次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る組電池を、車両に搭載され、インバータ装置等に電力を供給する組電池に適用した例を示す。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して組電池の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における組電池の斜視図である。図2は、第1実施形態における組電池の正面図である。図3、第1実施形態における組電池の右側面図である。図4は、図1〜図3における電池の斜視図である。図5は、図1〜図3におけるフレキシブルプリント基板の展開図である。なお、図中における前後方向、上下方向及び左右方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
図1に示す組電池1は、車両に搭載され、モータを駆動するためのインバータ装置(外部装置、電子装置)等に電力を供給するものである。図1〜図3に示すように、組電池1は、電池10〜13と、エンドプレート14(押圧部材)と、フレキシブルプリント基板15(電圧検出端子配線部材)とを備えている。
電池10〜13は、直流電力を供給する矩形板状の素子である。電池10〜13は、本体部10a〜13aと、正極端子10b〜13b(電極端子)と、負極端子10c〜13c(電極端子)と、電圧検出端子10d〜13dとを備えている。
本体部10a〜13aは、電池の本体をなす矩形板状の部位である。本体部10a〜13aの外周面は絶縁層によって覆われている。
正極端子10b〜13b及び負極端子10c〜13cは、本体部10a〜13aの左右側面から突出する矩形薄板状の部位である。
電圧検出端子10d〜13dは、正極端子10b〜13bの電圧を検出するための薄板状の部位である。電圧検出端子10d〜13dの一端部は、正極端子10b〜13bに接続されている。他端部は、本体部10a〜13aの上面(一面)の左右方向の端部に形成されている。
図4に示すように、電池10の電圧検出端子10dは、正極端子10bの一部を帯状に切欠くとともに、本体部10aの上面側に屈曲して形成されている。図1〜図3に示す電池11〜13の電圧検出端子11d〜13dも同様にして形成されている。
図1〜図3に示すように、電池10〜13は、板厚方向を上下方向にした状態で、上下方向(積層方向)に積層されている。電池10〜13は、右側及び左側で、正極端子と負極端子が上下方向に対向するように積層されている。上下方向に対向する正極端子と負極端子は、溶接等によって、直接、電気的に接続されている。
エンドプレート14は、積層された電池10〜13を上下方向に押圧するための矩形板状の部材である。エンドプレート14は、電池10の上方と電池13の下方にそれぞれ配設されている。エンドプレート14は、ボルト140によって電池10〜13を挟持するように固定されている。これにより、電池10〜13が上下方向に押圧される。
フレキシブルプリント基板15は、電圧検出端子10d〜13dをインバータ装置に配線するための薄板帯状の部材である。具体的には、インバータ装置を構成する制御回路に配線するための部材である。図5に示すように、フレキシブルプリント基板15は、本体部15aと、配線パターン15b〜15eと、電圧検出端子接続部15f〜15iと、コネクタ接続部15j〜15mを備えている。
本体部15aは、基板の本体をなす薄板帯状の部位である。ここで、領域Aは、エンドプレート14と電池10の間に配設される部位である。領域Bは、電池10の後方に配設される部位である。領域Cは、電池10、11の間に配設される部位である。領域Dは、電池11の前方に配設される部位である。領域Eは、電池11、12の間に配設される部位である。領域Fは、電池12の後方に配設される部位である。領域Gは、電池12、13の間に配設される部位である。
配線パターン15b〜15eは、電圧検出端子10d〜13dをインバータ装置に配線するための線状の部位である。配線パターン15b〜15eは、本体部15aの長手方向に延在している。配線パターン15b〜15eは、絶縁層によって覆われている。
配線パターン15bの一端部は、本体部15aの領域Aの左手前側に形成されている。配線パターン15bの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部15fが形成されている。電圧検出端子接続部15fは、本体部15aの裏面側が露出している。
配線パターン15cの一端部は、本体部15aの領域Cの右手前側に形成されている。配線パターン15cの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部15gが形成されている。電圧検出端子接続部15gは、本体部15aの表面側が露出している。
配線パターン15dの一端部は、本体部15aの領域Eの左手前側に形成されている。配線パターン15dの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部15hが形成されている。電圧検出端子接続部15hは、本体部15aの裏面側が露出している。
