JP2012004936A - ローカルリーク低減方法、ローカルリーク低減回路および送信回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】直交変調器を備える送信装置において、ローカルリークの低減を行なう過程で、最小値近傍のローカルリークがローカルリーク検出回路のノイズフロア以下となる場合、ローカルリーク検出回路の性能に制限され、ローカルリーク低減回路の厳密な調整が不可能になる。
【解決手段】ローカルリークがローカルリーク検出回路のノイズフロアに埋もれない範囲でI,Qオフセット電圧値を複数回変化させてローカルリークを測定し、I,Qオフセット電圧とローカルリークとの関係を表す近似曲線を導出する。さらに、その近似曲線の最小値近傍の測定値からさらに2次曲線近似を行ない、ローカルリークが最小となるI,Qオフセット電圧値を算出する。
【選択図】図6
【解決手段】ローカルリークがローカルリーク検出回路のノイズフロアに埋もれない範囲でI,Qオフセット電圧値を複数回変化させてローカルリークを測定し、I,Qオフセット電圧とローカルリークとの関係を表す近似曲線を導出する。さらに、その近似曲線の最小値近傍の測定値からさらに2次曲線近似を行ない、ローカルリークが最小となるI,Qオフセット電圧値を算出する。
【選択図】図6
Description
本発明はローカルリーク低減方法、ローカルリーク低減回路および送信回路に係り、直交変調器を用いた送信装置においてローカルリークを低減するI,Qオフセット電圧調整値の導出方法に関するローカルリーク低減方法、ローカルリーク低減回路および送信回路である。
近年の移動体通信システムは、音声通話だけでなくデータ通信としての用途が浸透している。この結果、データ通信利用者の増加と共にデータ通信の高速化が求められている。ユーザ数の増加、高速データ通信の要望に対応すべく、近年では基地局のマルチキャリア化が進んでいる。その結果、基地局が同時に送受信するキャリア数も、増加が進んでいる。
さらに、現在第3世代移動体通信システムとして用いられているCDMAよりも周波数利用効率の良いOFDMAを適用したLTEシステムの標準化が進んでいる。LTEシステムは、日本国内でも2012年頃より本格的なサービスが開始される予定である。
このようなマルチキャリア化した基地局およびOFDMAを適用した基地局の送信装置は、広帯域な送信装置である必要がある。この送信装置は、かつ帯域内において不要波が出ず、信号品質が良いことが求められている。
基地局の送信装置における送信回路は、ベースバンド部より入力されるI,Q信号を高周波信号に変換する直交変調器を持つことがある。直交変調器は、ベースバンド信号と、高周波の基準信号となるローカル信号を入力として、ベースバンド信号を高周波信号に変換する。この直交変調器を用いた送信装置において、ベースバンド部と直交変調器の間の直流電圧アンバランスに起因するI,Qオフセットが存在する。このI,Qオフセット成分は、直交変調器出力において、本来漏れてはならないローカル信号が漏れてしまう現象(以下ローカルリークと記す)となる。ローカルリークにより、帯域内スプリアス特性が劣化したり、OFDM方式を適用した基地局においてはサブキャリアの信号品質が著しく劣化したりすることとなる。また、基地局の送信回路においては、最終段に高利得の増幅器が組み込まれることがある。このような場合、直交変調器におけるローカルリーク成分が小さなものであっても、高利得増幅器によって増幅され、基地局の送信出力としては大きな不要波となることもある。
従来技術には、図1に示すような構成の回路により直交変調器300の入力であるI,Q信号のオフセット電圧を調整することでローカルリークを低減する手法がある。この手法では、直交変調器300から出力されるローカルリークを方向性結合器301等によってフィードバックし、ローカルリーク検出回路302でローカルリークのレベルを測定し、測定値が最小になるようにI,Q信号のオフセット電圧をオフセット電圧調整部303で調整することでローカルリークの低減を行なう。
このような手法を用いてローカルリークを低減する従来技術として、特許文献1ないし特許文献3がある。特許文献1は、ローカルリークを簡易復調部にてI,Q信号を復調し、その直流成分を直交変調部にフィードバックし、直交変調器出力のローカルリークがゼロになるようにループを制御することでローカルリークを低減する。
また、特許文献2は、I,Qオフセット電圧を任意の方向(+,−)へ適切な量だけ変化させ、測定したローカルリーク値と前のローカルリーク値を比較し、前回よりも増加すれば逆方向へ、減少すれば同じ方向に変化させ続けることでローカルリークが最小となるように調整する。
さらに、特許文献3は、直交変調器の出力から搬送波のみを抽出し、直交復調器にてローカルリークのI,Qオフセット成分に復調・増幅した直流電圧をI,Q信号にそれぞれ印加し、直交変調器に入力するように構成する。I,Qオフセットの調整は、比較器にて上記の電圧印加後のI,Qオフセットと0Vとを比較し、その出力をDSP(Digital Signal Processor)に入力し、DSPにてI,Qのオフセットが0Vとなるように調整する。
また、他の従来技術を説明する図2に示すように、直交変調器300からのローカルリークを方向性結合器301等によってフィードバックし、ローカルリーク検出回路302にて検出したローカルリークを基に、ローカルリーク発振回路304からのローカル信号を振幅・位相調整部340にてローカルリークの同振幅・逆位相になるよう調整し、直交変調器出力に合成することでローカルリークを低減する。
このような手法を用いた従来技術として、特許文献4および特許文献5がある。特許文献4は、直交変調器の出力側でローカルリークキャンセル信号の合成前後で信号レベルを検出し、その比較結果を基に直交変調器へのローカル信号を分配した信号の振幅を可変減衰器、位相を位相器で調整し、同振幅・逆位相のローカルリークキャンセル信号を作り出す。
また、特許文献5は、ローカル信号源を低い周波数とし、位相器への入力周波数を低周波数とすることで位相シフトを容易にし、周波数逓培器で搬送波周波数に変換し、振幅を調整する。
