以下で説明する表示制御技術は、表示部を搭載した種々の表示装置に適用されるものであるが、便宜上、種々の表示装置のうちの1つである車載装置について具体的に説明することとする。以降、車載装置を、添付図面を参照しながら、車載装置に搭載される表示部の構造、車載装置の構成、及び、車載装置の制御に分けて説明する。
<代表の実施の形態>
<車載装置に搭載の表示部の構成>
車両に搭載される表示装置である車載装置が備える表示部の構成を、図1に基づいて説明する。表示部7は、カラーフィルタ1、液晶層2、TFT(Thin Film Transistor)3、タッチパネル4、及び、バックライト5などにより構成される。
カラーフィルタ1は、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。
液晶層2は、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。
TFT3は、マトリクス状に配置された電極により構成される薄膜トランジスタである。TFT3は、TFT制御部が電極へ流す電気を制御することによって、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を発生させて、当該セルに対応する液晶層2における液晶の分子配列を変える、つまり、バックライトの光をカラーフィルタ1側へ透過させて狙いの色を液晶画面に表示させる機能を担っている。
バックライト5は、光源となる複数のLED(Light Emitting Diode)5を直列に並べて有している。つまり、バックライト5は、カラーフィルタ1、液晶層2及びTFT3によって構成された表示部の液晶画面を照明する機能を担っている。
バックライト5のタイプは、簡易構造のエッジライトタイプであり、薄い構造の表示部が要求される、つまり、小型化が要求される車載装置には最適な構造であるといえる。このような、エッジライトタイプのバックライトには、複数の光源であるLED5が矩形を成す表示部の底辺(下底)近傍に直列に備わるため、光が表示部7において、その一辺と対向する底辺(上底)に向かうほど弱くなってしまうのを防ぐ、つまり、表示部7においてバックライトの光が均一になるようにする偏光板が備わっている。
また、バックライト5は、構成するLED5を発光させる又は発光させないという単純発光だけではなく、LED5を制御する制御電流のデューティ比を異ならせることによって、LED5の光量を変更させることができる。
タッチパネル4は、抵抗を有する金属薄膜からなる透明電極によって構成されるパネルである。タッチパネル4は、この電極をマトリクス状に配列しており、ユーザによってタッチされた液晶画面の位置に応じた電極付近に電圧が発生するようになっている。このため、車載装置は、電圧が発生した位置をユーザが操作した位置であると判断することができる。
このような、カラーフィルタ1、液晶層2、TFT3、バックライト5、及び、タッチパネル4などを積層させた表示部7のうち、TFT3やバックライト5を、車載装置のTFT制御部やバックライト制御部が制御することによって、図2に示すように、表示部7の液晶画面にカーナビゲーション画像やTV画像などの画像を表示させることができる。
<車載装置の構成>
次に、車載装置の構成を図3に基づいて説明する。車載装置27は、表示部7、揮発性記憶部11、表示制御部16、第1切替部17、制御部18、放送受信部19、カメラ入力部20、ディスク読取部21、及び、カーナビゲーション部22などを、データ通信可能なバスや信号線へ電気的に接続して構成している。
制御部18は、CPUや制御プログラムなどが記憶されているROMなどにより構成されたマイコンである。例えば、制御部18は、タッチパネル4からのユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に応じた画像を表示制御部16へ出力させるために、放送受信部19、カメラ入力部20、ディスク読取部21、又は、カーナビゲーション部22の何れかから出力される画像を表示部7へ表示されるように第1切替部17を切り替える。
第1切替部17は、制御部から切り替え指示を受けて、指示に応じた画像が表示制御部16へ出力されるように、放送受信部19、カメラ入力部20、ディスク読取部21、又は、カーナビゲーション部22から表示制御部16へ出力される画像のルートを切り替えるハード回路である。
表示制御部16は、集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。例えば、論理回路から構成される、表示制御部16が備える画像調整部8、TFT制御部9、サンプリング部10、ヒストグラム生成部12、解析部13、光量導出部14、及び、バックライト制御部15がそれぞれ、画像調整機能、TFT制御機能、サンプリング機能、ヒストグラム生成機能、解析機能、光量導出機能、及び、バックライト調整機能を発揮する。それら機能の詳細については後述する。
また、サンプリング部10は、論理回路により構成されるASICの一部の回路である。図4に示すようにサンプリング部10の、第2切替部100、第1画像抽出部101、及び、第2画像抽出部102がそれぞれ、第2切替機能、第1画像抽出機能、及び、第2画像抽出機能を発揮する。それら機能の詳細については後述する。
揮発性記憶部11は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)である。揮発性記憶部11は、表示制御部16においてそれぞれの機能を発揮させる際に、導出された制御値などの結果を一時的に記憶させる、つまり、ワーキングエリアとしての機能を発揮する。
なお、ASICである表示制御部16は、入力される画像を構成する複数の画素のデータを分析して光量を導出するが、通常分析する際は、ASICに搭載されるメモリである揮発性記憶部11へ分析対象とする全ての画素データを記憶させなければならないため、その画素数に相応する容量のメモリをASICに搭載する必要があり、入力画像の画素数が多いほどASICのサイズが大きくなってしまうという問題があった。そこで、本実施の形態では、車両28へ搭載する際にサイズが限定される車載装置27において、ASICである表示制御部16のサイズが大きくならないよう、入力画像を、横方向の画素数が所定以上となる複数の領域に区分し、複数の領域それぞれから抽出された最大画素データを記憶して、メモリの容量を少なくしメモリを小型化し小型のメモリを搭載して表示制御部16のサイズを小さくする。詳細については後述する。
放送受信部19は、空中に発せられているデジタルTV放送の電波を直接受信するTV放送アンテナ23によってその電波を受信し、受信した電波に基づいて図2に示すようなTV画像を抽出する機能を担う。また、放送受信部19は、抽出したTV画像を信号線を介して、表示制御部16へ送信する。
