JP2012011017A - 調理器具およびそれを用いた加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】調理物の載置面の温度分布を均一にし、調理物が接触する部分に均一な焼き色を付けて良好な調理結果を実現するグリル皿を構成し、それを調理器具として用いて多様な調理メニューに対応可能な加熱装置を提供する。
【解決手段】食品を載置する載置面42と、マイクロ波エネルギーを吸収して発熱する発熱層43とを備え、発熱層43は複数の発熱部を連接して構成し、載置面42の中央部に対応する第1発熱部46における露出面積当たりのマイクロ波吸収量を、その周囲の第2発熱部47における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくしたので、中央部の定在波の影響や熱滞留を抑えてグリル皿41の載置面42の温度分布を均一にし、均一な焼き色と良好な調理結果が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、加熱装置に用いる調理器具に関し、調理器具に形成された発熱層が照射されたマイクロ波エネルギーを吸収することによって発熱する熱を利用して食品を調理するグリル皿に関するものである。
近年、電子レンジ等のマイクロ波加熱装置においては、食品に直接マイクロ波を照射することで食品を加熱するマイクロ波加熱機能に加え、マイクロ波加熱装置内に設置する調理器具、いわゆる、グリル皿を用いた調理機能が存在する。以下、これをグリル皿調理機能という。
このグリル皿調理機能とは、マイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体からなる発熱層が形成されたグリル皿を加熱室内に設置し、そのグリル皿の上に食品を載置して、マイクロ波エネルギーの照射により発熱層から発生する熱を利用し、その食品を調理するというものである。
従来、マイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体からなる発熱層を設けたグリル皿は、図9に示されるような構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。上記従来の技術について、図面を参照して説明する。
図9は、特許文献1に記載された従来のマイクロ波発熱体からなる発熱層101が底面に設けられたグリル皿102の底面図(b)、およびX−XX方向の断面図(a)である。
このグリル皿102は、調理物を載置するセラミックス製の受け皿103の裏面に、複数の区画に分割されたマイクロ波発熱体104、105、106で構成された発熱層101を備えたものである。この構成によれば、照射されたマイクロ波エネルギーの強度分布が変化した場合や、中心部以外のマイクロ波エネルギーの強度が強い場合にも、非加熱物の表面に均一に焦げ目を付けることができるとしている。
特開2004−254737号公報
しかしながら、前記従来の構成では、マイクロ波発熱体を104、105、106、107の4つに区画配置しているため、マイクロ波発熱体104、105、106、107のそれぞれの間には、マイクロ波発熱体の存在しない溝部108、109、110が構成される。
この状態で、グリル皿102の上に食品が載置され、発生したマイクロ波エネルギーがマイクロ波発熱体104、105、106に吸収されると、各マイクロ波発熱体での発熱が直上のセラミックス製の受け皿103に熱伝導し、受け皿103の上面部が昇温する。
この時、マイクロ波発熱体の存在しない溝部107、108、109に相当する受け皿103の部分では昇温が起こらない。したがって、マイクロ波発熱体104、105、1
06と、マイクロ波発熱体の存在しない溝部107、108、109に対応して、各々高温部110、低温部111が形成される。
特に、受け皿103は熱伝導率の低いセラミックス製であるため、受け皿103が金属製のものに比べ、これら高温部111、低温部112の緩和には長時間を要する。もっとも、受け皿103が金属製である場合でも、基本的に高温部111、低温部112の発生傾向は変わりなく、むしろ発熱の初期には高温部110と低温部111の温度差が大きく現れることもある。
さらに、グリル皿102をマイクロ波加熱装置(図示せず)の加熱室(図示せず)内に設置してマイクロ波エネルギーを照射すると、加熱室内ではマイクロ波が側壁や天井部で反射し、マイクロ波エネルギーの強い定在波が加熱室の中央寄りに生じるため、発熱層101の部位によってマイクロ波エネルギーの吸収量が異なる場合が多い。