しかし、上記のいずれの手法も、図3に示すようにローカルリークのレベルがローカルリーク検出回路のノイズフロアレベル以下となる場合、ローカルリークの測定が不可能となる。
図3において、横軸はIまたはQオフセット電圧の調整値、縦軸はローカルリーク電力である。オフセット電圧の調整値に対するローカルリーク電力特性101は、最適点付近で2次曲線となると考えられる。しかし、ノイズフロアレベル100以下のローカルリーク電力では、オフセット電圧の調整値の最適点が判別できない。
ローカルリークの測定が不可能のとき、ローカルリーク低減回路の厳密な調整が不可能となる。このため、ローカルリークの低減は、ローカルリークレベルやローカルリーク検出回路の性能に制限される。
複数のI,Qオフセットにおけるローカルリークを測定し、I,Qオフセット電圧調整値を算出する従来技術として特許文献6がある。特許文献6は、測定した複数のオフセット値から幾何学的な計算を行なうことでI,Q信号レベルの絶対値およびオフセット測定点からのオフセットを求め、それぞれの測定値からの交点を算出することによってI,Qオフセット電圧の調整値を算出する。特許文献6は、また、I、Qオフセットの絶対値を測定することで調整値を求める。
従来の技術では、検波回路等でローカルリークを測定し、その測定値が最小となるようにI,Qオフセット電圧値を調整する。または、同振幅・逆位相の信号を作り出して合成する。従来技術は、上述のいずれかでローカルリーク低減を図っている。しかし、いずれの場合もローカルリークが最小値となる近傍でもローカルリークのレベルがローカルリーク検出回路のノイズフロア以上であり、正しい値が測定できることを前提としている。図3に示すようにローカルリークレベルがローカルリーク検出回路のノイズフロア以下になってしまう場合、最小値近傍でのローカルリークが正しく測定できなくなり、ローカルリークを低減するための厳密な調整が困難となる。
上述した課題は、直交変調器を含む、I,Q信号のオフセット電圧を調整可能な送信装置におけるオフセット電圧調整方法であって、ローカルリーク検出回路にてローカルリークが検出できる範囲でI,Qオフセット電圧をそれぞれ複数回変更し、その時のローカルリークを測定し、回帰分析等を用いて測定したローカルリークとI,Qオフセット電圧との関係を示す近似曲線をそれぞれ導出し、最小値近傍のローカルリーク測定値からさらに2次曲線近似し、その最小点を算出し、ローカルリークを最小化するI,Q信号のオフセット電圧に調整するオフセット電圧調整方法により、達成できる。
また、I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、I信号とQ信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、直交変調器の後段に配置され、ローカルリークをローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、Iオフセット電圧をI信号に印加し、Qオフセット電圧をQ信号に印加するオフセット電圧調整部と、からなるローカルリーク低減回路において、さらに、近似曲線導出部を備え、近似曲線導出部は、オフセット電圧調整部を制御して、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを変化させながら、ローカルリーク検出回路が検出した電力を取得して、電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、オフセット電圧調整部は、近似曲線導出部が算出した最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを出力するローカルリーク低減回路により、達成できる。
また、I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、I信号とQ信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、直交変調器の後段に配置され、ローカルリークをローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、Iオフセット電圧をI信号に印加し、Qオフセット電圧をQ信号に印加するデジタルシグナルプロセッサと、からなるローカルリーク低減回路において、デジタルシグナルプロセッサは、オフセット電圧とQオフセット電圧とを変化させながら、ローカルリーク検出回路が検出した電力を取得して、電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、算出した最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを出力するローカルリーク低減回路により、達成できる。
さらに、I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、I信号とQ信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、直交変調器の後段に配置され、ローカルリークをローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、Iオフセット電圧をI信号に印加し、Qオフセット電圧をQ信号に印加するデジタルシグナルプロセッサと、方向性結合器のフォワード側に接続されたパワーアンプとからなる送信回路において、デジタルシグナルプロセッサは、パワーアンプを停止状態にして、オフセット電圧とQオフセット電圧とを変化させながら、ローカルリーク検出回路が検出した電力を取得して、電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、算出した最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを出力し、パワーアンプを稼動状態にする送信回路により、達成できる。
