JP2012007523A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012007523A
JP2012007523A JP2010143200A JP2010143200A JP2012007523A JP 2012007523 A JP2012007523 A JP 2012007523A JP 2010143200 A JP2010143200 A JP 2010143200A JP 2010143200 A JP2010143200 A JP 2010143200A JP 2012007523 A JP2012007523 A JP 2012007523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
water jacket
engine
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010143200A
Other languages
English (en)
Inventor
幸宏 ▲高▼橋
Yukihiro Takahashi
Shinichi Mitani
信一 三谷
Koichi Hoshi
幸一 星
Sachihisa Shinoda
祥尚 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP2010143200A priority Critical patent/JP2012007523A/ja
Publication of JP2012007523A publication Critical patent/JP2012007523A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる内燃機関の冷却装置を提供する。
【解決手段】エンジンシ冷却ステム1は、排気マニホルド110に設けられたウォータジャケット111に冷却水を循環させる冷却水循環流路22と、冷却水循環流路22から分岐してウォータジャケット111を迂回するバイパス流路23と、を有し、エンジン出力およびウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)に基づいて冷却水とウォータジャケット111との熱交換部の温度変化を予測し(Ti)、予測結果からウォータジャケット111を循環する冷却水量の増量必要性を判定する。冷却水量を増量させる必要があると判定すると、バイパス流路23に設けた制御弁24を閉弁して連通を遮断し、Wtを増加させて、排気マニホルド110を循環する冷却水の沸騰を抑制する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、内燃機関の冷却装置に関する。
従来、排気マニホルド一体型のシリンダヘッドを有する内燃機関が知られている。このような内燃機関は、排気マニホルドを好適に冷却するために、排気マニホルドにウォータジャケットを形成して冷却水を循環させる構成が広く採用されている。
このような内燃機関の冷却装置としては、シリンダヘッドと一体に形成された排気マニホルドに設けたウォータジャケットが、その内部を流れる冷却水が蛇行するように形成されることにより、冷却面積を増大させて冷却効率を高める技術が特許文献1に開示されている。
また、排気マニホルド一体型のシリンダヘッドにおいて、冷却水が排気マニホルドの壁面の外面側領域を通過するように形成された排気側流路と、排気側流路の流量を調整する流量調整手段とを設け、排気側流路を循環する冷却水が沸騰する可能性が所定レベルを超えたときに、流量調整手段によって排気側流路の流量を増加させることにより、シリンダヘッドの冷却効率を向上させる技術が特許文献2に開示されている。
特開2005−188351号公報 特開2009−191661号公報
内燃機関の冷却装置におけるウォータポンプは、内燃機関の回転と同期することで駆動する機械式が広く採用されている。このような機械式のウォータポンプは、ポンプ内部のインペラが回転することで冷却水を被冷却部へと供給するが、インペラ回転数は内燃機関の回転数に依存するため、内燃機関の回転数の変化に応じて冷却水の供給量が変化する。そのため、内燃機関の出力が高回転・高負荷側から低回転・低負荷側に大きく急変した場合、ウォータポンプのインペラ回転数が急低下するために被冷却部への冷却水の供給量が急激に減少する。特に、排気マニホルド一体型のシリンダヘッドを有する内燃機関の場合、ウォータポンプからの冷却水の供給量が急激に減少すると、排気マニホルドを循環する冷却水の温度が急上昇し沸騰する場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関の冷却装置は、内燃機関の排気マニホルドに形成されたウォータジャケットと、前記ウォータジャケットとラジエータとを経由して冷却水を循環させる冷却水循環流路と、を有する内燃機関の冷却装置であって、前記ウォータジャケットの冷却水入口側で前記冷却水循環流路と分岐して前記ウォータジャケットの冷却水出口側で前記冷却水循環流路と合流し、冷却水の一部を前記排気マニホルドを迂回して循環させるバイパス流路と、前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を制御するバイパス流量制御手段と、前記内燃機関の出力および前記ウォータジャケットを循環する冷却水量に基づいて、冷却水と熱交換する前記ウォータジャケットの熱交換部の温度変化を予測する予測手段と、前記予測手段の予測結果に基づいて、前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを判定する判定手段と、を備え、前記バイパス流量制御手段は、前記判定手段が前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があると判定した場合に、前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることを特徴とする。
上記の構成により、冷却水と熱交換するウォータジャケットの熱交換部の温度変化を予測し、予測結果からウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があると判定した場合に、バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることで、ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させることができる。よって、排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
