JP2012006111A - 研削機用砥石および研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被研削物を良好に研削することができる研削機用砥石および研削方法を提供する。
【解決手段】研削機用砥石は、外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能な研削機用砥石であって、表面を有する台金と、台金の表面上に配置された環状の砥石120とを備える。砥石120は複数のスリット122を有し、研削機用砥石を回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角である。
【選択図】図3
【解決手段】研削機用砥石は、外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能な研削機用砥石であって、表面を有する台金と、台金の表面上に配置された環状の砥石120とを備える。砥石120は複数のスリット122を有し、研削機用砥石を回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角である。
【選択図】図3
Description
本発明は研削機用砥石および研削方法に関し、より特定的には、外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能である研削機用砥石およびそれを用いた研削方法に関する。
半導体基板、金属板、セラミック板などの研削には、研削機用砥石が用いられる。このような研削機用砥石は、たとえば特許第3978118号公報(特許文献1)、特開2000−94342号公報(特許文献2)、特開2004−330401号公報(特許文献3)、特開2001−219377号公報(特許文献4)などに開示されている。
図13は、特許文献1のカップホイール型砥石の斜視図である。上記特許文献1は、図13に示すように、環状の周壁5aとその下面に扇状の砥石片5dを環状に接着剤で隣接する砥石片間に研削液の流通するスリット5fを形成させるようにして固定したカップホイール型砥石が開示されている。
図14は、特許文献2のカップホイール型砥石の周壁頂面に設けられた環状砥石のスリットの状態を示す部分上面図である。上記特許文献2には、図14に示すように、環状の周壁と、その一端に設けられた底壁とを備えたカップ状台金の周壁の底壁とは反対面の上面に環状砥石55を固定したカップホイール型砥石が開示されている。このカップホイール型砥石の周壁および該周壁と同心に設けられた環状溝が共有する軸心と該軸心に直行する環状砥石55の起立面に対し、軸心側から砥石55外側に向かって45度傾斜した研削液排出用スリット58が等間隔に設けられている。上記特許文献2には、スリットの角度が30〜60度の場合、カップホイール型砥石の回転による遠心力により該スリットを経て研削液、研削屑が砥石周壁外に効率よく排出されることが記載されている。
図15および図16は、特許文献3の砥石部材の配設形状を示す平面図である。上記特許文献3には、図15および図16に示すように、多数の超砥粒が結着剤によって結合された複数の砥石部材16(46)が台金12の表面の所定位置に固着され、かつ複数の砥石部材16の所定の一面上に位置する端面で研削面が構成された超砥粒ホイールが開示されている。この砥石部材16は、図15に示すように、台金12の径方向および周方向に対してそれぞれ一定の角度だけ傾斜した向きで、あるいは、図16に示すように、周方向において相互に隣接する砥石部材16の傾斜方向が相互に反対となるように固着されている。
図17は、特許文献4のビトリファイドボンド超砥粒ホイールを示す斜視図である。上記特許文献4には、図17に示すように、砥石軸と平行な軸を有する、回転可能なワークテーブルを備えたインフィード切り込み方式の平面研削盤に装着されるカップ型ビトリファイドボンド超砥粒ホイールPが開示されている。この超砥粒ホイールPの超砥粒層1は円柱状またはパイプ状に形成され、相互に隙間をあけて台金2の表面に固着されている。
上記特許文献1のカップホイール型砥石のスリット5fは、図13に示すように、砥石回転方向に対して直角をなす形状である。
上記特許文献2では、図14に示すように、カップホイール型砥石の内側から外側に研削液を排出するようにスリット58が形成されている。このため、上記特許文献2のカップホイール型砥石のスリット58は、砥石回転方向に対して後方側に傾斜した形状である。
上記特許文献3の超砥粒ホイールにおいて、図15に示すように、台金の径方向および周方向に対してそれぞれ一定の角度だけ傾斜した向きで固着された砥石部材16の隙間は、上記特許文献2と同様に砥石回転方向に対して後方側に傾斜した形状である。また、上記特許文献3の超砥粒ホイールにおいて、図16に示すように、周方向において相互に隣接する砥石部材16の傾斜方向が相互に反対となるように固着された砥石部材16を備える超砥粒ホイールは、砥石回転方向に対して後方側および前方側に交互に傾斜した形状である。
上記特許文献4では、図17に示すように、カップ型ビトリファイドボンド超砥粒ホイールPの超砥粒層1の隙間は、超砥粒ホイールPの回転方向に対して種々の方向を向いている。
