JP2012016293A - 家禽用飼料 - Google Patents

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雅之 浅田
Masaru Takeishi
勝 武石
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修 中村
Hisaya Goto
尚也 後藤
Hitoshi Shibui
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Abstract

【課題】合成品によらず天然物によって家禽の胸肉歩留まりを増加させ、腹腔内脂肪割合を低下させること。
【解決手段】リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む家禽用飼料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、家禽用飼料に関する。さらに詳述すれば、家禽の腹腔内脂肪割合を減少させるための飼料及び方法に関する。
ブロイラーの成長速度の改良は著しく、例えば、1978年からの4年間で一定体重に達するまでの期間が7日間短縮されたとの報告がある。しかし、このような育種改良の進展に伴い、脛骨軟骨異形成等による脚弱、腹腔内脂肪の増加、脂肪肝、突然死症候群(SDS)、熱射病、腱断裂症等といった問題が発生している(例えば、非特許文献1から4参照)。
脚弱の発生は、育成率を低下させることから出荷重量の減少をもたらし養鶏農場に経済的損失を生じさせる。脚弱の主原因である脛骨軟骨異形成は、2週齢以降の肉用鶏の脛骨近位骨幹端に異常軟骨組織塊を形成することを特徴とした疾患であり、その発生原因は明らかではないが、遺伝的素因によると考えられている。
この脛骨軟骨異形成症状に対する対策として、カルシウム、リン、ビタミンD等の給与や紫外線照射により骨の化骨を促進させる方法が行なわれている。
腹腔内脂肪は食鳥において利用価値がない部位とされ、当該部位の増加は、食鳥処理において廃棄物の増加をもたらす。腹腔内脂肪の増加は、相対的に、正肉歩留まりや精肉歩留まりの減少に繋がるため、荷受業者にとっては経済的損失が大きくなる。(非特許文献2から4)
腹腔内脂肪の増加に対する対策としては、飼料のカロリー蛋白質比(カロリー/蛋白質)を減少させたり、カロリーを制限したり、給餌量を制限すること等が行われている。
カロリー蛋白質比を減少させた飼料を給与する方法は、飼料中の粗蛋白質含量を増加することによってエネルギーの利用性を低下させて、腹腔内脂肪の増加を抑制しようとするものである。しかし、この方法では、腹腔内脂肪を減少させるとともに、屠体重量をも減少することが報告されている(非特許文献5〜7)。
カロリー制限した飼料を給与する方法や給餌量を制限する方法は、脂肪細胞の増殖あるいは肥大を抑制することにより腹腔内脂肪の増加を抑制しようとする方法である。しかし、これらの方法では、腹腔内脂肪を低減する明確な効果は認められないことが報告されている(非特許文献5〜7)。
したがって、飼育成績(育成率、増体、飼料摂取量、飼料要求率等)に影響を及ぼすことなく、腹腔内脂肪の増加を抑制する飼料や飼育方法の開発が望まれている。
ところで、ナス科の植物であるリュウキュウヤナギ(和名:ルリヤナギ、学名:Solanum malacoxylon(=Solanum glaucophyllum))は活性型ビタミンD様因子を含有していることが知られており(非特許文献8)、その様々な応用例が報告されている。
例えば、本出願人は、採卵鶏において、リュウキュウヤナギの葉の給与によって血清中活性型ビタミンD濃度を上昇して、卵殻質を改善する方法を提示している(特許文献1)。また、本出願人は、反芻動物にリュウキュウヤナギの葉を給与することによって、血清中の活性型ビタミンD及びカルシウム濃度を上昇させて、低カルシウム血症に起因する疾患を予防又は緩和する方法を提案している(特許文献2)。また、特許文献3では、1,25−ジヒドロキシビタミンDグリコシドを含有する飼料を給与して、脛骨の骨密度を上昇させたり、飼料要求率を改善したり、低カルシウム血症に起因する痙攣を予防する方法が提案されている。
更に海外では、ビタミンDの代謝物である活性型ビタミンD(1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール)を給与することで家禽の脛骨軟骨異形成の発生率を抑制できることが報告されている(非特許文献9)。
