JP2012020445A - 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法 - Google Patents

洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012020445A
JP2012020445A JP2010158955A JP2010158955A JP2012020445A JP 2012020445 A JP2012020445 A JP 2012020445A JP 2010158955 A JP2010158955 A JP 2010158955A JP 2010158955 A JP2010158955 A JP 2010158955A JP 2012020445 A JP2012020445 A JP 2012020445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
cleaning
cleaning liquid
cylinder
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010158955A
Other languages
English (en)
Inventor
Hide Morito
戸 秀 森
Hiroki Michiie
家 弘 毅 道
Toshihiko Takeda
田 利 彦 武
Mari Niimura
村 万 里 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2010158955A priority Critical patent/JP2012020445A/ja
Publication of JP2012020445A publication Critical patent/JP2012020445A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

【課題】洗浄液を適切に洗浄布に供給する洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置10は、ブランケット版胴20の外周面20aを洗浄する帯状の洗浄布25を巻き出す巻出ロール11と、巻出ロール11からの洗浄布25を巻き取る巻取ロール12と、巻出ロール11と巻取ロール12との間に設けられ、洗浄布25をブランケット版胴20の外周面20aに押し付ける押圧部13と、洗浄布25に洗浄液を供給する洗浄液供給部14と、を備えている。洗浄液供給部14は、洗浄液を洗浄布25に向かって吐出する吐出口15を有している。この吐出口15は、洗浄布25に当接した状態で洗浄布25に対して洗浄液を吐出するよう構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、印刷用の胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置に関する。また本発明は、当該洗浄装置を備えた印刷機に関する。また本発明は、当該洗浄装置を用いて転写用胴の外周面に付着した有機層用のインキを洗浄する工程を備えた印刷方法および有機層形成方法に関する。
印刷装置におけるブランケット胴、版胴または圧胴などの胴を洗浄するための洗浄装置として、帯状の洗浄布を胴の外周面に押し付けて胴の洗浄を行う洗浄装置が知られている。このような洗浄装置は、一般に、洗浄布を巻き出す巻出ロールと、巻出ロールからの洗浄布を巻き取る巻取ロールと、巻出ロールと巻取ロールとの間に設けられ、洗浄布を胴の外周面に押し付ける押圧部と、を備えている。この場合、洗浄布は、巻出ロールから巻取ロールに向かって送られながら、胴の外周面に対して押し付けられる。これによって、胴の外周面上に付着したインキなどが洗浄される。
洗浄装置においては、洗浄布による洗浄効果を高めるため、一般に、胴の外周面に押し付けられる前の洗浄布に対して洗浄液が供給される。例えば、洗浄装置には、巻出ロールと押圧部との間に設けられた噴出ノズルを有する洗浄液供給部が設けられており、この洗浄液供給部の噴出ノズルから、洗浄布に対して洗浄液が噴射される。これによって、洗浄液が洗浄布に滲みこみ、このことにより、胴の外周面に付着したインキなどに対する洗浄効果が高められる。
特開昭63−114654号公報
ところで、洗浄布に対して洗浄液を噴射し、これによって洗浄液を洗浄布に滲みこませる場合、洗浄液を洗浄布に十分に滲みこませるため、実際に洗浄布に滲みこむ量よりも多量の洗浄液が洗浄布に対して噴射される場合がある。このため、洗浄に利用されることなく消散する洗浄液が存在することになる。また、洗浄液が過剰に噴射された洗浄布により胴が洗浄されると、胴の外周面に多量の洗浄液が付着し、このため、胴の外周面に付着した洗浄液が完全に乾かない場合がある。この場合、胴の外周面に残留している洗浄液に起因して、当該胴を用いて転写されるインキの厚みにムラが生じることが考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、印刷用の胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置において、胴の外周面を洗浄する帯状の洗浄布を巻き出す巻出ロールと、前記巻出ロールからの洗浄布を巻き取る巻取ロールと、前記巻出ロールと前記巻取ロールとの間に設けられ、前記洗浄布を前記胴の外周面に押し付ける押圧部と、前記洗浄布に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を備え、前記洗浄液供給部は、前記巻出ロールと前記押圧部との間に設けられ、洗浄液を前記洗浄布に向かって吐出する吐出口を有し、前記吐出口は、前記洗浄布に当接した状態で洗浄液を吐出するよう構成されることを特徴とする洗浄装置である。
本発明による洗浄装置において、前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する吐出ヘッドを有し、前記吐出口は、前記吐出ヘッドの側面に形成された開口部に接続されていてもよい。この場合、前記吐出ヘッド内に、前記吐出口と同一水平面上に位置する制限部材が挿入されていてもよい。
本発明による洗浄装置において、前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する吐出ヘッドと、当該吐出ヘッドに洗浄液を供給する洗浄液供給管と、を有し、前記吐出口は、前記吐出ヘッドの側面に形成された開口部に接続されていてもよい。この場合、
前記洗浄液供給管に、洗浄液供給管から前記吐出ヘッドへの洗浄液の流れを遮蔽する遮蔽弁が設けられていてもよい。
