JP2012013895A - 電子楽器のペダル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グランドピアノにおけるペダルの反力特性に近い特性を、簡単な構造で実現する電子楽器のペダル装置を提供する。
【解決手段】レバー1は、その支点部1cをレバー支持部2bに支持され、そのレバー操作部1aに対する演奏者の踏み込み操作によりストロークの所定範囲を揺動する。コイルバネ4は、レバー1のストロークの全範囲において変位し、その変位の増加に従って増加するという特性の反力を発生する。ドーム形状ゴム部材5は、レバー1のストロークの途中から変位を始め、その変位に対する反力の変化率が、その変位の途中において、負の値になることなく減少するという特性の反力を発生する。この特性は、ドーム形状ゴム部材5が、レバー1のストロークの途中からレバー1に結合し、レバー1のさらなる踏み込み操作により変位を始め、その変位の途中から座屈が生じることにより得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アコースティックピアノのペダルに近い反力特性を有する電子楽器のペダル装置に関するものである。
自然楽器であるアコースティックピアノ、特にグランドピアノにおいては、演奏者がダンパーペダルを踏み込んだ場合、演奏者は、ダンパーペダルから受ける反力の傾き、すなわち、反力の変化率(=反力の増分値÷ストローク量の増分値)が、ダンパーペダルの踏み込み深さ(ストローク)に応じて変化していることを感じる。
図6は、グランドピアノにおけるレバー(ダンパーペダル又はシフトペダル)の反力特性の概要図である。縦軸はレバーに加える荷重、横軸はレバーの変位量(ストローク量)である。61は荷重を加えたときのダンパーペダルのストローク量を示す特性曲線である。この荷重は、演奏者がダンパーペダルを踏み込んだときに反力として感じられる。
ダンパーペダルは、いくつかの連結部を介してダンパーに連結されている。
演奏者がダンパーペダルの踏み込みを開始した初期状態では、ダンパーや各種連結部の重量などが初期反力として発生するので反力の変化率が大きい。その後、ダンパーペダルのストローク量が小さい間は、連結部にある遊びのため、ダンパーペダルの踏み込み力はダンパーにまで伝達されない。そのため、ダンパーペダルのストローク量が、図示の領域A0にあるとき、初期状態を除けば反力の変化率が小さい。
さらに、演奏者がダンパーペダルのストローク量を大きくすると、図示の領域A1に移行し、連結部を介して踏み込み力がダンパーに伝達され、弦に当接していた各弦に対応するダンパーを弦から持ち上げ始める。その際、連結部の全体が有する弾性要素、隣接するダンパー同士の動きの不均一により生じる摩擦力の増加等により、領域A1において反力の変化率が大きくなる。
さらにダンパーペダルの変位量が増し、領域A2に移行すると、全てのダンパーが弦から完全に離れ、連結部全体が有する弾性要素からの反力が増加しなくなる。その結果、ダンパーペダルに発生する反力の変化率が再び小さくなる領域A2が現れることになる。
その後、領域A3に移行すると、ダンパーペダルはストッパに当接する。そのため、反力の変化率が急増する。
ここで、図示の領域AH(領域A1の後半から領域A1,A2の境界近傍の領域)を、通常、ハーフペダル領域という。上級演奏者は、このハーフペダル領域AHにおいて、ダンパーペダルの踏込み量を微妙に変化させることにより、発音される楽音の音色、響きなどを変化させている。
その際、上級演奏者は、領域A1と領域A2との境界において反力の変化率が変化していることを感じることにより、ハーフペダル領域にあることを認識できる。
なお、グランドピアノの機種及びメーカによって、ダンパーペダル、連結部、及び、ダンパーの構造が異なるため、図示の領域A0,A1,AH,A2の各開始位置や各領域の幅が異なる。図中、破線で示す特性62のように、領域A0,A1間では、反力の変化率に差がない場合もある。
一方、グランドピアノにはシフトペダルもある。このシフトペダルを踏み込むと、鍵盤に対し打弦機構が鍵配列方向にシフトし、各鍵に対し3本又は2本ある弦の内、1本がハンマの打撃を受けなくなる。このシフトペダルでは、上述したダンパーペダルの特性曲線61に類似した反力特性を有するが、領域A0においては、図示破線で示す特性曲線62のようになる。
なお、図示の特性曲線61は、ダンパーペダルの踏み込みの往行程である。踏み込みの復行程の特性曲線は、図示の往行程に対し、同じ変位量に対し反力が少し小さくなる。これは、連結部の粘性や摩擦力により生じるヒステリシスである。なお、シフトペダルの方がダンパーペダルよりもヒステリシスが大きい。
ところが、電子鍵盤楽器のペダル装置においては、従来、ダンパーペダルを1個のバネで付勢するものが一般的である。そのため、反力の変化率はストロークの途中で変化しない。
これに対し、電子楽器のペダル鍵盤装置においても、ダンパーペダルから受ける反力の変化率を、ダンパーペダルのストローク量に応じて変化させる技術が知られている(特許文献1参照)。
この技術では、2個のバネ材を用い、これらのバネ材がダンパーペダルに段階的に作用するようにしたものである。この技術では、全ストローク行程の途中から反力が増加する特性が得られる。しかし、この特性は、図6に示したグランドピアノのタッチ感とは異なるものとなり、また、ダンパーペダルを踏み切るのに大きな力を要するものである。
また、ペダル板(ダンパーペダル)を付勢するコイルバネと、ゴム製の接触片を有する3個のスイッチとを用いる電子鍵盤楽器用ペダルユニットも知られている(特許文献2参照)。
