JP2012017562A - コンクリート打設用型枠の堰板として用いられる複合パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複合パネル3は断熱層1とモルタル層2で構成され、コンクリート打設時には間隔Lを保持するセパレータ4が取り付けられ、型枠の堰板として用いられる。複合パネル3は、断熱層1に形成される嵌合穴1aとモルタル層2に形成されるアンカー部2aを有する。アンカー部2aは、モルタル層2から断熱層1の嵌合穴1aに伸びて嵌合穴1aに嵌合及び接合すると共に、セパレータ4と型枠間隔Lの型枠厚さ方向に対向している。断熱層1はアンカー部2aを含むモルタル層2よりも熱伝導率が低く、アンカー部2aを含むモルタル層2は断熱層1よりも曲げ強度が高い。モルタル層2のアンカー部2aがセパレータ4を直接又は間接的に支持する基礎となる。
【選択図】図1
Description
(A2)本発明による複合パネルを、コンクリート打設用の永久型枠の堰板として用いた場合、打設完了後、堰板として使用した複合パネルの解体及び廃棄処理が不要となり、コンクリート打設に関わる工期が短縮されると共に産業廃棄物の量が減少される。
(A3)本発明による複合パネルは、断熱層を有し、且つモルタル層の熱伝導率も通常モルタル(熱伝導率1.5W/(m・k))[住宅の省エネルギー基準の解説 財団法人建築環境・省エネルギー機構]よりも低くすることができるため、外断熱工法用の永久型枠の堰板として好適に採用される。
(A4)本発明の複合パネルは、モルタル層を有するから、本発明の複合パネルを永久型枠の堰板として用いてコンクリート打設を行った後、このモルタル層上に、表層仕上げをしたり、別の表層を取り付けたりすることが容易である。
(A5)本発明による複合パネルによれば、モルタル層の一部であるアンカー部が、断熱層に食い込んで係合していることにより、モルタル層と断熱層の間の接合強度が強化されている。
(A6)本発明による複合パネルによれば、アンカー部が、打設されて形成されたコンクリート層と接面することができる。アンカー部はモルタル層の一部であって、断熱層よりも、コンクリートに近い組成を有するため、複合パネルとコンクリート層との接合強度が向上される。
(B2)本発明による複合パネルにおいては、モルタル層の一部であるアンカー部が、セパレータを支持する基礎となる。モルタル層であるアンカー部は、断熱層に比べて高強度であるため、セパレータを強固に支持できる。このようにセパレータの基礎が頑健であるため、本発明の複合パネルには、汎用の各種セパレータが取付容易である。
(B3)本発明の複合パネルは、モルタル層によって曲げ強度が強化されているため、合板を堰板として用いる場合と同様に、型枠を締め付けるため締付機構として、例えば、商品名“フォームタイ”のような汎用の工具を採用できる。
(B4)本発明の複合パネルは、モルタル層によって曲げ強度が強化されているため、型枠構築時、使用する縦端太や横端太の本数を、合板を堰板として用いる場合と同様の本数にすることが可能である。
(B5)本発明による複合パネルにおいては、モルタル層の一部であって頑健なアンカー部に、セパレータが安定的に支持されることにより、コンクリート打設時又は養生中、セパレータが動いて断熱層を損傷することが防止される。
(B6)本発明による複合パネルによれば、断熱層よりも透湿抵抗の低いモルタル層の一部であるアンカー部が、断熱層内の嵌合穴に伸びていることによって、アンカー部が水抜きの通路となり、コンクリート打設後、コンクリート層と断熱層間に水分が溜まることがより防止される。
(B7)本発明による複合パネルによれば、セパレータが、モルタル層によって被覆ないし外部から離間されるため、セパレータが熱橋となることが防止される。
(B8)本発明による複合パネルによれば、コンクリート打設後の型枠の解体時には、型枠締付部材の軸足としてのアンカー部材を撤去し、その撤去後の孔に軸足よりも短いアンカー部材(後付アンカー部材)を埋め込み、コンクリートとモルタル層を係合することにより、仮に、断熱層が焼失しても、モルタル層の落下が防止される。
(1)商品名“カルダンモルタル標準”
参考値:単位体積重量650kg/m3、
曲げ強度2.29N/mm2、
熱伝導率0.16W/(m・k)。
(2)商品名“カルダンモルタル標準II”
