JP2012005712A - 食器乾燥機 - Google Patents

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遊 河井
Masaaki Murai
政朗 村井
Akira Okada
晃 岡田
Katsuhiko Koike
克彦 小池
Shunsuke Ichimura
俊介 市村
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Abstract

【課題】乾燥室内の静電気により使用者に与える不快感を好適に低減させることができる食器乾燥機を提供する。
【解決手段】本体10と、本体10を覆い本体10とともに乾燥室21を形成する蓋体11と、蓋体11の開閉をロックする蓋ロック部23と、乾燥室21に設置され被乾燥物を収納する食器カゴと、乾燥室21に向けて空気を送風する送風機と、空気を加熱するヒータと、イオンを発生させ乾燥室内に供給するイオン発生装置43とを備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、食器乾燥機に関する。
今日、食器乾燥機は洗浄後の食器を乾燥する機能に限らず、種々の付加機能を有するものが知られている。例えば、食器乾燥室内に供給可能なイオンを発生させる電解ミスト発生装置を有するものが知られている。この電解ミスト発生装置を備えた食器乾燥機は、食器乾燥室内にカビなどの雑菌が繁殖することを防ぐとともに、被乾燥物の除菌効果を高めることができる。
特開2006−239200号公報
従来のイオン発生装置を備えた食器乾燥機は、イオンを放出させ、このイオンを被乾燥物や食器乾燥室内に付着させることにより、除菌や消臭を行う。このイオンは帯電しているため被乾燥物や食器乾燥室内に付着することにより、被乾燥物などを帯電させる。このため、特に金属食器や金属器具、金属製食器カゴなどの金属物質が帯電すると、使用者が金属物質に触れた際、静電気の放電により瞬間的に電撃を感じる恐れがある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、乾燥室内の静電気により使用者に与える不快感を好適に低減させることができる食器乾燥機を提供することを目的とする。
実施形態の食器乾燥機によれば、本体と、前記本体を覆い前記本体とともに乾燥室を形成する蓋体と、前記蓋体の開閉をロックする蓋ロック部と、前記乾燥室に設置され被乾燥物を収納する食器カゴと、前記乾燥室に向けて空気を送風する送風機と、前記空気を加熱するヒータと、イオンを発生させ前記乾燥室内に供給するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る食器乾燥機の一実施形態を示す外観斜視図。 図1の食器乾燥機に対して食器カゴが未設置である場合の外観斜視図。 蓋体のロック爪および本体のロック孔の拡大図。 食器乾燥機の乾燥室内における排水の様子を特に示す正面の断面図。 食器乾燥機の本体内部を示す平面図。 本発明に係る食器乾燥機の一実施例を示す機能ブロック図。 食器乾燥機に設けられた操作部の一例を示す図。 引出およびイオン発生装置の外観を示す斜視図。 イオン発生装置の分解斜視図。 本体内部とイオン発生装置との関係を説明する食器乾燥機の側面の断面図。 ロックが行われる前のロック爪およびロック機構を特に示す側面の断面図。 ロックが行われた場合のロック爪およびロック機構を特に示す側面の断面図。 本実施形態における食器乾燥機の各運転コースの一例を説明するチャート図。 除菌運転時における乾燥室内の帯電電位と運転時間との関係を示すグラフ。 本実施形態における食器乾燥機により実行される電源投入(ON)後処理を説明するフローチャート。 本実施形態における食器乾燥機により実行される乾燥運転処理を説明するフローチャート。 本実施形態における食器乾燥機により実行される除菌運転処理を説明するフローチャート。 図17に続く除菌運転処理を説明するフローチャート。 本実施形態における食器乾燥機により実行されるイオン発生装置設置通知処理を説明するフローチャート。
本発明に係る食器乾燥機の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る食器乾燥機の一実施形態を示す外観斜視図である。
図2は、図1の食器乾燥機に対して食器カゴが未設置である場合の外観斜視図である。
図3は、蓋体のロック爪および本体のロック孔の拡大図である。
図4は、食器乾燥機の乾燥室内における排水の様子を特に示す正面の断面図である。
図5は、食器乾燥機の本体内部を示す平面図である。
図6は、本発明に係る食器乾燥機の一実施例を示す機能ブロック図である。
なお、図1は蓋体11が閉じた状態、図2は蓋体11が開いた状態を示す。
本実施形態における食器乾燥機1は、主に本体10、蓋体11、食器カゴ12および操作部14を備える。本体10と蓋体11とは乾燥室21を形成する。食器カゴ12は、この乾燥室21に配置され、食器などの被乾燥物を収納する。
蓋体11は、ヒンジ22により本体10に支持された透明合成樹脂製の固定蓋体11aと前面蓋体11bと中間蓋体11cとからなる。固定蓋体11aは本体10に固定される。一方、前面蓋体11bと中間蓋体11cとはヒンジ22を軸に順次回転する。図2に示すように、蓋体11は、開いた状態においては重なり合って収納される。また、図1に示すように、蓋体11は閉じた状態においては前面蓋体11bと中間蓋体11cとが食器乾燥機1手前に順次回転し、乾燥室21を密閉する。以下、本実施形態においては、蓋体11の開口部側を手前側、蓋体11の固定部側を奥側という。
蓋体11は、特に除菌運転中において使用者が不用意に開け閉めを行わないようロックされる。図3に示すように、蓋体11は、前面蓋体11bの所定位置にリング状のロック爪23を有する。ロック爪23は、本体10の対応位置に設けられたロック孔10aに挿入される。蓋体11は、このロック爪23を介して本体10内部に設けられたロック機構(後述)によりロックされる。蓋体11のロックの詳細については、後述する。なお、ロック爪23は、蓋体11と一体に形成されてもよいし、別体で形成されてもよい。