配線パターン15eの一端部は、本体部15aの領域Gの右手前側に形成されている。配線パターン15eの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部15iが形成されている。電圧検出端子接続部15iは、本体部15aの表面側が露出している。
配線パターン15b〜15eの他端部は、本体部15aの手前側の端部に形成されている。配線パターン15b〜15eの他端部には、矩形状のコネクタ接続部15j〜15mが形成されている。コネクタ接続部15j〜15mは、本体部15aの表面側と裏面側がともに露出している。
図5に示すフレキシブルプリント基板15において、領域Aの裏面側に、電圧検出端子10dの他端部が電圧検出端子接続部15fと対向するように電池10を配置する。領域Cの表面側に、電圧検出端子11dの他端部が電圧検出端子接続部15gと対向するように電池11を配置する。領域Eの裏面側に、電圧検出端子12dの他端部が電圧検出端子接続部15hと対向するように電池12を配置する。領域Gの表面側に、電圧検出端子13dの他端部が電圧検出端子接続部15iと対向するように電池13を配置する。
そして、電池10〜13とともにフレキシブルプリント基板15を、つづら折り状に折り返して、電池10〜13を上下方向に積層する。フレキシブルプリント基板15は、図1〜図3に示すように、エンドプレート14と電池10の間、電池10〜13の間に、電圧検出端子10d〜13dの他端部と上下方向に対向してつづら折り状に配設される。具体的には、本体部15aの領域Aがエンドプレート14と電池10の間に、領域Bが電池10の後方に、領域Cが電池10、11の間に、領域Dが電池11の前方に、領域Eが電池11、12の間に、領域Fが電池12の後方に、領域Gが電池12、13の間にそれぞれ配設される。これにより、電圧検出端子接続部15fが、電圧検出端子10dの他端部の上方に対向して配設される。電圧検出端子接続部15gが、電圧検出端子11dの他端部の上方に対向して配設される。電圧検出端子接続部15hが、電圧検出端子12dの他端部の上方に対向して配設される。電圧検出端子接続部15iが、電圧検出端子13dの他端部の上方に対向して配設される。
そして、電池10の上方と電池13の下方に配設されたエンドプレート14をボルト140で固定して電池10〜13を上下方向に押圧する。これにより、上下方向に対向して配設される電圧検出端子接続部15f〜15iと電圧検出端子10d〜13dの他端部が当接して電気的に接続される。その結果、電池10の電圧検出端子10dが、配設パターン15bを介してコネクタ接続部15jに配線される。電池11の電圧検出端子11dが、配線パターン15cを介してコネクタ接続部15kに配線される。電池12の電圧検出端子12dが、配線パターン15dを介してコネクタ接続部15lに配線される。電池13の電圧検出端子13dが、配線パターン15eを介してコネクタ接続部15mに配線される。
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、フレキシブルプリント基板15だけで電圧検出端子10d〜13dをインバータ装置に配線することができる。そのため、従来のように、接続クリップや、接続クリップを固定するための基板が必要なく、部品点数を抑えることができる。また、電池10〜13がエンドプレート14によって上下方向に押圧されることで、フレキシブルプリント基板15が電圧検出端子10d〜13dと電気的に接続される。そのため、電池10〜13の積層時に、フレキシブルプリント基板15を組付けることができる。従って、従来のように、電池を積層した後に別途組付ける必要がなく組付け工程を簡素化することができる。
また、第1実施形態によれば、配線パターン15b〜15eを有するフレキシブルプリント基板15によって電圧検出端子10d〜13dを配線する。そのため、従来のように複数の引出し線を用いる場合に比べ、組付け性を向上させることができる。
さらに、第1実施形態によれば、フレキシブルプリント基板15は、電池10〜13の間及び電池10とエンドプレート14の間につづら折り状に配設されている。そのため、フレキシブルプリント基板15を、電圧検出端子10d〜13dの他端部と上下方向に確実に対向して配設することができる。
加えて、第1実施形態によれば、正極端子10b〜13bは、板状体であり、電圧検出端子10d〜13dは、正極端子10b〜13bの一部を切欠くとともに、屈曲して形成されている。そのため、部品点数を抑え、電圧検出端子10d〜13dを確実に形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の組電池について説明する。第2実施形態の組電池は、第1実施形態の組電池に対して、電圧検出端子の配置を一部変更するとともに、フレキシブルプリント基板の配線パターンの形状、及び、フレキシブルプリント基板の配置の仕方を変更したものである。
