JP2012009364A - 導光板用紫外線硬化型インキおよび導光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタクリル樹脂基材を含む導光板における光拡散パターンを構成する導光板用紫外線硬化型インキ等であって、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、(B)アクリル樹脂の配合量を20〜80重量部、(C)アクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部、(D)(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部、(E)光重合開始剤の配合量を8〜40重量部、(F)光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値として構成する。
【選択図】図2
Description
この面光源装置の光源方式には、大別して、拡散板を、光源と、液晶ユニットと、の間に挟んだ構成の直下方式と、導光板の側端面に光源を配置した構成のエッジライト方式がある。
これまで、例えば、21インチ以上の大型液晶テレビ等の光源方式においては、直下方式が主流であったが、軽量、薄型という液晶表示装置の特徴をより引き出すためには、導光板を薄くできるエッジライト方式の利用が有利であることが判明している。したがって、大型液晶テレビ等はもちろんのこと、携帯用ノートパソコン等にもエッジライト方式が多く使用されている。
また、メタクリル樹脂基材の表面には、光拡散シートやプリズムシートが積層されており、さらに、メタクリル樹脂基材の側端面に、直管状光源(冷陰極管やLED)が配置されている。
そして、光拡散パターンは、ドットによるグラデーションパターンとされており、通常、光源から遠ざかるにしたがって、1ドット等の面積が大きくなるように形成されている。
よって、光源から出射された光は、メタクリル樹脂基材の側面から入射して、導光板の中を全反射しながら進み、かつ、光拡散パターンによって、光が適度に散乱されながら進行方向を変えて、外部に光が取り出されるものである。
より具体的には、重合性オリゴマーと、重合性モノマーと、これら重合性オリゴマーまたはモノマーに可溶なアクリル樹脂と、光重合開始剤と、光拡散粉末と、を含んでなる、導光板における光拡散パターン用紫外線硬化型インキ(以下、導光板用紫外線硬化型インキと称する。)である。
そして、図6(a)および(b)に示すように、導光板1における基材1bの上に、所定の導光板用紫外線硬化型インキがスクリーン印刷されており、それに対して、紫外線照射して、最小ドット径を0.15mm以下とした光拡散パターン6が形成されている。
また、かかる導光板1の側方端部1aには、光源2が設けてあり、さらに、導光板1の下方には、反射シート3が設けてあるとともに、導光板1の上方には、拡散シート4が設けてあり、全体として、面光源装置(バックライトユニット)10が構成されている。
そのため、光拡散パターンを形成して導光板を構成した場合に、形成される拡散パターンが剥離したり、模様や形状等が変形しやすかったりすることから、得られる拡散光の輝度が低く、かつ、輝度ムラが大きくなり、しかも経時とともに、これらの特性がさらに低下しやすいという問題が見られた。
すなわち、本発明の目的は、導光板における光拡散パターンの形成において、良好な紫外線硬化特性、機械的特性、および耐水性等が得られる導光板用紫外線硬化型インキ、およびそれを用いてなる高輝度で、輝度ムラ等が少ない導光板を提供することである。
特に、導光板用紫外線硬化型インキの配合成分の一つとして、(C)アクリルアミド系モノマーを含むことによって、良好な紫外線硬化性を維持しながら、メタクリル樹脂基材との間の密着性を高めることができ、導光板を構成した場合、高輝度の発現と、輝度ムラの調整という相反しやすい特性をそれぞれ満足させることができる。
なお、(C)アクリルアミド系モノマーは、一般に吸湿しやすいことから、導光板用紫外線硬化型インキに配合した場合、紫外線硬化性やメタクリル樹脂基材との間の密着性が著しく低下する場合が見られた。
しかしながら、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を所定範囲内の値に制限することによって、そのような問題の発生を未然に防止することができるようになった。
このような種類のアクリルアミド系モノマーであれば、室温で液状であって、取り扱いが容易であるばかりか、メタクリル樹脂基材との間の密着性をさらに高めることができ、しかも、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の制御についても容易である。
このような種類の(メタ)アクリレートモノマーを含むことによって、メタクリル樹脂基材との密着性を効果的に保持しつつ、良好な紫外線硬化性を得ることができる。
このようなアクリル樹脂を用いることにより、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の調整が容易になるとともに、メタクリル樹脂基材との密着性をさらに良好なものとすることができる。
その上、このようなアクリル樹脂の配合によって、特定のアクリルアミド系モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、ポリエステルアクリレートオリゴマーとの間の親和性を向上させることができる。
このような重量平均分子量のアクリル樹脂を用いることにより、メタクリル樹脂基材との密着性を効果的に保持しつつ、良好な紫外線硬化性を得ることができ、その上、特定のアクリルアミド系モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、ポリエステルアクリレートオリゴマーとの間の親和性をさらに向上させることができる。
このような光拡散粉末を用いることによって、メタクリル樹脂基材との密着性を効果的に保持することができ、その上、導光板を構成した場合に、高輝度な拡散光が得られるとともに、輝度ムラについても、少なくすることができる。
導光板用紫外線硬化型インキが、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーと、(B)アクリル樹脂と、(C)アクリルアミド系モノマーと、(D)(メタ)アクリレートモノマーと、(E)光重合開始剤と、(F)光拡散粉末と、を含有するとともに、
(A)成分としてのポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、
