JP2012021417A - 点火プラグの燻り判定装置 - Google Patents

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明渡 大西
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一幸 野田
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Abstract

【課題】点火プラグの燻り判定精度を高めることが可能な燻り判定装置を提供する。
【解決手段】イグニッションコイルの1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっている場合に、現在のエンジン運転領域が飛火発生領域であるか否かをエンジン回転及び負荷率をパラメータとして判定する。エンジン運転領域が飛火発生領域である場合、イオン電流消滅後における電流検出信号(ドリフト電圧値)が所定値以上である場合には「燻り有り」と判定し、所定値未満である場合には「燻り無し」と判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関に備えられる点火プラグの燻りの有無を判定する装置に係る。特に、本発明は、燻り判定精度の向上を図るための対策に関する。
従来より、内燃機関の筒内で混合気が燃焼する際にイオンが発生する特性に着目して、各気筒での燃焼行程毎に筒内で発生するイオン電流を点火プラグの電極を介して検出し、そのイオン電流検出値に基づいて燃焼室内での燃焼状態(例えば失火の有無)を検知する技術が開発されている。
このようなイオン電流を用いた燃焼状態検知システムにおいて、点火プラグに燻り(不完全燃焼時に発生するカーボンが点火プラグの電極周辺の碍子表面に付着する現象)が発生すると、イオン電流の検出精度が悪化して燃焼状態を誤検知しやすくなる。このため、点火プラグの燻り判定を精度良く行う必要がある。
従来の燻り判定方法として、例えば特許文献1では、点火コイルの一次電流通電時に二次コイルに電磁誘導される電圧により発生する漏洩電流の流れる期間が長い程、燻り度合いが大きいと判定するようにしている。
また、特許文献2では、点火プラグへの点火信号通電時に、点火プラグの電極間に流れる電流が所定レベル以上となる期間が所定閾値を超えた場合に点火プラグに燻りが発生していると判定するようにしている。
更に、特許文献3では、燃焼室内での燃焼に伴うイオン電流の発生期間以外の期間(イオン電流の出力が「0」となる期間)において検出された電流値に基づいて点火プラグの燻り度合いを判定するようにしている。
特開2003−83222号公報 特開2004−239085号公報 特開平9−317619号公報
ところが、上述した従来の燻り判定方法では、以下の点で判定精度が十分に確保されているとは言えなかった。
上述した如く点火プラグへの通電期間における通電出力が所定レベル以上となる期間に基づいて燻り判定を行う場合(特許文献1及び特許文献2の場合)、内燃機関の一部の運転領域にあっては、燻りが発生していないにも拘わらず上記通電出力が所定レベル以上となる期間が所定期間を超える場合がある。この場合、点火プラグに燻りが発生していないにも拘わらず、燻りが発生していると誤判定されてしまう。その一例として、エンジンの高回転低負荷運転時には、点火プラグへの通電期間中における微小な電圧変化に起因し、混合気が着火しない程度の放電が点火プラグで発生し(一般に「飛火」と呼ばれている)、この飛火の影響により、燻りが発生していないにも拘わらず上記通電出力が所定レベル以上となる期間が所定期間を超えてしまって上記誤判定を招いてしまう可能性がある。
一方、イオン電流の発生期間以外の期間における電流検出値に基づいて点火プラグの燻り度合いを判定するようにすれば(特許文献3の場合)、上記誤判定は回避されるが、このイオン電流の発生期間以外の期間における電流検出値、つまり、燻り度合いに応じた電流検出値は、エンジンの運転状態等に応じて大きく変化するため、この判定のみで燻り判定精度を高めることは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、点火プラグの燻り判定精度を高めることが可能な燻り判定装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、点火プラグへの通電期間における通電出力の検出と、イオン電流の発生期間以外の期間(イオン電流消滅後の期間)における通電出力の検出との併用により点火プラグの燻り度合いを判定するようにしている。特に、上記飛火が発生する運転領域においてのみ上記2種類の判定動作を併用するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関に備えられた点火プラグの電極間に流れる電流に基づいて燻り判定を行う点火プラグの燻り判定装置を前提とする。この点火プラグの燻り判定装置に対し、上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上で、且つドリフト電流量が所定値以上であるときに点火プラグに燻りが発生していると判定する構成としている。