ペダルフレームの底テーパ面にコイルバネと基板が設置され、基板に3個のスイッチが設置されている。この技術においては、ペダル板の裏面にある押圧部材が、各スイッチの接触片の上方に、一定のクリアランスを持って配置されている。ペダル板が踏み込まれると、3個のスイッチが順次押圧される。
構造上、各スイッチはペダル板を介して演奏者に対し反力を与える。しかし、3個のスイッチは、そのオンオフによりペダル板の操作量を4段階に分けて検出するものである。従って、各スイッチの反力は、通常のゴム製の接触片を有するスイッチ、例えば、電子鍵盤楽器の鍵スイッチと同様に、十分に小さいと推測される。従って、3個のスイッチの反力を合わせても、コイルバネに比べて小さな反力しか得られない。仮に、反力の大きなスイッチを使用しても、コイルバネの反力と3個のスイッチの反力とを合わせたものの特性は、図6に示したダンパーペダルの反力の特性とは異なるものになる。
特開2004−334008 特開2001−22355
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、グランドピアノにおけるペダル(ダンパーペダル又はシフトペダル)の反力特性に近い特性を、簡単な構造で実現する電子楽器のペダル装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1に記載の発明においては、演奏者の踏み込み操作によりストロークの所定範囲を揺動するレバーと、該レバーの踏み込み操作により変位し、当該変位に対して発生する反力を前記レバーに与える付勢手段を有する電子楽器のペダル装置において、前記付勢手段は、第1の付勢手段と第2の付勢手段とを有し、前記第1の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの全範囲において変位し、当該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生し、前記第2の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの最初又は途中から変位し、当該変位に対する当該反力の変化率が、当該変位の途中において、負の値になることなく減少するという第2の特性の反力を発生するものである。
従って、レバーの踏み込み操作において、第1の付勢手段により、最初からストロークの増加に従って増加する反力が発生する。第2の付勢手段により、レバーの反力の変化率は、ストロークの最初又は途中から一旦増加し、その後のストロークの途中において負の値になることなく減少するという特性が実現される。
その結果、レバーの踏み込み操作において、1段又は2段に変化する操作感触が得られる。また、反力の変化率が減少した後にレバーがストッパに当接することになるので、押し切り荷重の増大が抑制され、レバーの操作感触が重くならない。従って、グランドピアノにおける、ダンパーペダルやシフトペダルの反力特性に近い特性を、電子楽器のペダル装置においても簡単な構造で実現できる。
加えて、第2の付勢手段の反力の変化率がその変位の途中において減少するときも、その変化率が負の値にならないことから、変形に無理が生じない。そのため、第2の付勢手段の耐久性が向上するとともに、第2の付勢手段の変形動作が安定する。
第1の付勢手段は、例えば金属バネで実現され、第2の付勢手段は、第1の付勢手段とは異なる素材の弾性部材、例えば、ゴムを素材とする弾性部材で実現される。
本発明は、請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の電子楽器のペダル装置において、前記第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の変位の途中から座屈が生じることにより、前記第2の特性の反力を発生するものである。
従って、変位の途中からの座屈現象により、ペダルのストローク量の増加に対する反力の変化率が、ストロークの途中において、負の値になることなく減少するという特性を実現できる。
本発明は、請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の電子楽器のペダル装置において、前記第2の付勢手段は、ドーム形状をした弾性部材である。
従って、簡単な素材と形状、構成により、変位の途中から座屈変形が生じる作用が得られる。
本発明は、請求項4に記載の発明においては、請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子楽器のペダル装置において、前記第2の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの途中から前記レバーに結合し、該レバーのさらなる踏み込み操作により変位するものである。
従って、第2の付勢手段は、レバーのストロークの途中から変位を始めるから、ペダルのストローク量の増加に対する反力の変化率は、レバーのストロークの途中から一旦増加し、その後、再び減少するという特性が実現される。その結果、反力の変化率が、レバーのストロークの途中で一旦増加するタイプのグランドピアノにおけるダンパーペダルの反力特性を、電子楽器のペダル装置においても簡単な構造で実現できる。