カメラ入力部20は、車両28において撮像方向を車両外側へ向けて備えられた、つまり、車両外部の映像が撮像可能に備えられた車載カメラ24から信号線を介して受信した画像を、一定の画像に調整するAGC(Automatic Gain Control)などの機能を担う。また、カメラ入力部20は、調整した車両外部の画像を信号線を介して、表示制御部16へ送信する。
ディスク読取部21は、ユーザによりセットされたDVD25に記録されているDVD画像を読み取る機能を担う。また、ディスク読取部21は、読み取ったDVD25に記録されていたDVD画像を信号線を介して、表示制御部16へ送信する。
カーナビゲーション部22は、GPSアンテナ26により受信したGPS信号などに基づいて、算出した自車位置データに応じた地図画像を、搭載する記憶装置から読み出し、自車位置マークなどのデータと組み合わせて、カーナビゲーション画像を生成する機能を担う。また、カーナビゲーション部22は、カーナビゲーション画像を表示制御部16へ送信する。
また、放送受信部19、カメラ入力部20、ディスク読取部21、及び、カーナビゲーション部22のそれぞれは、各部において生成される画像を、表示部7へ表示される画像サイズ(例えば、表示部7に映す画像のサイズが縦幅480画素、横幅800画素であれば、それと同じサイズ、又は、表示部7のサイズが縦幅234画素、横幅400画素であれば、それと同じサイズ)へ変換してから、表示制御部16へ送信する。
<車載装置の制御>
車載装置27の制御部18は、表示部7のタッチパネル4を介して、車外画像モード設定のユーザ操作を受け付けると、第1切替部17を切替制御して、カメラ入力部20が調整した車外画像を、表示制御部16へ出力させる。
また、制御部18は、表示部7のタッチパネル4を介して、DVD再生モード設定のユーザ操作を受け付けると。第1切替部17を切替制御して、ディスク読取部21がDVD25から読み出したDVD画像を、表示制御部16へ出力させる。
また、制御部18は、表示部7のタッチパネル4を介して、カーナビゲーションモード設定のユーザ操作を受け付けると、第1切替部17を切替制御して、カーナビゲーション部22が生成した、自車位置マーク、所定の機能の実行を受け付ける選択マーク、及び、地図画像などを含むカーナビゲーション画像を、表示制御部16へ出力させる。
以降、ユーザがタッチパネル4により選択した、TV画像、車載カメラ画像、DVD画像、又は、カーナビゲーション画像の何れかの画像が第1切替部17を介して、表示制御部16へ出力させた後の、表示制御部16において実行される処理を図5に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、図5に示す制御処理は、表示制御部16へ規定の周期により画像が入力されるごとに実行され、車載装置27への電源がユーザによって切れられた場合に終了する。
(サンプリング処理)
ステップS1において表示制御部16が備えるサンプリング部10は、処理タイミングを整合させるための入力クロック(CLK)に基づいて所定の機能を発揮する。つまり、サンプリング部10が搭載する、第2切替部100、第1画像抽出部101、及び、第2画像抽出部102がそれぞれ、第2切替機能、第1画像抽出機能、及び、第2画像抽出機能を発揮する。
サンプリング部10において実行されるそれら処理を図6に基づくフローチャートに基づいて説明する。図6に示すフローチャートの処理は、サンプリング部10に画像が入力されるとステップS10へ移行し実行される。
(画像判定処理)
ステップS10において、サンプリング部10の第2切替部100は、入力された画像が第1画像、即ち、図7に示すような、縦幅が480画素、横幅が800画素からなるサイズのWVGA画像か否かを判定する。入力された画像が第1画像であると判定する場合は、ステップS11へ移行し、入力された画像が第1画像であると判定しない場合は、ステップS12へ移行する。
なお、第2切替部100が、入力された画像が第1画像であると判定しない場合とは、第1画像よりも小さいサイズの第2画像、即ち、図12に示すような、横幅400画素、縦幅234画素からなるサイズのEGA画像が入力された場合と考えることができる。
また、第2切替部100による、入力画像が第1画像か否かの判定は、表示制御部16が表示装置へ搭載された際に設定されたステータスにより行うことができる。つまり、表示制御部16を、第1画像を表示させる表示装置へ搭載される場合に、サンプリング部10に備わる第2切替部100(例えば、ディップスイッチ)が予めオンに設定され、第2画像を表示させる表示装置へ搭載させる場合は、サンプリング部10に備わる第2切替部100が予めオフに設定されるため、第2切替部100は前述したような判定を第2切替部100の設定状態により行うことができる。
(第1画像抽出処理)
以下入力画像が、第2切替部100において、第1画像(WVGA)であると判定された場合の処理(ステップS11以降の処理)について説明する。
ステップS11において、サンプリング部10の第1画像抽出部101は、入力される第1画像を、横方向の画素数が所定以上となる複数の領域に区分し、複数の領域それぞれから所定条件を満足する画素データをサンプリング(抽出)する。
具体的には、図7に示すように、縦幅(Y軸)480画素、横幅(X軸)800画素の入力画像を、所定の範囲である領域、例えば、縦幅(Y軸)7画素、横幅(X軸)6画素で構成される矩形の領域により区分し、区分された複数の領域それぞれから所定数の画素データ、例えば、その領域に含まれる複数画素のデータのうち最も高い画素データを比較処理によりサンプリング(抽出)する。つまり、サンプリングされたデータ、即ち、最大画素データは、表示制御部16が表示部7において表示させる画像のデータと同じ量の入力画像のデータよりも少ない量の画像データと言える。
その領域のサイズは、区分される画像においてサンプリングされる画素データの数を決定づける。つまり、区分された領域それぞれから最大画素データを1つ抽出するため、領域の数が抽出される画素データの数となる。抽出された画素データは、表示制御部16によって、メモリである揮発性記憶部11へ記憶されるため、揮発性記憶部11の容量は最低でも抽出された画素データ量に相応するものである必要がある。更に、揮発性記憶部11を搭載するASICである表示制御部16を大型化させないために、揮発性記憶部11はサンプリングした画素データを記憶できるギリギリの容量からなる小型のものを搭載することが望ましい。
従って、矩形を成す領域のサイズ、即ち、領域の横サイズ(STPX)及び縦サイズ(STPY)は、その小型の揮発性記憶部11の容量をムダにすることなく有効利用できるように考慮されたサイズとする。例えば、図8に示すような、横幅128ドット、縦幅64ドットを記憶可能な容量のメモリである揮発性記憶部11に基づいて領域の横サイズ(STPX)及び縦サイズ(STPY)が規定される。