また、ビタミンD自体を給与した場合には家禽の胸肉の歩留まり等の改善が認められない一方、ビタミンDの代謝物である25−ヒドロキシコレカルシフェロールを50から70μg/kg給与することにより、家禽の胸肉の歩留まりが増加することも報告されている(非特許文献10)。この文献では、25−ヒドロキシコレカルシフェロールの給与により血清中の25−ヒドロキシコレカルシフェロールが急速に増加するものの、活性型ビタミンDとの相関は認められなかったと報告されている。
また、25−ヒドロキシコレカルシフェロールは、腎臓での1α−ヒドロキシラーゼの厳格な制御と共に、ビタミンD受容体によって、活性型ビタミンDと識別されることから、副作用を回避する点で有利であるとの報告もある(非特許文献11)。
なお、海外で使用されている活性型ビタミンD及び25−ヒドロキシコレカルシフェロールは合成品であり、現在、日本では、このような合成品は飼料添加物として認可されていない。
一方、活性型ビタミンDがヒト脂肪細胞内のカルシウムを用量依存的に増加させることが報告されている。また、ヒトやげっ歯動物において食餌中のカルシウム含量を増加することによる血中の活性型ビタミンD濃度の抑制が、脂肪細胞内のカルシウム含量を低下させて、肥満を低減することが報告されている(非特許文献12)。
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本発明は、上記のような状況にあって、日本でも使用可能な材料を用いて、飼育成績(育成率、増体、飼料摂取量、飼料要求率など)を維持又は改善しながらも家禽の腹腔内脂肪割合の上昇を抑制することができる飼料及び飼育方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、家禽の胸肉歩留まりを増加させるため、又は脚弱を抑制するための飼料及び飼育方法を提供することを更なる目的とする。
本発明者らは、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物に着目し、これらを家禽類に給与することによって、腹腔内脂肪割合が減少することを見出した。この知見は、前述した非特許文献12で提示された知見から想定されるものとは反対の結果であり、予想外の結果である。本発明者らはまた、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を給与することによって飼育成績に悪影響を及ぼすことは無くむしろ改善されることを見出した。さらに、本発明者らは、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を給与することで、胸肉歩留まりが改善されることも見出した。この知見も、前述した非特許文献10及び11で提示された知見からは予想外の結果であった。発明はこれらの知見に基づくものである。
即ち、本発明は、その一の実施形態において、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む、家禽の腹腔内脂肪割合を低下させるための飼料を提供するものである。
また、本発明は、他の実施形態において、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む、家禽の腹腔内脂肪割合を低下させる添加剤、又は当該添加剤の家禽の腹腔内脂肪割合を低下させるための使用を提供するものである。
本発明はまた、更に他の実施形態において、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む飼料を給与する、腹腔内脂肪割合を低下させる飼育方法を提供するものである。
本発明はまた、更に他の実施形態において、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む、家禽の胸肉歩留まりを増加させるための飼料、及び当該飼料を給与する、家禽の胸肉歩留まりを増加させる方法を提供するものである。
本発明はまた、更に他の実施形態において、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を含む、家禽の腹腔内脂肪割合を低下させる、及び/又は家禽の胸肉歩留まりを増加させる飼料用添加剤を提供するものである。
ここで、本願明細書において、「腹腔内脂肪割合」とは、家禽を屠殺・脱羽した後の屠体重量に占める腹腔内脂肪重量を重量%で示したものを意味し、屠体重量及び屠殺後の家禽の腹腔内から採取した脂肪重量を測定した値から求められる。また、「胸肉歩留まり」とは、家禽を屠殺・脱羽した後の屠体重量に占める胸肉重量を重量%で示したものを意味し、屠体重量及び屠殺後の家禽から採取した胸肉重量を測定した値から求められる。