食器カゴ12は、例えばステンレス製であり、乾燥室21に取り外し自在に配置される。また、食器カゴ12内には、箸やスプーンなどの食器を立てて収納するスタンド13が配置される。
本体10は、例えば合成樹脂製の矩形の容器状をなし、乾燥室21底面を形成する仕切板32によって本体10内部と乾燥室21とが仕切られている。なお、本体10内部は、乾燥室21以外の空間であり、仕切板32より下部をいう。図4に示すように、仕切板32は、乾燥室21で発生した水分(被乾燥物に付着した水分)を本体10内部に排水する排水孔33を有する。仕切板32は、排水孔33に水分を流れ込ませるため、排水孔33が設けられた位置が最も低くなる(本体10の底面に近くなる)ような傾斜を有する。排水孔33から排水された水分は、本体10内部に配置された水受カップ34に回収される。
図2に示すように、本体10は、食器乾燥機1の図示右手前側に引出41を有する。引出41には、イオン発生装置43を収納する収納室41aおよび送風機44の吸気口41bが設けられる。イオン発生装置43は、被乾燥物および乾燥室21の除菌作用を有するイオンを発生させる装置である。このイオン発生装置43および引出41の構成については後述する。
なお、食器乾燥機1は、引出41にイオン発生装置43の収納室41aと吸気口41bとを一体に備えるため、部品点数を削減できる。また、イオン発生装置43(引出41)は、本体10内部において送風機44およびヒータ45を介して排水孔33(水受カップ34)と対向する位置に配置されるのが好ましい。例えば、図5に示すように、イオン発生装置43が本体10内部の右側、排水孔33が左側に設けられる。イオン発生装置43を設けたこと、および他の本体10の内部構成物との関係により、排水孔33近傍に設置される水受カップ34の容量を減少させないためである。
図5に示すように、本体10内部には送風機44、ヒータ45、イオン発生装置43が主に設けられる。
送風機44は、モータ44aとこのモータ44aにより回転するファン44bを備える。送風機44は、引出41に設けられた吸気口41bより吸気された空気をヒータ用風路47およびイオン用風路48に送風する。ヒータ用風路47およびイオン用風路48は、本体10内部に設けられる。ヒータ用風路47は、ヒータ45に空気を送風するための風路である。イオン用風路48は、イオン発生装置43に空気を送風するための風路である。イオン用風路48は、イオンを乾燥室21に運ぶために十分な量の送風を行うことができればよいため、ヒータ用風路47よりも風量が小さくなるように構成される。
ヒータ45により加熱された空気は、ヒータ用風路47から送風された空気によって温風吹出口49(図2参照)より吹き出され、乾燥室21の被乾燥物を乾燥させる。また、イオン発生装置43で発生したイオンはイオン用風路48から送風された空気とともにイオン吹出口50(図2参照)より吹き出される。このイオンは、乾燥室21内に供給されて被乾燥物および乾燥室21を除菌する。
なお、イオン用風路48は、風路幅を可変式にし、風路幅の調整により風量を調整するようにしてもよい。ヒータ用風路47とイオン用風路48は、ヒータ45の下流で分岐してもよい。ヒータ用風路47とイオン用風路48は、独立ではなく共通の風路であってもよい。この場合、イオン発生装置43をヒータ45よりも下流側に配置させることが好ましい。
図2に示すように、本体10は、温風吹出口49を乾燥室21の奥壁面10bに、イオン吹出口50を右側壁面10cに有する。イオン吹出口50は、温風吹出口49(温風吹出口49が設けられた奥壁面10b)の近傍に設けられるのが好ましい。イオン吹出口50から吹き出されたイオンが温風吹出口49から吹き出された温風によって運ばれるため、イオンを乾燥室21内に充満させることができ、除菌性能を高く保つことができる。なお、温風吹出口49とイオン吹出口50とは、同一平面(例えば乾燥室21の奥壁面10b)に設けてもよい。
また、温風吹出口49とイオン吹出口50は、本体10における食器カゴ12の食器載置面より下方位置であって、食器カゴ12底面と仕切板32との間に配置される。被乾燥物などの障害物が存在しないため、温風吹出口49とイオン吹出口50は、温風およびイオンを効率よく乾燥室21内全体に充満させることができる。
本体10には使用者が各種指示入力を行うための操作部14が設けられる。
図7は、食器乾燥機に設けられた操作部の一例を示す図である。
操作部14は、入/切ボタン51、蓋ロック解除ボタン52、乾燥時間設定ボタン53aおよび除菌乾燥ボタン53bを備える。
入/切ボタン51は、食器乾燥機1の電源を入れたり切ったりする指示を受け付ける。蓋ロック解除ボタン52は、乾燥または除菌運転中における蓋体11の開閉ロック時において、ロックを解除する指示を受け付ける。蓋ロック解除ボタン52は、後述する蓋体11をロックしている状態で所定時間(例えば3秒間)の長押し操作により指示を受け付ける。乾燥時間設定ボタン53aは、乾燥運転の運転時間の設定を受け付ける。乾燥時間設定ボタン53aは、入力を受け付けるごとに例えば20分、40分、60分と設定値が変化する。除菌乾燥ボタン53bは、温風による乾燥のみを行う「乾燥運転コース」と、温風による乾燥とイオンによる除菌とを行う「乾燥・除菌運転コース」との2つの運転コースを切り替える指示を受け付ける。各運転コースの詳細な説明は後述する。
操作部14は、給水確認ランプ54、乾燥運転ランプ55および除菌運転ランプ56を有する。給水確認ランプ54は、イオン発生装置43のタンク61に対する給水を通知するランプである。乾燥運転ランプ55は、乾燥運転の運転時間を通知するランプである。乾燥運転ランプ55は、設定された運転時間が20分であることを示す20分ランプ55a、40分であることを示す40分ランプ55b、60分であることを示す60分ランプ55cを有する。除菌運転ランプ56は、乾燥運転とともに除菌運転が行われる旨を示すランプである。各ランプの点灯制御は、制御部31により行われる。
