以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態におけるプレゼンテーションシステム1の一構成例を示す図である。このプレゼンテーションシステム1は、プレゼンテーション支援装置2と、プレゼンタが操作する第1の情報処理端末3と、プレゼンタによるプレゼンテーションを視聴する参加者が操作する第2の情報処理端末4と、スクリーン7にプレゼンテーション資料などの画像を投影することによって表示するプロジェクタ5とが、LANなどのネットワーク6を介して相互にデータの入出力を行うことが可能な構成である。
本実施形態のプレゼンテーション支援装置2は、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などで構成される情報機器10と、各種情報が記憶されたデータベース12を備える検索装置11とで構成されている。情報機器10と検索装置11とは、互いにネットワーク6を介してデータの入出力を行うことができる構成である。尚、図1では、情報機器10と検索装置11とがそれぞれ別の装置として構成される場合を例示しているが、情報機器10が検索装置11の機能を内蔵するものであっても構わない。プロジェクタ5は、プレゼンタおよび各参加者が同時に視認可能なようにプレゼンテーション資料などの画像を表示する表示装置である。
プレゼンタが操作する情報処理端末3は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。また参加者が操作する情報処理端末4も同様であり、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。本実施形態では、3人の参加者A,B,Cが、プレゼンタによるプレゼンテーションを視聴する場合を例示しており、各参加者A,B,Cが個別に操作する情報処理端末4a,4b,4cが設けられている。尚、各情報処理端末3,4a,4b,4cは、ネットワーク6に対し、有線接続されたものであっても良いし、無線接続されたものであっても良い。
情報機器10は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの他、プレゼンテーション機能を備えており、プレゼンテーション支援装置2の主たる機能を実現する。すなわち、この情報機器10は、プレゼンタにより予め登録されるプレゼンテーション資料を記憶し、プレゼンタからの指示に基づいてプレゼンテーション資料の中から1ページ分のデータを読み出し、プロジェクタ5に出力することにより、スクリーン7にプレゼンテーション資料を投影させる。また情報機器10は、プレゼンテーションの実行開始に伴い、プレゼンタが操作する情報処理端末3にプレゼンタ用の操作画面を表示させると共に、各参加者A,B,Cが操作する情報処理端末4a,4b,4cのそれぞれに、各参加者A,B,Cに対応した操作画面を表示させる。
検索装置11は、プレゼンテーションの実行中に情報機器10から検索コマンドを入力すると、その検索コマンドに基づいてデータベース12を検索し、その検索結果を情報機器10に出力するものである。このような検索装置11およびデータベース12は、例えば社内の技術情報やその他各種情報を蓄積したデータベースシステムとして構成される。
図2は、情報機器10の内部構成の一例を示すブロック図である。情報機器10は、各部を制御する制御部20と、ユーザが情報機器10を直接操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル21と、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部22と、画像データに基づいてプリント出力を行うプリンタ部23と、ハードディスク装置などで構成される記憶装置24と、ネットワーク6を介して他の装置とデータ通信を行うためのネットワークインタフェース25とを備えている。記憶装置24には、プログラムや各種データが記憶されるが、プレゼンテーションに関連するものとしては、プレゼンテーションBOX28と、検索履歴情報29とが記憶される。プレゼンテーションBOX28は、プレゼンテーション1件ごとに作成される専用の記憶領域であり、プレゼンテーションを実行する際に参照される各種のデータが記憶される。また検索履歴情報29は、情報機器10が検索装置11に対して検索コマンドを出力し、検索装置11から検索結果を取得した場合に記録される情報であり、過去の検索結果が蓄積された履歴情報である。
制御部20は、図示しないCPUとメモリとを備えており、CPUが所定のプログラムを実行することにより、上述したコピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、プレゼンテーション機能などの各種機能を動作させる。特に、プレゼンテーション機能を動作させると、制御部20は、図2に示すように、プレゼンテーション登録部31、および、プレゼンテーション実行部32として機能する。
プレゼンテーション登録部31は、情報機器10にプレゼンテーションを登録する処理部である。プレゼンタは、操作パネル21を直接操作することにより、又は、情報処理端末3から遠隔操作を行うことにより、プレゼンテーション登録部31を機能させて情報機器10にプレゼンテーションを登録することができる。プレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより登録されるプレゼンテーションごとに、記憶装置24にプレゼンテーションBOX28を作成する。またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンテーションBOX28に対し、プレゼンタにより登録される各種のデータを保存する。
図3は、プレゼンテーション登録部31によりプレゼンテーションBOX28に登録される各種データの一例を示す図である。プレゼンテーション登録部31は、一のプレゼンテーションに対応するプレゼンテーションBOX28を作成すると、そのBOX28の中に、共有BOX51と、プレゼンタBOX52と、参加者BOX53とをさらに作成する。またプレゼンテーション登録部31は、参加者BOX53の中に、プレゼンタにより登録される各参加者A,B,Cの専用記憶領域として、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55、および、参加者C−BOX56を作成する。ここで、共有BOX51は、プレゼンタおよび各参加者A,B,Cが共有する記憶領域であり、ここに記憶される情報はプレゼンタおよび各参加者A,B,Cのそれぞれが参照可能である。プレゼンタBOX52は、プレゼンタの専用記憶領域であり、ここに記憶される情報はプレゼンタのみが参照又は書き換え可能である。また、参加者A−BOX54は参加者Aの専用記憶領域であり、参加者B−BOX55は参加者Bの専用記憶領域であり、さらに参加者C−BOX56は参加者Cの専用記憶領域である。
プレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより予め作成されたプレゼンテーション資料を入力すると、そのプレゼンテーション資料に関する3つのデータを生成し、それぞれのデータに対応するプレゼンテーション資料61,62,63をプレゼンテーションBOX28に格納する。プレゼンテーション資料61は、データの書き換えが禁止されたオリジナルデータであり、共有BOX51に格納される。またプレゼンテーション資料62は、データの書き換えが許可された共有データであり、上記と同様に共有BOX51に格納される。さらにプレゼンテーション資料63は、各参加者A,B,Cが参照する参加者用データであり、データの書き換えが許可されたデータである。このプレゼンテーション資料63は、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55、および、参加者C−BOX56のそれぞれに個別に格納される。
またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンテーションBOX28の作成に伴い、参加者要求リスト64を作成して共有BOX51に格納する。この参加者要求リスト64は、プレゼンテーションの実行が開始された後、各参加者A,B,Cからの要求が受け付けられると、その要求が登録されるリストであり、プレゼンテーション登録部31によって共有BOX51に格納された時点ではリストの中身は空白である。またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより予め作成される質問回答情報65および検索フィルタ情報66を入力すると、それらをプレゼンタBOX52に格納する。尚、これらの情報の詳細については後述する。
またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタによる投影資料動的切替モードの設定操作を受け付け、その設定内容を投影資料動的切替モード設定情報67としてプレゼンタBOX52に格納する。投影資料動的切替モードとは、プレゼンテーション資料をプロジェクタ5に出力する際、共有データであるプレゼンテーション資料62から投影対象となるページの資料を読み出して出力するモードである。したがって、投影資料動的切替モードの設定がオンであれば、共有データであるプレゼンテーション資料62に基づいて資料の投影が行われる。一方、投影資料動的切替モードの設定がオフであれば、オリジナルデータであるプレゼンテーション資料62に基づいて資料の投影が行われる。
ここで、共有データであるプレゼンテーション資料62は、後述するように、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cのいずれかから質問などの要求があると、その要求と要求に対する回答とが所定条件下で資料の中身に反映されるようになっている。そのため、投影資料動的切替モードの設定がオンになっている場合、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから質問などの要求が行われると、そのタイミングで、スクリーン7に投影される資料にその要求などが映し出されることとなり、例えば一の参加者からの要求を、プレゼンタと他の参加者とが同時に把握することが可能である。