7週齢時における各区の家禽の増体重の平均値を示すグラフである。 リュウキュウヤナギの添加量と胸肉歩留まりとの関係を示すグラフである。 リュウキュウヤナギの添加量と胸肉歩留まりの増加率との関係を示すグラフである。
本発明の飼料は、ナス科の植物であるリュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を有効成分として含有する。
リュウキュウヤナギの葉は、乾燥して粉砕したものを用いるのが好ましく、例えば天日乾燥、加熱乾燥、流動層乾燥、凍結乾燥などの既知の乾燥方法で乾燥することができる。乾燥は常温で行なわれても加熱条件下で行なわれても良い。また、乾燥は常圧で行なわれても減圧下で行なわれてもよい。常圧で加熱する場合には、80℃以下の温度で3時間以下の時間加熱することが有効成分の損失が少ない点で好ましい。乾燥後の水分は12重量%以下とすることが望ましい。このレベルの乾燥物では、活性型ビタミンDが、乾燥粉末中5から15mg/kg程度含まれている。
リュウキュウヤナギの葉の抽出物を用いる場合、抽出は、水、エタノール又は両者を混合した含水エタノールを溶媒として用いることが好ましい。また、抽出溶媒には水、エタノールの他、抽出効率を大きく損なわない範囲で他の成分(例えば、塩類、アミノ酸類、糖類)などが含まれても良い。抽出方法としては、公知の手段、例えば浸漬、静置保存、加熱還流などを利用することができる。また、抽出は常温で行なわれても加熱条件下で行われてもよい。抽出に要する時間は温度や乾燥条件にもよるが、通常30分以上である。抽出時間の上限は特に制限されないが、通常3年以下である。溶媒量は特に規定されないが、葉(通常は乾燥物である)に対して等重量以上10倍量以下の溶媒で抽出することが望ましい。
上記溶媒抽出後においては、腹腔内脂肪割合を低下させる成分を含む抽出液を残渣から遠心分離や濾過などで分離することが好ましい。分離後の抽出液はそのまま飼料に添加しても良いし、当該抽出液を更に濃縮液又は濃縮乾燥物として用いても良い。濃縮液及び濃縮乾燥物は常圧又は減圧条件下で溶媒を蒸発させることで得られる。尚、本発明の葉溶媒抽出物は、抽出物の希釈又は濃縮倍率に応じて後述する活性型ビタミンD換算値による添加量に従って調整することが好ましい。
また、抽出液又は抽出液の濃縮液を賦形剤に吸着させたものを飼料用添加剤として用いることもできる。賦形剤としては、フスマや糠等の一般に飼料原料として用いられる原料を用いることができる。賦形剤に吸着させた飼料用添加剤では水分は12重量%以下に調整する事が望ましく、必要に応じて更に乾燥して乾燥物としても良い。
リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物は、胸肉の歩留まりを増加させる点から、飼料中、活性型ビタミンD換算値で0.1μg/kg〜40.0μg/kg含有することが好ましく、0.5μg/kg〜30.0μg/kg含有することがより好ましく、5.0μg/kg〜30.0μg/kg含有することが更に好ましく、10.0μg/kg〜25.0μg/kg含有することがより更に好ましく、15.0μg/kg〜25.0μg/kg含有することが特に好ましい。また、腹腔内脂肪割合を低下させる点からは、飼料中、活性型ビタミンD換算値で0.01μg/kg〜30.0μg/kg含有することが好ましく、0.1μg/kg〜30.0μg/kg含有することがより好ましく、5.0μg/kg〜25.0μg/kg含有することが特に好ましい。従って、これらの両方の点からは5.0μg/kg〜30.0μg/kg含有することが好ましく、10.0μg/kg〜25.0μg/kg含有することがより好ましく、15.0μg/kg〜25.0μg/kg含有することが特に好ましい。なお、この両特性の点から好ましい範囲は、飼育成績の改善の点からも好ましい範囲である。従って、この範囲では、飼育成績を改善しながらも、胸肉の歩留まりを増加し、腹腔内脂肪割合を低下させることができる。
本発明の飼料は、他の成分について特に制限は無く、家禽用飼料に用いられている成分を含有させることができる。典型的には、非特許文献13に挙げられている成分を含有させることができる。
もっとも、本発明の飼料では、リュウキュウヤナギの葉又はその抽出物を添加することで、非特許文献13で記載されているカルシウム含有量より低い場合でも飼育成績が改善される。具体的には、飼料中のカルシウム含量を0.9重量%未満としてもリュウキュウヤナギの葉等の添加で飼育成績が改善され、より具体的には、リュウキュウヤナギの葉等を飼料中の活性型ビタミンD換算値で15.0μg/kg〜25.0μg/kg含有させた場合、飼料中のカルシウム含量を、0.9重量%未満で0.5重量%以上、特に0.5重量%〜0.8重量%、更には0.5重量%〜0.6重量%としても上記文献で推奨されているカルシウム濃度を含有させた場合と同レベルの飼育成績を達成することができる。
