JP2012022504A - 脇見判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の脇見を適切に判定する。
【解決手段】脇見判定装置10は、運転者の視線方向を検知する視線方向検知部24と、運転者の前方の所定範囲を脇見判定角により設定する判定範囲設定部30と、視線方向が所定範囲以外に向かう場合に、運転者が脇見状態であると判定する脇見判定部31と、車速を検出する車両状態センサ13と、車速が増大することに伴い、判定範囲設定部30により設定された所定範囲が縮小傾向に変化するように変更する範囲変更部29と、車両の周囲の混雑度を取得する混雑度検知部27と、車速に比べて、混雑度に対して、より大きな重み付けを設定する重み付け設定部28とを備える。範囲変更部29は、混雑度が増大することに伴い、判定範囲設定部30により設定された所定範囲を縮小傾向に変化するように変更し、重み付けを有する車速および混雑度に基づいて、所定範囲を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、脇見判定装置に関する。
従来、例えば運転者の視線方向が所定の範囲外を向いているときに運転者が脇見をしていると判定して警報を行なう視線検出装置であって、乗員の特性(体格や年齢など)と車両の運転状態(車速など)とのうちの少なくとも何れか一方に基づいて、視線方向を判定するための所定の範囲を変更する(例えば、車速が遅いほど所定の範囲を広くする)視線検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−176112号公報
ところで、上記従来技術に係る視線検出装置によれば、乗員の特性と車両の運転状態とに応じて視線方向を判定するための所定の範囲を変更するだけであり、運転者の有効視野に対して、乗員の特性や車両の運転状態に比べて、より大きな影響を与える他の要因については考慮されておらず、適切に所定の範囲を設定することができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、運転者の脇見を適切に判定することが可能な脇見判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る脇見判定装置は、車両の運転席に着座した運転者の視線方向を検出して検出結果を出力する視線方向検出手段(例えば、実施の形態での視線方向検知部24)と、前記運転者の前方において所定範囲を設定する設定手段(例えば、実施の形態での判定範囲設定部30)と、前記視線方向検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記設定手段により設定された前記所定範囲以外の範囲に向かう場合に、前記運転者が脇見状態であると判定する脇見判定手段(例えば、実施の形態での脇見判定部31)と、前記車両の速度を検出して検出結果を出力する速度検出手段(例えば、実施の形態での車両状態センサ13)と、該速度検出手段から出力された前記検出結果の前記速度が増大することに伴い、前記設定手段により設定された前記所定範囲が縮小傾向に変化するように変更する範囲変更手段(例えば、実施の形態での範囲変更部29)とを備える脇見判定装置であって、前記車両の周囲の混雑度を取得する混雑度取得手段(例えば、実施の形態での混雑度検知部27)と、前記混雑度取得手段により取得された前記混雑度に対して、前記速度検出手段から出力された前記検出結果の前記速度に比べてより大きな重み付けを設定する重み付け手段(例えば、実施の形態での重み付け設定部28)とを備え、前記範囲変更手段は、前記混雑度取得手段により取得された前記混雑度が増大することに伴い、前記設定手段により設定された前記所定範囲を縮小傾向に変化するように変更すると共に、前記重み付け手段により設定された前記重み付けを有する前記速度および前記混雑度に基づいて、前記所定範囲を変更する。
さらに、本発明の第2態様に係る脇見判定装置は、前記運転席に着座した運転者の前記視線方向が正面方向であるときの当該運転者の視野を複数の領域に区分する領域区分手段(例えば、実施の形態での領域区分部26)を備え、前記混雑度取得手段は、前記領域区分手段により区分された前記複数の領域毎に前記混雑度を取得し、前記重み付け手段は、前記領域区分手段により区分された前記複数の領域のうち前記運転者の視野の中心に近い領域ほど前記混雑度に対する前記重み付けが大きくなるように設定する。
