JP2012013527A - 分光光度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広い波長範囲で高分解能に分光測定を行うことができるとともに、堅牢でかつ小型化された導波路型の分光光度計を提供する。
【解決手段】被測定光は光入力部101で集光され、光ファイバ102を介して光分岐回路104に入力される。光分岐回路104は入力光をそれぞれ異なる波長帯の光を透過する光フィルタが挿入されたN本の光導波路に分岐する。105はN個のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であり、光分岐回路104から出力される異なる波長帯のN個の光がそれぞれ対応する層のアレイ導波路回析格子に入力される。各層のアレイ導波路回析格子はそれぞれの入力光を分光してM本の光導波路に出力し、各層のアレイ導波路回析格子の出力光は受光部106で受光される。
【選択図】図1A
【解決手段】被測定光は光入力部101で集光され、光ファイバ102を介して光分岐回路104に入力される。光分岐回路104は入力光をそれぞれ異なる波長帯の光を透過する光フィルタが挿入されたN本の光導波路に分岐する。105はN個のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であり、光分岐回路104から出力される異なる波長帯のN個の光がそれぞれ対応する層のアレイ導波路回析格子に入力される。各層のアレイ導波路回析格子はそれぞれの入力光を分光してM本の光導波路に出力し、各層のアレイ導波路回析格子の出力光は受光部106で受光される。
【選択図】図1A
Description
本発明は、光導波路を利用した分光光度計に関する。
従来の技術として、回折格子を用いた分光光度計がある。回析格子を用いた分光光度計は、一般に、光入力部、照明用光源、回折格子への導光部、回折格子で分光した光を受光器に結合する光学系、CCDないしpinフォトダイオードアレイなどの受光器と制御系から構成されている。
また、別の従来技術として、導波路を利用する可視光領域の分光計として、アレイ導波路回折格子を利用する技術の報告がある(非特許文献1)。
また、別の従来技術として、導波路を利用する可視光領域の分光計として、アレイ導波路回折格子を利用する技術の報告がある(非特許文献1)。
Yuki Komai, Hiroko Nagano, Katsunari Okamoto, and Kashiko Kodate, "Compact Spectroscopic Sensor Using a Visible Arrayed Waveguide Grating," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 45, No. 8B, pp. 6742-6749(2006).
従来の回析格子を用いた分光光度計には、回折格子周辺の光学系が大きくなり、振動や外部環境の影響を受け、破損しやすいなどの問題がある。また、光入力部は分光光度計に固定されているため、特定の方向の光の分光測定には、装置全体を移動、回転する必要がある。さらに、ダイナミックレンジの広い測定を行うためには、NDフィルタなどを分光器に別途取り付ける必要もある。
また、アレイ導波路回析格子を利用する場合、単一の構造の導波路で幅広い波長範囲を高分解能で分光することは困難である。
また、アレイ導波路回析格子を利用する場合、単一の構造の導波路で幅広い波長範囲を高分解能で分光することは困難である。
そこで本発明は、幅広い波長範囲で高分解能に分光測定を行うことができるとともに、堅牢でかつ小型化された導波路型の分光光度計を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の分光光度計は、入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、前記光集光部の出力光を複数の導波路に分岐する光分岐回路と、前記複数の導波路にそれぞれ挿入され、異なる波長帯の光を透過させる光フィルタと、複数のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であって、前記複数の導波路の出力光が、それぞれ対応するアレイ導波路回析格子に入力される多層アレイ導波路回折格子と、前記複数のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器とを有するものである。