図6に示すように、食器乾燥機1は、タイマ58、メモリ59および電源投入検知部60を有する。タイマ58は、後述する乾燥運転および除菌運転を行う際に必要な時間などの計測を行う。メモリ59は、前回の運転コースやイオン発生装置43が設置されてからの経過期間を記憶する。電源投入検知部60は、電源プラグ(図示せず)が家庭用コンセントに差し込まれ、食器乾燥機1に電源が投入されたか否かを検知する。
次に、引出41およびこの引出41に収納されたイオン発生装置43について説明する。本実施形態では、イオン発生装置43について静電ミスト発生装置を一例として説明するが、イオン発生装置43は、これに限らず、被乾燥物を除菌するために帯電したイオンを発生する装置であればよい。
図8は、引出およびイオン発生装置の外観を示す斜視図である。
送風機44の吸気口41bは、引出41の手前側に設けられる。吸気口41bには、吸気フィルタ42が取り外し可能に配置される。イオン発生装置43を収納する収納室41aは、引出41の奥側に設けられる。イオン発生装置43は、収納室41aから取り外し可能に配置される。
図9は、イオン発生装置の分解斜視図である。
イオン発生装置43は、主にタンク61、汲水芯62、保水体63、接続電極64、ミスト発生電極65を備える。
タンク61は、水道水などの水を所定量貯水する。タンク61は、パッキン66を介してタンク蓋67により密閉される。タンク蓋67は、タンク61に対して取り外し可能になっており、使用者により適宜給水が可能である。タンク蓋67には、挿通孔67aが設けられる。ミスト発生電極ケース68に保持された汲水芯62は、この挿通孔67aからタンク61内の水に浸される。ミスト発生電極ケース68には、吸水性および保水性を有する保水体63が配置される。保水体63は汲水芯62と接しており、汲水芯62によりタンク61から汲まれた水を保持する。保水体63は、例えばセラミックス材料、合成樹脂材料もしくは金属材料の多孔体、または繊維体により形成される。
ミスト発生電極65は、保水体63に対して上部に突出するように配置される。ミスト発生電極65は、ミスト発生電極台69に保持された状態で配置される。ミスト発生電極65は、棒状体に形成され、例えばセラミックス繊維、有機繊維、金属繊維により形成される。ミスト発生電極65は、イオン、ここでは静電ミストの放出量に応じて複数本設けられる。なお、食器乾燥機1の高さ方向に伸びたミスト発生電極65および汲水芯62の高さは、食器乾燥機1機体の寸法に影響を及ぼす。このため、ミスト発生電極65および汲水芯62の高さをできる限り抑制することにより、食器乾燥機1機体の高さを抑制できコンパクト化を実現することができる。ミスト発生電極65は、例えば14mm以下の高さであることが好ましい。汲水芯62は、例えば35mm以下の高さであることが好ましい。
ミスト発生電極ケース68には、高電圧電源71の負極と接続可能な接続電極64が保持される。接続電極64は保水体63に接続され、保水体63を負に帯電させる。高電圧電源71は、例えば4〜10kV程度のDCマイナス電圧を発生させる電源であり、食器乾燥機1の本体10内部の所定位置に配置される。
イオン発生装置43のタンク蓋67より上部の構成(ミスト発生電極ケース68、汲水芯62、保水体63、ミスト発生電極台69、ミスト発生電極65および接続電極64)は、電極カバー70により覆われる。電極カバー70は、引出41の挿入方向に伸びた接続電極64をカバーする突起部70aを有する。この突起部70aは、本体10内に設けられたイオン発生装置検知スイッチ74(後述)と接触し、イオン発生装置43の設置の有無を検知させる構造(機能)を有する。電極カバー70にイオン発生装置検知スイッチ74と接触する構造を持たせることで、構造の簡素化を図ることができる。
なお、イオン発生装置43の構成については、例えば特開2006−212156号公報(機能性成分含有ミストの発生装置)および特開2008−212887号公報(静電霧化装置)に記載された技術を適用することができる。
図10は、本体内部とイオン発生装置との関係を説明する食器乾燥機の側面の断面図である。
本体10内部には、高電圧電源71の負極と接続された接続端子72が接続電極64に対応する位置に配置される。接続端子72は、安全上の観点から接続端子ケース75に覆われている。また、接続端子ケース75よりさらに本体10内部の奥側には、イオン発生装置43が引出41とともに本体10に設置されたことを検知するイオン発生装置検知スイッチ74(検知部)が設けられる。
イオン発生装置検知スイッチ74は、スイッチシャフト76およびマイクロスイッチ77を備える。スイッチシャフト76は、引出41の出し入れ方向(図10の矢印A方向)に移動可能となっている。スイッチシャフト76は、イオン発生装置43が設置されて電極カバー70の突起部70aにより本体10奥方向(図示右方向)に押し出されると、マイクロスイッチ77のレバーに接触する。これによりマイクロスイッチ77はオンし、イオン発生装置43の装着を検知する。
イオン発生装置43は、引出41とともに本体10に設置されると、接続電極64が接続端子72と接触する。また、電極カバー70の突起部70aがスイッチシャフト76と接触しマイクロスイッチ77によりイオン発生装置43の設置が検知される。すると、高電圧電源71の負極に接続された接続電極64に電圧が印加される。接続電極64に接続された保水体63が負に帯電されると、電流は最も放電しやすい場所を求めて流れる。通常、電子は先端がとがっている場所や金属など通電性に優れた場所に集まる性質を有する。このため、電子はミスト発生電極65へと集まる。すると、ミスト発生電極65において自然放電現象が起こり、その放電作用でイオン風が発生する。このイオン風を利用し、水はピコサイズまたはナノサイズ(500pm〜5000pm程度)の目に見えない微細なミストとしてミスト発生電極65から空気中に放出される。
次に、蓋体11の開閉をロックするロック機構について説明する。
図11は、ロックが行われる前のロック爪およびロック機構を特に示す側面の断面図である。図11(A)は、食器乾燥機1の全体図、(B)は図11(A)の領域Aの拡大図である。
図12は、ロックが行われた場合のロック爪およびロック機構を特に示す側面の断面図である。図12(A)は、食器乾燥機1の全体図、(B)は図12(A)の領域Bの拡大図である。
