JP2012013384A - 薄膜塗工装置に設ける乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥室から熱風を吸気排出させつつこの熱風の吸気排出量をラビリンス効果で抑制する構成の熱風排出抑制機構を設けることで、乾燥室での熱風乾燥低下を抑えて乾燥室への外気の流入を確実に阻止して乾燥能力を従来構成より向上させ量産性が向上する画期的な薄膜塗工装置に設ける乾燥装置を提供すること。
【解決手段】塗工を終えたフィルム状の被塗工体4を搬送通過させて熱風乾燥させる乾燥室5の導入部13及び導出部14の外側に、常に乾燥室5から熱風を引き込み排出しつつラビリンス効果によりこの熱風が排出される量を抑制して乾燥室5内に外気が流入することを阻止する熱風排出抑制機構20を設けた薄膜塗工装置に設ける乾燥装置。
【選択図】図1
【解決手段】塗工を終えたフィルム状の被塗工体4を搬送通過させて熱風乾燥させる乾燥室5の導入部13及び導出部14の外側に、常に乾燥室5から熱風を引き込み排出しつつラビリンス効果によりこの熱風が排出される量を抑制して乾燥室5内に外気が流入することを阻止する熱風排出抑制機構20を設けた薄膜塗工装置に設ける乾燥装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばスリット状の先端吐出孔から塗工液を吐出するノズル部に対して、フィルム状の被塗工体を搬送して表面に薄膜を塗工形成するように構成した薄膜塗工装置に設ける乾燥装置であって、塗工を終えたフィルム状の被塗工体を、熱風が送り込まれる乾燥室を搬送通過させて塗工膜を乾燥する乾燥装置に関するものである。
液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向するフィルム状の被塗工体をこのノズル部に対して搬送させることで、このフィルム状の被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置においては、その搬送下流側に乾燥装置を設けて塗工を終えたフィルム状の被塗工体の塗工膜を乾燥する。
このフィルム塗工の量産性を向上するには、この乾燥装置での乾燥能力を高めて搬送スピードを高める必要がある。
特に、フィルム状の被塗工体の両面に塗工する場合、一旦被塗工体の片面に塗工後この塗工膜を乾燥し、更に反対面にも塗工した後この反対面の塗工膜も乾燥するため、各乾燥装置の乾燥能力が量産性に大きな影響を与える。
例えば、アルミ製又は銅製などの金属製フィルムを被塗工体とし、この表面にコバルト酸リチウムなどの正極活性物質又はグラファイトなどの負極活性物質にバインダー(NNPなどの溶媒)などを混合しこれを塗工液として、100μmオーダーの薄膜を塗工形成するリチウムイオン電池形成材を作製する場合、塗工はスピーディーに均一に行えても、この塗工後の乾燥をスピーディーに行えず、まだまだ量産性に劣っている。
また、乾燥能力に劣るものの搬送スピードを上げようとすればそれだけ乾燥装置は長く大型となり、更に両面塗工にあってはこの大型な乾燥室を横に連ねるスペースがない場合には二階建て構成とし折り返し乾燥させる構成となり、いずれも一層大型化しコスト高にもなる。
本発明は、このような問題を解決すべく乾燥装置の乾燥能力を高めて搬送スピードを高め、フィルム塗工の量産性を向上させたり、小型化が図れるなど画期的な薄膜塗工装置に設ける乾燥装置を提供することを目的としている。