本発明による洗浄装置において、前記洗浄布は、ポリエステル系繊維、または、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維との組合せからなっていてもよい。
本発明による洗浄装置において、前記胴の外周面に付着したインキが、有機EL装置の正孔輸送層または発光層を形成するためのインキからなり、前記洗浄液が、芳香族溶媒を含む有機溶剤からなっていてもよい。
本発明による洗浄装置において、前記胴の外周面に付着したインキが、有機EL装置の正孔注入層を形成するためのインキからなり、前記洗浄液が、水を含む溶剤、若しくはアセトンを含む有機溶剤からなっていてもよい。
本発明は、被印刷物上にインキを印刷する印刷機において、複数のセルが形成されたインキ版と、前記インキ版にインキを供給するインキ供給部と、前記インキ供給部から供給されたインキを前記インキ版のセル内に充填させるドクターシステムと、前記インキ版に当接して前記セル内のインキを受けるとともに、被印刷物上にインキを転移させる転写用胴と、転写用胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置であって、上記記載の洗浄装置と、を備えたことを特徴とする印刷機である。
本発明は、被印刷物上にインキを印刷する印刷機において、複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴と、前記インキ版胴にインキを供給するインキ供給部と、前記インキ供給部から供給されたインキを前記インキ版胴のセル内に充填させるドクターシステムと、前記インキ版胴に当接して前記セル内のインキを受けるとともに、被印刷物上にインキを転移させる転写用胴と、インキ版胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置であって、上記記載の洗浄装置と、を備えたことを特徴とする印刷機である。
本発明は、被印刷物上にインキを印刷する印刷方法において、被印刷物を準備する工程と、複数のセルが形成されたインキ版にインキを供給する工程と、前記インキ版のセル内にインキを充填させる工程と、転写用胴を前記インキ版に当接させることにより、転写用胴がインキ版の各セルからインキを受ける工程と、前記転写用胴のインキを被印刷物上に転移させる工程と、上記記載の洗浄装置を用いて、前記転写用胴の外周面に付着したインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする印刷方法である。
本発明は、被印刷物上にインキを印刷する印刷方法において、被印刷物を準備する工程と、複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴にインキを供給する工程と、前記インキ版胴のセル内にインキを充填させる工程と、転写用胴を前記インキ版胴に当接させることにより、転写用胴がインキ版胴の各セルからインキを受ける工程と、前記転写用胴のインキを被印刷物上に転移させる工程と、上記記載の洗浄装置を用いて、前記インキ版胴の外周面に付着したインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする印刷方法である。
本発明は、有機EL装置の有機層を形成する有機層形成方法において、有機EL装置用の基板を準備する工程と、有機層用のインキを、複数のセルが形成されたインキ版に供給する工程と、前記インキ版のセル内にインキを充填させる工程と、転写用胴を前記インキ版に当接させることにより、転写用胴がインキ版の各セルからインキを受ける工程と、前記転写用胴のインキを有機EL装置用の基板上に転移させる工程と、上記記載の洗浄装置を用いて、前記転写用胴の外周面に付着した有機層用のインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする有機層形成方法である。
本発明は、有機EL装置の有機層を形成する有機層形成方法において、有機EL装置用の基板を準備する工程と、有機層用のインキを、複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴に供給する工程と、前記インキ版胴のセル内にインキを充填させる工程と、転写用胴を前記インキ版胴に当接させることにより、転写用胴がインキ版胴の各セルからインキを受ける工程と、前記転写用胴のインキを有機EL装置用の基板上に転移させる工程と、上記記載の洗浄装置を用いて、前記インキ版胴の外周面に付着した有機層用のインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする有機層形成方法である。
本発明の洗浄装置によれば、洗浄液供給部は、巻出ロールと押圧部との間に設けられ、洗浄液を洗浄布に向かって吐出する吐出口を有している。この吐出口は、洗浄布に当接した状態で洗浄液を吐出するよう構成されている。このため、洗浄液を必要な量だけ精度良く洗浄布に供給することができ、このことにより、無駄になる洗浄液の量を削減することができる。さらに、胴の外周面に残留する洗浄液の量を低減させることができ、このことにより、その後に当該胴を用いて転写されるインキの厚みにムラが生じるのを防ぐことができる。
図1は、本発明の実施の形態における印刷機を示す図。 図2は、図1の印刷機の洗浄装置を拡大して示す図。 図3は、図2の洗浄装置の洗浄液供給部を拡大して示す図。 図4は、図3に示す洗浄液供給部の縦断面図。 図5は、図3に示す洗浄液供給部のV−V線に沿った横断面図。 図6は、図2に示す洗浄装置の洗浄布を矢印VI方向から見た場合を示す図。 図7は、図6に示す洗浄布のVII−VII線に沿った断面図。 図8は、図6に示す洗浄布を拡大して示す図。
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。はじめに図1を参照して、本発明による洗浄装置10を備えた印刷機1全体について説明する。
印刷機
図1に示すように、平台の枚葉印刷機1は、フレーム5と、フレーム5上に固定され、その上面に複数のセル3を有する平板状のグラビア版(インキ版)2と、フレーム5上に固定され、平板状の被印刷物9が載置される定盤6と、フレーム5上を矢印Pで示す印刷方向に沿って走行可能となるようフレーム5に設けられたブランケット胴(転写用胴)20と、を備えている。
また図1に示すように、グラビア版2上には、グラビア版2の上面にインキ4を供給するインキ供給部7と、インキ供給部7から供給されたインキ4をグラビア版2のセル3に充填させるドクターシステム8と、が設けられている。ドクターシステム8は、グラビア版2上のインキ4を図1における右方向に向かって掻く第1ドクター8aと、インキ4を図1における左方向に向かって掻く第2ドクター8bと、各ドクター8a,8bを上下方向に駆動可能なドクター駆動部8cと、を有している。
