JP2012013252A - 流動層式の燃焼炉における灰の付着予測方法 - Google Patents

流動層式の燃焼炉における灰の付着予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料を燃焼させた際に、燃焼灰の付着(ファウリング)が生じるか否かを予測する方法を提供する。
【解決手段】流動層式の燃焼炉における灰の付着を予測する付着予測方法であって、燃焼炉に供給する燃料の灰に対応した組成を有する灰材を、燃焼炉の燃焼温度範囲に含まれる温度条件で焼結させて試験片を作成し、試験片と、燃焼炉で任意の燃料を燃焼させて形成される灰の付着体と、について硬度を測定し、付着体の硬度を閾値として、試験片の硬度に基づいて灰の付着を予測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流動層式の燃焼炉における灰の付着予測方法に関するものであり、詳しくは、燃料を燃焼させた際に、生じる灰の炉壁や管への付着が生じるか否かを予測する方法に関するものである。
従来、流動層式の燃焼炉が知られている。このような燃焼炉は、燃料と、流動層に充填される珪砂などの固体粒子と、の間の熱移動速度が著しく大きいために、高発熱反応を容易に制御できるという特長を有しており、ボイラや焼却炉として利用されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2005−226930号公報 特開2009―257695号公報 特開平6−58510号公報
上述のような流動層式の燃焼炉を用いて燃料を燃焼させると、燃料の灰が飛散し、燃焼炉の炉壁やボイラの伝熱配管に付着する不具合が生じることが知られている。このような灰付着の現象はファウリング(fouling)と呼ばれている。ファウリングは、燃料に含まれるNa(ナトリウム)やK(カリウム)などのアルカリ金属成分が、燃焼炉内で析出・蒸発し、炉壁や伝熱配管において冷却されることにより、アルカリ金属成分以外の灰成分を巻き込みながら凝集することによって生じると考えられている。
ファウリングが生じると、管路の閉塞や伝熱効率の低下などの不具合が生じ、燃焼炉や燃焼炉を備えるボイラの燃焼効率の低下に繋がる。そのため、ファウリングが生じるか否かを予測することは、安定的な運転のためには重要な技術となる。
従来は、特定の燃焼条件において燃料を燃焼させる場合にファウリングが生じるか否かは、実際に燃料のサンプルを燃焼させることにより確認していた。しかしこの方法では、燃料が多種に及ぶ場合に、確認作業に大きな労力が必要となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、燃料を燃焼させた際に、燃焼灰の付着(ファウリング)が生じるか否かを予測する方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の流動層式の燃焼炉における灰の付着予測方法は、前記燃焼炉に供給する燃料の灰に対応した組成を有する灰材を、前記燃焼炉の燃焼温度範囲に含まれる温度条件で焼結させて試験片を作成し、前記試験片について硬度を測定し、前記試験片の硬度と、前記燃焼炉で任意の燃料を燃焼させて形成される前記灰の付着体の硬度とに基づいて、前記灰の付着を予測することを特徴とする。
この方法によれば、ある燃料についてファウリングが発生するか否かの確認を、燃焼炉を用いて実際に燃焼試験を行うことなく、灰材を用いて形成する試験片の硬度を確認することで確認することができる。そのため、簡便にファウリングの発生予測を行うことができる。
本発明においては、前記灰材とアルカリ金属化合物とを混合して、アルカリ金属成分の含有率を異ならせた複数の調製灰を作成し、前記複数の調製灰を前記温度条件で焼結させて複数の前記試験片を作成し、前記複数の試験片の各々について前記硬度を測定して、前記試験片中の前記アルカリ金属成分の含有率と前記硬度との対応関係を求め、前記対応関係に基づいて、灰中のアルカリ金属成分の含有率が既知の燃料を燃焼させるときの前記灰の付着を予測することが望ましい。
