JP2012016243A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の制御対象を制御するための処理の増加に対して柔軟に対応可能な制御装置を提供すること。
【解決手段】 複数の制御対象を制御する制御装置は、複数の制御対象の入出力電力に応じて、複数の制御対象を制御するための各処理の優先度を決定する優先度決定部と、単位時間中に行われると推定される複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和に応じて、複数の制御対象の少なくともいずれか1つの処理を省略するか否かを決定する処理省略決定部と、処理省略決定部によって処理を省略すると決定された場合、優先度決定部が決定した優先度に基づいて、複数の制御対象の内、どの制御対象の処理を省略するかを決定する省略処理決定部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の制御対象を制御する制御装置に関する。
特許文献1には、複数のモータを一つのCPUでベクトル制御する際に、演算負荷の増加や制御の遅れを抑制しながら演算タイミングやキャリア周期の設定の自由度を向上させる交流電動機の制御装置が開示されている。また、特許文献2には、複数の電動モータの処理タイミングが重なった際に優先して処理する電動モータを決定する電動機制御装置が開示されている。
特開2007−43794号公報 特開2010−16981号公報
特許文献1に開示された交流電動機の制御装置及び特許文献2に開示された電動機制御装置によれば、1つのCPUが複数のモータを制御する場合であっても、当該CPUの負荷が限界を超えない範囲であれば所望の成果が期待できる。しかし、モータの数が増加した場合や、直流電圧を昇圧する昇圧器等の制御も同じCPUで行う場合であったり、低い処理能力のCPUを用いる場合には、オーバーフローが発生してCPUの動作が停止してしまうおそれがある。すなわち、演算処理のタイミングやキャリア周期の設定を単に変更するだけでは、CPUの処理能力に対する演算負荷の増加に対応できない場合がある。
本発明の目的は、複数の制御対象を制御するための処理の増加に対して柔軟に対応可能な制御装置を提供することである。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の制御装置は、複数の制御対象(例えば、実施の形態での電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101)を制御する制御装置であって、前記複数の制御対象の入出力電力に応じて、前記複数の制御対象を制御するための各処理の優先度を決定する優先度決定部(例えば、実施の形態での制御部105)と、単位時間中に行われると推定される前記複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和に応じて、前記複数の制御対象の少なくともいずれか1つの処理を省略するか否かを決定する処理省略決定部(例えば、実施の形態での制御部105)と、前記処理省略決定部によって処理を省略すると決定された場合、前記優先度決定部が決定した優先度に基づいて、前記複数の制御対象の内、どの制御対象の処理を省略するかを決定する省略処理決定部(例えば、実施の形態での制御部105)と、を備えたことを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明の制御装置では、前記処理省略決定部は、前記単位時間中に行われると推定される前記複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和がしきい値を超えたとき、前記複数の制御対象の少なくともいずれか1つの処理を省略すると決定することを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明の制御装置では、前記処理省略決定部は、前記複数の制御対象のいずれかに対する直近の1回の処理に要した処理時間を取得し、前記単位時間中に行われると推定される当該制御対象の処理の処理回数を算出し、前記処理回数分の直近の処理時間及び前記処理回数に基づいて、前記単位時間中に行われると推定される当該制御対象の処理に要する合計時間を算出し、前記複数の制御対象の各々の合計時間を積算して前記総和を算出することを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明の制御装置では、前記制御対象が回転型誘導性負荷(例えば、実施の形態での電動機MOT及び発電機GEN)のとき、前記優先度決定部は、制御対象の入出力電力の絶対値が第1しきい値未満であれば、当該制御対象の処理の優先度を最も低い優先順位に設定し、当該制御対象の入出力電力の絶対値が前記第1しきい値以上であり、かつ、当該制御対象の入出力電力の変化量の絶対値が第2しきい値以上であれば、当該制御対象の処理の優先度を最も高い優先順位に設定することを特徴としている。