本発明では、ローカルリーク検出回路が最小値近傍でローカルリークを測定できない場合でも、測定可能な範囲で取得した複数のローカルリーク値から回帰分析により近似曲線を導出する。ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧値を算出できるため、ローカルリーク検出系回路の性能に制限されることなくローカルリーク低減回路の厳密な調整が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、実施例を用い、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り説明は繰り返さない。
まず、図4を参照して、無線基地局600の構成を説明する。図4において、無線ネットワーク400は、無線基地局600、端末900、ネットワーク500、コアネットワークサーバ800で構成される。無線基地局600は、アンテナ610と、送受信部620と、ベースバンド部630と、回線インタフェース部640とから構成される。送受信部620は、デュープレクサ680、送信回路690、受信回路660、デジタルシグナルプロセッサ650から構成される。
アンテナ610は、無線端末900との送受信インタフェースである。送受信部620は、無線信号とベースバンド信号を変復調する。ベースバンド部630は、無線基地局600の制御とコアネットワークサーバ800との通信を行なう。回線インタフェース部640は、無線基地局600をネットワーク網500へ接続する。
Duplexer680は、送信信号/受信信号の分離を行なう。送信回路690は、ベースバンド信号を無線信号に変調する。受信回路660は、受信した無線信号をベースバンド信号に復調する。DSP650は、信号処理を行なう。
図5を参照して、送受信部620の構成を説明する。図5において、送受信部620における送信回路690は、2台のD/A変換器700と、直交変調器300と、ローカル信号発振回路304−2と、パワーアンプ703と、方向性結合器301と、ローカルリーク検出回路302と、A/D変換器701−1で構成される。
また、受信回路660は、ローノイズアンプ704と、ミキサ706と、ローカル信号発振回路304−2と、A/D変換器701−2から構成される。
送受信部620は、送受信信号の信号処理を行なうDSP650と、送受信信号を分離するためのDuplexer680を有する。
DSP650から出力されるI,Q信号について、D/A変換器700は、デジタル信号からアナログ信号に変換する。D/A変換器700は、アナログ信号を、直交変調器300に出力する。直交変調器300は、I,Q信号の他にローカル信号発振回路304からのローカル信号の入力ポートがあり、I,Q信号とローカル信号を基に直交変調を行なう。パワーアンプ703は、直交変調器300の出力を、増幅する。増幅信号は、Duplexer680を通過してアンテナ610より出力される。
ローカルリーク低減のためのフィードバック系は、送受信部620の送信回路690内に実装されている。フィードバック系は、方向性結合器301と、ローカルリーク検出回路302と、A/D変換器700−1と、DSP650とにより構成される。
方向性結合器301は、送信回路690に直交変調器出力をフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、ローカルリークを検出する。A/D変換器700−1は、ローカルリーク検出回路302が検出したローカルリークをアナログ/デジタル変換する。DSP650は、デジタル変換されたローカルリークに基づいて、I,Qオフセット信号を出力する。
図6を参照して、ローカルリーク低減回路を説明する。図6において、ローカルリーク低減回路は、直交変調器300と、方向性結合器301と、ローカルリーク検出回路302と、近似曲線導出部350と、オフセット電圧調整部303とから構成される。
直交変調器300は、I,Q信号を直交変調する。
直交変調器300は、I,Q信号を直交変調する。
方向性結合器301は、直交変調器300の出力をフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、ローカルリークを測定する。近似曲線導出部350は、測定したローカルリークとI,Qオフセット電圧との関係を表す近似曲線の導出とローカルリークが最小となるI,Qオフセット電圧を算出する。オフセット電圧調整部303は、算出したI,Qオフセット電圧をI,Q信号に印加する。
実施例1のローカルリーク低減方法は、上記の回路において、直交変調器300に加えるI,Qオフセット電圧をローカルリークがローカルリーク検出回路302のノイズフロアに埋もれない範囲でそれぞれ複数回変更して、その時のローカルリークをローカルリーク検出回路302にて測定する。近似曲線導出部350は、回帰分析によりI,Qオフセット電圧値とローカルリーク測定値との関係を示す近似曲線をそれぞれ導出する。近似曲線導出部350は、さらに最小値近傍においてそれぞれ2次曲線近似を行なう。近似曲線導出部350は、導出した2次曲線が最小となるI,Qオフセット電圧値をそれぞれ算出する。オフセット電圧調整部303は、そのオフセット電圧をI,Q信号にそれぞれ印加することでローカルリークを低減する。この方式を取ることにより、ローカルリークが最も低くなる近傍での測定を行なわなくても、ローカルリークが高い箇所での測定結果から近似を行なうことで、ローカルリーク成分を低くすることができる。したがって、従来方式では不可能であった、ローカルリーク検出器302のノイズフロア以下にローカルリークを低減することができる。
図7を参照して、実施例1のローカルリーク低減回路を説明する。なお、図7は、送信回路690の要部とDSP650であり、図5を抜粋した図である。図7において、I,Q信号の入力が無く直交変調器300への入力がI,Qオフセットのみとなる場合、直交変調器300の出力は、ローカルリークのみとなる。このため、直交変調器300の出力を方向性結合器301でフィードバックし、ローカルリーク検出回路302にてローカルリークを測定する。測定値をA/D変換器700−1によりアナログ信号からデジタル信号に変換し、DSP650に入力する。