(B)成分としてのアクリル樹脂の配合量を20〜80重量部の範囲内の値とし、
(C)成分としてのアクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部の範囲内の値とし、
(D)成分としての(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部の範囲内の値とし、
(E)成分としての光重合開始剤の配合量を8〜40重量部の範囲内の値とし、
(F)成分としての光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値とし、
かつ、含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする導光板である。
すなわち、このように特定の導光板用紫外線硬化型インキからなる光拡散パターンを備えた導光板とすることによって、得られる拡散光において、高輝度の発現と、輝度ムラの調整という相反しやすい特性をそれぞれ満足させることができる。
また、(C)アクリルアミド系モノマー等を含む所定含水率の導光板用紫外線硬化型インキを用いていることから、良好な紫外線硬化性を維持しながら、メタクリル樹脂基材との間の密着性を高めることができ、その結果、導光板の製造が短時間かつ安定的なものとなる。
このように紫外線硬化物の状態の光沢度を所定範囲内の値に制限することによって、得られる拡散光において、高輝度の発現と、輝度ムラの調整という相反しやすい特性をさらに満足させることができる。
本発明の第1の実施形態は、メタクリル樹脂基材を含む導光板の光拡散パターンを構成する導光板用紫外線硬化型インキであって、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーと、(B)アクリル樹脂と、(C)アクリルアミド系モノマーと、(D)(メタ)アクリレートモノマーと、(E)光重合開始剤と、(F)光拡散粉末と、を含有する導光板用紫外線硬化型インキである。
そして、(A)成分としてのポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、(B)成分としてのアクリル樹脂の配合量を20〜80重量部の範囲内の値とし、(C)成分としてのアクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部の範囲内の値とし、(D)成分としての(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部の範囲内の値とし、(E)成分としての光重合開始剤の配合量を8〜40重量部の範囲内の値とし、(F)成分としての光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値とし、かつ、含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする導光板用紫外線硬化型インキである。
以下、第1の実施形態の導光板用紫外線硬化型インキにおける各構成要件について、具体的に説明する。
(1)(A)ポリエステルアクリレートオリゴマー
導光板用紫外線硬化型インキを構成するにあたり、光重合性オリゴマーとして、ポリエステルアクリレートオリゴマーを配合することを特徴とする。
この理由は、ポリエステルアクリレートオリゴマーであれば、アクリルアミド系モノマーおよび(メタ)アクリレートモノマーとの相溶性に優れており、良好な紫外線硬化性を維持しつつ、メタクリル樹脂基材に対する所定の密着性が得られるためである。また、導光板における光拡散パターンを構成した場合に、所定の硬さ、耐久性、耐湿性等が得られるためである。
この理由は、ポリエステルアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が1,000未満の値になると、紫外線硬化性やメタクリル樹脂基材に対する密着性が低下したり、あるいは、また、導光板における光拡散パターンを構成した場合に、所定の硬さ等が得られにくくなる場合があるためである。
但し、ポリエステルアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が、過度に大きくなると、アクリルアミド系モノマーおよび(メタ)アクリレートモノマーとの相溶性が低下し、紫外線硬化性やメタクリル樹脂基材に対する密着性が低下したりする場合がある。
したがって、ポリエステルアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を3,000〜15,000の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、ポリエステルアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の分子量として測定することができる(以下、他の配合成分等の重量平均分子量の測定についても、同様である。)
この理由は、このような配合量とすることによって、良好な紫外線硬化性をより効果的に維持しつつ、メタクリル樹脂基材に対する密着性をさらに向上させることができるためである。
すなわち、ポリエステルアクリレートオリゴマーの配合量が20重量%未満の値となると、紫外線硬化性が過度に低下し、それにより、得られる硬化皮膜としての光拡散パターンにおける硬さやメタクリル樹脂基材に対する密着性が低下する場合があるためである。
一方、ポリエステルアクリレートオリゴマーの配合量が40重量%を超えた値となると、紫外線硬化性が過度に増大し、取り扱いが困難となるばかりか、光拡散パターンを構成した場合に、メタクリル樹脂基材との密着不良を起こしやすくなる場合があるためである。
したがって、ポリエステルアクリレートオリゴマーの添加量を、導光板用紫外線硬化型インキの全体量に対して、25〜35重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、導光板用紫外線硬化型インキを構成するにあたり、(B)アクリル樹脂を、所定量配合することを特徴とする。
この理由は、このようなアクリル樹脂を配合することによって、アクリルアミド系モノマーおよび(メタ)アクリレートモノマーとの相溶性が向上したり、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の調整が容易になったりするためである。
また、アクリル樹脂を配合することによって、紫外線硬化性やメタクリル樹脂基材に対する密着性についても向上したり、導光板における光拡散パターンを構成した場合に、所定の硬さや強度が得られるためである。