領域の横サイズ(STPX)は、サンプリング対象領域(SPLDMN)へ64を乗算し、その結果にメモリの横サイズ(MRYWID)を除算し、その結果に64を除算して求める。つまり、次のような式となる。
STPX=SPLDMN*64/MRYWID/64
第1画像であるWVGAでの具体的な値を代入すると次のようになる。
STPX=800*64/128/64=6.25
領域の縦サイズ(STPY)は、サンプリング対象領域(SPLDMN)へ64を乗算し、その結果にメモリの縦サイズ(MRYLNG)を除算し、その結果に64を除算して求める。つまり、次のような式となる。
STPY=SPLDMN*64/MRYLNG/64
第1画像であるWVGAでの具体的な値を代入すると次のようになる。
STPY=480*64/64=480/64=7.5
このような計算によって、領域の横サイズである6.25画素が求まり、領域の縦サイズである7.5が求まる。更に、それらから小数点以下を切り捨てて、領域の横サイズが6画素に設定されるとともに、その計算において割りけれないため一部を7画素に設定され、領域の縦画素を7画素に設定されるとともに、その計算において割りけれないため一部を8画素が設定される。
(比較処理)
第1画像抽出部101は、比較処理をそのサイズからなる領域ごとに、領域に含まれる全ての画素に対して所定の順に実行する。
所定の順を説明するに際し、まず、入力される画像を構成する複数の画素データが、表示制御部16のサンプリング部10へ入力される順を説明する。表示制御部16において、画像を構成する複数の画素を並べて、図7に示すように、平面視した際の1行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、次に、2行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、というように最終行の最も右の画素データが最後に入力される。
なお、画素データとは、図7に示す丸で表現した1画素ごとに充てられたレッド(R)値、グリーン(G)値、ブルー(B)値の3つのデータ、或いは、これら3つのデータに基づいて導出されるデータを言う。
次に、サンプリング部10へ入力された画像を構成する複数画素のデータそれぞれの比較処理について図9、図10、及び、図11に基づいて説明する。説明するにあたり画像を構成する複数の画素を並べて、図7に示すように、平面視した際の1行目の1画素目を、図9に示すような画素の番地に基づいて、Y0_0とし、以降も、1行目の2画素目をY0_1とし、1行目の3画素目をY0_2とするように1行面の最終画素までを表現し、2行目の1画素目をY1_0とするように2行目以降の最終画素までを表現する。
(1行目)
サンプリング部10の第1画像抽出部101による1行目の画素データの処理を図10に基づいて説明する。
サンプリング部10の第1画像抽出部101は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における1行目の画素データを入力する。第1画像抽出部101は、1行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、タイミングt6において、入力された1行目の画素データの6個目であるY0_5まで比較した後に、タイミングt7において、最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_2を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_2を書き込む。つまり、第1画像抽出部101は、1個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ記憶させる。
第1画像抽出部101は、タイミングt7において、入力画像における1行目の7個目以降の画素データを入力する。第1画像抽出部101は、1行目の7個目以降の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、入力された1行目の画素データの12個目であるY0_11まで比較した後に、タイミングt14において、図示しない最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_8を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_8を書き込む。つまり、第1画像抽出部101は、2個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリある揮発性記憶部11へ記憶させる。
このように、第1画像抽出部101は、1行目における最後の領域まで、各領域における1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ記憶させる。
(2行目)
サンプリング部10の第1画像抽出部101による2行目の画素データの処理を図11に基づいて説明する。
サンプリング部10の第1画像抽出部101は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における2行目の画素データを入力する。第1画像抽出部101は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、タイミングt22において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt23において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_2を読み出す。つまり、第1画像抽出部101は、1個目の領域の1行目の最大画素データを読み出す。
第1画像抽出部101は、タイミングt26において、入力された2行目の画素データの6個目であるY1_5まで比較するとともに、最大値用バッファメモリに記憶していた画像データY1_2と、最大値用メモリである揮発性記憶部11から読み出した画素データY0_2とを比較する。第1画像抽出部101は、タイミングt27において、比較して大きいほうの画素データY0_2を比較用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、タイミングt28において、比較バッファメモリに記憶していた画素データY0_2を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ書き込む。
