JP2012013296A - 貯湯タンク - Google Patents

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俊圭 鈴木
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俊雄 篠木
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稔則 杉木
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Abstract

【課題】真空断熱材の外袋を介した伝熱量及び対流による伝熱量を低減し、有効熱量の損失を抑制した、より熱効率が高く実用性のある貯湯タンクを得る。
【解決手段】貯湯タンク(1)は、貯湯されている湯の温度が鉛直方向に差を有するタンク(2)の胴部(2a)が真空断熱材8により囲繞されている貯湯タンクにおいて、上記タンクの胴部と上記真空断熱材との間に隙間が設けられ、上記設けられた隙間が間隔子(10)により鉛直方向に複数の空間(13)に区分される。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気温水器、ヒートポンプ式給湯機等貯湯式温水器に具備する貯湯タンクに関するものである。
従来、この種の貯湯タンクには、その貯湯タンクの外周部に断熱性能の高い真空断熱材を適用することで、その熱漏洩量を抑え、保温電力量を低減することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、その真空断熱材の鉛直方向に凹部を設けて貯湯タンクに一部密着させずに配置する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−200777号公報 特開2007−107738号公報
しかしながら、特許文献1では、貯湯タンクへの真空断熱材の設置方法について、少なくともタンクの側部には真空断熱材を密着させている。一般に貯湯タンクは、給湯使用量に応じて、上部が湯、低部が水になることから、タンクの上下で温度差を有する。真空断熱材の外袋は樹脂フィルムにアルミニウムフィルムをラミネートしたものであるので、タンクの外表面側から真空断熱材を通してタンクの半径方向には高い断熱性能を有するのに対して、鉛直方向には外袋を伝わる移動熱量が大きくなるため、その外袋を介して、タンク上部の高温部の熱量がタンク下部の低温部に移動し、給湯に必要となる有効な熱量を損失してしまうといった問題があった。
また、特許文献2では、真空断熱材の一部を貯湯タンクに密着させずに配置しているため、真空断熱材の外袋を介した熱の移動は低減できるが、形成した空間内を空気が自由に移動する、いわゆる熱対流による低温部への熱の移動が生じ、有効な熱量を損失してしまうといった問題があった。また、密着した部分は、特許文献1と同様の真空断熱材の外袋を介して熱が移動するといった問題があった。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、真空断熱材の外袋を介した伝熱量及び対流による伝熱量を低減し、有効熱量の損失を抑制した、より熱効率が高く実用性のある貯湯タンクを得ることを目的とする。
この発明に係る貯湯タンクは、貯湯されている湯の温度が鉛直方向に差を有するタンクの胴部が真空断熱材により囲繞されている貯湯タンクにおいて、上記タンクの胴部と上記真空断熱材との間に隙間が設けられ、上記設けられた隙間が間隔子により鉛直方向に複数の空間に区分される。
この発明に係る貯湯タンクは、真空断熱材でタンクを囲繞することにより高い断熱性能を確保しながら、タンクと真空断熱材の間に隙間を設けることにより、タンクに真空断熱材が接しないので真空断熱材の外袋を伝う熱を減らし、且つ隙間を鉛直方向に複数の空間に間隔子により区分することにより、タンクの温度の差の大きな胴部の部分がそれぞれ常に別の空間に囲繞されるので、空間内の対流が制限され、対流により伝わる熱を減らすことができる。その結果、タンクの高温部からタンクの低温部への伝熱を低減し、タンクの高温部の有効熱量の損失を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係る貯湯タンクの縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る貯湯タンクの縦断面図である。 この発明の実施の形態3に係る貯湯タンクの縦断面図である。
以下、本発明の貯湯タンクの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンクの縦断面図である。
この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1は、図1に示すように、湯が貯められるタンク2、タンク2を収納する外装ケース3、タンク2の上部に接続される上部配管7及び給湯配管6、タンク2の下部に接続される底部配管5及び水供給配管4、タンク2の上部及び下部を覆う発泡断熱材9、タンク2の胴部2aを外側から巻く複数の間隔子10、及び、間隔子10を外側から巻く真空断熱材8を備える。
真空断熱材8は、多孔質構造の芯材をラミネートフィルムで被覆した後内部を減圧して封止したものである。ラミネートフィルムは、樹脂フィルムにアルミニウムフィルムをラミネートしたものである。
間隔子10は、内径がタンク2の外径であるリング状の発泡断熱材であり、タンク2の鉛直方向に所定の距離だけ離れるようにしてそれぞれ配置される。
従って、タンク2と真空断熱材8との間の円筒状の隙間は間隔子10によりタンク2の鉛直方向に複数の空間13として分割される。この分割された空間13は、円環であり、内径はタンク2の外径、外径は真空断熱材8の内径、厚さは間隔子10間の距離である。