この特定事項により、仮に点火プラグに燻りが発生しておらず上記飛火が発生している場合には、点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上となっても、ドリフト電流量は所定値未満となる。一方、点火プラグに燻りが発生している場合には、点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上となり、且つドリフト電流量が所定値以上となる。これにより、点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上となった原因が飛火であるのか燻りであるのかを正確に判別することができる。また、ドリフト電流量のみの検出によって燻り判定を行うのではなく、その前提として点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上であることを燻り判定条件としているため、燻り判定の信頼性を大幅に高めることが可能である。
より具体的には、内燃機関の運転領域が飛火運転領域であるか否かを判定し、飛火運転領域であって且つ上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上である場合にのみドリフト電流量が所定値以上であるか否かを判定し、このドリフト電流量が所定値以上であるときに点火プラグに燻りが発生していると判定するようにしている。
この場合、内燃機関の運転領域が飛火運転領域で無く且つ上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上である場合には、ドリフト電流量が所定値以上であるか否かの判定を行うこと無しに点火プラグに燻りが発生していると判定するようにしている。
これによれば、内燃機関の運転領域が飛火運転領域である場合の燻り判定の信頼性の確保と、内燃機関の運転領域が飛火運転領域で無い場合の燻り判定動作の簡素化とを図ることが可能となる。
上記各判定動作として、具体的には、上記点火プラグへの通電時に検出される電流検出信号の値が所定値以上となっている期間が所定期間以上である場合に、この点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上であると判断するようにしている。また、内燃機関の燃焼室内での混合気の燃焼に伴って発生するイオン電流の発生期間の終了後の所定期間として設定された燻り判定期間において検出される電流検出信号の値が所定の燻り判定閾値以上である場合に、ドリフト電流量が所定値以上であると判断するようにしている。
このように、各判定を行う期間を個別に設定することにより、飛火または燻りが発生していることの判定と、イオン電流以外に燻りに伴うドリフト電流が発生していることの判定とをそれぞれ正確に行うことが可能となる。
上記内燃機関の運転領域が飛火運転領域であるか否かの判定としては、上記内燃機関の回転数が所定回転数以上で且つ負荷率が所定値以下である場合に、内燃機関の運転領域が飛火運転領域であると判定するようにしている。
このような運転領域では、点火プラグへの通電期間中における微小な電圧変化に起因し、混合気が着火しない程度の放電(飛火)が点火プラグで発生し、この飛火の影響により、燻りが発生していないにも拘わらず上記検出される電流出力の発生期間が所定期間を超えてしまって誤判定を招いてしまう可能性があった。本発明では、上述した如く、この飛火に起因して上記電流検出信号の値が所定値以上となっている期間が所定期間以上となる場合と、燻りに起因して上記電流検出信号の値が所定値以上となっている期間が所定期間以上となる場合とを明確に判別することが可能であり、点火プラグの燻り判定の信頼性を高めることが可能である。
本発明では、点火プラグへの通電期間における通電出力の検出と、イオン電流の発生期間以外の期間における電流出力の検出との併用により点火プラグの燻り度合いを判定するようにしている。このため、点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上となった原因が飛火であるのか燻りであるのかを正確に判別することができ、燻り判定の信頼性を大幅に高めることが可能になる。