上述した本発明によれば、レバーの操作感触が良好になるとともに、グランドピアノにおけるペダル(ダンパーペダル又はシフトペダル)の反力特性に近い特性を、耐久性があり安定した動作をする部材を用いて、電子楽器のペダル装置においても簡単な構造で実現できるという効果がある。その結果、ハーフペダル領域におけるペダル操作が容易になるので、電子楽器における楽音の制御が容易になる。
本発明の実施の一形態を示す説明図である。 ドーム形状ゴム部材の変位−荷重特性の一例を示す概要図である。 図1に示した実施形態におけるレバーの反力特性の一例を示す概要図である。 ドーム形状ゴム部材の変位−荷重特性、及び、図1に示した実施形態におけるレバーの反力特性を示す概要図である。 図1に示した実施の形態を用いた電子楽器の一例を示すハードウエア構成図である。 グランドピアノにおけるレバーの反力特性の概要図である。
図1は、本発明の実施の一形態を示す説明図である。ペダル装置を側面の垂直断面として示している。
図中、1はレバー(ダンパーペダル又はシフトペダル)、2はペダルフレームである。ペダルフレーム2は、レバー1のほか、後述するコイルバネ4、ドーム形状ゴム部材5、下限ストッパ3、上限ストッパ6、第1のセンサ8、第2のセンサ9等を支持し固定する。ペダルフレーム2は、図示しない脚柱により電子鍵盤楽器本体部に結合固定されたり、電子鍵盤楽器の土台部分となったりする。
レバー1において、1aはレバー操作部、1bは上面部、1cは支点部、1dは下面部である。ペダルフレーム2の底板2aの上面にレバー支持部2bが設けられている。ペダルフレーム2の底板2aと左右の側板2c(この図では演奏者側から見て左側の側板が見える)とで囲まれた前面開口部2dからレバー操作部1aが露出する。
レバー1は、その支点部1cをレバー支持部2bに支持され、そのレバー操作部1aに対する演奏者の踏み込み操作によりストロークの所定範囲を揺動する。
図示のレバー1は、ほぼ直方体の角棒形状であって、下面部1dを有する。これに代えて、上面部1bと左右の側面部を有し、これらにより下向きに開口する凹部が形成されたものでもよい。この場合、後述するドーム形状ゴム部材5に対向する押圧部材を凹部に設ける。
ペダルフレーム2の底板2aには、また、前面開口部2dの近くに下限ストッパ3が立設されている。下限ストッパ3は、例えばフェルト材であり、後述する上限ストッパ6とともに、演奏者の踏み込み操作に応じて揺動するレバー1のストローク範囲を規制する。
この下限ストッパ3からレバー支持部2bまでの間の、レバー1の長手方向において、コイルバネ(第1の付勢手段)4、ドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)5が立設されている。コイルバネ4とドーム形状ゴム部材5の配列順序は逆でもよい。
コイルバネ4は、例えば、金属バネであり、レバー1のストロークの全範囲において変位し、その変位にほぼ比例する反力を発生することにより、変位の増加に従って増加する反力を発生する。
ドーム形状ゴム部材5は、レバー1のストロークの途中からレバー1に結合し、レバーのさらなる踏み込み操作により変位を始め、その変位の途中から座屈変形が生じる。従って、レバー1のストロークの途中から変位し、その変位に対する反力の変化率が、その変位の途中において減少する領域を有する特性が得られる。
ドーム形状ゴム部材5は、屈曲部5aを有し、その下部外周に平面状の基底部5bが形成されたものである。この基底部5bがペダルフレーム2の底板2aに取付固定される。屈曲部5aと底板2aとにより、内部空間5cが形成される。
屈曲部5aは、例えば、半球形、半楕円球形、円錐台形、円柱形等であり、中空部を形成する。
基底部5bの側面及び又は底板2aに図示しない空気孔が設けられ、屈曲部5aが変形したり、元の形状に復帰したりするとき、空気孔を通して、内部空間5cと外気との間で空気が流出・流入する。
ドーム形状ゴム部材5の頭頂部は、レバー1の下面部1dに対向する被駆動部となる。図示の例では、屈曲部5aの上部が平坦であり、ここにネジ孔5dが形成されている。このネジ孔5dにスペーサ5fを嵌めたネジ5eをねじ込むことにより、ネジ5eの頭部が上述した頭頂部となる。
ネジ5e、すなわち、ドーム形状ゴム部材5の頭頂部は、レバー1の初期状態(離鍵状態)において、レバー1の下面部1dに対し、間隙d0を隔てて配置されている。
図2は、ドーム形状ゴム部材5の変位−荷重特性の一例を示す概要図である。
図中、縦軸はドーム形状ゴム部材5に加える荷重であり、横軸はドーム形状ゴム部材5が圧縮されることによる頭頂部の変位量である。レバー1がドーム形状ゴム部材5を押圧するとき、レバー1は、反作用として荷重に等しい大きさの反力を受け、この反力は演奏者に伝達される。
図示の特性曲線11はドーム形状ゴム部材5を押圧する往行程の反力特性、特性曲線12はドーム形状ゴム部材5が初期の形状に復帰する復行程の反力特性である。従って、ドーム形状ゴム部材5にもヒステリシスがある。
往方向の特性曲線11において、荷重(反力)は、押圧初期においてゼロであり、ほぼ一定の正の変化率(=荷重の増分値÷変位の増分値)で上昇するが、徐々に変化率が小さくなり、変位点11aにおいて、変化率が負に転じ、その後は微減する。この特性曲線11は、ドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aが徐々に座屈変形することによる。その後、屈曲部5aが底付き(底板2aに当接)するので、変位点11bにおいて、変化率が急上昇する。ただし、ドーム形状ゴム部材5は、この変位点11bに至らない変位の範囲内で使用する。
一方、復行程の特性曲線12においては、ヒステリシスにより、同じ変位量に対する荷重(反力)が小さくなるが、最終的には座屈変形が解消して初期の形状に復帰する。
