JP2012003586A - 入力装置、入力システム、及び入力制御プログラム - Google Patents

入力装置、入力システム、及び入力制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】装置の向きに対する筆記方向を特別に意識することなく筆記を行うことができ、使用者の利便性を向上する。
【解決手段】入力情報を入力する電子ペン2を有し、電子ペン2により入力される入力情報の筆記動作を検出し、入力される入力情報の、当該手書き入力装置1に対する筆記方向が所定の方向と一致するか否かをを判定し、筆記方向が所定の方向と一致すると判定されなかったとき、電子ペン2により入力された入力情報を回転させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、使用者の手書きによる筆記内容を電子的に入力可能な入力装置、入力システム、及び入力制御プログラムに関する。
使用者がペンを用いて所望の入力を行える入力装置が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この入力装置は、装置本体と、表示・入力部と、シート状入力部とを備えている。
シート状入力部は、装置本体の前面側に電気的及び機械的に接続されている。またシート状入力部は、収納及び携帯時に表示・入力部の表面を覆うカバーとして機能する。表示・入力部は、装置本体の上部に設けられている。また表示・入力部は、液晶表示面を備えるとともに、最上面にタブレットシートを備えている。使用者は、ペンを用いて上記タブレットシートを操作することにより、所望の入力を行うことができる。例えば、使用者が、ペンを用いてタブレットシート上にて所望の文字列の筆記動作を行った場合、そのときのペンの動きがタブレットシートにより検出される。この結果、上記筆記動作に対応した文字列電子データが生成され、記録される。
特開平10−289052号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。すなわち、使用者が上記のように筆記を行う場合、使用者が装置に対しどのような向きで対面し筆記を行っているかによって、装置の向きに対する筆記方向が異なる。いわゆる横書きの場合、使用者は、装置に正対した状態で向かって左上の最上段から右向きに筆記を行う。そして、改行した場合は改行後の1段下の行からまた右向きに筆記が行われ、以降、順次改行しながら下方へ筆記が進むのが通常である。しかしながら、使用者の用途、利き腕、及び個人的好み、等の事情により、使用者が装置を上記の通常の正対状態に対して上下逆向きにして使用する場合が考えられる。特にハードウェアの構成上、装置が対称形でない時は、そういった使用法が想定される。この場合、装置側から見ると、上記とは逆に、右下の最下段から左向きに筆記が行われる。そして、上方へ1段改行してずれた後、その改行した行から左向きに筆記が行われ、以降順次1段ずつ上方へ改行しながら上方へ筆記が進められることとなる。
上記従来技術では、上記のような装置の向きに対する筆記方向の違いについて特に配慮されていない。このため、本来の筆記方向とは逆に筆記方向が認識された場合、文字列が上下逆、すなわち180°回転した状態のまま処理されて誤表示される、等の不都合が生じる可能性がある。これを防止するためには、使用者は、装置に逆向きに認識されないように意識しつつ筆記を行う必要があり、不便であった。
本発明の目的は、装置の向きに対する筆記方向を特別に意識することなく使用者が筆記を行うことができ、使用者の利便性を向上できる入力装置、及び入力システム、並びに入力制御プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、入力情報を入力する入力手段と、前記入力手段により入力される前記入力情報の筆記動作を検出する第1検出手段と、前記第1検出手段による検出結果に基づき、前記入力手段により入力される前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手段と、を有することを特徴とする。
本願第1発明の手書き入力装置においては、使用者が入力手段を手にとって入力情報の筆記を行うと、そのときの入力手段の筆記動作が第1検出手段によって検出される。このとき、使用者が入力装置に対しどのような向きで対面し筆記を行っているかによって、入力装置の向きに対する入力手段の筆記方向が異なる場合がある。