特に、本発明の内燃機関の冷却装置は、前記予測手段が、前記内燃機関の出力および前記ウォータジャケットを循環する冷却水量に基づいて、前記内燃機関の定常運転状態における前記ウォータジャケットの熱交換部の温度、および前記内燃機関の非定常運転状態が収束した後の前記ウォータジャケットの熱交換部の温度を算出し、算出結果に基づいて冷却水と熱交換する前記ウォータジャケットの熱交換部の温度変化を予測することができる。
上記の構成により、内燃機関の定常運転状態および非定常運転状態が収束した後のウォータジャケットの熱交換部の温度の算出結果から、ウォータジャケットの熱交換部の温度変化を精度よく予測することができる。
また、本発明の内燃機関の冷却装置は、前記判定手段が、前記内燃機関の回転数が低下した場合に、前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを判定することができる。
上記の構成により、内燃機関の回転数が低下することでウォータポンプから供給される冷却水量が低下した場合に、ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを適切に判定することができる。
そして、本発明の内燃機関の冷却装置は、前記バイパス流量制御手段が、前記内燃機関の回転数が変化せずに出力が上昇した場合に、前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることができる。
上記の構成により、内燃機関の回転数が変化せずに出力が上昇した場合に、バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることで、ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させることができる。よって、排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
更に、本発明の内燃機関の冷却装置は、前記予測手段が、前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記内燃機関の出力を認識することができる。
上記の構成により、内燃機関の吸入空気量に基づいて、冷却水と熱交換するウォータジャケットの熱交換部の温度変化を精度よく予測し、予測結果からウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを適切に判定することができる。
本発明の内燃機関の冷却装置によれば、排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
実施例のエンジン冷却システムの一構成例を示した図である。 実施例のエンジンの一構成例を示した図である。 排気マニホルドのA−A断面図を示している。 冷却水量Wtおよびエンジン吸入空気量Gaとウォータジャケットの熱交換部の温度との相関を示している。 冷却水量Wtとウォータジャケットから排ガス流路までの厚さ係数および排気マニホルドの熱拡散率に基づく係数との相関を示している。 冷却水量Wtとウォータジャケットから排ガス流路までの厚さ係数および排気マニホルドの熱拡散率に基づく係数との相関を示している。 エンジンの減速運転時におけるウォータジャケットの熱交換部の温度変化を示している。 エンジンの加速運転時におけるウォータジャケットの熱交換部の温度変化を示している。 エンジンの減速運転時における制御弁の制御の一例を示している。 ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 ECUの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の内燃機関の冷却装置を組み込んだエンジン冷却システム1の一構成例を示した図である。なお、図1にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
図1に示すエンジン冷却システム1は、排気マニホルド110にウォータジャケット111が設けられたエンジン100を備えており、エンジン100を循環する冷媒(冷却水)を冷却するラジエータ21と、ラジエータ21とエンジン100とを循環する冷却水が流通する冷却水循環流路22を備えている。また、エンジン冷却システム1は、冷却水を循環させるウォータポンプ25と、冷却水循環流路22を流通する冷却水の温度を検出する水温センサ26を備えている。そして、エンジン冷却システム1は、冷却水循環流路22から分岐したバイパス流路23と、バイパス流路23を循環する冷却水量を制御する制御弁24を備えている。更に、エンジン冷却システム1は、システムの運転動作を総括的に制御するECU(Electronic Control Unit)10を備えている。
図2は、実施例のエンジン100の一構成例を示した図である。エンジン100は、車両に搭載される多気筒の火花点火式ガソリンエンジンであって、各気筒は燃焼室11を構成するピストン12を備えている。各燃焼室11のピストン12はそれぞれコネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている。
吸気ポートから燃焼室11内へ流入した混合ガスは、ピストン12の上昇運動により燃焼室11内で圧縮される。ECU10は、クランク角センサ31からのピストン12の位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、点火タイミングを決定しイグナイタに信号を送る。イグナイタはECU10の信号に従って、指示された点火タイミングでバッテリからの電力を点火プラグに通電する。点火プラグはバッテリからの電力により点火し、圧縮混合ガスを着火させて、燃焼室11内を膨張させピストン12を下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン100は動力を得る。
この場合、エンジン100は、火花点火式ガソリンエンジンに限られず、ガソリンとアルコールとを任意の割合で混合した燃料を使用するフレキシブルフューエルエンジンであってもよいし、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであってもよい。
なお、エンジン100は、本発明の内燃機関の一構成例である。
エンジン100の燃焼室11の周辺にはウォータジャケット101が設けられている。ウォータジャケット101は冷却水循環流路22と連通しており、その内部を燃焼室11等を冷却するための冷却水が循環している。本実施例の冷却水として、例えば、エチレングリコール水溶液からなる一般的なLLC(Long Life Coolant)を用いることができるが、その他の冷媒を使用してもよい。