再び、図1に戻って説明を続ける。レバー1よりも上の領域において、ペダルフレーム2の前面開口部2dの近くに第1の取付板2eがある。この第1の取付板2eに、上限ストッパ6が下向きに固設されている。第1の取付板2eよりもレバー1の長手方向の後方に、第2の取付板2fがある。この第2の取付板2fに、センサ取付回路基板7が取り付けられ、その下面に第1のセンサ8が配設されている。
上述した第1の取付板2e、第2の取付板2fは、例えば、ペダルフレーム2の左右の側板2cの間に架け渡されて取り付けられている。
レバー1の初期状態において、上限ストッパ6は、レバー1の上面部1bに当接し、第1のセンサ8は、レバー1の上面部1bに対し、間隙d1を隔てて配置されている。
第1のセンサ8は、ペダルの踏込み量、すなわち、レバー1のストローク量に応じたアナログ量を出力する。この第1のセンサ8は、例えば、発光部と受光部とを備えた反射式センサである。発光部から放射された光はレバー1の上面部1bで反射され、このときの反射光を受光部が受光する。上述した間隙d1に応じて受光量が変化するため、第1のセンサ8は、レバー1のストローク量に応じたアナログ量を出力する。
レバー1のストローク量を取得する第1のセンサ8に代えて、レバー1に連結されて回動する可変抵抗器を用いてもよい。レバー1のストロークに応じてその抵抗値が変化する。
また、レバー1に固着されるか、レバー1に連動して回動する部材に、磁気的又は光学的な目盛りを付した目盛板を固着しておき、ペダルフレーム2の側において、この目盛板を読み取ることにより、レバー1のストローク量を取得するセンサでもよい。
また、段階的にオンとなる複数個のスイッチを内蔵するゴムスイッチでもよい。複数個の可動接点が、レバー1のストローク量に応じて、それぞれに対応した一対の固定接点を順次短絡して行くことにより、ストローク量が段階的に検出される。
上述した第1のセンサ8のように、レバー1のストローク量を検出するだけで十分である。しかし、この実施の形態では、第2のセンサ9を設ける。
これにより、レバー1がドーム形状ゴム部材5の頭頂部(ネジ5e)に当接した後のドーム形状ゴム部材5の変位量を検出することにより、ドーム形状ゴム部材5の変位量を検出する。図示の例では、第2のセンサ9は、ドーム形状ゴム部材5の内部空間5cにおいて、底板2aの上面に配設されている。
第2のセンサ9は、例えば、発光部と受光部とを備えた反射式センサである。発光部から放射した光は、ドーム形状ゴム部材5の内部空間5cの内壁面で反射され、この反射光は受光部で受光される。ドーム形状ゴム部材5の変位に応じて受光量が変化することにより、レバー1がドーム形状ゴム部材5の頭頂部(ネジ5e)に当接した後のドーム形状ゴム部材5の変位量を検出する。
第2のセンサ9として、頭頂部(ネジ5e)に、導電性ゴム又は圧電センサを貼着したものでもよい。レバー1の下面部1dが頭頂部(ネジ5e)に当接した後において、頭頂部(ネジ5e)が受ける荷重を、導電性ゴムの抵抗値、又は、圧電センサの発生電圧により検出することができる。
上述した第1のセンサ8により検出されるレバー1のストローク量、又は、第2のセンサ9により検出されるドーム形状ゴム部材5の変位量又は荷重は、これらに応じて、電子楽器において発音する楽音に、ダンパーペダル効果、あるいは、シフトペダル効果を付与するのに使用される。詳細は図5を参照して後述する。
図3は、図1に示した実施形態におけるレバーの反力特性の一例を示す概要図である。図3(a)は反力特性の典型例を示し、後述する図3(b)は反力特性の変形例を示すものである。図中、横軸はレバー1のストローク量であり、縦軸はレバー1が演奏者に与える反力である。21はレバー1の特性曲線である。
図3(a)において、特性曲線21は、図6に示したグランドピアノの特性曲線の領域AO〜A4に合わせるようにして4領域に区分される。
レバー1のストロークが小さい領域A0においては、コイルバネ4の弾性力のみによる反力が働くようにする。図1に示した初期状態(非押下状態)から、演奏者がレバー1の踏み込みを開始すると、レバー1が支点部1cを中心に回動を始める。
その際、レバー1の反力の変化率(反力の増分値÷ストローク量の増分値)は、初期反力により一時的に大きくなるものの、コイルバネ4の弾性力により、反力はほぼ一定の変化率で増加する。
演奏者がレバー1の操作部1aの踏み込みを深くしてストローク量が大きくなる途中で、レバー1の下面部1dが頭頂部(ネジ5e)に当接し、図3(a)に示す領域A1に移行する。この領域A1において、ドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aの変形が始まり、コイルバネ4の弾性力とドーム形状ゴム部材5の弾性力との合力がレバー1に加わるので、特性曲線21におけるレバー1の反力の変化率が大きくなる。図3(a)において、破線22は、領域A1以降におけるコイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線である。
領域A1に移行するときのストローク量は、図1における間隙d0により決まる。この間隙d0は、例えば、ネジ5eに嵌め込むスペーサ5fとして、異なる厚みのものを用いることにより調整可能である。
さらにレバー1の操作部1aを踏み込むと、ドーム形状ゴム部材5は、図2の特性曲線11で示したように傾きが徐々に低下する。そのため、図3(a)に示す特性曲線21においても、反力の変化率が徐々に小さくなり領域A2に移行する。