この理由は、かかるアクリル樹脂の重量平均分子量が50,000未満の値になると、紫外線硬化性が過度に増大し、メタクリル樹脂基材との密着性が低下する場合があるためである。
一方、かかるアクリル樹脂の重量平均分子量が150,000を超えた値になると、紫外線硬化性が過度に低下し、得られる硬化皮膜の強度が低下する場合があるためである。
したがって、アクリル樹脂の重量平均分子量を65,000〜100,000の範囲内の値とすることがより好ましく、75,000〜90,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、メタクリル樹脂基材との密着性が良好になるばかりか、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の調整が容易になるとともに、特定のアクリルアミド系モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、ポリエステルアクリレートオリゴマーとの間の親和性をさらに良好にさせることができるためである。
さらに言えば、アクリル樹脂が、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリルアミド、ヒドロキシメタクリルアミド等のメタクリレートモノマーやメタクリルアミドを主成分(例えば、モノマー全体量の80重量%以上)としてなるアクリル重合体であることが好ましい。
この理由は、このような(メタ)アクリレートモノマーを主成分として重合してなるアクリル樹脂を用いることにより、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の調整が容易になるとともに、メタクリル樹脂基材との相溶性が向上し、密着性をさらに良好なものとすることができるためである。
また、このようなアクリル樹脂であれば、特定のアクリルアミド系モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物と、ポリエステルアクリレートオリゴマーとの間の親和性を、さらに向上させることができるためである。
なお、高いガラス転移点、例えば、75〜120℃のガラス転移点を有するアクリル樹脂を用いることにより、メタクリル樹脂基材との間の密着性をさらに良好なものとすることができる。
この理由は、かかる粉末状態のアクリル樹脂の平均粒径が0.01mm未満になると、取り扱いが困難となったり、含水率の制御が困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる粉末状態のアクリル樹脂の平均粒径が4mmを超えると、(メタ)アクリレートモノマーに対する溶解時間が著しく遅くなる場合があるためである。
したがって、粉末状態のアクリル樹脂の平均粒径を0.03〜3mmの範囲内とすることがより好ましく、0.05〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、アクリル樹脂の平均粒径は、JIS Z 8901に準じて、顕微鏡法や画像処理法により測定し、算出することができる。
この理由は、かかる含水率が0.01重量%未満となると、アクリル樹脂の安定製造が困難になったり、逆に、著しく吸湿性となって、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の制御が困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる含水率が5重量%を超えると、ポリエステルアクリレートオリゴマーとの親和性が低下したり、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の制御が困難となったりする場合があるためである。
したがって、粉末状態のアクリル樹脂の含水率を、0.05〜3重量%の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかるアクリル樹脂の配合量が20重量部未満の値となると、紫外線硬化性が過度に増大し、基材との密着性が低下する場合があるためである。一方、かかるアクリル樹脂の配合量が80重量部を超えた値になると、紫外線硬化性が過度に低下し、硬化皮膜の強度が低下するばかりか、光拡散パターンの印刷皮膜を均一に形成することができないために、輝度ムラを起こす場合があるためである。
したがって、アクリル樹脂の配合量を、ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、25〜60重量部とすることがより好ましく、30〜50重量部にすることがさらに好ましい。
また、導光板用紫外線硬化型インキを構成するにあたり、硬化成分の一つとして、(C)アクリルアミド系モノマーを、所定量配合することを特徴とする。
この理由は、このようなアクリルアミド系モノマーを配合することによって、良好な紫外線硬化性を維持しながら、メタクリル樹脂基材との間の密着性を高めることができ、導光板を構成した場合、高輝度の発現と、輝度ムラの調整という相反しやすい特性をそれぞれ満足させることができるためである。
特に、N,N−ジメチルアクリルアミドは、基材との密着性が良好であって、紫外線硬化性が適当なことから、好ましいアクリルアミド系モノマーである。
この理由は、かかるアクリルアミド系モノマーの配合量が20重量部未満の値となると、添加効果が発現しない場合があるためである。
一方、かかるアクリルアミド系モノマーの配合量が60重量部を超えると、含水率の制御が困難となったり、紫外線硬化特性が低下したり、あるいは、得られる拡散パターンの硬度等が低下したりする場合があるためである。
したがって、アクリルアミド系モノマーの配合量を、ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、25〜55重量部とすることがより好ましく、30〜50重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
すなわち、図1の横軸に、実施例1の配合組成に準じて配合した導光板用紫外線硬化型インキにおけるアクリルアミド系モノマーの配合量(重量部)が採って示してあり、図1の縦軸に、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率の値(重量%)が採って示してある。
そして、特性曲線Aが、ジメチルアクリルアミドに対応しており、特性曲線Bが、N−メトキシメチルアクリルアミドに対応している。
