JP2012025875A - 柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒状体としての柄材の基材に対する定着性を向上させることが可能な柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基材2となる熱可塑性樹脂に柄材3を配合した柄入りプラスチック成形品1において、熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と密着性の良好な樹脂を主剤とする。柄材3として、少なくともポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有してなる粒状体を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材2となる熱可塑性樹脂に柄材3を配合した柄入りプラスチック成形品1において、熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と密着性の良好な樹脂を主剤とする。柄材3として、少なくともポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有してなる粒状体を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法に関する。さらに詳しくは、基材となる熱可塑性樹脂に柄材を配合した柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法に関する。
従来、柄入りプラスチック成形品として例えば特許文献1〜4に記載の如きものが知られている。しかし、これらの成形品は、いずれもポリブチレンテレフタレート系樹脂の層を他の樹脂層に積層させたものであり、粒状の柄材を用いる点は開示されていない。
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、粒状体としての柄材の基材に対する定着性を向上させることが可能な柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る柄入りプラスチック成形品の特徴は、基材となる熱可塑性樹脂に柄材を配合した構成において、前記熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と密着性の良好な樹脂を主剤とするものであり、前記柄材として、少なくとも前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有してなる粒状体を用いることにある。
上記構成によれば、基材となる熱可塑性樹脂にポリブチレンテレフタレート系樹脂と密着性の良好な樹脂を用いているので、粒状体としての柄材はポリブチレンテレフタレート系樹脂を介して熱可塑性樹脂に密着する。従って、柄材は基材から脱落することなく保持され、仕上がりの良好な柄入りプラスチック成形品となる。
ここで、前記柄材が0.01重量%〜50重量%配合されているとよい。この数値範囲内であれば、粒状体としての柄材が基材から脱落することなく柄として機能し、仕上がりがより良好な柄入りプラスチック成形品となる。
前記柄材は、さらに無機質骨材を5重量%〜80重量%含有しているとよい。この数値範囲内であれば、柄入りプラスチック成形品の仕上がりに影響を与えることなく、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有した混合物を容易に粉砕して粒状の柄材とすることができる。係る場合、前記無機質骨材は、含水珪酸マグネシウム又は炭酸カルシウムのいずれかを少なくとも含むものであるとよい。
前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル系樹脂を主剤とすることが望ましい。塩化ビニル系樹脂はポリブチレンテレフタレート系樹脂より融点が低いので、基材から柄材のみを抽出することができ、柄材のリサイクルが可能となる。前記基材は、例えばシート状に成形される。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る柄入りプラスチック成形品に用いる柄材の特徴は、上記記載の柄入りプラスチック成形品に用いる柄材において、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂を少なくとも20重量%含有してなり、粒状体に形成されたことにある。
上記構成によれば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を少なくとも20重量%含有することで、熱可塑性樹脂からなる基材から脱落することのない柄材とすることができる。係る場合、さらに無機質骨材を5重量%〜80重量%含有するとよい。当該数値範囲内であれば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有した混合物を容易に粉砕して粒状の柄材とすることができる。
さらに、上記目的を達成するため、本発明に係る柄入りプラスチック成形品に用いる柄材の製造方法の特徴は、上記記載の柄入りプラスチック成形品に用いる柄材の製造方法において、少なくとも前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び着色剤を混練してペレットを生成する生成工程と、前記ペレットを粉砕して粒状体を生成する粉砕工程と、前記粒状体を篩いにかけて分級する篩い工程とを備えたことにある。係る場合、前記生成工程において、さらに無機質骨材を添加するとよい。