そして、ウォータジャケット101には冷却水の温度を測定するための水温センサ32が設けられており、ウォータジャケット101内部の冷却水温の検出結果をECU10へ送信する。この場合、水温センサ32は、エンジン100内部を循環する冷却水の温度を検出可能な任意の位置に設けることができる。
各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する吸気ポート13が接続されており、更に、各吸気ポート13にはサージタンク14が連結している。また、各気筒の燃焼室11には、それぞれ燃焼室11と連通する排気ポート16が接続されており、更に、各排気ポート16を通じて排出される排ガスを集合させる排気マニホルド110が形成されている。
サージタンク14の上流側には吸気通路15が接続されている。吸気通路15には、エアフロメータ33、吸気温センサ34、スロットルバルブ18およびスロットルポジションセンサ35が設置されている。エアフロメータ33、吸気温センサ34およびスロットルポジションセンサ35は、それぞれ吸気通路15を通過する吸気流量、吸入空気の温度およびスロットルバルブ18の開度を検出し、検出結果をECU10に送信する。ECU10は、送信された検出結果に基づいて吸気ポート13および燃焼室11へ導入される吸入空気量(Ga)を認識し、予め記憶した吸入空気量Gaとエンジン出力との相関マップからエンジン100の出力を求める。
スロットルバルブ18は、ステップモータを用いたスロットルバイワイヤ方式を適用することが好ましいが、例えばステップモータの代わりにワイヤなどを介してアクセルペダル(図示しない)と連動し、スロットルバルブ18の開度が変更されるような機械式スロットル機構を適用することもできる。
排気マニホルド110は、エンジン100のシリンダヘッドと一体に形成されており、各排気ポート16と連結した排ガス流路112を有している。排ガス流路112は、その下流側で1本に合流して排気通路17と連結する。
排気マニホルド110には、その内部にウォータジャケット111が形成されている。図3は、排気マニホルド110のA−A断面図を示している。ウォータジャケット111は、入水部113および出水部114にて冷却水循環流路22と連通している。ウォータポンプ25から供給された冷却水は、入水部113からウォータジャケット111に浸入し、排気マニホルド110と熱交換した後に、出水部114から冷却水循環流路22に流れる。
本実施例においては、システムを循環する冷却水と熱交換する排気マニホルド110の部分、すなわち、冷却水と接するウォータジャケット111の伝熱面を、熱交換部と定義する。
図1に戻り、ラジエータ21は、上部タンク、ラジエータコア、下部タンクで構成されている放熱器である。エンジン100の各部と熱交換して高温になった冷却水は、冷却水循環流路22を流通してラジエータ21の上部タンクに導かれ、ラジエータコアを通過する。ラジエータコアは、高温の冷却水がラジエータコアを通過する際に熱を奪って空気中に放熱するものであって、放熱効率を向上させるために多数のフィンが設けられている。ラジエータコアで冷却された冷却水は、下部タンクから冷却水循環流路22を流通して再びエンジン100へ供給される。
冷却水循環流路22は、ラジエータ21の下部タンクと排気マニホルド110の入水部113とを連通させており、ラジエータ21で冷却された冷却水をウォータジャケット111へと循環させる。また、冷却水循環流路22は、排気マニホルド110の出水部114とエンジン100のウォータジャケット101とを連通させており、排気マニホルド110と熱交換した冷却水をウォータジャケット101へと循環させる。更に、冷却水循環流路22は、ウォータジャケット101とラジエータ21の上部タンクとを連通させており、エンジン100と熱交換した冷却水をラジエータ21へと循環させる。
ウォータポンプ25は、ラジエータ21の下部タンクと排気マニホルド110の入水部113との間の冷却水循環流路22に設けられている。ウォータポンプ25は、エンジン100のクランクシャフト軸の回転力をベルトによって伝達されることで内部のインペラが回転駆動し、その駆動力によって冷却水をラジエータ21側からウォータジャケット111側に循環させる。
この場合、ウォータポンプ25は、上記の位置に限られずに、適切にエンジン冷却システム1に冷却水を循環させることができる任意の位置に設置することができる。また、ウォータポンプ25は、エンジン回転力のインペラへの伝達率を調整可能なクラッチ機構を備えてもよいし、エンジンの回転力を伝達されることで駆動する機械式に限られずに、電動モータ等によって駆動する電動式であってもよい。
バイパス流路23は、ウォータポンプ25と排気マニホルド110の入水部113との間で冷却水循環流路22から分岐し、排気マニホルド110の出水部114とウォータジャケット101との間で冷却水循環流路22に合流する。これにより、冷却水循環流路22を循環する冷却水の一部がバイパス流路23を経由して循環する、すなわち、排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環する。
バイパス流路23には、制御弁24が設けられている。制御弁24は、シャッタ式の電磁弁であって、ECU10の指令に従って弁を開放または閉鎖する。制御弁24を開放するとバイパス流路23が連通し、エンジン冷却システム1を循環する冷却水の一部が排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由せずにバイパス流路23を経由して循環する。一方、制御弁24を閉鎖するとバイパス流路23の連通が遮断され、エンジン冷却システム1を循環する冷却水が全て排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する。
この場合、制御弁24は、シャッタ式の電磁弁に限られずに、バイパス流路23の連通・遮断を制御可能な任意の構成を採用することができる。また、制御弁24は、例えばバタフライバルブ等の弁開度を任意に調整可能な構成を採用することで、バイパス流路23を経由して循環する冷却水の流量を任意に調整する形式であってもよい。
なお、制御弁24は、本発明のバイパス流量制御手段の一構成例である。
冷却水循環流路22には、水温センサ26が設けられている。水温センサ26は、排気マニホルド110の出水部114とエンジン100のウォータジャケット101との間に設けられており、ウォータジャケット111およびバイパス流路23を流通した後の冷却水温の検出結果をECU10へ送信する。
この場合、水温センサ26は、上記の位置に限られずに、冷却水循環流路22を循環する冷却水温を適切に検出することができる任意の位置に設置することができる。