ロック機構80は、蓋開閉検知スイッチ81および蓋ロック用ソレノイド82を有する。
蓋開閉検知スイッチ81は、ロックスイッチ83およびマイクロスイッチ84を有する。ロックスイッチ83は、一端が本体10のロック孔10a側、他端がマイクロスイッチ84側に配置された棒状部材である。蓋体11が開いた状態である場合、ロックスイッチ83は、スプリング83aの弾性力により付勢されて一端がロック孔10aに面し、他端がマイクロスイッチ84に未接触となる。蓋体11が閉じた状態である場合、ロックスイッチ83は、一端がロック孔10aから挿入されたロック爪23と接触して本体10内部に押し込まれ、他端がマイクロスイッチ84に接触する。
マイクロスイッチ84は、蓋体11が閉じられたか否かをロックスイッチ83の接触による導通の有無により検出する。蓋ロック用ソレノイド82は、蓋体11が閉じられた後、所定のタイミングで通電されてシャフト82aを突出させる。突出したシャフト82aは、ロック孔10aから挿入されたロック爪23のリング部分を貫き、ロック爪23を介して蓋体11を本体10にロックする。
次に、食器乾燥機1の運転コースについて説明する。
図13は、本実施形態における食器乾燥機の各運転コースの一例を説明するチャート図である。
乾燥運転コースは、ヒータ45により加熱されて送風機44より送風された空気(温風)により被乾燥物を乾燥させる温風運転と、送風機44より送風された空気で乾燥物を冷却させる冷却運転とからなるコースである。例えば、乾燥運転コースは、運転開始からヒータ45および送風機44がONされて温風運転が50分間継続される。その後(運転終了10分前)、ヒータ45がOFFされ送風機44のみがONされて冷却運転が10分間継続される(全体で60分)。乾燥運転コースにおいては、蓋体11をロックしておく必要が無いため蓋体11のロックおよびイオン発生装置43はOFFされたままである。
乾燥・除菌運転コースは、温風運転と冷却運転に加えイオンを吹き出す除菌運転および蓋体11のロックを行うコースである。例えば、乾燥・除菌運転コースは、温風運転開始と同時にイオン発生装置43をONして除菌運転が開始されることで、迅速に被乾燥物の除菌を行う。除菌運転は50分間継続され、その後(運転終了10分前)イオン発生装置43がOFFされ除菌運転は終了する。乾燥・除菌運転コースにおけるヒータ45および送風機44の動作は、乾燥運転コースと同様である。
ここで、乾燥・除菌運転の場合、イオン発生装置43がONされて除菌運転が開始されて所定時間T2(後述)経過後から乾燥・除菌運転終了までの間において蓋体11のロックが行われる。除菌運転中において放出されるイオンは帯電していることから、このイオンが付着した乾燥室21内の被乾燥物は帯電する。使用者は、被乾燥物を取り出すために帯電した金属食器や金属器具、金属製食器カゴなどの金属物質に触れると、静電気の放電により瞬間的に電撃による不快を感じる恐れがある。このため、所要のタイミングで蓋体11のロックを行い、使用者に不快感を与えることを防止するようになっている。
図14は、除菌運転時における乾燥室内の帯電電位と運転時間との関係を示すグラフである。
縦軸は帯電電位、横軸は運転時間を示す。図14に示すように、帯電電位は、運転開始直後においては小さく、使用者が被乾燥物などに触れた場合であっても電撃による不快感を与えることがないといえる。また、運転開始直後においては使用者が被乾燥物の出し入れを行う可能性がある。よって、使用者への不快感の抑制と利便性のために蓋体11のロックは、除菌運転開始から所定時間T2経過後に行われるようになっている。もちろん、この所定時間T2は実験などにより、使用者が電撃による不快感を受けない帯電量の運転時間に設定していることが好ましい。なお、本実施形態では帯電量が比較的緩やかに上昇する形態について説明したが、イオンの発生量が多く帯電量が比較的早く上昇する形態などには使用者への不快感の抑制を優先させて、蓋体11のロックは、除菌運転開始と同時に行ってもよい。
以下、食器乾燥機1に電源が供給された後、制御部31の制御に基づいて行われる食器乾燥機1の詳細な動作について説明する。
図15は、本実施形態における食器乾燥機により実行される電源投入(ON)後処理を説明するフローチャートである。
ステップS1において、制御部31は、食器乾燥機に電源が投入されたか否かの判定を行う。具体的には、制御部31は、電源投入検知部60により電源が投入されたことを検知したか否かの判定を行う。制御部31は、電源が投入されていないと判定した場合(ステップS1のNO)、電源が投入されるまで待機する。
一方、制御部31は、電源が投入されたと判定した場合(ステップS1のYES)、ステップS2において、食器乾燥機1を待機状態にする。待機状態は、送風機44、ヒータ45がOFFであり、各ランプ(給水確認ランプ54、乾燥運転ランプ55、除菌運転ランプ56)が消灯の状態である。ステップS3において、制御部31は、入/切ボタン51がONされたか否かの判定を行う。制御部31は、入/切ボタン51が依然としてOFF状態であると判定した場合(ステップS3のNO)、電源判定ステップS1に戻り以降の処理を繰り返す。
一方、制御部31は、入/切ボタン51がONされたと判定した場合(ステップS3のYES)、ステップS4において、イオン発生装置43が設置されたか否かの判定を行う。具体的には、制御部31は、イオン発生装置検知スイッチ74がイオン発生装置43の設置を検知したか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が設置されたと判定した場合(ステップS4のYES)、乾燥運転処理(図16)へ進む。一方、制御部31は、イオン発生装置が設置されていないと判定した場合(ステップS4のNO)、正常に乾燥・除菌運転コースを行うことができないため、イオン発生装置43の設置を促すイオン発生装置設置通知処理(図19)へ進む。
図16は、本実施形態における食器乾燥機により実行される乾燥運転処理を説明するフローチャートである。