つまり、第1画像抽出部101は、1個目の領域における1行目の最大画素データと、1個目領域における2行目の最大画素データとを比較して、より大きい画素データを揮発性記憶部11へ記憶する。
また、第1画像抽出部101は、入力画像における2行目の7個目以降の画素データを入力する。第1画像抽出部101は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、タイミングt29において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt30において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_8を読み出す。つまり、第1画像抽出部101は、2個目の領域の1行目の最大画素データを読み出す。
第1画像抽出部101は、タイミングt32において、入力された2行目の画素データの12個目であるY1_11まで比較するとともに、最大値用バッファメモリに記憶していた画像データY1_8と、最大値用メモリである揮発性記憶部11から読み出した画素データY0_8とを比較する。第1画像抽出部101は、タイミングt33において、比較して大きいほうの画素データY1_8を比較用バッファメモリへ書き込む。
第1画像抽出部101は、タイミングt35において、比較バッファメモリに記憶していた画素データY1_8を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ書き込む。
つまり、第1画像抽出部101は、2個目の領域における1行目の最大画素データと、2個目の領域における2行目の最大画素データとを比較して、より大きい画素データを揮発性記憶部11へ記憶する。
(3行目以降)
サンプリング部10の第1画像抽出部101は、前述した処理を最後の行の最後の画素まで繰り返し実行する。これにより、第1画像抽出部101は入力画像を複数の領域に区分して、区分した複数の領域それぞれから最大画素データを揮発性記憶部11へ記憶させることができる。また、前述した揮発性記憶部11のサイズを考慮した式に基づく領域サイズで画像を区分し、複数の領域それぞれから最大画像データを前述したサイズの揮発性記憶部11へ記憶するため、揮発性記憶部11はその画像データで埋め尽くされる。つまり、小型の揮発性記憶部11の容量を最大限に利用することができる。
<比較例>
(第2画像抽出処理)
以下入力画像が、第2切替部100において、第2画像(EGA)であると判定された場合の同じ容量の揮発性記憶部を採用した場合の処理(図6のステップS12以降の処理)について説明する。
ステップS12において、サンプリング部10の第2画像抽出部102は、図12に示すように、縦幅(Y軸)234画素、横幅(X軸)400画素の入力画像を、所定の範囲である領域、例えば、縦幅(Y軸)3画素、横幅(X軸)3画素で構成される領域により区分し、区分された複数の領域それぞれから最も高い画素データを比較処理によりサンプリング(抽出)する。
その領域のサイズは、前述したような観点で設定される。つまり、矩形を成す領域のサイズ、即ち、領域の横サイズ(STPX)及び縦サイズ(STPY)は、その小型の揮発性記憶部11の容量をムダにすることなく有効利用できるように考慮されたサイズである。例えば、図8に示すような、横幅128ドット、縦幅64ドットを記憶可能な容量のるメモリである揮発性記憶部11に基づいて領域の横サイズ(STPX)及び縦サイズ(STPY)が規定される。
領域の横サイズ(STPX)は、前述した式で求められる。
第2画像であるEGAでの具体的な値を代入すると次のようになる。
STPX=400*64/128/64=3.125
領域の縦サイズ(STPY)は、前述した式で求められる。
第2画像であるEGAでの具体的な値を代入すると次のようになる。
STPX=400*64/128/64=3.125
このような計算によって、領域の横サイズである3.125画素が求まり、領域の縦サイズである3.656・・・が求まる。更に、それらから小数点以下を切り捨てて、領域の横サイズが3画素、領域の縦画素が3画素に設定される。
しかし、このような領域のサイズでは、比較処理において処理タイミングが適切にされず、更に、ASICの大型化を防ぐためにバッファメモリを搭載しない表示制御部16においては、入力画像の画面への出力タイミングへ、導出した光量に基づくバックライト5制御タイミングを整合させることは困難である。かかる問題を以降において詳細に説明する。
(比較処理)
第2画像抽出部102は、比較処理をそのサイズからなる領域ごとに、領域に含まれる全ての画素に対して所定の順に実行する。
所定の順については、前に説明したのと同様で、表示制御部16において、画像を構成する複数の画素を並べて、図12に示すように、平面視した際の1行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、次に、2行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、というように最終行の最も右の画素データが最後に入力される。
次に、サンプリング部10へ入力された画像を構成する複数画素のデータそれぞれの比較処理について図13、図14、及び、図15に基づいて説明する。説明するにあたり画像を構成する複数の画素を並べて、図12に示すように、平面視した際の1行目の1画素目を、図13に示すような画素の番地に基づいて、Y0_0とし、以降も、1行目の2画素目をY0_1とし、1行目の3画素目をY0_2とするように1行面の最終画素までを表現し、2行目の1画素目をY1_0とするように2行目以降の最終画素までを表現する。
(1行目)
サンプリング部10の第2画像抽出部102による1行目の画素データの処理を図14に基づいて説明する。
サンプリング部10の第2画像抽出部102は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における1行目の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、1行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt3において、入力された1行目の画素データの3個目であるY0_2まで比較した後に、タイミングt4において、最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_2を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_2を書き込む。つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ記憶させる。