有機EL装置や有機薄膜トランジスタ(有機TFT)に用いられる有機層では膜の均一性が要求される。本実施の形態による平台の枚葉印刷機1は、そのような有機層を形成する際に用いることができる。例えば、被印刷物9は、有機ELに用いられる有機層を形成するための有機EL装置用の基板を含む。このような被印刷物9としては、例えば、何も載置されていないガラス基板や、有機ELや有機TFTに用いられる有機層の幾つかが既に形成されているガラス基板や、絶縁層および電極(ITOなど)が既に形成されているガラス基板や、何も形成されていないフィルム基板や、有機ELや有機TFTに用いられる有機層の幾つかが既に形成されているフィルム基板や、絶縁層および電極(ITOなど)が既に形成されているフィルム基板などを用いることができる。
図示はしないが、このようなこのようなガラス基板やフィルム基板などの被印刷物9に形成される有機層としては、例えば、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層などを挙げることができる。ここで、印刷により形成される各有機層の厚みは、例えば10〜1000nmの範囲内となっている。
インキ
次に、上述の有機層を印刷により形成するために用いられるインキ4について説明する。インキ4は、溶媒と、溶媒中に溶解された固形分からなっている。インキ4としては、例えば、せん断速度100/秒における粘度(インキ温度23℃)が1〜200cPの範囲内となっているインキ4が用いられる。このように、本実施の形態における印刷機1で用いられるインキ4は、一般的なインキよりも粘度が小さくなっている。尚、インキ4の粘度測定は、例えば、Physica社製の粘弾性測定装置MCR301型を用いて、測定温度23℃で定常流測定モードにより行うことができる。
また、印刷機1で用いられるインキ4において、使用している溶媒の表面張力が40dyne/cm以下、好ましくは20〜37dyne/cmの範囲内であり、かつ、沸点が150〜265℃、好ましくは170〜230℃の範囲内であることが好ましい。
なお、インキ4に使用している溶媒の表面張力が40dyne/cmを超えると、グラビア版2からブランケット胴20へのインキ4の受理性が低下することが考えられ、好ましくない。さらに、インキ4の溶媒の沸点が150℃未満であると、ブランケット胴20から被印刷物9に転移されたインキ4が直ちに乾燥し、これによって、インキ4により形成される有機層にスジが発生しやすくなることが考えられる。また、インキ4の溶媒の沸点が265℃を超えると、インキ4の乾燥が困難となり、乾燥ゾーンでの乾燥による被印刷物9等への影響が生じること、溶剤の残留を生じることなどが考えられ、好ましくない。尚、溶媒の表面張力の測定は、例えば、協和界面科学(株)製の表面張力計CBVP−Z型により、液温20℃で行うものとする。
(インキの固形分)
インキ4に用いる溶媒および固形分は、印刷機1によって被印刷物9上に形成する有機層に応じて適宜選択される。例えば、印刷機1によって有機発光デバイスの発光素子層の発光層を形成する場合、発光層用のインキ4の固形分として、下記のような色素系、金属錯体系、高分子系のものを挙げることができる。
(1)色素系発光材料
シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等が挙げられる。
(2)金属錯体系発光材料
アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポリフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体が挙げられる。
(3)高分子系発光材料
ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
発光層用のインキ4における上述の固形分の含有量は、好ましくは、1.5〜4.0重量%の範囲で設定される。
また、印刷機1によって有機発光デバイスの発光素子層の正孔輸送層を形成する場合、正孔輸送層用のインキ4の固形分として、例えば、オキサジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチルベン二量体等の材料が挙げられる。
また、印刷機1によって有機発光デバイスの発光素子層の正孔注入層を形成する場合、正孔注入層用のインキ4の固形分として、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー等の誘電性高分子オリゴマー等、を挙げることができる。
(インキの溶媒)
また、印刷機1によって有機発光デバイスの発光素子層の発光層を形成する場合、インキ4の溶媒として、表面張力が上記の範囲(40dyne/cm以下)を満足し、かつ、沸点が上記の範囲(150〜265℃)を満足するもの、例えば、クメン、アニソール、n−プロピルベンゼン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、リモネン、p−シメン、o−ジクロロベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、安息香酸メチル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、アミルベンゼン、テトラリン、安息香酸エチル、フェニルヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸ブチル等を単独で使用することができる。また、混合溶媒を使用する場合には、混合比に応じた割合で計算した表面張力と沸点が上記の範囲を満足するものを使用する。例えば、表面張力がAdyne/cm、沸点がB℃の溶媒1と、表面張力がCdyne/cm、沸点がD℃の溶媒2とを3:7の重量比で混合した混合溶媒の場合、混合比に応じた割合で計算した表面張力[(A×3/10)+(C×7/10)]が上記の範囲(40dyne/cm以下)を満足し、かつ、混合比に応じた割合で計算した沸点[(B×3/10)+(D×7/10)]が上記の範囲(150〜265℃)を満足することが必要となる。したがって、混合溶媒を構成する個々の溶媒は、表面張力と沸点が上記の範囲から外れるものであってもよい。
このようなインキ4を用いて印刷機1により被印刷物9上に有機層を形成する場合、はじめに、インキ4がインキ供給部7からグラビア版2の上面に供給される。次に、ドクターシステム8の第1ドクター8aにより、インキ4がグラビア版2のセル3に充填される。その後、ブランケット版胴20がグラビア版2上を走行し、これによって、ブランケット版胴20の外周面20aによりグラビア版2のセル3内のインキ4が受理される。
次に、ブランケット胴20が被印刷物9上を走行する。これによって、ブランケット版胴20の外周面20a上のインキ4が被印刷物9上に転移される。その後、転移されたインキ4を適宜乾燥させることにより、被印刷物9上に有機層が形成される。