特に本発明においては、乾燥室内に冷たい外気が流入することで熱風乾燥効率が低下することを防止するもので、この乾燥室はフィルム状の被塗工体を搬送通過させるものであるから、その両端部には導入部と導出部としての通過開口部を有し、ここから外気が流入するおそれのある構成で、また塗工膜が乾燥すると例えば暴爆性の気化ガスが生じる場合があり、この気化ガスが留まって危険濃度となることを阻止するため乾燥室には熱風送出部と、この送り込まれる熱風を気化ガスと共に排出する熱風排出部とを設けて、単に乾燥室内に熱風を送り込む構成でなく、同時にこの熱風を排出する構成としており、また更にこの乾燥室内を常に陽圧に保持することも容易でないし、また乾燥室内を陽圧として何ら規制なく通過開口部からこの気化ガスを含む熱風が常時無造作に排出されることも好ましくない。
従って、常に熱風を熱風送出部から送り込み熱風排出部から排出している乾燥装置においては、この乾燥室端部の導入部や導出部の通過開口部から外気が常時流入していて、この外気の流入によって乾燥能力が低下し、それだけ搬送スピードを高めることができず、量産性に劣っていた。
本発明は、このような問題を解決し、乾燥室から熱風を吸気排出させつつこの熱風の吸気排出量をラビリンス効果で抑制する簡易な構成で実現可能な熱風排出抑制機構を設けることで、乾燥室への外気の流入を確実に阻止し乾燥効率の低下を抑えて従来例に比して乾燥能力を高め量産性を向上できる画期的な薄膜塗工装置に設ける乾燥装置を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
ノズル部1の先端吐出孔2から塗工液3を吐出しながら、このノズル部1と対向するフィルム状の被塗工体4をこのノズル部1に対して搬送させることで前記フィルム状の被塗工体4に塗工液3を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置に設ける乾燥装置であって、前記塗工を終えたフィルム状の被塗工体4を搬送通過させる乾燥室5に、前記被塗工体4の塗工膜6を熱風乾燥させる熱風を送出する熱風送風部7とこの熱風を排出する熱風排出部8とを設けて、前記熱風送風部7から送り込まれた熱風で前記被塗工体4の塗工膜6を熱風乾燥しこの熱風を前記熱風排出部8から前記乾燥室5外へ排出されるように構成し、前記乾燥室5の前記フィルム状の被塗工体4が搬送導入される導入部13と搬送導出される導出部14とのいずれか若しくは双方に、前記乾燥室5内の熱風が排出されるのを抑制し且つ乾燥室5内に外気が流入することを阻止する熱風排出抑制機構20を設け、この熱風排出抑制機構20は、前記導入部13若しくは前記導入部14を介して前記乾燥室5と連通し前記フィルム状の被塗工体4が搬送通過する吸気室21を設け、この吸気室21の前記被塗工体4の表裏双方側に夫々排出部22を設けて、この夫々の排出部22から前記導入部13若しくは導出部14及び前記吸気室21を介して前記乾燥室5内の熱風を吸気排出するように構成し、前記導入部13若しくは導出部14に前記フィルム状の被塗工体4に先端部を近接させて熱風通過部を挟めるラビリンス壁24を被塗工体4に沿って一乃至複数間隔を置いて並設して前記熱風通過部がこの導入部13若しくは導出部14によって若しくはラビリンス壁24によって狭くなる部分とこの間で広くなる部分とが被塗工体4に沿って交互に設けられてラビリンス効果が生じ前記乾燥室5内からこの導入部13若しくは導出部14及び前記吸気室21を介して熱風が吸気排出されることを抑制するラビリンスパッキン部25を設けた構成としたことを特徴とする薄膜塗工装置に設ける乾燥装置に係るものである。
また、前記吸気室21の前記フィルム状の被塗工体4を境とした各側に設けた前記排出部22を吸気源に連設してこの吸気室21を前記乾燥室5に比して負圧として、この夫々の排出部22から前記導入部13若しくは導出部14及び前記吸気室21を介して前記乾燥室5内の熱風を吸気排出すると共に、前記導入部13若しくは前記導出部14と対向する外気連通部23及び前記吸気室21を介して外気を吸気排出し、この乾燥室5内の熱風と外気とを吸気室21に引き込み各排出部22から排出する構成とし、この熱風を前記乾燥室5から前記吸気室21へ引き込む熱風通過部となる前記導入部13若しくは前記導出部14に、前記ラビリンス壁24から成る前記ラビリンスパッキン部25を設けて、前記吸気室21に引き込む外気に比して前記引き込む熱風の量を抑制したことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗工装置に設ける乾燥装置に係るものである。