これらの特性曲線A、Bから容易に理解されるように、アクリルアミド系モノマーの配合量によって、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率が大きく変化し、また、アクリルアミド系モノマーの種類によっても、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率が変化することが理解される。
よって、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を所定範囲内の値に制御するに際して、アクリルアミド系モノマーの配合量や種類を変更するのが有効であることが理解される。
すなわち、図2の横軸に、実施例1の配合組成に準じて配合した導光板用紫外線硬化型インキにおけるアクリルアミド系モノマーの配合量(重量部)が採って示してあり、図2の縦軸に、実施例1に準じて評価した導光板用紫外線硬化型インキにおける硬化特性の評価点(◎の評価点が3、○の評価点が2、△の評価点が1、×の評価点が0である。)が採って示してある。
そして、特性曲線Aが、比較的吸湿しにくいジメチルアクリルアミドに対応しており、特性曲線Bが、比較的吸湿しやすいN−メトキシメチルアクリルアミドに対応している。
これらの特性曲線A、Bから容易に理解されるように、アクリルアミド系モノマーの配合量によって、導光板用紫外線硬化型インキにおける紫外線硬化性が大きく変化し、また、アクリルアミド系モノマーの種類によっても、紫外線硬化性が変化することが理解される。
よって、導光板用紫外線硬化型インキにおける良好な紫外線硬化性を得るに際して、アクリルアミド系モノマーの配合量や種類を変更するのが有効であることが理解される。
すなわち、図3の横軸に、実施例1の配合組成に準じて配合した導光板用紫外線硬化型インキにおけるアクリルアミド系モノマーの配合量(重量部)が採って示してあり、図3の縦軸に、実施例1に準じて測定した60°光沢度の値が採って示してある。
そして、かかる特性曲線から容易に理解されるように、アクリルアミド系モノマーの配合量によって、導光板用紫外線硬化型インキからなる拡散パターンの60°光沢度の値が大きく変化することが理解される。
よって、拡散パターンの60°光沢度を所定範囲の値に制限するに際して、アクリルアミド系モノマーの配合量を変更するのが有効であることが理解される。
また、導光板用紫外線硬化型インキを構成するにあたり、紫外線硬化成分の一つとして、(D)(メタ)アクリレートモノマーを、所定量配合することを特徴とする。
この理由は、導光板用紫外線硬化型インキの紫外線硬化特性や粘度を調整したり、メタクリル基材に対する密着性を制御したり、あるいは、得られる硬化皮膜の特性を調整したりするためである。
この理由は、このような範囲内の値に調整することによって、紫外線硬化性を効果的に保持しつつも、基材との密着性を向上させることができるばかりか、印刷皮膜を均一に形成することができるためである。
したがって、(メタ)アクリレートモノマーの配合量を、ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、100〜300重量部とすることがより好ましく、150〜250重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、(D)(メタ)アクリレートモノマーは、均一特性を有する硬化塗膜としての光拡散パターンが得られやすいことから、上述した(C)アクリルアミド系モノマーと、予め所定割合で、均一に混合した状態で使用することが好ましい。
また、本発明に使用する光重合開始剤は、紫外線照射により、ラジカルを発生し、そのラジカルがポリエステルアクリレートオリゴマーや、アクリルアミド系モノマーを含む(メタ)アクリレートモノマーの混合物等を重合反応させるものであればよい。
このような光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジメチルケタール系化合物;オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ヒドロキシケトン系合物; 2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ二ル)−ブタノン−1等のα−アミノケトン系化合物; ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン等のケトスルフォン系化合物; ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のメタロセン系化合物; 2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オン−メソクロライド等のチオキサントン系化合物等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
この理由は、紫外線によりラジカルを発生し、そのラジカルが光重合オリゴマーおよび光重合モノマー混合物と効率的に反応することにより硬化反応が促進されるためである。
そして、光拡散パターンの硬化成分を構成するにあたり、紫外線硬化性や耐候性が適当であって、硬化塗膜としての光拡散パターンの耐久性を効果的かつ容易に調整することができることから、α−ヒドロキシケトン系化合物を使用することがより好ましい。
このような水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物およびアミン化合物等が挙げられ、中でもアミン化合物が好ましい。
そして、好適なアミン化合物として、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエチルアクリレート、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート等が挙げられる。
この理由は、かかる光重合開始剤の添加量が8重量部未満の値となると、硬化不良となって、光拡散パターンを均一に形成できない場合があるためである。
一方、かかる光重合開始剤の添加量が40重量部を超えると、紫外線硬化後に未反応の光重合開始剤が多くなって、経時による架橋反応が進行しやすくなり、形成された光拡散パターンが、経時劣化を起こす場合があるためである。
したがって、光重合開始剤の添加量を、ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、10〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜25重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、導光板用紫外線硬化型インキを構成するにあたり、(F)光拡散粉末を、所定量配合することを特徴とする。