ここで、インキ4を被印刷物9上に転移させた後のブランケット版胴20の外周面20aには、通常、所定量のインキ4が残存している。このような残存インキ4を除去するため、印刷機1には、図1に示すように、ブランケット版胴20の外周面20aに付着したインキ4を洗浄するための洗浄装置10が設けられている。以下、本実施の形態による洗浄装置10について詳細に説明する。
洗浄装置
図2は、図1の印刷機1の洗浄装置10を拡大して示す図である。図2に示すように、洗浄装置10は、ブランケット版胴20の外周面20aを洗浄する帯状の洗浄布25を巻き出す巻出ロール11と、巻出ロール11からの洗浄布25を巻き取る巻取ロール12と、巻出ロール11と巻取ロール12との間に設けられ、洗浄布25をブランケット版胴20の外周面20aに押し付ける押圧部13と、洗浄布25に洗浄液18(図4参照)を供給する洗浄液供給部14と、を備えている。
図2に示すように、巻出ロール11からの洗浄布25は、ガイドロール21、洗浄液供給部14、および押圧部13を介して巻取ロール12へ送られる。ここで押圧部13は、図2に示すように、洗浄布25をブランケット版胴20の外周面20aに押し付ける押圧ヘッド13aと、押圧ヘッド13aにその一端が固定されたエアシリンダ13bと、エアシリンダ13bの他端に接続されるとともにエアシリンダ13bを伸縮させる駆動部13cと、を有している。また図2に示すように、洗浄布25の両面のうち、洗浄時にブランケット胴20に接する面が表面25aとなっており、表面25aの反対側の面が裏面25bとなっている。
洗浄液供給部
図3は、図2の洗浄装置10の洗浄液供給部14を拡大して示す図である。図2および図3に示すように、洗浄液供給部14は、洗浄液18を貯留する吐出ヘッド16と、巻出ロール11と押圧部13との間に設けられ、吐出ヘッド16に貯留された洗浄液18を洗浄布25に向かって吐出する吐出口15と、吐出ヘッド16に洗浄液18を供給する洗浄液供給管17と、を有している。このうち吐出口15は、図3に示すように、洗浄布25に当接した状態で洗浄布25に対して洗浄液18を吐出するよう構成されている。例えば、吐出口15は、巻出ロール11から巻取ロール12に向かって送られる洗浄布25に常に当接するよう配置されている。
洗浄液供給管17は洗浄液タンク(図示せず)に接続されており、この洗浄液供給管17により、洗浄液タンク内の洗浄液18が吐出ヘッド16に供給される。この洗浄液供給管17には、図3に示すように、洗浄液供給管17から吐出ヘッド16への洗浄液18の流れを遮蔽することができる遮蔽弁17aが設けられている。このため、巻出ロール11から巻取ロール12への洗浄布25の送りが停止されている間、すなわち洗浄装置10による洗浄動作が停止されている間、洗浄液タンク内の洗浄液18が吐出ヘッド16に供給されるのを停止することができる。このことにより、洗浄液供給部14の吐出口15から洗浄布25に対して洗浄液18が無駄に吐出されるのを防ぐことができる。
(吐出ヘッドおよび吐出口)
次に、図4および図5を参照して、洗浄液供給部14の吐出ヘッド16および吐出口15についてより詳細に説明する。図4は、図3に示す洗浄液供給部14の吐出ヘッド16および吐出口15を示す縦断面図であり、図5は、図3に示す洗浄液供給部14の吐出ヘッド16および吐出口15のV−V線に沿った横断面図である。
図4および図5に示すように、吐出ヘッド16の側面には開口部16aが形成されており、この開口部16aに吐出口15が接続されている。また吐出ヘッド16内には、少なくともその一部分が吐出口15と同一水平面上に位置する制限部材16bが挿入されている。
このように吐出ヘッド16内に制限部材16bを挿入することにより、吐出ヘッド16の体積および表面積を十分に大きくするとともに、吐出ヘッド16に貯留される洗浄液18の体積をより小さくすることが可能となる。
この場合、吐出ヘッド16の体積および表面積を十分に大きくすることにより、吐出ヘッド16に接続される吐出口15または洗浄液供給管17として、より大きな吐出口15または洗浄液供給管17を選択することが可能となる。また、吐出ヘッド16の外側表面上の様々な場所に吐出口15または洗浄液供給管17を接続することが可能となる。すなわち、吐出ヘッド16の体積および表面積を十分に大きくすることにより、吐出ヘッド16に洗浄液供給部14の様々な構成要素を接続する際の自由度を高くすることができる。
一方、吐出ヘッド16に貯留される洗浄液18の体積を小さくすることにより、吐出口16からの意図しない洗浄液18の漏れを抑制することができる。例えば、洗浄装置10による洗浄が停止されている場合に、何らかの原因により吐出ヘッド16が振動すると、吐出ヘッド16内に貯留されている洗浄液18の液面が振動し、これによって洗浄液18が吐出口15から漏れることが考えられる。ここで本実施の形態によれば、吐出ヘッド16に貯留される洗浄液18の体積が制限部材16bにより制限されており、このため、制限部材16bが挿入されていない場合に比べて、吐出口15から漏れる洗浄液18の量を低減させることができる。この効果は、制限部材16bを、少なくともその一部分が吐出口15と同一水平面上に位置するよう配置することにより、より顕著になると考えられる。吐出口15と同一の水平面上における吐出ヘッド16の断面積(洗浄液18を貯留可能な部分の面積)をより小さくすることにより、吐出ヘッド16の振動時に吐出口15よりも高い位置まで移動する洗浄液18の量をより少なくすることができると考えられるからである。
なお、制限部材16bは、好ましくは、より吐出口15側に偏らせて配置される。具体的には、制限部材16bと開口部16aとの間の間隔dが、制限部材16bと吐出ヘッド16の内側表面との間の間隔dよりも小さくなるよう、制限部材16bが配置される。これによって、吐出ヘッド16の振動時に吐出口15から漏れる洗浄液18の量をより低減させることができる。
なお、洗浄が停止されている場合に制限部材16bにより洗浄液18の漏れが低減される効果について説明したが、これに限られることはない。例えば洗浄時であっても、制限部材16bを設けることにより、吐出ヘッド16が振動した場合に、意図されている量よりも多い量の洗浄液18が吐出口15から洗浄布25に対して吐出されるのを防ぐことができる。
制限部材16bを構成する材料が特に限られることはなく、用いられる洗浄液18の特性などに応じて適宜材料が選択される。例えば制限部材16bの材料としてステンレス鋼が用いられる。また制限部材16bの形状が特に限られることはなく、吐出ヘッド16の形状や、求められる体積などに応じて、適宜形状が設計される。例えば、板状、棒状などの制限部材16bが用いられる。
洗浄液