ローカルリーク検出回路302としては、検波器、Power Detector等がある。これらの回路は、最小値近傍でのローカルリークを測定できる性能を持つ必要はなく、I,Qオフセット電圧の調整可能範囲内で近似曲線の導出に必要な複数のローカルリーク値を測定できる性能があればよい。この条件でローカルリーク値が測定できる回路であれば復調器等で測定してもよい。
DSP650は、入力された複数のローカルリーク測定値とその時のI,Qオフセット電圧から回帰分析を行なう。DSP650は、ローカルリークとI,Qオフセット電圧の関係を表す近似曲線を導出する。さらに、DSP650は、近似曲線の最小値近傍でさらに2次曲線近似を行ない、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を算出する。DSP650は、オフセット電圧調整機能により算出したI,Qオフセット電圧を出力し、I,Q信号にそれぞれ最適な電圧印加する。
DSP650で行なう近似曲線の導出方法である回帰分析の手法として、最小二乗法がある。図8を参照して、最小二乗法での近似曲線導出手順を以下説明する。図8において、ローカルリーク測定値とI,Qオフセット電圧との関係を表す近似曲線の導出に当たって、あてはめる曲線の一般型をあらかじめ設定しておく。ただし、この近似曲線の変数は、IまたはQオフセット電圧であり、未知の定数である係数を少なくとも一つ以上持つものとする。
次に、測定を行なったI,Qオフセット電圧を設定したあてはめる曲線の一般型の変数に代入し、ローカルリーク測定値の二乗残差を表す式を求め、全てのローカルリーク測定値に対する二乗残差の総和を表す式を導出する。この二乗残差の総和が最小となる係数を持つ曲線が、求める近似曲線となる。
二乗残差の総和が最小となる曲線の各係数は、二乗残差の総和をあてはめる曲線の各係数での偏微分をそれぞれゼロとおくことで曲線の係数で表わされる連立方程式を立て、これらの連立方程式を解くことで求めることができる。導出した未知の係数をあてはめる曲線の一般型の各係数に代入することで、ローカルリーク測定値とI,Qオフセット電圧の関係を表す近似曲線が導出できる。
ただし、本実施例で用いる回帰分析は、ローカルリークの測定値と測定時のI,Qのオフセット電圧から近似曲線を導出できるものであれば、最小二乗法以外の方式でもよい。
ただし、本実施例で用いる回帰分析は、ローカルリークの測定値と測定時のI,Qのオフセット電圧から近似曲線を導出できるものであれば、最小二乗法以外の方式でもよい。
導出した近似曲線の最小値近辺のローカルリーク測定値から、DSP650は、近似曲線と同様の方法で2次曲線近似を行なう。DSP650は、2次曲線が最小、つまりローカルリークが最小となるI,Qオフセット電圧を算出し、オフセット電圧調整機能より算出したI,Qオフセット電圧を出力し、I,Q信号に印加することでローカルリークを低減する。
ローカルリークを最小にするI,Qオフセット電圧の算出は、近似曲線の最小値を直接I,Qオフセット電圧の調整値としてもよい。また、はじめから2次曲線近似を行ない、最小値となるI,Qオフセット電圧を算出するようにしてもよい。
以上のように、本実施例を適用することで、ローカルリークの低減が可能となる。また、図6における近似曲線導出部350とオフセット電圧調整部303をDSP650内の機能として実装してもよい。この場合、近似曲線導出部350とオフセット電圧調整部303を回路上に実装する必要が無くなり、基板上の実装面積の削減や部品コスト低減が期待できる。
実施例1では、ローカルリーク検出回路が最小値近傍でローカルリークを測定できない場合でも、測定可能な範囲で取得した複数のローカルリーク値から回帰分析等により近似曲線を導出することで、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧値を算出できる。このため、ローカルリーク検出系回路の性能に制限されることなくローカルリーク低減回路の厳密な調整が可能となる。また、高性能なローカルリーク検出回路を構成する必要がなく、ローカルリーク検出回路の小型化や低価格も期待できる。
図9を参照して、実施例2のローカルリーク低減回路を説明する。一般的に、I,Qオフセット電圧は、周辺温度および入力されるI,Q信号の振幅に依存して変化する。このため、装置の温度の変化等によって、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧が変化する。このような最適なI,Qオフセット電圧の変動は、OFDM等の高度な変調方式を用いた送信装置では、信号品質を大きく劣化させる要因となる。このため、送信中であってもローカルリーク値を監視し、I,Qオフセット電圧が変動し、ローカルリーク値が装置の規定値を超えた場合、適宜、I,Qオフセット電圧の再調整を行なえることが望ましい。
実施例2では、ローカルリーク検出回路302として、ローパスフィルタ360とPower Detector(電力検出器)370とを組み合わせる。この構成により、直交変調された信号とローカルリークとが混在した直交変調器300の出力からローカルリークのみを抽出する。この結果、送信中のI,Qオフセット電圧の調整を可能にしている。
実施例2のローカルリーク低減回路の再調整方法について、以下説明する。
I,Q信号が入力された直交変調器300は、I,Q信号が直交変調された信号とI,Qオフセット成分によるローカルリークを混在して出力し、送信する。方向性結合器301は、直交変調された信号とローカルリークが混在したフィードバック出力を、ローカルリーク検出回路302に入力する。
I,Q信号が入力された直交変調器300は、I,Q信号が直交変調された信号とI,Qオフセット成分によるローカルリークを混在して出力し、送信する。方向性結合器301は、直交変調された信号とローカルリークが混在したフィードバック出力を、ローカルリーク検出回路302に入力する。
ここで、直交変調された信号の周波数は、一般的に、D/A変換器700の出力であるI,Q信号の持つ中間周波数とローカル信号の周波数の和(または差)となる。一方、ローカルリークは、I,Qオフセットによる直流成分が直交変調器300に入力され、この直流成分にローカル信号が乗算されることで発生する。このため、ローカルリークは、ローカル信号と同じ周波数を持つ。