その一方、プレゼンタにとっては、プレゼンテーションが終了するまでは各参加者A,B,Cからの個別の質問に対する回答や補足説明などをなるべく後回しにして発表する内容に集中したいこともある。このような場合には、投影資料動的切替モードの設定を予めオフにしておくことにより、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから質問などの要求が行われた場合でも、直ぐには、スクリーン7に投影される資料にその要求などが反映されることはなく、発表する内容に集中することができるようになる。
ただし、本実施形態において投影資料動的切替モードの設定は、プレゼンテーションの進行中に動作モードが発表モードから質疑応答モードに移行すると、自動的にオン設定となる。そのため、この場合は、プレゼンタが予め投影資料動的切替モードをオフに設定していたとしても、その後にスクリーン7に投影される資料には各参加者A,B,Cからの質問などの要求が映し出されることになる。またプレゼンタは、プレゼンテーションの進行中であっても投影資料動的切替モードをオフに設定変更することができるので、各参加者A,B,Cからの質問などの要求が投影資料に反映された状態での発表継続が難しい場合には、投影資料動的切替モードをオフに設定変更してオリジナルデータであるプレゼンテーション資料61に基づく資料投影に手動操作で切り替えれば良い。
またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタによる質疑応答モードへの切り替え条件の設定操作を受け付け、その設定内容を質疑応答モード切替条件情報68としてプレゼンタBOX52に格納する。本実施形態では、プレゼンテーションの進行に関する動作モードとして発表モードと質疑応答モードとの2つのモードがある。発表モードとはスクリーン7に対してプレゼンテーション資料を投影しつつ、プレゼンタによる発表を進行させるモードである。一方、質疑応答モードとは、発表モード中に、各参加者A,B,Cからの要求が所定の条件を満たした場合に自動的に切り替わり、スクリーン7に対して参加者要求リスト64を投影することにより、各参加者A,B,Cからの質問などの要求の状況をプレゼンタに報知するモードである。したがって、発表モードから質疑応答モードに切り替わると、プレゼンタは各参加者A,B,Cからの質問などの要求の状況を把握することができると共に、各参加者A,B,Cも他の参加者から発せられた質問などを把握することができる。質疑応答モード切替条件情報68には、上記のように発表モードから質疑応答モードへ切り替えるための条件が定められている。尚、この質疑応答モード切替条件情報68の詳細については後述する。
またプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより登録される各参加者A,B,Cの権限情報69を、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55、および、参加者C−BOX56のそれぞれに格納する。この権限情報69は、例えば各参加者A,B,Cの役職などに応じて「高」と「低」のいずれか一方が登録された情報であり、「高」であれば秘密情報にアクセスする権限を有する参加者であることを示し、「低」であれば秘密情報にアクセスする権限を有さない参加者であることを示す情報となっている。
一方、プレゼンテーション実行部32は、情報機器10にプレゼンテーションが登録されている状態のとき、プレゼンタからのプレゼンテーション実行指示に基づいて機能し、プレゼンテーションの進行を制御する処理部である。このプレゼンテーション実行部32は、図2に示すように、主として、入力処理部41と、回答生成部42と、回答反映部44と、資料投影部45と、資料配信部46とを備えている。
入力処理部41は、プレゼンテーションの進行中に、ネットワークインタフェース25を介して各種情報を入力すると、その情報を判定し、回答生成部42、回答反映部44、資料投影部45および資料配信部46のいずれかに出力する。回答生成部42、回答反映部44、資料投影部45および資料配信部46のそれぞれは、入力処理部41から入力される情報に基づいて各種の処理を行うように構成される。
回答生成部42は、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cから入力する参加者のプレゼンテーションに対する質問や意見に関する要求を受け付け、その要求に対応する処理を行う処理部である。特に参加者からの要求が質問に関する要求である場合、その質問に対応する回答を取得して回答情報を生成する。この回答生成部42は、検索実行部43を備えている。検索実行部43は、参加者からの要求が質問に関する要求である場合、その質問に関する要求から検索キーワードを抽出し、その検索キーワードに基づいて各種の検索を行うことにより、質問に対する回答を自動取得する。
この検索実行部43が行う検索には次の4つの種類がある。まず第1の検索は、プレゼンタにより予め登録されている質問回答情報65に基づいて検索キーワードに対応する回答を自動取得する検索である。この第1の検索では、プレゼンタが予め想定される質問と回答とを準備して質問回答情報65を作成しておくことにより、プレゼンタの意図に適合した回答が得られるようになる。
第2の検索は、プレゼンタにより予め登録されている検索フィルタ情報66から検索を効果的に行うためのキーワードを抽出し、その抽出したキーワードと検索キーワードとをアンド条件で組み合わせた検索コマンドを生成し、検索装置11にその検索コマンドを出力することにより、それに対応する回答を自動取得する検索である。この第2の検索では、プレゼンタがプレゼンテーションの内容に適したキーワードを検索フィルタ情報66に登録しておくことにより、例えば検索キーワードに対応する回答がデータベース12に多数登録されている場合であっても、プレゼンテーションの内容に適合するものに絞り込んだ回答を得ることができるようになる。
第3の検索は、記憶装置24の検索履歴情報29に蓄積されている過去の検索結果から検索キーワードに対応する回答を自動取得する検索である。この第3の検索では、過去の検索結果から回答が取得されるため、検索効率が向上する。
第4の検索は、参加者からの質問に関する要求から抽出される検索キーワードだけで検索コマンドを生成し、検索装置11にその検索コマンドを出力することにより、それに対応する回答を自動取得する検索である。ただし、検索キーワードに対応する回答がデータベース12に多数登録されている場合、この第4の検索ではそれら多数の回答が全て取得されるため、第2の検索のような絞り込みを行うことはできない。
検索実行部43は、上記第1乃至第4の検索のうち、第1の検索および第2の検索を優先的に行うように構成される。第1の検索および第2の検索で有効な回答が得られない場合、検索実行部43は、次に第3の検索を実行し、第3の検索でも有効な回答が得られない場合に第4の検索を実行する。つまり、第4の検索では質問(検索キーワード)に対する回答が多数取得される可能性があり、検索後に参加者がプレゼンテーションの内容に則した回答を見つけ出すのに長時間を要することがある。一方、第1乃至第3の検索では、第4の検索と比較して得られる回答の数は少なく、参加者の手間は省かれる。そのため、本実施形態では、第4の検索は、最も優先度が低くなっている。また第3の検索は、過去の検索結果に基づく検索であるため、必ずしもプレゼンテーションの内容に則した回答が得られるとは限らない。そのため、第3の検索は、第1の検索および第2の検索よりも優先度が低くなっている。尚、第1の検索および第2の検索のいずれを優先的に行うかは任意であるが、本実施形態では、第1の検索を優先的に行い、その結果、有効な検索結果を得られなかった場合に第2の検索を行うようになっている。
回答生成部42は、検索実行部43による検索結果として質問に対する回答を取得することができた場合は、その回答に基づいて回答情報を生成する。一方、上記のような検索を行っても質問に対応する回答を得られないこともある。その場合、回答生成部42は、検索結果として「検索失敗」を示す回答情報を生成する。そして回答生成部42は、回答情報を回答反映部44に出力する。
回答反映部44は、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cから入力する参加者のプレゼンテーションに対する質問や意見に関する要求を受け付け、その要求を各種情報に反映させると共に、回答生成部42によって生成される回答情報の入力を受け付け、その回答情報を各種情報に反映させる処理部である。回答反映部44は、参加者のプレゼンテーションに対する質問や意見に関する要求を受け付けた場合、その要求を参加者要求リスト64に登録する。
また参加者の要求が質問に関する要求である場合、回答反映部44は、回答生成部42から入力する回答情報を、その要求の送信元である参加者に対応した参加者用データのプレゼンテーション資料63に付加し、回答情報をプレゼンテーション資料63に反映させる。また、回答反映部44は、その回答情報を、参加者要求リスト64に登録すると共に、共有データであるプレゼンテーション資料62に付加することにより回答情報をプレゼンテーション資料62に反映させる。
ただし、回答反映部44が、回答生成部42から取得する回答情報を、参加者要求リスト64やプレゼンテーション資料62,63に反映させる場合、回答情報に秘密情報が含まれるか否かに応じてその処理内容が異なる。そのため、回答反映部44は、まず回答生成部42から取得する回答情報に秘密情報が含まれるか否かを判断する。