本実施の形態による洗浄装置10において用いられる洗浄液18は、ブランケット胴20の外周面20aに付着するインキ4の特性に応じて適宜選択される。例えば、有機EL装置の正孔輸送層または発光層を形成するためのインキが用いられる場合、洗浄液18として、トルエンなどの芳香族溶媒を含む有機溶剤が用いられる。また、有機EL装置の正孔注入層を形成するためのインキが用いられる場合、洗浄液として、水を含む溶剤、若しくはアセトンを含む有機溶剤が用いられる。
なおトルエンなどの芳香族溶媒は、常温で高い揮発性を有するとともに、その引火点が低い液体である。このため、トルエンなどの芳香族溶媒を含む洗浄液18を噴射により、とりわけ圧縮噴射により洗浄布25に対して供給することは大きな危険を伴う。
ここで本実施の形態によれば、上述のように、洗浄液供給部14の吐出口15は、洗浄布25に当接した状態で洗浄液18を吐出するよう構成されている。このため、トルエンなどの芳香族溶媒を含む洗浄液18を洗浄布25に供給する際、トルエンなどの芳香族溶媒を含む洗浄液18が引火することはない。このように本実施の形態によれば、吐出口15を洗浄布25に当接させて洗浄液18を洗浄布25に供給することにより、様々な種類の洗浄液18を利用することを可能としている。
洗浄布
次に図6乃至図8を参照して、本実施の形態による洗浄装置10において用いられる洗浄布25についてより詳細に説明する。図6は、図2に示す洗浄装置10の洗浄布25を矢印VI方向から見た場合を示す図であり、図7は、図6に示す洗浄布25のVII−VII線に沿った断面図であり、図8は、図6に示す洗浄布25を拡大して示す図である。
図6に示すように、洗浄布25は、多数の繊維26を規則的に3次元交絡させることにより構成されている。図7に示すように、洗浄布25を構成する各繊維26の繊維径はtとなっており、洗浄布25を構成する各繊維26の3次元交絡の交絡長さはtとなっている。ここで「繊維径t」とは、洗浄布25の法線方向Dにおける各繊維26の厚みのことである。また「3次元交絡の交絡長さt」とは、3次元交絡している繊維26が洗浄布25の表面25aまたは裏面25bのどちらか一方に露出する際の露出部分の長さのことである。
好ましくは、繊維径tの平均値は100〜300μmの範囲内となっている。なお繊維径tの平均値は、例えば、任意の10箇所において測定された繊維径tを平均することにより算出される。
また好ましくは、3次元交絡の交絡長さtは100〜300μmの範囲内となっている。なお図6および図7においては、多数の繊維26が規則的に3次元交絡されている例を示したが、これに限られることはなく、図示はしないが、多数の繊維26が不規則に3次元交絡されていてもよい。この場合、好ましくは、3次元交絡の交絡長さtの平均値が100〜300μmの範囲内となっている。3次元交絡の交絡長さtの平均値は、例えば、任意の10箇所において、繊維26が洗浄布25の表面25aまたは裏面25bのどちらか一方に露出する際の露出部分の長さを測定し、これらの測定値を平均することにより算出される。
次に、洗浄布25を構成する各繊維26の好ましい形態について説明する。図8に示すように、洗浄布25を構成する各繊維26は、多数の単位繊維26aを束ねることにより形成されている。このように多数の単位繊維26aから繊維26が構成される場合、洗浄布25の端部において、いくつかの単位繊維26aがほぐれて洗浄布25から外側に突出することが考えられる。このような状態の洗浄布25を用いてブランケット胴20の洗浄を行うと、突出した単位繊維26aが洗浄布25から分離されてブランケット胴20の外周面20aに付着することがある。その後、外周面20aに単位繊維26aが付着した状態のブランケット胴20を用いて有機EL装置の発光層などを形成すると、形成された発光層などに単位繊維26aが混入し、これによって発光不良などの不具合が生じることがある。
単位繊維26aの混入による上述のような不具合を防ぐため、好ましくは、突出する単位繊維26aの太さは5μmよりも小さくなっており、また、突出する単位繊維26aの突出長さは100μmよりも短くなっている。これによって、単位繊維26aの混入に起因する発光不良などの不具合が生じるのを防ぐことができる。
洗浄布25を構成する繊維26の材料は、洗浄液の特性、ブランケット胴20の材質などに応じて適宜選択される。例えば、洗浄布25を構成する繊維26として、ポリエステル系繊維が100%用いられてもよく、若しくは、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維との組合せが用いられてもよい。ポリアミド系繊維としては、例えばナイロンが用いられる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、ブランケット胴20の外周面20aに付着したインキ4を洗浄装置10により洗浄する方法について説明する。
胴の洗浄方法
まず図1に示すように、外周面20aにインキ4が付着したブランケット胴20を、洗浄装置10の下方まで移動させる。次に、洗浄装置10を下方に移動させる。その後、巻出ロール11から巻取ロール12へ向けて帯状の洗浄布25を送り出す。同時に、洗浄液供給部14から洗浄布25への洗浄液18の供給を開始する。
洗浄液供給部14による洗浄布25への洗浄液18の供給についてより詳細に説明する。はじめに、洗浄液供給管17の遮蔽弁17aを開放する。これによって、洗浄液タンク(図示せず)から吐出ヘッド16へ洗浄液18が供給される。
洗浄液タンクから供給される洗浄液18により、吐出ヘッド16内に貯留される洗浄液18の液面が上昇する。洗浄液18の液面が吐出口15と同一の水平面上に到達すると、洗浄液18が吐出口15から吐出される。
ここで本実施の形態によれば、上述のように、吐出口15は、洗浄布25に当接するよう配置されている。このため、吐出口15から吐出される洗浄液18は全て洗浄布25に供給される。このように本実施の形態によれば、洗浄液タンクから吐出ヘッド16に供給される洗浄液18を確実に洗浄布25に対して供給することができる。このため、洗浄液タンクから吐出ヘッド16に供給される、単位時間あたりの洗浄液の量を、洗浄において必要とされる、単位時間あたりの洗浄液の量にほぼ等しく設定することができる。このことにより、噴射により洗浄液18を洗浄布25に対して供給する場合に比べて、無駄になる洗浄液18の量を低減させることができ、このことにより、洗浄に要するコストを下げることができる。
洗浄液供給部14からの洗浄液18を受理した洗浄布25は、その後、図2に示すように押圧部13に送られる。押圧部13においては、駆動部13cによりエアシリンダ13bを駆動することにより、洗浄液18が滲みこんだ洗浄布25がブランケット胴20の外周面20aに押し付けられる。これによって、ブランケット胴20の外周面20aに付着したインキ4が洗浄される。