第2画像抽出部102は、タイミングt4において、入力画像における1行目の4個目以降の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、1行目の4個目以降の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。第2画像抽出部102は、入力された1行目の画素データの6個目であるY0_5まで比較した後に、タイミングt7において、図示しない最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_2を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_3を書き込む。つまり、第2画像抽出部102は、2個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリある揮発性記憶部11へ記憶させる。
このように、第2画像抽出部102は、1行目における最後の領域まで、各領域における1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ記憶させる。
(2行目)
サンプリング部10の第2画像抽出部102による2行目の画素データの処理を図15に基づいて説明する。
サンプリング部10の第2画像抽出部102は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における2行目の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt22において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt23において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_2を読み出す。つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域の1行目の最大画素データを読み出す。
第2画像抽出部102は、タイミングt23において、入力された2行目の画素データの3個目であるY1_2まで比較するとともに、最大値用バッファメモリに記憶していた画像データY1_2と、最大値用メモリである揮発性記憶部11から読み出した画素データY0_2とを比較する。第2画像抽出部102は、タイミングt25において、比較して大きいほうの画素データY0_2を比較用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt25において、比較バッファメモリに記憶していた画素データY0_2を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ書き込む。
つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域における1行目の最大画素データと、1個目の領域における2行目の最大画素データとを比較して、より大きい画素データを揮発性記憶部11へ記憶する。
また、第2画像抽出部102は、入力画像における2行目の4個目以降の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt26において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt26において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_2を読み出そうとするが、タイミングt26において、2個目の領域における1行目の最大画像データと2個目の領域における2行目の最大画像データとを比較する処理が間に合わない。
つまり、第2画像抽出部102は、入力画像を構成する画素データを、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスするのに1クロックCLK、そのリードアクセス後に最大値を読み出すのに1クロックCLK、同じ領域における前の行の最大値と今回の行の最大値とを比較するのに1クロックCLK、比較後の最大値を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ書き込むのに1クロックCLK、それぞれ必要になり、それら処理を全て実行するのに合計で4クロック必要となる。このため、領域の横方向の画素数である画素に対応する3クロックCLK内にそれら処理を実行することができず、一の入力画像、即ち、1フレームを処理する時間内に、比較処理を終了させることができない。
そこで、第2画像抽出部102による比較処理を遅延させながらも、バッファメモリへサンプリングデータに基づいて導出した光量を一次的に蓄積しておくとともに、入力画像についてもバッファメモリへ一時的に蓄積しておき、対応関係にあるそれらが揃うと、その入力画像を画面へ表示するタイミングと、その光量でバックライト5を制御するタイミングとを整合させる技術を採用することが考えられる。
しかし、この場合においては、バッファメモリを搭載する分、表示制御部16が大型化するとともに、コストが増加してしまうという問題がある。
また、表示制御部16へ搭載する揮発性記憶部のサイズを、第2画像を比較処理する際に異なるサイズにして、前述した式に当てはめることが考えられる。具体的には、横幅64ドット、縦幅64ドットの容量を記憶可能な揮発性記憶部を採用すれば、領域の縦サイズが3サイズになるとともに横サイズが6画素になって、第1画像を比較処理する場合と同様に、処理が遅延することもなく、その小さいサイズの揮発性記憶部の容量を最大限に利用することができる。
しかし、この場合においては、サイズの異なる画像に適したその揮発性記憶部を搭載させなければならず、揮発性記憶部の数が増える分、表示制御部16が大型化するとともに、コストが増加してしまうという問題がある。更に、比較処理を実行した後のデータ、即ち、サンプリングデータに基づいて生成したヒストグラムの分析により光量を導出する回路についても、サイズが異なる画像に対応させた回路にしなければならず、その分、表示制御部16が大型化するとともに、コストが増加してしまうという問題がある。
そこで、本代表の実施形態においては、それらの問題を解決するために後述の技術を採用している。以降、その技術を、図16、図17、図18、及び、図21に基づいて詳細に説明する。
(第2画像抽出処理)
以下入力画像が、第2切替部100において、第2画像(EGA)であると判定された場合の本実施の形態の処理(図6のステップS12以降の処理)について説明する。