演奏者がレバー1の操作部1aをさらに踏み込むと、特性曲線21の変化率は、さらに減少し、レバー1の下面部1dが下限ストッパ3に当接すると、今度は、変化率が正方向に急増し領域A3に至る。
図6において説明したグランドピアノでは、領域A1の後半から領域A2にかけての領域AHがハーフペダル領域となる。そこで、電子楽器においても、図3(a)に示すハーフペダル領域AHにおいて、レバー1の踏み込みを微妙に調整して楽音を制御できるようにする。
図3(a)に示した反力の特性曲線21と、図6に示したグランドピアノにおける特性曲線61とを比較すると、特性曲線21では、領域A1から領域A2にかけて反力の変化率が減少する傾向にあるものの、減少が曖昧である。
そのため、この実施の形態では、図6に示したグランドピアノと全く同じタッチ感触が得られるわけではない。しかし、1個のバネで付勢することにより反力の変化率が変化しない従来のダンパーペダルと比較すると、ハーフペダル領域AHは認識しやすくなる。
図3(b)を参照して、反力特性の変形例について説明する。
23はレバー1の反力の特性曲線である。特性曲線23は、図6に示したグランドピアノの特性曲線の領域AO〜A4に合わせるようにして4領域に区分される。そのうち、破線24はコイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線である。
図1に示した構造を変更し、例えば、ドーム形状ゴム部材5の形状を大きくするなどして、レバー1の下面部1dが、常にドーム形状ゴム部材5の頭頂部(ネジ5e)に当接(d0=0)するようにしておく。その結果、ドーム形状ゴム部材5は、レバー1のストロークの最初から変位する。その際、レバー1の全ストロークの範囲において、図1に示したドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aが底付きしないように設計しておく。
レバー1の反力は、演奏者がレバー1の踏み込み操作を開始したときから、コイルバネ4とドーム形状ゴム部材5とにより発生する。
この変形例は、図6において、領域AOと領域A1との境界で反力の変化率に変化のない特性曲線62に近似させたものである。この変形例においても、領域A1から領域A2にかけてハーフペダル領域AHを設けて、楽音をペダル制御できるようにする。
次に、図4を参照し、レバー1の反力特性の望ましい特性を説明する。
図4(a)は、ドーム形状ゴム部材5の変位−荷重特性を示す概要図である。
図中、特性曲線11は図2に示したものと同じである。
13はドーム形状ゴム部材5の往方向の特性曲線である。復方向の特性曲線については図示を省略する。荷重(反力)は、押圧初期においてゼロであり、ほぼ一定の正の変化率(=荷重の増分値÷変位の増分値)で上昇するが、徐々に変化率が小さくなり、その後、ほぼ一定の小さな正の変化率で上昇する。その後、屈曲部5aが底板2aに当接すると変化率が急上昇する。
この特性曲線13は、ドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aの肩の部分が変形して下に潜り込むことによる。ドーム形状ゴム部材5は、屈曲部5aが底付きしない変位の範囲内で使用する。復行程においては、ヒステリシスにより、同じ変位量に対する荷重(反力)が小さくなるが、最終的には座屈変形が解消して初期の形状に復帰する。
図4(b)は、図1に示した実施形態におけるレバー1の反力特性のモデルを示す概要図である。
図中、レバー1の特性曲線21、コイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線22、領域A0,A1,A2,A3は、図3(a)に示したものと同じである。
25は、図1に示したレバー1の往行程の特性曲線である。ドーム形状ゴム部材5の特性として、図4(a)に示した特性曲線13のものを使用する。
レバー1の踏み込み操作において、レバー1の反力の変化率(反力の増分値÷ストロークの増分値)は、初期反力により一時的に大きくなるものの、領域A0においては、コイルバネ4により、ほぼ一定の変化率で増加する。この領域A0においては、特性曲線23と特性曲線21とは一致する。
その後、レバー1の反力の変化率は、ストロークの途中(領域A0と領域A1との境界となるストロークs1)から一旦増加する。これは、ドーム形状ゴム部材5がレバー1に当接しレバー1に結合するためである。
その後のストロークの途中において、レバー1の反力の変化率が減少し始め、その後、変化率は、ほぼ一定の小さな正の値をとる。これは、ドーム形状ゴム部材5が図4(a)に示した特性曲線13の特性であるためである。レバー1が下限ストッパ3に当接する(領域A2と領域A3との境界となるストロークs3)ことによりレバー1の反力の変化率は急増する。
上述したレバー1の特性曲線25によれば、レバー1のストロークの途中から、レバーの反力の変化率が増加する第1段階と、その後、レバーの反力の変化率が減少する第2段階という、階段状の感触変化が得られる。
ただし、第2段階に移行するポイントは明確でない。このポイントは、特性曲線25の反力の変化率が最も大きく減少(微分で表現すれば、反力の2次微分が極小となる)するストローク値s2とすることができる。第1段階から第2段階に至るまでの階段状の反力変化量は、ストローク開始時の初期反力と同程度がよく、この初期反力の1/2以上2倍以下の範囲内にあることが望ましい。
なお、図4(a)に示したポイントp1は、このストローク値s2に対応するドーム形状ゴム部材5の変位量である。