この状態では、前記の高温部110と低温部111の温度差が一層大きくなり、溝部107、108、109の影響で、受け皿103の温度分布発熱層の温度がさらに不均一な状態となる場合もある。
このように、前記従来の構成では、マイクロ波発熱体104、105、106の発熱初期に、受け皿103の上面に高温部110、低温部111が形成される。
その温度差が載置された調理物への焼き色の付き具合に影響し、油や水分の多い調理物だけでなく、比較的早く焼き色が付く傾向にある薄い調理物あるいは乾燥した調理物などの場合、これらの温度差が調理物の焼きムラとして現れ、良好な調理結果が得られないという場合があり、全ての調理物に対応することが困難であるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、グリル皿の調理物の載置面の温度分布を均一にし、載置面と調理物の接触部分に均一な焼き色を付けると共に良好な調理結果を実現しうるグリル皿を構成し、そのグリル皿を調理器具として用いて多様な調理メニューに対応可能な加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の調理器具は、食品を載置する載置面と、照射されたマイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層とを備えた調理器具であって、発熱層は複数の発熱部を連接して構成し、少なくとも載置面の中央部に対応する第1発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量を、第1発熱部の周囲に隣接する第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくしたものである。
また、少なくとも第1発熱部には、複数の穴状の凹部を設けたものである。
上記の構成によれば、加熱室内で生じる中央寄りの定在波によって第1発熱部に比較的強いマイクロ波エネルギーが照射された場合、通常は調理器具の中央部に対応する第1発熱部が高温化し、また第1発熱部はその周囲に対応する第2発熱部より放熱しにくい状態になるが、第1発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量が、第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくなる。
その結果、第1発熱部と第2発熱部の昇温状態はほぼ同程度となり、グリル皿の載置面の加熱むらを抑えて、温度分布を均一化させることができる。
また、第1発熱部に複数の穴状の凹部を設けたため、第1発熱部の層厚みを薄くすることなく、第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくすることができるため、発熱層全体としての必要強度を保持することができる。
さらに、穴状の凹部に構成することにより、載置面では穴状の凹部の周囲から素早く熱移動がなされるため、載置面において穴状の凹部の直上とそれ以外の部分の直上での温度ムラはほとんど発生しない。したがって、最適な発熱層の厚みを維持しながら、載置面での均一な昇温状態を実現することができる。
本発明の調理器具は、食品の加熱むらを少なくすることができ、食品の安定した仕上がり状態が得られて、均一な焼き色を付けることが可能となると共に、グリル皿調理の性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態1におけるグリル皿の断面図と底面図 本発明の実施の形態1におけるグリル皿の詳細な構造を示す一部断面図 本発明の実施の形態1におけるグリル皿のマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層の構造を示す模式図 本発明の実施の形態2におけるグリル皿の断面図と底面図 本発明の実施の形態3におけるグリル皿の断面図と底面図 本発明の実施の形態4におけるグリル皿の断面図と底面図 本発明の実施の形態4のおけるグリル皿の上面図 本発明の実施の形態4のおけるグリル皿を搭載した加熱装置の断面図 従来の調理器具の断面図と下面図
第1の発明は、食品を載置する載置面と、照射されたマイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層とを備えた調理器具であって、発熱層は複数の発熱部を連接して構成し、少なくとも載置面の中央部に対応する第1発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量を、第1発熱部の周囲に隣接する第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくしたものである。