さらに、請求項5に記載の発明の制御装置では、前記複数の制御対象が、複数の回転型誘導性負荷(例えば、実施の形態での電動機MOT及び発電機GEN)と、当該複数の回転型誘導性負荷に対して並列に設けられた並列制御対象(例えば、実施の形態でのコンバータ101)と、を含み、前記優先度決定部は、前記複数の回転型誘導性負荷の各入出力電力の和の絶対値が第3しきい値未満であれば、前記並列制御対象の処理の優先度を最も低い優先順位に設定し、前記複数の回転型誘導性負荷の各入出力電力の和の絶対値が第3しきい値以上であり、当該和の変化量の絶対値が第4しきい値以上であり、かつ、前記複数の回転型誘導性負荷の少なくともいずれかの処理の優先度が最も高い優先順位でないときは、前記並列制御対象の処理の優先度を最も高い優先順位に設定することを特徴としている。
請求項1〜5に記載の発明の制御装置によれば、単位時間中に行われると推定される複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和に応じて、制御対象の割込み処理の優先度に決定された制御対象の割込み処理が省略される。したがって、制御装置の処理能力に対して処理量が増加した状態であっても、オーバーフローの発生を防止できる。その結果、制御装置の動作が停止してしまうことはない。このように、当該制御装置は、複数の制御対象を制御するための処理の増加に対して柔軟に対応することができる。
一実施形態の負荷制御装置を含むシステムを示す図 図1に示した負荷制御装置が備える制御部105の内部構成の一例を示すブロック図 シリーズ/パラレル切換方式のHEVの内部構成を示すブロック図 電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各割込み処理のスケジュールの決定に関する制御部105の動作を示すフローチャート 図4中のステップS109で行われる処理の詳細を示すフローチャート 図5中のステップS201で行われる処理の詳細を示すフローチャート 図5中のステップS203で行われる処理の詳細を示すフローチャート 図5中のステップS205で行われる処理の詳細を示すフローチャート 図4中のステップS111で行われる処理の詳細を示すフローチャート 電動機MOTの割込み処理を省略するときの制御部105の機能を示す概念図 発電機GENの割込み処理を省略するときの制御部105の機能を示す概念図 コンバータ101の割込み処理を省略するときの制御部105の機能を示す概念図 図4中のステップS113で行われる処理の詳細を示すフローチャート 制御部105によって決定されたスケジュールに基づく各制御対象の割込み処理の一例を示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態の負荷制御装置を含むシステムを示す図である。図1に示す負荷制御装置は、電動機MOT及び発電機GENの運転を制御する装置である。なお、電動機MOTは、力行駆動時には電動機として動作し、回生動作時には発電機として動作する。発電機GENは、図示しない内燃機関等によって駆動される。
図1に示すように、負荷制御装置は、昇圧コンバータ(以下、単に「コンバータ」という)101と、平滑コンデンサ(以下、単に「コンデンサ」という)Cと、電動機MOTに対応するインバータ103mと、発電機GENに対応するインバータ103gと、制御部105と、電圧センサ107,109と、電動機MOTに対応する相電流センサ111um,111wm及びレゾルバ113mと、発電機GENに対応する相電流センサ111ug,111wg及びレゾルバ113gとを備える。コンバータ101、コンデンサC及びインバータ103m,103gは、蓄電器等の直流電源123と電動機MOT及び電動機GENの間に設けられている。なお、インバータ103m,103gは、コンバータ101と並列に設けられている。また、コンデンサCも、コンバータ101とインバータ103m,103gの間に、コンバータ101と並列に設けられている。
コンバータ101は、上下2段に直列接続された2つのトランジスタと、各トランジスタと並列に接続された還流ダイオードと、直流電源123側(一次側)に設けられたリアクトルLとを有する。コンバータ101は、当該コンバータ101に対して設定された周波数のキャリア信号に応じたPWM信号によるトランジスタのスイッチング動作によって、直流電源123の出力電圧を昇圧する。また、電動機MOTが回生動作した際又は発電機GENが動作した際、コンバータ101は、トランジスタのスイッチング動作によってインバータ103m,103gの出力電圧を降圧する。
コンデンサCは、コンバータ101の出力電圧を平滑化する。また、電動機MOTが回生動作した際又は発電機GENが動作した際、コンデンサCは、インバータ103m,103gの出力電圧を平滑化する。
インバータ103m,103gは、上下2段に直列接続された各相(u相、v相、w相)に対応するトランジスタと、各トランジスタと並列に接続された還流ダイオードとを有する。インバータ103m,103gは、それぞれ設定された周波数のキャリア信号に応じたPWM信号によるトランジスタのスイッチング動作によって、コンバータ101の出力電圧を3相交流に変換する。また、電動機MOTが回生動作した際又は発電機GENが動作した際、インバータ103m,103gは、トランジスタのスイッチング動作によって、電動機MOT又は発電機GENが発生した3相の交流電圧を直流に変換する。