この理由は、このような光拡散粉末を配合することによって、光拡散性を著しく向上させることができるためである。
この中で、特に、基材との密着性を効果的に保持しつつも、光拡散率を向上させることができることから、シリカ粉末、酸化チタン粉末、アクリル樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末の少なくとも一つであることがより好ましい。
この理由としては、光拡散粉末の平均粒径が0.5μm未満の値となると、散乱効果が過度に低下し、所定の輝度が得られない場合があるためである。一方、光拡散粉末の平均粒径が40μmを超えた値になると、散乱効果が過度に増大し、拡散光によるギラツキが発生するばかりか、基材との密着性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる光拡散粉末の平均粒径は、1μm〜20μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3μm〜15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる光拡散粉末の添加量が30重量部未満の値となると、光拡散率が過度に低下し、輝度ムラが発生するばかりか、光拡散パターンの硬化皮膜の60°光沢度を安定して30%以下の値とすることができない場合があるためである。
一方、かかる光拡散粉末の添加量が150重量部を超えると、光拡散率が過度に増大して、所定の輝度が得られないばかりか、基材との密着性が低下する場合があるためである。
したがって、光拡散粉末の添加量をポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、45〜120重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜100重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、導光板用紫外線硬化型インキの中に、インキおよび印刷適正を調整する目的として、(G)添加剤として、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、顔料湿潤剤、分散剤、流動調整剤、熱重合禁止剤、酸化重合防止剤等をさらに配合することが好ましい。
かかる添加剤の配合量は、添加剤の種類等によって変更することができるが、例えば、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
導光板用紫外線硬化型インキの含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする。すなわち、所定配合成分の導光板用紫外線硬化型インキを構成するとともに、その含水率を2重量%以下の値に制御する。
この理由は、導光板用紫外線硬化型インキの含水率が2重量%を超えると、光源から出射された光が、側面から入射して導光板の中を全反射しながら進み、光拡散パターンにより光散乱されて向きを変える際の屈折率が過度に大きくなり、所定の輝度が得られなかったり、拡散パターンの模様、形状が変化した場合に、輝度ムラ大きくなったり、さらに導光板上に配置される拡散シートに十分な光透過性を確保できないためである。
一方、導光板用紫外線硬化型インキの含水率を過度に小さくすると、使用可能な配合成分の種類が過度に制限されたり、歩留まりが過度に低下したりする場合がある。
したがって、導光板用紫外線硬化型インキの含水率を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.01〜0.6重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、導光板用紫外線硬化型インキの含水率の測定方法については、後述する実施例1において詳述する。
すなわち、図4の横軸に、実施例1の配合組成に準じて配合した導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率(重量%)が採って示してあり、図4の縦軸に、実施例1に準じて測定した導光板の輝度の値が採って示してある。
そして、特性曲線から容易に理解されるように、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率によって、導光板の輝度の値が大きく変化することが理解される。
より具体的には、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を2重量%以下とすることによって、3800cd/m2以上の高い輝度が得られ、同様に、含水率を1重量%以下とすることによって、4600cd/m2以上の高い輝度が得られている。
一方、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率が2重量%を越え、3重量%になると、輝度が3400cd/m2程度まで低下し、含水率が4重量%となると、3200cd/m2の低い輝度の値となっている。
よって、導光板の輝度を所定以上の値に高めるに際して、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を所定範囲内の値に制御するのが有効であることが理解される。
すなわち、図5の横軸に、実施例1の配合組成に準じて配合した導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率(重量%)が採って示してあり、図5の縦軸に、実施例1に準じて測定した導光板の輝度ムラの値が採って示してある。
そして、特性曲線から容易に理解されるように、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率によって、導光板の輝度ムラの値が大きく変化することが理解される。
より具体的には、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を2重量%以下とすることによって、輝度ムラの絶対値が30%以下の値となり、同様に、含水率を1重量%以下とすることによって、輝度ムラの絶対値が20%以下の低い値が得られている。
一方、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率が2重量%を越え、3重量%になると、輝度ムラの絶対値が50程度にまで上昇し、含水率が4重量%となると、70程度にまで上昇している。