本発明の第1態様に係る脇見判定装置によれば、車両の速度に加えて、車両の周囲の混雑度を加味して所定範囲(例えば、脇見状態ではないと判定するための範囲であって、非脇見判定範囲)を設定することにより、車両の状況に応じた適切な設定を行なうことができる。しかも、車両の速度に比べて、運転者の有効視野に対してより大きな影響を与える混雑度の重み付けをより大きく設定することにより、適切に所定の範囲を設定することができ、運転者の脇見を適切に判定することができる。
さらに、本発明の第2態様に係る脇見判定装置によれば、運転者の視野を構成する複数の領域のうち運転者の視野の中心に近い領域ほど混雑度に対する重み付けが大きくなることで、より一層、適切に所定の範囲を設定して、運転者の脇見を適切に判定することができる。
本発明の実施の形態に係る脇見判定装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る脇見判定装置の混雑度検知部により抽出される外界画像の特徴量と基準画像の特徴量との比較結果に基づく外界画像の混雑度の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る脇見判定装置の混雑度検知部により抽出される夜間時の外界画像の特徴量と夜間時用の基準画像の特徴量との例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る混雑度に応じた脇見判定角の変化を示す図である。 本発明の実施の形態に係る脇見判定装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の脇見判定装置の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による脇見判定装置10は、例えば図1に示すように、乗員カメラ11と、外界カメラ12と、車両状態センサ13と、処理装置14と、報知装置15とを備えて構成されている。
乗員カメラ11は、例えば車室内のインスツルメントパネル(図示略)などに配置され、少なくとも車両の運転席に着座した運転者の顔を撮像対象として撮像領域内に含み、例えば可視光領域または赤外線領域にて撮像可能であって、運転者の顔を含む顔画像を出力する。
なお、乗員カメラ11による撮像時に撮像対象(例えば、運転席に着座した運転者の顔など)に可視光線または赤外線などの光を照射可能な乗員撮像用光源が、例えば車室内のインスツルメントパネルにおいて乗員カメラ11から左右にずれた位置などに配置されてもよい。
外界カメラ12は、例えば可視光領域または赤外線領域にて撮像可能であって、車両の外界(例えば、車両の進行方向前方など)の所定領域を撮像して得られる外界画像を出力する。
車両状態センサ13は、例えば、車両の速度(車速)を検出する車速センサと、車体の姿勢や進行方向を検知するジャイロセンサと、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検知するヨーレートセンサとなどを備えて構成され、車両の各種の車両情報(つまり、車速、姿勢、ヨーレートなど)の検出結果の信号を処理装置14に出力する。
処理装置14は、例えば、乗員撮像制御部21と、外界撮像制御部22と、顔画像取得部23と、視線方向検知部24と、外界画像取得部25と、領域区分部26と、混雑度検知部27と、重み付け設定部28と、範囲変更部29と、判定範囲設定部30と、脇見判定部31と、報知制御部32とを備えて構成されている。
乗員撮像制御部21は、乗員カメラ11による撮像を制御する。
外界撮像制御部22は、外界カメラ12による撮像を制御する。
顔画像取得部23は、乗員カメラ11から出力される顔画像を取得する。
視線方向検知部24は、顔画像取得部23により取得された顔画像から運転者の左右の眼球を検知対象物とした特徴量算出および形状判別などの認識処理を行ない、この処理結果に基づき、例えば、眼の虹彩の中心位置や、角膜表面における赤外線の反射像であるプルキニエ像の中心位置や、眼球中心位置などを用いた所定の視線検知処理により運転者の視線方向を検知する。
外界画像取得部25は、外界カメラ12から出力される外界画像(例えば、図2(A)に示す外界画像Pなど)を取得する。