ブランケット胴20の外周面20aに押し付けられた後の洗浄布25は、図2に示すように、巻取ロール12により巻き取られる。一方、洗浄液18が滲みこんだ洗浄布25により洗浄されたブランケット胴20の外周面20aは、エアブロワー22からの風により乾燥される。ここで本実施の形態によれば、上述のように、洗浄において必要とされる量の洗浄液18のみが洗浄布25に供給されている。すなわち、ブランケット胴20の外周面20aに塗布される洗浄液18の量が最適化されている。このため、エアブロワー22における乾燥の際、ブランケット胴20の外周面20a上に多量の洗浄液18が付着していることはなく、このことにより、エアブロワー22により、外周面20a上の洗浄液18を確実に乾燥させることができる。従って、その後の印刷において、被印刷物9上にインキ4を均一な厚さで印刷することができる。
このように本実施の形態によれば、洗浄装置10の洗浄液供給部14は、巻出ロール11と押圧部13との間に設けられ、洗浄液18を洗浄布25に向かって吐出する吐出口15を有している。この吐出口15は、洗浄布25に当接した状態で洗浄液18を吐出するよう構成されている。このため、洗浄液18を必要な量だけ精度良く洗浄布25に供給することができ、このことにより、無駄になる洗浄液18の量を削減することができる。さらに、ブランケット胴20の外周面20aに残留する洗浄液18の量を低減させる、または残留量をほぼゼロにすることができ、このことにより、その後に当該ブランケット胴20により転写されるインキ4の厚みにムラが生じるのを防ぐことができる。
また本実施の形態によれば、洗浄液供給部14の吐出口15は、吐出ヘッド16の側面に形成された開口部16aに接続されており、また吐出ヘッド16内には、吐出口15と同一水平面上に位置する制限部材16bが挿入されている。このため、吐出ヘッド16の体積および表面積を十分に大きくするとともに、吐出ヘッド16に貯留される洗浄液18の体積を小さくすることができる。このことにより、吐出ヘッド16に洗浄液供給部14の様々な構成要素を接続する際の自由度を高くすることができ、また、吐出ヘッド16が振動した際などに吐出口15から漏れる洗浄液18の量を低減することができる。
また本実施の形態によれば、洗浄液供給管17に、洗浄液供給管17から吐出ヘッド16への洗浄液18の流れを遮蔽する遮蔽弁17aが設けられている。このため、巻出ロール11から巻取ロール12への洗浄布25の送りが停止されている間、すなわち洗浄装置10による洗浄動作が停止されている間、洗浄液タンク内の洗浄液18が吐出ヘッド16に供給されるのを停止することができる。このことにより、洗浄液供給部14の吐出口15から洗浄布25に対して洗浄液18が無駄に吐出されるのを防ぐことができる。
なお本実施の形態において、印刷機1により被印刷物9上に有機層が形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、印刷機1により様々な層を被印刷物9上に形成することができる。この場合、被印刷物9上に形成される層に応じて、用いられるインキ4が適宜選択される。また、用いられるインキ4に応じて、洗浄装置10で使用される洗浄液18が適宜選択される。
また本実施の形態において、洗浄装置10によりブランケット胴20が洗浄される例を示した。しかしながら、洗浄装置10の洗浄対象がブランケット胴20に限られることはなく、後述するフレキソ印刷で使用されるフレキソ版を有する版胴など、その他の印刷方式において用いられる転写用胴、または、アニロックス版胴やグラビア版胴など、転写用胴にインキを渡すための円筒状のインキ版胴、若しくは圧胴など、印刷装置において用いられる様々な胴を洗浄装置10により洗浄することができる。これらの胴が、平台の枚葉印刷機において用いられる胴に限られることはなく、様々な方式の印刷機で用いられる胴が洗浄装置10により洗浄され得る。また、洗浄対象となる胴に応じて、洗浄装置10において用いられる洗浄布25の種類などが適宜選択される。
また本実施の形態において、印刷機が、その上面に複数のセルを有するグラビア版(インキ版)と、グラビア版のセルからインクを受理するブランケット胴(転写用胴)と、を備えたグラビア印刷用の印刷機からなる例を示した。しかしながら、印刷機の方式がグラビア印刷に限られることはなく、周知の様々な印刷方式が利用されえる。例えば、印刷機が、その上面に複数のセルを有するアニロックス版(インキ版)と、アニロックス版のセルからインクを受理するフレキソ版を有する版胴(転写用胴)と、を備えたフレキソ印刷用の印刷機からなっていてもよい。
また本実施の形態において、印刷機が、その上面に複数のセルを有する平板状のインキ版(グラビア版、アニロックス版など)を備えた印刷機からなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、印刷機が、その外周面に複数のセルを有するロール状のインキ版胴を備えた印刷機からなっていてもよい。この場合、被印刷物の供給方式が枚葉に限られることはなく、連続したシート状の被印刷物が供給されてもよい。
また本実施の形態において、洗浄液供給部14の吐出口15が、巻出ロール11から巻取ロール12に向かって送られる洗浄布25に常に当接するよう配置されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、少なくとも、洗浄布25に対して洗浄液18を吐出する際に吐出口15が洗浄布25に当接していればよい。例えば、吐出口15が移動自在または伸縮自在となるよう洗浄液供給部14を構成し、これによって、洗浄装置10の動作中のみ吐出口15が洗浄布25に当接するようにしてもよい。
また本実施の形態において、吐出ヘッド16内に制限部材16bが挿入されている例を示した。この場合、制限部材16bの体積が固定となっている必要はなく、制限部材16bの体積が状況に応じて変化可能となっていてもよい。例えば、洗浄が停止されている場合における制限部材16bの体積が、洗浄中における制限部材16bの体積よりも大きくなるよう、制限部材16bを構成してもよい。このことにより、吐出口15からの洗浄液18の漏れ量または吐出量を、状況に応じて最適に制限することができる。
1 印刷機
2 グラビア版
3 セル
4 インキ
5 フレーム
6 定盤
7 インキ供給部
8 ドクターシステム
8a 第1ドクター
8b 第2ドクター
8c ドクター駆動部
9 被印刷物
10 洗浄装置
11 巻出ロール
12 巻取ロール
13 押圧部
13a 押圧ヘッド
13b エアシリンダ
13c 駆動部
14 洗浄液供給部
15 吐出口
16 吐出ヘッド
16a 開口部
16b 制限部材
17 洗浄液供給管
17a 遮蔽弁
18 洗浄液
20 ブランケット胴
20a 外周面
22 エアブロワー
25 洗浄布
25a 表面
25b 裏面
26 繊維
26a 単位繊維

Claims (12)