また、上述した第2段階ではレバー1の反力の変化率が減少することから、レバー1が下限ストッパ3に当接するに至ったときの反力(押し切り荷重)の増大が抑制される。
ここで、レバー1の特性曲線が仮想線26未満の領域(仮想線26を含まない)にあれば、比較的明確な2段階の感触変化が得られる。
この仮想線26は、レバー1の特性曲線において、ストロークs1における変化率のまま、一定の正の変化率で増加するというものである。
これに対応するドーム形状ゴム部材5の特性曲線は、図4(a)に示した仮想線14未満の領域(仮想線14を含まない)にある。
この仮想線14は、特性曲線11の押圧初期の領域を過ぎたときの変化率のまま、一定の正の変化率で増加するというものである。
図4(b)において、反力の変化率の減少が小さければ第2段階への感触変化を感じにくい。従って、ストロークの途中における反力の変化率の減少後において、反力の変化率が、仮想線26の変化率と仮想線27の変化率の和の半分以下になることが好ましい。
さらには、仮想線27の変化率の値未満になることが望ましい。この仮想線27は、反力の変化率が特性曲線22の変化率(コイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線)に等しくなるまで減少する特性である。言い換えれば、特性曲線は、仮想線27未満の領域(仮想線27を含まない)にあることが望ましい。特性曲線21はこの条件を満たす。
これに対応するドーム形状ゴム部材5の特性曲線の変化率は、仮想線14の変化率の半分以下、さらには、仮想線15の変化率未満となる。言い換えれば、図4(a)に示した仮想線15未満の領域(仮想線15を含まない)にあればよい。
この仮想線15は、荷重(反力)が押圧初期においてゼロであり、押圧初期の領域を過ぎた後、特性曲線13の正の変化率を維持して増加するが、徐々に変化率が小さくなり、その後、変化率がゼロとなるものである。
従って、ドーム形状ゴム部材5としては、ドーム形状ゴム部材5の変位に対するその反力の変化率が、その変位の途中において、正から負に変化する特性のものを使用すればよい。特性曲線11はこの条件を満たす。
一方、ドーム形状ゴム部材5の特性として、図4(a)において、仮想線14未満(仮想線14を含まない)、仮想線15以上(仮想線15を含む)のハッチングを付した領域16を通るものを使用する利点もある。
この特性は、ドーム形状ゴム部材5の変位に対する反力の変化率が、その変位の途中において、負の値になることなく減少するという特性である。この場合、ドーム形状ゴム部材5の耐久性が向上するとともに、ドーム形状ゴム部材5の変形動作が安定する。
例えば、ドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aの肩より下の円筒部の肉厚を、基底部5b側に近づくほど厚くして行けば、変位の途中における変化率の減少が小さくなり、仮想線14に近づく特性となる。
これに対し、ドーム形状ゴム部材5の屈曲部5aの肩より下の円筒部の肉厚を等しくし、かつ、円筒の直径を同じになるようにして行けば、特性曲線11のように、変位の途中における変化率の減少が大きくなる。
なお、先に説明したように、ドーム形状ゴム部材5は、図1に示した形状に限らず、半球形、半楕円球形、円錐台形、円柱形であってもよい。
ハーフペダル領域AHについては、図3を参照して既に説明している。ここでは、図4を参照して、ハーフペダル領域AHについて再度、説明する。
図3を参照した説明では、図6に示したアコースティックピアノの反力特性を考慮して、図3に示す領域AHをハーフペダル領域と定めていた。
しかし、ハーフペダル領域AH(下限となるストローク値及び上限となるストローク値)は、任意に設定してもよい。ユーザの選択操作により設定を変更できるようにしてもよい。
ハーフペダル領域AHの下限を先に述べたストローク値s1又はその近傍とし、その上限を先に述べたストローク値s2又はその近傍とすれば、レバー1の反力の変化率の2段階の変化に対応したハーフペダル制御ができる。
すなわち、レバー1の反力の変化率の段階的変化と、このレバー1により制御される楽音の変化とを一致させることができる。
この場合、反力の変化率の減少率は、ストローク値s2の近傍においてはさほどの変化をしないので、上限の許容範囲は広い。
図3(b)に示したレバー1の反力特性の変形例は、図1に示したレバー1が、常にドーム形状ゴム部材5に当接、結合している場合の特性であった。
図3(b)に示したように、ドーム形状ゴム部材5の特性として、その変位に対するその反力の変化率が、変位の途中において減少し、ゼロ又は負の値になるという特性の反力を発生する場合は、レバー1の踏み込み操作において、比較的明確な1段階に変化する操作感触が得られる。また、反力の変化率が大きく減少した後にレバー1が下限ストッパ3に当接することになるので、押し切り荷重の増大が抑制される。
一方、この変形例においても、ドーム形状ゴム部材5の特性として、その変位に対するその反力の変化率が、変位の途中において、負の値になることなく減少するという特性の反力を発生するものとすれば、レバー1の踏み込み操作において、1段階に変化する操作感触が得られる。また、反力の変化率が減少した後にレバー1が下限ストッパ3に当接することになるので、押し切り荷重の増大が抑制される。加えて、変化率が負の値にならないことから、ドーム形状ゴム部材5の耐久性が向上するとともに、ドーム形状ゴム部材5の変形動作が安定する。
図5は、図1に示した実施の形態を用いた電子楽器の一例を示すハードウエア構成図である。