図6に示すフローチャートにおけるステップS12において、サンプリング部10の第2画像抽出部102は、図16に示すように、縦幅(Y軸)234画素、横幅(X軸)400画素の入力画像を、所定の範囲である領域、例えば、縦幅(Y軸)3画素、横幅(X軸)6画素で構成される領域により区分し、区分された複数の領域それぞれから所定数の画素データ、例えば、その領域に含まれる複数画素のデータのうち最も高い画素データを比較処理によりサンプリング(抽出)する。
つまり、サンプリング部10が入力画像を比較処理する際に、領域の横サイズについては、前述したような式を用いずに、処理が遅延することがない、第1画像即ち、図7に示すような、縦幅が480画素、横幅が800画素からなるWVGA画像と同じ領域の横サイズである6画素を設定し、領域の縦サイズについては、処理の遅延に影響を及ぼさないため、前述した式により算出された縦サイズである3画素に設定する。これにより、処理が遅延することを防ぐことができる。
(比較処理)
第2画像抽出部102は、比較処理をそのサイズからなる領域ごとに、領域に含まれる全ての画素に対して所定の順に実行する。
所定の順を説明するに際し、まず、入力される画像を構成する複数の画素データが、表示制御部16のサンプリング部10へ入力される順を説明する。表示制御部16において、画像を構成する複数の画素を並べて、図16に示すように、平面視した際の1行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、次に、2行目の最も左の画素データから最も右の画素データまでが入力され、というように最終行の最も右の画素データが最後に入力される。
次に、サンプリング部10へ入力された画像を構成する複数画素のデータそれぞれの比較処理について図17、図18、及び、図21に基づいて説明する。説明するにあたり画像を構成する複数の画素を並べて、図16に示すように、平面視した際の1行目の1画素目を、図17に示すような画素の番地に基づいて、Y0_0とし、以降も、1行目の2画素目をY0_1とし、1行目の3画素目をY0_2とするように1行面の最終画素までを表現し、2行目の1画素目をY1_0とするように2行目以降の最終画素までを表現する。
(1行目)
サンプリング部10の第2画像抽出部102による1行目の画素データの処理を図18に基づいて説明する。
サンプリング部10の第2画像抽出部102は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における1行目の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、1行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt6において、入力された1行目の画素データの6個目であるY0_5まで比較した後に、タイミングt7において、最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_2を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_2を「2回」書き込む。つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ「2回」記憶させる。
第2画像抽出部102は、タイミングt7において、入力画像における1行目の7個目以降の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、1行目の7個目以降の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、入力された1行目の画素データの12個目であるY0_11まで比較した後に、タイミングt14において、図示しない最大値用バッファメモリに記憶されている画素データY0_8を読み出して、最大値用メモリである揮発性記憶部11へ画素データY0_8を「2回」書き込む。つまり、第2画像抽出部102は、2個目の領域の1行目の最大画素データを最大値用メモリある揮発性記憶部11へ「2回」記憶させる。
このように、第2画像抽出部102は、1行目における最後の領域まで、各領域における1行目の最大画素データを最大値用メモリである揮発性記憶部11へ「2回」ずつ記憶させる。
(2行目)
サンプリング部10の第2画像抽出部102による2行目の画素データの処理を図21に基づいて説明する。
サンプリング部10の第2画像抽出部102は、入力されるクロックCLKのタイミングにより、入力画像における2行目の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt22において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt23において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_2を読み出す。つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域の1行目の最大画素データを読み出す。
第2画像抽出部102は、タイミングt26において、入力された2行目の画素データの6個目であるY1_5まで比較するとともに、最大値用バッファメモリに記憶していた画像データY1_2と、最大値用メモリである揮発性記憶部11から読み出した画素データY0_2とを比較する。第2画像抽出部102は、タイミングt27において、比較して大きいほうの画素データY0_2を比較用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt28において、比較バッファメモリに記憶していた画素データY0_2を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ「2回」書き込む。
つまり、第2画像抽出部102は、1個目の領域における1行目の最大画素データと、1個目の領域における2行目の最大画素データとを比較して、より大きい画素データを「2回」揮発性記憶部11へ記憶する。
また、第2画像抽出部102は、入力画像における1行目の7個目以降の画素データを入力する。第2画像抽出部102は、2行目の画素データを入力するたびに、前回入力した画素データを図示しない最大値用バッファメモリへ書き込んで、今回入力した画素データと最大値用バッファメモリに記憶させた前回データとを比較して大きいほうのデータを最大値用バッファメモリへ上書きして記憶する。但し、その領域において、1個目となる画素データについてはその比較をせずに、その画素データをそのまま最大値用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt29において、最大値用メモリである揮発性記憶部11へリードアクセスし、タイミングt30において、最大値用メモリである揮発性記憶部11から画素データY0_8を読み出す。つまり、第2画像抽出部102は、2個目の領域の1行目の最大画素データを読み出す。