実施形態に係る点火装置の回路構成を示す図である。 点火プラグの一部を破断した側面図である。 図3(a)は燻りが発生していない場合の点火指令信号及び電流検出信号を示す図であり、図3(b)は燻りが発生している場合の点火指令信号及び電流検出信号を示す図である。 燻り判定動作の手順を示すフローチャート図である。 飛火発生領域マップを示す図である。 燻り判定閾値設定テーブルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車用ガソリンエンジンに備えられた点火プラグの燻り判定装置として本発明を適用した場合について説明する。
−点火装置の概略構成−
図1は本実施形態における点火装置を示す概略構成図である。この点火装置は、車両に搭載されたエンジンの点火装置であって、点火プラグ1、イグニッションコイル2、イグナイタ3、バッテリ4、電流検出回路5、及び、エンジンECU(Electronic Control Unit)6などによって構成されている。
点火プラグ1は、図2に示すように、筒状の取付金具11に保持された碍子12と、この碍子12内部に保持され、先端部が碍子12の先端から突出する中心電極13と、この中心電極13に対し所定の火花ギャップGaを隔てて対向する接地電極14とを備えている。
電流検出回路5は、後述するイオン電流及びドリフト電流を検出する回路であって、2つのツェナーダイオード51,52、コンデンサ53、電流検出抵抗54、抵抗55及び反転増幅回路56などによって構成されている。
イグニッションコイル2は1次コイル21と2次コイル22とによって構成されている。1次コイル21の一端はバッテリ4に接続され、他端がイグナイタ3に内蔵されたパワートランジスタ31のコレクタに接続されている。2次コイル22の一端は点火プラグ1に接続され、他端が2つのツェナーダイオード51,52を介して接地されている。
2つのツェナーダイオード51,52は互いに逆向きに直列接続されており、一方のツェナーダイオード51にコンデンサ53が並列に接続され、他方のツェナーダイオード52に電流検出抵抗54が並列に接続されている。コンデンサ53と電流検出抵抗54との間の電位Vinが抵抗55を介して反転増幅回路56の反転入力端子(−)に入力されて反転増幅され、この反転増幅回路56の出力電圧Vが電流検出信号としてエンジンECU6に入力される。
以上の点火装置において、エンジン運転中は、エンジンECU6からイグナイタ3に送信される点火指令信号の立ち上がり/立ち下がりでパワートランジスタ31がオン/オフする。パワートランジスタ31がオンになると、バッテリ4からイグニッションコイル2の1次コイル21に1次電流が流れる。この後、パワートランジスタ31がオフになると、1次コイル21の1次電流が遮断されて2次コイル22に高電圧が電磁誘導される。
この高電圧によって点火プラグ1の中心電極13と接地電極14との間に放電火花が発生して火炎が生成され、火花ギャップGaの近傍に燃焼イオンが存在するようになる。このとき、点火プラグ1の火花ギャップGa間は導通状態となるため、放電電流は点火プラグ1の接地電極14から中心電極13に流れ、イグニッションコイル2の2次コイル22を経て電流検出回路5のコンデンサ53に充電されるとともに、ツェナーダイオード51,52を経て接地側に流れる。コンデンサ53の充電後は、ツェナーダイオード51のツェナー電圧によって規制されるコンデンサ53の充電電圧を電源として電流検出回路5が駆動され、イオン電流やドリフト電流が検出される。
イオン電流及びドリフト電流は、上記放電電流とは逆向きに流れる。つまり、点火終了後は、コンデンサ53の充電電圧によって点火プラグ1の中心電極13と接地電極14との間に電圧が印加されるため、エンジンの気筒内で混合気が燃焼する際に発生する燃焼イオンによって中心電極13と接地電極14との間にイオン電流が流れるが、このイオン電流は、中心電極13から接地電極14へ流れ、さらに、接地側から電流検出抵抗54を通ってコンデンサ53に流れる。このとき、電流検出抵抗54に流れるイオン電流の変化に応じて反転増幅回路56の入力電位Vinが変化し、反転増幅回路56の出力端子からイオン電流に応じた電圧Vが電流検出信号としてエンジンECU6に出力される。この反転増幅回路56の出力電圧Vからイオン電流が検出される。
以上の回路構成において、点火プラグ1の燻り度合が進むと、中心電極13と接地電極14との間の絶縁抵抗値が低下するため、ドリフト電流が中心電極13から接地電極14へ流れる。このドリフト電流も、イオン電流と同じ経路で流れ、電流検出抵抗54に流れるドリフト電流に応じて反転増幅回路56の入力電位Vinが変化し、反転増幅回路56の出力端子からドリフト電流に応じた電圧Vが電流検出信号としてエンジンECU6に出力される。ただし、イオン電流発生時にはイオン電流とドリフト電流とが重畳して流れる。