これにより、加熱室内で生じる中央寄りの定在波によって第1発熱部に比較的強いマイクロ波エネルギーが照射された場合、通常は調理器具の中央部に対応する第1発熱部が高温化し、また第1発熱部はその周囲に対応する第2発熱部より放熱しにくい状態になるが、第1発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量が、第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくなる。
その結果として、第1発熱部と第2発熱部の昇温状態はほぼ同程度となり、調理器具の載置面での加熱むらを抑えて温度分布を均一化させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明で、少なくとも第1発熱部に複数の穴状の凹部を設けたものである。これにより、載置面の中央部に対応する第1発熱部の層厚みを薄くすることなく、第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくすることができるため、発熱層全体として一定の膜厚を確保するなどの必要な強度特性を保持しながら、調理器具の載置面での加熱むらを抑えて温度分布を均一化させることができる。
また、穴状の凹部に構成することにより、載置面では穴状の凹部の周囲から素早く熱移動がなされるため、載置面において穴状の凹部の直上とそれ以外の部分の直上での温度ム
ラはほとんど発生しない。したがって、強度上およびマイクロ波エネルギーを吸収する上で最適な発熱層の厚みを維持し、調理器具の載置面での均一な温度分布を実現することができる。
第3の発明は、特に、第1から3のいずれか1つの発明で、第1発熱部における複数の穴状の凹部の露出面積当たりの数を、第2発熱部における複数の穴状の凹部の露出面積当たりの数より大きくしたものである。
これにより、第1発熱部における露出面積あたりのマイクロ波発熱体の量を、第2発熱部における露出面積あたりのマイクロ波発熱体の量より少なくすることができ、その結果、第1発熱部での露出面積あたりマイクロ波エネルギーの吸収量は、第2発熱部での露出面積あたりのマイクロ波エネルギーの吸収量より少なくできる。その結果、調理器具の載置面での加熱むらを抑えて温度分布を均一化させることができる。
第4の発明は、特に、第1から3のいずれか1つの発明で、少なくとも第1発熱部における複数の穴状の凹部の深さを、第2発熱部における複数の穴状の凹部の深さより大きくしたものである。これにより、第1発熱部の穴状の凹部の深さを調整するだけで、第1発熱部の第2発熱部に対する露出面積あたりの複数の穴状の凹部の数を同数または減少させることも可能で、容易に第1発熱部におけるマイクロ波吸収量を調節することができる。
したがって、調理器具の載置面における温度分布の微調整をする場合に、極めて有利な構成を提供することができる。
第5の発明は、特に、第1または第3のいずれか1つの発明で、少なくとも第1発熱部には、載置面の背面に連通する複数の孔を設けたものである。これより、同様に第1発熱部におけるマイクロ波吸収量を少なくして、調理器具の載置面での均一な温度分布を実現することができる。
そして、複数の孔はマイクロ波発熱体を貫通する構成であり、一つの孔によるマイクロ波発熱体の削減量を大きくすることが可能なため、孔数または孔径を大きく設定する必要がなくなり、マイクロ波発熱体の表面を比較的滑らかにすることができる。
さらに、このような貫通孔とすることによりマイクロ波発熱体と調理器具の載置面の背面を接着する際に、両者の間に残留気泡などが発生することを防止して、載置面への熱伝導を円滑にすることができる。
第6の発明は、特に、第1から5のいずれか1つの発明で、マイクロ波発熱体をキュリー温度が250℃から330℃である少なくとも1種のフェライトを主成分としたものである。これにより、調理器具の載置面の温度を焼き色を付ける調理に適した温度に昇温させることができる。
また、フェライト材料自身がグリル皿の載置面の温度を自己制御することができるので過昇温を防止する安全装置を必要とせず、安全装置の不具合などによるグリル皿の異常加熱などのトラブルを回避することができる。
第7の発明は、特に、第1から6のいずれか1つの発明で、マイクロ波発熱体には、少なくとも1種のフェライト粉末とバインダーとを含ませたものである。これにより、フェライトを含む発熱層を調理器具に容易に形成することができるとともに、強固な接着性を実現することができるので耐久性を向上させることができる。