第2画像抽出部102は、タイミングt32において、入力された2行目の画素データの12個目であるY1_11まで比較するとともに、最大値用バッファメモリに記憶していた画像データY1_8と、最大値用メモリである揮発性記憶部11から読み出した画素データY0_8とを比較する。第2画像抽出部102は、タイミングt33において、比較して大きいほうの画素データY1_8を比較用バッファメモリへ書き込む。
第2画像抽出部102は、タイミングt34において、比較バッファメモリに記憶していた画素データY1_8を最大値用メモリである揮発性記憶部11へ「2回」書き込む。
つまり、第2画像抽出部102は、2個目の領域における1行目の最大画素データと、2個目の領域における2行目の最大画素データとを比較して、より大きい画素データを「2回」揮発性記憶部11へ記憶する。
(3行目以降)
サンプリング部10の第2画像抽出部102は、前述した処理を最後の行まで繰り返し実行する。これにより、第2画像抽出部102は入力画像を複数の領域に区分して、区分した複数の領域それぞれから最大画素データを揮発性記憶部11へ「2倍」記憶させることができる。
更に、前述したように、代表の画像を比較して抽出する処理が遅延しないように考慮した横サイズからなる領域で画像を区分したときの第2画像であるEGAの場合は、領域の横方向の数が少なくなり、第1画像であるWVGAと比較して1/2となる。このため、図19に示すように複数の領域それぞれからの最大画像データをこの領域の横方向の数に応じた回数分である「2回」分を、前述したサイズの揮発性記憶部11へ記憶するため、図20に示すように、第1画像であるWVGAを揮発性記憶部11へ記憶させた画像データ量と同じいなるため、揮発性記憶部11はその画像データで埋め尽くされる。つまり、小型の揮発性記憶部11の容量を最大限に利用することができる。
更に、ASICである表示制御部16において、サイズが異なる入力画像それぞれに応じた複数の揮発性記憶部を搭載する必要がなく、一の揮発性記憶部によって、サイズの異なる画像に対応することができる。
更に、サイズの異なる入力画像からサンプリングしたデータであっても同じ量のサンプリングデータを扱うため、後のヒストグラム生成処理などを実行する回路をサイズが異なる入力画像に応じて備える必要がなく、共通の回路で対応することができ、表示制御部16の大型化を防ぐことができ、コストを低減させることができる。
(ヒストグラム生成処理)
ステップS2において、表示制御部16が備えるヒストグラム生成部12は、サンプリングされた複数の画素データから、光量導出部14が光量を導出するための導出基準を生成する。
具体的には、ヒストグラム生成部12は、図22に示すような、サンプリングされた複数の画素データのヒストグラムHを生成する。ヒストグラムとは画像を構成する複数画素のデータの分布を示したグラフを示すデータである。次に、ステップS3へ移行する
(解析処理)
ステップS3において、表示制御部16が備える解析部13は、生成されたヒストグラムHを解析して、所定位置に分布する画素データを抽出する。
具体的には、解析部13は、生成されたヒストグラムHにおいて、最も高い画素データ(255)の画素から最も低い画素データ(0)の画素へと、画素数を計数(カウント)した場合に、計数値が所定値(例えば、200)を超えたときの画素データ(例えば、220)を抽出する。換言すると、生成されたヒストグラムHにおいて、所定番目に高い画素データを抽出する。
ここで、表示制御部16が、バックライト5の光量を、画像を構成する複数の画素データに基づくヒストグラムHによって導出する理由を説明する。
表示制御部16は、入力された画像を構成する複数の画素データのヒストグラムHを生成し、生成したヒストグラムHにおいて、最も高い画素データから最も低い画素データへと画素をカウントして、カウント数が所定値を超えたときの画素データを抽出する。表示制御部16は、後述するように、抽出した画素データに基づく光量(基準光量、例えば、100%よりも下げた光量)をバックライト5の光量として導出し、導出した光量になるようにバックライト5を制御するとともに、バックライト5の光量が基準光量よりも下がって暗くなってしまう画像の明るさをフォローするように、画像を構成する画素のデータを一律に増幅させて液晶画面へ映す画像の明るさを全体として適切にする。
つまり、この技術を適用するにあたり、表示制御部16において、その所定値という値は、画像を構成する画素のデータを光量に応じて一律に増幅させる際に飽和が発生しにくいような値を設定している。
もし、表示制御部16が光量導出の基準をヒストグラムではなく、画像を構成する複数画素のデータの平均(データ平均)により実行したとすると、データ平均が比較的低い場合に少数の高い画素データが、前述した画像を構成する画素のデータを一律に増幅させる際に飽和してしまう虞がある。
従って、表示制御部16が、前述したようなヒストグラムに基づくバックライトの光量導出と画像を構成する画素のデータを一律に増幅させる処理とを実行することによって、画像の一部が飽和することなく画像の視認性を向上させている。次に、ステップS4へ移行する。
(光量導出処理)
ステップS4において、表示制御部16が備える光量導出部14は、ヒストグラムHを解析・抽出した画素データに基づいた光量を導出する。
なお、光量導出部14は、従来では、画素データにかかわらず一定の光量、つまり、バックライト5を制御する制御電流のデューティ比を固定値(例えば、100%)にしていたが、バックライト5が消費する電力を低減させるために、所定の処理を実行してそのデューティ比を導出する。
つまり、所定の処理とは、光量導出部14が、前述するヒストグラムにおいて、前述するカウント数が所定値(例えば、200番目)を超えたときの画素データを抽出し、抽出した画素データが画素データレンジ(例えば、0から255までの256)において占める割合を導出することによってそのデューティ比を導出する。また、その処理において、画素データレンジの最大値(例えば、256)に対する割合(例えば、100%)を基準光量と考えることができる。
従って、光量導出部14は、カウント数が所定値を超えたときの画素データに1を加算したものを画素データレンジ256で除算し、除算した結果に100を除算することで、基準光量に対する割合が導出され、その割合をそのデューティ比としている。前述の例では、220/256=86%がバックライト5を制御する制御電流のデューティ比となる。
具体的には、光量導出部14は、画素データと関連付けた光量が記憶されている図示しない不揮発性記憶部から、解析・抽出された画素データを検索キーにして、それに関連付けられた光量を検索して抽出する。光量導出部14は、この光量をバックライト制御部15がバックライト5を制御する際の光量と導出する。次に、ステップ5へ移行する。