制御部105は、例えばCPUであり、コンバータ101及びインバータ103m,103gを構成する各トランジスタのスイッチングをPWM制御する。制御部105は、電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101を制御するための各割込み処理、並びに、1m秒、2m秒又は10m秒毎の定周期処理を所定のスケジュールに応じて行う。電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各割込み処理のスケジュールに関しては後述する。
電圧センサ107は、直流電源123の出力電圧V1を検出する。電圧センサ109は、コンバータ101の出力電圧V2を検出する。相電流センサ111um,111wmは、インバータ103mから出力されるu相電流Ium及びw相電流Iwmをそれぞれ検出する。同様に、相電流センサ111ug,111wgは、インバータ103gから出力されるu相電流Iug及びw相電流Iwgをそれぞれ検出する。レゾルバ113mは、電動機MOTの回転子の電気角度を検出する。また、レゾルバ113gは、発電機GENの回転子の電気角度を検出する。電圧センサ107,109、相電流センサ111um,111wm,111ug,111wg及びレゾルバ113m,113gによって検出された値を示す信号は制御部105に送られる。また、コンバータ101に対する電圧指令値V2c、並びに、電動機MOTに対するトルク指令値Tm及び発電機GENに対するトルク指令値Tgも、外部から制御部105に入力される。
図2は、図1に示した負荷制御装置が備える制御部105の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、制御部105は、コンバータ制御部105C及びインバータ制御部105Im,105Igを有する。コンバータ制御部105Cは、コンバータ101を構成するトランジスタのスイッチングをPWM制御する。また、インバータ制御部105Imは、インバータ103mを構成するトランジスタのスイッチングをPWM制御する。同様に、インバータ制御部105Igは、インバータ103gを構成するトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
コンバータ制御部105Cは、FF制御部171と、FB制御部173と、PWM制御部185とを有する。なお、コンバータ制御部105Cには、電圧センサ107が検出した直流電源123の出力電圧V1の値、電圧センサ109が検出したコンバータ101の出力電圧V2の値、及びコンバータ101に対する電圧指令値V2cが入力される。
FF制御部171には、電圧指令値V2c及び直流電源123の出力電圧V1の検出値が入力される。FF制御部171は、コンバータ101が出力電圧V1を電圧指令値V2cに昇圧するためのデューティ(Duty_FF)を導出する。FB制御部173には、電圧指令値V2cと出力電圧V2の偏差(V2c−V2)ΔV2を示す値、直流電源123の出力電圧V1の検出値、及びFF制御部171が導出したデューティ(Duty_FF)が入力される。FB制御部173は、偏差ΔV2及び直流電源123の出力電圧V1に基づいて、FF制御部171が導出したデューティ(Duty_FF)を補正するための値(Duty_FB)を導出する。
PWM制御部185は、FB制御部173が導出したデューティ(Duty_FB)によってFF制御部171が導出したデューティ(Duty_FF)を補正することによって得られたデューティ(Duty)に基づいて、コンバータ101を構成するトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
インバータ制御部105Im,105Igは、角速度算出部151と、電流指令算出部153と、3相−dq変換部155と、電流FB制御部157と、dq−3相変換部159と、PWM制御部161とを含む。なお、インバータ制御部105Imには、トルク指令値Tm、電動機MOTの回転子の電気角度θmの検出値、相電流センサ111um,111wmが検出したu相電流Ium及びw相電流Iwmの各値、及び電圧センサ109が検出したコンバータ101の出力電圧V2の値が入力される。同様に、インバータ制御部105Igには、トルク指令値Tg、発電機GENの回転子の電気角度θgの検出値、相電流センサ111ug,111wgが検出したu相電流Iug及びw相電流Iwgの各値、及び電圧センサ109が検出したコンバータ101の出力電圧V2の値が入力される。
以下、インバータ制御部105Im,105Igがそれぞれ備える各構成要素について説明する。なお、図2中の符号に付された「m」はインバータ制御部105Imに対応し、「g」はインバータ制御部105Igに対応するが、インバータ制御部105Im,105Igの動作は共通するため、以下の説明では「m」及び「g」を省略する。