また、本発明の他の分光光度計は、入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、前記光集光部の出力光を分光して、複数の導波路に異なる波長帯の光を出力する第1のアレイ導波路回折格子と、複数のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であって、前記第1のアレイ導波路回折格子の複数の導波路の出力光が、それぞれ対応するアレイ導波路回析格子に入力される多層アレイ導波路回折格子と、前記複数のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器とを有するものである。
さらに、前記第1のアレイ導波路回析格子における各導波路に光減衰器が接続されているものである。
さらに、前記第1のアレイ導波路回析格子における各導波路に光減衰器が接続されているものである。
さらにまた、本発明のさらに他の分光光度計は、入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、前記光集光部の出力光を分光して、異なる波長帯の複数の光を出力する第1のアレイ導波路回折格子と、前記第1のアレイ導波路回折格子と積層された複数の第2のアレイ導波路回析格子と、前記第1のアレイ導波路回析格子の出力光を空間的にスペクトル分解して液晶空間光変調器上に結像するとともに、該液晶空間光変調器により回折された回折光を前記複数の第2のアレイ導波路回析格子に結合させるフーリエ変換レンズ系と、前記フーリエ変換レンズ系からの入射光に対して波長ごとに異なる位相変調を加えて異なる方向に回折させる液晶空間光変調器と、前記複数の第2のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器とを有するものである。
さらにまた、前記光集光部における光ファイバがフォトニック結晶ファイバとされているものである。
さらにまた、前記積層された複数のアレイ導波路回析格子又は積層された複数の第2のアレイ導波路回析格子における導波路のコア形状が、層毎に異なるようになされているものである。
さらにまた、前記光集光部における光ファイバがフォトニック結晶ファイバとされているものである。
さらにまた、前記積層された複数のアレイ導波路回析格子又は積層された複数の第2のアレイ導波路回析格子における導波路のコア形状が、層毎に異なるようになされているものである。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1) 分光機能を持つ部品として多層構造の導波路型アレイ導波路回折格子を利用し、各層には波長帯毎に最適化された導波路構造を利用してアレイ導波路回折格子を作製するので、幅広い波長範囲で高分解能かつ高確度な分光測定を行うことが可能となる。
(2) 光導波路を用いて集積化した部分が多いので、堅牢でかつ小型の分光光度計を構成することが可能である。
(3) 広帯域なフォトニック結晶ファイバを用いて、入射光を分光部に導光することによって、測定波長範囲を広げることが可能となる。
(4) 光導波路を利用した光減衰器を用いたり、液晶空間光変調器を用いたりすることにより、ダイナミックレンジの広い測定が可能となる。
(5) 液晶空間光変調器に低周波信号を重畳し、受光電気信号をロックイン検出することにより高感度化を実現することができる。
(1) 分光機能を持つ部品として多層構造の導波路型アレイ導波路回折格子を利用し、各層には波長帯毎に最適化された導波路構造を利用してアレイ導波路回折格子を作製するので、幅広い波長範囲で高分解能かつ高確度な分光測定を行うことが可能となる。
(2) 光導波路を用いて集積化した部分が多いので、堅牢でかつ小型の分光光度計を構成することが可能である。
(3) 広帯域なフォトニック結晶ファイバを用いて、入射光を分光部に導光することによって、測定波長範囲を広げることが可能となる。
(4) 光導波路を利用した光減衰器を用いたり、液晶空間光変調器を用いたりすることにより、ダイナミックレンジの広い測定が可能となる。
(5) 液晶空間光変調器に低周波信号を重畳し、受光電気信号をロックイン検出することにより高感度化を実現することができる。
図1Aは、本発明の分光光度計の第1の実施の形態の構成を示す図である。ここで、101は被測定光を集光する光入力部、102は光入力部101で集光された光が導光される光ファイバ、103は照明用光源、104は光ファイバ102からの入射光を複数N本の光に分岐する光分岐回路(分岐部)、105は光分岐回路104で分岐された光が入射されるN個のアレイ導波路回折格子が多層に積層された多層アレイ導波路回折格子、106は多層アレイ導波路回析格子105の出力光を受光する受光器、107はこの分光光度計全体の制御を行う分光光度計制御装置である。