本発明の飼料は、家禽一般に広く給与することができ、例えば鶏、七面鳥、あひる、鴨、ダチョウ、ガチョウ、キジ、ホロホロチョウ及び鶉を挙げることができる。給与方法については特に制限は無く、日常的に給与される飼料にリュウキュウヤナギの葉の乾燥粉末又はその抽出物などを適量配合すればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
以下では、リュウキュウヤナギの葉の給与が腹腔内脂肪割合、飼育成績及び各部位の歩留まり成績に及ぼす影響について検討した試験を示す。
1.試験飼料及び供試鶏
試験には、チャンキー種の初生雛160羽を用い、40羽ずつ4処理区に分けた。飼料に配合したリュウキュウヤナギの葉の乾燥粉末は、市販されている「Panbonis」(登録商標)を使用し、当該製品は活性型ビタミンDを10mg/kgの濃度で含有していた。
各処理区に給与した試験飼料の配合率及び成分値(設定値)は以下の表1〜3に示す通りである。
上記表3に示す通り、対照区では、リュウキュウヤナギを無添加の飼料を給与した。また、対照区では、前期(0〜3週齢)でカルシウム含量が0.9重量%の飼料、後期(3〜7週齢)でカルシウム含量が0.8重量%の飼料を給与した。このカルシウム含量は、日本飼養標準・家禽(2004年版)(非特許文献13)のブロイラーの養分要求量レベルに合致させたものである。
一方、1から3の試験区では、前期でカルシウム含量を0.56重量%まで低減した飼料、後期でカルシウム含量を0.53重量%まで低減した飼料を給与した。また、1区では、リュウキュウヤナギの乾燥粉末(活性型ビタミンD10mg/kg含有)を0.005重量%(活性型ビタミンD換算値0.5μg/kg)添加した飼料を給与し、2区ではリュウキュウヤナギを0.05重量%(活性型ビタミンD換算値5μg/kg)添加した飼料を給与し、3区ではリュウキュウヤナギを0.2重量%(活性型ビタミンD換算値20μg/kg)添加した飼料を給与した。尚、各試験区への飼料の給与と飲水は、初生から7週齢までの期間、自由摂取とした。
2.試験項目及び試験条件
測定項目は、育成率、増体重、飼料摂取量、飼料要求率、冷屠体重量、胸肉重量、モモ肉重量、ササミ重量及び腹腔内脂肪重量とした。
各試験項目の定義及び測定方法は以下の通りである。
2−1.育成率
試験終了時の生存羽数を試験開始時の供試羽数で除して育成率を求めた。
2−2.増体重
0週齢及び7週齢の時点で試験対象の家禽の重量を測定し、両体重の差を増体重とした。各区の数値は、平均値±標準偏差で表した。
2−3.飼料摂取量
0週齢及び7週齢までに摂取した一羽当たりの飼料の総量を計測した。各区の数値は、平均値±標準偏差で表した。
2−4.飼料要求率
飼料摂取量を増体重で除して飼料要求率を求めた。
2−5.冷屠体重量
各試験区の家禽を7週齢の時点で屠殺・脱羽後、重量を測定した。各区の数値は、平均値±標準偏差で表した。
2−6.胸肉、モモ肉及びササミの歩留まり
各試験区の家禽を7週齢の時点で屠殺・脱羽後、胸肉、モモ肉及びササミ部分を取り出し、各部の重量を測定した。それぞれの家禽について、胸肉、モモ肉及びササミ部分の重量をそれぞれ冷屠体重量で除して各部の歩留まりを求めた。各区の数値は、平均値±標準偏差で表した。
2−7.腹腔内脂肪割合
各試験区の家禽を7週齢の時点で屠殺・脱羽後、腹腔内の脂肪を取り出し、その重量を測定した。腹腔内脂肪の重量を冷屠体重量で除して腹腔内脂肪割合として算出した。各区の数値は、平均値±標準偏差で表した。
3.試験結果
3−1.腹腔内脂肪割合の結果
低カルシウム飼料を給与した場合、リュウキュウヤナギの添加量を0.005重量%〜0.2重量%で添加したところ、0.005重量%添加で腹腔内脂肪割合が急激に低下し、また、添加量に応じて腹腔内脂肪割合が低下した。特に、リュウキュウヤナギを最も多く添加した3区(0.2重量%添加)で腹腔内脂肪割合が最も低下した。腹腔内脂肪割合の減少率は、対照区と比較すると、1区では26%、2区では30%、3区では35%だった。
以上の結果から、リュウキュウヤナギを0.005重量%〜0.2重量%(活性型ビタミンD相当量として0.5μg/kg〜20μg/kg)添加することにより腹腔内脂肪割合が改善すると結論付けられた。試験結果を以下の表4にまとめて示す。
3−2.飼育成績の結果