角速度算出部151は、電動機MOT又は発電機GENの回転子の電気角度θの検出値を時間微分することによって、電動機MOT又は発電機GENの回転子の角速度ωを算出する。角速度算出部151によって算出された角速度ωは、電流指令算出部153に入力される。電流指令算出部153は、トルク指令値Tと、電動機MOT又は発電機GENの回転子の角速度ωとに基づいて、d軸側の電機子(以下「d軸電機子」という。)に流す電流(以下「d軸電流」という。)の指令値Id_c及びq軸側の電機子(以下「q軸電機子」という。)に流す電流(以下「q軸電流」という。)の指令値Iq_cを算出する。
3相−dq変換部155は、相電流センサ111u,111wが検出したu相電流Iu及びw相電流Iwの各値と、電動機MOT又は発電機GENの回転子の電気角度θの検出値とに基づいて3相−dq変換を行って、d軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sを算出する。電流FB制御部157は、d軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sの偏差ΔId及びq軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_sの偏差ΔIqが減少するよう、d軸電機子の端子間電圧(以下「d軸電圧」という。)の指令値Vd_c及びq軸電機子の端子間電圧(以下「q軸電圧」という。)の指令値Vq_cを決定する。
dq−3相変換部159は、電流FB制御部157によって決定されたd軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cと、電動機MOT又は発電機GENの回転子の電気角度θの検出値とに基づいてdq−3相変換を行って、3相電圧Vu,Vv,Vwの各指令値を導出する。PWM制御部161は、dq−3相変換部159が導出した3相電圧Vu,Vv,Vwの各指令値に基づいて、インバータ103m,103gを構成するトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
上記説明した負荷制御装置は、例えば、図3に示したシリーズ/パラレル切換方式のHEV(Hybrid Electrical Vehicle:ハイブリッド車両)の車両に搭載される。図3は、シリーズ/パラレル切換方式のHEVの内部構成を示すブロック図である。シリーズ/パラレル切換方式のHEVは、「EV走行」、「エンジン走行」又は「シリーズ走行」を行う。「EV走行」では、HEVは、直流電源(BATT)123からの電力供給によって駆動する電動機MOTの駆動力によって走行する。このとき内燃機関(ENG)201及び発電機GENは駆動されない。また、「エンジン走行」では、クラッチ203は切断され、HEVは、内燃機関201の駆動力によって走行する。このとき、電動機MOTは駆動されない。また、「シリーズ走行」では、HEVは、発電機GENからの電力供給によって駆動する電動機MOTの駆動力によって走行する。このとき、コンバータ101が変換する電力はほぼ0である。
以下、制御部105が制御対象(電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101)の各割込み処理を行う際のスケジュールの決定方法について、図4〜図14を参照して詳細に説明する。図4は、電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各割込み処理のスケジュールの決定に関する制御部105の動作を示すフローチャートである。図4に示すように、制御部105は、定周期処理の最短周期である単位時間Tcycと、単位時間Tcyc当たり定周期処理に割り当てられる時間割合Rloとに基づいて、以下に示す式(1)より省略判断基準時間Tlmtを算出する(ステップS101)。
Tlmt=Tcyc×(1−Rlo) …(1)
例えば、単位時間Tcyc=1m秒、定周期処理に割り当てられる時間割合Rlo=0.1(10%)のときは、省略判断基準時間Tlmt=900μ秒が算出される。なお、省略判断基準時間Tlmtは、制御部105が単位時間Tcyc中に制御対象の割込み処理に費やすことのできる時間である。
次に、制御部105は、電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の割込み処理の少なくともいずれか一つを省略するか否かを示す省略要求フラグを、初期化として「0」に設定する(ステップS103)。なお、省略要求フラグ=1のときは省略を行うことを示し、省略要求フラグ=0のときは省略を行わないことを示す。次に、制御部105は、省略要求フラグが1か否かを判断し(ステップS105)、省略要求フラグ=0のときはステップS107に進み、省略要求フラグ=1のときはステップS109に進む。ステップS107では、制御部105は、制御対象の割込み処理を省略せずに行う(通常処理)。なお、ステップS107の後はステップS113に進む。