よって、導光板の輝度ムラを小さくするに際して、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率を所定範囲内の値に制御するのが有効であることが理解される。
第2の実施形態は、メタクリル樹脂基材と、導光板用紫外線硬化型インキの紫外線硬化物からなる光拡散パターンと、を含む導光板であって、導光板用紫外線硬化型インキが、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーと、(B)アクリル樹脂と、(C)アクリルアミド系モノマーと、(D)(メタ)アクリレートモノマーと、(E)光重合開始剤と、(F)光拡散粉末と、を含有するとともに、(A)成分としてのポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、(B)成分としてのアクリル樹脂の配合量を20〜80重量部の範囲内の値とし、(C)成分としてのアクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部の範囲内の値とし、(D)成分としての(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部の範囲内の値とし、(E)成分としての光重合開始剤の配合量を8〜40重量部の範囲内の値とし、(F)成分としての光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値とし、かつ、含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする導光板である。
本発明における導光板の構成は、メタクリル樹脂基材の裏面に、印刷により光拡散パターン(光拡散層)が形成されており、かつ、反射シート(反射板)が積層されている。さらに、メタクリル樹脂基材の表面には、光拡散シートやプリズムシートを設けており、この導光板の側端面に直管状光源が配置されている。
より具体的には、一例であるが、図6(b)に示すように、メタクリル樹脂基材1bと、その背面に設けてある、所定の導光板用紫外線硬化型インキからなる光拡散パターン6と、から導光板1が構成されている。
そして、かかる導光板1の側方端部1aには、LED等の光源2が設けてあり、さらに、導光板1の下方には、光を所定方向に反射する反射シート3が設けてあるとともに、導光板1の上方には、光を所定方向に拡散する拡散シート4が設けてあり、全体として、面光源装置(バックライトユニット)10が構成されている。
また、本発明に使用される基材の種類としては、経済性に優れるとともに、透明性、耐候性、耐摩耗性等が優れていることから、メタクリル樹脂単体、あるいは、メタクリル樹脂を主成分としたものが好ましい。
また、かかるメタクリル樹脂基材の厚さについては、面光源装置の用途や構成等を考慮して定めることができるが、通常、1mm〜30mmの範囲内の値とすることが好ましく、2mm〜10mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、拡散パターン層は、第1の実施形態で説明した導光板用紫外線硬化型インキからなる硬化塗膜であって、かつ、所定パターンを有することによって、所定の光拡散機能を発揮する樹脂層である。
そして、かかる光拡散パターンの態様については、適宜変更することができるが、例えば、平面形状を、円形、楕円形、四角形、異形等にして、その大きさ(円相当径)を、通常、0.1mm〜2.0mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、かかる光拡散パターンを構成する各ドットの配置についても、特に制限されるものではないが、例えば、同じ大きさまたは同じ平面形状のドットを、均一に設ける均一配置パターン、光源から遠ざかる方向に向かってドット面積を順次大きくするグラディエーションパターン、または光源から遠ざかるに従ってドットピッチを狭くするグラディエーションパターン等が挙げられる。
この理由は、かかる光拡散パターンの60°光沢度が30%以上の値になると、光拡散率が過度に低下する場合があるためである。
したがって、導光板の下に配置される反射シートの機能を十分発生させられなかったり、光源に最も近い拡散パターン層の輝度と最も遠い拡散パターン層の輝度との差が大きくなったりして、導光板からの出射角を変えても高輝度が得られない場合がある。
但し、光拡散パターンの60°光沢度が過度に小さくなると、光散乱されて、進行方向を変える際の屈折率差が過度に大きくなって、所定の光輝度が得られない場合がある。
したがって、光拡散パターンの60°光沢度を3〜25%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、光拡散パターンの60°光沢度の測定方法については、後述する実施例1において詳述する。
また、導光板の光拡散パターンは、導光板用紫外線硬化型インキを用いて、メタクリル樹脂基材の裏面に、印刷法により製造することができる。
好適な印刷法としては、例えば、スクリーン印刷、パット印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。
但し、光を拡散するためにドットに十分な印刷膜厚を確保するとともに、ドットを正確な位置に印刷することができることから、スクリーン印刷が特に好ましい印刷法である。
1.導光板用紫外線硬化型インキの作成
容器内に、以下の配合割合(重量部基準)となるように、下記成分を添加し、撹拌装置を用いて、均一になるまで混合し、導光板用紫外線硬化型インキを作成した。
(A1)ポリエステルアクリレートオリゴマー :100重量部
(B1)アクリル樹脂 : 36重量部
(C1)ジメチルアクリルアミド : 40重量部
(D1)1,6ヘキサンジオールジアクリレート :148重量部
(E1)光重合開始剤 : 16重量部
(F1)光拡散粉末(シリカ粉末) : 86重量部
(G1)シリコーン系添加剤 : 4重量部
(G2)分散剤(カルボン酸系分散剤) : 10重量部
また、(B1)アクリル樹脂として、市販の粉末状アクリル樹脂レジン(重量平均分子量85,000)を用いた。
また、(E1)光重合開始剤として、市販のIRGACURE184(化学名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/α−ヒドロキシケトン系化合物、CIBA(株)製、)を用いた。
また、(F1)光拡散粉末として、市販のシリカ粉末(平均粒径6μm)を用いた。
また、(G1)シリコーン系添加剤として、市販の変性シリコーン消泡剤を用いた。
さらに、(G2)分散剤として、市販のジカルボン酸エステル系化合物からなるレベリング剤を用いた。