育成率は、対照区と比較して、カルシウム含量を減少させた1〜3区で、それぞれ18%、36%、8%低い値を示したが、リュウキュウヤナギを0.2重量%添加した3区では、1区及び2区より育成率が改善した。増体重は、対照区と比較して、1区で9%、2区で6%低い値を示したが、リュウキュウヤナギの添加量に比例して改善され、リュウキュウヤナギを0.2重量%添加した3区では、対照区と同等の値を示した(図1も参照)。また、飼料摂取量も同様に、対照区と比較して、1区で9%、2区で7%低い値を示したが、リュウキュウヤナギの添加量に依存して増加し、リュウキュウヤナギを0.2重量%添加した3区では、対照区と同等の値を示した。飼料要求率は、対照区とカルシウム含量を減少させた1〜3区で差異は認められなかった。試験結果を以下の表5にまとめて示す。
3−3.各部位の歩留まり成績
胸肉歩留まりは、対照区と比較して、1区では3%、2区では5%、3区では12%増加し、リュウキュウヤナギの添加量と胸肉歩留まりの間には用量依存的な関係が認められた(図2及び3参照)。モモ肉歩留まりとササミ歩留まりは、対照区とリュウキュウヤナギを添加した1〜3区で差異は認められなかった。三品歩留まり(胸肉、モモ肉、ササミ)は、リュウキュウヤナギを添加した1〜3区で対照区と比べて胸肉歩留まりが増加したことから、対照区より高い値を示した。
リュウキュウヤナギの添加量と胸肉歩留まりについては、以下の回帰式が求められた。
(回帰式)
y=−23.862x+13.755x+17.102(R=0.9564)
y;胸肉歩留まり(%)
x;リュウキュウヤナギの添加量(重量%)
各部位の歩留まりの成績を以下の表6に示した。
3−4.まとめ
低カルシウム飼料を給与した場合、リュウキュウヤナギの乾燥粉末を0.005重量%添加することにより、腹腔内脂肪割合が急激に低下し、その後0.2重量%まで添加量を増加することにより、腹腔内脂肪割合が添加量に応じて低下することが分かった。
また、飼育成績では、リュウキュウヤナギを0.2重量%添加することにより、育成率、増体及び飼料摂取量が、日本飼養標準・家禽(2004年版)の養分要求量通りカルシウムを含有する飼料を給与した場合と同等の成績が得られることが分かった。
また、歩留まり成績では、リュウキュウヤナギを0.005重量%〜0.2重量%添加すると、添加量に比例して胸肉歩留まりが増加することが分かった。リュウキュウヤナギの添加量と胸肉歩留まりの回帰式から、リュウキュウヤナギを0.001重量%添加することにより、胸肉歩留まりが対照区より1.2%改善することが分かった。
したがって、リュウキュウヤナギを0.001重量%〜0.2重量%(活性型ビタミンD相当量として0.1μg/kg〜20μg/kg)添加することにより、飼育成績を維持又は向上させながら、胸肉の歩留まりと腹腔内脂肪割合をも改善し得ることが分かり、0.005重量%〜0.2重量%(活性型ビタミンD相当量として0.5μg/kg〜20μg/kg)添加するのが更に効果的であり、0.2重量%(活性型ビタミンD相当量として20μg/kg)添加するのが最も効果的であると考えられた。

Claims (9)

  1. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む、家禽の腹腔内脂肪割合を低下させるための飼料。
  2. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む、家禽の胸肉歩留まりを増加させるための飼料。
  3. 更に家禽の胸肉歩留まりを増加させるための請求項1に記載の飼料。
  4. 前記家禽が鶏、七面鳥、あひる、鴨、ダチョウ、ガチョウ、キジ、ホロホロチョウ又は鶉である請求項1から3の何れか1項に記載の飼料。
  5. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む飼料を給与する、腹腔内脂肪割合を低下させる方法。
  6. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む飼料を給与する、家禽の胸肉歩留まりを増加させる方法。
  7. 更に家禽の胸肉歩留まりを増加させる請求項5に記載の方法。
  8. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む、家禽の腹腔内脂肪割合を低下させる飼料用添加剤。
  9. リュウキュウヤナギ(Solanum glaucophyllum)の葉又はその抽出物を含む、家禽の胸肉歩留まりを増加させる飼料用添加剤。
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