一方、ステップS109では、制御部105は、制御対象の入出力電力に応じて、電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各割込み処理の優先度を決定する。図5は、図4中のステップS109で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。図5に示すように、制御部105は、発電機GENの割込み処理の優先度PRIgenを決定し(ステップS201)、電動機MOTの割込み処理の優先度PRImotを決定し(ステップS203)、コンバータ101の割込み処理の優先度PRIconvを決定する(ステップS205)。なお、ステップS201とステップS203の順序は逆であっても良い。
図6は、図5中のステップS201で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。図6に示すように、制御部105は、発電機GENから出力される電力Pgenの絶対値(|Pgen|)がしきい値Psh1未満であるか否かを判断する(ステップS211)。なお、発電機GENから出力される電力Pgenは、インバータ制御部105Igの電流FB制御部157が決定したd軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cと、3相−dq変換部155が算出したd軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sとに基づいて、以下に示す式(2)から算出される。
Pgen=Vd_c×Id_s+Vq_c×Iq_s …(2)
なお、d軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sの代わりに、インバータ制御部105Igの電流指令算出部153が算出したd軸電流の指令値Id_c及びq軸電流の指令値Iq_cを用いても良い。この場合、電力Pgenは以下の式(3)から算出される。
Pgen=Vd_c×Id_c+Vq_c×Iq_c …(3)
また、電力Pgenは、トルク指令値Tg、インバータ制御部105Igの角速度算出部151が算出した発電機GENの回転子の角速度ωg、及び発電機GENの極対数Ppgに基づいて、以下に示す式(4)から算出されても良い。
Pgen=ωg×Tg/Ppg …(4)
電力Pgenの絶対値がしきい値Psh1未満であればステップS213に進み、しきい値Psh1以上であればステップS215に進む。ステップS213では、制御部105は、発電機GENの割込み処理の優先度PRIgenを「3」に設定する。なお、優先度PRIgenの値が小さい方が優先順位は高い。
一方、ステップS215では、制御部105は、電力Pgenの変化量の絶対値(|ΔPgen|)がしきい値Psh2未満であるか否かを判断する。電力変化量ΔPgenの絶対値がしきい値Psh2未満であればステップS217に進み、しきい値Psh2以上であればステップS219に進む。制御部105は、ステップS217では発電機GENの割込み処理の優先度PRIgenを「2」に設定し、ステップS219では優先度PRIgenを「1」に設定する。
図7は、図5中のステップS203で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。図7に示すように、制御部105は、電動機MOTに供給される電力Pmotの絶対値(|Pmot|)がしきい値Psh1未満であるか否かを判断する(ステップS231)。なお、電動機MOTに供給される電力Pmotは、インバータ制御部105Imの電流FB制御部157が決定したd軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cと、3相−dq変換部155が算出したd軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sとに基づいて、以下に示す式(5)から算出される。
Pmot=Vd_c×Id_s+Vq_c×Iq_s …(5)
なお、d軸電流の検出値Id_s及びq軸電流の検出値Iq_sの代わりに、インバータ制御部105Imの電流指令算出部153が算出したd軸電流の指令値Id_c及びq軸電流の指令値Iq_cを用いても良い。この場合、電力Pmotは以下の式(6)から算出される。
Pmot=Vd_c×Id_c+Vq_c×Iq_c …(6)
また、電力Pmotは、トルク指令値Tm、インバータ制御部105Imの角速度算出部151が算出した電動機MOTの回転子の角速度ωm、及び電動機MOTの極対数Ppmに基づいて、以下に示す式(7)から算出されても良い。
Pmot=ωm×Tm/Ppm …(7)
電力Pmotの絶対値がしきい値Psh1未満であればステップS233に進み、しきい値Psh1以上であればステップS235に進む。ステップS233では、制御部105は、電動機MOTの割込み処理の優先度PRImotを「3」に設定する。なお、優先度PRImotの値が小さい方が優先順位は高い。
一方、ステップS235では、制御部105は、電力Pmotの変化量の絶対値(|ΔPmot|)がしきい値Psh2未満であるか否かを判断する。電力変化量ΔPmotの絶対値がしきい値Psh2未満であればステップS237に進み、しきい値Psh2以上であればステップS239に進む。制御部105は、ステップS237では電動機MOTの割込み処理の優先度PRImotを「2」に設定し、ステップS239では優先度PRImotを「1」に設定する。