その結果、回答情報に秘密情報が含まれている場合、回答反映部44は、プロジェクタ5によってスクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62および参加者要求リスト64には、回答情報を反映しない。また参加者用データであるプレゼンテーション資料63に秘密情報を含む回答情報を反映させるか否かは参加者の権限情報69に基づいて判断する。例えば、権限情報69が「高」であれば秘密情報にアクセスする権限を有する参加者であるため、回答反映部44は、その参加者に対応するプレゼンテーション資料63に秘密情報を含む回答情報を反映する。これに対し、権限情報69が「低」であれば秘密情報にアクセスする権限を有さない参加者であるため、回答反映部44は、その参加者に対応するプレゼンテーション資料63にも秘密情報を含む回答情報は反映しない。この場合、回答反映部44は、参加者要求リスト64およびプレゼンテーション資料62,63のいずれにも回答情報を反映させないことになる。
一方、回答情報に秘密情報が含まれていない場合、回答反映部44は、プロジェクタ5によってスクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62および参加者要求リスト64の双方に回答情報を反映させる。また、要求送信元である参加者に対応する参加者用データのプレゼンテーション資料63にも回答情報を反映させる。
また回答反映部44は、プレゼンテーション資料62,63に対して回答情報を反映させる際、質問に関する要求に含まれる検索キーワードに基づいてプレゼンテーション資料における質問に対応する部分を特定し、その特定された部分の近傍に回答情報を合成配置する。
次に、資料投影部45は、スクリーン7に投影するための資料を読み出してプロジェクタ5に出力する処理部である。この資料投影部45は、発表モードである場合、オリジナルデータのプレゼンテーション資料61および共有データのプレゼンテーション資料62のいずれか一方から投影対象ページの資料を読み出し、その資料をプロジェクタ5に出力することによってスクリーン7に投影させる。例えば、投影資料動的切替モードの設定がオンであれば、共有データのプレゼンテーション資料62から投影対象ページの資料を読み出してプロジェクタ5に出力する。また、投影資料動的切替モードの設定がオフであれば、オリジナルデータのプレゼンテーション資料61から投影対象ページの資料を読み出してプロジェクタ5に出力する。また資料投影部45は、質疑応答モードである場合、参加者要求リスト64を読み出し、その参加者要求リスト64をプロジェクタ5に出力することによってスクリーン7に投影させる。
資料配信部46は、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに対し、各参加者専用のプレゼンテーション資料63を読み出して配信する処理部である。例えば、参加者Aに対しては、参加者A−BOX54からプレゼンテーション資料63を読み出して情報処理端末4aに送信する。他の参加者B,Cに対する配信もこれと同様である。
次に、情報機器10の制御部20による詳細な動作について説明する。まず、プレゼンテーション登録処理について説明する。図4は、情報機器10の制御部20によって行われるプレゼンテーション登録処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、プレゼンタによるプレゼンテーションの登録操作が検知され、制御部20においてプレゼンテーション登録部31が機能することにより実行される。この処理を開始すると、プレゼンテーション登録部31は、記憶装置24にプレゼンテーションBOX28を作成する(ステップS10)。このとき作成されるプレゼンテーションBOX28には、共有BOX51と、プレゼンタBOX52と、参加者BOX53とが同時に作成される。そしてプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより入力される情報に基づいてプレゼンタに関する情報を登録する(ステップS11)。このプレゼンタに関する情報は、図示を省略しているが、例えばプレゼンタBOX52に格納される。そしてプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより入力される情報に基づいて参加者A,B,Cに関する情報を登録する(ステップS12)。これに伴い、参加者BOX53には、参加者A,B,Cのそれぞれに対応するBOXとして、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55および参加者C−BOX56が作成される。そしてプレゼンタにより入力される各参加者A,B,Cの権限に関する情報に基づき、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55および参加者C−BOX56のそれぞれに権限情報69を登録する(ステップS13)。
次にプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより予め作成されたプレゼンテーション資料の入力を受け付ける(ステップS14)。図5は、プレゼンテーション資料の一例を示す図である。このようなプレゼンテーション資料は、通常、複数ページから成る資料であるが、図例ではその一部(3ページ目のみ)を示している。例えば、プレゼンタは、図5に示すような資料を複数ページ作成し、情報処理端末3から情報機器10に送信することにより、プレゼンテーション資料の登録を行う。
プレゼンテーション登録部31は、入力されたプレゼンテーション資料のオリジナルデータを共有BOX51に保存する(ステップS15)。このとき、オリジナルデータには、データの書き換えを禁止する属性情報が付与される。またプレゼンテーション登録部31は、オリジナルデータを複製した共有データを生成し、その共有データを共有BOX51の保存する(ステップS16)。このとき、共有データには、データの書き換えを許可する属性情報が付与される。さらに、プレゼンテーション登録部31は、オリジナルデータを複製した参加者用データを生成し、その参加者用データを、参加者A−BOX54、参加者B−BOX55および参加者C−BOX56のそれぞれに保存する(ステップS17)。これらの参加者用データにも、データの書き換えを許可する属性情報が付与される。
そしてプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより予め作成される質問回答情報65を情報処理端末3から入力し、プレゼンタBOX52に保存する(ステップS18)。図6は、質問回答情報65の一例を示す図である。図6に示すように、質問回答情報65には、例えば、キーワード、回答および詳細情報が登録される。キーワードには、プレゼンタがプレゼンテーションの進行中に参加者から発せられる質問を予め想定した用語が登録される。例えばプレゼンテーション資料に含まれる用語のうち、参加者が理解することができないと予想される用語が、キーワードとして登録される。回答には、キーワードに登録された用語を解説するための文章が登録される。質問回答情報65には、キーワードと回答とが1対1で登録される。また詳細情報には、キーワードに登録された用語を更に詳しく説明した別の文書などにアクセスするためのリンク情報が登録される。この詳細情報もまた、キーワードに対応して登録することが可能であるが、質問回答情報65には詳細情報が登録されていなくても良い。
このような質問回答情報65は、プレゼンタによって予め作成され、検索実行部43において上述した第1の検索が実行されるときに参照される。したがって、プレゼンテーションの進行中に参加者が質問に関する要求を行った場合、その要求から抽出される検索キーワードに一致するキーワードが質問回答情報65に登録されていれば、プレゼンタによって作成された解説文章を、その回答として取得することができる。そのため、質問回答情報65を参照することによって得られる回答は、プレゼンタによって行われるプレゼンテーションの内容に則した回答となる。
次にプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタにより予め作成される検索フィルタ情報66を情報処理端末3から入力し、プレゼンタBOX52に保存する(ステップS19)。図7は、検索フィルタ情報66の一例を示す図である。図7に示すように、検索フィルタ情報66は、例えばプレゼンテーション資料のページ番号と、キーワードとを対応付けた情報である。つまり、この検索フィルタ情報66は、プレゼンテーション資料のページごとに、その内容に関連するキーワードが設定された情報となっている。このような検索フィルタ情報66は、プレゼンタによって予め作成され、検索実行部43において上述した第2の検索が実行されるときに参照される。そして参加者によって質問要求が行われたページに対応するキーワードが抽出される。この抽出されたキーワードは、参加者からの要求から抽出された検索キーワードにアンド条件で付加される。検索装置11はそのアンド条件でデータベース12の検索を行うため、検索結果としてはプレゼンテーションの内容に関連した回答だけが抽出されることになる。
ここで、データベース12のデータ構造の一例について説明する。図8は、データベース12のデータ構造の一例を示す図である。図8に示すデータベース12は、複数のテーマグループ13a,13b,…から成るグループ群13で構成されており、各テーマグループ13a,13b,…には、社内の技術情報やその他各種情報のうち、特定のテーマに関する情報が蓄積されている。例えば、テーマグループ13aには、テーマ「画像読取制御」に関する情報が蓄積されている。またテーマグループ13bには、テーマ「画像出力制御」に関する情報が蓄積されている。そして各テーマグループ13a,13bは、例えばキーワードと、そのキーワードに対応する回答と、そのキーワードに関する詳細な情報へのリンク先を示す詳細情報と、回答および詳細情報の秘密性との組み合わせが複数登録されたテーブル情報となっている。したがって、検索装置11が検索キーワードに基づいてデータベース12の検索を行うと、複数のテーマグループ13a,13b,…のいずれかに検索キーワードに一致するキーワードが登録されていれば、それに対応する回答を抽出することができる。