一方、エンジンECU6は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジンの停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
そして、エンジンECU6は、エンジンに配置された各種センサの検出信号に基づいてエンジンの各種制御を実行する。さらに、エンジンECU6は、下記の燻り判定動作を実行する。尚、エンジンECU6には、点火プラグ1のメンテナンスを運転者に促すための警告ランプ8が接続されている。
−イオン電流及びドリフト電流−
次に、図3を参照して、電流検出回路5の出力(電流検出信号:電圧V)に表れるイオン電流及びドリフト電流について説明する。図3は、点火装置の点火指令信号及び電流検出回路5から出力される電流検出信号の波形図であって、図3(a)は点火プラグ1に燻りが無いときの波形図であり、図3(b)は点火プラグ1に燻りが有るときの波形図である。
図3(a)及び図3(b)のいずれの場合も、時刻t1で点火指令信号の発信が開始され(IGT通電)、時刻t2で点火指令信号の発信が停止されることによって、点火プラグ1の中心電極13と接地電極14との間に高電圧が印加される。これにより、時刻t2から時刻t3までの間に放電火花が飛んで混合気に着火され、時刻t3以後にイオン電流が流れる。このイオン電流は、エンジンの気筒内の圧力の上昇に応じて増加し、気筒内の圧力の低下とともに減少して消滅する。
点火プラグ1に燻りが発生していない場合には、図3(a)に示すように、イグニッションコイル2の1次電流通電開始時(点火指令信号の立ち上がり時t1)に、2次コイル22に電磁誘導される電圧により、短い時間幅(例えば200μsec程度)のパルス状の電流が誘起され、点火指令信号の発信が停止された時点で、2次コイル22の残留磁気エネルギによってLC共振が発生し、その後、イオン電流の波形が現れることになる。
一方、点火プラグ1に燻りが発生しており(燻りの原因であるカーボンの付着状態については図2を参照)、中心電極13と接地電極14との間の絶縁抵抗値が低下している場合には、図3(b)に示すように、イグニッションコイル2の1次電流通電開始時(点火指令信号の立ち上がり時t1)に、2次コイル22に電磁誘導される電圧により、点火プラグ1の中心電極13と接地電極14との間にドリフト電流がイオン電流と同方向に流れる。このドリフト電流はイグニッションコイル2の1次電流通電開始直後から流れ、燻り度合が大きくなるほどドリフト電流が流れる時間が長くなる傾向がある。例えば燻り発生時には500μsec以上の時間となる(図3(b)における時間T1を参照)。また、点火終了後(点火指令信号の立ち下がり時t2)においては、コンデンサ53の充電電圧によって点火プラグ1の中心電極13と接地電極14との間に電圧が印加されるため、燻りにより中心電極13と接地電極14との間の絶縁抵抗値が低下していると、LC共振後(放電後)においても中心電極13と接地電極14との間にドリフト電流がイオン電流と同方向に流れる。このように、燻りが有る状態で着火した場合には、LC共振後にイオン電流とドリフト電流とが重畳して流れるが、イオン電流は比較的短時間で消滅するため(時刻t4)、その後はドリフト電流のみが流れ続ける。従って、ドリフト電流を検出する場合、イオン電流消滅後の時刻t4以降のタイミングで検出すれば、イオン電流の影響を受けずに、ドリフト電流のみを精度良く検出することができる。
以上のように、点火プラグ1に燻りが発生している場合、イグニッションコイル2の1次電流通電開始時(点火指令信号の立ち上がり時t1)、及び、LC共振後(時刻t2以降)に、それぞれドリフト電流が流れるので、点火プラグ1に燻りが発生していない場合に対して電流検出信号(電圧値)に差が生じることになる。
−燻り判定動作−
次に、本実施形態の特徴である燻り判定動作について説明する。この燻り判定動作の概略について説明すると、上記「飛火」が発生するエンジン運転領域(以下、「飛火発生領域」と呼ぶ)にあっては、上記イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号(電圧値)が所定値以上となっている期間の検出による燻り判定(以下、「第1の燻り判定」と呼ぶ場合もある)と、イオン電流消滅後における電流検出信号(ドリフト電流の検出信号:電圧値)の検出による燻り判定(以下、「第2の燻り判定」と呼ぶ場合もある)とを併用する。そして、第1の燻り判定においてイグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上であり、且つ第2の燻り判定においてイオン電流消滅後における電流検出信号(電圧値)が所定値以上である場合には、点火プラグ1に燻りが発生していると判定する。また、エンジン運転領域が「飛火発生領域」にある場合において、第1の燻り判定においてイグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上であったとしても、第2の燻り判定においてイオン電流消滅後における電流検出信号が所定値未満である場合には、点火プラグ1に燻りが発生していないと判定する。