図13〜図15に示すように、上記特許文献1〜3の砥石回転方向に対して直角、または砥石回転方向に対して後方側に傾斜したスリット(隙間)は、砥石回転中に外側から研削液を供給すると、遠心力により研削液が跳ね飛ばされてしまい、スリット内を通る研削液が低減される。このため、研削部における研削液量が低減することで局所的な研削負荷が増大するので、被研削物にキズが生じたり、研削状態が不安定になるなど、被研削物を良好に研削することができない。特に、ビッカース硬度750kg/mm2程度であるGaAs(ガリウム砒素)、あるいは、ビッカース硬度450kg/mm2程度であるInP(インジウムリン)といった1000kg/mm2未満の非常に柔らかくかつ劈開性の強い半導体単結晶材料では、研削負荷の増大によるキズの発生が顕著なため、高い精度を求められるIC用の基板製造時に高い精度を維持しつつ、キズ等の品質不良を低く抑えることが過去からの課題であった。
図16および図17に示すように、上記特許文献3および4の砥石回転方向に対して複数の方向に傾斜したスリット(隙間)は、砥石回転中に外側から研削液を供給すると、砥石回転方向に対して直角、または砥石回転方向に対して後方側に傾斜したスリットにより研削液をかき出してしまう。このため、内部に研削液を供給できるような形状を有するスリットを砥石が有していても、該スリットの働きを砥石回転方向に対して複数の方向に傾斜したスリットが阻害してしまうので、研削部における研削液量が低減することにより、被研削物を良好に研削することができない。
そこで、本発明の目的は、被研削物を良好に研削することができる研削機用砥石および研削方法を提供することである。
本発明の研削機用砥石は、外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能である研削機用砥石であって、表面を有する台金と、台金の表面上に配置された環状の砥石とを備える。砥石は複数のスリットを有し、研削機用砥石を回転させたときに、砥石の外周の接線と複数のスリットの中心線とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角である。
本発明の研削機用砥石によれば、研削機用砥石を回転するとともに、砥石の外側から研削液を供給して、砥石で被研削物を研削する際に、砥石の外周の接線と複数のスリットの中心線との交わる回転前方側の全てが鈍角である。このため、砥石のそれぞれのスリットを介して研削液を砥石の内側へ取り込むことができる。これにより、被研削物の研削部における研削液量が低減することを抑制できるので、被研削物にキズが生じることを抑制でき、かつ研削状態を安定にすることができるので、研削精度を向上することができる。したがって、被研削物を良好に研削することができる。
上記研削機用砥石のスリットは曲線形状であってもよい。本発明の研削機用砥石は、回転しながら砥石の内側に研削液を取り込むことができるので、砥石の形状の制約を小さくすることができる。
本発明の研削方法は、上記研削機用砥石を用いて被研削物を研削する方法であって、被研削物を準備する工程と、研削機用砥石を回転するとともに、砥石の外側から研削液を供給して、砥石で被研削物を研削する工程とを備える。
本発明の研削方法によれば、上記研削機用砥石を用いているので、研削する工程において、研削液を砥石の内側に取り込むことができる。これにより、被研削物の研削部における研削液量が低減することを抑制できるので、被研削物にキズが生じることを抑制して研削できるとともに、研削精度を向上して研削することができる。したがって、被研削物を良好に研削することができる。
以上説明したように、本発明の研削機用砥石および研削方法によれば、被研削物を良好に研削することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における研削機用砥石100を概略的に示す平面図である。図2は、本発明の実施の形態における研削機用砥石100を概略的に示す側面図である。図3は、本発明の実施の形態における研削機用砥石100の砥石120を概略的に示す拡大平面図である。図1〜図3を参照して本発明の一実施の形態における研削機用砥石100を説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態における研削機用砥石100は、外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能な研削機用砥石であって、台金110と、砥石120とを備えている。
台金110は、円柱状または環状であり、表面111と、この表面111と反対側の裏面112と、表面111および裏面112に連なる側面113とを有する。台金110が環状である場合には中央部に開口部が形成され、この開口部は、たとえば研削機用砥石100を回転するための駆動軸と接続される。
砥石120は環状であり、台金110の表面111上に配置されている。砥石120の外周側側面は、台金110の側面113と同一平面状に位置するように配置される。砥石120と台金110との接続方法は特に限定されず、たとえば接着剤などの接続部材を用いて台金110の表面111上に固定される。