ただし、複数のテーマグループ13a,13bに同じキーワードが登録されている場合、検索キーワードのみで検索を行うと、複数の回答が抽出される可能性があり、それら複数の回答はテーマに応じてその内容が異なることもある。このように複数のテーマグループ13a,13bに同じキーワードが登録されている場合でも、上述したように検索フィルタ情報66から抽出されたキーワードと検索キーワードとをアンド条件で組み合わせた検索コマンドで検索を行うことにより、テーマを絞り込んで検索を行うことができる。そのため、検索結果としてはプレゼンテーションの内容に関連した回答だけを抽出することができるようになる。尚、図8に示したデータベース12のデータ構造は一例であり、必ずしも上記のようなデータ構造に限定されるものではない。
次にプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタによる操作に基づいて投影資料動的切替モードの初期設定を行う(ステップS20)。ここでは、投影資料動的切替モードがオン又はオフに設定される。
そしてプレゼンテーション登録部31は、プレゼンタによる質疑応答モードの切替条件に関する設定操作の入力を受け付け、質疑応答モード切替条件情報68をプレゼンタBOX52に保存する(ステップS21)。図9は、質疑応答モード切替条件情報68の一例を示す図である。図9に示すように、質疑応答モード切替条件情報68は、モード切替条件と、設定と、切替判定値とが相互に対応付けられた情報である。モード切替条件には、参加者数、要求合計値、特定キーワード、特定ページ、特定参加者、および、緊急度に関する条件が定められている。
ここで、参加者数に関する条件は、プレゼンテーションの進行中に要求を発した参加者の数が所定数に達すると発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に要求を発した参加者の数が切替判定値に登録された値(図例の場合は「3」)に達すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、要求を発した参加者の数によってはモードの自動切り替えは行われない。
要求合計値に関する条件は、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから発せられる要求の合計値が所定数に達すると発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cからの要求の合計値が切替判定値に登録された値(図例の場合は「5」)に達すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、要求の合計値によってはモードの自動切り替えは行われない。
特定キーワードに関する条件は、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから発せられる要求に特定のキーワードが含まれていると、その要求を入力したタイミングで発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから、切替判定値に登録されたキーワード(図例の場合は「CCD」)が含まれる要求を入力すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、特定キーワードによるモードの自動切り替えは行われない。
特定ページに関する条件は、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから、プレゼンテーション資料の特定のページに対する要求が発せられると、発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから、切替判定値に登録されたページ(図例の場合は「3」)に対する要求を入力すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、特定ページによるモードの自動切り替えは行われない。
特定参加者に関する条件は、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cのうちの特定の参加者から要求が発せられると、発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cのうち、切替判定値に登録された参加者(図例の場合は「参加者C」)からの要求を入力すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、特定参加者によるモードの自動切り替えは行われない。
緊急度に関する条件は、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから、所定レベルの緊急度が指定された要求が発せられると、発表モードから質疑応答モードへ自動的に切り替えを行う条件である。この条件に対応する設定がオンであれば、プレゼンテーションの進行中に参加者A,B,Cから、切替判定値に登録された緊急度(図例の場合は「レベル1」)に対応する要求を入力すると、モードの自動切り替えが行われる。また、この条件に対応する設定がオフであれば、緊急度によるモードの自動切り替えは行われない。
プレゼンタは、上記のような質疑応答モード切替条件情報68における各条件のオン/オフを設定し、オン設定を行う場合には切替判定値に所望の値を設定する。以上で、プレゼンテーション登録処理が終了する。
次に、プレゼンテーション実行処理について説明する。図10は、情報機器10の制御部20によって行われるプレゼンテーション実行処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、プレゼンタによるプレゼンテーションの実行開始指示が検知され、制御部20においてプレゼンテーション実行部32が機能することにより実行される。この処理を開始すると、プレゼンテーション実行部32は、動作モードを発表モードに初期設定する(ステップS30)。
そしてプレゼンテーション実行部32は、プレゼンタの情報処理端末3に対し、プレゼンタがプレゼンテーションの進行操作を行うための操作画面を出力する(ステップS31)。
図11は、プレゼンタの情報処理端末3に表示されるプレゼンテーション操作画面G1の一例を示す図である。図11に示すように、この操作画面G1には、プロジェクタ5からスクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料のページを更新するためのページ更新欄と、動作モードを発表モードと質疑応答モードとのいずれか一方に手動操作で切り替えるためのオード切替欄と、投影資料動的切替モードのオン/オフ設定を切り替えるための投影資料動的切替モード欄と、プレゼンテーションを終了させるための終了ボタン76とが表示される。
ページ更新欄には、投影資料のページを次ページに更新するための次ページボタン71と、所望ページを表示させるためにページ番号を入力するための入力欄72と、入力欄72に入力されたページ番号の資料を投影させるための指定ページボタン73とが設けられている。プレゼンタは、情報処理端末3を操作して操作画面G1に表示されるポインタMPを移動させ、次ページボタン71をクリックしたり、或いは、入力欄72に所望のページ番号を入力して指定ページボタン73をクリックしたりすることにより、所望のページをスクリーン7に投影させることができる。
モード切替欄には、発表モードと質疑応答モードとを択一的に選択可能な2つのボタン74a,74bが設けられている。プレゼンタは、情報処理端末3を操作して操作画面G1に表示されるポインタMPを移動させ、2つのボタン74a,74bのいずれか一方を選択することにより、所望の動作モードを設定することができる。
投影資料動的切替モード欄には、オンとオフとを択一的に選択可能な2つのボタン75a,75bが設けられている。プレゼンタは、情報処理端末3を操作して操作画面G1に表示されるポインタMPを移動させ、2つのボタン75a,75bのいずれか一方を選択することにより、投影資料動的切替モードのオンとオフとを切り替えることができる。
次に、プレゼンテーション実行部32は、参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに対し、各参加者A,B,Cがプレゼンテーションの進行に伴って各種の操作を行うための操作画面を出力する(ステップS32)。
図12は、参加者Aの情報処理端末4aに表示される操作画面G2の一例を示す図である。尚、図12の操作画面G2は参加者Aに関する画面であるが、他の参加者B,Cの情報処理端末4b,4cに表示される操作画面も、これと同様である。図12に示すように、この操作画面G2には、情報機器10によって配信されるプレゼンテーション資料63を表示するための資料表示領域R1と、参加者Aが各種操作を行う操作領域R2とが表示される。資料表示領域R1には、例えば情報機器10から配信される1ページ分の資料が表示される。また、操作領域R2には、資料表示領域R1に表示されている資料のページ番号が表示されると共に、資料表示領域R1に表示するページを操作するためのページ操作欄と、プレゼンテーションに関する質問や意見などの要求を入力して送信するための要求操作欄と、質問要求に対する回答を取得した場合にその回答を表示する回答欄とが表示される。