  1. 印刷用の胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置において、
    胴の外周面を洗浄する帯状の洗浄布を巻き出す巻出ロールと、
    前記巻出ロールからの洗浄布を巻き取る巻取ロールと、
    前記巻出ロールと前記巻取ロールとの間に設けられ、前記洗浄布を前記胴の外周面に押し付ける押圧部と、
    前記洗浄布に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を備え、
    前記洗浄液供給部は、前記巻出ロールと前記押圧部との間に設けられ、洗浄液を前記洗浄布に向かって吐出する吐出口を有し、
    前記吐出口は、前記洗浄布に当接した状態で洗浄液を吐出するよう構成されることを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する吐出ヘッドを有し、前記吐出口は、前記吐出ヘッドの側面に形成された開口部に接続されており、
    前記吐出ヘッド内に、前記吐出口と同一水平面上に位置する制限部材が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する吐出ヘッドと、当該吐出ヘッドに洗浄液を供給する洗浄液供給管と、を有し、前記吐出口は、前記吐出ヘッドの側面に形成された開口部に接続されており、
    前記洗浄液供給管に、洗浄液供給管から前記吐出ヘッドへの洗浄液の流れを遮蔽する遮蔽弁が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。
  4. 前記洗浄布は、ポリエステル系繊維、または、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維との組合せからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄装置。
  5. 前記胴の外周面に付着したインキが、有機EL装置の正孔輸送層または発光層を形成するためのインキからなり、
    前記洗浄液が、芳香族溶媒を含む有機溶剤からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の洗浄装置。
  6. 前記胴の外周面に付着したインキが、有機EL装置の正孔注入層を形成するためのインキからなり、
    前記洗浄液が、水を含む溶剤、若しくはアセトンを含む有機溶剤からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の洗浄装置。
  7. 被印刷物上にインキを印刷する印刷機において、
    複数のセルが形成されたインキ版と、
    前記インキ版にインキを供給するインキ供給部と、
    前記インキ供給部から供給されたインキを前記インキ版のセル内に充填させるドクターシステムと、
    前記インキ版に当接して前記セル内のインキを受けるとともに、被印刷物上にインキを転移させる転写用胴と、
    転写用胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置であって、請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置と、を備えたことを特徴とする印刷機。
  8. 被印刷物上にインキを印刷する印刷機において、
    複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴と、
    前記インキ版胴にインキを供給するインキ供給部と、
    前記インキ供給部から供給されたインキを前記インキ版胴のセル内に充填させるドクターシステムと、
    前記インキ版胴に当接して前記セル内のインキを受けるとともに、被印刷物上にインキを転移させる転写用胴と、
    インキ版胴の外周面に付着したインキを洗浄する洗浄装置であって、請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置と、を備えたことを特徴とする印刷機。
  9. 被印刷物上にインキを印刷する印刷方法において、
    被印刷物を準備する工程と、
    複数のセルが形成されたインキ版にインキを供給する工程と、
    前記インキ版のセル内にインキを充填させる工程と、
    転写用胴を前記インキ版に当接させることにより、転写用胴がインキ版の各セルからインキを受ける工程と、
    前記転写用胴のインキを被印刷物上に転移させる工程と、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置を用いて、前記転写用胴の外周面に付着したインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする印刷方法。
  10. 被印刷物上にインキを印刷する印刷方法において、
    被印刷物を準備する工程と、
    複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴にインキを供給する工程と、
    前記インキ版胴のセル内にインキを充填させる工程と、
    転写用胴を前記インキ版胴に当接させることにより、転写用胴がインキ版胴の各セルからインキを受ける工程と、
    前記転写用胴のインキを被印刷物上に転移させる工程と、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置を用いて、前記インキ版胴の外周面に付着したインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする印刷方法。
  11. 有機EL装置の有機層を形成する有機層形成方法において、
    有機EL装置用の基板を準備する工程と、
    有機層用のインキを、複数のセルが形成されたインキ版に供給する工程と、
    前記インキ版のセル内にインキを充填させる工程と、
    転写用胴を前記インキ版に当接させることにより、転写用胴がインキ版の各セルからインキを受ける工程と、
    前記転写用胴のインキを有機EL装置用の基板上に転移させる工程と、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置を用いて、前記転写用胴の外周面に付着した有機層用のインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする有機層形成方法。
  12. 有機EL装置の有機層を形成する有機層形成方法において、
    有機EL装置用の基板を準備する工程と、
    有機層用のインキを、複数のセルが形成された円筒状のインキ版胴に供給する工程と、
    前記インキ版胴のセル内にインキを充填させる工程と、