また、前記乾燥室5の端部壁26に、前記フィルム状の被塗工体4を搬送通過する通過開口部27を設けて前記導入部13及び前記導出部14を構成し、この通過開口部27を設けた端部壁26と間隔を置いて一乃至複数の前記ラビリンス壁24を並設し、この端部壁26とラビリンス壁24との間若しくはこの間とラビリンス壁24間を閉塞状態に構成して、この端部壁26の先端部の前記通過開口部27の開口縁と前記ラビリンス壁24の先端部又は各ラビリンス壁24の先端部を前記フィルム状の被塗工体4に近接させて、このフィルム状の被塗工体4との間に形成される前記熱風通過部が、狭められる部分と奥部は閉塞状態であるが広くなる部分とがこの被塗工体4に沿って交互に設けられてラビリンス効果が生じる前記ラビリンスパッキン部25を、前記導入部13若しくは前記導出部14に設けて前記熱風排出抑制機構20を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に設ける乾燥装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、乾燥室から熱風を吸気排出させつつこの熱風の吸気排出量をラビリンス効果で抑制する簡易な構成で実現可能な熱風排出抑制機構を設けることで、乾燥室への外気の流入を確実に阻止し乾燥効率の低下を抑えて従来例に比して乾燥能力を高め量産性を向上できる画期的な薄膜塗工装置に設ける乾燥装置となる。
また、請求項2,3記載の発明においては、更に本発明を一層簡易な構成で容易に実現できる一層実用性に優れた画期的な薄膜塗工装置に設ける乾燥装置となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
薄膜塗工装置によって塗工を終えたフィルム状の被塗工体4は、乾燥室5を搬送通過することでこの被塗工体4表面に塗工形成された塗工膜6は乾燥される。
即ち、乾燥室5に設けた熱風送風部7から送り込まれた熱風で前記被塗工体4の塗工膜6を熱風乾燥しこの熱風を前記熱風排出部8から前記乾燥室5外へ排出させて被塗工体4の塗工膜6を乾燥する。
従って、例えばこの塗工膜6から、暴爆性を有したりそのまま無造作に乾燥室5外へ排出できない性質の気化ガスが生じるとしても、これを熱風排出部8から熱風と共に常に排出しながら熱風乾燥することで気化ガスが乾燥室内で危険濃度となることを阻止している。
従来このような乾燥室5においては、前述のようにフィルム状の被塗工体4が搬送通過する導入部13や導出部14から常に外気が流入することになるが、この点本発明は、この外気の流入が熱風排出抑制機構20によって阻止される。
即ち、導入部13若しくは導出部14(後述する実施例では双方の外側)に夫々熱風排出抑制機構20を設け、この熱風排出抑制機構20により負圧とする吸気室21に外気と共に乾燥室5内の熱風を引き込み排出して、乾燥室5への外気の流入を確実に阻止すると共に、この熱風排出抑制機構20のラビリンス壁24から成るラビリンスパッキン部25によって導入部13や導出部14の熱風通過部に、ラビリンス壁24によって狭まる部分と広がる部分を交互に設けてラビリンス効果を生じさせ、常に吸気室21を負圧として乾燥室5からこの熱風通過部を介して熱風を引き込み排出するが、この熱風排出量をラビリンス効果で抑制しつつ吸気室21に設けた所定の排出部22から排出するように構成し、このような乾燥室5における熱風乾燥効率を低下させず従来構成より乾燥能力を向上させ、フィルム塗工の量産性を向上させる。
