JP2012022225A - プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大画面化、高精細化されたプラズマディスプレイパネルにおいても、書込み放電を安定に発生させる駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間においては走査電極に緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧を発生させ、維持期間の最後においては、走査電極に第1の傾斜波形電圧よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を発生させるとともに、維持電極を浮遊電位とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成するとともに、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させる。書込み期間では、表示を行うべき放電セルに選択的に書込みパルス電圧を印加して書込み放電を発生させ壁電荷を形成する(以下、この動作を「書込み」とも記す)。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルス電圧を印加し、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた駆動方法が開示されている。
具体的には、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては直前の維持期間で維持放電を行った放電セルにのみ初期化放電を発生させる選択初期化動作を行う。このように駆動することによって、画像の表示に関係のない発光に依存して変化する黒表示領域の輝度(以下、「黒輝度」と略記する)は全セル初期化動作における微弱発光だけとなり、コントラストの高い画像表示が可能となる(例えば、特許文献1参照)。
近年、パネルの高精細化にともない放電セルのさらなる微細化が進んでいる。この微細化された放電セルでは、壁電荷が失われる電荷抜けと呼ばれる現象が生じやすいことが確認されており、この電荷抜けが発生すると、放電不良が発生して画像表示品質を劣化させ、あるいは、放電の発生に必要な印加電圧が上昇する等の問題が生じる。電荷抜けが発生する主な原因の1つに書込み動作時の放電強度がある。例えば、書込み動作時の放電が強すぎると、発光させる放電セルと非発光の放電セルとが隣接したところで、発光させる放電セルが非発光の放電セルから壁電荷を奪ってしまうことがあり、電荷抜けが発生する。このため大画面化、高精細化されたパネルでは、維持期間の最後の維持パルスの後に、全セル初期化よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を発生させる選択初期化波形によって、書込み動作時の放電強度を低下させ、電荷抜けを抑制している。
しかし、維持期間の最後の維持パルスの立ち下がりで自己消去放電と呼ばれる不要放電が発生しやすいため、それに続く選択初期化放電が不安定になりやすく、その結果、書込み放電が正常に行なわれなくなるという問題があった。このため、維持期間の最後の維持パルスの立ち下がり回収時間を長くして自己消去放電を抑えることで選択初期化放電を安定化させ、書込み放電を正常に発生させるという駆動方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−242224号公報 特開2008−262080号公報
しかしこの駆動方法は、自己消去放電をある程度は抑制することが出来るものの効果は十分とはいえず、選択初期化放電をより安定化させ、書込み放電を正常に行なうことが出来る駆動方法が求められてきた。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、選択初期化放電を安定化させることで書込み放電を正常に行なうことができ、画像表示品質のよいプラズマディスプレイ装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、走査電極と維持電極からなる表示電極対とデータ電極を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、1フィールド期間内に設けた初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの維持期間において輝度重みに応じた回数の維持パルスを表示電極対に交互に印加する維持パルス発生回路を有してプラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えるプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間において、表示電極のいずれか走査電極に緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧を印加し、維持期間の最後において、走査電極に第1の傾斜波形電圧よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を印加するとともに、維持期間における最後の維持パルスが立ち下がる途中で正の電位を印加することを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、走査電極と維持電極からなる表示電極対とデータ電極を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、1フィールド期間内に設けた初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの維持期間において輝度重みに応じた回数の維持パルスを表示電極対に交互に印加する維持パルス発生回路を有してプラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、駆動回路は、1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間において、走査電極に緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧を印加し、維持期間の最後において、走査電極に第1の傾斜波形電圧よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を印加するとともに、維持期間における最後の維持パルスが立ち下がる途中で正の電位を印加することを特徴とする。
本発明によれば、自己消去放電を抑制し、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、選択初期化放電を安定化させることで書込み放電を正常に行なうことができ、画像表示品質のよいプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の駆動方法を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの回路図
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
<実施の形態1>
1、プラズマディスプレイパネル
図1は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のパネル10の構造を示す分解斜視図である。パネル10は、前面板21と背面板31とを備えている。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。また、保護層26は、酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料から形成されている。この保護層26は、放電空間にネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れるため、放電セルにおける放電開始電圧が下がる。背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
2、電極配列
次に、本発明の実施の形態におけるパネル10の走査電極と維持電極とデータ電極の電極配列について説明する。