一方、エンジン運転領域が上記「飛火発生領域」以外の運転領域にあっては、上記第1の燻り判定のみを実行する。そして、第1の燻り判定においてイグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっている場合には、点火プラグ1に燻りが発生していると判定する。
以下、この燻り判定動作について具体的に説明する。図4は燻り判定動作の手順を示すフローチャートである。尚、このルーチンはエンジンの各気筒の燃焼行程毎に実行される。つまり、所定のクランク角毎(例えば4気筒エンジンの場合にはクランク角度で180°毎)に実行される。
先ず、ステップST1において、電流検出回路5の出力(電流検出信号)に基づいて、上記イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間(通電出力期間)が所定期間以上となっているか否かを判定する(上記第1の燻り判定の実行)。具体的には、電流検出信号の電圧値が「1.0V」を超えている期間が500μsec以上であるか否かを判定する。この時間の計測は図示しないタイマによって行われる。または、エンジン回転数と図示しないクランク角センサから所定クランク回転毎に発信されるパルス信号(電流検出信号の電圧値が「1.0V」を超えている期間のパルス数のカウント値)とによって算出される。
このステップST1の判定において、電流検出信号が所定値以上となっている通電出力期間が所定期間よりも短く、NO判定された場合には、ステップST6に移り、「燻り無し」と判定する。この場合、点火プラグ1に燻りは発生しておらず、また、上記飛火も発生していない(エンジン運転領域が飛火発生領域にはない)ことになる。
一方、電流検出信号が所定値以上となっている期間(通電出力期間)が所定期間以上であり、ステップST1でYES判定された場合にはステップST2に移る。このステップST2では、現在のエンジン運転領域が上記飛火発生領域であるか否かを判定する。この判定は、上記ROMに予め記憶された飛火発生領域マップ(図5)を参照することにより行われる。この図5に示すように、飛火発生領域マップは、エンジン回転数と負荷率とをパラメータとして飛火発生領域を規定しており、現在のエンジン運転領域が飛火発生領域であるか否かを判定するために利用される。この飛火発生領域は、エンジン回転数が比較的高く且つ負荷率が比較的低い運転領域となっている。また、この飛火発生領域マップで規定されている飛火発生領域は、エンジン回転数が高くなっていくほど負荷率も高くなっていくような領域としてなっている。尚、この飛火発生領域マップは、予め実験・計算等に基づいて経験的に取得した値により作成される。
この高回転低負荷領域(飛火発生領域)では、イグニッションコイル2への1次電流通電期間中における微小な電圧変化に起因して、混合気が着火しない程度の放電が点火プラグ1の電極13,14間で発生(「飛火」の発生)する運転領域である。この場合、この飛火の影響により、燻りが発生していないにも拘わらず上記電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となり、従来技術にあっては、燻り有りと誤判定してしまう可能性のあるものであった。
そこで、本実施形態では、現在のエンジン運転領域が飛火発生領域である場合には、上記ステップST1における第1の燻り判定と、後述する第2の燻り判定とを併用するようにしている(詳しくは後述する)。
上記ステップST2において、現在のエンジン運転領域が飛火発生領域ではなく、NO判定された場合には、ステップST7に移り、「燻り有り」と判定する。つまり、エンジン運転領域が飛火発生領域ではない(ステップST2でNO判定された)にも拘わらず、イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっている(ステップST1でYES判定されている)場合、この電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっている原因は点火プラグ1に燻りが発生しているためであると判断して「燻り有り」と判定する。