ECU10は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。ECU10は、エンジン100の各部に備えられたクランク角センサ31、水温センサ32、エアフロメータ33等の複数のセンサの検出結果を読み込み、それら検出結果に基づいてエンジン100の運転動作を統合的に制御する。
更に、ECU10は、エンジン100の出力およびウォータジャケット111を循環する冷却水量に基づいて、冷却水と熱交換するウォータジャケット111の熱交換部の温度変化を予測し、予測結果に基づいてウォータジャケット111を循環する冷却水量の増量必要性を判定する。そして、ECU10は、冷却水の増量必要性の判定結果に基づいて、制御弁24の開弁および閉弁制御を実行する。以下に、ECU10が実行する制御について説明する。
ECU10は、エンジン100の運転中(イグニッションスイッチON中)にエンジン100の出力変化を認識し、認識したエンジン100の出力変化からエンジン100が定常運転状態にあるか非定常運転状態(加速運転状態または減速運転状態)にあるかを判断する。具体的には、例えば、ECU10は、クランク角センサ31が検出するエンジン回転数およびトルクからエンジン100の出力を算出し、算出した出力の所定時間当たりの変化量を求める。ECU10は、求めた出力の所定時間当たりの変化量が所定値未満である場合、エンジン100が定常運転状態にあると判断する。また、ECU10は、求めた出力の所定時間当たりの変化量が所定値以上である場合は、エンジン100が非定常運転状態にあると判断する。ここで、出力の所定時間当たりの変化量の所定値は、エンジン100が加速運転状態または減速運転状態にあると判断できる任意の値を適用することができる。
この場合、エンジン100の出力変化は、エンジン回転数およびトルクに限られずに、吸入空気量(Ga)や筒内圧力等の他のパラメータに基づいて求めても良い。
ECU10は、エンジン100が定常運転状態にあると判断した場合に、定常運転状態におけるウォータジャケット111の熱交換部の温度(Tb)を算出する。一方、ECU10は、エンジン100が非定常運転状態にあると判断した場合に、非定常運転状態が収束した(非定常運転状態から定常運転状態になった)後のウォータジャケット111の熱交換部の温度(Ta)を算出する。熱交換部の温度TbおよびTaは、例えば、下記(1)式から算出することができる。
[熱交換部の温度算出式]
T(Ga,Wt)=α×Gaβ ・・・(1)
(Ga:エンジン吸入空気量,Wt:排気マニホルドのウォータジャケットを循環する冷却水量)
上記(1)式のαは、下記(2)式から算出する。
α=−ξ×Wt+K ・・・(2)
(ξ:ウォータジャケットから排ガス流路までの厚さ係数,K:排気マニホルドの熱拡散率に基づく係数)
また、上記(1)式のβは、下記(3)式から算出する。
β=γ×Wt+L ・・・(3)
(γ:ウォータジャケットから排ガス流路までの厚さ係数,L:排気マニホルドの熱拡散率に基づく係数)
図4は、冷却水量Wtおよびエンジン吸入空気量Gaとウォータジャケット111熱交換部の温度との相関を示している。エンジン100の吸入空気量(Ga)はエンジン出力に対応しており、また、エンジン出力と排気マニホルド110の温度が対応している。よって、ウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)が一定の場合、冷却水と熱交換するウォータジャケット111の熱交換部の温度はGaに依存する。また、Wtが少ないほど熱交換性能が低下するため、Gaが一定の場合、冷却水と熱交換するウォータジャケット111の熱交換部の温度はWtに依存する。このように、冷却水と熱交換するウォータジャケット111の熱交換部の温度は、GaおよびWtの関数で表すことができる。なお、(1)式におけるαは、冷却水量Wtとウォータジャケット111から排ガス流路112までの厚さ係数および排気マニホルド110の熱拡散率に基づく係数との一次関数から求められる係数である(図5参照)。同様に、(1)式におけるβは、冷却水量Wtとウォータジャケット111から排ガス流路112までの厚さ係数および排気マニホルド110の熱拡散率に基づく係数との一次関数から求められる係数である(図6参照)。
この場合、TbおよびTaを算出するにあたり、吸入空気量Gaに変えて、他のエンジン出力パラメータ(筒内圧力、回転数、トルク等)を適用することもできる。また、排気マニホルド110のウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)は、例えば、クランク角センサ31が検出するエンジン回転数からウォータポンプ25のインペラ回転数を認識し、予め記憶したインペラ回転数とWtとの相関マップから求めることができる。そして、例えば、ウォータジャケット111または排気マニホルド110近傍の冷却水循環流路22に流量センサを設置することで、直接Wtを求めることもできる。
つづいて、ECU10は、エンジン100が非定常運転状態にあると判断した場合に、エンジン100が減速運転状態であるか(加速運転状態でないか)否かを判断する。具体的には、例えば、上記のクランク角センサ31が検出するエンジン回転数の所定時間当たりの変化量がプラス量である(エンジン回転数が上昇した)場合に減速運転状態でない(加速運転状態である)と判断する。また、エンジン回転数の所定時間当たりの変化量がマイナス量である(エンジン回転数が低下した)場合に減速運転状態であると判断することができる。この場合、ECU10は、他のパラメータ(例えば、筒内圧力やトルクの変化量の正負)に基づいて、エンジン100が減速運転状態であるか否かを判断することもできる。
ECU10は、エンジン100が減速運転状態にあると判断すると、算出したTbおよびTaから、減速運転状態(非定常運転状態)が開始されてからの経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度(Ti)を算出する。経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度Tiは、例えば、下記(4)式から算出する。
[エンジンの減速運転時における熱交換部の予測温度の算出式]
Ti=Tb+(Ta−Tb)×Fb(t) ・・・(4)
上記(4)式のFb(t)は、下記(5)式から算出する。
Fb(t)=A/exp(t) ・・・(5)
(A:係数,t:非定常運転状態が開始されてからの経過時間)
図7は、エンジン100の減速運転時におけるウォータジャケット111の熱交換部の温度変化を示している。エンジン100の減速運転時にはエンジン出力が低下する、すなわち吸入空気量(Ga)が低下する。また、エンジン100の減速運転時にはエンジン回転数が低下する、すなわちウォータポンプ25のインペラ回転数が低下し、ウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)が低下する。そのため、エンジン100の減速運転時には、Gaの低下による熱交換部の温度低下、およびWtの低下による熱交換性能の低下によって、熱交換部の温度がTbからTaに向かって(4)式に沿って曲線的に低下する。