上記本発明に係る柄入りプラスチック成形品及びこれに用いる柄材並びに柄材の製造方法の特徴によれば、粒状体としての柄材の基材に対する定着性を向上させることが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係る柄入りプラスチック成形品1は、熱可塑性樹脂よりなる基材2と、この基材2に配合される柄材3よりなる。図1に示すように、この柄入りプラスチック成形品1は、例えばシート状に成形される。なお、以下の実施形態において、シート状の柄入りプラスチック成形品1を例に説明するが、形状はシート状に限定されるものではない。
本発明に係る柄入りプラスチック成形品1は、熱可塑性樹脂よりなる基材2と、この基材2に配合される柄材3よりなる。図1に示すように、この柄入りプラスチック成形品1は、例えばシート状に成形される。なお、以下の実施形態において、シート状の柄入りプラスチック成形品1を例に説明するが、形状はシート状に限定されるものではない。
基材2に用いられる熱可塑性樹脂には、柄材3に含有するポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、「PBT」と称する。)と密着性の良好な樹脂を主剤とする樹脂材料が用いられる。本実施形態では、塩化ビニル系樹脂を主剤とする樹脂材料を用いる。塩化ビニル系樹脂等のPBTとの密着性の良好な樹脂材料を用いることで、柄材3はPBTを介して基材2を構成する熱可塑性樹脂に密着して保持され、柄材3の基材2に対する定着性が向上する。よって、柄材3は基材2から脱落することなく保持され、仕上がりの良好な柄入りプラスチック成形品1を得ることができる。
ここで、塩化ビニル系樹脂の融点はPBTの融点より低い。よって、基材2に塩化ビニル系樹脂を用いることで、柄入りプラスチック成形品1を溶解して柄材3のみを抽出することができ、柄材3の再利用が可能となる。但し、熱可塑性樹脂は塩化ビニル系樹脂に限られるものではなく、PBTとの密着性の良好な樹脂材料であればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエステルエラストマー、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、好ましくは、PBTの融点より低い融点の樹脂材料を用いるとよい。
本発明に用いるPBTとは、テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、グリコール成分として1,4−ブタンジオールとを重縮合して得られるポリブチレンテレフタレート樹脂であり、一般的に式1に示す組成物である。
[-(CH2)4OOCC6H4COO-]n ・・・式1
[-(CH2)4OOCC6H4COO-]n ・・・式1
このPBTには、実質的にテレフタル酸成分と1,4−ブタンジオールからなるホモポリブチレンテレフタレート樹脂に限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上含有する共重合されたポリブチレンテレフタレート樹脂を用いても構わない。この共重合体において、テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体の40モル%を他のジカルボン酸成分に置き換えることができる。他のジカルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等のC6〜C10アリールジカルボン酸等)、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC4〜C16アルキルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のC5〜C10シクロアルキルジカルボン酸等)、又はこれらのエステル形成誘導体等がある。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリブチレンテレフタレートの1,4−ブタンジオール成分の40モル%を他のグライコールに置き換えることができる。例えば、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分としては、例えば、脂肪族ジオール成分(例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のC2〜C10アルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシC2〜C4アルキレングリコール等)、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどの脂環式ジオール等)、芳香族ジオール成分(ビスフェノールA、4,4−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族アルコール、ビスフェノールAのC2〜C4アルキレンオキサイド付加体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等)等)、又はこれらのエステル形成誘導体等がある。これらも単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
上述の化合物をモノマー成分とする重縮合により生成するホモPBT又は共重合PBTは、いずれも本発明のPBTとして使用することができる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上混合して使用しても構わない。