図8は、図5中のステップS205で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。図8に示すように、制御部105は、電動機MOTから出力される電力Pgenと電動機MOTに供給される電力Pmotの和の絶対値(|Pgen+Pmot|)がしきい値Psh3未満であるか否かを判断する(ステップS251)。当該電力Pgen,Pmotの和の絶対値がしきい値Psh3未満であればステップS253に進み、しきい値Psh3以上であればステップS255に進む。ステップS253では、制御部105は、コンバータ101の割込み処理の優先度PRIconvを「3」に設定する。なお、優先度PRIconvの値が小さい方が優先順位は高い。
一方、ステップS255では、制御部105は、電力Pgen,Pmotの和の変化量の絶対値(|Δ(Pgen+Pmot)|)がしきい値Psh4未満であるか否かを判断する。当該合計電力変化量Δ(Pgen+Pmot)の絶対値がしきい値Psh4未満であればステップS257に進み、しきい値Psh4以上であればステップS259に進む。ステップS257では制御部105は、優先度PRIconvを「2」に設定する。
一方、ステップS259では、制御部105は、先に設定した発電機GENの割込み処理の優先度PRIgen及び電動機MOTの割込み処理の優先度PRImotが共に「1」であるか否かを判断し、両優先度が「1」のときはステップS261に進み、両優先度の少なくともいずれか一方が「1」ではないときはステップS263に進む。制御部105は、ステップS261では優先度PRIconvを「2」に設定し、ステップS263では優先度PRIconvを「1」に設定する。
なお、ステップS261では、コンバータ101の出力電圧が最適電圧から変動してしまうため効率は若干落ちるが、いずれにせよ電動機MOT又は発電機GENのためにインバータ103m,103gの制御が行われるため、電動機MOT又は発電機GENの出力の変動を抑えることができる。
次に、図4に示したステップS111では、制御部105は、ステップS109で決定した優先度PRIgen,PRImot,PRIconvに応じて、省略処理又は通常処理を制御対象に対して行う。当該省略処理の詳細については後述する。なお、ステップS111の後はステップS113に進む。
図9は、図4中のステップS111で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。図9に示すように、制御部105は、ステップS109で決定した制御対象の割込み処理の優先度が「3」であるかを判断する(ステップS301)。制御対象の割込み処理の優先度が「3」である場合はステップS303に進み、「3」でない場合はステップS305に進む。ステップS303では、制御部105は、制御対象の割込み処理を省略する(省略処理)。
なお、電動機MOTの割込み処理を省略するとき、図10に示すように、制御部105のインバータ制御部105Imは、d軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cを決定するまでの処理は行わない。すなわち、インバータ制御部105Imは、前回得られたd軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_c、並びに、電動機MOTの回転子の電気角度θmに基づいてdq−3相変換を行って3相電圧Vu,Vv,Vwの各指令値を導出した上で、インバータ103mのトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
同様に、発電機GENの割込み処理を省略するとき、図11に示すように、制御部105のインバータ制御部105Igは、d軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_cを決定するまでの処理は行わない。すなわち、インバータ制御部105Igは、前回得られたd軸電圧の指令値Vd_c及びq軸電圧の指令値Vq_c、並びに、発電機GENの回転子の電気角度θgに基づいてdq−3相変換を行って3相電圧Vu,Vv,Vwの各指令値を導出した上で、インバータ103gのトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
また、コンバータ101の割込み処理を省略するとき、図12に示すように、制御部105のコンバータ制御部105Cは、PWM制御部185に入力するデューティ(Duty)を導出するまでの処理は行わない。すなわち、コンバータ制御部105Cは、前回得られたデューティ(Duty)に基づいて、コンバータ101のトランジスタのスイッチングをPWM制御する。
一方、ステップS305では、制御部105は、制御対象の割込み処理の優先度が「2」であるか否かを判断する。制御対象の割込み処理の優先度が「2」である場合はステップS309に進み、「2」でない場合はステップS307に進む。ステップS307では、制御部105は、制御対象の割込み処理を省略せずに行う(通常処理)。一方、ステップS309では、制御部105は、他の2つの制御対象の割込み処理の優先度がどちらも「3」以外かを判断し、この条件を満たす場合はステップS303に進み、満たさない場合はステップS307に進む。上述したように、ステップS303では制御対象の割込み処理を省略し、ステップS307では制御対象の割込み処理を省略せずに行う。