(バックライト制御処理)
ステップS5において、表示制御部16が備えるバックライト制御部15が、導出された光量となるようにバックライト5を構成するLED6をデューティ制御する。
具体的には、バックライト制御部15は、LED6が制御する電流のデューティ比を大きくすれば、見かけ上明るくなり、デューティ比を小さくすれば、見かけ上暗くなるため、導出された光量となるようなデューティ比でLED6を制御する電流を流す。
なお、表示制御部16は、逐一入力される画像ごとに、そのようなバックライト制御を実行すると、画像がちらついてしまうため、前回画像における光量と今回画像における光量との差分に応じたデューティ比の電流を流して、画像のちらつきを防止している。次に、ステップS6へ移行する。
(画像調整処理)
ステップS6において、表示制御部16が備える画像調整部8は、導出された光量に基づいて画素データ係数を不揮発性記憶部から読み出して、読み出した画素データ係数を入力画像を構成する画素データへ乗算する。
具体的には、画像調整部8は、導出された光量に応じた画素データ係数を不揮発性記憶部から、光量を検索キーにして、それに関連付けられた画素データ係数を検索して抽出し、入力画像の画素データへ画素データ係数を乗算する。次に、ステップS7へ移行する。
(TFT制御処理)
ステップS7において、表示制御部16が備えるTFT制御部9は、画素データ係数が乗算された画像が表示部7へ表示されるよう、TFT3を制御する。
つまり、不揮発性記憶部において、画素データと光量との関連付けの設定は、TFT制御部9において、画像を表示部7へ表示させる際の画像の目標とする明るさを、画素データによる明るさと、光量による明るさと、のトータルで実現するため、バックライト5の電力が低減されることを考慮して、バックライトの光量を基準光量よりも下げたことにより暗くなる画像の明るさを、画素データによる明るさにより増幅してフォロー可能な範囲で設定されている。次に、リターンへ移行する。
以上のような構成、及び、制御を採用することによって、ASICに搭載されるメモリである揮発性記憶部11の容量を削減でき、結果、ASICを大型化させることなく高精細の液晶画面を照明するバックライトの光量を適切に導出することができる。
つまり、表示制御部16がバックライト5を制御する際の光量の導出は、入力画像における複数画素のデータに基づく分布データ(ヒストグラム)を生成し、生成した分布データのうち所定番目に分布する画素データに応じた光量を導出するため、ASICである表示制御部16には、そのような処理において記憶させる相応のメモリの容量が必要となる。つまり、入力画像の画素数が多ければ多いほど、メモリの容量は多くなりこれに伴ってASICの規模も大きくなってしまう。このため、入力画像を複数の領域に区分するとともに複数の領域のそれぞれから最大画素データを抽出し、抽出した画素データに基づいてヒストグラムを生成させることによって、ASICである表示制御部16に搭載のメモリ容量を小さくさせることができる。結果、ASICである表示制御部16の大型化を防ぎ、高精細の液晶画面を照明するバックライトの光量を適切に導出することができ、搭載エリアが限定された小型の車両28へ搭載することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では上記実施の形態の変形例について説明する。もちろん、以下で説明する変形例を適宜組み合わせても良い。
<変形例1>
上記代表の実施の形態において、「画素データとは、図7に示す丸で表現した1画素ごとに充てられたレッド(R)値、グリーン(G)値、ブルー(B)値の3つのデータ、或いは、これら3つのデータに基づいて導出されるデータを言う」と説明したが、画素データには、輝度値、又は、色差値などを含んだ意味と考えることもできる。
<変形例2>
上記代表の実施の形態における、ステップS2及びステップS3において、「ヒストグラム生成部12が、サンプリングされた画素データからヒストグラムを生成し、解析部13が、生成されたヒストグラムを解析して、所定位置に分布する画素データを抽出する」と説明したが、表示制御部16は、ヒストグラム生成部12及び解析部13の代わりに平均画素データ生成部を備え、平均画素データ生成部は、サンプリング部10がサンプリングした画素データの平均を生成して、光量導出部が平均画素データに基づいた光量を適切に導出するようにしても良い。
これによって、画像における全ての画素データに基づく平均画素データを生成してバックライトの光量を導出するのではなく、画像を複数の領域に区分し、複数の領域のそれぞれから所定数の画素データを抽出し、その複数の画素データに基づく平均画素データを生成するため、バックライトの光量導出精度を大きく下げることなく、平均画素データを生成処理などにおけるメモリを削減でき、回路構成が縮小化でき、コストを低減できる。
<変形例3>
上記代表の実施の形態における、バックライトはLEDであると説明したが、液晶画面を照明するとともに光量を調整制御できる光源であれば良く、例えば、蛍光灯などであっても良い。
<変形例4>
上記代表の実施の形態においては、「第1画像が入力される場合を基準にして、揮発性記憶部11、及び、表示制御部16を設け、第1画像のサイズよりも小さいサイズの第2画像が入力される場合に、サンプリングする領域のサイズを比較処理が遅延しない程度に小さく変更するとともに、揮発性記憶部11へ記憶するサンプリングデータ、即ち、最大画素データの数を多く変更する」と説明したが、第1画像よりも大きい第3画像が入力される場合は、第1画像が入力される場合を基準にして、揮発性記憶部11、及び、表示制御部16を設け、第1画像のサイズよりも大きいサイズの第3画像が入力される場合に、サンプリングする領域のサイズを、上記代表の実施の形態において説明した式に基づいて導出し、更に、導出した領域を複数の領域に区分するとともに、より区分された複数の領域それぞれから最大画素データを抽出する。そして、より区分された領域それぞれから抽出された最大画素データをその区分される前の領域内において平均化させたデータを揮発性記憶部11へ記憶させても良い。
また、より区分された領域それぞれから抽出された複数の最大画素データのうち、その区分される前の領域内において最大となる画素データを更に抽出して、揮発性記憶部11へ記憶させても良い。
これにより、第1画像のサイズよりも大きいサイズの第2画像が表示制御部16へ入力された場合でも、入力画像のサイズに係わらず、光量を導出する回路は一定量の画素データを対象とすればよいため、一定規模の回路で対応することができる。結果、入力画像のサイズに応じて複数の回路を作成する必要が無いため、コストを削減でき、回路規模を小さくできる。