領域区分部26は、外界画像取得部25により取得された外界画像において、運転席に着座した運転者の視線方向が正面方向であるときの運転者の視野を複数の領域に区分する。例えば、図2(B)に示す外界画像Pは運転者の視野に相当し、運転者の視野は等しい大きさの9つの領域P1〜P9に区分されている。
混雑度検知部27は、外界画像取得部25により取得された外界画像に基づき、車両周辺の混雑度を検知する。
混雑度検知部27は、例えば外界画像の複雑さに基づいて車両周辺の混雑度を検知しており、外界画像取得部25により取得された外界画像と、所定の基準画像とのそれぞれから抽出した画像の複雑さに関連する特徴量を比較して、この比較結果に基づき、車両外界の混雑度を算出する。なお、混雑度検知部27は、基準画像の特徴量と外界画像の特徴量との比較結果(例えば、特徴量の差など)と混雑度との所定の対応関係を示すマップなどの混雑度データを記憶しており、この混雑度データに対して、基準画像の特徴量と外界画像の特徴量との比較結果に基づく検索を実行して、車両外界の混雑度を算出する。
具体的には、混雑度検知部27は、領域区分部26により区分された複数の領域毎に画像の複雑さに関連する特徴量を抽出しており、例えば昼間時においては、画像の複雑さに関連する特徴量を画像のヒストグラム、例えば、赤(R)緑(G)青(B)のカラーモデルにおける各RGBのカラーの輝度分布の総体に対応するヒストグラムや、RGBの加法混色により得られる輝度のヒストグラムなどとしている。
例えば図2(C)に示す外界画像Pのように、混雑度検知部27は、例えば図2(B)に示す9つの領域P1〜P9毎に各RGBのカラーの輝度分布の総体に対応するヒストグラム(例えば、横軸が輝度値かつ縦軸が輝度値の頻度となる2次元座標上でのヒストグラム)を抽出する。
また、混雑度検知部27は、例えば図2(D)に示す昼間時用の所定の基準画像S、つまり図2(B)に示す外界画像Pの9つの領域P1〜P9と同じ大きさの9つの領域S1〜S9に区分された所定の基準画像Sに対して、例えば図2(E)に示すように、9つの領域S1〜S9毎に各RGBのカラーの輝度分布の総体に対応するヒストグラムを記憶している。
なお、所定の基準画像Sは、画像の複雑さが所定の程度以下であって、運転者の視認に対する負荷が小さい画像であって、例えば図2(D)に示す所定の基準画像Sは、見通しの良い走行路の画像であって、例えば走行路周辺の構造物や他車両などが存在しない画像とされている。
なお、混雑度検知部27は、所定の基準画像として、車両の走行環境などに応じて切り替え可能な複数の基準画像を記憶していてもよい。
また、混雑度検知部27は、基準画像Sのヒストグラムと外界画像Pのヒストグラムとの間の差異と混雑度との所定の対応関係を示すマップなどの混雑度データを予め記憶している。そして、混雑度検知部27は、この混雑度データに対して、基準画像Sのヒストグラムと外界画像Pのヒストグラムとの比較結果に基づく検索を実行して、例えば図2(F)に示すように、外界画像Pの9つの領域S1〜S9毎に混雑度(例えば、混雑度=70,70,…)を算出する。
また、混雑度検知部27は、例えば図2(G)に示すように、基準画像Sおよび外界画像Pにおいて複数に区分された領域毎に、混雑度データの混雑度に対する重み付け係数のデータ(例えば、重み付け係数=1.0,0.9,…)を記憶している。そして、この重み付け係数のデータを、例えば図2(F)に示す外界画像Pの9つの領域S1〜S9毎の混雑度に適用して、例えば図2(H)に示すような各領域毎の重み付け後の混雑度(例えば、混雑度=42,56,…)を算出する。
なお、例えば図2(G)に示す複数に区分された領域毎に設定された混雑度データの混雑度に対する重み付け係数は、運転者の視野の中心に近い領域ほど混雑度に対する重み付けが大きくなるように設定されている。
そして、混雑度検知部27は、各領域毎の重み付け後の混雑度に基づき、例えばこれらの混雑度の総和(例えば、図2(H)に示す外界画像Pに対する総和=458)などを算出し、この算出結果を外界画像Pの混雑度として出力する。
また、混雑度検知部27は、夜間時においては、画像の複雑さに関連する特徴量を、照明量つまり輝度のヒストグラムとする。つまり、照明量が多いほど混雑度が高く、照明量が少ないほど混雑度が低いと判定する。