尚、このラビリンス効果は、気体が通過する通過部に間隔をおいて邪魔板を並設しこの通過部が狭まる部分と広がる部分とが交互に形成される、あるいは迷路状にして気体通過方向が変化することで所定方向に対しての気体通過幅が狭まる部分と広がる部分とが交互に形成されて、徐々に気体の圧力エネルギーが減じ漏れ圧を下げることになる効果である。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、巻取ロール17から引き出したフィルム状の被塗工体4を塗工用のノズル部1と対向する支持ロール18を介して引き出し搬送し、このノズル部1の先端吐出孔2から塗工液3を吐出させて、この支持ロール18で支承されている被塗工体4の片面に塗工した後、これを下側に配した本発明に係る乾燥装置を搬送通過させて乾燥し、更に連続して同様の薄膜塗工装置によって反対面も塗工した後に、上側に配した本発明に係る乾燥装置を更に搬送通過させて乾燥し巻き取る両面薄膜塗工装置を構成したものである。
即ち、本実施例の乾燥装置は、ノズル部1の先端吐出孔2から塗工液3を吐出しながら、このノズル部1と対向するフィルム状の被塗工体4をこのノズル部1に対して搬送させることで前記フィルム状の被塗工体4に塗工液3を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置の搬送下流側に設ける乾燥装置であって、前記塗工を終えたフィルム状の被塗工体4を搬送通過させる乾燥室5に、被塗工体4の塗工膜6を熱風乾燥させる熱風を送出する熱風送風部7とこの熱風を排出する熱風排出部8とを設けて、この熱風送風部7から送り込まれた熱風で塗工膜6の表面を加熱乾燥し、この熱風乾燥する熱風をこの塗工膜6から生じる気化ガスと共に熱風排出部8から乾燥室5外へ排出されるように構成している。
そして本実施例ではこの熱風乾燥と併用させて、輻射熱で塗工膜6の内部を加熱乾燥させて乾燥能力を高める乾燥用ヒータ部9をフィルム状の被塗工体4に対向状態に近接配設するが、この乾燥用ヒータ部9は、プレート体とせずに、前記熱風が通過する通風間隙10を介して多数のヒータ棒状部11が前記被塗工体4の面方向に並設した構成として、フィルム状の被塗工体4にフィルム振動が生じる場合に接触してしまう位置までは近づけないものの、前述した熱風乾燥や気化ガスによる暴爆のおそれなどを考慮しつつできるだけ近接して、輻射熱による乾燥を併用して乾燥能力の一層の向上を図っている。
以下、更に具体的に説明すると、本実施例では、例えば、アルミ製又は銅製などの金属製フィルムを被塗工体4とし、この表面にコバルト酸リチウムなどの正極活性物質又はグラファイトなどの負極活性物質にバインダー(NNPなどの溶媒)などを混合しこれを塗工液3として、100μmオーダーの薄膜を両面に塗工形成するリチウムイオン電池形成材を作製する薄膜塗工装置で、この片面毎塗工する各薄膜塗工装置の搬送下流側に夫々設けられる乾燥装置である。
この本実施例の乾燥装置のこの塗工を終えた金属フィルムの被塗工体4を搬送通過させる前記乾燥室5は、このフィルム状の被塗工体4が搬送導入される導入部13と、搬送導出される導出部14とを設け、この乾燥室5の搬送方向一側に前記熱風送風部7を設け反対側に前記熱風排出部8を設けて、搬送通過させるフィルム状の被塗工体4の塗工膜6を設けた上面の上方でこの搬送方向に沿って熱風が送風排出されるように構成している。
また本実施例では、乾燥室5を複数ブロックに分けて夫々が連設した構成とし、各ブロック乾燥室毎に搬送上流側に搬送方向に向かって熱風を送出する熱風送風部7と、これと対向するように反対側に熱風排出部8とを設けた構成とし、この各ブロック乾燥室の下側に設けた支承ローラ19に支承させフィルム状の被塗工体4を乾燥室5内を搬送通過するように引き取り搬送する構成とし、この乾燥室5の上方で熱風送風部7から熱風排出部8へと熱風が送風されこの被塗工体4の上面に塗工形成された塗工膜6を熱風乾燥するように構成している。