光入力部101から分光光度計制御装置107で分光光度計が構成される。例えば、可視光(波長400nm〜800nm)を主に分光する分光光ファイバ光度計を構成するならば、光ファイバ102には、カットオフ波長300nm程度の単一モード光ファイバを用いることが出来る。この光ファイバは可視光波長範囲で単一モード動作するが、長波長側では曲げ損失が大きくなる。広帯域化のためには光ファイバ102にフォトニック結晶ファイバを利用するのが望ましい。この場合、曲げ損失を小さく維持しながら波長300nm〜1500nm以上の広い波長帯域で単一モードである。なお、分光光度計を高精度で動作させるためには、入射光に対して光ファイバ102が単一モードである必要がある。
照明用光源103としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザ励起蛍光体ランプ、LEDなどが利用可能である。照明用光源103にレーザを用いて対象物に光を照射し、反射光、その後発生する蛍光、燐光のみを分光することも可能である。また、自然光を分光する場合など、照明が不要な場合は照明用光源103は駆動しない。
光入力部101の構成例を図1Bに示す。108、109、110はレンズである。光ファイバ102のNA(開口数)は、通常0.1程度であり、レンズ109は同程度の値のNAのレンズである。図1Bの(a)に示すように、広角の光を集光する場合には、NAが概ね0.1より大きい値のレンズ108を利用する。一方、図1Bの(b)に示すように、光軸に近い光のみを集光する場合には、NAが概ね0.1より小さい値のレンズ110を利用する。なお、レンズ間の距離は各々のレンズの焦点距離の和程度とするのがよい。
レンズ108又はレンズ110とレンズ109とからなる集光レンズ系により集光された光が光ファイバ102に導入される。
勿論、レンズ無しに直接102で光を取り込んで良いことは言うまでもない。また、複数の101,102、103を用意して、多数の入力光の分光が可能であることも言うまでもない。
レンズ108又はレンズ110とレンズ109とからなる集光レンズ系により集光された光が光ファイバ102に導入される。
勿論、レンズ無しに直接102で光を取り込んで良いことは言うまでもない。また、複数の101,102、103を用意して、多数の入力光の分光が可能であることも言うまでもない。
光分岐回路104の構成例を図1Cに示す。ここで、111は石英基板、112は1:2光結合器、113は1:N光結合器(Nは後段のアレイ導波路回折格子の個数であり、2以上の整数)、114は光フィルタである。
照明用光源103で発生された光は1:2光結合器112を介して光ファイバ102に入射され、前述のように対象物に照射される。対象物からの反射光や自然光などの被測定光は1:2光結合器102を通って1:N光結合器113に導光され、N本の導波路に分岐される。各導波路にはそれぞれ対応する波長帯の光を透過する光フィルタ114が挿入されており、N本の導波路からそれぞれ異なる波長帯の光が出力され、多層アレイ導波路回析格子105の対応するアレイ導波路回析格子に入射される。
照明用光源103で発生された光は1:2光結合器112を介して光ファイバ102に入射され、前述のように対象物に照射される。対象物からの反射光や自然光などの被測定光は1:2光結合器102を通って1:N光結合器113に導光され、N本の導波路に分岐される。各導波路にはそれぞれ対応する波長帯の光を透過する光フィルタ114が挿入されており、N本の導波路からそれぞれ異なる波長帯の光が出力され、多層アレイ導波路回析格子105の対応するアレイ導波路回析格子に入射される。
多層アレイ導波路回析格子105は分光機能を持つ部品であり、N個のアレイ導波路回析格子が積層されている。各層のアレイ導波路回析格子は、そのアレイ導波路回析格子が担当する波長帯ごとに最適化された導波路構造を使用して作製されている。
多層アレイ導波路回折格子105を作製する方法は二通りある。一つは、別々に作製した光導波路の基板を研磨し平滑化して積層する方法である。この技術は、LSIチップの積層などで公知の技術である。もう一つの方法は、石英基板上に通常のプロセスで導波路を作製したあと、上面を研磨し、再び、下部クラッド層、コア層を積層し、コア層をエッチングして光回路を構成し、上部クラッド層を積層して、第2層を作製する。同じことを繰り返して多層の回路を作製することが出来る。層間の距離を短くするときには後者の方法が優れている。