一方、現在のエンジン運転領域が飛火発生領域となっており、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、上記第2の燻り判定における電流検出信号の判定閾値となる燻り判定閾値を設定する。この燻り判定閾値は上記ROMに予め記憶された燻り判定閾値設定テーブル(図6)を参照することで設定される。この燻り判定閾値設定テーブルは、エンジン回転数と負荷率とをパラメータとした燻り判定閾値が記憶されており、エンジンの高回転低負荷領域では「1.0V」に設定され、それ以外の運転領域では「0.0V」に設定されている。つまり、エンジンの高回転低負荷領域においてイオン電流消滅後における電流検出信号(電圧値)が「1.0V」以上である場合には、点火プラグ1に燻りが発生していると判定するようになっている。尚、この燻り判定閾値設定テーブルは、予め実験・計算等に基づいて経験的に取得した値により作成される。
このようにして燻り判定閾値を設定した後、ステップST4に移り、第2の燻り判定の実行期間である燻り判定期間に達したか否かを判定する。この燻り判定期間は、イオン電流消滅後であって、仮にドリフト電流が発生している場合には、このドリフト電流のみの検出が可能となる期間である。例えばクランク角度において、燃焼行程にある気筒のピストンの圧縮上死点後150°(ATDC150°)から圧縮上死点後180°(ATDC180°)の期間として設定されている(図3における時刻t5〜時刻t6)。これら値はこれに限定されるものではなく、イオン電流消滅後で且つ次に燃焼行程を迎える気筒に対する点火指令信号が発信される前までの期間であればよい。
燻り判定期間に達していない場合にはステップST4でNO判定され、燻り判定期間に達するまで待機する。つまり、イオン電流が消滅し、仮にドリフト電流が存在する場合には、そのドリフト電流のみが検出可能となるタイミングまで待機する。
燻り判定期間に達し、ステップST4でYES判定されると、ステップST5に移り、イオン電流消滅後における電流検出信号(ドリフト電流の電圧値:ドリフト電圧値)が、上記ステップST3で設定された燻り判定閾値(本実施形態の場合は1.0V)以上であるか否かを判定する。より具体的には、燻り判定期間の開始タイミング(時刻t5)に達した時点でドリフト電圧値と燻り判定閾値との比較を開始し、燻り判定期間の終了タイミング(時刻t6)に達するまで、この比較動作を継続して、一時的でもドリフト電圧値が燻り判定閾値以上となった時期が存在する場合にはこのステップST5でYES判定されることになる。
ドリフト電圧値が燻り判定閾値未満であり、ステップST5でNO判定された場合には、ステップST6に移り、「燻り無し」と判定する。つまり、エンジン運転領域が飛火発生領域である場合に、ドリフト電圧値が燻り判定閾値未満であれば、上記イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっている(ステップST1でYES判定されている)のは、「飛火」が原因であって「燻り」が原因ではないと判断して「燻り無し」と判定する。
一方、ドリフト電圧値が燻り判定閾値以上であり、ステップST5でYES判定された場合には、ステップST7に移り、「燻り有り」と判定する。つまり、エンジン運転領域が飛火発生領域である場合に、上記イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間が所定期間以上となっており(ステップST1でYES判定されており)、且つドリフト電圧値が所定値以上であれば、これらは「燻り」の発生が原因であると判断して「燻り有り」と判定する。
以上のようにして点火プラグ1の燻りの有無を判定し、「燻り無し」と判定された場合には、上記電流検出回路5においてイオン電流が正確に検出可能な状態であるので、このイオン電流の発生の有無によるエンジンの失火判定が行われることになる。
一方、「燻り有り」と判定された場合には、上記イオン電流の発生の有無によるエンジンの失火判定が困難な状況であるため、上記警告ランプ8を点灯して点火プラグ1のメンテナンスを運転者に促す。また、他の失火判定手法による失火判定に切り換えるようにしてもよい。例えば、エンジンの各気筒の燃焼行程期間それぞれにおける回転変動量(燃焼行程において所定クランク角度だけ回転するのに要する時間)の偏差に基づいた失火判定に切り換えるようにする。
以上説明したように、本実施形態では、エンジン運転領域が上記飛火発生領域にある場合には、上記第1の燻り判定(イグニッションコイル2の1次電流通電時の電流検出信号が所定値以上となっている期間の検出による燻り判定)と、上記第2の燻り判定(イオン電流消滅後における電流検出信号の検出による燻り判定)とを併用するようにしている。このため、飛火の発生に起因する誤判定を防止することができ、点火プラグ1の燻り判定の判定精度を高めることが可能となる。その結果、燃焼室内での燃焼状態の判定(例えば失火の判定)の精度も高めることが可能となる。