タンク2内の湯は、底部配管5を通過して図示しないヒートポンプユニット等の加熱装置に送られ、そこで加熱され、上部配管7を通過してタンク2に戻される。外部から配水される市水をタンク2に導水するときには、使用者が水供給配管4への市水の流れを断続する図示しない蛇口を開くと、水供給配管4を通ってタンク2に市水が配水される。
タンク2に市水が配水されると、タンク2内に貯められている湯を押し上げることによって、タンク2上部に設けられた給湯配管6を通って外部に給湯される。この時、タンク2内には湯と水の温度差に起因する密度差によって、タンク2の高温部11とタンク2の低温部12が形成され、その間には温度の境界層が生ずる。この境界層は湯の使用とともにタンク2の鉛直方向上側に移動する。
この貯湯タンク1は、タンク2の胴部が複数のリング状の間隔子10により巻かれているので、タンク2の胴部は間隔子10が接している部分を除くと例えば厚さ10mmの円筒状の空気層により真空断熱材8から離されている。また、円環状の空間13はタンク2の鉛直方向の高さが例えば100mmとなるよう設計されており、それぞれの空間の間での熱の対流は間隔子10によって抑制される。
従って、間隔子10によって真空断熱材8とタンク2の間に空気層が形成され、接触しないようにしているために、タンク2内に温度境界が生じた際に、真空断熱材8の外袋を介したタンク2の鉛直方向への熱の移動を低減するができる。
また、空気層をタンク2の鉛直方向に対して水平に、且つ複数に区分しているために、タンク2内の湯を使用し、タンク2の下部に冷水が流入してきた際、タンク2の高温部11のタンク2の外側に形成される高温空気層と、タンク2の低温部12のタンク2の外側に形成される低温空気層とが混ざらないようにすることが可能となり、且つその効果は、湯の使用に伴いタンク内の温度境界部が鉛直方向上部に移動しても常に得られ、空気の対流による熱の移動を低減することができる。
このように、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1では、タンク2の高温部11の有効熱量が真空断熱材8の外袋を介してタンク2の低温部12へ伝熱したり、空気の対流によりタンク2の低温部12へ伝熱したりして、タンク2の下部に利用可能温度未満の温水を形成することが抑制されるので、タンク内の有効な熱の損失量を低減することができる。
実際に、直径580mm、容積370Lのタンク2に対して、空気層の厚みが10mmとなるように、高さ700mm、内径600mmの真空断熱材8を作成し、間隔子10をタンク2の鉛直方向に100mm間隔で設け、タンク2の胴部の真空断熱材8を設置した場所以外と、タンク2の上部及び下部には発泡断熱材9を設置し、タンク放熱試験を行った。
沸き上げ温度を90℃として、外気温7℃の条件で、12時間後のタンク表面温度の変化量から、総放熱量を求めた。その結果、真空断熱材8を直接タンク2に貼り付ける方法に比べ10%、空気層を設けているが、複数に区分しない方法に比べ4%放熱量を低減することができた。
なお、この発明の実施の形態1に係る間隔子10として発泡断熱材を用いたが、空気の対流を抑制するものであればこれに限定されるものではなく、例えば、グラスウールや、シリコーンゴムなども適用可能であり、熱伝導率の小さいものであることがより好ましい。
また、タンク2の上部及び下部には発泡断熱材を用いたが、グラスウール等の断熱材も適用可能である。
以上本発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る貯湯タンクの縦断面図である。
この発明の実施の形態2に係る貯湯タンク1Bは、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1と間隔子10の配置が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1では、タンク2の胴部2aと真空断熱材8との間の隙間をタンク2の鉛直方向の高さが同じ複数の空間13に間隔子10により区分しているが、この発明の実施の形態2に係る貯湯タンク1Bでは、タンク2の胴部2aと真空断熱材8との間の隙間をタンク2の鉛直方向の高さが異なる複数の空間13に間隔子10により区分している。
タンク2の胴部2aの上縁を巻く間隔子10とタンク2の所定の高さの胴部2aを巻く間隔子10により1つの空間13に区分され、所定の高さより低い胴部2aには複数の間隔子10が巻かれ、複数の空間13に区分されている。この所定の高さは、例えば入浴時に一度に浴槽を満たす湯量がタンク2の頂上から下に向かって占めるときの下面の高さである。
従って、間隔子10によって離された真空断熱材8とタンク2の胴部2aとの間の隙間は間隔子10と空気で断熱されており、真空断熱材8がタンク2に接触しないようにしているため、タンク2内に温度境界が生じた際に、真空断熱材8の外袋を介してタンク2の鉛直方向の上下間に発生する伝熱を低減するができる。
また、真空断熱材8とタンク2の胴部2aとの間の隙間は間隔子10によりタンク2の鉛直方向に複数の空間13に区分されているため、タンク2内の湯を使用し、タンク2の下部より冷水が流入してきた際、高温部11のタンク2の胴部2aの外側に形成される高温空気層と、低温部12のタンク2の胴部2aの外側に形成される低温空気層とが混ざらないようにすることが可能となり、且つその効果は空気層の温度境界部が鉛直方向上部に移動しても常に得られ、空気の対流による熱の伝熱も低減することができる。
タンク2における、入浴時のような一度に多量の湯を使用すると想定される箇所、例えば一般的な容積の370Lのタンク2の頂上部から200L分までの範囲においては、温度境界部が短時間に移動するため対流による熱の移動が少なく、複数の空間13に区分する必要がない。そこで、空気層を区分する間隔子10の数が少なくても実施の形態1とほぼ同じ効果が得られる。