多層アレイ導波路回折格子105を作製する方法は二通りある。一つは、別々に作製した光導波路の基板を研磨し平滑化して積層する方法である。この技術は、LSIチップの積層などで公知の技術である。もう一つの方法は、石英基板上に通常のプロセスで導波路を作製したあと、上面を研磨し、再び、下部クラッド層、コア層を積層し、コア層をエッチングして光回路を構成し、上部クラッド層を積層して、第2層を作製する。同じことを繰り返して多層の回路を作製することが出来る。層間の距離を短くするときには後者の方法が優れている。
多層アレイ導波路回折格子105を構成するアレイ導波路回折格子105−i(1≦i≦N)の一構成例を、図1Dに示す。ここで、115は石英基板、116は第1のスラブ導波路、117はアレイ導波路、118は第2のスラブ導波路である。第2のスラブ導波路118は丁度入射光が空間的にスペクトル分解される面で切断されている。第2のスラブ導波路118には、受光器106が取り付けられている。必要に応じて受光器とスラブ導波路端の間にレンズアレイを挿入する。
前記光分岐回路104からこのアレイ導波路回析格子に対応する波長帯の光が第1のスラブ導波路116に入力され、複数M本のアレイ導波路117に入射される。アレイ導波路117を伝搬した光は第2のスラブ導波路118に入射されるが、アレイ導波路117の長さは互いに一定長ずつ異なっているため、第2のスラブ導波路118の出力端からはその位置に応じた波長の光が出力される。この光が受光部106に入射される。
前記光分岐回路104からこのアレイ導波路回析格子に対応する波長帯の光が第1のスラブ導波路116に入力され、複数M本のアレイ導波路117に入射される。アレイ導波路117を伝搬した光は第2のスラブ導波路118に入射されるが、アレイ導波路117の長さは互いに一定長ずつ異なっているため、第2のスラブ導波路118の出力端からはその位置に応じた波長の光が出力される。この光が受光部106に入射される。
多層アレイ導波路回折格子105を構成するアレイ導波路回析格子105ーiの他の構成例を、図1Eに示す。図1Dの場合と比較すると、この構成では、第2のスラブ導波路118の出力側にM本の出力導波路119が設けられており、分光された光をM本の出力導波路119に接続し、該出力導波路119からの光を受光するように受光器106が取り付けられている。この構成は、図1Dの場合と比較して、出力光の間隔を受光器106の空間分解能に合わせて調整しやすいという利点がある。必要に応じて、導波路端と受光器の間にレンズ、レンズアレイなどを挿入する。
各層のアレイ導波路回折格子を構成する単一モード導波路のコア幅、コア高さは層毎に適切な値に調整する。例えば、1種類の導波路構造で、可視光全域(400nm〜800nm)に渡って低損失かつ単一モード性を維持することは不可能である。コア幅(幅と高さが等しい方形コアとする)は、比屈折率差(コアとクラッドの屈折率差)とカットオフ波長の設定によって変わるが、分光特性を優先する場合、カットオフ波長が最短分光波長よりも短くなるようにコア幅を定める。損失を低減する場合にはカットオフ波長を長めにして、基本モード以外のモードの伝搬が可能な値にする。具体的に、比屈折率差が0.75%でコア幅1.5μmとするとカットオフ波長が370nm、コア幅を3.0μmとすると、カットオフ波長が750nmとなる。この値から、カットオフ波長はほぼコア幅に比例しているので、波長400-500nmの分光には、例えば、コア幅1.4-3.2μm程度が適していると考えられる。このようにして、各層に割り当てられた波長帯域に合わせて、コア幅を調整する。また、あるコア層と隣接するコアとの層間クラッド層の厚さは、少なくとも、コア高さの3倍以上にするが、受光器106の形状に合わせると良い。
受光部106は、前記多層アレイ導波路回析格子105の各層のアレイ導波路回析格子からの出力光を受光する。
受光器106は、可視光に対してはSi-pinフォトダイオードアレイ、電荷結合素子、CMOSセンサが利用できる。赤外光に対しては、InGaAs-pinフォトダイオードアレイが利用できる。
受光器106は、可視光に対してはSi-pinフォトダイオードアレイ、電荷結合素子、CMOSセンサが利用できる。赤外光に対しては、InGaAs-pinフォトダイオードアレイが利用できる。
本実施の形態の動作を説明する。
光入力部101に入射した光は、光ファイバ102を経て光分岐回路104に導光される。なお、照明用光源103を点灯させてその反射光、あるいは、発生する燐光や蛍光を光入力部101に取り込む場合もある。