図6〜図9を参照して第2実施形態の組電池の構成について説明する。ここで、図6は、第2実施形態における組電池の斜視図である。図7は、第2実施形態における組電池の正面図である。図8は、第2実施形態における組電池の右側面図である。図9は、図6〜図8におけるフレキシブルプリント基板の展開図である。なお、図中の前後方向、上下方向及び左右方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
図6〜図8に示すように、組電池2は、電池20〜23と、エンドプレート24(押圧部材)と、フレキシブルプリント基板25(電圧検出端子配線部材)とを備えている。
電池20〜23は、本体部20a〜23aと、正極端子20b〜23bと、負極端子20c〜23cと、電圧検出端子20d〜23dとを備えている。電圧検出端子20d〜23dの一端部は、正極端子20b〜23bに接続されている。また、電圧検出端子20d、22dの他端部は、本体部20a、22aの下面(他面)の左右方向の端部に形成されている。電圧検出端子21d、23dの他端部は、本体部21a、23aの上面(一面)の左右方向の端部に形成されている。つまり、電圧検出端子の他端部は、積層方向である上下方向に背向する電池の上面と下面のいずれかに形成されている。
図9に示すように、フレキシブルプリント基板25は、本体部25aと、配線パターン25b〜25eと、電圧検出端子接続部25f〜25iと、コネクタ接続部25j〜25mとを備えている。本体部25aの領域Hは、領域H、Iは、電池20、21の間に配設される部位である。領域Jは、電池21、22の前方に配設される部位である。領域K、Lは、電池22、23の間に配設される部位である。
配線パターン25b〜25eは、本体部25aの長手方向に延在している。配線パターン25b〜25eは、絶縁層によって覆われている。
配線パターン25bの一端部は、本体部25aの領域Hの左奥側に形成されている。配線パターン25bの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部25fが形成されている。電圧検出端子接続部25fは、本体部25aの表面側が露出している。
配線パターン25cの一端部は、本体部25aの領域Iの右手前側に形成されている。配線パターン25cの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部25gが形成されている。電圧検出端子接続部25gは、本体部25aの表面側が露出している。
配線パターン25dの一端部は、本体部25aの領域Kの左奥側に形成されている。配線パターン25dの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部25hが形成されている。電圧検出端子接続部25hは、本体部25aの表面側が露出している。
配線パターン25eの一端部は、本体部25aの領域Lの右手前側に形成されている。配線パターン25eの一端部には、矩形状の電圧検出端子接続部25iが形成されている。電圧検出端子接続部25iは、本体部25aの表面側が露出している。
配線パターン25b〜25eの他端部は、本体部25aの手前側の端部に形成されている。配線パターン25b〜25eの他端部には、矩形状のコネクタ接続部25j〜25mが形成されている。コネクタ接続部25j〜25mは、本体部25aの表面側と裏面側がともに露出している。
図9に示すフレキシブルプリント基板25において、領域Hの表面側に、電圧検出端子20dの他端部が電圧検出端子接続部25fと対向するように電池20を配置する。領域Iの表面側に、電圧検出端子21dの他端部が電圧検出端子接続部25gと対向するように電池21を配置する。領域Kの表面側に、電圧検出端子22dの他端部が電圧検出端子接続部25hと対向するように電池22を配置する。領域Lの表面側に、電圧検出端子23dの他端部が電圧検出端子接続部25iと対向するように電池23を配置する。
そして、電池20〜23とともにフレキシブルプリント基板25を、つづら折り状に折り返して、電池20〜23を上下方向に積層する。フレキシブルプリント基板25は、図6〜図8に示すように、電池20、21の間、及び、電池22、23の間に、電圧検出端子20d〜23dの他端部と上下方向に対向してつづら折り状に配設される。具体的には、本体部25aの領域H、Iが電池20、21の間に、領域Jが電池21、22の前方に、領域K、Lが電池22、23の間にそれぞれ配設される。これにより、電圧検出端子接続部25fが、電圧検出端子20dの他端部の下方に対向して配設される。電圧検出端子接続部25gが、電圧検出端子21dの他端部の上方に対向して配設される。電圧検出端子接続部25hが、電圧検出端子22dの他端部の下方に対向して配設される。電圧検出端子接続部25iが、電圧検出端子23dの他端部の上方に対向して配設される。
そして、エンドプレート24によって電池20〜23が上下方向に押圧されることで、電圧検出端子接続部25f〜25iと電圧検出端子20d〜23dの他端部が当接して電気的に接続される。その結果、電池20の電圧検出端子20dが、配設パターン25bを介してコネクタ接続部25jに配線される。電池21の電圧検出端子21dが、配線パターン25cを介してコネクタ接続部25kに配線される。電池22の電圧検出端子22dが、配線パターン25dを介してコネクタ接続部25lに配線される。電池23の電圧検出端子23dが、配線パターン25eを介してコネクタ接続部25mに配線される。