操作画面G2のページ更新欄には、プレゼンタ用の操作画面G1(図11参照)と同様に、次ページボタン71と、ページ番号の入力欄72と、指定ページボタン73とが設けられている。参加者Aは、情報処理端末4aを操作して操作画面G2に表示されるポインタMPを移動させ、次ページボタン71をクリックしたり、或いは、入力欄72に所望のページ番号を入力して指定ページボタン73をクリックしたりすることにより、資料表示領域R1に表示されるプレゼンテーション資料63を所望のページに更新することができる。
また要求操作欄には、要求に対する緊急度を入力するための緊急度入力欄81と、質問を入力するための質問入力欄82と、意見を入力するための意見入力欄83と、それら入力欄81〜83に入力された情報を参加者Aの要求として送信するための要求送信ボタン84とが設けられている。参加者Aは、プレゼンテーションの内容について質問がある場合、質問入力欄82にその質問を入力する。また意見がある場合は、意見入力欄83にその意見を入力する。そして参加者Aは、質問や意見についての緊急度として、例えばレベル1およびレベル2のいずれか一方を緊急度入力欄81に入力する。そして要求送信ボタン84をクリックすることにより、質問や意見に関する要求が情報機器10に送信されるようになっている。情報機器10に送信した要求が、質問に関する要求であり、その後、情報機器10から質問に対する回答を入力した場合には、その回答が回答欄85に表示されるようになる。
図10に戻り、次にプレゼンテーション実行部32は、プレゼンテーションの進行を開始すべく、ステップS33〜S37のループ処理に進む。このループ処理に進むと、プレゼンテーション実行部32は、現在の動作モードが発表モードか否かを判断する(ステップS33)。
その結果、発表モードである場合(ステップS33でYES)、プレゼンテーション実行部32は、発表処理を実行する(ステップS34)。この発表処理では、スクリーン7に投影するプレゼンテーション資料として、オリジナルデータであるプレゼンテーション資料61および共有データであるプレゼンテーション資料62のいずれか一方が選択され、投影対象ページの資料が読み出されてプロジェクタ5に出力される。また、質疑応答モード切替条件情報68が読み出され、各参加者A,B,Cからの現時点での要求状態に応じて、動作モードを発表モードから質疑応答モードに切り替える設定も行われる。尚、この発表処理の詳細については後述する。
一方、現在の動作モードが質疑応答モードである場合(ステップS33でNO)、プレゼンテーション実行部32は、質疑応答処理を実行する(ステップS35)。この質疑応答処理では、参加者要求リスト64が読み出され、プロジェクタ5に出力される。また、プレゼンタによって動作モードを質疑応答モードから発表モードへ切り替える操作が行われた場合は、動作モードを発表モードから質疑応答モードに切り替える処理が行われると共に、投影資料動的切替モードがオンに設定される。尚、この質疑応答処理の詳細についても後述する。
その後、プレゼンテーション実行部32は、参加者対応処理を実行する(ステップS36)。この参加者対応処理では、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに配信するためのプレゼンテーション資料63が読み出されて各情報処理端末4a,4b,4cへと出力される。また、この参加者対応処理では、各参加者A,B,Cが質問や意見に関する要求を送信した場合、その要求に対応する処理も行われる。尚、この参加者対応処理の詳細についても後述する。
そしてプレゼンテーション実行部32は、プレゼンテーションが終了するか否かを判断する(ステップS37)。ここでは、プレゼンタにより終了ボタン76(図11参照)が操作されたか否かが判断される。そして終了しない場合(ステップS37でNO)、上述したステップS33〜S37の処理が繰り返し実行される。また終了する場合(ステップS37でYES)、プレゼンテーション実行処理が終了する。
図13は、発表処理(ステップS34)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。プレゼンテーション実行部32は、発表処理を開始すると、まず、投影資料動的切替モードがオンであるか否かを判断する(ステップS40)。そして投影資料動的切替モードがオンであれば(ステップS40でYES)、共有データのプレゼンテーション資料62を投影対象として選択する(ステップS41)。また投影資料動的切替モードがオフであれば(ステップS40でNO)、オリジナルデータのプレゼンテーション資料61を投影対象として選択する(ステップS42)。
そしてプレゼンテーション実行部32は、その時点においてプレゼンテーション資料をスクリーン7に投影中であるか否かを判断し(ステップS43)、投影中でない場合(ステップS43でNO)、投影対象ページとして1ページ目を設定する(ステップS44)。またプレゼンテーション資料を既に投影中の場合(ステップS43でYES)、プレゼンタからの投影対象ページとしてページ番号の指定があったか否かを判断し(ステップS45)、プレゼンタからの指定があれば(ステップS45でYES)、投影対象ページとしてプレゼンタにより指定されたページ番号を設定する(ステップS46)。またプレゼンタからのページ番号の指定がなかった場合(ステップS45でNO)、プレゼンタから次のページへの更新指示があった否かを判断し(ステップS47)、プレゼンタからの指示があれば(ステップS47でYES)、投影対象ページとして次のページ番号を設定する(ステップS48)。そしてプレゼンテーション実行部32は、ステップS44、S46又はS48で設定されたページに対応する資料を投影対象のプレゼンテーション資料61又は62から読み出し、プロジェクタ5へ出力する(ステップS49)。これにより、プロジェクタ5は、プレゼンテーション実行部32から出力される資料をスクリーン7に投影し、投影ページの更新を行う。一方、プレゼンタから次ページへの更新指示もなかった場合(ステップS47でNO)、現在投影中のページを更新する必要がないため、ステップS50に進む。
そしてプレゼンテーション実行部32は、質疑応答モード切替条件情報68を読み出し(ステップS50)、モード切替条件がオン設定となっているものが存在するか否かを判断する(ステップS51)。ここで、質疑応答モード切替条件情報68の全てのモード切替条件がオフ設定になっていれば(ステップS51でNO)、発表処理は終了する。この場合、プレゼンテーションの進行中に、質疑応答モードへの自動切り替えは行われなくなる。これに対し、質疑応答モード切替条件情報68の少なくとも1つのモード切替条件がオン設定になっていれば(ステップS51でYES)、それに対応する切替判定値を読み出し、モード切替条件の判定を行う(ステップS52)。この判定では、その時点までに蓄積されている各参加者A,B,Cからの質問や意見に関する要求と、切替判定値との比較が行われる。そして、モード切替条件に適合しているか否かを判断し(ステップS53)、その時点での要求状態がモード切替条件の切替判定値に適合しない場合(ステップS53でNO)、発表処理を終了する。これに対し、その時点での要求状態がモード切替条件の切替判定値に適合する場合(ステップS53でYES)、プレゼンテーション実行部32は、動作モードを発表モードから質疑応答モードに設定変更する(ステップS54)。これにより、質疑応答モードへの自動切り替えが行われる。
例えば、図9に示した質疑応答モード切替条件情報68の場合、モード切替条件として特定キーワードと特定ページとがオン設定となっているため、いずれかの参加者から「CCD」というキーワードを含む要求を受信している場合、或いは、いずれかの参加者からプレゼンテーション資料の「3ページ目」に対する質問や意見に関する要求を受信している場合、発表モードから質疑応答モードへの切り替えが行われる。
次に図14は、質疑応答処理(ステップS35)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。プレゼンテーション実行部32は、質疑応答処理を開始すると、まず、参加者要求リスト64を読み出す(ステップS60)。
図15は、参加者要求リスト64の一例を示す図である。この参加者要求リスト64は、プレゼンテーションの実行開始以降、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cから受信した質問や意見に関する要求がその受信順序に従ってリスト化された情報となっている。参加者要求リスト64には、受信順序を示す番号欄と、要求を行った参加者を示す要求参加者欄と、プレゼンテーション資料63のどのページに対する要求であるかを示す要求ページ欄と、質問の内容を示す質問欄と、意見の内容を示す意見欄と、参加者により指定された緊急度を示す緊急度欄と、質問に対する回答が取得された場合にはその回答を格納する回答欄とが設けられている。尚、緊急度は、レベル1であれば緊急度が高く、レベル2であれば緊急度が低いことを示しいている。
そしてプレゼンテーション実行部32は、プレゼンテーションBOX28から読み出した参加者要求リスト64をプロジェクタ5に出力する(ステップS61)。これにより、プロジェクタ5は、図15に示したような参加者要求リスト64をスクリーン7に投影する。したがって、プレゼンタおよび各参加者A,B,Cは、スクリーン7に投影される参加者要求リスト64を見ることで、参加者A,B,Cのそれぞれが行った質問や意見の内容を共有することができる。また質問に対する回答が取得されていれば、スクリーン7に投影される回答欄により、各参加者A,B,Cがその回答を共有することができる。
そしてプレゼンテーション実行部32は、プレゼンタによって発表モードへの切り替え操作が行われたか否かを判断する(ステップS62)。その結果、発表モードへの切り替え操作が行われていない場合(ステップS62でNO)、質疑応答モードのままで質疑応答処理が終了する。