また、比較的低温で発熱層を形成することができるので調理器具の構成材料の劣化を防止することができる。特に、バインダーとして樹脂やゴムを用いた場合はより優れた効果がある。
第8の発明は、加熱室と加熱室内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生源とを備え、加熱室内に第1から第7のいずれか1つの発明にかかる調理器具を設けたことにより、加熱装置における調理器具を用いた調理性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態にかかる調理器具の形状は、従来のグリル皿102のような載置面の垂直断面が略平面形状や、凹凸を含んだ波型形状の場合など、多様な形状を用いることができる。
また、各実施の形態特有の構成を適宜組み合わせることも可能である。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における調理器具のA−AA方向の断面図、図1(b)は調理器具を背面から見た下面図である。なお、以降の説明では、調理器具をグリル皿と呼ぶ。
図1(a)、(b)において、グリル皿1は、皿形状の支持体2と、支持体2のいずれか一方の表面にマイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層3を設けた構成である。発熱層3は、支持体2の食品が載置される載置面4とは異なる面(グリル皿の背面に相当)に形成されることが望ましい。
また、発熱層3は、複数の発熱部、例えば少なくとも2つ以上の発熱部で、第1発熱部5、第2発熱部6といったものを連接して構成し、載置面4の中央部に対応する第1発熱部5における露出面積当たりのマイクロ波吸収量を、第1発熱部5の周囲に隣接する第2発熱部6における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくなるように構成したものである。
具体的には、第1発熱部5、第2発熱部6に複数の穴状の凹部7を設け、第1発熱部5における露出面積あたりの穴状の凹部7の配設数を、第2発熱部6における露出面積あたりの穴状の凹部7の配設数より多くしたものである。
なお、本実施の形態1では、第1発熱部5、第2発熱部6を例示しているが、第2発熱部6に連接する形で第3発熱部、さらに第4発熱部のように比較的多数の発熱部構成を採用することも包含される。
図2は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層3が形成されたグリル皿1の詳細な構造を示す一部断面図である。
図2において、支持体2は、金属基材8と、金属基材8の両面に形成されたポリエーテルスルホン樹脂材料を主成分とする下地層9と、食品が載置される載置面4側にフッ素樹脂を主成分とするフッ素コーティング層10とが形成され、発熱層3はグリル皿1の裏面の下地層9の上に形成されている。
なお、金属基材8としては、ステンレス鋼板、溶融アルミニウムメッキ鋼板、アルミニウム板が適用可能であるが、高熱伝導性、低熱膨張性などから見て、溶融アルミニウムメッキ鋼板、アルミニウム板などが比較的好適である。
図3は、発熱層3の構造を示す模式図である。図3において、発熱層3は、マイクロ波発熱体30として、マイクロ波を吸収して発熱する250〜330℃のキュリー温度を有するフェライト粉末11と、バインダー12を含む組成であり、必要に応じて分散剤やゴムの老化防止剤、酸化防止剤などが添加される。キュリー温度が250〜330℃のフェライト粉末11は、バインダー12の中に均一に分散した状態となっている。
バインダー12の材料としては、耐熱性の高いゴム、ほうろうに用いられるフリット、樹脂が挙げられるが、特にシリコーンゴムがよい。
シリコーンゴムをバインダー12として用いることにより、発熱層3とグリル皿1の接着性を向上させることができるので発熱層3の剥離やクラックが防止され、長期にわたり初期の発熱性能を保持することができ、常に安定したグリル皿調理の性能を実現することができるとともに、シリコーンゴムは優れた耐熱性と耐化学薬品性を有するため、耐久性、信頼性の高い発熱層3を実現することができる。
次に、上記構成による動作および作用について説明する。グリル皿1が加熱室(図示せず)内に設置され、マイクロ波が加熱室内に照射されると、照射されたマイクロ波が加熱室の側壁などに反射して生じる中央寄りの定在波を形成する。
それによって、第1発熱部5に比較的強いマイクロ波エネルギーが集中した場合、中央部に対応する第1発熱部5における露出面積あたりの穴状の凹部7の配設数を、その周囲の第2発熱部6におけるよりも多く構成しているため、第1発熱部5での露出面積当たりのマイクロ波吸収量を効果的に抑えることにより不必要に高温化することを防止でき、第2発熱部6と同様な昇温状態を形成する。