この場合、混雑度検知部27は、例えば図3(A)に示すような夜間時の外界画像Pに対して、例えば図3(B)に示すように、9つの領域P1〜P9毎に輝度のヒストグラムを算出する。また、混雑度検知部27は、例えば図3(C)に示すような夜間時用の所定の基準画像Sに対して、例えば図3(D)に示すような9つの領域S1〜S9毎に輝度のヒストグラムを記憶している。
また、混雑度検知部27は、基準画像Sの輝度のヒストグラムと外界画像Pの輝度のヒストグラムとの間の差異と混雑度との所定の対応関係を示すマップなどの混雑度データを予め記憶している。そして、混雑度検知部27は、この混雑度データに対して、基準画像Sの輝度のヒストグラムと外界画像Pの輝度のヒストグラムとの比較結果に基づく検索を実行して、外界画像Pの9つの領域S1〜S9毎に混雑度を算出する。そして、これらの混雑度の総和などを算出し、この算出結果を外界画像Pの混雑度として出力する。
なお、夜間時用の所定の基準画像Sは、照明量が所定量以下の画像であって、例えば図3(C)に示す所定の基準画像Sは、自車両のヘッドライトの照射範囲外における照明量がほぼゼロであって、輝度のヒストグラムにおいて、輝度値がほぼゼロになる画像とされている。
重み付け設定部28は、例えば下記表1に示すように、車両状態センサ13の車速センサから出力される車速と、脇見判定角θを算出するための車速によるスコア(車速スコア)Sv(≦1.0)との所定の対応関係を示すデータを記憶している。
また、重み付け設定部28は、例えば下記表2に示すように、混雑度検知部27から出力される外界画像の混雑度と、脇見判定角θを算出するための混雑度によるスコア(混雑度スコア)Sc(≦1.0)との所定の対応関係を示すデータを記憶している。
なお、脇見判定角θは、例えば、運転席に着座した運転者の視線方向が正面方向であるときにゼロであって、この正面方向から左右にずれた方向が正面方向に対してなす角度とされている。
そして、下記表1,2においては、車速スコアSvは、車速が増大することに伴い、所定の最大値(例えば1.0)から減少傾向に変化するように、混雑度スコアScは、混雑度が増大することに伴い、所定の最大値(例えば1.0)から減少傾向に変化するように設定されている。
Figure 2012022504
Figure 2012022504
そして、重み付け設定部28は、車速スコアSvおよび混雑度スコアScに対する所定の重み付け係数として、例えば車速スコアSvを基準(つまり、1.0)としたときの混雑度スコアScに対する重み付け係数α(>1.0)と、車速スコアSvに対する所定の最大値(車速スコア最大値)Svmax(=1.0)と、混雑度スコアScに対する所定の最大値(混雑度スコア最大値)Scmax(=1.0)と、所定の脇見判定基準角θとに基づき、例えば下記数式(1)に示すように記述される脇見判定角θを演算して、演算結果を出力する。
Figure 2012022504
例えば、車速を50km/hとし、混雑度を300とし、重み付け係数αを1.5とした場合には、車速スコアSvは0.6になり、混雑度スコアScは0.8になり、上記数式(1)により、脇見判定角θは32.4°になる。
なお、所定の脇見判定基準角θは、例えば所定の注視安視野(例えば、前方方向Fから左右に30〜45°の角度範囲など)内で設定されており、例えば脇見判定基準角θ
=45°などである。
これにより、脇見判定角θは、車速に加えて、例えば図4に示すように、車両周囲の混雑度に応じて変化(つまり、混雑度が増大することに伴い、減少傾向に変化)し、車速に比べて、運転者の有効視野に対してより大きな影響を与える混雑度の重み付けがより大きく設定される。
範囲変更部29は、後述する脇見判定部31により実行される判定処理で用いられる脇見判定角が、重み付け設定部28により算出された脇見判定角θに等しくなるようにして、後述する判定範囲設定部30により設定される所定の脇見判定角およびこの脇見判定角に応じた所定範囲(例えば、運転者の正面方向から運転者の正面方向に対して左右に所定の脇見判定角をなす方向に至る範囲などであって、脇見状態ではないと判定するための非脇見判定範囲)を変更する。
なお、重み付け設定部28から出力される脇見判定角θは、車速が増大することに伴い、あるいは、車両周囲の混雑度が増大することに伴い、車速および混雑度に対して設定された重み付けに応じて減少傾向に変化する。これにより、範囲変更部29は、車速が増大することに伴い、あるいは、車両周囲の混雑度が増大することに伴い、判定範囲設定部30により設定される所定範囲を、車速および混雑度に対して設定された重み付けに応じて縮小傾向に変化するように変更する。