このように、直交変調信号とローカルリークは、異なる周波数を持つ。したがって、ローカルリーク検出回路302のローパスフィルタ360をローカルリークだけを通過する特性にすることで、ローカルリークのみが抽出できる。すなわち、実施例2に拠れば、信号を送波中であってもローカルリーク成分のみが抽出できる。
ローパスフィルタ360は、バンドパスフィルタであってもよく、直交変調器とローカルリークの周波数関係に合わせて適切なものを選択するように構成すれば良い。
また、実施例2のローカルリーク検出回路302は、ローパスフィルタ360等のフィルタとPower Detector370の組み合わせ以外にも、直交変調した信号を送波中にローカルリークのみを抽出できるものであれば、別の構成のものでも良い。
また、実施例2のローカルリーク検出回路302は、ローパスフィルタ360等のフィルタとPower Detector370の組み合わせ以外にも、直交変調した信号を送波中にローカルリークのみを抽出できるものであれば、別の構成のものでも良い。
抽出されたローカルリークについて、Power Detector370は、ローカルリークの電力を測定する。A/D変換器701は、測定電力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、DSP650に入力する。
このローカルリーク検出回路302は、常時または定期的にローカルリークの測定を行ない、測定値をDSP650で監視し、測定値が再調整を実施する閾値を超えた場合、近似曲線の導出とローカルリークを最小にするI,Qオフセット電圧の算出を再度行ない、I,Qオフセット電圧を算出した値に調整し、I,Q信号に印加することでローカルリークの低減回路の再調整を行なう。
再調整の手順は、DSP650が再調整を行なうと判定したとき、I,Qオフセット電圧を少しずつ変化させ、ローカルリーク値の測定を行なう。この時、測定したローカルリーク値が、あらかじめ設定された装置のローカルリーク仕様値を超えないように測定値を監視し、ローカルリークの仕様値+設定したマージンを超えない範囲でI,Qオフセット電圧を一定のステップで変化させる。
ここで、装置のローカルリーク仕様値は、再調整の実施を判定するローカルリーク規定値より大きく、スプリアス規定に対してある程度のマージンを持たせた値である。
さらに、測定した全てのローカルリークに対して、前後の測定値に対する最低変化量を規定しておき、変化量が規定値未満である時、その測定値は近似曲線の導出には使用しない。これにより、近似曲線の導出に不要な、ノイズフロア以下のローカルリーク測定値を排除する。
残りのローカルリーク測定値を用いて、DSP650は、近似曲線を導出する。DSP650は、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を算出する。さらに、DSP650は、算出したI,Qオフセット電圧を出力する。加算器は、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧をI,Q信号に印加することでローカルリークの低減回路の再調整を行なう。
以上のように、実施例2に依れば、I,Q信号が出力され、直交変調器からはローカルリークだけでなく直交変調された信号も出力されている場合においても、ローカルリーク検出回路がローカルリークのみを抽出し、近似曲線を再導出し、I,Qオフセット電圧を再調整可能となり、送信を停止することなくローカルリークを最小化できる。また、I,Qオフセット電圧が変化しても、その変化に追従してI,Qオフセット電圧を再調整できるため、常にローカルリークの影響を最小化できる。
図10を参照して、実施例3のローカルリーク低減回路を備えた送信回路の構成を説明する。図10において、送信回路は、図7を参照して説明した送信回路の構成に加え、パワーアンプ703の電源を制御するパワーアンプ制御部750を有する。パワーアンプ制御部750は、DSP650からの制御信号によりパワーアンプ703の電源をON/OFFする。パワーアンプのON/OFF判定は、DSP650で行なわれる。DSP650は、パワーアンプ703の起動/停止信号をパワーアンプ制御部750に送信する。
ここで、パワーアンプ制御部750をDSP650内の機能として実装し、DSP650がパワーアンプのON/OFFを直接制御するように構成してもよい。
ここで、パワーアンプ制御部750をDSP650内の機能として実装し、DSP650がパワーアンプのON/OFFを直接制御するように構成してもよい。
ローカルリーク低減回路の再調整方法は、以下の通りである。
DSP650は、送信装置がベースバンド部からの信号が無く、I,Q信号が出力されない時、パワーアンプ制御部750へ停止信号を送信し、パワーアンプ703の電源をOFFにする。DSP650は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークを方向性結合器301でフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換してDSP650に入力する。
DSP650は、送信装置がベースバンド部からの信号が無く、I,Q信号が出力されない時、パワーアンプ制御部750へ停止信号を送信し、パワーアンプ703の電源をOFFにする。DSP650は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークを方向性結合器301でフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換してDSP650に入力する。
DSP650は、同様に近似曲線の導出とローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を算出する。DSP650は、算出したI,Qオフセット電圧を出力し、I,Q信号に印加することでローカルリークの低減回路の再調整を行なう。
I,Qオフセット電圧の再調整を行なうタイミングとしては、深夜等の長時間送信を行なわない時間に定期的に行なうことが考えられる。また、送信を行なわないIdle状態が設定した時間経過しても継続している場合、再調整するように制御してもよい。