光分岐回路104では、1:2光結合器112、1:N光結合器113を経てN本の光導波路に分岐される。各々の導波路には異なる波長帯の光を透過する光フィルタ114が挿入されている。これによって、波長帯毎にN層の導波路の中の異なるアレイ導波路回折格子に結合される。
光入力部101に入射した光は、光ファイバ102を経て光分岐回路104に導光される。なお、照明用光源103を点灯させてその反射光、あるいは、発生する燐光や蛍光を光入力部101に取り込む場合もある。
光分岐回路104では、1:2光結合器112、1:N光結合器113を経てN本の光導波路に分岐される。各々の導波路には異なる波長帯の光を透過する光フィルタ114が挿入されている。これによって、波長帯毎にN層の導波路の中の異なるアレイ導波路回折格子に結合される。
図1Fに白色光を入射した場合の各導波路から取り出される光の波長スペクトル、対応するアレイ導波路回折格子の出力導波路119のM本の各導波路から取り出される光の波長スペクトルを図示する。図1Dのように出力導波路が無い場合には、直接受光器106にスペクトル毎に異なる画素に入射して分光される。
分光測定を行う前に、既知のスペクトルを持つ光源ないし可変波長光源を利用して装置の校正を行い、その情報を分光光度計制御装置107に記憶しておく。分光測定を行う場合には予め分光光度計制御装置107に記憶させておいた応答特性を用いて取得データから分光スペクトルを求めることが出来る。
分光測定を行う前に、既知のスペクトルを持つ光源ないし可変波長光源を利用して装置の校正を行い、その情報を分光光度計制御装置107に記憶しておく。分光測定を行う場合には予め分光光度計制御装置107に記憶させておいた応答特性を用いて取得データから分光スペクトルを求めることが出来る。
[第2の実施の形態]
本発明の分光光度計の第2の実施の形態の構成を図2Aに示す。前記図1Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。前述した第1の実施の形態との相違点は、光分岐回路104を、アレイ導波路回折格子を利用する分岐回路120に変えたところである。
分岐回路120の構成を図2Bに示す。ここで、121と123はスラブ導波路、122はアレイ導波路である。前記図1Bの場合と同様に、1:2光結合器112から出射される被測定光は、第1のスラブ導波路121を介して、N本の異なる長さのアレイ導波路122に入射され、第2のスラブ導波路123に接続されたN本の出力導波路から異なる波長帯の光が出力され、多層アレイ導波路回析格子105に入射される。
本発明の分光光度計の第2の実施の形態の構成を図2Aに示す。前記図1Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。前述した第1の実施の形態との相違点は、光分岐回路104を、アレイ導波路回折格子を利用する分岐回路120に変えたところである。
分岐回路120の構成を図2Bに示す。ここで、121と123はスラブ導波路、122はアレイ導波路である。前記図1Bの場合と同様に、1:2光結合器112から出射される被測定光は、第1のスラブ導波路121を介して、N本の異なる長さのアレイ導波路122に入射され、第2のスラブ導波路123に接続されたN本の出力導波路から異なる波長帯の光が出力され、多層アレイ導波路回析格子105に入射される。
アレイ導波路回析格子の回折次数は5〜20程度であり、本実施の形態では、測定波長帯をN分割出来るように設定する。第1の実施の形態と比較すると、この実施の形態の場合には、Nを大きく、分岐回路120を小型に構成できる利点がある。その他の動作は第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
本発明の分光光度計の第3の実施の形態の構成を図3Aに示す。前記図2Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。第2の実施の形態との相違点は、分岐回路120を、光減衰器を有する分岐回路124に変えたところである。
分岐回路124の構成を図3Bに示す。ここで、125は光減衰器である。前記図2Aと比較すると、第2のスラブ導波路123に接続されたN本の出力導波路中に光減衰器125が挿入されており、これにより出力光の強度を調整することができるようになっている点が異なっている。
光減衰器125としては、例えば、マッハツェンダー型の光干渉系の片アームにヒータを設ける構成が利用できる。ヒータに流す電流を制御することによって、光減衰量を調整できる。一般に、高感度受光器のダイナミックレンジは狭いので、明るすぎる場合は光強度を測定することが出来ない。本実施の形態では、入射光が強い場合にも光を減衰させることによって正確に分光測定が可能となる。その他の動作は第2の実施の形態と同様である。