ファウリングは、灰に含まれるNaまたはKなどのアルカリ金属成分が、燃焼炉内で燃料から析出・蒸発し、炉壁や伝熱配管において冷却されることにより、アルカリ金属成分以外の灰成分を巻き込みながら凝集することにより生じることが知られている。しかし、燃料中のアルカリ金属成分は、燃料の性状によって含有率が大きく異なるため、ファウリングが生じるか否かは、燃料の種類に大きな影響を受け、付着予測が困難となることが考えられる。
対して、本発明の方法では、ファウリングが生じるか否かを予測するために、多種の燃料に対応してアルカリ金属成分の含有率を変更した試験片を用い、試験片の硬度を求めることとしている。そのため、予めアルカリ金属成分を異ならせた調製灰を、アルカリ金属成分の含有率が異なる燃料の種類と対応付けることにより、灰の付着を良好に予測することができる。
本発明においては、前記調製灰を、前記燃焼炉の燃焼温度範囲に含まれる複数の温度条件で焼結させ、前記複数の温度条件における前記試験片をそれぞれ作成し、前記複数の温度条件における複数の前記試験片について硬度を測定し、各々の試験片について得られる硬度の値から、前記複数の温度条件における前記灰の付着を予測することが望ましい。
この方法によれば、調製灰を焼結させる複数の温度条件を、燃焼炉の運転条件(温度条件)と対応させることで、燃焼炉の運転条件を変更した場合の灰の付着について、良好に予測評価を行うことが可能となる。
本発明においては、前記試験片の硬度と、前記燃焼炉に形成される複数の前記付着体の硬度のうち最も低いものと、に基づいて、前記灰の付着を予測することが望ましい。
この方法によれば、付着体の硬度のうち最も低いものの実測値を閾値として用いることで、より信頼性が高い予測評価を行うことが可能となる。
本発明においては、前記試験片または前記付着体を、ラトラ試験器が備える回転籠に入れ、該回転籠を回転させることにより前記試験片または前記付着体を崩壊させ、前記硬度として、崩壊させた後に前記回転籠内に残存する前記試験片の重量を、崩壊前の前記試験片の重量で割った値である膠着度を求めることが望ましい。
発明者の検討により、ラトラ試験器を用いた測定では、より実機の挙動に対応した試験片の崩壊しやすさ(硬度)を測定できることが分かっており、信頼性の高い試験とすることが可能となる。
本発明においては、試験に用いる灰材として、以下の2通りのものを用いることができる。まず、本発明においては、前記灰材として、前記燃料を灰化した燃焼灰を用いることが可能である。
この方法によれば、実際に燃焼させる燃料の灰を用いて試験片を作成するため、後述の試験の信頼性が高まる。このような灰材は、燃料に含まれる灰成分が十分に多い場合に有効である。
または、前記燃料の灰として、前記燃料の灰の組成に基づき、構成成分の含有率が一致するように金属塩または金属酸化物を用いて作成した模擬灰を用いることもできる。
この方法によれば、実際に燃料がなくても、灰分の組成さえ分かっていれば試験が可能であるため、灰の付着予測を効率良く行うことが可能となる。このような灰材は、例えばバイオマスのように灰分が少ない燃料について灰の付着予測を行う場合に効果的である。
本発明によれば、燃料を燃焼させた際に、燃焼灰の付着が生じるか否かを良好に予測することが可能となる。
本発明の灰の付着予測方法の手順を示すフローチャートである。 灰の焼結を行うための焼結ボートを説明する概略斜視図である。 ラトラ試験器を示す概略斜視図である。 試験片の作成に用いた灰の組成と膠着度との関係を示したグラフである。
以下、図1〜図4を参照しながら、本発明の実施形態に係る灰の付着予測方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
本方法では、ボイラや焼却炉などに用いる燃焼炉において、燃焼灰の付着が生じるか否かを、実機を用いて実際に燃焼させることなく予測する。得られる予測結果は、燃焼炉における燃料量や燃焼条件の調製などに役立つ情報として用いることができるものである。
図1は、本実施形態の付着予測方法の手順を説明するフローチャートである。以下、図に示すフローチャートに従って順に説明する。
まず、燃料の灰組成を分析する(ステップS1)。ここで「灰」とは、燃料を完全燃焼させた後の残分を指す。具体的には、バイオマスや家庭ゴミなどの廃棄物や石炭などの燃料を燃焼させた後に残る無機質である。