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の組電池について説明する。第3実施形態の組電池は、第1実施形態の組電池に対して、フレキシブルプリント基板を廃して電池の表面に分割配線パターンを形成し、この分割配線パターンによって配線パターンを形成するようにしたものである。
図10〜図17を参照して第3実施形態の組電池の構成について説明する。ここで、図10は、第3実施形態における組電池の正面図である。図11は、第3実施形態における組電池の右側面図である。図12は、図10及び図11における電池の斜視図である。図13は、図10及び図11における最上部の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図14は、図10及び図11における上から2番目の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図15は、図10及び図11における上から3番目の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図16は、図10及び図11における最下部の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図17は、図10及び図11におけるフレキシブルプリント基板の上面図である。なお、図中の前後方向、上下方向及び左右方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
図10及び図11に示すように、組電池3は、電池30〜33と、エンドプレート34(押圧部材)と、フレキシブルプリント基板35とを備えている。 電池30〜33は、本体部30a〜33aと、正極端子30b〜33bと、負極端子30c〜33cと、電圧検出端子30d〜33dとを備えている。電圧検出端子30d〜33dの一端部は、正極端子30b〜33bに接続されている。また、他端部は、本体部30a〜33aの上面(一面)の左右方向の端部であって、前後方向の中央部に形成されている。
図12に示すように、電池30の電圧検出端子30dは、正極端子30bの一部を帯状に切欠くとともに、本体部30aの上面側に屈曲して形成されている。図10及び図11に示す電池31〜33の電圧検出端子31d〜33dも同様にして形成されている。
図13に示すように、電池30は、本体部30aの外周面に、分割配線パターン30e〜30h(配線パターン)と、端子接続部30i〜30pとを備えている。
本体部30aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部30aの領域M1、M2は、本体部30aの上面及び下面に当たる部位である。領域M3、M4は、本体部30aの前面及び後面に当たる部位である。
分割配線パターン30e〜30h及び端子接続部30i〜30pは、本体部30aの絶縁層の上に形成されている。
分割配線パターン30e、30fは、本体部30aの領域M1の左端部から領域M3を経て領域M2の左端部に、左右方向に所定間隔を隔てて延在している。分割配線パターン30g、30hは、本体部30aの領域M1の右端部から領域M3を経て領域M2の右端部に、左右方向に所定間隔を隔てて左手前側に斜めに延在している。
分割配線パターン30eの一端部は、本体部30aの領域M1の奥行き方向の手前側に形成されている。分割配線パターン30f〜30hの一端部は、本体部30aの領域M1の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン30e〜30hの一端部には、矩形状の端子接続部30i〜30lが形成されている。端子接続部30i〜30lは、表面が露出している。
分割配線パターン30e〜30hの他端部は、本体部30aの領域M2の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン30e〜30hの他端部には、矩形状の端子接続部30m〜30pが形成されている。端子接続部30m〜30pは、表面が露出している。
図14に示すように、電池31は、本体部31aの外周面に、分割配線パターン31e〜31h(配線パターン)と、端子接続部31i〜31pとを備えている。
本体部31aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部31aの領域N1、N2は、本体部31aの上面及び下面に当たる部位である。領域N3、N4は、本体部31aの前面及び後面に当たる部位である。
分割配線パターン31e〜31h及び端子接続部31i〜31pは、本体部31aの絶縁層の上に形成されている。