また、通常、グリル皿1の中央部近傍は、その周囲によりも放熱しにくく熱滞留を起こし易い傾向にあるが、この状況も加味して第1発熱部5における露出面積あたりの穴状の凹部7の配設数を設定することにより、グリル皿1の載置面4の加熱ムラを抑えて、温度分布をより均一化させることができる。
そして、このように複数の穴状の凹部7を構成することにより、発熱層3の一部の層厚みを薄くする必要もなく、発熱層3全体としての膜厚を確保して、亀裂や剥離などの発生を防止しうる必要強度を保持し、結果として長期にわたる耐久性、信頼性をも兼ね備えたグリル皿1を実現することができる。
(実施の形態2)
図4(a)は、本発明の実施の形態2におけるグリル皿のB−BB方向の断面図、図4(b)は同グリル皿を背面から見た下面図である。
図4(a)、(b)において、実施の形態1と異なる点は、グリル皿21の載置面4の中央部に対応する第1発熱部22における複数の穴状の凹部23の深さを、第2発熱部24における複数の穴状の凹部25の深さより大きくしたところである。なお、実施の形態1と同一符号のものは、同一構成を示し、説明は省略する。
次に、上記構成による動作および作用を説明する。
実施の形態1と同様に、加熱室(図示せず)内にマイクロ波が照射された状態において、グリル皿21の中央部に対応する第1発熱部22に比較的強いマイクロ波エネルギーが集中した場合、第1発熱部22における穴状の凹部23の深さを穴状の凹部25の深さよ
り大きくすることによって、第1発熱部22における発熱層26の絶対量を低減させることができ、グリル皿21全体の温度の均一化が図れる。
さらに、このような穴状の凹部23の深さ調整によれば、第1発熱部22の第2発熱部24に対する露出面積あたりの複数の穴状の凹部23、25の配設数を同数または減少させることも可能で、容易に第1発熱部におけるマイクロ波吸収量を調節することができる。
したがって、グリル皿21の載置面4における温度分布の微調整をする場合に、極めて有利な構成を提供することができる。
(実施の形態3)
図5(a)は、本発明の実施の形態3におけるグリル皿のC−CC方向の断面図、図5(b)はグリル皿を背面から見た下面図である。
図5(a)、(b)において、実施の形態1と異なる点は、グリル皿31の載置面4の中央部に対応する第1発熱部32とその周囲に連接する第2発熱部33には、載置面4の背面に連通する複数の連通孔34を設けたところである。なお、実施の形態1と同一符号のものは、同一構成を示し、説明は省略する。
次に、上記構成による動作および作用を説明する。
実施の形態1と同様に、加熱室(図示せず)内にマイクロ波が照射された状態において、グリル皿31の中央部に対応する第1発熱部32に比較的強いマイクロ波エネルギーが集中した場合、第1発熱部32における露出面積あたりの複数の連通孔34の配設数を、その周囲の第2発熱部33における露出面積あたりの複数の連通孔34の配設数よりも多くしている。
このため、第1発熱部22における発熱層36の絶対量を低減させることができ、グリル皿31の載置面4での均一な温度分布を実現することができる。
また、複数の連通孔34は、一つの連通孔によるマイクロ波発熱体の削減量を凹部とした場合より大きくすることができるため、孔数または孔径を小さくすることが可能で、その結果、発熱層36の表面を比較的滑らかにすることができる。
また、このような複数の連通孔34とすることにより、グリル皿31の載置面4の背面に発熱層36を接合する際に、載置面4の背面と発熱層36との間に残留気泡などが発生することを防止して、載置面4への熱伝導を円滑にすることができる。
さらに、長期にわたる耐久性、信頼性をも兼ね備えたグリル皿31を実現することができる。
(実施の形態4)
図6(a)は、本発明の実施の形態3におけるグリル皿のD−DD方向の断面図、図6(b)は同グリル皿を背面から見た下面図である。また、図7は、同グリル皿の載置面を上から見た上面図である。
図6(a)、(b)において、実施の形態1と異なる点は、グリル皿41の載置面42の断面を波板形状に構成したもので、載置面42の背面に形成された発熱層43も同様に波板形状を形成しており、載置面42の凸面44と凹面45では、主に凸面44上に食品
が載置される。
また、実施の形態1と同様に、発熱層43では、第1発熱部46、第2発熱部47に複数の穴状の凹部48を設け、第1発熱部46における露出面積あたりの穴状の凹部48の配設数を、第2発熱部47における露出面積あたりの穴状の凹部48の配設数より多くしている。