例えば、燃料に占める灰分を、JIS−M8812(石炭類及びコークス類−工業分析方法)に規定される方法に準拠して、燃料を815℃で恒量となるまで燃焼させることにより調製し、JIS準拠の方法を用いて灰分の組成を求める。灰分の組成は、灰分を構成する金属化合物または無機物を酸化物として換算した値で算出される。
検出対象である元素は、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Na、K、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、S(硫黄)、P(リン)を例示することができる。もちろん、これら以外の元素を検出対象として含めることで、精度良く灰分の組成を求めることとしても良い。
次いで、燃料に含まれる灰分の割合(含有率)を測定する(ステップS2)。上述のJIS準拠の方法を用いて調製する灰分の質量を、試料である燃料に対する質量分率で表し、これを灰分とする。
次いで、灰の付着予測のための試験に用いる試験片を作成する。試験片は、ステップS2で得られる灰分の割合に基づいて、以下の2種の方法により調製した灰(灰材)を用いて作成する。
まず、燃料に含まれる灰分の割合が大きい場合は、燃料を上述のJIS準拠の方法を用いて灰化し、灰を調製する(ステップS3)。この場合、実際に燃焼させる燃料の灰を用いて試験片を作成するため、後述の試験の信頼性が高まる。
また、燃料に含まれる灰分の割合が小さい場合は、ステップS1で求めた灰分の組成に基づいて、灰の代替品(模擬灰)を調製する(ステップS4)。
模擬灰は、灰分を構成する金属を、灰分の組成に基づいて、金属酸化物または金属塩の形で混合することにより調製する。このようにして模擬灰を調製する場合、バイオマスのように灰分が少ない燃料についても、後述の試験を行うことができる。また、実際に燃料がなくても、灰分の組成さえ分かっていれば試験が可能であるため、灰の付着予測を効率良く行うことが可能となる。
次いで、灰または模擬灰に、NaまたはKの酸化物または塩を添加することで、灰分に含まれるNa,またはK成分の含有率を調製した灰(調製灰)を作成する(ステップS5)。
ファウリングは、灰に含まれるNaまたはKなどのアルカリ金属成分が、燃焼炉内で燃料から析出・蒸発し、炉壁や伝熱配管において冷却されることにより、アルカリ金属成分以外の灰成分(無機物)を巻き込みながら凝集することにより生じることが知られている。また、ファウリングは、アルカリ金属成分のうちNa成分とK成分とでは、K成分のほうが強い影響を及ぼすことが知られている。
また、このアルカリ金属成分は、燃料の性状によって含有率が大きく異なる。例えば家庭ゴミでは、食べ残しが多く含まれる場合と食べ残しが少ない場合とでは、食事の味付けに用いる塩分に起因してNa成分の含有率が異なる。また、カリウム(K)は、植物の育成には欠かせず、肥料の主要物質として付加されるため、バイオマスには多くのK成分が含まれる。
すなわち、ファウリングが生じるか否かは、燃料の種類に大きな影響を受けることとなる。そのため、ファウリングが生じるか否かを予測するために、多種の燃料に対応した予測データを有することが望ましい。したがって、本発明では、灰組成におけるNa成分またはK成分の比率を調製した調製灰を作成する。
次いで、上述の方法により調製した調製灰を電気炉にて焼結し、試験片を作成する(ステップS6)。
具体的には、図2に示すような焼結ボート1に調製灰を入れ、実機の燃焼炉における燃焼条件に対応した複数の温度条件で焼結させることで、焼結灰Xを得る。得られる焼結灰Xを所定の長さ(例えば1cm)に分割することで試験片を作成する。
焼結ボート1の容量は種々のものを用いることができ、例えば、長辺L:12cm、短辺W:2cm、深さD:1cmの半円筒状の形状を有するものを用いることができる。
次いで、ステップS6で得られた試験片について、崩壊のしやすさを測定する(ステップS7)。ここでは、金属圧粉体のラトラ試験法(日本粉末冶金工業会規格:JSPM標準4−69)に基づいて上記試験片を用いた測定を行い、得られる測定結果から算出する値を用いて、試験片の崩壊のしやすさを求める方法について説明する。
図3は、ラトラ試験法に用いるラトラ試験器2を示す概略斜視図である。ラトラ試験器2は、本体3と、直径100mm、長さ115mmの円筒状の金網(目開き1mm#)で構成された回転籠4と、本体3と回転籠4とを接続し、回転籠4を中心軸周りに回転させる回転軸5と、を有している。