一方、ECU10は、エンジン100が減速運転状態にない(加速運転状態にある)と判断すると、つづいて、エンジン100の回転数が上昇中であるか否かを判断する。ECU10は、エンジン100の回転数が上昇中であると判断すると、エンジン回転数の上昇に伴ってWtが増加することで充分な量の冷却水が排気マニホルド110のウォータジャケット111を循環していると判断する。そして、ECU10は、バイパス流路23を連通させるよう制御弁24に指令し、冷却水の一部を排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環させる。
ECU10は、エンジン100の回転数が上昇中でないと判断すると、エンジン出力の増加に対してWtが変化しないためにウォータジャケット111を循環する冷却水量が充分でない(すなわち、冷却水の温度が急上昇する可能性がある)と判断する。そして、ECU10は、バイパス流路23の連通を遮断させるよう制御弁24に指令し、排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する冷却水量を増量させる。
エンジン100が加速運転状態にあると判断した場合について説明する。制御弁24の開閉を制御すると、ECU10は、算出したTbおよびTaから、加速運転状態(非定常運転状態)が開始されてからの経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度(Ti)を算出する。経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度Tiは、例えば、下記(6)式から算出する。
[エンジンの加速運転時における熱交換部の予測温度の算出式]
Ti=Tb+(Ta−Tb)×Fa(t) ・・・(6)
上記(6)式のFb(t)は、下記(7)式から算出する。
Fa(t)=1−B/exp(t) ・・・(7)
(B:係数,t:非定常運転状態が開始されてからの経過時間)
図8は、エンジン100の加速運転時におけるウォータジャケット111の熱交換部の温度変化を示している。エンジン100の加速運転時にはエンジン出力が上昇する、すなわち吸入空気量(Ga)が上昇する。また、エンジン100の加速運転時にはエンジン回転数が上昇する、すなわちウォータポンプ25のインペラ回転数が上昇し、ウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)が増加する。そのため、エンジン100の加速運転時には、Gaの上昇による熱交換部の温度上昇、およびWtの上昇による熱交換性能の上昇によって、熱交換部の温度がTbからTaに向かって(6)式に沿って曲線的に上昇する。
エンジン100が減速運転状態にない(加速運転状態にある)と判断した場合、ECU10は、(6)〜(7)式から算出した熱交換部の予測温度Tiをウォータジャケット111の熱交換部の温度(Tb)と認識し、上記の制御を繰り返す。
エンジン100が減速運転状態にあると判断した場合について説明する。ECU10は、エンジン100が減速運転状態にあると判断した場合、(4)〜(5)式から算出したTiと減速運転状態が収束した後の熱交換部の温度(Ta)との差分の絶対値が、所定のしきい値以上であるか否かを判断する。ここで、所定のしきい値は、予め台上試験等で求めたウォータジャケット111を循環する冷却水が沸騰する可能性があると判断できる任意の値を適用することができる。
ECU10は、TiとTaとの差分の絶対値が所定のしきい値以上でないと判断した場合、ウォータジャケット111を循環する冷却水が沸騰する可能性が低いために、冷却水量を増量させる必要がないと判定する。また、ECU10は、TiとTaとの差分の絶対値が所定のしきい値以上であると判断した場合、ウォータジャケット111を循環する冷却水が沸騰する可能性があるために、冷却水量を増量させる必要があると判定する。
ECU10は、ウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要がないと判定すると、バイパス流路23を連通させるよう制御弁24に指令し、冷却水の一部を排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環させる。
一方、ECU10は、ウォータジャケット111を循環する冷却水を増量させる必要があると判定すると、バイパス流路23の連通を遮断するよう制御弁24に指令し、排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する冷却水量を増量させる。
図9は、エンジン100の減速運転時における制御弁24の制御の一例を示している。エンジンの減速運転時において、エンジンの出力が高回転・高負荷側から低回転・低負荷側に大きく急変した場合(すなわち、TbとTaとの差分の絶対値が大きい場合)、ウォータポンプのインペラ回転数が急低下するために、排気マニホルドのウォータジャケットを循環する冷却水量が急激に減少する。そのため、排気マニホルドを循環する冷却水の温度が急上昇し、それによって冷却水が沸騰する場合がある。
この場合、本実施例のエンジン冷却システム1によれば、エンジン出力(例えばGa)およびウォータジャケット111を循環する冷却水量(Wt)に基づいて、熱交換部の温度変化を予測し(Ti)、予測結果からウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを適切に判定することができる。そして、ウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要があると判定した場合に、バイパス流路23の連通を遮断することで、ウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させることができる。よって、ウォータジャケット111の熱交換部の実温度(T)が急激に上昇することを抑制することができることから、排気マニホルド110を循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
なお、ECU10は、本発明の予測手段、判定手段、バイパス流量制御手段の一構成例である。
つづいて、ECU10の制御の流れに沿って、エンジン冷却システム1の動作を説明する。図10は、ECU10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例のエンジン冷却システム1は、吸入空気量Gaおよび冷却水量Wtに基づいて、冷却水と熱交換するウォータジャケット111の熱交換部の温度変化を予測し(Ti)、予測結果に基づいてウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを判定する。そして、冷却水量の増加必要性の判定結果に基づいて、制御弁24の開弁および閉弁制御を実行する。