本発明の分光光度計の第3の実施の形態の構成を図3Aに示す。前記図2Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。第2の実施の形態との相違点は、分岐回路120を、光減衰器を有する分岐回路124に変えたところである。
分岐回路124の構成を図3Bに示す。ここで、125は光減衰器である。前記図2Aと比較すると、第2のスラブ導波路123に接続されたN本の出力導波路中に光減衰器125が挿入されており、これにより出力光の強度を調整することができるようになっている点が異なっている。
光減衰器125としては、例えば、マッハツェンダー型の光干渉系の片アームにヒータを設ける構成が利用できる。ヒータに流す電流を制御することによって、光減衰量を調整できる。一般に、高感度受光器のダイナミックレンジは狭いので、明るすぎる場合は光強度を測定することが出来ない。本実施の形態では、入射光が強い場合にも光を減衰させることによって正確に分光測定が可能となる。その他の動作は第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
本発明の分光光度計の第4の実施の形態の構成を図4Aに示す。前記図1Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。ここで、126は光分岐素子(分岐部)、127は多層光回路、128はレンズ系、129は液晶空間光変調器(あるいは、LCOS: Liquid Crystal on Silicon)である。本実施の形態では、入射光は、光分岐素子126を透過して多層光回路127に入力される。
多層光回路127は、第1の種類のアレイ導波路回析格子と、複数の第2の種類のアレイ導波路回析格子が積層されて作製されている。また、複数の第2の種類のアレイ導波路回析格子の出力側には、図4Aには図示されていないが、第2の種類のアレイ導波路回析格子で分光された出力光を受光する受光器130が配置されている。
本発明の分光光度計の第4の実施の形態の構成を図4Aに示す。前記図1Aと同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。ここで、126は光分岐素子(分岐部)、127は多層光回路、128はレンズ系、129は液晶空間光変調器(あるいは、LCOS: Liquid Crystal on Silicon)である。本実施の形態では、入射光は、光分岐素子126を透過して多層光回路127に入力される。
多層光回路127は、第1の種類のアレイ導波路回析格子と、複数の第2の種類のアレイ導波路回析格子が積層されて作製されている。また、複数の第2の種類のアレイ導波路回析格子の出力側には、図4Aには図示されていないが、第2の種類のアレイ導波路回析格子で分光された出力光を受光する受光器130が配置されている。
図4Bは、多層光回路127のある層の光回路(第1の種類のアレイ導波路回析格子127ー0)の構成を示す図である。光分岐素子126の出力光は、この第1の種類のアレイ導波路回析格子に入射される。この図と前記図1Dと比較すると明らかなように、このアレイ導波路回析格子は、図1Dのアレイ導波路回析格子における第2のスラブ導波路118が無い構成であり、アレイ導波路117からは波長によって異なる方角に光が出力される。アレイ導波路117から出力される光はレンズ系128に入射され、レンズ系128の空間フーリエ変換作用により、入射光はスペクトルに空間的に分解されて液晶空間光変調器129上に結像する。
図4Aにおいて、入射光は液晶空間光変調器129上のx軸方向にスペクトル分解され、各スペクトル成分はy軸方向に扁平に広がる。液晶空間光変調器129をy軸方向に位相変化を加えることによって、xy平面鉛直方向からy軸方向に傾けて光を回折させることが出来る。波長毎に異なる位相変調を加えて、異なる方向に回折させると、レンズ系128によって、多層光回路127の別の層の光回路に回折光を結合させることが出来る。
図4Cに多層光回路127の他の複数の層の光回路(第2の種類のアレイ導波路回析格子127ーj(1≦j≦N))の構成例を示す。図4Cの光回路は、図4Bに示した第1のアレイ導波路回析格子と同様に、スラブ導波路が一つ省かれているアレイ導波路回折格子である。ただし、レンズ系128からの光が入射されるように構成されており、第1の種類のアレイ導波路回析格子とは光が入射される方向が逆になっている。