この被塗工体4と近接対向状態にして被塗工体4の面方向に並設状態に配設する多数の前記ヒータ棒状部11から成る前記乾燥用ヒータ部9をこの被塗工体4の上方に配設し、このヒータ棒状部11間の前記通風間隙10を介して熱風が行き来しその下方の被塗工体4の塗工膜6に送風されるように構成している。
また、図示していないが、このヒータ棒状部11に熱風導風部を突設するなどして前記通風間隙10を介して、前記熱風送風部7から送り込まれる熱風を前記被塗工体4の塗工膜6に向けて導風するように構成して、乾燥用ヒータ部9を近づけて効率を高めても、確実に熱風を塗工膜6に送り込み熱風乾燥を維持しつつ気化ガスを停留させることもなく熱風と共に排出するように構成している。
また、前記ヒータ棒状部11は、電熱線などの熱源を内装するか、高温水蒸気やオイルなど高温媒体を流通させ、この熱により表面の(セラミック)から赤外線を発する赤外線ヒータ(IRヒータ)としている。
具体的には、本実施例では高温水蒸気を流通させるパイプをセラミックで形成若しくはセラミックを被覆し、このヒータ棒状部11を左右で折り返して被塗工体4の所定範囲をこの折り返される多数の並設したヒータ棒状部11で覆い、この連通する各ヒータ棒状部11に高温水蒸気を流通させて表面から発せられる赤外線による輻射熱によって塗工膜6を内部からも加熱乾燥する折り返し棒状部並設形のIRヒータで構成している。
言い換えると、プレート状のIRヒータでなく、高温水蒸気を通して表面から赤外線を発する左右で折り返し反転する連通した多数のヒータ棒状部11が並設したタイプのIRヒータとし、この各ヒータ棒状部11の長さ方向が前記被塗工体4の搬送方向と直交する方向にしてこの被塗工体4の搬送方向に並設状態となるようにして、被塗工体4の上方に対向状態に近接配設した構成としている。
本実施例は、このような乾燥室5の前記フィルム状の被塗工体4が搬送導入される導入部13と搬送導出される導出部14との双方に、乾燥室5内から熱風がこの導入部13及び導出部14から排出されるのを抑制し、且つこの抑制しつつも吸引排気することで乾燥室5内に外気が流入することを阻止する熱風排出抑制機構20を設けている。
即ち、この熱風排出抑制機構20により外気と共に乾燥室5内の熱風を吸気室21に引き込み排出部22から排出して、乾燥室5への外気の流入を確実に阻止すると共に、この熱風排出抑制機構20のラビリンス壁24から成るラビリンスパッキン部25によって導入部13や導出部14の熱風通過部にラビリンス壁24によって狭まる部分と広がる部分とを交互に設けてラビリンス効果を生じさせ、常に吸気室21を負圧として乾燥室5からこの熱風通過部を介して熱風を吸気室21に引き込み排出するが、この熱風排出量を抑制することで外気の流入を阻止し乾燥能力を高めている。
具体的には、前記導入部13と前記導入部14の各外側に前記乾燥室5と連通し且つこの導入部13や導出部14とこれらと対向する外気連通部23とを通ってフィルム状の被塗工体4が搬送通過する吸気室21を設け、この吸気室21を通過する被塗工体4の表裏双方側に夫々排出部22を設けている。
更に説明すると本実施例では、前記吸気室21の前記フィルム状の被塗工体4を境とした各側に設けた前記排出部22を夫々吸気源に連設してこの吸気室21を前記乾燥室5に比して負圧として、この夫々の排出部22から前記導入部13や導出部14及び前記吸気室21を介して前記乾燥室5内の熱風を吸気排出すると共に、前記導入部13や前記導出部14と対向する外気連通部23及び前記吸気室21を介して外気も吸気排出し、この乾燥室5内の熱風と外気とを吸気室21に引き込み各排出部22から排出する構成としている。