バス31は、CPU(Central Processing Unit)32をはじめ、複数のハードウエアブロックを相互接続し、CPU32の制御下でデータやプログラムを転送する。
ROM(Read Only Memory)33は、例えば、フラッシュROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)であり、プログラム、変換テーブル、パラメータの設定データ、曲データファイル、伴奏データファイル等が記憶され、電子鍵盤楽器の主電源が切られたときもこれらを保持する。
CPU32は、RAM(Random Access Memory)34に作業領域を設けてプログラムを実行することにより、各ハードウエアブロックの機能、ハードウエアブロック間の転送が統一的に実行されるための全体制御をするコンピュータである。時間割り込み処理は、タイマ35により指示される割り込みタイミングで実行される。
RAM34の作業領域には、例えば、キーバッファ、ペダルバッファ、フラグ等の領域が設けられている。
キーバッファには、発音チャンネルに対応して、例えば、鍵番号、押鍵速度、鍵のキーイベント(キーオン/キーオフ)等が記憶される。
ペダルバッファには、ダンパーペダル、シフトペダル等に対応して、ストローク量、ペダルイベント(ペダルオン/ペダルオフ)等が記憶される。
時計回路36は、現在日時、時刻の管理を電源オフ状態でも行う。
外部記憶装置37は、HDD(ハード磁気ディスク駆動装置)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であり、上述したROM33に代えて、プログラムやデータを記憶しておくことができる。
上述したROM33、外部記憶装置37等が記憶するプログラム、データは、サーバ装置40に保存しておき、通信ネットワーク41、ネットワークインタフェース42を経由して、アップデートされることができる。
また、他のMIDI機器38から転送されるMIDI信号を、MIDIインタフェース39を経由して入力し、本電子鍵盤楽器で演奏したり、逆に、本電子鍵盤楽器で演奏するときに出力されるMIDI信号を他のMIDI機器38に転送したりすることができる。
演奏操作子として、ペダル装置43と鍵盤45とを図示している。これらの操作は、検出回路44,46において検出され、バス31に出力される。ペダル装置43は、図1におけるレバー1(ダンパーペダル、シフトペダル)等である。
ペダル装置43の検出回路44は、図1に示した第1のセンサ8、第2のセンサ9、又は、これらに代わるセンサが出力するアナログ信号をディジタル値に変換する。このディジタル値は、CPU32により、バス31を経てRAM34に転送され、ペダルバッファに一時記憶される。その際、このディジタル値は、そのままストローク量や荷重に対応するデータとしてもよいし、センサ出力とストローク量との変換テーブル、センサ出力と荷重との変換テーブルを参照して、ストローク量、荷重に変換した上でペダルバッファに記憶させてもよい。
ここで、第1のセンサ8の出力(ストローク)、第2のセンサ9の出力(変位、荷重)の利用方法の具体例を説明する。いずれの場合も、ハーフペダル領域AHよりもストローク量の大きい領域では、ストローク量にかかわらず、一律にダンパーペダルオン状態として楽音を制御する。同様に、ハーフペダル領域AHよりもストローク量の小さい領域では、ストローク量にかかわらず、一律にダンパーペダルオフ状態として楽音を制御する。
(1)第1のセンサ8によりレバー1のストローク量を検出し、このストローク量に応じてハーフペダル領域AHを決定するとともに、ハーフペダル領域AHにおけるレバー1のストローク量に応じて楽音を制御する。第2のセンサ9は使用しない。
この具体例では、ドーム形状ゴム部材5の反力特性に経年変化があっても、いつでも、レバー1の所定のストローク量からハーフペダル操作が開始される。
(2)第2のセンサ9により、ドーム形状ゴム部材5の変位又は荷重を検出し、ハーフペダル領域AHを検出するとともに、ハーフペダル領域AHにおけるドーム形状ゴム部材5の変位又は荷重に応じて音色を制御する。第1のセンサ8は使用しない。
この具体例では、ドーム形状ゴム部材5がレバー1に当接したタイミングからドーム形状ゴム部材5の変位又は荷重に応じて楽音を制御するので、ドーム形状ゴム部材5に個体差があっても、反力特性と楽音の制御特性との間ではずれが生じない。
(3)第1のセンサ8によりレバー1のストローク量を検出する。第2のセンサ9によりドーム形状ゴム部材5の変位又は荷重を検出することにより、ドーム形状ゴム部材5がレバー1に当接したタイミングを検出する。
ドーム形状ゴム部材5がレバー1に当接したタイミングにおけるレバー1のストローク量をハーフペダル領域AHの開始位置(下限位置)とし、ハーフペダル領域AHの終了位置(上限位置)は、レバー1のストローク量に応じて決定する。ハーフペダル領域AHにおけるストローク量に応じて楽音を制御する。
この具体例では、ドーム形状ゴム部材5の個体差と経年変化とを考慮して楽音を制御することができる。
パネル操作子47は、演奏者によりモード選択や制御パラメータの設定をするためのスイッチ類、音量レベル等の設定値を可変調整するためのノブ類である。パネル操作子47の操作は、検出回路48において検出され、バス31に出力される。表示回路49は、液晶ディスプレイ、LEDインジケータ等の表示器50を制御し、設定操作入力をするために、表示画像データの転送、点灯制御データの転送をする。