判定範囲設定部30は、例えば範囲変更部29から脇見判定角を変更することを指示する指令が出力されていない場合には、例えば車速および混雑度などにかかわらずに一定となる所定の脇見判定角(例えば、所定の脇見判定基準角θに相当)を設定する。そして、この脇見判定角およびこの脇見判定角に応じた所定範囲(つまり、非脇見判定範囲)を出力する。
一方、例えば範囲変更部29から脇見判定角を変更することを指示する指令が出力されている場合には、重み付け設定部28により算出された脇見判定角θに等しくなるようにして所定の脇見判定角を変更し、この変更後の脇見判定角およびこの変更後の脇見判定角に応じた所定範囲(つまり、非脇見判定範囲)を出力する。
脇見判定部31は、視線方向検知部24により検知された運転者の視線方向が、判定範囲設定部30から出力された脇見判定角に応じた所定範囲(つまり、非脇見判定範囲)以外の範囲に向う方向(つまり、脇見方向)である継続時間が、所定時間(例えば、2秒など)以上であるか否かを判定する。
具体的には、脇見判定部31は、運転者の視線方向の角度(例えば、運転席に着座した運転者の正面方向に対して左右方向にずれた視線方向が正面方向に対してなす角度)が脇見判定角よりも大きい状態が所定時間(例えば、2秒など)以上維持された場合には、運転者が脇見をしていると判定し、判定結果の信号を出力する。
一方、運転者の視線方向の角度(例えば、運転席に着座した運転者の正面方向に対して左右方向にずれた視線方向が正面方向に対してなす角度)が脇見判定角以下であれば、運転者が脇見をしていないと判定し、判定結果の信号を出力する。
報知制御部32は、脇見判定部31により運転者が脇見をしていると判定された場合には、報知装置15により所定の報知動作を行なう。
なお、報知装置15は、例えば、触覚的伝達装置と、視覚的伝達装置と、聴覚的伝達装置とを備えて構成されている。
触覚的伝達装置は、例えばシートベルト装置や操舵制御装置などであって、報知制御部32から出力される制御信号に応じて、例えばシートベルトに所定の張力を発生させて自車両の乗員が触覚的に知覚可能な締め付け力を作用させたり、例えばステアリングホイールに自車両の運転者が触覚的に知覚可能な振動(ステアリング振動)を発生させる。
視覚的伝達装置は、例えば表示装置などであって、報知制御部32から入力される制御信号に応じて、例えば表示装置に所定の情報を表示したり、所定の灯体を点滅させる。
聴覚的伝達装置は、例えばスピーカなどであって、報知制御部32から入力される制御信号に応じて所定の音や音声などを出力する。
この実施の形態による脇見判定装置10は上記構成を備えており、次に、この脇見判定装置10の動作、特に、脇見判定角θを算出する処理について説明する。
先ず、例えば図5に示すステップS01においては、車両状態センサ13から出力された車両情報の検出結果、例えば車速の検出結果を取得する。
次に、ステップS02においては、車速によるスコア(車速スコア)Svを算出する。
次に、ステップS03においては、外界カメラ12から出力される車両の前方の外界画像を取得する。
次に、ステップS04においては、昼間であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
次に、ステップS05においては、昼間時用の所定の画像(昼間画像)を昼間時用の基準画像に設定する。
次に、ステップS06においては、外界画像と、昼間時用の基準画像とのそれぞれから抽出した画像の複雑さに関連する特徴量(例えば、輝度のヒストグラムなど)を比較して、この比較結果に基づき、車両外界の混雑度(昼間時混雑度)を算出して、後述するステップS09に進む。
次に、ステップS07においては、夜間時用の所定の画像(夜間画像)を夜間時用の基準画像に設定する。
次に、ステップS08においては、外界画像と、夜間時用の基準画像とのそれぞれから抽出した画像の複雑さに関連する特徴量(例えば、輝度のヒストグラムなど)を比較して、この比較結果に基づき、車両外界の混雑度(夜間時混雑度)を算出して、後述するステップS09に進む。
そして、ステップS09においては、混雑度によるスコア(混雑度スコア)Scを算出する。
次に、ステップS10においては、上記数式(1)により脇見判定角θを算出し、リターンに進む。