図4Cのアレイ導波路回折格子は、図4Bのアレイ導波路回折格子よりも次数が高く、高分解能なアレイ導波路回折格子である。レンズ系128からの回折光はアレイ導波路117に入射され、スラブ導波路116に入射されて、更に細かく分光され、出力導波路を通って受光器130に導光される。
図4Cのアレイ導波路回折格子は、図4Bのアレイ導波路回折格子よりも次数が高く、高分解能なアレイ導波路回折格子である。レンズ系128からの回折光はアレイ導波路117に入射され、スラブ導波路116に入射されて、更に細かく分光され、出力導波路を通って受光器130に導光される。
分光光度計制御装置107により液晶空間光変調器129の変調状態を制御することによって、受光される光強度を調整できるので、第3の実施の形態と同様に入射光が強い場合にも正確に分光測定を行うことが可能である。また、10Hz程度の低周波で液晶空間光変調器129の位相状態を変調し、受光器130で受光した信号をロックイン増幅することによって高感度測定も可能となる。
101:光入力部、102:光ファイバ、103:照明用光源、104:光分岐回路、105:多層アレイ導波路回折格子、106:受光器、107:分光光度計制御装置、108、109、110:レンズ、111:石英基板、112:1:2光結合器、113:1:N光結合器、114:光フィルタ、115:石英基板、116:第1のスラブ導波路、117:アレイ導波路、118:第2のスラブ導波路、119:出力導波路、120:分岐回路、121:スラブ導波路、122:アレイ導波路、123:スラブ導波路、124:分岐回路、125:光減衰器、126:光分岐素子、127:多層光回路、128:レンズ系、129:液晶空間光変調器、130:受光器
Claims (6)
- 入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、
前記光集光部の出力光を複数の導波路に分岐する光分岐回路と、
前記複数の導波路にそれぞれ挿入され、異なる波長帯の光を透過させる光フィルタと、
複数のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であって、前記複数の導波路の出力光が、それぞれ対応するアレイ導波路回析格子に入力される多層アレイ導波路回折格子と、
前記複数のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器と
を有することを特徴とする分光光度計。 - 入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、
前記光集光部の出力光を分光して、複数の導波路に異なる波長帯の光を出力する第1のアレイ導波路回折格子と、
複数のアレイ導波路回析格子が積層された多層アレイ導波路回析格子であって、前記第1のアレイ導波路回折格子の複数の導波路の出力光が、それぞれ対応するアレイ導波路回析格子に入力される多層アレイ導波路回折格子と、
前記複数のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器と
を有することを特徴とする分光光度計。 - 前記第1のアレイ導波路回析格子における各導波路に光減衰器が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の分光光度計。
- 入射光を集光する集光レンズ系と、該集光レンズ系の出力光が導入される光ファイバとを有する光集光部と、
前記光集光部の出力光を分光して、異なる波長帯の複数の光を出力する第1のアレイ導波路回折格子と、
前記第1のアレイ導波路回折格子と積層された複数の第2のアレイ導波路回析格子と、
前記第1のアレイ導波路回析格子の出力光を空間的にスペクトル分解して液晶空間光変調器上に結像するとともに、該液晶空間光変調器により回折された回折光を前記複数の第2のアレイ導波路回析格子に結合させるフーリエ変換レンズ系と、
前記フーリエ変換レンズ系からの入射光に対して波長ごとに異なる位相変調を加えて異なる方向に回折させる液晶空間光変調器と、
前記複数の第2のアレイ導波路回析格子の出力光を受光する受光器と
を有することを特徴とする分光光度計。 - 前記請求項1から請求項4に記載の分光光度計において、
前記光集光部における光ファイバがフォトニック結晶ファイバであることを特徴とする分光光度計。 - 前記請求項1から請求項5に記載の分光光度計において、
前記積層された複数のアレイ導波路回析格子又は積層された複数の第2のアレイ導波路回析格子における導波路のコア形状が、層毎に異なることを特徴とする分光光度計。
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