図8は、図6(a)、(b)に示したグリル皿41が搭載された加熱装置の断面図である。
図8において、加熱室51は金属材料から構成された金属境界部である右側壁面60、左側壁面61、奥壁面62、上壁面63、底壁面64及び食品を加熱室51内に出し入れする開閉壁面である開閉扉(図示せず)により略直方体形状に構成され、給電されたマイクロ波エネルギーをその内部に実質的に閉じ込めるようにしている。
マイクロ波発生源であるマグネトロン65は、加熱室51に給電するマイクロ波を発生するものであり、マグネトロン65から発生したマイクロ波エネルギーを加熱室51内に導くための導波管66とマイクロ波放射手段67が設けられ、底壁面64にはマイクロ波を透過するガラス系やセラミックス系の材料からなる封口手段68が設けられている。
また、加熱室51の上部には、加熱ヒータ69、奥壁面62の奥にはコンベクションヒータユニット(図示せず)が設けられ、食品のマイクロ波調理、グリル調理、オーブン調理の機能を有した構成となっている。
本発明のグリル皿41は、加熱室51の右側壁面60、左側壁面61に設けられた係止手段であるレール部70に沿って加熱室51内に配置される。
また、加熱室51には加熱室51内の温度を検出するサーミスタ71、食品やグリル皿41などの温度を検出する赤外線センサ72が設けられており、サーミスタ71、赤外線センサ72、マグネトロン65、加熱ヒータ69は、動作を制御する制御手段73に電気的に接続されている。
次に、本発明のグリル皿41を用いた加熱装置50の動作および作用について説明する。
加熱室51内に、食品を載置したグリル皿41をレール部70に配置し、開閉扉を閉めた状態で所定の指示操作を行うと、制御手段73によりマグネトロン65が動作してマイクロ波エネルギーを発生させる。
発生したマイクロ波エネルギーは、導波管66を経て、マイクロ波放出手段67からセラミックなどで形成された封口手段68を透過して加熱室51内に給電される。
加熱室51内に給電されたマイクロ波エネルギーは、グリル皿41の発熱層43で吸収され、熱に変換される。この時、全てのマイクロ波エネルギーが発熱層43に直接吸収されるわけではなく、加熱室51の右側壁面60、左側壁面61、および後壁面などに反射したのち、改めて発熱層43に吸収されるものが存在する。
したがって、通常、グリル皿41の中央近傍の下方部には、定在波という比較的マイクロ波エネルギーの強い領域が存在し、グリル皿41の発熱層43が一様に構成されていると、マイクロ波エネルギー分布の強弱がそのまま載置面42の温度ムラとなって現れる。
しかし、本実施の形態4におけるグリル皿41では、第1発熱部46における露出面積あたりの穴状の凹部48の配設数を、第2発熱部47における露出面積あたりの穴状の凹部48の配設数より多くしているため、第1発熱部46でのマイクロ波吸収量を抑えることにより、第2発熱部47と同様な昇温状態を形成できる。
また、通常、グリル皿41の中央部近傍は、その周囲によりも放熱しにくく熱滞留を起こし易い傾向にあるが、この状況も加味して穴状の凹部48の配設数を設定してあり、載置面42の加熱ムラを抑えて、温度分布をより均一化させることができる。
このようにして、均一に昇温した発熱層43の熱が食品(図示せず)を載置している載置面42に伝達され、食品が加熱される。実際には、食品は主に載置面42のうち凸面44に接触するため、凸面44から熱伝導により、凹面45からは輻射熱により加熱調理される。
そして、肉類、魚類などの食品のように、調理中に肉汁、油分などが発生しても、載置面42の凹面からグリル皿41の周囲部分に排出することができるため、肉汁、油分の食品への再付着を防止し、良好な調理結果を実現することができる。
一方、マイクロ波による発熱層43の発熱メカニズムは、次のように考察できる。電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に使用されるマイクロ波の周波数は2.45GHzであり、このような周波数が高い領域ではフェライトの磁気特性である磁束密度(磁化)が磁場に追従できず、磁束密度は小さくなるが透磁率の虚数部が出現する。
この透磁率の虚数部が磁性損失であり、この値が大きいほどフェライトのマイクロ波エネルギーによる発熱性能が高くなる。一方、フェライトの温度が上昇すると透磁率の虚数部が小さくなる傾向にあり、マイクロ波エネルギーの吸収量は減少し、キュリー温度に達すると自発磁化が0、すなわち磁束密度が0となるので透磁率の虚数部が消失し、発熱しなくなる。
このことから、磁束密度と透磁率の虚数部が大きく、キュリー温度が高いフェライトほどマイクロ波エネルギーによる発熱性能が優れていることになる。