分割配線パターン31e、31fは、本体部31aの領域N1の左端部から領域N4を経て領域N2の左端部に、左右方向に所定間隔を隔てて右奥側に斜めに延在している。分割配線パターン31g、31hは、本体部31aの領域N1の右端部から領域N4を経て領域N2の右端部に、左右方向に所定間隔を隔てて延在している。
分割配線パターン31e〜31gの一端部は、本体部31aの領域N1の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン31hの一端部は、本体部31aの領域N1の奥行き方向の奥側に形成されている。分割配線パターン31e〜31hの一端部には、矩形状の端子接続部31i〜31lが形成されている。端子接続部31i〜31lは、表面が露出している。
分割配線パターン31e〜31hの他端部は、本体部31aの領域N2の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン31e〜31hの他端部には、矩形状の端子接続部31m〜31pが形成されている。端子接続部31m〜31pは、表面が露出している。
図15に示すように、電池32は、本体部32aの外周面に、分割配線パターン32e〜32h(配線パターン)と、端子接続部32i〜32pとを備えている。本体部32aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部32aの領域O1、O2は、本体部32aの上面及び下面に当たる部位である。領域O3、O4は、本体部32aの前面及び後面に当たる部位である。分割配線パターン32e〜32h及び端子接続部32i〜32pは、分割配線パターン30e〜30h及び端子接続部30i〜30pと同一構成である。
図16に示すように、電池33は、本体部33aの外周面に、分割配線パターン33e〜33h(配線パターン)と、端子接続部33i〜33pとを備えている。 本体部33aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部33aの領域P1、P2は、本体部33aの上面及び下面に当たる部位である。領域P3、P4は、本体部33aの前面及び後面に当たる部位である。分割配線パターン33e〜33h及び端子接続部33i〜33pは、分割配線パターン31e〜31h及び端子接続部31i〜31pと同一構成である。
図10及び図11に示すように、電池30〜33は、板厚方向を上下方向にした状態で、上下方向(積層方向)に積層されている。
エンドプレート34は、積層された電池30〜33を上下方向に押圧するための矩形板状の部材である。エンドプレート34は、電池30の上方と電池33の下方にそれぞれ配設されている。電池30の上方に配設されるエンドプレート34の下面には、絶縁層が形成されている。
フレキシブルプリント基板35は、電池33に形成された端子接続部33m〜33pをインバータ装置に配線するための矩形薄板状の部材である。図17に示すように、フレキシブルプリント基板35は、本体部35aと、分割配線パターン35b〜35e(配線パターン)と、端子接続部35f〜35iと、コネクタ接続部35j〜35mを備えている。
分割配線パターン35b〜35eは、本体部35aの前後方向に延在している。分割配線パターン35b〜35eは、絶縁層によって覆われている。
分割配線パターン35b〜35eの一端部は、本体部35aの前後方向の同一位置に形成されている。分割配線パターン35b、35dの一端部は、本体部35aの左端部に、左右方向に所定間隔を隔てて形成されている。分割配線パターン35c、35eの一端部は、本体部35aの右端部に、左右方向に所定間隔を隔てて形成されている。分割配線パターン35b〜35eの一端部には、矩形状の端子接続部35f〜35iが形成されている。端子接続部35f〜35iは、上面側が露出している。
分割配線パターン35b〜35eの他端部は、本体部35aの前端部に形成されている。分割配線パターン35b〜35eの他端部には、矩形状のコネクタ接続部35j〜35mが形成されている。コネクタ接続部35j〜35mは、本体部35aの上面側と下面側がともに露出している。
図10及び図11に示すように、電池30〜33は、上下方向に積層される。フレキシブルプリント基板35は、電池33の下方に配設される。これにより、端子接続部30iが、電圧検出端子30dの他端部の下方に対向して配置される。端子接続部31lが、電圧検出端子31dの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部32iが、電圧検出端子32dの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部33lが、電圧検出端子33dの他端部の下方に対向して配設される。
また、端子接続部30m、30n、30pが、端子接続部31i、31j、31kの上方に対向して配設される。端子接続部31m、31o、31pが、端子接続部32j、32k、32lの上方に対向して配設される。端子接続部32m、32n、32pが、端子接続部33i、33j、33kの上方に対向して配設される。端子接続部33m、33n、33o、33pが、端子接続部35h、35f、35g、35iの上方に対向して配設される。