使用者は前回と同様の運転コースを選択することが多いため、食器乾燥機1は、利便性を良くするために入/切ボタン51がONされると前回の運転コースを自動的に運転するようにしている。具体的には、ステップS11において、制御部31は、前回の運転コースがメモリ59に記憶されているか否かの判定を行う。制御部31は、前回の運転コースがメモリ59に記憶されていると判定した場合(ステップS11のYES)、ステップS12において、記憶されているコースは乾燥運転コースであるか否かの判定を行う。制御部31は、記憶されているコースが乾燥運転コースではない、すなわち除菌運転コースであると判定した場合(ステップS12のNO)、除菌運転処理(図17)へ進む。制御部31は、記憶されているコースが乾燥運転コースであると判定した場合(ステップS12のYES)、ステップS13において、ヒータ45、送風機44をONにする。また、制御部31は、前回の乾燥コースの運転時間に対応する乾燥運転ランプ55を点灯させる。その後、処理はステップS16に進む。
制御部31は、ステップS11において前回の運転コースがメモリ59に記憶されていないと判定した場合(ステップS11のNO)、ステップS14において、ヒータ45、送風機44をONにして温風運転を開始する。また、制御部31は、ここでは初期設定として運転時間20分を示す20分ランプ55aを点灯させる。
ステップS15において、制御部31は、運転時間などの時間を計測するためのタイマ58をリセットする。ステップS16において、制御部31は、温風運転に設定された運転時間が経過したか否かの判定を行う。温風運転に設定された時間は、例えば運転開始から運転終了10分前までの時間である。制御部31は、温風運転に設定された運転時間が経過したと判定した場合(ステップS16のYES)、加熱された食器などを冷却させるために、ステップS17において、送風機44をONに維持し、ヒータ45をOFFにして冷却運転を開始する。また、制御部31は、点灯中の乾燥運転ランプ55を点滅させる。使用者に冷却運転中である旨を通知するためである。
ステップS18において、制御部31は、今回の運転コースをメモリ59に記憶する。制御部31は、冷却運転に設定された時間(例えば10分)が経過すると、電源ON後処理(図15)の待機ステップS2へ戻り、乾燥運転を終了する。
一方、使用者は、食器の量等に応じて運転開始直後や運転途中に乾燥時間の変更を望むことがあるため、適宜、乾燥時間を変更できるようになっている。具体的には以下のステップ(S16、S19、S20〜S23)により行う。
制御部31は、温風運転に設定された運転時間が経過していないと判定した場合(ステップS16のNO)、ステップS19において、乾燥時間設定ボタン53aにより乾燥運転時間を設定する操作が行われたか否かの判定を行う。
制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われたと判定した場合(ステップS19のYES)、ステップS20において、乾燥運転時間が40分に設定されたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥運転時間が40分に設定されたと判定した場合(ステップS20のYES)、ステップS23に進む。制御部31は、乾燥運転時間が40分に設定されていないと判定した場合(ステップS20のNO)、ステップS21において、乾燥運転時間が60分に設定されたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥運転時間が60分に設定されたと判定した場合(ステップS21のYES)、ステップS23に進む。制御部31は、乾燥運転時間が60分に設定されていないと判定した場合(ステップS21のNO)、ステップS22において、乾燥運転時間が20分に設定されたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥運転時間が20分に設定されていないと判定した場合(ステップS22のNO)、ステップS20に戻り乾燥時間が設定されるまでステップS20〜ステップS22を繰り返す。
制御部31は、乾燥運転時間が設定されたと判定した場合(ステップS20〜S22のYES)、ステップS23において、ヒータ45および送風機44をONに維持する。また、制御部31は、設定された乾燥時間に応じた乾燥運転ランプ55を点灯させる。その後、処理はステップS16に戻る。
一方、使用者は、乾燥・運転コースの運転開始直後や運転途中に、除菌・乾燥運転コースに運転の切替えを望むことがあるため、適宜、運転コースの変更をできるようにするために、制御部31はステップS19において乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われていないと判定した場合(ステップS19のNO)、ステップS24において、除菌乾燥ボタン53bがONされたか否かの判定を行う。制御部31は、除菌乾燥ボタン53bがONされたと判定した場合(ステップS24のYES)、除菌運転処理(図17)へ進む。
このとき、制御部31は、除菌乾燥ボタン53bがONされていないと判定した場合(ステップS24のNO)、ステップS25において、イオン発生装置43が外されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外されていないと判定した場合(ステップS25のNO)、ステップS16に戻り以降の処理を繰り返す。制御部31は、イオン発生装置43が外されたと判定した場合(ステップS25のYES)、正常に除菌・乾燥運転コースを行なうことができないため、イオン発生装置設置通知処理(図19)に進む。
図17は、本実施形態における食器乾燥機により実行される除菌運転処理を説明するフローチャートである。
図18は、図17に続く除菌運転処理を説明するフローチャートである。