実施例3に依れば、端末等の送信を行なわないIdle時間がある送信装置において電源をOFFすることなく、ローカルリークを最小化するようにI,Qオフセット電圧を調整することが可能になる。また、適宜、再調整が行なわれることで、最適なI,Qオフセット電圧が変化してしまった場合も、自動的にローカルリークを最小化するようにI,Qオフセット電圧を調整できる。
図11を参照して、実施例4のローカルリーク低減回路を備えた送信装置の構成を説明する。実施例4は、0系送信回路690−0と1系送信回路690−1と呼ぶ2系統の送信回路を有する送信装置である。なお、送信回路690には、DSP650を含むが、図示の簡便のため外れている。
各送信回路690は、D/A変換器700と、直交変調器300と、ローカル信号発振回路304と、パワーアンプ703と、方向性結合器301と、ローカルリーク検出器302と、A/D変換器701と、DSP650と、アンテナ610とを有する。
D/A変換器700は、DSP650からのデジタル信号をアナログ信号に変換する。直交変調器300は、I,Q信号を直交変調する。ローカル信号発振回路304は、ローカル信号を出力する。パワーアンプ703は、信号を増幅する。方向性結合器301は、ローカルリーク低減を行なうために、直交変調器300の出力をフィードバックする。ローカルリーク検出器302は、ローカルリークを測定する。A/D変換器701は、測定したローカル信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。DSP650は、近似曲線導出部350とオフセット電圧調整部303の機能を持つ。アンテナ610は、無線信号を出力する。
ここで、アンテナ610の前段にDuplexerを挿入し、送信回路毎に受信回路を持つ構成であってもよく、アンテナ610の前段に合成器を挿入し、2系統の出力を一本のアンテナで送信する構成にしてもよい。
各送信回路690のパワーアンプ703は、DSP650からの制御信号を入力する端子があり、DSP650からの制御信号でパワーアンプ703の電源をON/OFFできるように構成されている。
実施例4のローカルリーク低減回路の再調整方法を以下説明する。
DSP650は、定期的またはトラフィックの少ない時間帯に、調整する片方の送信回路690のパワーアンプ703の電源をOFFし、I,Q信号の出力を停止し、直交変調器への入力信号が無い状態にする。方向性結合器301は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークをローカルリーク検出回路302にフィードバックする。ローカルリークをローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換して、DSP650に入力する。
DSP650は、定期的またはトラフィックの少ない時間帯に、調整する片方の送信回路690のパワーアンプ703の電源をOFFし、I,Q信号の出力を停止し、直交変調器への入力信号が無い状態にする。方向性結合器301は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークをローカルリーク検出回路302にフィードバックする。ローカルリークをローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換して、DSP650に入力する。
DSP650は、実施例1と同様に近似曲線の導出とローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を算出し、算出したI,Qオフセット電圧を出力する。加算器は、I,Qオフセット電圧をI,Q信号に印加することでローカルリークの低減回路の再調整を行なう。調整が終了すると、DSP650は、パワーアンプ703を再び起動し、I,Q信号の出力も再開する。
次に、もう片方の送信回路も同様の方法で調整を行なう。ただし、2つの送信回路を続けて調整する必要はなく、片系ずつ時間をずらして調整するよう制御してもよい。
次に、もう片方の送信回路も同様の方法で調整を行なう。ただし、2つの送信回路を続けて調整する必要はなく、片系ずつ時間をずらして調整するよう制御してもよい。
実施例4を適用することで、複数の送信回路を有する無線基地局において、サービスを停止することなく、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を再調整できる。また、適宜、定期的に再調整が行なうことで、最適なI,Qオフセット電圧が変化してしまった場合も、自動的にローカルリークを最小化するようにI,Qオフセット電圧が調整され、信号品質を維持できる。
図12を参照して、実施例5のローカルリーク低減回路を備えた送信装置の構成を説明する。図12において、送信回路690Bは、自身の出力信号の品質を監視するために、図7の構成に加えて、方向性結合器301−2と、復調器760と、再調整判定部770とを有する。
方向性結合器301−2は、出力信号をフィードバックする。復調器760は、直交変調信号を復調する。再調整判定部770は、復調した信号の品質を評価し、I,Qオフセット電圧の再調整の要否を判定し、信号の劣化した際にI,Qオフセット電圧の再調整を指示する。そして、再調整するよう指示を受けたDSP650は、ローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を再調整・出力し、I,Q信号に印加するように構成される。
ここで、再調整判定部770は、DSP650内の機能として実装してもよい。また、復調回路760をローカルリーク検出回路302としても利用することで、送信回路全体で、フィードバック回路を一つに統合した構成でもよい。
ここで、再調整判定部770は、DSP650内の機能として実装してもよい。また、復調回路760をローカルリーク検出回路302としても利用することで、送信回路全体で、フィードバック回路を一つに統合した構成でもよい。
判定に用いる信号品質は、BER(Bit Error Rate)やEVM(Error Vector Magnitude)等があり、これらの測定値が装置の仕様値や規定値より劣化した際にI,Qオフセット電圧を再調整するように制御する。