この状態で、エンドプレート34によって電池30〜33が上下方向に押圧され、上下方向に対向して配設されている端子接続部と電圧検出端子の他端部、端子接続部と端子接続部が当接して電気的に接続される。その結果、電池30の電圧検出端子30dが、分割配設パターン30e、31e、32f、33fを介してコネクタ接続部35jに配線される。電池31の電圧検出端子31dが、分割配線パターン31h、32h、33gを介してコネクタ接続部35kに配線される。電池32の電圧検出端子32dが、分割配線パターン32e、33eを介してコネクタ接続部35lに配線される。電池33の電圧検出端子33dが、分割配線パターン33hを介してコネクタ接続部35mに配線される。
次に、効果について説明する。第3実施形態によれば、電池30〜33を積層することで、電池30〜33の外周面に形成された分割配線パターン30e〜30h、31e〜31h、32e〜32h、33e〜33hの端部同士を接続させ、電圧検出端子30d〜33dを配線するための配線パターンを形成することができる。そのため、電池30〜33を積層するだけで、電圧検出端子30d〜33dを配線することができる。従って、組付け性を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の組電池について説明する。第4実施形態の組電池は、第3実施形態の組電池に対して、負極端子の電圧を検出するための電圧検出端子を追加するとともに、それらについても配線できるよう分割配線パターンの数及び形状を変更したものである。
図18〜図25を参照して第4実施形態の組電池の構成について説明する。ここで、図18は、第4実施形態における組電池の正面図である。図19は、第4実施形態における組電池の右側面図である。図20は、図18及び図19における電池の斜視図である。図21は、図18及び図19における最上部の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図22は、図18及び図19における上から2番目の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図23は、図18及び図19における上から3番目の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図24は、図18及び図19における最下部の電池の左右側面を除いた外周面の展開図である。図25は、図18及び図19におけるフレキシブルプリント基板の上面図である。なお、図中の前後方向、上下方向及び左右方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
図18及び図19に示すように、組電池4は、電池40〜43と、エンドプレート44と、フレキシブルプリント基板45とを備えている。
電池40〜43は、本体部40a〜43aと、正極端子40b〜43bと、負極端子40c〜43cと、電圧検出端子40d〜43d、40e〜43eとを備えている。電圧検出端子40d〜43dの一端部は、正極端子40b〜43bに接続されている。また、他端部は、本体部40a〜43aの上面(一面)の左右方向の端部であって、前後方向の中央部に形成されている。電圧検出端子40e〜43eの一端部は、負極端子40c〜43cに接続されている。また、他端部は、本体部40a〜43aの上面(一面)の左右方向の端部であって、前後方向の中央部に形成されている。
図20に示すように、電池40の電圧検出端子40dは、正極端子40bの一部を帯状に切欠くとともに、本体部40aの上面側に屈曲して形成されている。電池40の電圧検出端子40eは、負極端子40cの一部を帯状に切欠くとともに、本体部40aの上面側に屈曲して形成されている。図18及び図19に示す電池41〜43の電圧検出端子41d〜43d、41e〜43eも同様にして形成されている。
図21に示すように、電池40は、本体部40aの外周面に、分割配線パターン400a〜400j(配線パターン)と、端子接続部401a〜401j、402a〜402jとを備えている。
本体部40aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部40aの領域Q1、Q2は、本体部40aの上面及び下面に当たる部位である。領域Q3、Q4は、本体部40aの前面及び後面に当たる部位である。
分割配線パターン400a〜400j及び端子接続部401a〜401j、402a〜402jは、本体部40aの絶縁層の上に形成されている。
分割配線パターン400a〜400eは、本体部40aの領域Q1の左側から領域Q3を経て領域Q2の左側に、左右方向に所定間隔を隔てて右手前側に斜めに延在している。分割配線パターン400f〜400jは、本体部40aの領域Q1の右側から領域Q3を経て領域Q2の右側に、左右方向に所定間隔を隔てて左手前側に斜めに延在している。