得られた導光板用紫外線硬化型インキにつき、含水率等の測定および紫外線硬化性等の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
導光板用紫外線硬化型インキ中の含水率(重量%)をカールフィッシャー装置KF−100型(三菱化学(株)製)により、3回測定し、その平均値を採用した。その結果、含水率は0.6重量%であることを確認した。
厚さ8mmの透明メタクリル板(三菱レイヨン製、LX−N865)に対して、下記印刷条件にて、導光板用紫外線硬化型インキを印刷した。
次いで、UV照射機CS−60(ジーエス・ユアサライティング(株)製)を用いて、下記硬化条件にて、紫外線照射して、硬化塗膜を形成した。
次いで、得られた硬化塗膜につき、JIS K−5600 5.4に準じて鉛筆硬度を3回測定し、平均値を算出するとともに、以下の基準から、導光板用紫外線硬化型インキの紫外線硬化性を評価した。得られた結果を表1に示す。
刷版:ポリエステルスクリーン300メッシュ
乳剤膜厚:8μm
平均硬化皮膜:約14μm
メタルハライドランプ:120W/cm(1灯タイプ)
ランプ高さ:100mm
コンベアー速度:5m/min
ランプ積算光量:600mJ/cm2
◎:鉛筆硬度が3H以上である。
○:鉛筆硬度が2Hである。
△:鉛筆硬度がHである。
×:鉛筆硬度がH未満である。
紫外線硬化性評価と同条件で得られた硬化塗膜につき、JIS K−5600 5.6に準じて碁盤目剥離試験を行い、導光板用紫外線硬化型インキのメタクリル樹脂基板に対する密着性を評価した。
すなわち、形成した硬化塗膜上に、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて100目の碁盤目を作成した後、テープ法で、その密着性を3回測定し、平均値を算出するとともに、下記基準に則して評価した。なお、評価結果は、剥がれなかった碁盤目数を%で表して示した。得られた結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:剥がれなかった碁盤目数が99%以上である。
○:剥がれなかった碁盤目数が95〜99%未満である。
△:剥がれなかった碁盤目数が75〜95%未満である。
×:剥がれなかった碁盤目数が75%未満である。
紫外線硬化性評価と同条件で得られた硬化塗膜につき、40℃の温水中に、1週間浸漬した。次いで、3回測定し、平均値を算出するとともに、以下の評価基準に照らして、外観変化(白色現象や剥離現象)から、導光板用紫外線硬化型インキの耐水性を評価した。得られた結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:外観変化が全く観察されない。
○:外観変化がほとんど観察されない。
△:外観変化が少々観察される。
×:顕著な外観変化が観察される。
紫外線硬化性評価と同条件で得られた硬化塗膜につき、60°光沢度を、デジタル変角光沢度計であるUGV−5D(スガ試験機(株)製)を用いて3回測定し、平均値を算出した。その結果、60°光沢度は、10%であって、30%以下であることを確認した。
長さ270mm、幅160mm、厚さ8mmの透明メタクリル板(三菱レイヨン製、LX−N865)を準備し、それに対して、スクリーン印刷装置を用いて、導光板用紫外線硬化型インキをスクリーン印刷した。
次いで、紫外線硬化性評価と同条件で紫外線を照射し、所定パターンを有する光拡散パターンを形成し、導光板とした。
なお、光拡散パターンは、平面形状が円形のドットからなり、光源側のドット長径0.6mmであって、導光板中央部におけるドット長径が0.8mmであって、幅方向、長さ方向のピッチが、それぞれ1.25mmのグラデーションパターンである。
(評価基準)
◎:中心輝度が4200cd/m2以上の値である。
○:中心輝度が3800〜4200cd/m2未満の値である。
△:中心輝度が3400〜3800cd/m2未満の値である。
×:中心輝度が3400cd/m2未満の値である。
輝度測定評価と同条件で得られた光拡散パターンを有する導光板の輝度につき、中心輝度との差に基づく輝度ムラの絶対値を3回測定し、平均値を算出するとともに、以下の基準に照らして、輝度ムラ評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(評価基準)
◎:輝度ムラの絶対値が、25%未満の値である。
○:輝度ムラの絶対値が、25%以上、35%未満の値である。
△:輝度ムラの絶対値が、35%以上、45%未満の値である。
×:輝度ムラの絶対値が、45%以上の値である。
実施例2〜4において、導光板用紫外線硬化型インキにおける含水率の影響を検討した。
すなわち、実施例1の導光板用紫外線硬化型インキに対して、強制的に水を付加して、含水率が、1.0%、1.5%、および1.8%である導光板用紫外線硬化型インキを作成し、実施例1と同様に評価した。得られた結果を、表1に示す。
比較例1においては、実施例1の導光板用紫外線硬化型インキに対して、強制的に水を付加して、含水率が4%である導光板用紫外線硬化型インキを作成し、実施例1と同様に評価した。得られた結果を、表1に示す。
実施例5〜8において、導光板用紫外線硬化型インキにおける(B)アクリル樹脂の種類、(C)アクリルアミド系モノマーの種類、(D)アクリレートモノマーの種類、(E)光重合開始剤の種類を、それぞれ変えるとともに、含水率の影響を検討した。
すなわち、実施例5〜8において、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーおよび(B)アクリル樹脂として、以下の市販のポリエステルアクリレートオリゴマーおよびアクリル樹脂を用いた。
(A2)ポリエステルアクリレートオリゴマー(重量平均分子量10,000)
(A3)ポリエステルアクリレートオリゴマー(重量平均分子量 3,000)
(B2)粉末状熱可塑性アクリル樹脂(重量平均分子量65,000)
(B3)粉末状熱可塑性アクリル樹脂(重量平均分子量120,000)
また、実施例5〜8において、(C)アクリルアミド系モノマーとして、以下の化合物を用いた。
(C2)アクリルアミド系モノマー(N−メトキシメチルアクリルアミド)
(C3)アクリルアミド系モノマー(N−ヒドロキシメチルアクリルアミド)
また、実施例5〜8において、(D)アクリレートモノマーとして、以下の化合物の組み合わせを用いた。
(D2)アクリレートモノマー(トリプロピレングリコールジアクリレート)
(D3)アクリレートモノマー(フェノキシエチルアクリレート)