次に、図4に示したステップS113では、制御部105は、負荷状況を更新する。図13は、図4中のステップS113で行われる処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図中又は以下の説明において、符号iは、発電機GEN、電動機MOT及びコンバータ101のいずれかを示す。
図13に示すように、制御部105は、制御対象(発電機GEN、電動機MOT又はコンバータ101)に対する直近の1回の割込み処理(省略された割込み処理を含む)に要した処理時間Ti_x(x=0,1,2…)を取得する(ステップS401)。次に、制御部105は、制御対象を制御する際のキャリア周期Ti_intを取得する(ステップS403)。なお、キャリア周期Ti_intは制御対象によって異なり、タイミングによっても異なる。
次に、制御部105は、単位時間Tcyc中に行われると推定される制御対象の割込み処理の回数(履歴回数)Nhis_iを、以下に示す式(8)より算出する(ステップS405)。
Nhis_i=Tcyc/Ti_int …(8)
例えば、単位時間Tcyc=1m秒、キャリア周期Ti_int=400μ秒のときは、履歴回数Nhis_i=2.5回が算出される。
次に、制御部105は、単位時間中に行われると推定される制御対象の割込み処理の合計時間Siを、以下に示す式(9)より算出する(ステップS407)。
Si=Ti_x+Ti_x−1+ ... +Ti_(x−(整数部(Nhis_i)−1))+Ti_(x−整数部(Nhis_i))×小数点以下(Nhis_i) …(9)
例えば、上記例のように履歴回数Nhis_i=2.5回であり、Ti_x=Ti_x−1=Ti_x−2=265μ秒のときは、合計時間Si=Ti_x+Ti_x−1+Ti_x−2×0.5=265+265+265×0.5=662.5μ秒が算出される。
次に、制御部105は、電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各割込み処理が行われる合計時間Siの総和(以下「割込み処理総和時間」という)Liを算出する(ステップS409)。なお、電動機MOTの割込み処理が行われる合計時間SmotがステップS407で算出された後、ステップS409で当該合計時間Smに積算される発電機GENの割込み処理が行われる合計時間Sgen及びコンバータ101の割込み処理が行われる合計時間Sconvはそれぞれ最新の値である。
次に、図4に示したステップS115では、制御部105は、ステップS113で算出した割込み処理総和時間LiがステップS101で算出した省略判断基準時間Tlmtよりも大きいか否かを判断する。割込み処理総和時間Liが省略判断基準時間Tlmtよりも大きいときはステップS117に進み、制御部105は、省略要求フラグを「1」に設定する。一方、割込み処理総和時間Liが省略判断基準時間Tlmt以下のときはステップS119に進み、制御部105は、省略要求フラグを「0」に設定する。ステップS117又はS119を行った後はステップS105に戻る。
以下、上記説明した制御部105によって決定されたスケジュールに基づく各制御対象の割込み処理の一例を、図14を参照して説明する。図14に示した例では、経過時間が0〜1.5m秒の期間(以下「第1期間」という)には、電動機MOTの割込み処理の優先度PRImot=1、発電機GENの割込み処理の優先度PRIgen=1、コンバータ101の割込み処理の優先度PRIconv=3に設定されている。第1期間では、約0.6m秒が経過したときに行われるコンバータ101の割込み処理の終了時にLconv=936μ秒が算出され、省略判断基準時間Tlmt=900μ秒を超えるため、省略要求フラグ=1が設定される。その後、電動機MOTの割込み処理及び発電機GENの割込み処理が行われ、発電機GENの割込み処理の終了時にLgen=936μ秒と省略判断基準時間Tlmt=900μ秒を超えたままであるため、その後に行われる予定であった優先度が最も低いコンバータ101の割込み処理が省略される。したがって、Lconv=674μ秒と省略判断基準時間Tlmt=900μ秒未満になるため、省略要求フラグ=0が設定される。
また、経過時間が1.5m秒〜3.0m秒の期間(以下「第2期間」という)には、PRImot=3、PRIgen=1、PRIconv=1に設定されている。第2期間では、約2.1m秒が経過したときに行われるコンバータ101の割込み処理の終了時にLconv=936μ秒が算出され、省略判断基準時間Tlmt=900μ秒を超えるため、省略要求フラグ=1が設定される。その後に行われる予定であった優先度が最も低い電動機MOTの割込み処理が省略される。したがって、Lmot=893μ秒と省略判断基準時間Tlmt=900μ秒未満になるため、省略要求フラグ=0が設定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、単位時間中に行われると推定される電動機MOT、発電機GEN及びコンバータ101の各処理に要する合計時間の総和が、制御対象の割込み処理に費やすことのできる省略判断基準時間Tlmtよりも大きいときには、制御対象の割込み処理の優先度に応じて、いずれかの制御対象の割込み処理が省略される。したがって、制御部105の処理能力に対して処理量が増加した状態であっても、オーバーフローの発生を防止できる。その結果、制御部105の動作が停止してしまうことはない。