分割配線パターン400aの一端部は、本体部40aの領域Q1の奥行き方向の手前側に形成されている。分割配線パターン400b〜400iの一端部は、本体部40aの領域Q1の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン400jの一端部は、本体部40aの領域Q1の奥行き方向の手前側に形成されている。分割配線パターン400a〜400jの一端部には、矩形状の端子接続部401a〜401jが形成されている。端子接続部401a〜401jは、表面が露出している。
分割配線パターン400a〜400jの他端部は、本体部40aの領域Q2の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン400a〜400jの他端部には、矩形状の端子接続部402a〜402jが形成されている。端子接続部402a〜402jは、表面が露出している。
図22に示すように、電池41は、本体部41aの外周面に、分割配線パターン410a〜410j(配線パターン)と、端子接続部411a〜411j、412a〜412jとを備えている。
本体部41aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部41aの領域R1、R2は、本体部41aの上面及び下面に当たる部位である。領域R3、R4は、本体部41aの前面及び後面に当たる部位である。
分割配線パターン410a〜410j及び端子接続部411a〜411j、412a〜412jは、本体部41aの絶縁層の上に形成されている。
分割配線パターン410a〜410eは、本体部41aの領域R1の左側から領域R4を経て領域R2の左側に、左右方向に所定間隔を隔てて右奥側に斜めに延在している。分割配線パターン410f〜410jは、本体部41aの領域R1の右側から領域R4を経て領域R2の右側に、左右方向に所定間隔を隔てて左奥側に斜めに延在している。
分割配線パターン410aの一端部は、本体部41aの領域R1の奥行き方向の奥側に形成されている。分割配線パターン410b〜410iの一端部は、本体部41aの領域R1の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン410jの一端部は、本体部41aの領域R1の奥行き方向の奥側に形成されている。分割配線パターン410a〜410jの一端部には、矩形状の端子接続部411a〜411jが形成されている。端子接続部411a〜411jは、表面が露出している。
分割配線パターン410a〜410jの他端部は、本体部41aの領域R2の奥行き方向の中央に形成されている。分割配線パターン410a〜410jの他端部には、矩形状の端子接続部412a〜412jが形成されている。端子接続部412a〜412jは、表面が露出している。
図23に示すように、電池42は、本体部42aの外周面に、分割配線パターン420a〜420j(配線パターン)と、端子接続部421a〜421j、422a〜422jとを備えている。本体部42aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部42aの領域S1、S2は、本体部42aの上面及び下面に当たる部位である。領域S3、S4は、本体部42aの前面及び後面に当たる部位である。分割配線パターン420a〜420j及び端子接続部421a〜421j、422a〜422jは、分割配線パターン400a〜400j及び端子接続部401a〜401j、402a〜402jと同一構成である。
図24に示すように、電池43は、本体部43aの外周面に、分割配線パターン430a〜430j(配線パターン)と、端子接続部431a〜431j、432a〜432jとを備えている。本体部43aの外周面は、絶縁層によって覆われている。ここで、本体部43aの領域T1、T2は、本体部43aの上面及び下面に当たる部位である。領域T3、T4は、本体部43aの前面及び後面に当たる部位である。分割配線パターン430a〜430j及び端子接続部431a〜431j、432a〜432jは、分割配線パターン410a〜410j及び端子接続部411a〜411j、412a〜412jと同一構成である。
図18及び図19に示すように、電池40〜43は、板厚方向を上下方向にした状態で、上下方向(積層方向)に積層されている。
エンドプレート44は、第3実施形態のエンドプレート34と同一構成である。第3実施形態と同様に、エンドプレート44は、電池40の上方と電池43の下方にそれぞれ配設されている。電池40の上方に配設されるエンドプレート44の下面には、絶縁層が形成されている。
フレキシブルプリント基板45は、電池43に形成された端子接続部432a〜432jをインバータ装置に配線するための矩形薄板状の部材である。図25に示すように、フレキシブルプリント基板45は、本体部45aと、分割配線パターン45b〜45i(配線パターン)と、端子接続部45j〜45qと、コネクタ接続部45r〜45yを備えている。
分割配線パターン45b〜45iは、本体部45aの前後方向に延在している。分割配線パターン45b〜45iは、絶縁層によって覆われている。