音源回路51は、一般的には音源LSI(Large Scale Integrated Circuit)であって、演奏データ、又は、演奏データに基づいて作成された音源パラメータを入力し、これらに基づいて楽音波形信号を生成し、効果回路52に出力する。
効果回路52は、楽音波形信号にリバーブ等の効果を付与してサウンドシステム53に出力し、サウンドシステム53は、楽音信号の音量調整をして増幅しスピーカやヘッドホン等に出力する。
CPU32は、楽音制御機能を、コンピュータプログラムを実行することにより実現する。CPU32は、パネル操作子47により設定された音色等に基づいて作成した音源パラメータを音源回路51に出力する。CPU32は、発音指示、消音指示、押鍵速度、レバー1のストローク量を音源回路51に転送する。
音源回路51は、ある鍵のキーオン(発音指示)を入力し、この鍵に割り当てられた音高の楽音信号の生成を開始し、この鍵におけるキーオフ(消音指示)を入力して、消音処理を開始する。
音源回路51及び効果回路52は、図1の第1のセンサ8、第2のセンサ9又はこれに代わるセンサの出力に応じて、楽音にダンパー効果を付与したり、発生楽音の響き(音響効果)を制御したりする。ハーフペダル領域AHにおいて、音源回路及び効果回路は、発生楽音の音色、響き(音響効果)などの楽音要素を演奏者のペダル操作により微妙に変化させる。
ダンパーペダルオン状態、及び、ハーフペダル領域AHにおける音色制御には種々の方法が知られている。ここでは、その一具体例を簡単に説明する。
音源回路51は、楽音波形データメモリ(例えば、音源回路51に含まれている)に、ダンパーペダルオフ状態(通常押鍵)における音源波形データとともに、共鳴音の音源波形データを、各音高に対応して記憶している。
この共鳴音は、グランドピアノにおいて、ダンパーペダルが当接していないことにより自由振動状態となった弦が発音継続中の楽音により共鳴することにより発生する楽音に相当する。
ダンパーペダルオン状態にあるとき、ある音高の楽音が発音継続状態であれば、この楽音の音量レベルの減衰率をダンパーペダルオフ状態にあるときよりも緩やかにする。同時に、この発音継続中の楽音により付加される共鳴音を生成する。
ハーフペダル領域においては、そのストローク量に応じて上述した発音継続状態にある音高の楽音及び共鳴音の減衰率を制御する。ストローク量が、大きくなるほど、音量レベルの減衰量を小さくする。
上述した説明では、ハーフペダル領域においては、楽音波形データをかえることなく、ストローク量に応じて楽音の減衰量を制御していた。これに代えて、ハーフペダル領域におけるストローク量に応じて、楽音波形データを切り替えるようにしてもよい。
上述した説明は、ダンパーペダルによる楽音制御であった。これに対し、シフトペダルによる楽音制御は、例えば、ある音高の楽音を生成するのに、複数の音源波形データを使用し、シフトペダルオン状態ではシフトペダルオン用(弱音)の音源波形データを使用するように制御する。
1…レバー、1a…レバー操作部、1b…上面部、1c…支点部、1d…下面部、2…ペダルフレーム、2a…底板、2b…レバー支持部、2c…側板、2d…前面開口部、2e…取付板、2f…取付板、3…下限ストッパ、4…コイルバネ(第1の付勢手段)、5…ドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)、5a…屈曲部、5b…基底部、5c… 内部空間、5d…ネジ孔、5e…ネジ、5f…スペーサ、6…上限ストッパ、7…センサ取付回路基板、8…第1のセンサ、9…第2のセンサ

Claims (4)

  1. 演奏者の踏み込み操作によりストロークの所定範囲を揺動するレバーと、該レバーの踏み込み操作により変位し、当該変位に対して発生する反力を前記レバーに与える付勢手段を有する電子楽器のペダル装置において、
    前記付勢手段は、第1の付勢手段と第2の付勢手段とを有し、
    前記第1の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの全範囲において変位し、当該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生し、
    前記第2の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの最初又は途中から変位し、当該変位に対する当該反力の変化率が、当該変位の途中において、負の値になることなく減少するという第2の特性の反力を発生する、
    ことを特徴とする電子楽器のペダル装置。
  2. 前記第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の変位の途中から座屈が生じることにより、前記第2の特性の反力を発生するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器のペダル装置。
  3. 前記第2の付勢手段は、ドーム形状をした弾性部材である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子楽器のペダル装置。
  4. 前記第2の付勢手段は、前記レバーの前記ストロークの途中から前記レバーに結合し、該レバーのさらなる踏み込み操作により変位する、
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子楽器のペダル装置。
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