また、PBTには、他の熱可塑性ポリエステル樹脂を混合変性したポリブチレンテレフタレート樹脂を用いても構わない。該PBTとしては、ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の他の熱可塑性ポリエステル樹脂を40重量%まで置き換えて用いてもよい。他の熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、シクロヘキシルテレフタレート、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)等がある。なお、PBTには、例えば自動車用部品、電子部品や繊維等をリサイクルして得られるPBTを利用することも可能である。
柄材3には、PBTを少なくとも含有してなる粒状体を用いる。本実施形態では、PBTの他、後述の無機質骨材をさらに含有させる。PBTは高価な材料であるため、無機質骨材を加えることでPBTの使用量を抑え、柄材3を安価に製造することができる。この粒状体の形状は特に限定されないが、粒径は柄入りプラスチック成形品1に表れる柄の仕上がりに合わせて、例えば0.01mm〜20mmの範囲内とするとよい。
この柄材3は、基材2に対し0.01重量%〜50重量%配合される。0.01重量%より少ないと、柄材3が基材2において柄として表れない。他方、50重量%より多くなると、基材2における熱可塑性樹脂の含有量が相対的に減少するため、基材2から脱落する柄材3が生じ、成形品に空隙等の欠落部分が発生する。すなわち、0.01重量%〜50重量%の範囲内であれば、粒状体に形成された柄材3と基材2を構成する熱可塑性樹脂との密着性が安定し、仕上がりがより良好となる。
PBTは、柄材3に対し少なくとも20重量%含有するよう添加される。20重量%未満の場合、基材2を構成する熱可塑性樹脂と柄材3のPBTと密着性が低下するため、柄材3が基材2から脱落してしまう。他方、柄材3をPBT単独(100重量%)で構成することは可能である。係る場合、熱可塑性樹脂との密着性に影響はない。しかし、PBTは常温での粉砕が困難である。そのため、冷凍粉砕等の特殊な粉砕手段を用いるか粉砕を長時間を行う必要があり、製造効率が低下すると共に製造コストが上昇する。
そこで、本実施形態では、無機質骨材を柄材3に対し5重量%〜80重量%含有するよう添加する。5重量%より少ないと、PBTの配合量が相対的に多くなり、製造効率が低下すると共に製造コストが上昇する。他方、80重量%より多いと、PBTの配合量が相対的に少なくなり、熱可塑性樹脂とPBTと密着性が低下してしまい、柄材3が基材2から脱落する。すなわち、5重量%〜80重量%の範囲内であれば、粒状の柄材3を容易に且つ安価に製造でき、柄入りプラスチック成形品1の仕上がりも良好となる。好ましくは、50重量%〜80重量%の無機質骨材を添加するとよい。この範囲内であれば、粉砕をより短時間で行うことができ、生産効率を向上させることができる。
この無機質骨材には、例えば含水珪酸マグネシウム(以下、「タルク」と称する。)又は炭酸カルシウム(以下、「タンカル」と称する。)のいずれかを少なくとも含むものを用いる。これらは汎用品であり、柄材3をより安価に製造することができる。なお、無機質骨材には、上述のタルクやタンカルの他、ベントナイト、珪酸カルシウム、ウォルストナイト、マイカ、砂、水酸化アルミニウム、クレー等を用いることも可能である。
なお、柄材3には、上述のPBT及び無機質骨材の他、着色材や助剤が適宜配合される。着色剤としては、例えば、生チタン、加工チタン、チタンイエロー、酸化二鉄、チタン、カーボン、カーボンブラック等がある。また、助剤としては、有機亜リン酸エステル等の坑酸化剤、ベンゾトリアゾールやヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、リン酸エステル等の難燃剤、金属石鹸等の滑剤や、無機質添加剤等がある。さらに、光安定剤、造核剤や重金属不活性化剤等を添加してもよい。
ここで、図2を参照しながら、柄材3の製造方法について説明する。
図2に示すように、柄材の製造工程は、PBT、着色剤及び助剤を混練してペレットを生成する生成工程と、生成したペレットを粉砕して粒状体を生成する粉砕工程と、粒状体を篩いにかけて分級する篩い工程とからなる。
図2に示すように、柄材の製造工程は、PBT、着色剤及び助剤を混練してペレットを生成する生成工程と、生成したペレットを粉砕して粒状体を生成する粉砕工程と、粒状体を篩いにかけて分級する篩い工程とからなる。
本実施形態では、生成工程において、PBT、着色剤及び助剤と共に無機質骨材を加えてペレット5を生成する。無機質骨材を添加することで、後の粉砕工程を常温で行うことが可能となる。これらの材料を押出機10に投入して混練し、例えば棒状に押出成形する。押出成形された成形体4を冷却機20により冷却し、ペレタイザー30によりペレット5とする。
次に、粉砕工程では、生成したペレット5を粉砕機40により粉砕し、粒状体とする。粉砕機40に投入されたペレット5は、回転刃41により粉砕される。また、この粉砕機40は篩い42を備えており、粉砕された粒状体を分級する。粉砕機40において、篩い工程も行われる。篩い工程により設定された粒径以外の粒状体は、先の生成工程において他の材料と共に押出機10に投入することで、再利用される。
これらの工程を経て、PBTと無機質骨材とを含有する粒状の柄材3が製造される。そして、製造された柄材3を例えば塩化ビニル系樹脂と共に周知の各種成形機や成形手段を用い、例えばシート状に成形し、柄入りプラスチック成形品1を製造する。
次に、上述の柄入りプラスチック成形品1の実施例について説明する。
基材2となる熱可塑性樹脂に塩化ビニル系樹脂を用い、表1に示す基材2に対する柄材3の配合量(配合率)にて試料1〜7を作製した。そして、作製した試料1〜7の外観を目視にて確認した。なお、柄材3は、PBT50重量%、無機質骨材としてタルク48.75重量%、その他着色剤等を混合して上述の製造方法により製造した。