上述したように、本実施の形態による脇見判定装置10によれば、車速に加えて、車両の周囲の混雑度を加味して所定範囲(例えば、脇見状態ではないと判定するための範囲であって、非脇見判定範囲)を設定することにより、車両の状況に応じた適切な設定を行なうことができる。しかも、車速に比べて、運転者の有効視野に対してより大きな影響を与える混雑度に対して、より大きな重み付けを行なうことにより、適切に所定範囲を設定することができ、運転者の脇見を適切に判定することができる。
さらに、運転者の視野を構成する複数の領域のうち運転者の視野の中心に近い領域ほど混雑度に対する重み付け係数が大きくなることで、より一層、適切に所定範囲を設定して、運転者の脇見を適切に判定することができる。
なお、上述した実施の形態において、混雑度検知部27は、車両周辺の混雑度を検知する際に、画像の複雑さに関連する特徴量を画像のヒストグラムとしたが、これに限定されず、他の特徴量、例えば外界画像から検知可能なオプティカルフローとしてもよい。
この場合、混雑度検知部27は、例えば、外界画像取得部25により順次取得される時系列での外界画像のフレームにおいて、外界画像中の特徴点を抽出し、特徴点の移動の時間変化から、例えば車両の外界の物体の速度と外界カメラ12の速度とに応じた速度場のベクトル集合からなるオプティカルフローを演算する。そして、外界画像中においてオプティカルフローとなる対象点が多いほど混雑度が大きいと判定する。
なお、上述した実施の形態において、混雑度検知部27は外界画像において領域区分部26により区分された複数の領域毎に外界画像と基準画像との間で特徴量(例えば、ヒストグラム)を比較するとしたが、これに限定されず、例えば領域区分部26を省略して、外界画像の全体あるいは一部と、基準画像の全体あるいは一部との間で特徴量(例えば、ヒストグラム)を比較して、この比較結果に基づいて外界画像の混雑度を検知してもよい。
10 脇見判定装置
11 乗員カメラ
12 外界カメラ
13 車両状態センサ(速度検出手段)
24 視線方向検知部(視線方向検出手段)
26 領域区分部(領域区分手段)
27 混雑度検知部(混雑度取得手段)
28 重み付け設定部(重み付け手段)
29 範囲変更部(範囲変更手段)
30 判定範囲設定部(設定手段)
31 脇見判定部(脇見判定手段)

Claims (2)

  1. 車両の運転席に着座した運転者の視線方向を検出して検出結果を出力する視線方向検出手段と、前記運転者の前方において所定範囲を設定する設定手段と、
    前記視線方向検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記設定手段により設定された前記所定範囲以外の範囲に向かう場合に、前記運転者が脇見状態であると判定する脇見判定手段と、前記車両の速度を検出して検出結果を出力する速度検出手段と、該速度検出手段から出力された前記検出結果の前記速度が増大することに伴い、前記設定手段により設定された前記所定範囲が縮小傾向に変化するように変更する範囲変更手段とを備える脇見判定装置であって、
    前記車両の周囲の混雑度を取得する混雑度取得手段と、
    前記混雑度取得手段により取得された前記混雑度に対して、前記速度検出手段から出力された前記検出結果の前記速度に比べてより大きな重み付けを設定する重み付け手段とを備え、
    前記範囲変更手段は、前記混雑度取得手段により取得された前記混雑度が増大することに伴い、前記設定手段により設定された前記所定範囲を縮小傾向に変化するように変更すると共に、前記重み付け手段により設定された前記重み付けを有する前記速度および前記混雑度に基づいて、前記所定範囲を変更することを特徴とする脇見判定装置。
  2. 前記運転席に着座した運転者の前記視線方向が正面方向であるときの当該運転者の視野を複数の領域に区分する領域区分手段を備え、
    前記混雑度取得手段は、前記領域区分手段により区分された前記複数の領域毎に前記混雑度を取得し、
    前記重み付け手段は、前記領域区分手段により区分された前記複数の領域のうち前記運転者の視野の中心に近い領域ほど前記混雑度に対する前記重み付けが大きくなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の脇見判定装置。
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