    転写用胴を前記インキ版胴に当接させることにより、転写用胴がインキ版胴の各セルからインキを受ける工程と、
    前記転写用胴のインキを有機EL装置用の基板上に転移させる工程と、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄装置を用いて、前記インキ版胴の外周面に付着した有機層用のインキを洗浄する工程と、を備えたことを特徴とする有機層形成方法。
JP2010158955A 2010-07-13 2010-07-13 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法 Withdrawn JP2012020445A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010158955A JP2012020445A (ja) 2010-07-13 2010-07-13 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010158955A JP2012020445A (ja) 2010-07-13 2010-07-13 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012020445A true JP2012020445A (ja) 2012-02-02

Family

ID=45775125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010158955A Withdrawn JP2012020445A (ja) 2010-07-13 2010-07-13 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012020445A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2844483A1 (en) * 2012-04-24 2015-03-11 Tresu A/S Cleaning arrangement and method for cleaning a flexographic coating unit
KR20160019148A (ko) * 2014-08-11 2016-02-19 주식회사 에스에프에이 접촉식 세정 장치
CN108839438A (zh) * 2018-09-11 2018-11-20 安徽虹源医药包装有限公司 一种用于印刷的墨辊的清洗装置
CN110539547A (zh) * 2019-10-12 2019-12-06 北京嘉鸿汇众技术有限公司 胶印机橡皮布清洗结构、装置和胶印机

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2844483A1 (en) * 2012-04-24 2015-03-11 Tresu A/S Cleaning arrangement and method for cleaning a flexographic coating unit
JP2015514613A (ja) * 2012-04-24 2015-05-21 トレス アクティーゼルスカブ フレキソ印刷コーティングユニットを清浄するための清浄用装置および方法
US10442185B2 (en) 2012-04-24 2019-10-15 Tresu A/S Cleaning arrangement and method for cleaning a flexographic coating unit
KR20160019148A (ko) * 2014-08-11 2016-02-19 주식회사 에스에프에이 접촉식 세정 장치
KR101640124B1 (ko) * 2014-08-11 2016-07-15 주식회사 에스에프에이 접촉식 세정 장치
CN108839438A (zh) * 2018-09-11 2018-11-20 安徽虹源医药包装有限公司 一种用于印刷的墨辊的清洗装置
CN110539547A (zh) * 2019-10-12 2019-12-06 北京嘉鸿汇众技术有限公司 胶印机橡皮布清洗结构、装置和胶印机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100586242C (zh) 有机场致发光器件中发光层的形成方法
US10662343B2 (en) Ester-based solvent systems for printable organic light-emitting diode ink formulations
KR100819573B1 (ko) 그라비어판, 이를 이용한 발광층, 정공주입층의 형성방법및 유기발광디바이스
JP2012020445A (ja) 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法
US20110177304A1 (en) Ink for manufacturing organic electroluminescent element, method for manufacturing organic electroluminescent element, and display device
JP2011148231A (ja) 印刷方法、発光層形成方法、有機発光デバイス形成方法および有機発光デバイス
US8932098B2 (en) Relief printing plate and method for producing organic EL device using the same
JP2012020525A (ja) 印刷機、印刷方法および有機層形成方法
JP2012020447A (ja) 洗浄装置、印刷機、印刷方法および有機層形成方法
JP5604857B2 (ja) 印刷用凸版並びにそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2014226876A (ja) ブランケットおよび印刷方法ならびに表示装置および電子機器の製造方法
JP5766483B2 (ja) 反転印刷用インキ組成物、それを用いた印刷方法および表示装置の製造方法
JP5732789B2 (ja) ノズルプリンティング装置
CN104057739A (zh) 用于印刷电子构件的功能层的方法和装置
JP2007090698A (ja) 印刷物の製造方法、有機電界発光素子およびその製造方法
JP5521930B2 (ja) ノズルプリンティング装置
JP2006019158A (ja) 有機el素子印刷用ブランケットおよび有機el素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20131001