ステップS31において、制御部31は、電源投入後(電源ON後処理(図15)のステップS1のYES)、イオン発生装置43が外された後、再度設置されたか否かの判定を行う。このステップS31は、食器乾燥機1が水量センサーや重量センサーを有していない形態の場合、イオン発生装置43のタンク61に貯水されていることを直接的に検知することができない。このため、イオン発生装置43が外されたか否かで、間接的にタンク61に給水が行われたか否かを判定するための処理である。すなわち、イオン発生装置43が外された後設置されなければタンク61に給水されることは無く、正常な運転を行なうことができないため、制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されていないと判定した場合(ステップS31のNO)、ステップS33に進む。
一方、制御部31は、電源投入後イオン発生装置43が外された後設置されたと判定した場合(ステップS31のYES)、ステップS32において、イオン発生装置43が設置されてから所定期間(ここでは1週間)経過したか否かの判定を行う。このステップS32は、水量センサーや重量センサーを有していない形態の場合、イオン発生装置43のタンク61に貯水されていることを直接的に検知することができないため、所定期間を経過したことで、間接的にタンク61内の水が空になったか否かを判定するための処理である。このため、この所定期間は、例えば通常の使用(例えば1日3回運転)を行った場合に、タンク61内の水が完全に空にならない期間に設定していることが好ましい。
ここで、制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されると、設置されてからの経過時間をタイマ58により計測し、所定期間経過すると使用者に通知を行う。この通知により、タンク61内の水が空になる前に給水の必要を使用者に知らせることができるとともに、除菌乾燥運転コースの未実施期間が長くなった場合などにおいても、定期的に給水を促すことで、タンク61内の水の交換が行われ、タンク61内を清潔に保つことができる。
この通知は、具体的には、制御部31により、イオン発生装置43が設置されてから1週間経過したと判定した場合(ステップS32のYES)、ステップS33において、給水確認ランプ54を点滅さて行う。
次に、ステップS34において、制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されたと判定した場合(ステップS34のYES)、タンク61内に給水がなされたとみなして電源ON後処理(図15)の待機ステップS2に戻り、制御部31は、送風機44およびヒータ45をOFFにし、各ランプを消灯する。
制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されていないと判定した場合(ステップS34のNO)、タンク61内に給水されることはないため、ステップS35において、乾燥時間設定ボタン53aにより乾燥運転時間を設定する操作が行われたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われたと判定した場合(ステップS35のYES)、除菌・乾燥運転コースは正常に行うことはできないかもしれないが、タンク61内に貯水されていなくても乾燥運転コースは正常に行うことができるため、乾燥運転処理(図16)の運転時間設定ステップS20へ進む。制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われた場合には、使用者は乾燥・除菌運転コースをキャンセルし、乾燥運転コースを行うことを意図しているとみなす。
一方、制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われていないと判定した場合(ステップS35のNO)、ステップS36において、給水確認ランプ54の点滅から所定時間T1(例えば10分)が経過したか否かの判定を行う。制御部31は、時間T1が経過していないと判定した場合(ステップS35のNO)、使用者に給水が必要であることを継続して知らせるために、ステップS34に戻り以降の処理を繰り返す。一方、制御部31は、時間T1が経過したと判定した場合には(ステップS36のYES)、使用者がその場を離れているなどこれ以上通知を継続する必要がないと判断して、電源ON後処理(図15)の待機ステップ2に戻利、給水ランプ54の点滅を停止する。
制御部31は、ステップS32において電源投入後、イオン発生装置43が設置されてから1週間経過していないと判定した場合(ステップS32のNO)、ステップS37において、ヒータ45および送風機44をONに維持し、除菌運転ランプ56を点灯して乾燥・除菌運転コースをスタートする。また、イオン発生装置43をONし除菌運転を開始する。ステップS38において、制御部31は、イオン発生装置43が外されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外されたと判定した場合(ステップS38のYES)、正常な運転を行うことができないため、ステップS39において、ヒータ45および送風機44をOFFにする。また、制御部31は、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理はイオン発生装置設置通知処理(図19)に進む。
制御部31は、ステップS38においてイオン発生装置43が外されていないと判定した場合(ステップS38のNO)、ステップS40において、乾燥時間設定ボタン53aにより乾燥運転時間を設定する操作が行われたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われたと判定した場合(ステップS40のYES)、ステップS41において、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理は乾燥運転処理(図16)の運転時間設定ステップS20へ進む。
一方、制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われていないと判定した場合(ステップS40のNO)、ステップS42において、除菌運転開始から(ヒータ45、送風機44およびイオン発生装置43がONされてから)所定時間T2が経過したか否かの判定を行う。この所定時間T2は、上記したように除菌運転を開始してから(図17のステップS37から)蓋体11のロックを開始するまでの予め設定された時間である(例えば5〜10分)。制御部31は、時間T2が経過していないと判定した場合(ステップS42のNO)、ステップS38に戻る。