なお、本実施形態では昇圧コンバータ101を例に説明したが、昇降圧コンバータ又は降圧コンバータであっても良い。また、本実施形態に示した例では省略される割込み処理が1つであるが、複数の割込み処理が省略されても良い。
さらに、特定の制御対象の割込み処理の省略が連続して所定回数以上続く場合は、当該特定の制御対象の割込み処理の省略が長時間続かないよう、所定間隔で別の制御対象の割込み処理を省略しても良い。例えば、コンバータ101の割込み処理の優先度が「3」であるために当該割込み処理が連続して5回以上続く場合は、コンバータ101の割込み処理の省略が4回行われた後に、優先度が「2」の制御対象の割込み処理を一回省略しても良い。
MOT 電動機
GEN 発電機
101 昇圧コンバータ
C 平滑コンデンサ
103m,103g インバータ
105 制御部
107,109 電圧センサ
111um,111wm,111ug,111wg 相電流センサ
113m,113g レゾルバ
123 直流電源
105C コンバータ制御部
105Im,105Ig インバータ制御部
171 FF制御部
173 FB制御部
185 PWM制御部
151 角速度算出部
153 電流指令算出部
155 3相−dq変換部
157 電流FB制御部
159 dq−3相変換部
161 PWM制御部
201 内燃機関
203 クラッチ

Claims (5)

  1. 複数の制御対象を制御する制御装置であって、
    前記複数の制御対象の入出力電力に応じて、前記複数の制御対象を制御するための各処理の優先度を決定する優先度決定部と、
    単位時間中に行われると推定される前記複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和に応じて、前記複数の制御対象の少なくともいずれか1つの処理を省略するか否かを決定する処理省略決定部と、
    前記処理省略決定部によって処理を省略すると決定された場合、前記優先度決定部が決定した優先度に基づいて、前記複数の制御対象の内、どの制御対象の処理を省略するかを決定する省略処理決定部と、
    を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記処理省略決定部は、前記単位時間中に行われると推定される前記複数の制御対象の各処理に要する合計時間の総和がしきい値を超えたとき、前記複数の制御対象の少なくともいずれか1つの処理を省略すると決定することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記処理省略決定部は、
    前記複数の制御対象のいずれかに対する直近の1回の処理に要した処理時間を取得し、
    前記単位時間中に行われると推定される当該制御対象の処理の処理回数を算出し、
    前記処理回数分の直近の処理時間及び前記処理回数に基づいて、前記単位時間中に行われると推定される当該制御対象の処理に要する合計時間を算出し、
    前記複数の制御対象の各々の合計時間を積算して前記総和を算出することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置であって、
    前記制御対象が回転型誘導性負荷のとき、
    前記優先度決定部は、
    制御対象の入出力電力の絶対値が第1しきい値未満であれば、当該制御対象の処理の優先度を最も低い優先順位に設定し、
    当該制御対象の入出力電力の絶対値が前記第1しきい値以上であり、かつ、当該制御対象の入出力電力の変化量の絶対値が第2しきい値以上であれば、当該制御対象の処理の優先度を最も高い優先順位に設定することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項4に記載の制御装置であって、
    前記複数の制御対象が、複数の回転型誘導性負荷と、当該複数の回転型誘導性負荷に対して並列に設けられた並列制御対象と、を含み、
    前記優先度決定部は、
    前記複数の回転型誘導性負荷の各入出力電力の和の絶対値が第3しきい値未満であれば、前記並列制御対象の処理の優先度を最も低い優先順位に設定し、
    前記複数の回転型誘導性負荷の各入出力電力の和の絶対値が第3しきい値以上であり、当該和の変化量の絶対値が第4しきい値以上であり、かつ、前記複数の回転型誘導性負荷の少なくともいずれかの処理の優先度が最も高い優先順位でないときは、前記並列制御対象の処理の優先度を最も高い優先順位に設定することを特徴とする制御装置。
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