図2は、本発明の実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。なお、図1、図2に示したように、走査電極SCiと維持電極SUiとは互いに平行に対をなして形成されているために、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間に大きな電極容量Cpが存在する。次に、ディスプレイパネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。各サブフィールドにおいて、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きを持つ。このとき、初期化期間における初期化動作には、全ての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルだけで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み期間では、後に続く維持期間において発光させるべき放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに比例した数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。このときの比例定数を「輝度倍率」と呼ぶ。1フィールドを10のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・第10SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みをもつものとする。1フィールドを10のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・第10SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、3、6、11、18、30、44、60、80)の輝度重みをもつものとする。そして、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第10SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。本実施の形態は、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切り換える構成であってもよい。なお、本実施の形態では、維持期間の最後に傾斜波形電圧を発生させており、これにより、続くサブフィールドの書込み期間における書込み動作を安定させている。
以下、まず駆動回路の構成について説明し、続いて駆動電圧波形の概要について説明する。
駆動回路について図4を用いて説明する。図4は、プラズマディスプレイ装置の構成を示しており、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。
図4に示すように、プラズマディスプレイ装置1は、プラズマディスプレイパネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路を備えている。本実施の形態では、初期化パルス発生回路と書込みパルス発生回路と維持パルス発生回路とをまとめて駆動回路と呼んでいる。つまり、本実施の形態では、走査電極駆動回路43は、走査電極に第1の傾斜波形電圧を印加する。さらに、維持期間において、走査電極駆動回路43と維持電極駆動回路44は維持パルスを交互に印加する。そして、走査電極駆動回路43は、第2の傾斜波形電圧を印加する。
3、駆動電圧波形
次に、本発明の実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧について詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。1つのフィールドは複数のサブフィールドから構成され、サブフィールドは、初期化期間、書込み期間、維持期間と、を備える。それぞれの期間について詳細に説明する。
3−1、初期化期間
図3には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と記載する)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(以下、「選択初期化サブフィールド」と記載する)とを示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極の中から画像データにもとづき選択された電極を表す。まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。第1SFの初期化期間前半部では、データ電極駆動回路42は、データ電極D1〜Dmに、維持電極駆動回路44は、維持電極SU1〜SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜SCnに、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。なお、本実施の形態では、この上りランプ波形電圧を約1.3V/μsecの勾配にして印加される。この上りランプ波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して発生する。そして、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部および維持電極SU1〜SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。なお、この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。初期化期間後半部において、維持電極駆動回路44は、維持電極SU1〜SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極駆動回路42は、データ電極D1〜Dmには0(V)を印加する。そして、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜SCnに、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、データ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。なお、図3の第2SFの初期化期間に示したように、初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち、維持電極駆動回路44は維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1を、データ電極駆動回路42はデータ電極D1〜Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極駆動回路は走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3’から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下りランプ波形電圧を印加する。これにより前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められる。また直前の維持放電によってデータ電極Dk(k=1〜m)上部に十分な正の壁電圧が蓄積されている放電セルでは、この壁電圧の過剰な部分が放電され書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように、前半部を省略した初期化期間における初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
3−2、書込み期間
次に書込み期間について説明する。初期化期間に続く書込み期間では、維持電極駆動回路は、まず維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を印加し、走査電極駆動回路は、走査電極SC1〜SCnに電圧Vcを印加する。そして、走査電極駆動回路は、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極駆動回路は、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2−Va)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
3−3、維持期間
