制御方法であって、
    制御開始時点では、
    エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に前記所定回転数に到達させるアクセル開度の実績値との組が、複数組保持されたテーブルから、エンジンの目標回転数が属する組に含まれるアクセル開度の実績値を前記指令値として演算し、
    前記指令値を前記ECUに送信し、
    前記一定時間経過した後では、
    前記目標回転数に対する、前記ECUにより調整されたエンジンの現状回転数の偏差に基づいて、前記指令値を演算し、
    前記指令値を前記ECUに送信する、
    回転数制御ステップを含む制御方法。
  4. 前記回転数制御ステップによる制御処理が実行中に、前記車両の排気ガスの量を検査する検査ステップ、
    をさらに含む制御方法。
  5. アクセル開度に応じて車両のエンジンの回転数を調整するECUに対して、前記アクセル開度を示す指令値を送信することで、前記エンジンの回転数を制御するコンピュータに、
    制御開始時点では、
    エンジンの所定回転数と、制御開始時点から一定時間経過後に前記所定回転数に到達させるアクセル開度の実績値との組が、複数組保持されたテーブルから、エンジンの目標回転数が属する組に含まれるアクセル開度の実績値を前記指令値として演算し、
    前記指令値を前記ECUに送信し、
    前記一定時間経過した後では、
    前記目標回転数に対する、前記ECUにより調整されたエンジンの現状回転数の偏差に基づいて、前記指令値を演算し、
    前記指令値を前記ECUに送信する、
    回転数制御ステップを含む制御処理を実行させるプログラム。
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