基材2となる熱可塑性樹脂に塩化ビニル系樹脂を用い、表1に示す基材2に対する柄材3の配合量(配合率)にて試料1〜7を作製した。そして、作製した試料1〜7の外観を目視にて確認した。なお、柄材3は、PBT50重量%、無機質骨材としてタルク48.75重量%、その他着色剤等を混合して上述の製造方法により製造した。
表1に示すように、柄材3を基材2に対し0.005重量%配合した試料1では、柄材3を目視にて確認することができず、柄として機能しなかった。また、柄材3を基材2に対し60重量%及び70重量%配合した試料6,7では、基材2の塩化ビニル系樹脂から脱落する柄材3が発生し、仕上がり不良となった。他方、柄材3を基材2に対し0.01重量%以上50重量%以下配合した試料2〜5は、いずれも柄材3が基材2から脱落することなく、柄材3が柄として機能した。
次に、柄入りプラスチック成形品1に用いる柄材3の実施例について説明する。
表2に示す無機質骨材の配合量(配合率)にて、上述の製造方法により柄材を作製した。その過程において、常温における粉砕状況を確認した。そして、作製した各柄材を塩化ビニル系樹脂よりなる基材2に対し5重量%配合して試料8〜13を作製した。そして、作製した試料8〜13の外観を目視にて確認した。なお、各柄材におけるPBTの量は、柄材全量から表2に記載の無機質骨材の配合量及び助剤の添加量を除いた残部となる。
表2に示す無機質骨材の配合量(配合率)にて、上述の製造方法により柄材を作製した。その過程において、常温における粉砕状況を確認した。そして、作製した各柄材を塩化ビニル系樹脂よりなる基材2に対し5重量%配合して試料8〜13を作製した。そして、作製した試料8〜13の外観を目視にて確認した。なお、各柄材におけるPBTの量は、柄材全量から表2に記載の無機質骨材の配合量及び助剤の添加量を除いた残部となる。
表2に示すように、柄材3に対し無機質骨材を4重量%配合した試料8の柄材では、粉砕工程において粉砕に時間が掛かりすぎ、生産性が低下した。また、90重量%配合した試料13の柄材では、柄材3が基材2から脱落した。他方、5重量%以上80重量%以下の試料9〜12では、柄材3が基材2から脱落することなく且つ効率よく粉砕することができた。
次に、柄材3の他の実施例について説明する。
表3に示すPBTの配合量(配合率)にて、上述の製造方法により柄材を作製し、各柄材を塩化ビニル系樹脂よりなる基材2に対し5重量%配合して試料14〜16を作製した。そして、作製した試料14〜16の外観を目視にて確認した。なお、各柄材における無機質骨材の量は、柄材全量から表3に記載のPBTの配合量及び助剤の添加量を除いた残部となる。
表3に示すPBTの配合量(配合率)にて、上述の製造方法により柄材を作製し、各柄材を塩化ビニル系樹脂よりなる基材2に対し5重量%配合して試料14〜16を作製した。そして、作製した試料14〜16の外観を目視にて確認した。なお、各柄材における無機質骨材の量は、柄材全量から表3に記載のPBTの配合量及び助剤の添加量を除いた残部となる。
表3に示すように、柄材3に対しPBTを10重量%及び15重量%配合した試料14,15では、基材2から柄材3が脱落した。他方、20重量%配合した試料16では、基材2から柄材3が脱落することはなかった。
本発明に係る柄入りプラスチック成形品は、シート状物として例えば壁紙、床材、化粧板、クロス等の内装材、建材等に利用することができる。また、シート状物に限らず、各種日用品、電気製品等の成形品としても利用することができる。
1:柄入りプラスチック成形品、2:基材、3:柄材、4:成形体、5:ペレット、10:押出機、20:冷却機、30:ペレタイザー、40:粉砕機、41:回転刃、42:篩い
Claims (10)
- 基材となる熱可塑性樹脂に柄材を配合した柄入りプラスチック成形品であって、
前記熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と密着性の良好な樹脂を主剤とするものであり、
前記柄材として、少なくとも前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有してなる粒状体を用いている柄入りプラスチック成形品。 - 前記柄材が0.01重量%〜50重量%配合されてなる請求項1記載の柄入りプラスチック成形品。
- 前記柄材は、さらに無機質骨材を5重量%〜80重量%含有してなる請求項1又は2記載の柄入りプラスチック成形品。
- 前記無機質骨材は、含水珪酸マグネシウム又は炭酸カルシウムのいずれかを少なくとも含む請求項3記載の柄入りプラスチック成形品。
- 前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル系樹脂を主剤とするものである請求項1〜4のいずれかに記載の柄入りプラスチック成形品。
- 前記基材はシート状に成形されている請求項1〜5のいずれかに記載の柄入りプラスチック成形品。
- 請求項1記載の柄入りプラスチック成形品に用いる柄材であって、
前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂を少なくとも20重量%含有してなり、粒状体に形成された柄材。 - さらに無機質骨材を5重量%〜80重量%含有してなる請求項7記載の柄材。
- 請求項7記載の柄入りプラスチック成形品に用いる柄材の製造方法であって、
少なくとも前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び着色剤を混練してペレットを生成する生成工程と、
前記ペレットを粉砕して粒状体を生成する粉砕工程と、
前記粒状体を篩いにかけて分級する篩い工程とを備えた柄材の製造方法。 - 前記生成工程において、さらに無機質骨材を添加する請求項9記載の柄材の製造方法。
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