図3に示すように、砥石120は、セグメント121と、複数のスリット122を有する。スリット122は、矢印161で示されるように、外側から供給される研削液を内側へ導入するために設けられている。スリット122は、セグメント121の開口部であり、砥石120の開口部を構成する側壁122a、122bに囲まれた(挟まれた)領域である。スリット122は、たとえば砥石120の中心から放射状に形成され、砥石120の中心に対して点対称になるように形成されることが好ましい。また、隣り合うスリット122に挟まれるセグメントの領域のそれぞれが等しいことが好ましい。
研削機用砥石を矢印171の方向に回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1のそれぞれが鈍角である。つまり、全てのスリット122において、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1は鈍角であり、直角や鋭角は含まれていない。接線X1は、中心線X2と砥石120の外周との交点における接線である。スリット122の中心線X2は、対向する側壁122a、122bの中心を結ぶ線分であり、かつ側壁122a、122bで挟まれる領域内(スリット122内)の線分である。
スリット122は、中心から外周側に向かうにつれて回転前方側にずれるように形成されている。言い換えると、スリット122は、回転方向に対して前方側に傾斜した形状である。さらに言い換えると、スリット122は、径方向に対して回転前方(周方向前方)にずれるように形成されている。
図4〜図7は、本実施の形態の変形例における研削機用砥石100の砥石120を概略的に示す拡大平面図である。図4に示すように、砥石120のスリット122は、曲線形状であってもよい。つまり、セグメント121の開口部を構成する側壁122a、122bが曲線形状であってもよい。また、図5に示すように、スリット122を構成する側壁122a、122bのうち、回転前方の側壁122aは、回転後方の側壁122bよりも回転前方に向けた傾斜が大きくてもよい。
また、図6に示すように、スリット122は、内周から外周へ向けて開口幅が広がるように形成されてもよい。また、図7に示すように、スリット122は、内周から外周へ向けて開口幅が狭くなるように形成されてもよい。
続いて、図1〜図9を参照して、本実施の形態における研削方法について説明する。本実施の形態における研削方法は、上述した研削機用砥石100を用いて被研削物を研削する方法である。なお、図8は、本発明の実施の形態における研削機用砥石100を用いて被研削物150を研削する方法を概略的に示す側面図である。図9は、本発明の実施の形態における研削機用砥石100を用いて被研削物150を研削する方法を概略的に示す平面図である。図9において、駆動軸130は省略されている。
まず、図8および図9に示すように、被研削物150を準備する。被研削物150は、たとえばGaAs基板、InP基板、GaN(窒化ガリウム)基板などのIII−V族化合物半導体基板を用いる。
ここで、図8を参照して、本実施の形態における研削方法に用いる研削装置を説明する。図8に示すように、研削装置は、図1〜図7に示す研削機用砥石100と、駆動軸130と、載置台140とを備えている。駆動軸130は、研削機用砥石100を回転させる。駆動軸130により研削機用砥石100を回転させたときに、砥石120の外周の接線と複数のスリットの中心線とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角である。載置台140は、被研削物150を載置する。載置台140は、載置面が回転可能であってもよい。
なお、研削装置は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
次に、研削機用砥石100を回転するとともに、砥石120の外側から研削液を供給して、砥石120で被研削物150を研削する。このとき、載置台140の載置面も回転させてもよい。載置台140の載置面を回転させる場合には、矢印172に示すように、砥石120の回転方向と反対の方向に回転させることが好ましい。
本実施の形態では、供給部160から矢印161に向けて、研削液は研削部に供給される。研削機用砥石100を回転させたときに、図3〜図7に示すように、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1のそれぞれが鈍角である。これにより、図3〜図7に示すように、砥石120のスリット122を介して研削液を砥石120の内側へ取り込むことができる。特に、図9に示すように矢印181、182で示される方向にも研削液を供給することができる。これにより、被研削物150の研削部における研削液量が低減することを抑制できるので、被研削物にキズ、ワレなどが生じることを抑制できる。さらに、研削状態を安定にすることができるため、研削精度を向上することで、反りやTTV(Total Thickness Variation)などの被研削物150の特性を向上することができる。したがって、被研削物150を良好に研削することができる。
また、研削機用砥石100を回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1は鈍角のみである。このため、研削液に遠心力が加えられた場合であっても、砥石120においてスリット122以外の部分であるセグメント121はすべて研削に寄与し、スリット122は研削液を外周から内周に取り込むことができる。これにより、スループットを向上することもできる。