ECU10の制御は、イグニッションスイッチがONされてエンジン100が始動されると開始し、エンジン100の運転中に以下の制御の処理を繰り返す。また、ECU10は、その制御の処理中、クランク角センサ31、エアフロメータ33、吸気温センサ34およびスロットルポジションセンサ35の検出結果を常に受信する。
まず、ECU10はステップS1で、クランク角センサ31の検出結果に基づきエンジン100の出力変化を認識し、認識したエンジン100の出力変化からエンジン100が非定常運転状態(加速運転状態または減速運転状態)にあるか否かを判断する。なお、非定常運転状態にあるか否かの判断方法については上述したために、その詳細な説明は省略する。エンジン100が非定常運転状態にある場合(ステップS1/YES)、ECU10は、ステップS3へ進む。エンジン100が非定常運転状態にない場合(ステップS1/NO)は、ECU10は、エンジン100が定常運転状態にあると判断し、次のステップS2へ進む。
ステップS2で、ECU10は、上記(1)〜(3)式からエンジン100の定常運転状態におけるウォータジャケット111の熱交換部の温度(Tb)を算出する。ECU10は、ステップS2の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS1の判断がYESの場合、ECU10はステップS3へ進む。ステップS3で、ECU10は、上記(1)〜(3)式からエンジン100の非定常運転状態が収束した(非定常運転状態から定常運転状態になった)後のウォータジャケット111の熱交換部の温度(Ta)を算出する。ECU10は、ステップS3の処理を終えると、次のステップS4へ進む。
ステップS4で、ECU10は、クランク角センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100が減速運転状態であるか(加速運転状態でないか)否かを判断する。エンジン100が減速運転状態である場合(ステップS4/YES)、ECU10は、ステップS10へ進む。エンジン100が減速運転状態でない(加速運転状態である)場合(ステップS4/NO)は、ECU10は、次のステップS5へ進む。
ステップS5で、ECU10は、クランク角センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100の回転数が上昇中であるか否かを判断する。エンジン100の回転数が上昇中でない場合(ステップS5/NO)、ECU10は、ウォータジャケット111を循環する冷却水量が充分でないために、冷却水の温度が急上昇する可能性があると判断し、ステップS7へ進む。エンジン100の回転数が上昇中である場合(ステップS5/YES)は、ECU10は、充分な量の冷却水が排気マニホルド110のウォータジャケット111を循環していると判断し、次のステップS6へ進む。
ステップS6で、ECU10は、バイパス流路23を連通させるよう制御弁24に指令し、冷却水の一部を排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環させる。ECU10は、ステップS6の処理を終えると、ステップS8へ進む。
ステップS5の判断がNOの場合、ECU10はステップS7へ進む。ステップS7で、ECU10は、バイパス流路23の連通を遮断させるよう制御弁24に指令し、排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する冷却水量を増量させる。ECU10は、ステップS7の処理を終えると、ステップS8へ進む。
ステップS8で、ECU10は、ステップS2で算出したTbおよびステップS3で算出したTaに基づき、上記(6)〜(7)式から加速運転状態(非定常運転状態)が開始されてからの経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度(Ti)を算出する。ECU10は、ステップS8の処理を終えると、次のステップS9へ進む。
ステップS9で、ECU10は、ステップS8で算出したTiをウォータジャケット111の熱交換部の温度(Tb)であると認識する。ECU10は、ステップS9の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS4の判断がYESの場合、ECU10はステップS10へ進む。ステップS10で、ECU10は、ステップS2で算出したTbおよびステップS3で算出したTaに基づき、上記(4)〜(5)式から減速運転状態(非定常運転状態)が開始されてからの経過時間tにおけるウォータジャケット111の熱交換部の予測温度(Ti)を算出する。ECU10は、ステップS10の処理を終えると、次のステップS11へ進む。
ステップS11で、ECU10は、ステップS10で算出したTiとステップS3で算出したTaとの差分を求め、求めた差分の絶対値が所定のしきい値以上であるか否かを判断する。ここで、所定のしきい値については上述したために、その詳細な説明は省略する。TiとTaとの差分の絶対値が所定のしきい値以上である場合(ステップS11/YES)、ECU10は、ウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要があると判定し、ステップS13へ進む。TiとTaとの差分の絶対値が所定のしきい値以上でない(所定のしきい値未満である)場合(ステップS11/NO)は、ECU10は、ウォータジャケット111を循環する冷却水量を増量させる必要がないと判定し、次のステップS12へ進む。
ステップS12で、ECU10は、バイパス流路23を連通させるよう制御弁24に指令し、冷却水の一部を排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環させる。ECU10は、ステップS12の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS11の判断がYESの場合、ECU10はステップS13へ進む。ステップS13で、ECU10は、バイパス流路23の連通を遮断するよう制御弁24に指令し、排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する冷却水量を増量させる。ECU10は、ステップS13の処理を終えると、制御の処理を終了する。