ラトラ試験器は、次のようにして用いる。まず、回転籠4の内部に予め重量を測定した試験片を投入し、設定部6で回転時間の設定を行ったのちに、スタートボタン7を押して回転をスタートさせる。そうすると、回転籠4内で試験片が崩壊し、回転籠4の網目を介して試験片を構成する灰が落下する。落下する灰を通過物受皿8で採取して秤量して、単位試験時間内に崩壊した量を求め、試験前の試験片の重量との差分から、試験後の試験片の重量を算出する。なお、試験中は、回転籠4はカバー9で覆われており、灰の飛散を防いでいる。
発明者の検討により、ラトラ試験器を用いた測定では、より実機の挙動に対応した試験片の崩壊しやすさ(硬度)を測定できることが分かっており、信頼性の高い試験とすることが可能となる。
このようなラトラ試験器を用いた崩壊試験により得られる値から、試験片の硬度の指標である「膠着度」を算出する。膠着度とは、次の式(1)で示される値である。膠着度が大きい試験片はラトラ試験器を用いた崩壊試験で崩壊しにくく、膠着度が小さい試験片は崩壊しやすい試験片であることを示している。
[数1]
膠着度=(試験後の試験片の重量)/(試験前の試験片の重量) …(1)
このようにして求められる膠着度を、複数の温度条件で焼結して作成した各試験片に対して行う。
次いで、このようにして求めた膠着度を用い、灰の付着性を評価する(ステップS8)。図4は、灰組成と膠着度との関係を示したグラフである。図は、K成分を調製した調製灰について示したものであり、横軸に灰中に添加したK成分の含有率(%、KO換算)、縦軸に膠着度を示している。
上述のように、ファウリングにはNaまたはKなどのアルカリ金属の影響が強く、燃料中にはアルカリ金属のなかでもNa、Kが多く含まれる。そのため、本発明の灰の付着予測方法においては、灰中のNaまたはKについて着目し、灰中のNa、Kの含有率の大小から、ファウリングが生じるか否かの判断を行う。
発明者は、実機の燃焼試験で得られる付着体の膠着度と、当該付着体が生じた際の燃料の灰について上記と同様の方法で作成した試験片の膠着度と、が絶対値においてほぼ一致するという対応関係を、予め実験的に確かめている。すなわち、求める試験片の膠着度について下記の表1に示すような指標に基づいて評価することができる。
図4のグラフを用いれば、実際に燃焼させる燃料の灰組成と、燃焼炉の運転条件と、が分かれば、ファウリングが生じるか否かを予測することができる。
例えば、灰中にK成分がKO換算で10%含まれる燃料を、800℃で燃焼させることとすると、図4に示すように付着発生域の符号Aの条件となるため、表1に示す「付着中」の条件にあたり、ファウリングが発生するおそれがあることが分かる。このような場合には、灰中のK成分が少ない他の燃料と混合して投入することで、灰中のK成分の割合を低下させたり、燃焼温度を下げたりするなどの条件変更を行うことで、ファウリングを回避する運転条件とすることができる。あるいは、当該燃料を用いないという選択を行っても良い。
また、灰中にK成分がKO換算で30%含まれる燃料であっても、700℃で燃焼させることとすると、付着不発生域の符号Bの条件となるため、表1に示す「付着小」の条件にあたり、ファウリングが発生するおそれが小さいと予測することができる。
このようにして、燃料の種類が変わるたびにその都度、実機での燃焼試験を行ってファウリングが生じるか否かを確認することなく、灰分の組成からファウリングが生じるか否かを予測し、運転条件の調製を行うことができる。
以上のような構成の灰の付着予測方法によれば、実際に燃焼炉で燃料を燃焼させ、ファウリングが生じるか否かを確かめなくても、燃料の灰組成が分かれば、試験片の硬度から、当該灰組成を有する燃料がどの程度強固な(またはどの程度緩やかな)凝集をした付着体を形成させるかが予想でき、燃焼灰の付着予測をすることが可能となる。
なお、本実施形態においては、ラトラ試験器を用いて膠着度を求め指針として用いたが、これに限らず、付着体の硬度と試験片の硬度とを、相関が得られるデータとして求めることができれば、他の方法を用いることとしても構わない。例えば、付着体および試験片を圧縮して崩壊強度を求める試験を、本実施形態のラトラ試験器を用いた崩壊試験に代えて用いることとしても良い。