実施例5のローカルリーク低減方法を以下説明する。
再調整判定部770は、常時または定期的に出力信号の信号品質を監視し、信号品質が規定値以下になった時、DSP650にローカルリーク低減回路の再調整を行なう指示を行なう。DSP650は、再調整判定部770からローカルリーク低減回路の再調整の指示を受けると、パワーアンプ703の電源をOFFし、I,Q信号の出力を停止し、直交変調器への入力信号が無い状態にする。方向性結合器301−1は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークをローカルリーク検出回路302にフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器701は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換してDSP650に入力する。
再調整判定部770は、常時または定期的に出力信号の信号品質を監視し、信号品質が規定値以下になった時、DSP650にローカルリーク低減回路の再調整を行なう指示を行なう。DSP650は、再調整判定部770からローカルリーク低減回路の再調整の指示を受けると、パワーアンプ703の電源をOFFし、I,Q信号の出力を停止し、直交変調器への入力信号が無い状態にする。方向性結合器301−1は、I,Q信号の入力が無い直交変調器300の出力であるローカルリークをローカルリーク検出回路302にフィードバックする。ローカルリーク検出回路302は、そのローカルリークを測定する。A/D変換器701は、測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換してDSP650に入力する。
DSP650は、実施例1と同様に近似曲線の導出とローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧を算出し、算出したI,Qオフセット電圧を出力する。加算器は、I,Qオフセット電圧をI,Q信号に印加することでローカルリークの低減回路の再調整を行なう。再調整が終了すると、DSP650は、パワーアンプ703を再び起動し、I,Q信号の出力も再開する。
なお、再調整は実施例2と同様に送信を行ないながらローカルリーク低減回路を再調整するように制御してもよい。
なお、再調整は実施例2と同様に送信を行ないながらローカルリーク低減回路を再調整するように制御してもよい。
実施例5を行なうことで、信号品質が規定値以下に劣化した際に、即座にローカルリークを最小化するようにI,Qオフセット電圧を再調整でき、スプリアスの発生や信号品質劣化によるスループットの低下を最小限に抑制可能となる。
図13を参照して、実施例6のローカルリーク低減回路の構成を説明する。図13において、送信回路690Cは、パワーアンプ703の歪補償をするために、図7の構成に加えて、方向性結合器301−2と、復調器760と、歪補償回路780とを有する。
方向性結合器301−2は、パワーアンプ703の出力をフィードバックする。復調器760は、出力信号を復調する。歪補償回路780は、復調した信号からパワーアンプ703による歪を検出し、I,Q信号の補正情報を送信する。
DSP650は、歪補償回路からの補正情報を基にパワーアンプ703の出力で歪が無くなるようにI,Q信号を補正する。
また、ローカルリーク低減回路として、パワーアンプ703の前で直交変調器出力300をフィードバックするための方向性結合器301と、ローカルリークを測定するローカルリーク検出回路302と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器701を有する。デジタル信号に変換されたローカルリークは、DSP650に入力され、近似曲線の導出とローカルリークを最小化するI,Qオフセット電圧が算出を行ない、算出したI,Qオフセット電圧を出力し、I,Q信号に印加するように構成される。
ここで、ローカルリーク検出回路302として復調回路760を用いてもよく、復調回路760の前段にスイッチを挿入し、パワーアンプ703前後のフィードバックを切り替える構成にし、ローカルリーク検出回路302と歪み補償用の復調回路760を一つの復調回路760に置き換えることでローカルリーク低減用と歪み補償用のフィードバック回路を統合してもよい。また、歪み補償回路は、DSP650内の機能として実装してもよい。
パワーアンプ703の歪補償は、パワーアンプ703を起動し、信号を送信している環境で行なう必要がある。このため、歪み補償回路が収束するまでの間、ローカルリークがパワーアンプ703によって増幅され、そのまま出力されてしまう。
そこで、実施例6では、パワーアンプ703を起動する前の段階で、実施例1と同様に、I,Q信号を入力しない状態での直交変調器300の出力であるローカルリークをパワーアンプ703の前段にある方向性結合器301−1でフィードバックし、ローカルリーク検出回路302で測定し、A/D変換器でアナログ信号からデジタル信号に変換し、DSP650内で処理を行ない、ローカルリークを最小化するようにI,Qオフセット電圧の調整を歪補償実施前に行なうように制御する。
ローカルリークの低減後、パワーアンプ703を起動し、I,Q信号を出力し、パワーアンプ703の出力をパワーアンプの次段に挿入した方向性結合器301−2でフィードバックし、歪み補償回路780にてパワーアンプの歪の検出し、補正情報をDSP650に入力する
DSP650は、歪み補償回路780からの歪補償情報を基にパワーアンプ出力で歪が無くなるようにI,Q信号を補正することで歪補償を行なう。
DSP650は、歪み補償回路780からの歪補償情報を基にパワーアンプ出力で歪が無くなるようにI,Q信号を補正することで歪補償を行なう。
実施例6を適用することにより、歪み補償開始時および収束するまでの間にローカルリークがパワーアンプ703で増幅され、そのまま出力してしまうことを防止できる。