この制御を実行することで、エンジン100の運転領域が高回転・高負荷側から低回転・低負荷側に急激に変化した場合においても、排気マニホルド110のウォータジャケット111に充分な量の冷却水を循環させることができる。よって、排気マニホルド110を循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
以上のように、本実施例のエンジン冷却システムは、排気マニホルドに設けられたウォータジャケットに冷却水を循環させる冷却水循環流路と、冷却水循環流路から分岐してウォータジャケットを迂回するバイパス流路と、を有し、エンジン出力およびウォータジャケットを循環する冷却水量に基づいて冷却水とウォータジャケットとの熱交換部の温度変化を予測し、予測結果からウォータジャケットを循環する冷却水量の増量必要性を判定する。冷却水量を増量させる必要があると判定すると、バイパス流路に設けた制御弁を閉弁して連通を遮断し、排気マニホルドのウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる。よって、排気マニホルドを循環する冷却水の沸騰を抑制することができる。
つづいて、本発明の実施例2について説明する。本実施例のエンジン冷却システム2は、実施例1の制御に加えて、エンジン100の冷間始動時にバイパス流路23の連通を遮断する制御を実行する点でエンジン冷却システム1と相違している。
以下に、ECU10の制御の流れに沿って、エンジン冷却システム2の動作を説明する。図11は、ECU10の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例のエンジン冷却システム2は、エンジン100の始動時において、システムを循環する冷却水が所定温度以上になるまでバイパス流路23に設けられた制御弁24を閉弁する制御を実行する。
ECU10の制御は、イグニッションスイッチがONされてエンジン100が始動されると開始し、エンジン100の運転中に以下の制御の処理を繰り返す。また、ECU10は、その制御の処理中、水温センサ26の検出結果を常に受信する。
まず、ECU10はステップS14で、水温センサ26の検出結果に基づいて、システムを循環する冷却水の温度が所定のしきい値以上であるか否かを判断する。ここで、冷却水の温度のしきい値とは、エンジン100の暖機運転が終了したと判断できる充分に高い温度を適用し、例えば85℃に設定することができる。冷却水の温度が所定のしきい値以上でない(所定のしきい値未満である)場合(ステップS14/NO)、ECU10は、エンジン100の暖機運転が終了していないと判断し、ステップS16へ進む。冷却水の温度が所定のしきい値以上である場合(ステップS14/YES)は、ECU10は、エンジン100の暖機運転が終了したと判断し、次のステップS15へ進む。
ステップS15で、ECU10は、バイパス流路23を連通させるよう制御弁24に指令し、冷却水の一部を排気マニホルド110のウォータジャケット111を迂回して循環させる。ECU10は、ステップS15の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS14の判断がNOの場合、ECU10はステップS16へ進む。ステップS16で、ECU10は、バイパス流路23の連通を遮断するよう制御弁24に指令し、排気マニホルド110のウォータジャケット111を経由して循環する冷却水量を増量させる。ECU10は、ステップS16の処理を終えると、制御の処理を終了する。
この制御を実行することで、エンジン100の冷間始動時に、冷却水を高温の排気マニホルド110を経由して循環させて、システムを循環する冷却水の温度をより早く上昇させることができる。よって、エンジン100の暖機性能を向上させることができる。また、上記の制御は、エンジン100の始動時に限られずに、エンジン100の運転中に随時実行することができる。
この場合、ECU10は、水温センサ26に限られずに、燃焼室11近傍のウォータジャケット101に設けられた水温センサ32の検出結果に基づいて、システムを循環する冷却水の温度を認識しても良い。
以上のように、本実施例のエンジン冷却システムは、エンジンの始動時にシステムを循環する冷却水が所定温度以上になるまでバイパス流路に設けられた制御弁を閉弁し、システムを循環する冷却水の温度をより早く上昇させて、エンジンの暖機性能を向上させることができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1,2 エンジン冷却システム
10 ECU(予測手段,判定手段,冷却水流量制御手段)
21 ラジエータ
22 冷却水循環流路
23 バイパス流路
24 制御弁(冷却水流量制御手段)
25 ウォータポンプ
26 水温センサ
100 エンジン
110 排気マニホルド
111 ウォータジャケット
112 排ガス流路
113 入水部
114 出水部

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気マニホルドに形成されたウォータジャケットと、前記ウォータジャケットとラジエータとを経由して冷却水を循環させる冷却水循環流路と、を有する内燃機関の冷却装置であって、
    前記ウォータジャケットの冷却水入口側で前記冷却水循環流路と分岐して前記ウォータジャケットの冷却水出口側で前記冷却水循環流路と合流し、冷却水の一部を前記排気マニホルドを迂回して循環させるバイパス流路と、
    前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を制御するバイパス流量制御手段と、
    前記内燃機関の出力および前記ウォータジャケットを循環する冷却水量に基づいて、冷却水と熱交換する前記ウォータジャケットの熱交換部の温度変化を予測する予測手段と、
    前記予測手段の予測結果に基づいて、前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを判定する判定手段と、を備え、
    前記バイパス流量制御手段は、前記判定手段が前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があると判定した場合に、前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記予測手段は、前記内燃機関の出力および前記ウォータジャケットを循環する冷却水量に基づいて、前記内燃機関の定常運転状態における前記ウォータジャケットの熱交換部の温度、および前記内燃機関の非定常運転状態が収束した後の前記ウォータジャケットの熱交換部の温度を算出し、算出結果に基づいて冷却水と熱交換する前記ウォータジャケットの熱交換部の温度変化を予測することを特徴とする請求項1項記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記判定手段は、前記内燃機関の回転数が低下した場合に、前記ウォータジャケットを循環する冷却水量を増量させる必要があるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記バイパス流量制御手段は、前記内燃機関の回転数が変化せずに出力が上昇した場合に、前記バイパス流路を循環する冷却水の流量を減少させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 前記予測手段は、前記内燃機関の吸入空気量に基づいて、前記内燃機関の出力を認識することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の内燃機関の冷却装置。