つまり、本実施例では、導入部13及び導出部14の外側に負圧とする吸気室21を設け、導入部13及び導出部14とこれら外側の吸気室21の外気連通部23を通過するようにフィルム状の被塗工体4を乾燥室5及びその左右両側の吸気室21を搬送通過するように構成し、この吸気室21の被塗工体4を境にした上下対向位置に吸気源(例えば吸引ダクトや吸引ファンによる排気する排気管など)に連設(例えば接続)する排出部22(排出口や排出用連結部や連通部など)を設けて、この被塗工体4の表裏両側を負圧とし、乾燥室5と連通する熱風通過部となる導入部13及び導出部14、具体的には通過開口部27の開口縁と被塗工体4との隙間から熱風は引き込み排出され、外気も外気連通部23から同様に引き込まれて吸気室21の排出部22から引き込み排出される。
従って、この吸気室21を負圧にして常に導入部13及び導出部14から引き込み排出することで、たとえ前述のように乾燥室5内に熱風送風部7と熱風排出部8とを設けて、乾燥室5内に送出した熱風を乾燥室5内の熱風排出部8から気化ガスと共に吸気排出する構成であって、この導入部13及び導出部14から外気が流入するおそれがある構成でも、この本実施例の熱風排出抑制機構20の吸気室21を負圧にして、常にこの熱風をこの導入部13及び導出部14から吸気室21に引き込み前記排出部22から排出する構成とすることで、確実にこの導入部13や導出部14から外気が乾燥室5内へ流入し熱風やIRヒータの温度低下による乾燥効率の低下を阻止できる。
しかも、本実施例ではこの熱風排出抑制機構20には、ラビリンス壁24から成るラビリンスパッキン部25を設けた構成とし、この熱風の引き込み排出量を抑制する構成として乾燥効率の低下を更に阻止し、従来に比して乾燥能力を極めて向上させている。
更に説明すると、前記導入部13と導出部14の外側にこの端部壁26と並設状態にして、且つ前記フィルム状の被塗工体4に先端部を近接させ熱風通過部を狭めるラビリンス壁24をこの被塗工体4に沿って複数間隔を置いて並設し、前記熱風通過部がこの導入部13及び導出部14の端部壁26の先端部である通過開口部27の開口縁及び(これを近接させない場合は複数の)ラビリンス壁24の先端部の被塗工体4への近接によって、この被塗工体4に対して狭くなる部分とこの間で広くなる部分とが(即ち熱風の通過部が被塗工体4に対して狭くなる部分と広くなって渦流が生じる部分とが)被塗工体4に沿って交互に設けられて漏れ圧が徐々に小さくなるラビリンス効果が生じ熱風が吸気排出されることを抑制するラビリンスパッキン部25を設けた構成としている。
具体的には、本実施例では前記乾燥室5の端部壁26に前記フィルム状の被塗工体4を搬送する通過開口部27を設けて前記導入部13及び前記導出部14を構成しているが、この通過開口部27を設けた端部壁26と間隔を置いて複数の前記ラビリンス壁27を並設し、この端部壁26とラビリンス壁24との間と各ラビリンス壁24間の奥底部を閉塞状態に構成して、この端部壁26の先端部の前記通過開口部27の開口縁と各ラビリンス壁24の先端部とを被塗工体4に近接させて、この被塗工体4との間に形成される前記熱風通過部が、狭められる部分と奥底部は閉塞状態であるが広くなる部分とがこの被塗工体4に沿って交互に設けられてラビリンス効果が生じる前記ラビリンスパッキン部25を、導入部13及び導出部14の各外側で被塗工体4の表裏双方側に設けて前記熱風排出抑制機構20を構成している。
従って、例えばこの塗工膜6から、暴爆性を有したりそのまま規制なく無造作に乾燥室5外へ排出できない性質の気化ガスが生じるとしても、これを熱風排出部8から熱風と共に排出して危険濃度とならないようにして熱風乾燥する乾燥室5の導入部13と導出部14に夫々前記熱風排出抑制機構20を設け、この吸気室21を負圧として乾燥室5から導入部13や導出部14を介して熱風を引き込み排出するが、この熱風排出量を抑制してわずかだけ常時排出するように構成することで、外気の流入を確実に防止しつつ熱風の排出も抑え、このような乾燥室5での熱風乾燥効率を低下させず従来構成より乾燥能力を向上させ、フィルム塗工の量産性を向上させている。