一方、プレゼンタによる発表モードへの切り替え操作が行われていた場合(ステップS62でYES)、プレゼンテーション実行部32は、動作モードを発表モードに設定変更する(ステップS63)。そして上述した発表処理のステップS52(図13参照)で参照される蓄積された要求状態を管理するための情報をリセットする(ステップS64)。尚、この情報は、上述した参加者要求リスト64とは別の情報として管理されている。ステップS64のリセットにより、再びモード切替条件に適合するまで発表モードが継続することになる。
そしてプレゼンテーション実行部32は、投影資料動的切替モードがオンであるか否かを判断し(ステップS65)、オンであれば、そのまま質疑応答処理を終了する。一方、オフであれば(ステップS65でNO)、投影資料動的切替モードをオンに設定し(ステップS65)、処理を終了する。投影資料動的切替モードをオンに設定することにより、その後の発表モードでは、共有データであるプレゼンテーション資料62が読み出されてスクリーン7に投影されるようになる。ただし、この投影資料動的切替モードのオン設定は、その後、プレゼンタが所望するタイミングでオフに設定変更することが可能である。
次に図16は、参加者対応処理(ステップS36)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。プレゼンテーション実行部32は、この処理を開始すると、参加者用データのプレゼンテーション資料63を投影対象として選択する(ステップS70)。
そしてプレゼンテーション実行部32は、その時点においてプレゼンテーション資料63を参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに配信中であるか否かを判断し(ステップS71)、配信中でない場合(ステップS71でNO)、配信対象ページとして1ページ目を設定する(ステップS72)。またプレゼンテーション資料63を既に配信中の場合(ステップS71でYES)、参加者A,B,Cからの配信対象ページとしてページ番号の指定があったか否かを判断し(ステップS73)、参加者A,B,Cからの指定があれば(ステップS73でYES)、配信対象ページとして参加者A,B,Cにより指定されたページ番号を設定する(ステップS74)。また参加者A,B,Cからのページ番号の指定がなかった場合(ステップS73でNO)、参加者A,B,Cから次のページへの更新指示があった否かを判断し(ステップS75)、参加者A,B,Cからの指示があれば(ステップS75でYES)、配信対象ページとして次のページ番号を設定する(ステップS76)。そしてプレゼンテーション実行部32は、ステップS72、S74又はS76で設定されたページに対応する資料を配信対象であるプレゼンテーション資料63から読み出し、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cへ出力する(ステップS77)。これにより、参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cにおける資料表示領域R1に、プレゼンテーション資料63の1ページ分の画像が表示される。一方、参加者A,B,Cから次ページへの更新指示もなかった場合(ステップS75でNO)、現在配信中のページを更新する必要がないため、ステップS78に進む。
そしてプレゼンテーション実行部32は、参加者A,B,Cからの要求を入力したか否かを判断する(ステップS78)。参加者A,B,Cからの要求を入力していない場合はそのまま参加者対応処理を終了する。これに対し、参加者A,B,Cからの要求を入力している場合(ステップS78でYES)、要求対応処理を実行する(ステップS79)。
図17は、その要求対応処理(ステップS79)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。プレゼンテーション実行部32は、この処理を開始すると、参加者A,B,Cからの要求を蓄積記憶する(ステップS80)。そして参加者A,B,Cからの要求を参加者要求リスト64に登録する(ステップS81)。このとき、プレゼンテーション実行部32は、参加者A,B,Cからの要求に基づいて、参加者と要求ページとを特定し、参加者要求リスト64に登録する。また、その要求が質問に関するものか或いは意見に関するものかを判別し、質問に関する要求であれば、その質問を質問欄に登録する。また意見に関する要求であれば、その意見を意見欄に登録する。さらに、要求に対する緊急度を判別し、その緊急度を緊急度欄に登録する。
そしてプレゼンテーション実行部32は、参加者A,B,Cからの要求が質問に関する要求であるか否かを判断し(ステップS82)、質問に関する要求であれば、その要求に含まれる質問を検索キーワードとして抽出する(ステップS83)。この検索キーワードは、参加者要求リスト64の質問欄に登録される質問と同じワードとなる。検索キーワードを抽出すると、プレゼンテーション実行部32は、検索キーワードに対応する回答を自動取得するために回答取得処理を実行する(ステップS84)。
図18および図19は、この回答取得処理(ステップS84)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。プレゼンテーション実行部32は、この処理を開始すると、まず検索キーワードに対応する回答を質問回答情報65から抽出するか否かを判断する(ステップS80)。この判断では、例えばプレゼンタにより予め質問回答情報65を参照する設定が無効にされているか否かが判断される。そして質問回答情報65を参照する設定が有効なままであればYESとなり、無効にされていればNOとなる。検索キーワードに対応する回答を質問回答情報65から抽出する場合、プレゼンテーション実行部32は、上述した第1の検索を開始する。すなわち、図6に示したような質問回答情報65を読み出し、検索キーワードと質問回答情報65に登録されているキーワードとを照合することにより、検索キーワードに一致するキーワードが登録されているか否を判断する。そして検索キーワードに一致するキーワードが登録されていれば、そのキーワードに対応する回答を抽出する(ステップS81)。このとき、キーワードに対応して詳細情報が登録されていれば、その詳細情報も抽出する。ただし、質問回答情報65には、検索キーワードに対応するキーワードが登録されていないこともある。この場合、質問回答情報65から質問に対応する回答を抽出することができない。そのためプレゼンテーション実行部32は、質問回答情報65から回答を抽出することができたか否かを判断する(ステップS82)。その結果、回答を抽出できていれば(ステップS82でYES)、その抽出された回答に基づいて回答情報を生成する(ステップS83)。これに対し、回答を抽出でなかった場合(ステップS82でNO)、ステップS84に進み、上述した第2の検索を行うための判断を行う。尚、ステップS80でNOと判断される場合も、ステップS84に進み、第2の検索を行うための判断を行う。
ステップS84に進むと、プレゼンテーション実行部32は、図7に示したような検索フィルタ情報66を読み出し、その検索フィルタ情報66にキーワードが登録されているか否かを判断する。この判断を行うとき、プレゼンテーション実行部32は、質問に関する要求が行われた要求ページを確認し、その要求ページに対応するキーワードが検索フィルタ情報66に登録されているか否かを判断する。
その結果、要求ページに対応するキーワードが検索フィルタ情報66に登録されている場合(ステップS84でYES)、プレゼンテーション実行部32は、そのキーワードを読み出し、そのキーワードと検索キーワードとをアンド条件で組み合わせた検索コマンドを生成し、その検索コマンドを検索装置11へ出力する(ステップS85)。これにより、検索装置11は、検索コマンドに基づいてデータベース12から回答を抽出するための検索処理の実行を開始する。この場合の検索コマンドは、検索フィルタ情報66から読み出されたキーワードと検索キーワードとをアンド条件で組み合わせたコマンドであるため、データベース12が例えば図8に示したようなデータ構造を有する場合、検索装置11は、テーマグループを絞り込んで検索キーワードに対応する回答と詳細情報と秘密性に関する情報とを抽出する。そして、検索装置11は、それらの抽出した情報を検索結果としてプレゼンテーション実行部32に出力する。ただし、検索装置11が検索コマンドに基づいて検索を行っても、必ずしも検索コマンドに対応する回答が抽出されるとは限らない。回答が抽出されなかった場合、検索装置11は、検索失敗を示す検索結果をプレゼンテーション実行部32に出力する。
プレゼンテーション実行部32は、検索装置11に検索コマンドを送信すると、その後は検索装置11から検索結果を取得するまで待機する状態となる(ステップS86)。そして検索結果を取得すると、プレゼンテーション実行部32は、その検索結果を検索履歴情報29に登録する(ステップS87)。このとき、検索履歴情報29には、検索コマンドに対応付けて検索結果が登録される。そしてプレゼンテーション実行部32は、検索装置11から取得した検索結果から、参加者の権限情報69に応じた検索結果を抽出する(ステップS88)。例えば、質問に関する要求を送信した参加者の権限情報69が「低」であれば、秘密情報にアクセスする権限を有さないため、検索結果に含まれる回答の中から秘密性のない回答のみを抽出する。また質問に関する要求を送信した参加者の権限情報69が「高」であれば、秘密情報にアクセスする権限を有するため、検索結果に含まれる回答を全て抽出する。一方、検索失敗の場合は、検索失敗を示す情報を抽出する。そしてプレゼンテーション実行部32は、ステップS88で抽出された検索結果に基づいて回答情報を生成する(ステップS83)。
一方、要求ページに対応するキーワードが検索フィルタ情報66に登録されていなかった場合(ステップS84でNO)、図19のフローチャートに進み、プレゼンテーション実行部32は、第3の検索を行うか否かを判断する。すなわち、プレゼンテーション実行部32は、検索履歴情報29を読み出し(ステップS90)、その検索履歴情報29に今回の検索キーワードと同じ検索キーワードで過去に行われた検索履歴が存在するか否かを判断する(ステップS91)。