また、本実施形態においては、図4に示すように複数の温度条件で調製灰を焼結させ試験片を作成することとしたが、実機の運転条件がある程度一定している場合など、目的に応じて、1つの温度条件のみでアルカリ金属成分の含有率を変更した試験片を作成し、図4に対応した関係を求めることとしても良い。
また、本実施形態においては、複数のアルカリ金属の含有率の調製灰を用いて膠着度を測定し付着予測を行うこととしたが、調製灰としてアルカリ金属の含有率が1種のみであったとしても、基準となる膠着度と比較することで、当該アルカリ金属の含有率を有する灰(燃料)について付着予測を行うことが可能である。
また、本実施形態においては、主として灰中のK成分について着目して付着予測を行ったが、他にもNa成分に着目して付着予測を行うこととしても良く、さらには、K成分とNa成分との両方に着目して付着予測を行うこととしても良い。このような場合には、K成分の代わりに着目するアルカリ金属成分の含有率を変更した試験片を作成し、図4に対応した関係を求めることとすると良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…焼結ボート、2…ラトラ試験器、3…本体、4…回転籠、5…回転軸、6…設定部、7…スタートボタン、8…通過物受皿、9…カバー、

Claims (7)

  1. 流動層式の燃焼炉における灰の付着を予測する付着予測方法であって、
    前記燃焼炉に供給する燃料の灰に対応した組成を有する灰材を、前記燃焼炉の燃焼温度範囲に含まれる温度条件で焼結させて試験片を作成し、
    前記試験片について硬度を測定し、
    前記試験片の硬度と、前記燃焼炉で任意の燃料を燃焼させて形成される前記灰の付着体の硬度とに基づいて、前記灰の付着を予測することを特徴とする付着予測方法。
  2. 前記灰材とアルカリ金属化合物とを混合して、アルカリ金属成分の含有率を異ならせた複数の調製灰を作成し、
    前記複数の調製灰を前記温度条件で焼結させて複数の前記試験片を作成し、
    前記複数の試験片の各々について前記硬度を測定して、前記試験片中の前記アルカリ金属成分の含有率と前記硬度との対応関係を求め、
    前記対応関係に基づいて、灰中のアルカリ金属成分の含有率が既知の燃料を燃焼させるときの前記灰の付着を予測することを特徴とする請求項1に記載の付着予測方法。
  3. 前記調製灰を、前記燃焼炉の燃焼温度範囲に含まれる複数の温度条件で焼結させ、前記複数の温度条件における前記試験片をそれぞれ作成し、
    前記複数の温度条件における複数の前記試験片について硬度を測定し、各々の試験片について得られる硬度の値から、前記複数の温度条件における前記灰の付着を予測することを特徴とする請求項2に記載の付着予測方法。
  4. 前記試験片の硬度と、前記燃焼炉に形成される複数の前記付着体の硬度のうち最も低いものと、に基づいて、前記灰の付着を予測することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の付着予測方法。
  5. 前記試験片または前記付着体を、ラトラ試験器が備える回転籠に入れ、該回転籠を回転させることにより前記試験片または前記付着体を崩壊させ、
    前記硬度として、崩壊させた後に前記回転籠内に残存する前記試験片の重量を、崩壊前の前記試験片の重量で割った値である膠着度を求めることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の付着予測方法。
  6. 前記灰材として、前記燃料を灰化した燃焼灰を用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の付着予測方法。
  7. 前記灰材として、前記燃料の灰の組成に基づき、灰中の構成成分の含有率が一致するように金属塩または金属酸化物を用いて作成した模擬灰を用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の付着予測方法。
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