参考値:単位体積重量550kg/m3、
曲げ強度1.46N/mm2、
熱伝導率0.13W/(m・k)。
(3)商品名“カルダンモルタル高断熱”
参考値:単位体積重量400kg/m3、
曲げ強度1.17N/mm2、
熱伝導率0.10W/(m・k)。
(1)断熱層1よりも透湿比抵抗の小さいモルタル層2の一部であるアンカー部2aが、断熱層1を貫通してコンクリート層9と接していることによって、コンクリート層9と断熱層1間に水分が溜まることが防止される。
(2)アンカー部材8を介して、モルタル層2とコンクリート層9がさらに係合されることにより、仮に、断熱層1が焼失しても、モルタル層2の落下が防止される。
嵌合穴とアンカー部の配置 455mm間隔で、格子状に4個配置
断熱層の嵌合穴の径 φ100mm
アンカー部の大きさ φ100mm×突出高さ40mm
モルタル層の曲げ強度 2.29N/mm2
モルタル層の熱伝導率 0.16W/m・K
モルタル層の透湿比抵抗 10〜20×1010m・s・Pa/kg
断熱層の曲げ強度 0.1〜0.2N/mm2
断熱層の熱伝導率 0.028W/m・K
断熱層の透湿比抵抗 27.6×1010m・s・Pa/kg
モルタル層のサイズ 900mm×900mm×厚さ30mm
モルタル層の曲げ強度 2.29N/mm2(カタログ値)
モルタル層の熱伝導率 0.16W/m・K(カタログ値)
モルタル層の透湿比抵抗 14.62×1010m・s・Pa/kg
型枠間隔 50mm
1a 嵌合穴(モルタル層のアンカー部を挿入する穴)
2 モルタル層
2a アンカー部(凸部)
2b 軸足挿入孔(軸足を挿通する孔)
2c 埋戻しモルタル
3 複合パネル(一方の堰板)
3a メッシュ(補強層)
4 セパレータ
5 他方の堰板(合板、躯体)
5a 固定部(躯体への固定部)
6 当接部材(セパレータ受け、コーン部材)
7 軸足(締付部材の軸足)
8 アンカー部材(後付けアンカー)
9 コンクリート層(打設コンクリート層)
10 縦端太
11 横端太
12 締付部材
L 型枠間隔
Claims (6)
- 少なくとも断熱層とモルタル層が積層された複合パネルであり、コンクリート打設時には型枠間隔を保持するセパレータが取り付けられて、コンクリート打設用型枠の堰板として用いられる該複合パネルであって、
前記断熱層に形成される嵌合穴を有し、
前記モルタル層の一部として形成されるアンカー部を持ち、該アンカー部は、該モルタル層から前記断熱層の前記嵌合穴に伸びて該嵌合穴に嵌合及び接合すると共に、前記セパレータと前記型枠間隔の方向に対向し、
前記断熱層は、前記アンカー部を含む前記モルタル層よりも熱伝導率が低く、
前記アンカー部を含む前記モルタル層は、前記断熱層よりも曲げ強度が高く、
前記アンカー部が、前記セパレータを直接又は間接的に支持する基礎となる、
ことを特徴とする複合パネル。 - 前記嵌合穴は、前記アンカー部が貫通する貫通穴であり、
前記アンカー部を含む前記モルタル層の熱伝導率は、0.17W/(m・k)以下である、
ことを特徴とする請求項1記載の複合パネル。 - 前記アンカー部を含む前記モルタル層の単位体積重量は、700kg/m3以下とする、
ことを特徴とする請求項1記載の複合パネル。 - 前記アンカー部を含む前記モルタル層の透湿比抵抗は、前記断熱層の透湿比抵抗よりも小さい、ことを特徴とする請求項1記載の複合パネル。
- 前記嵌合穴とそれに嵌合する前記アンカー部の組み合わせは、前記断熱層と前記モルタル層の接合強度を向上させるよう、前記セパレータの配置箇所以外にも配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の複合パネル。 - 前記セパレータは、前記アンカー部の表面に当接すると共に前記型枠の構築時には該アンカー部に向かって押圧される当接部材に接続され、前記当接部材は、前記型枠の構築時には、前記型枠の締付部材の軸足に接続され、コンクリート打設後の前記型枠の解体時には、前記軸足が撤去され、該軸足撤去後の軸足挿入孔に該軸足よりも短い後付けのアンカー部材を埋め込み、打設されたコンクリート層と前記モルタル層を係合する、ことを特徴とする請求項1記載の複合パネル。
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