そして検索履歴情報29に同じ検索キーワードが登録されている場合(ステップS91でYES)、プレゼンテーション実行部32は、検索履歴情報29から検索キーワードに対応する過去の検索結果を抽出することにより、検索結果を取得する(ステップS92)。そして図18のステップS88に進み、検索履歴情報29から取得した検索結果から、更に、参加者の権限情報69に応じた検索結果を抽出し(ステップS88)、その抽出された検索結果に基づいて回答情報を生成する(ステップS83)。
一方、検索履歴情報29に同じ検索キーワードが登録されていない場合(図19のステップS91でNO)、プレゼンテーション実行部32は、検索キーワード単独で検索コマンドを生成し、その検索コマンドを検索装置11へ出力する(ステップS93)。これにより、検索装置11は、検索コマンドに基づいてデータベース12から回答を抽出するための検索処理の実行を開始する。この場合の検索コマンドは、検索キーワード単独で構成されたコマンドであるため、データベース12が例えば図8に示したようなデータ構造を有する場合、検索装置11は、複数のテーマグループから検索キーワードに対応する回答と詳細情報と秘密性に関する情報とを抽出する。そのため、検索キーワードに対応する回答の数が比較的多くなることもある。そして、検索装置11は、それらの抽出した情報を検索結果としてプレゼンテーション実行部32に出力する。ただし、この場合においても、必ずしも検索キーワードに対応する回答が抽出されるとは限らず、回答が抽出されなかった場合には、検索失敗を示す検索結果がプレゼンテーション実行部32に出力される。
プレゼンテーション実行部32は、検索装置11に検索コマンドを送信すると、その後は検索装置11から検索結果を取得するまで待機する状態となる(ステップS94)。そして検索結果を取得すると、プレゼンテーション実行部32は、その検索結果を検索履歴情報29に登録する(ステップS95)。このときもまた、検索履歴情報29には、検索コマンドに対応付けて検索結果が登録される。そして図18のステップS88に進み、検索装置11から取得した検索結果から、更に、参加者の権限情報69に応じた検索結果を抽出し(ステップS88)、その抽出された検索結果に基づいて回答情報を生成する(ステップS83)。そして図17のフローチャートに戻る。
上記のような回答取得処理(ステップS84)が終了すると、プレゼンテーション実行部32は、回答取得処理によって生成された回答情報を、参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに出力する(ステップS85)。これにより、情報処理端末4a,4b,4cにおいて表示されている操作画面G2の回答欄には、プレゼンテーション実行部32から出力される回答情報が表示される。
そしてプレゼンテーション実行部32は、情報処理端末4a,4b,4cに出力した回答情報を参加者要求リスト64の回答欄に追加登録することにより、参加者要求リスト64を更新する(ステップS86)。ただし、このとき、情報処理端末4a,4b,4cに出力した回答情報に秘密性のある回答が含まれる場合は、参加者要求リスト64への更新を行わない。これにより、秘密情報にアクセスする権限を有さない参加者に対して秘密性のある回答を公開しないようにしている。そしてステップS86の処理が終了すると、次にステップS87に進む。一方、ステップS82でNOと判断された場合も、ステップS87に進む。
そしてプレゼンテーション実行部32は、参加者A,B,Cから質問や意見に関する要求が行われた要求ページの中から、要求箇所を特定する(ステップS87)。例えば質問に関する要求が行われた場合、要求ページに含まれる文字列の中に、検索キーワードに一致する文字列が含まれるか否かを判定し、検索キーワードに一致する文字列があれば、その部分を特定する。また、意見に関する要求が行われた場合、要求ページに含まれる文字列の中に、意見に含まれる文字列と一致する文字列が含まれるか否かを判定し、意見に含まれる文字列と一致する文字列が要求ページの中にあれば、その部分を特定する。ただし、このような処理を行った場合でも、必ずしも要求箇所を特定することができないことがある。そのため、プレゼンテーション実行部32は、要求箇所を特定することができたかを判断し(ステップS88)、要求箇所を特定することができなかった場合はそのまま処理を終了する。一方、要求箇所を特定することができた場合には(ステップS88でYES)、ステップS89に進んでプレゼンテーション資料に反映させる処理が行われる。
プレゼンテーション実行部32は、要求箇所を特定することができた場合、参加者用データであるプレゼンテーション資料63を読み出し、そのプレゼンテーション資料63の要求ページにおける要求箇所に、要求や回答を反映させる加工処理を施し、プレゼンテーション資料63を更新する(ステップS89)。例えば、プレゼンテーション資料63の要求箇所にアンダーラインなどの装飾加工を施すと共に、質問に関する要求であれば、上記のようにして生成された回答情報を要求箇所の近傍に合成配置する。このようにして参加者からの要求や自動取得される回答がプレゼンテーション資料63に反映されることにより、その後、参加者の情報処理端末4a,4b,4cにおいて資料表示領域R1に表示されるプレゼンテーション資料63には要求や回答が追加記録された状態で表示されるようになる。
次にプレゼンテーション実行部32は、共有データであるプレゼンテーション資料62を読み出し、そのプレゼンテーション資料62の要求ページにおける要求箇所に、必要に応じて、要求や回答を反映させる加工処理を施し、プレゼンテーション資料62を更新する(ステップS90)。ここでも上記と同様に、例えば、プレゼンテーション資料62の要求箇所にアンダーラインなどの装飾加工を施すと共に、質問に関する要求であれば、上記のようにして生成された回答情報を要求箇所の近傍に合成配置する。ただし、ステップS90の更新処理では、回答情報に秘密性のある情報が含まれる場合、秘密性のある情報はプレゼンテーション資料62に反映させる情報から除外される。これにより、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62に秘密性のある情報が含まれることを防止する。このようにして参加者からの要求や自動取得される回答がプレゼンテーション資料62に反映されることにより、その後、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62には要求や回答が追加記録された状態で表示されるようになり、プレゼンタおよび参加者A,B,Cがその追加記録された情報を共有することができるようになる。
以上で、図16に示した参加者対応処理(ステップS36)に関する全ての処理が終了する。尚、図16に示した参加者対応処理は、参加者A,B,Cのそれぞれについて行う処理となっている。
プレゼンテーション実行部32は、上述したようなプレゼンテーション実行処理を行うことにより、プレゼンテーションの進行に伴って各参加者A,B,Cから質問や意見などの要求が行われると、その要求を参加者要求リスト64に登録していく。そして参加者A,B,Cからの要求が質問である場合には、自動的にその質問に対する回答を取得し、要求の送信元である参加者の情報処理端末4a,4b,4cにおいてその回答を表示させる。このとき、本実施形態では、プレゼンタにより予め作成された質問回答情報65を参照して回答を得る第1の検索、又は、プレゼンタにより予め作成された検索フィルタ情報66に基づいてデータベース12をアンド条件で検索することにより回答を得る第2の検索が優先的に行われて質問に対する回答が取得される。そのため、プレゼンテーションの内容に則した少ない回答を取得して参加者に提示することが可能である。それ故、参加者自身がプレゼンテーションの内容に則した回答を選択しなければならなくなる手間を低減することができるようになり、参加者をプレゼンテーションに集中させることができるようになる。
またプレゼンテーション実行部32は、プレゼンテーションの進行に伴って各参加者A,B,Cから質問や意見などの要求が質疑応答モード切替条件情報68に定められた条件に達すると、そのタイミングで、スクリーン7に投影する資料を、参加者要求リスト64に切り替える。そのため、プレゼンタは、参加者A,B,Cから質問や意見などの要求が所定の条件に達したことを把握することができ、その時点でどのような質問や意見が発せられているかを各参加者A,B,Cと共に確認することができる。そしてその後、プレゼンタが質疑応答モードから発表モードに切り替えたときには、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料として、共有データであるプレゼンテーション資料62が選択されるので、スクリーン7には、各参加者A,B,Cが発した質問や意見などが反映された資料が投影されるようになる。このとき、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62は、各参加者A,B,Cからの要求箇所にアンダーラインなどの装飾加工が施され、質問の場合はその要求箇所の近傍に回答情報が付された状態となる。したがって、プレゼンタおよび各参加者A,B,Cは、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62のどのような部分に対して各参加者A,B,Cからの質問や意見が発せられているかを簡単に把握することが可能であり、一の参加者が行った質問に対する回答を他の参加者が共有することも可能である。また、プレゼンタは、必要に応じて補足説明などを適切なタイミングで行うことができるようになり、各参加者A,B,Cのプレゼンテーションの内容に対する理解度を深めることが可能である。
次にプレゼンテーションの進行中に、各参加者A,B,Cが質問に関する要求を送信した場合に、各参加者A,B,Cの情報処理端末4a,4b,4cに表示される操作画面G2について説明する。