さらに、研削時に、環状の砥石120全体に負荷が分散されるので、研削機用砥石100の耐久性も向上できる。
さらには、回転時に、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1のそれぞれが鈍角になるようにスリット122を形成するので、研削機用砥石100の構造の複雑化を抑制できる。このため、この研削機用砥石100を小型の研削装置に用いることもできるので、被研削物が小型であっても研削が可能である。したがって、本実施の形態における研削機用砥石100が研削できる被研削物の制約を小さくすることができる。
図10は、比較例1の研削機用砥石の砥石220を概略的に示す平面図である。図11は、比較例1の研削機用砥石の砥石220を回転させる状態を概略的に示す平面図であり、駆動軸は省略されている。比較例1の研削機用砥石を回転させたときに、図10に示すように、砥石220の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ2のそれぞれが直角である場合には、スリット222では研削液の取り込みが少ないため、あるいは遠心力により研削液の取り込みを阻害するため、切り粉が溜まる。このため、図10および図11に示すように、矢印230〜233で示される領域近傍では、研削液が不足しやすくなる。このため、研削粉が砥石の隙間に付着し、研削中に落下してキズが生じる場合がある。また、研削状態が不安定であるため、被研削物の形状や被研削物のダメージ深さにばらつきが生じ、形状精度を悪化させる場合もある。
図12は、比較例2の研削機用砥石の砥石320を概略的に示す平面図である。比較例2の研削機用砥石を回転させたときに、図12に示すように、砥石320の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ3のそれぞれが鈍角である場合には、角度θ2が直角である場合よりもスリット322では研削液の流れがさらに少ないため、切り粉がさらに溜まる。このため、比較例1と同様に、比較例2についても図11に示す矢印231〜233および図12に示す矢印330で示される領域近傍では、研削液がさらに不足しやすくなる。
また、図10および図12における比較例1および2の砥石220、320において、研削液を外側から内側へ供給するために、研削速度を低減させる技術が考えられる。しかし、この場合にはスループットが低下する。また、比較例1および2の砥石220、320において、鈍角である角度θ1のスリットをさらに形成する技術が考えられる。しかし、鈍角である角度θ1を増やす場合には、研削に寄与する砥石の面積が減るので、面積が減った分だけ研削速度を下げる必要が生じる。特に、砥石の砥粒が微粒になるほど、その影響が大きくなる。このため、このような技術ではスループットが低下する。
以上より、本実施の形態における研削機用砥石100によれば、研削機用砥石100を回転させたときに、図3〜図7に示すように、砥石120の外周の接線X1と複数のスリット122の中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ1のそれぞれが鈍角であるため、被研削物150を良好に研削することができる。
本実施例では、研削機用砥石を回転させたときに、砥石の外周の接線X1と複数のスリットの中心線とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角であることの効果について調べた。
(本発明例1)
本発明例1では、図1〜図3に示す研削機用砥石を用いた。具体的には、台金110は、アルミニウムよりなり、砥石120は、5000番の粒度のダイアモンドをビドリファイドボンドを固めたものよりなっていた。台金110および砥石120の外周直径は250mmであった。砥石120の幅は、3mmであった。スリット122は、円周に均等に32箇所形成され、スリットの幅(対向する側壁122a、122b間の距離)は2.5mmであった。研削機用砥石100を回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリットの中心線X2とが交わる回転前方側の角度のそれぞれは、135°であった。
本発明例1では、図1〜図3に示す研削機用砥石を用いた。具体的には、台金110は、アルミニウムよりなり、砥石120は、5000番の粒度のダイアモンドをビドリファイドボンドを固めたものよりなっていた。台金110および砥石120の外周直径は250mmであった。砥石120の幅は、3mmであった。スリット122は、円周に均等に32箇所形成され、スリットの幅(対向する側壁122a、122b間の距離)は2.5mmであった。研削機用砥石100を回転させたときに、砥石120の外周の接線X1と複数のスリットの中心線X2とが交わる回転前方側の角度のそれぞれは、135°であった。
次に、被研削物として、100mmの直径を有し、825μmの厚さを有するIC用半絶縁性(抵抗値が8×107Ω・cm以上)GaAs基板を準備した。この基板は、VB(縦型ブリッジマン法)で結晶成長をし、ワイヤーソーでスライスした後、スライス時のダメージを除去するため両面のエッチングを施されていた。このGaAs基板を図8に示す載置台140に載置させた。