また更に本実施例の乾燥装置は、前述のように塗工膜6を熱風乾燥による表面加熱乾燥と輻射熱による内部加熱乾燥とによって乾燥能力を向上させ、更にこの輻射熱を与える乾燥用ヒータ部9を被塗工体4の塗工膜6に近接配設することで一層乾燥能力を向上させている。
単に所定範囲を均一に加熱乾燥するようにプレート状の乾燥用ヒータ部を被塗工体4の塗工膜6の上方に近接配設すると、このプレート状の乾燥用ヒータ部によって熱風が遮られたり、塗工膜6から生じる気化ガスが放散されずこの気化ガスが暴爆性を有する場合暴爆危険濃度に近づくおそれがあるため、十分にこのプレート状の乾燥用ヒータ部を近接することができず十分な輻射熱による内部加熱乾燥を行うことができなかったが、本実施例では、前述のように乾燥用ヒータ部9をプレート体でなくヒータ棒状部11を通風間隙10を介して並設した構成として、この乾燥用ヒータ部9の並設されたヒータ棒状部11で所定範囲の塗工膜6を内部から加熱乾燥すると共に、この乾燥用ヒータ部9は多数の通風間隙10を有するため、熱風や塗工膜6からの気化ガスは遮られず、熱風はこの通風間隙10を介して塗工膜6に行き届き、また気化ガスも通風間隙10を介して排出されることになる。よって、乾燥用ヒータ部9を近接させて輻射熱による内部加熱乾燥が効率良く行えると共に、熱風も確実に送風されて塗工膜6に確実に行き届き熱風による表面加熱乾燥も効率良く行え、しかもたとえこの塗工膜6から暴爆性の気化ガスが生じるとしても、このヒータ棒状部11間の通過間隙10を介して、更に例えば熱風を受けて下方の塗工膜6へ導風する傾斜導風板面を有する熱風導風部を設ければ更に良好に、塗工膜6表面に熱風を行き届かせて、前述のように熱風による表面乾燥と共に、気化ガスも熱風と共に良好に排出され、気化ガスの濃度が高まることも防止でき極めて実用性に優れた乾燥装置となるものである。
尚、本発明は、実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 ノズル部
2 先端塗工孔
3 塗工液
4 被塗工体
5 乾燥室
6 塗工膜
7 熱風送風部
8 熱風排出部
13 導入部
14 導出部
20 熱風排出抑制機構
21 吸気室
22 排出部
23 外気連通部
24 ラビリンス壁
25 ラビリンスパッキン部
26 端部壁
27 通過開口部
2 先端塗工孔
3 塗工液
4 被塗工体
5 乾燥室
6 塗工膜
7 熱風送風部
8 熱風排出部
13 導入部
14 導出部
20 熱風排出抑制機構
21 吸気室
22 排出部
23 外気連通部
24 ラビリンス壁
25 ラビリンスパッキン部
26 端部壁
27 通過開口部
Claims (3)
- ノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向するフィルム状の被塗工体をこのノズル部に対して搬送させることで前記フィルム状の被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置に設ける乾燥装置であって、前記塗工を終えたフィルム状の被塗工体を搬送通過させる乾燥室に、前記被塗工体の塗工膜を熱風乾燥させる熱風を送出する熱風送風部とこの熱風を排出する熱風排出部とを設けて、前記熱風送風部から送り込まれた熱風で前記被塗工体の塗工膜を熱風乾燥しこの熱風を前記熱風排出部から前記乾燥室外へ排出されるように構成し、前記乾燥室の前記フィルム状の被塗工体が搬送導入される導入部と搬送導出される導出部とのいずれか若しくは双方に、前記乾燥室内の熱風が排出されるのを抑制し且つ乾燥室内に外気が流入することを阻止する熱風排出抑制機構を設け、この熱風排出抑制機構は、前記導入部若しくは前記導入部を介して前記乾燥室と連通し前記フィルム状の被塗工体が搬送通過する吸気室を設