図20は、参加者Aの情報処理端末4aにおける操作画面G2の一例を示す図である。この操作画面G2では、資料表示領域R1に、図5に示したプレゼンテーション資料が表示されている。この資料が表示されているとき、参加者Aが「CCD」という用語の意味を調べるため、要求操作欄の質問入力欄82に「CCD」と入力し、緊急度入力欄81に「レベル1」を設定して要求送信ボタン84をクリック操作したと仮定する。この場合、プレゼンテーション実行部32は、図6に示す質問回答情報65から「CCD」に対応する回答を取得して回答情報を情報処理端末4aに出力する。その結果、図20に示すように、回答欄85には、質問回答情報65から抽出された回答が表示されるようになる。また資料表示領域R1に表示されるプレゼンテーション資料63には、要求箇所として特定された「CCD」の文字列にアンダーラインが付され、その文字列の近傍に回答情報が表示される。したがって、参加者Aは、「CCD」という用語の意味を把握することができるようになる。
図21は、参加者Bの情報処理端末4bにおける操作画面G2の一例を示す図である。この操作画面G2においても、資料表示領域R1に、図5に示したプレゼンテーション資料が表示されている。この資料が表示されているとき、参加者Bが「ASIC−A」という用語の意味を調べるため、要求操作欄の質問入力欄82に「ASIC−A」と入力し、緊急度入力欄81に「レベル1」を設定して要求送信ボタン84をクリック操作したと仮定する。この場合、プレゼンテーション実行部32は、まず図6に示す質問回答情報65から「ASIC−A」に対応する回答を取得するために第1の検索を行うが、質問回答情報65には「ASIC−A」に対応するキーワードが登録されていないため、回答を取得することができない。次に、プレゼンテーション実行部32は、検索フィルタ情報66を参照してキーワード「画像読取制御」を抽出し、「ASIC−A」と「画像読取制御」とをアンド条件で組み合わせた検索コマンドを検索装置11に出力し、第2の検索を行う。しかし、データベース12にも「ASIC−A」に対応するキーワードが登録されていないため、回答を抽出することができない。その後、プレゼンテーション実行部32は第3の検索および第4の検索を行っても「ASIC−A」に対応する回答を取得することができなった場合は、検索失敗となり、情報処理端末4bに検索失敗を示す回答情報を出力する。その結果、図21に示すように、回答欄85には、検索失敗と表示されるようになる。また資料表示領域R1に表示されるプレゼンテーション資料63には、要求箇所として特定された「ASIC−A」の文字列にアンダーラインが付され、その文字列の近傍に、検索失敗を示す回答情報が表示される。この場合、参加者Bは、「ASIC−A」という用語の意味は依然として理解できない状態である。
図22は、参加者Cの情報処理端末4cにおける操作画面G2の一例を示す図である。この操作画面G2においても、資料表示領域R1に、図5に示したプレゼンテーション資料が表示されている。この資料が表示されているとき、参加者Cが「画像暗号化アルゴリズムX」という用語の意味を調べるため、要求操作欄の質問入力欄82に「画像暗号化アルゴリズムX」と入力し、緊急度入力欄81に「レベル1」を設定して要求送信ボタン84をクリック操作したと仮定する。この場合、プレゼンテーション実行部32は、まず図6に示す質問回答情報65から「画像暗号化アルゴリズムX」に対応する回答を取得するために第1の検索を行うが、質問回答情報65には「画像暗号化アルゴリズムX」に対応するキーワードが登録されていないため、回答を取得することができない。次に、プレゼンテーション実行部32は、検索フィルタ情報66を参照してキーワード「画像読取制御」を抽出し、「画像暗号化アルゴリズムX」と「画像読取制御」とをアンド条件で組み合わせた検索コマンドを検索装置11に出力し、第2の検索を行う。検索装置11は、図8に示したデータベース12を、「画像読取制御」のテーマに絞り込んで検索すると、「画像暗号化アルゴリズムX」に対応する回答をひとつだけ取得することができるので、その回答をプレゼンテーション実行部32に出力する。プレゼンテーション実行部32は、検索装置11から回答を取得すると、その回答に基づいて回答情報を生成する。ここで、図8に示すように、キーワード「画像暗号化アルゴリズムX」に対応する回答は、秘密性のある情報である。そのため、上記のようにして生成した回答情報を、参加者Cの情報処理端末4cに出力するか否かは参加者Cの権限情報69に依存する。つまり、参加者Cの権限情報69が「高」であれば回答情報が情報処理端末4cに出力され、「低」であれば回答情報の出力は行われない。仮に参加者Cの権限情報69が「高」であるとすると、プレゼンテーション実行部32は回答情報を情報処理端末4cに出力し、その結果、図22に示すように、情報処理端末4cにおいて表示される回答欄85には、データベース12から抽出された回答が表示されるようになる。また資料表示領域R1に表示されるプレゼンテーション資料63には、要求箇所として特定された「画像暗号化アルゴリズムX」の文字列にアンダーラインが付され、その文字列の近傍に回答情報が表示される。したがって、参加者Cは、「画像暗号化アルゴリズムX」という用語の意味を把握することができる。
次に、各参加者A,B,Cが上述したような質問を行った結果、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62への質問や回答の反映について説明する。図23は、各参加者A,B,Cからの要求と回答とが反映されたプレゼンテーション資料62の一例を示す図である。上述したように、参加者Aが「CCD」、参加者Bが「ASIC−A」、参加者Cが「画像暗号化アルゴリズムX」の質問要求をそれぞれ行った場合、共有データであるプレゼンテーション資料62には、秘密性のない情報だけが反映されることになる。つまり、参加者Aの質問によって取得された回答情報は秘密性がないため、プレゼンテーション資料62に反映される。また参加者Bの質問によって取得された回答情報は検索失敗であり、秘密性がないので、プレゼンテーション資料62に反映される。一方、参加者Cの質問によって取得された回答情報は秘密性があるため、プレゼンテーション資料62には反映されない。その結果、プレゼンテーション実行部32によってプロジェクタ5に出力され、スクリーン7に投影されるプレゼンテーション資料62は、図23に示すような資料となる。すなわち、プレゼンテーション資料62には、「CCD」の文字列の近傍に回答情報D1が表示され、「ASIC−A」の文字列の近傍に検索失敗を示す回答情報D2が表示される。このようなプレゼンテーション資料62がスクリーン7に投影されることにより、例えば参加者B,Cは、参加者Aによる「CCD」に関する回答情報D1を共有することができ、参加者B,Cは同じ質問を行う必要がなくなる。またプレゼンタは、検索失敗となった「ASIC−A」という用語についての補足説明を適切なタイミングで行うことができるようになる。
以上のように本実施形態のプレゼンテーション支援装置2は、プレゼンタが操作する第1の情報処理端末3、プレゼンタによるプレゼンテーションを視聴する参加者が操作する第2の情報処理端末4、および、プレゼンテーション資料を投影するプロジェクタ5のそれぞれとデータ通信可能であり、第1の情報処理端末3から入力する指示に基づいて、記憶装置24からプレゼンテーション資料を読み出してプロジェクタ5に出力することによりプロジェクタ5にプレゼンテーション資料を投影させると共に、第2の情報処理端末4から入力する参加者のプレゼンテーションに対する質問に関する要求を受け付け、当該要求に対応する回答を自動取得して回答情報を生成し、プロジェクタ5に出力されるプレゼンテーション資料に当該回答情報を反映させるように構成される。したがって、プレゼンテーションの進行中にプレゼンタと各参加者とが互いに情報を共有することができるようになり、各参加者のプレゼンテーションの内容に対する理解度を深めることができると共に、プレゼンタは効果的なプレゼンテーションを行うことができるようになる。
また、記憶装置24には、プレゼンテーション資料に関するデータとして、書き換えが禁止されたオリジナルデータと、書き換えが許可された共有データとが記憶されており、プレゼンテーション支援装置2は、記憶装置24に記憶されるオリジナルデータおよび共有データのいずれか一方を選択的に読み出してプロジェクタ5にプレゼンテーション資料を投影させることが可能である。それ故、回答情報が反映されたプレゼンテーション資料と、回答情報が反映されていないプレゼンテーション資料とをプレゼンテーションの進行中に切り替えて投影させることが可能である。
また、記憶装置24には、プレゼンテーション資料に関するデータとして、さらに第2の情報処理端末4に出力するための参加者用データが記憶されており、プレゼンテーション支援装置2は、第2の情報処理端末4に出力する参加者用データに当該回答情報を付加することにより、第2の情報処理端末4に出力されるプレゼンテーション資料にも当該回答情報を反映させるように構成される。そのため、参加者は第2の情報処理端末4に表示されるプレゼンテーション資料を確認することでも、質問に対する回答を把握することができる。
またプレゼンテーション支援装置2は、参加者の第2の情報処理端末4から入力する要求が所定の条件を満たす場合に、記憶装置24に記憶されるオリジナルデータから共有データに自動的に切り替えてプレゼンテーション資料の読み出しを行うことにより、プロジェクタ5により投影されるプレゼンテーション資料に回答情報が適切なタイミングで反映されるようになる。
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。例えば、上記実施形態では、複合機やMFPなどで構成される情報機器10がプレゼンテーション支援装置2としての主たる機能を実現する場合を例示したが、上述した情報機器10の機能は、例えば一般的なコンピュータによって実現しても構わない。