また、本実施形態では、エンジン運転領域が飛火発生領域である場合には、上記第1の燻り判定と第2の燻り判定とを併用して燻りの有無を判定するようにしている一方、エンジン運転領域が飛火発生領域でない場合には、上記第1の燻り判定のみの実行により燻りの有無を判定するようにしている。このため、エンジン運転領域が飛火運転領域である場合の燻り判定の信頼性の確保と、エンジン運転領域が飛火運転領域でない場合の燻り判定動作の簡素化とを図ることが可能となる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車用ガソリンエンジンに備えられた点火プラグの燻り判定装置として本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用以外のエンジンに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、燻り判定閾値として、エンジン回転数及び負荷率に応じて「0.0V」と「1.0V」との2種類の値を設定するようにしていた。本発明はこれに限らず、3種類以上の値をエンジン回転数及び負荷率に応じて設定するようにしてもよい。つまり、エンジン回転数が高いほど、また、負荷率が低いほど上記燻り判定閾値を大きな値に設定するものである。また、負荷率以外に吸入空気量に応じて燻り判定閾値を設定するようにしてもよい。
本発明は、自動車用ガソリンエンジンに備えられた点火プラグの燻りの有無を判定する装置に適用可能である。
1 点火プラグ
13 中心電極
14 接地電極
2 イグニッションコイル
21 1次コイル
22 2次コイル
5 電流検出回路
6 エンジンECU

Claims (6)

  1. 内燃機関に備えられた点火プラグの電極間に流れる電流に基づいて燻り判定を行う点火プラグの燻り判定装置において、
    上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上で、且つドリフト電流量が所定値以上であるときに点火プラグに燻りが発生していると判定することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
  2. 内燃機関に備えられた点火プラグの電極間に流れる電流に基づいて燻り判定を行う点火プラグの燻り判定装置において、
    上記内燃機関の運転領域が飛火運転領域であるか否かを判定し、飛火運転領域であって且つ上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上である場合にのみドリフト電流量が所定値以上であるか否かを判定し、このドリフト電流量が所定値以上であるときに点火プラグに燻りが発生していると判定することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
  3. 請求項2記載の点火プラグの燻り判定装置において、
    上記内燃機関の運転領域が飛火運転領域で無く且つ上記点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上である場合には、ドリフト電流量が所定値以上であるか否かの判定を行うこと無しに点火プラグに燻りが発生していると判定することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
  4. 請求項1、2または3記載の点火プラグの燻り判定装置において、
    上記点火プラグへの通電時に検出される電流検出信号の値が所定値以上となっている期間が所定期間以上である場合に、この点火プラグへの通電時に検出される電流値が所定値以上であると判断することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
  5. 請求項1、2または3記載の点火プラグの燻り判定装置において、
    内燃機関の燃焼室内での混合気の燃焼に伴って発生するイオン電流の発生期間の終了後の所定期間として設定された燻り判定期間において検出される電流検出信号の値が所定の燻り判定閾値以上である場合に、ドリフト電流量が所定値以上であると判断することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
  6. 請求項4または5記載の点火プラグの燻り判定装置において、
    上記内燃機関の回転数が所定回転数以上で且つ負荷率が所定値以下である場合に、内燃機関の運転領域が飛火運転領域であると判定することを特徴とする点火プラグの燻り判定装置。
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