次に、研削機用砥石100を回転するとともに、砥石120の外側から研削液を供給して、砥石120でGaAs基板の一方側の面を50μm研削し、その後、同様にしてGaAs基板の他方側の面を砥石120により50μm研削した。つまり、GaAs基板を100μm研削した。なお、研削液は、市水をRO膜を通して浄化した純水を用いた。次に、GaAs基板の両面を研磨した。
(比較例1)
比較例1は、基本的には本発明例1の研削機用砥石を用いたが、研削機用砥石を回転させたときに、図10に示すように、砥石220の外周の接線X1と複数のスリットの中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ2のそれぞれが90°であった点において異なっていた。
比較例1は、基本的には本発明例1の研削機用砥石を用いたが、研削機用砥石を回転させたときに、図10に示すように、砥石220の外周の接線X1と複数のスリットの中心線X2とが交わる回転前方側の角度θ2のそれぞれが90°であった点において異なっていた。
(測定方法)
本発明例1および比較例1の研削後のGaAs基板について、キズ、ワレ、WARPおよびTTVを測定した。
本発明例1および比較例1の研削後のGaAs基板について、キズ、ワレ、WARPおよびTTVを測定した。
具体的には、ワレについては、研削直後の状態を蛍光灯下で、目視で観察し、キズについては、研削後のウエハをアンモニア水:過酸化水素水:水=5:2:1(体積比)、室温において3μm(厚さで)エッチングを行ない、1μm以上の深い穴の発生をキズとしたときの発生率をそれぞれ求めた。
WARPおよびTTVについては、研削後に両面を研磨剤を用いて研磨布でポリッシュを実施したのち、光学式平坦度測定装置(斜め入射フィゾー干渉計)にて測定した。この平坦度測定装置は、CORNIG TROPEL Corp.社製のUltrasort(商品名)を用いた。WARPは、いわゆる反りを意味し、平坦なステージに研削後のGaAs基板をおいた状態で外周3mmを除くGaAs基板全面の平面度を測定した。TTVは、平坦なステージにGaAs基板を吸着し、ステージを基準にしてGaAs基板の表面の平面度を測定した。
(測定結果)
キズ不良については、比較例1では0.2%であったが、本発明例1では0.02%まで低減できた。なお、比較例1のキズの発生状態を図18に示し、本発明例1のキズの発生状態を図19に示す。ワレ不良については、比較例1では0.06%であったが、本発明例1では0.05%まで低減できた。WARPについては、比較例1では1.59μm±0.9μmであったが、本発明例1では1.53μm±0.6μmであった。つまり、本発明例1は、反り自体を低減でき、かつ面内のばらつきも低減できた。TTVについては、比較例1では1.08μm±0.9μmであったが、本発明例1では0.74μm±0.2μmであった。つまり、本発明例1は、TTV自体を低減でき、かつ面内のばらつきも低減できた。
キズ不良については、比較例1では0.2%であったが、本発明例1では0.02%まで低減できた。なお、比較例1のキズの発生状態を図18に示し、本発明例1のキズの発生状態を図19に示す。ワレ不良については、比較例1では0.06%であったが、本発明例1では0.05%まで低減できた。WARPについては、比較例1では1.59μm±0.9μmであったが、本発明例1では1.53μm±0.6μmであった。つまり、本発明例1は、反り自体を低減でき、かつ面内のばらつきも低減できた。TTVについては、比較例1では1.08μm±0.9μmであったが、本発明例1では0.74μm±0.2μmであった。つまり、本発明例1は、TTV自体を低減でき、かつ面内のばらつきも低減できた。
以上より、本実施例によれば、研削機用砥石を回転させたときに、砥石の外周の接線X1と複数のスリットの中心線とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角であることにより、被研削物を良好に研削することができることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 研削機用砥石、110 台金、111 表面、112 裏面、113 側面、120 砥石、121 セグメント、122 スリット、122a,122b 側壁、130 駆動軸、140 載置台、150 被研削物、160 供給部、161,171,172,181 矢印、X1 接線、X2 中心線、θ1 角度。
Claims (3)
- 外側から研削液を供給することで被研削物を研削するとともに、回転可能である研削機用砥石であって、
表面を有する台金と、
前記台金の前記表面上に配置された環状の砥石とを備え、
前記砥石は複数のスリットを有し、
前記研削機用砥石を回転させたときに、前記砥石の外周の接線と前記複数のスリットの中心線とが交わる回転前方側の角度のそれぞれが鈍角である、研削機用砥石。 - 前記スリットは曲線形状である、請求項1に記載の研削機用砥石。
- 請求項1または2に記載の研削機用砥石を用いて被研削物を研削する方法であって、
前記被研削物を準備する工程と、
前記研削機用砥石を回転するとともに、前記砥石の外側から前記研削液を供給して、前記砥石で前記被研削物を研削する工程とを備えた、研削方法。
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