一方、制御部31は、時間T2が経過したと判定した場合(ステップS42のYES)、図18に示すように、ステップS43において、制御部31は、蓋体11のロックを行う。このとき、制御部31は、蓋体11の開閉状態を蓋開閉検知スイッチ81により検知し、蓋体11が閉じられている場合に蓋ロック用ソレノイド82に通電を行う。制御部31は、蓋体11をロックすることにより、使用者に被乾燥物の静電気により不快感を与えることを抑制する。蓋体11のロックは、蓋ロック解除ボタン52の所定時間(例えば3秒)の長押しにより解除可能となっている。使用者がやむを得ず被乾燥物を取り出す場合に対応するためである。また、蓋ロック解除ボタン52の長押しにより蓋体11のロックを解除させることにより、必要に応じてロックの解除が可能である一方、使用者の誤操作によりロックが解除されることを防止することができる。
ステップS44において、制御部31は、イオン発生装置43が外されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外されたと判定した場合(ステップS44のYES)、正常な運転を行うことができないため、ステップS39(図17)においてヒータ45、送風機44およびイオン発生装置43をOFFにする。また、制御部31は、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理はイオン発生装置設置通知処理(図19)に進む。
一方、制御部31は、イオン発生装置43が外されていないと判定した場合、(ステップS44のNO)、ステップS45において、乾燥時間設定ボタン53aにより乾燥運転時間を設定する操作が行われたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われたと判定した場合(ステップS45のYES)、ステップS41(図17)において、イオン発生装置43をOFFにする。また、制御部31は、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理は乾燥運転処理(図16)の運転時間設定ステップS20へ進み、乾燥運転へ移行する。食器乾燥機1は乾燥時間設定ボタン53aの操作が行なわれた場合、使用者は乾燥・除菌運転コースをキャンセルして乾燥運転コースで運転させることを意図しているとみなすためである。
制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われていないと判定した場合(ステップS45のNO)、ステップS46において、除菌運転が開始されてから(イオン発生装置43がONされてから)所定時間T3が経過したか否かの判定を行う。この所定時間T3は、除菌運転の終了を判定するための予め設定された時間である(図13においては50分)。制御部31は、除菌運転が開始されてから時間T3が経過していないと判定した場合(ステップS46のNO)、ステップS44に戻る。
制御部31は、除菌運転が開始されてから時間T3が経過したと判定した場合(ステップS46のYES)、ステップS47において、ヒータ45およびイオン発生装置43をOFFにする。すなわち、制御部31は、冷却運転を開始する。ここで、出願人は、予め乾燥室21内を高温・高湿にすることで金属製の食器類や食器カゴ12などの帯電量が小さくなる現象を発見した。しかし、高湿の状態でイオンを発生させたとしても、金属製の食器類や食器カゴ12などには人には感じない程度の微量な帯電が残留している可能性がある。そこで、この冷却運転は加温された食器などを冷却するためのものであるが、イオン発生装置43もOFFすることにより冷却運転と並行してこの帯電を自然放電させ、使用者に対する安全性を高めるためている。
ステップS48において、制御部31は、イオン発生装置43が外されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外されたと判定した場合(ステップS48のYES)、正常な運転が行なえないため、ステップS39(図17)において送風機44をOFFにする。また、制御部31は、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理はイオン発生装置設置通知処理(図19)に進む。
一方、制御部31は、イオン発生装置43が外されていないと判定した(ステップS48のNO)、ステップS49において、乾燥時間設定ボタン53aにより乾燥運転時間を設定する操作が行われたか否かの判定を行う。制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われたと判定した場合(ステップS49のYES)、ステップS41(図17)において、除菌運転ランプ56を消灯する。その後、処理は乾燥運転処理(図16)の運転時間設定ステップS20へ進む。
制御部31は、乾燥時間設定ボタン53aの操作が行われていないと判定した場合(ステップS49のNO)、ステップS50において、冷却運転開始から(ヒータ45およびイオン発生装置43がOFFされてから)所定時間T4が経過したか否かの判定を行う。この所定時間T4は、冷却運転の終了を判定するための予め設定された時間である(図13においては10分)。制御部31は、冷却運転が開始されてから時間T4が経過していないと判定した場合(ステップS50のNO)、ステップS48に戻る。
一方、制御部31は、時間T4が経過したと判定した場合、ステップS51において、蓋体11のロックを解除する。ここでは、制御部31は、被乾燥物の静電気を自然放電させるための時間を確保するため、除菌運転が終了してから一定時間(例えば10分)が経過した後に蓋体11のロックを解除するようになっている。これにより、使用者に静電気の放電による電撃を与えることを抑制することができる。なお、ステップS51においては除菌運転終了から10分経過時にロックの解除を行ったが、除菌運転からロック解除までの時間は、除菌運転時の帯電量の上昇に応じて10分より短くても長くてもよい(例えば10〜20分)。