分割配線パターン45b〜45iの一端部は、本体部45aの前後方向の同一位置に形成されている。分割配線パターン45b、45d、45f、45hの一端部は、本体部45aの左側に、左右方向に所定間隔を隔てて形成されている。分割配線パターン45c、45e、45g、45iの一端部は、本体部45aの右側に、左右方向に所定間隔を隔てて形成されている。分割配線パターン45b〜45iの一端部には、矩形状の端子接続部45j〜45qが形成されている。端子接続部45j〜45qは、上面側が露出している。
分割配線パターン45b〜45iの他端部は、本体部45aの前端部に形成されている。分割配線パターン45b〜45iの他端部には、矩形状のコネクタ接続部45r〜45yが形成されている。コネクタ接続部45r〜45yは、本体部45aの上面側と下面側がともに露出している。
図18及び図19に示すように、電池40〜43は、上下方向に積層される。フレキシブルプリント基板45は、電池43の下方に配設される。これにより、端子接続部401aが、電圧検出端子40dの他端部の下方に対向して配置される。端子接続部401jが、電圧検出端子40eの他端部の下方に対向して配置される。端子接続部411aが、電圧検出端子41eの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部411jが、電圧検出端子41dの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部421aが、電圧検出端子42dの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部421jが、電圧検出端子42eの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部431aが、電圧検出端子43eの他端部の下方に対向して配設される。端子接続部431jが、電圧検出端子43dの他端部の下方に対向して配設される。
また、端子接続部402a〜402d、402g〜402jが、端子接続部411b〜411e、411f〜411iの上方に対向して配設される。端子接続部412a〜412d、412g〜412jが、端子接続部421b〜421e、421f〜421iの上方に対向して配設される。端子接続部422a〜422d、422g〜422jが、端子接続部431b〜431e、431f〜431iの上方に対向して配設される。端子接続部432a〜432d、432g〜432jが、端子接続部45p、45n、45l、45j、45k、45m、45o、45qの上方に対向して配設される。
この状態で、エンドプレート44によって電池40〜43が上下方向に押圧され、上下方向に対向して配設されている端子接続部と電圧検出端子の他端部、端子接続部と端子接続部が当接して電気的に接続される。その結果、電池40の電圧検出端子40dが、分割配設パターン400a、410b、420c、430dを介してコネクタ接続部45rに配線される。電池40の電圧検出端子40eが、分割配設パターン400j、410i、420h、430gを介してコネクタ接続部45sに配線される。電池41の電圧検出端子41eが、分割配線パターン410a、420b、430cを介してコネクタ接続部45tに配線される。電池41の電圧検出端子41dが、分割配線パターン410j、420i、430hを介してコネクタ接続部45uに配線される。電池42の電圧検出端子42dが、分割配線パターン420a、430bを介してコネクタ接続部45vに配線される。電池42の電圧検出端子42eが、分割配線パターン420j、430iを介してコネクタ接続部45wに配線される。電池43の電圧検出端子43eが、分割配線パターン430aを介してコネクタ接続部45xに配線される。電池43の電圧検出端子43dが、分割配線パターン430jを介してコネクタ接続部45yに配線される。
次に、効果について説明する。第4実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第4実施形態では、正極端子が板状体であり、電圧検出端子が正極端子の一部を切欠くとともに屈曲して形成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。正極端子及び負極端子は、棒状体であってもよい。この場合、電圧検出端子は、正極端子又は負極端子の少なくともいずれかにねじ止されることで形成されていてもよい。例えば、図26に示すように、電圧検出端子10d’は、板状体をL字状に屈曲成形して構成され、一端部が正極端子10b’にねじ止めされ、他端部が電池10’の上面に形成されるようにしてもよい。
また、第1〜第4実施形態では、4つの電池を積層して構成される組電池の例を挙げているが、これに限られるものではない。当然、5つ以上の電池を積層して構成される組電池にも適用できる。電池の数が多いほど、部品点数や組付け工数の削減のより大きな効果を得ることができる。
さらに、第3及び第4実施形態では、フレキシブルプリント基板35、45を用いている例を挙げているが、これに限られるものではない。電池33、43の下方に配設されるエンドプレート34、44に貫通孔を設け、電池33、43の下面に形成された端子接続部に、直接コネクタ接続して配線するようにしてもよい。