従って、タンク2の鉛直方向の上部に形成される空間13の高さはタンク2の鉛直方向の下部に形成される空間13の高さに比べて高くしているため、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1に比べ間隔子10の数が少なく、コストを低減することができる。
なお、この発明の実施の形態2に係る間隔子10として発泡断熱材を用いたが、空気の対流を抑制するものであればこれに限定されるものではなく、例えば、グラスウールや、シリコーンゴムなども適用可能であり、熱伝導率の小さいものであることがより好ましい。
また、タンク2の上部及び下部には発泡断熱材を用いたが、グラスウール等の断熱材も適用可能である。
以上本発明の実施の形態2に係る貯湯タンク1Bの実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る貯湯タンクの縦断面図である。
この発明の実施の形態3に係る貯湯タンク1Cは、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1と真空断熱材8Cが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1では、タンク2の胴部2aの全体に亘って真空断熱材8との間に隙間を設けているが、この発明の実施の形態3に係る貯湯タンク1Cでは、タンク2の胴部2aの下部と真空断熱材8Cとの間に隙間を設けている。
そして、設けられた隙間が間隔子10により複数の空間13に区分されている。
タンク2の胴部2aの下部の高さは、例えば入浴時に一度に浴槽を満たす湯量がタンク2の頂上から下に向かって占めるときの下面の高さである。
従って、間隔子10によって離された真空断熱材8Cとタンク2の胴部2aの下部との間の隙間は間隔子10と空気で断熱されており、真空断熱材8Cがタンク2の胴部2aの下部に接触しないようにしているため、タンク2内に温度境界が生じた際に、真空断熱材8Cの外袋にタンク2の鉛直方向の上部から伝わる熱が温度の低いタンク2の胴部2aの下部に伝わらないので、タンク2の上下間に発生する伝熱を低減するができる。
また、真空断熱材8Cとタンク2の胴部2aの下部との間の隙間は間隔子10によりタンク2の鉛直方向に複数の空間13に区分されているため、タンク2内の湯を使用し、タンク2の下部より冷水が流入してきた際、低温部12のタンク2の胴部2aの外側に形成される空気層で対流が起らないので、空気の対流による熱の伝熱も低減することができる。
タンク2における、入浴時のような一度に多量の湯を使用すると想定される箇所、例えば一般的な容積の370Lのタンク2の頂上部から200L分までの範囲においては、温度境界部が短時間に移動するため、真空断熱材8Cの外袋を介する伝熱が小さく、タンク2の胴部2aの上部と真空断熱材8Cとの間に隙間を設けなくてもこの発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1とほぼ同じ効果が得られる。
従って、タンク2の胴部2aの下部の周りにだけ隙間を設け、設けた隙間を間隔子10により複数の空間13に区分しているため、この発明の実施の形態1に係る貯湯タンク1に比べ間隔子10の数が少なく、コストを低減することができる。
なお、この発明の実施の形態3に係る間隔子10として発泡断熱材を用いたが、空気の対流を抑制するものであればこれに限定されるものではなく、例えば、グラスウールや、シリコーンゴムなども適用可能であり、熱伝導率の小さいものであることがより好ましい。
また、タンク2の上面及び底面には発泡断熱材を用いたが、グラスウール等の断熱材も適用可能である。
以上本発明の実施の形態3に係る貯湯タンク1Cの実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
1、1B、1C 貯湯タンク、2 タンク、2a (タンクの)胴部、3 外装ケース、4 水供給配管、5 底部配管、6 給湯配管、7 上部配管、8、8C 真空断熱材、9 発泡断熱材、10 間隔子、11 (タンクの)高温部、12 (タンクの)低温部、13 空間。

Claims (5)

  1. 貯湯されている湯の温度が鉛直方向に差を有するタンクの胴部が真空断熱材により囲繞されている貯湯タンクにおいて、
    上記タンクの胴部と上記真空断熱材との間に隙間が設けられ、
    上記設けられた隙間が間隔子により鉛直方向に複数の空間に区分されることを特徴とする貯湯タンク。
  2. 上記タンクに貯湯されている湯が上記タンクの上から外に給湯され、
    上記タンクの胴部の鉛直方向の上部の周りを囲繞する上記空間の鉛直方向の高さが上記タンクの胴部の鉛直方向の下部の周りを囲繞する上記空間の鉛直方向の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の貯湯タンク。
  3. 最も多く一度に給湯すると想定される湯が上記タンクに占める部分に相当する上記胴部の周りを1つの上記空間が囲繞することを特徴とする請求項2に記載の貯湯タンク。
  4. 上記タンクに貯湯されている湯が上記タンクの上から外に給湯され、
    上記タンクの胴部の鉛直方向の下部と上記真空断熱材との間に隙間が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯タンク。
  5. 最も多く一度に給湯すると想定される湯が上記タンクに占める部分に相当する上記胴部の周りに上記真空断熱材が密着することを特徴とする請求項4に記載の貯湯タンク。
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