け、この吸気室の前記被塗工体の表裏双方側に夫々排出部を設けて、この夫々の排出部から前記導入部若しくは導出部及び前記吸気室を介して前記乾燥室内の熱風を吸気排出するように構成し、前記導入部若しくは導出部に前記フィルム状の被塗工体に先端部を近接させて熱風通過部を挟めるラビリンス壁を被塗工体に沿って一乃至複数間隔を置いて並設して前記熱風通過部がこの導入部若しくは導出部によって若しくはラビリンス壁によって狭くなる部分とこの間で広くなる部分とが被塗工体に沿って交互に設けられてラビリンス効果が生じ前記乾燥室内からこの導入部若しくは導出部及び前記吸気室を介して熱風が吸気排出されることを抑制するラビリンスパッキン部を設けた構成としたことを特徴とする薄膜塗工装置に設ける乾燥装置。
- 前記吸気室の前記フィルム状の被塗工体を境とした各側に設けた前記排出部を吸気源に連設してこの吸気室を前記乾燥室に比して負圧として、この夫々の排出部から前記導入部若しくは導出部及び前記吸気室を介して前記乾燥室内の熱風を吸気排出すると共に、前記導入部若しくは前記導出部と対向する外気連通部及び前記吸気室を介して外気を吸気排出し、この乾燥室内の熱風と外気とを吸気室に引き込み各排出部から排出する構成とし、この熱風を前記乾燥室から前記吸気室へ引き込む熱風通過部となる前記導入部若しくは前記導出部に、前記ラビリンス壁から成る前記ラビリンスパッキン部を設けて、前記吸気室に引き込む外気に比して前記引き込む熱風の量を抑制したことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗工装置に設ける乾燥装置。
- 前記乾燥室の端部壁に、前記フィルム状の被塗工体を搬送通過する通過開口部を設けて前記導入部及び前記導出部を構成し、この通過開口部を設けた端部壁と間隔を置いて一乃至複数の前記ラビリンス壁を並設し、この端部壁とラビリンス壁との間若しくはこの間とラビリンス壁間を閉塞状態に構成して、この端部壁の先端部の前記通過開口部の開口縁と前記ラビリンス壁の先端部又は各ラビリンス壁の先端部を前記フィルム状の被塗工体に近接させて、このフィルム状の被塗工体との間に形成される前記熱風通過部が、狭められる部分と奥部は閉塞状態であるが広くなる部分とがこの被塗工体に沿って交互に設けられてラビリンス効果が生じる前記ラビリンスパッキン部を、前記導入部若しくは前記導出部に設けて前記熱風排出抑制機構を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に設ける乾燥装置。
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JP2010152705A JP2012013384A (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | 薄膜塗工装置に設ける乾燥装置 |
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Family Applications (1)
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JP2010152705A Withdrawn JP2012013384A (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | 薄膜塗工装置に設ける乾燥装置 |
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2010
- 2010-07-05 JP JP2010152705A patent/JP2012013384A/ja not_active Withdrawn
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