続く維持期間では、まず、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極駆動回路44は、維持電極SU1〜SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。続いて、走査電極SC1〜SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超える。そのため、再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与える。これにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。そして、維持電極駆動回路44は、維持期間の最後の維持パルスVsを維持電極SU1〜SUnに印加する時、走査電極駆動回路43は、走査電極SC1〜SCnにはベース電位となる0(V)を印加する。つまり、走査電極駆動回路が、走査電極に第2の傾斜波形電圧を印加する直前に最後の維持パルスが印加されて、維持放電が発生する。具体的には、維持電極SU1〜SUnを0(V)保持した後、走査電極駆動回路43は、ベース電位となる0(V)から放電開始電圧を超える電圧Versに向かって上昇する第2の傾斜波形電圧である消去ランプ波形電圧を、第1の傾斜波形電圧である上りランプ波形電圧よりも急峻な勾配、例えば約10V/μsecの勾配で発生させるように走査電極SC1〜SCnに印加する。この第2の傾斜波形電圧の発生が開始するとき、最後の維持パルスは、完全に0(V)まで立ち下がらず正の電位Ve3が印加される。そして、第2の傾斜波形電圧の発生が開始する時から、あらかじめ定められた所定電位である電圧Versに到達するまで、最後の維持パルスの正の電位は持続して印加される。
その後、走査電極駆動回路は、走査電極SC1〜SCnに印加する電圧をベース電位となる0(V)まで降下させると同時に、維持電極駆動回路は、維持電極SU1〜SUnをVeまで上昇させる。このとき、この微弱な放電で発生した荷電粒子は、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の電圧差を緩和するように、常に維持電極SUi上および走査電極SCi上に壁電荷となって蓄積されていく。これにより、データ電極Dk上の正の壁電荷を残したまま、走査電極SC1〜SCn上と維持電極SU1〜SUn上との間の壁電圧は、走査電極SCiに印加した電圧と放電開始電圧の差まで弱められる。なお、維持パルスの波高値は、第2の傾斜波形電圧の波高値よりも小さい。また、本実施の形態において、波高値とは、印加されるパルスの中で最も電位が高くなる地点である。続くサブフィールドの動作は、維持期間の維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、本実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。なお、最後の維持パルスの立下りの途中における正の電位は、各サブフィールドに印加されるのが好ましい。これにより、書込み期間における電圧Vaの絶対値を大きくなるように印加しなくても放電消去が効率よく行われるため、輝点が発生するのを抑制することができる。その結果、安定した書込み放電が可能となり、点灯すべきでない放電セルにおいて放電発生を防ぐことができる。
また、実施の形態1では、第2の傾斜波形電圧が印加されている間に正の電位が保持されていたが、途中で正の電位からベース電位である0(V)に切り替わってもよい。特に、第2の傾斜波形電圧が十分に印加されている場合、正の電位からベース電位にして、Ve1を維持電極に印加してもよい。それは、第2の傾斜波形電圧が十分に印加されている場合、放電が十分消去されている状態であるため、正の電位からベース電位にする立下り時に自己消去放電が起こりにくいからである。
なお、本実施の形態では、電圧Versの電圧値を維持パルス電圧Vs+3(V)、例えば、約213(V)に設定しているが、この電圧値に限定されるものではなく、消去動作が円滑に行える範囲で最適に設定すればよい。また、本実施の形態では、消去ランプ波形電圧の勾配を約10V/μsecにする構成を説明したが、この勾配は、2V/μsec以上30V/μsec以下に設定することが望ましい。勾配をこの上限値よりも急峻にすると壁電圧を調整するための放電が微弱な放電とならず、また、勾配をこの下限値よりも緩やかにすると放電そのものが微弱になりすぎてしまい、それぞれ壁電圧の調整がうまく行えない恐れがあるためである。なお本実施の形態では、降下到達電位の下限電圧値をベース電位となる0(V)に設定しているが、この下限電圧値は、続く下りランプ波形電圧による選択初期化動作を円滑に行えるようにするために設定した値に過ぎない。本実施の形態は、この下限電圧値が何ら上述した値に限定されるものではなく、消去動作に続く動作が円滑に行える範囲で最適に設定すればよい。なお、本実施の形態において示した具体的な各数値、例えば電圧Versの電圧値や消去パルス波形電圧の勾配等は、実験に用いた表示電極対数1080の42インチのパネルの特性にもとづき設定したものであって、単に実施の形態の一例を示したに過ぎない。本実施の形態はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適な値に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。
本発明は、大画面化、高精細化されたパネルにおいても、書込み放電を安定に発生させることができ、画像表示品質のよいプラズマディスプレイ装置およびその駆動方法として有用である。
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25、33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層

Claims (6)

  1. 走査電極と維持電極からなる表示電極対とデータ電極を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、1フィールド期間内に設けた初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの前記維持期間において輝度重みに応じた回数の維持パルスを前記表示電極対に交互に印加する維持パルス発生回路を有して前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えるプラズマディスプレイ装置であって、
    前記駆動回路は、
    1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間において、前記走査電極に緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧を印加し、かつ、前記1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの維持期間の最後において、前記維持電極に印加される最後の維持パルスが0(V)へ立ち下がる途中で正の電位を印加すると同時に、前記走査電極に前記第1の傾斜波形電圧よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を印加することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記正の電位は、
    前記第2の傾斜波形電圧の印加が終了するまで印加され続けることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記正の電位は、
    次のサブフィールドの初期化期間が開始するまで一定の電位が保持されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 前記正の電位は、
    各サブフィールドにおいて印加されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記第2の傾斜波形電圧の波高値は、前記維持パルスの波高値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 走査電極と維持電極からなる表示電極対とデータ電極を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、1フィールド期間内に設けた初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの前記維持期間において輝度重みに応じた回数の維持パルスを前記表示電極対に交互に印加する維持パルス発生回路を有して前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えるプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
    前記駆動回路は、
    1フィールド期間の少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間において、前記走査電極に緩やかに上昇する第1の傾斜波形電圧を印加し、
    前記維持期間の最後において、前記走査電極に前記第1の傾斜波形電圧よりも急峻な第2の傾斜波形電圧を印加するとともに、前記維持期間における最後の維持パルスが立ち下がる途中で正の電位を印加すること
    を特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
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