グリル調理を行う場合、調理可能な食品の種類と良好な調理結果(好適な焦げ目)とを両立させようとすると、グリル皿41の載置面42の温度を短時間で昇温させ、250〜330℃程度にするのが望ましい。
しかし、必要があるが、グリル皿41を構成している被覆層、フッ素コーティング層、発熱層43に用いるバインダー12(シリコーンゴム)は、長期信頼性および耐久性を確保する観点から、調理結果と両立しうる最高温度としては300℃程度が好適である。
本発明のマイクロ波発熱体30を主成分とする発熱層43は、マイクロ波吸収材料としてキュリー温度が250〜330℃、0℃における飽和磁束密度が400mT以上のMn−Zn系フェライトを用いている。
加熱室51にマイクロ波エネルギーが給電されると、マイクロ波発熱体30を主成分とする発熱層43は、フェライトの飽和磁束密度が大きいので出現する磁性損失が大きくなるため、マイクロ波エネルギーの吸収が大きくなり、昇温速度を速くすることができる。
その結果、グリル調理の時間が短縮され、調理性能を向上させることができるとともに、グリル皿41の載置面42と接触している食品を素早く焼くことができるため、食品の
載置面42へのこびり付きが抑制され、調理後の食品の取り出しや、グリル皿41の洗浄などの手入れを容易に行うことができる。
また、この範囲のキュリー温度の場合、グリル皿41の載置面42の飽和温度は実力的には300℃程度に留まるため、グリル皿41の構成材料の破損、劣化を防止することができ、長期信頼性と耐久性を向上させることができる。
さらに、フェライト材料自身がグリル皿41の載置面42の温度を自己制御することができるので過昇温を防止する安全装置を必要とせず、安全装置の不具合などによるグリル皿41の異常加熱などのトラブルを回避することができる。
以上詳細に説明してきたように、本発明にかかる調理器具であるグリル皿は、食品を載置する載置面の温度分布を均一にして、グリル調理の性能を向上させることが可能となるので、電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に適用可能であるだけでなく、マイクロ波発熱体を主成分とする発熱層は、調理機器以外のマイクロ波加熱機器として広く適用できる。
1、21、31、41、102 グリル皿
3、26、36、43、101 発熱層
30、104 マイクロ波発熱体
4、42 載置面
5、22、32、46 第1発熱部
6、24、33、47 第2発熱部
7、23、25、48 穴状の凹部
11 フェライト粉末
12 バインダー
34 複数の連通孔
50 加熱装置
51 加熱室
65 マイクロ波発生源(マグネトロン)

Claims (8)

  1. 食品を載置する載置面と、照射されたマイクロ波エネルギーを吸収して発熱するマイクロ波発熱体を主成分とする発熱層とを備えた調理器具であって、前記発熱層は複数の発熱部を連接して構成し、少なくとも前記載置面の中央部に対応する第1発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量を、前記第1発熱部の周囲に隣接する第2発熱部における露出面積当たりのマイクロ波吸収量より少なくした調理器具。
  2. 少なくとも前記第1発熱部には、複数の穴状の凹部を設けた請求項1に記載の調理器具。
  3. 前記複数の穴状の凹部は、少なくとも前記第1発熱部における露出面積当たりの数を、前記第2発熱部における露出面積当たりの数より大きくした請求項1または2に記載の調理器具。
  4. 少なくとも前記第1発熱部における複数の穴状の凹部の深さを、前記第2発熱部における複数の穴状の凹部の深さより大きくした請求項1〜3のいずれか1項に記載の調理器具。
  5. 少なくとも前記第1発熱部には、前記載置面の背面に連通する複数の孔を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の調理器具。
  6. 前記マイクロ波発熱体は、キュリー温度が250℃から330℃である少なくとも1種のフェライトを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の調理器具。
  7. 前記マイクロ波発熱体は、少なくとも1種のフェライト粉末とバインダーとを含む請求項6に記載の調理器具。
  8. 加熱室と前記加熱室内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生源とを備え、前記加熱室内に請求項1〜7のいずれか1項に記載の調理器具を設けた加熱装置。
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