300…直交変調器、301…方向性結合器、302…ローカルリーク検出回路、303…オフセット電圧調整部、304…ローカル信号発振回路、340…振幅・位相調整回路、350…近似曲線導出部、360…ローパスフィルタ、370…Power Detector、400…無線ネットワーク、500…ネットワーク網、600…無線基地局、610…アンテナ、620…送受信部、630…ベースバンド部、640…回線インタフェース、650…DSP、660…受信回路、680…Duplexer、690…送信回路、700…D/A変換器、701…A/D変換器、703…パワーアンプ、704…ローノイズアンプ、706…ミキサ、750…パワーアンプ制御部、760…復調回路、770…再調整判定部、780…歪み補償回路、800…コアネットワークサーバ、900…端末。
Claims (5)
- 直交変調器を含む、I,Q信号のオフセット電圧を調整可能な送信装置におけるオフセット電圧調整方法であって、
ローカルリーク検出回路にてローカルリークが検出できる範囲でI,Qオフセット電圧をそれぞれ複数回変更し、その時のローカルリークを測定し、
回帰分析等を用いて測定したローカルリークとI,Qオフセット電圧との関係を示す近似曲線をそれぞれ導出し、
最小値近傍のローカルリーク測定値からさらに2次曲線近似し、
その最小点を算出し、
ローカルリークを最小化するI,Q信号のオフセット電圧に調整するオフセット電圧調整方法。 - I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、前記I信号と前記Q信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、前記直交変調器の後段に配置され、前記ローカルリークを前記ローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、前記Iオフセット電圧を前記I信号に印加し、前記Qオフセット電圧を前記Q信号に印加するオフセット電圧調整部と、からなるローカルリーク低減回路において、
さらに、近似曲線導出部を備え、
前記近似曲線導出部は、前記オフセット電圧調整部を制御して、前記オフセット電圧と前記Qオフセット電圧とを変化させながら、前記ローカルリーク検出回路が検出した前記電力を取得して、前記電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、
前記オフセット電圧調整部は、近似曲線導出部が算出した前記最適Iオフセット電圧と前記最適Qオフセット電圧とを出力することを特徴とするローカルリーク低減回路。 - I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、前記I信号と前記Q信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、前記直交変調器の後段に配置され、前記ローカルリークを前記ローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、前記Iオフセット電圧を前記I信号に印加し、前記Qオフセット電圧を前記Q信号に印加するデジタルシグナルプロセッサと、からなるローカルリーク低減回路において、
前記デジタルシグナルプロセッサは、前記オフセット電圧と前記Qオフセット電圧とを変化させながら、前記ローカルリーク検出回路が検出した前記電力を取得して、前記電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、算出した前記最適Iオフセット電圧と前記最適Qオフセット電圧とを出力することを特徴とするローカルリーク低減回路。 - 請求項2または請求項3に記載のローカルリーク低減回路であって、
前記ローカルリーク検出回路は、前記ローカルリークの周波数帯を通過させ、かつ前記高周波信号を阻止するフィルタと、電力検出器とで構成されることを特徴とするローカルリーク低減回路。 - I信号とQ信号とローカル信号とを入力として、前記I信号と前記Q信号とを高周波信号に変換する直交変調器と、ローカルリークの電力を検出するローカルリーク検出回路と、前記直交変調器の後段に配置され、前記ローカルリークを前記ローカルリーク検出回路にフィードバックする方向性結合器と、Iオフセット電圧とQオフセット電圧とを出力して、前記Iオフセット電圧を前記I信号に印加し、前記Qオフセット電圧を前記Q信号に印加するデジタルシグナルプロセッサと、前記方向性結合器のフォワード側に接続されたパワーアンプとからなる送信回路において、
前記デジタルシグナルプロセッサは、前記パワーアンプを停止状態にして、前記オフセット電圧と前記Qオフセット電圧とを変化させながら、前記ローカルリーク検出回路が検出した前記電力を取得して、前記電力の最小値近傍において2次曲線近似により、最適Iオフセット電圧と最適Qオフセット電圧とを算出し、算出した前記最適Iオフセット電圧と前記最適Qオフセット電圧とを出力し、前記パワーアンプを稼動状態にすることを特徴とする送信回路。
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JP2010139166A JP2012004936A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | ローカルリーク低減方法、ローカルリーク低減回路および送信回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014141723A1 (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-18 | パナソニック株式会社 | 送信装置 |
CN117220713A (zh) * | 2023-09-06 | 2023-12-12 | 上海力通通信有限公司 | 不共本振的tx直流跟踪校正方法 |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139166A patent/JP2012004936A/ja active Pending
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