JP2010143200A 2010-06-23 2010-06-23 内燃機関の冷却装置 Withdrawn JP2012007523A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143200A JP2012007523A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 内燃機関の冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143200A JP2012007523A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 内燃機関の冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012007523A true JP2012007523A (ja) 2012-01-12

Family

ID=45538346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010143200A Withdrawn JP2012007523A (ja) 2010-06-23 2010-06-23 内燃機関の冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012007523A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104696056A (zh) * 2015-03-03 2015-06-10 江苏上淮动力有限公司 一种快速热机及控制发动机排气管温度的装置和方法
CN105386847A (zh) * 2014-08-22 2016-03-09 通用汽车环球科技运作有限责任公司 用于内燃发动机的灵活的发动机金属升温系统和方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105386847A (zh) * 2014-08-22 2016-03-09 通用汽车环球科技运作有限责任公司 用于内燃发动机的灵活的发动机金属升温系统和方法
US9869223B2 (en) 2014-08-22 2018-01-16 GM Global Technology Operations LLC Flexible engine metal warming system and method for an internal combustion engine
CN104696056A (zh) * 2015-03-03 2015-06-10 江苏上淮动力有限公司 一种快速热机及控制发动机排气管温度的装置和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9404410B2 (en) Controller for engine cooling system
US20160363038A1 (en) Heat exchange apparatus of vehicle
US6343572B1 (en) Method for regulating heat in an internal combustion engine
US8347846B2 (en) Control device for internal combustion engine
US10519875B2 (en) Diagnostic device
US8046150B2 (en) Engine cooling system diagnostic for applications with two coolant sensors
US20120216761A1 (en) Cooling device for engine
US10605150B2 (en) Cooling device for internal combustion engine of vehicle and control method thereof
JP6645459B2 (ja) 車載内燃機関の冷却液循環システム
JP2009257198A (ja) 内燃機関の診断装置
US20160123214A1 (en) System and method for controlling water pump of vehicle having water-cooled intercooler
BR102015031167B1 (pt) Dispositivo de controle para motor de combustão interna
US20130247848A1 (en) Engine cooling apparatus
JP7356407B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP2012007523A (ja) 内燃機関の冷却装置
WO2009113366A1 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP2010285894A (ja) 内燃機関の冷却装置
CN114738099B (zh) 用于涡轮增压发动机的冷却装置
US9551270B2 (en) Control device for coolant flow in an internal combustion engine
JP2012072669A (ja) 内燃機関制御システム
CN113027592A (zh) 内燃发动机冷却剂流量控制
JP5358312B2 (ja) 冷却装置
US10378422B2 (en) Thermostat abnormality determining device
JP2020008024A (ja) 車載内燃機関の冷却液循環システム
WO2019138582A1 (ja) 冷却システム及び冷却システムの制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130903