ステップS52において、今回の運転コースをメモリ59に記憶する。その後、処理は電源ON後処理(図15)の待機ステップS2に戻り、乾燥・除菌運転コースを終了する。
図19は、本実施形態における食器乾燥機により実行されるイオン発生装置設置通知処理を説明するフローチャートである。
ステップS61において、制御部31は、給水確認ランプ54を点滅させる。制御部31は、イオン発生装置検知スイッチ74の検知に基づきイオン発生装置43が設置されていないと判断した場合、例えば操作部14の除菌運転ランプ56を点滅させることにより使用者に通知する。これにより使用者は、乾燥・除菌運転コースが行い得ない状況であることを目視で容易に確認することができる。なお、イオン発生装置43が設置されていない場合は、イオン発生装置43が収納されていない引出41が本体に挿入された場合や、引出41そのものが挿入されていない場合を含む。また、給水確認ランプ54の点滅は、電源が供給された状態で開始すればよく、上記のように入/切ボタン51がONされてからだけでなく、電源が投入されていればイオン装置43の設置状態に応じて(ステップS1、S4)点滅を開始してもよい。
ステップS62において、イオン発生装置43が外された後設置されたか否かの判定を行う。制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されていないと判定した場合(ステップS62のNO)、ステップS63において、所定時間T5が経過したか否かの判定を行う。この所定時間T5は、使用者がその場を離れているなどこれ以上通知を継続する必要がないかどうかの判定を行なうための時間である。制御部31は、時間T5が経過していないと判定した場合(ステップS63のNO)、ステップS62に戻る。
制御部31は、イオン発生装置43が外された後設置されたと判定した場合(ステップS62のYES)、および時間T5が経過したと判定した場合(ステップS63のYES)、電源ON後処理(図19)の待機ステップS2に戻り、給水確認ランプ54の点滅を消灯する。
制御部31は、図15〜19においては特に図示しないが、ステップS3において入/切ボタン51がON状態の際は、どのステップにおいても、入/切ボタン51がOFFされたか否かを検知しており、乾燥運転コースや除菌・乾燥運転コースの運転中であっても、入/切ボタン51がOFFされた場合には、電源ON後処理(図15)の待機ステップS2に戻るようになっている。
この本実施形態における食器乾燥機1によれば、乾燥・除菌運転時においては蓋体11の開放をロックすることにより、使用者が除菌運転中および自然放電中に不意に蓋体11を開放して被乾燥物に触れることにより、静電気の放電による電撃を受けることがなく、使用者に対する不快感を抑制することができる。
また、ロック機構を設けない形態においては、温風運転を先行して行ない乾燥室21内を高湿・高温の状態にするため温風運転開始から所定時間経過後に除菌運転を開始して被乾燥物への帯電量を減少させることで使用者への不快感を抑制することができる。しかし、温風運転開始から所定時間経過しなければ除菌運転を行なうことができないため迅速に除菌を行うことができない。これに対し、本実施形態では蓋体11のロック構造を有することで、温風運転開始と同時にまたはほぼ同時に除菌運転を開始しても使用者が不意に被乾燥物に接触できないため、使用者が不快を感じることを抑制しかつ迅速に被乾燥物の除菌を行うことができる。もちろん、本実施形態においても帯電量の減少を優先させて、温風運転開始から所定時間経過後に除菌運転を開始してもよい。
なお、本実施形態においては、除菌運転開始から除菌運転終了から10分経過時まで蓋体11のロックを行った。しかし、蓋体11をロックする時間はこれに限らず、被乾燥物の帯電量に応じて使用者が電撃による不快を感じないように、例えば乾燥・除菌運転コース開始から終了までロックを行ってもよいし、乾燥・除菌運転における冷却運転の後、さらに放電時間を設けた場合にはこの放電時間を考慮してロックを行ってもよい。
本実施形態においては、主に食器などの乾燥物を乾燥させる機能を有する食器乾燥機1について説明した。しかし、食器を洗浄する機能を備えた洗浄機能付食器乾燥機に本発明を適用してもよい。
1 食器乾燥機
10 本体
10a ロック孔
11 蓋体
12 食器カゴ
14 操作部
21 乾燥室
23 ロック爪
32 仕切板
33 排水孔
34 水受カップ
41 引出
43 イオン発生装置
44 送風機
45 ヒータ
47 ヒータ用風路
48 イオン用風路
49 温風吹出口
50 イオン吹出口
52 蓋ロック解除ボタン
58 タイマ
59 メモリ
71 高電圧電源
72 接続端子
74 イオン発生装置検知スイッチ
80 ロック機構
81 蓋開閉検知スイッチ
82 蓋ロック用ソレノイド

Claims (5)

  1. 本体と、
    前記本体を覆い前記本体とともに乾燥室を形成する蓋体と、
    前記蓋体の開閉をロックする蓋ロック部と、
    前記乾燥室に設置され被乾燥物を収納する食器カゴと、
    前記乾燥室に向けて空気を送風する送風機と、
    前記空気を加熱するヒータと、
    イオンを発生させ前記乾燥室内に供給するイオン発生装置とを備えたことを特徴とする食器乾燥機。
  2. 前記蓋ロック部は、前記蓋体と一体または別体に形成されたロック爪と、前記本体に設けられ前記ロック爪を前記本体に固定するロック機構とを有する請求項1記載の食器乾燥機。
  3. 前記蓋体のロック時、ロックを解除する指示を受け付ける解除受付部をさらに備えた請求項1または2記載の食器乾燥機。
  4. 前記解除受付部は押下により指示を受け付ける操作ボタンであり、所定時間の長押しを受け付けた場合に前記ロックを解除する指示を受け付ける請求項3記載の食器乾燥機。
  5. 前記蓋ロック部は、前記イオンの発生から所定時間経過後にロックを行う請求項1〜4のいずれか一項記載の食器乾燥機。
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