さらに、実施例5〜8において、(E)光重合開始剤として、以下の化合物の組み合わせを用いた。
(E2)光重合開始剤(CIBA(株)製、DAROCUR1173)
(E3)光重合開始剤(CIBA(株)製、IRGACURE907)
実施例9〜12において、導光板用紫外線硬化型インキにおける(B)アクリル樹脂の種類、(C)アクリルアミド系モノマーの種類、(D)アクリレートモノマーの種類、(E)光重合開始剤、(F)光拡散粉末の種類および配合割合の影響を検討した。
すなわち、(F)光拡散粉末として、以下の化合物を用いた。
(F2)酸化チタン(平均粒径0.15μm)
(F3)アクリル樹脂粉末(平均粒径6μm)
(F4)ウレタン樹脂粉末(平均粒径8μm)
それぞれ得られた結果を、表3に示す。
比較例2は、含水率は2重量%以下であるものの、導光板用紫外線硬化型インキの配合組成において、(B)アクリル樹脂および(C)アクリルアミド系モノマーの配合割合が相当少なく、(F)光拡散粉末を配合しない例であって、実施例1と同様に導光板用紫外線硬化型インキを作成し、評価した。得られた結果を表4に示す。
比較例3は、含水率は2重量%以下であるものの、導光板用紫外線硬化型インキの配合組成において、(B)アクリル樹脂、(C)アクリルアミド系モノマーおよび(F)光拡散粉末の配合割合が少ない例であるが、実施例1と同様に導光板用紫外線硬化型インキを作成し、評価した。得られた結果を表4に示す。
比較例4は、導光板用紫外線硬化型インキの配合組成において、(C)アクリルアミド系モノマーの配合割合が多く、含水率が多い例であるが、実施例1と同様に導光板用紫外線硬化型インキを作成し、評価した。得られた結果を表4に示す。
比較例5は、導光板用紫外線硬化型インキの配合組成において、(A)アクリレートオリゴマーとして、(A4)ポリウレタンアクリレートオリゴマーを用い、かつ、(C)アクリルアミド系モノマーの配合割合がより多く、含水率が多い例であるが、実施例1と同様に導光板用紫外線硬化型インキを作成し、評価した。得られた結果を表4に示す。
比較例6は、導光板用紫外線硬化型インキの配合組成において、(A)アクリレートオリゴマーとして、(A5)エポキシアクリレートオリゴマーを用い、かつ、(C)アクリルアミド系モノマーの配合割合がさらに多く、含水率が多い例であるが、実施例1と同様に導光板用紫外線硬化型インキを作成し、評価した。得られた結果を表4に示す。
したがって、そのような導光板用紫外線硬化型インキからなる光拡散パターンを備えた導光板であれば、携帯用ノートパソコンや大型液晶テレビ等に用いられる面光源装置(バックライトユニット)の導光板として、好適に適用されることが期待できる。
1a:側方端部
1b:基材(メタクリル樹脂基材)
2:光源
3:反射シート
4:拡散シート
6:光拡散パターン
10:面光源装置(バックライトユニット)
Claims (8)
- メタクリル樹脂基材を含む導光板における光拡散パターンを構成する導光板用紫外線硬化型インキであって、
(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーと、(B)アクリル樹脂と、(C)アクリルアミド系モノマーと、(D)(メタ)アクリレートモノマーと、(E)光重合開始剤と、(F)光拡散粉末と、を含有するとともに、
前記(A)ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、
前記(B)アクリル樹脂の配合量を20〜80重量部の範囲内の値とし、
前記(C)アクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部の範囲内の値とし、
前記(D)(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部の範囲内の値とし、
前記(E)光重合開始剤の配合量を8〜40重量部の範囲内の値とし、
前記(F)前記光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値とし、
かつ、含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする導光板用紫外線硬化型インキ。 - 前記(C)アクリルアミド系モノマーが、ジメチルアクリルアミドを含むことを特徴とする請求項1に記載の導光板用紫外線硬化型インキ。
- 前記(D)(メタ)アクリレートモノマーが、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導光板用紫外線硬化型インキ。
- 前記(B)アクリル樹脂が、モノマー成分の全体量に対して、(メタ)アクリレートモノマーを50重量%以上含むモノマー成分に由来したアクリル重合体であって、かつ、前記(メタ)アクリレートモノマーに可溶であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光板用紫外線硬化型インキ。
- 前記(B)アクリル樹脂の重量平均分子量を50,000〜150,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導光板用紫外線硬化型インキ。
- 前記光拡散粉末が、シリカ粉末、酸化チタン粉末、アクリル樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の導光板用紫外線硬化型インキ。
- メタクリル樹脂基材と、導光板用紫外線硬化型インキの紫外線硬化物からなる光拡散パターンと、を含む導光板であって、
前記導光板用紫外線硬化型インキが、(A)ポリエステルアクリレートオリゴマーと、(B)アクリル樹脂と、(C)アクリルアミド系モノマーと、(D)(メタ)アクリレートモノマーと、(E)光重合開始剤と、(F)光拡散粉末と、を含有するとともに、
(A)成分としての前記ポリエステルアクリレートオリゴマー100重量部に対して、
(B)成分としての前記アクリル樹脂の配合量を20〜80重量部の範囲内の値とし、
(C)成分としての前記アクリルアミド系モノマーの配合量を20〜60重量部の範囲内の値とし、
(D)成分としての前記(メタ)アクリレートモノマーの配合量を80〜340重量部の範囲内の値とし、
(E)成分としての前記光重合開始剤の配合量を8〜40重量部の範囲内の値とし、
(F)成分としての前記光拡散粉末の配合量を30〜150重量部の範囲内の値とし、
かつ、含水率を2重量%以下の値とすることを特徴とする導光板。 - 前記光拡散パターンにおける60°光沢度を30%以下の値とすることを特徴とする請求項7に記載の導光板。
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