そこで、本願第1発明においては、第1検出手段による検出結果に基づき、判定手段が、入力装置に対する入力情報の筆記方向が所定の方向と一致するか否かを判定する。筆記方向が所定の方向と一致しなかった場合には、制御手段が、上記入力情報を回転させる。これにより、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で入力情報を処理することが可能となる。この結果、上記対面状態を考慮せずに入力情報を処理した場合に生じうる、入力情報が不適正な方向の状態のまま誤表示される等の不都合を防止することができる。したがって、使用者は、入力装置に対する筆記方向を特に意識することなく筆記を行い、入力装置に対し入力を行うことができるので、使用者の利便性を向上することができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記入力手段は、前記入力情報として、文字を示す文字情報を入力し、前記判定手段により前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記制御手段は、前記文字情報を回転させることを特徴とする。
これにより、使用者が入力手段により入力した文字情報を、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で処理することができる。この結果、文字情報が不適正な方向で読み取りにくい状態のまま誤表示される等の不都合を防止することができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記判定手段により前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記制御手段は、前記文字情報を180°回転させることを特徴とする。
これにより、入力装置の向きに対する入力手段の筆記方向に応じて、必要に応じて当該筆記方向に合致した態様となるように文字情報を180°回転させることができる。この結果、文字情報が上下逆になった状態のまま誤表示される、等の不都合を防止することができる。
第4発明は、上記第1から第3発明のいずれかにおいて、予め設定された複数種類の言語を示す言語情報と、前記言語情報に対応する筆記方向情報を記憶した第1記憶手段と、前記入力装置に入力される文字情報の言語を示す言語情報を取得する取得手段と、を有し、前記判定手段は、前記取得手段により取得された前記言語情報に対応する前記筆記方向情報を用いて、前記筆記方向を判定することを特徴とする。
本願第4発明においては、右上隅から下方向かつ右側の行から左側へと記述していく縦書き日本語や右から左へ記述していくアラビア語等の言語情報と、各言語情報に対応する筆記情報とが、第1記憶手段に記憶されている。そして、それら各種の言語が用いられた場合に、当該縦書き日本語やアラビア語に対応した筆記方向情報が取得手段により取得される。そして、取得された筆記方向情報に応じて判定手段が筆記方向の判定を行う。これにより、左上隅から右方向かつ上段から下段へと記述していく通常の横書きの場合以外にも、対応可能となる。
第5発明は、上記第1から第4発明のいずれかにおいて、前記判定手段は、所定の表示部に表示させる前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定し、前記制御手段は、前記判定手段により、前記所定の表示部に表示させる前記入力情報の前記筆記方向が前記所定の方向と一致すると判定されなかったとき、前記入力情報を回転させることを特徴とする。
これにより、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で、所定の表示部において表示を行うことが可能となる。この結果、当該表示部において入力情報が不適正な方向の状態のまま誤表示される、等の不都合を防止することができる。
第6発明は、上記第5発明において、前記制御手段により回転した前記入力情報を、当該回転した状態で前記所定の表示部に表示させるために記憶する第2記憶手段を有することを特徴とする。
これにより、所定の表示部は、第2記憶手段に記憶された、適正に回転済みの入力情報を用いて、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で確実に表示を行うことができる。
第7発明は、上記第1発明から第6発明のいずれかにおいて、前記第1検出手段は、前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、前記位置取得手段により取得された前記入力情報について、1ページ分に相当する前記入力情報を処理単位として、前記制御手段は、当該処理単位ごとに、前記入力情報を回転させることを特徴とする。
本願第7発明においては、入力情報として、入力手段の位置情報を取得する。そして、1ページ分に相当する位置情報を処理単位とし、1ページごとに制御手段によって入力情報の回転が行われる。これにより、全ページ分の位置情報を一度に処理する場合と異なり、あるページと次のページとで筆記方向が異なる場合、すなわち、筆記方向が互いに異なるページが被筆記体中に混在する場合であっても、各ページごとに位置情報を正しい向きで処理することができる。
第8発明は、上記第1から第7発明のいずれかにおいて、前記第1検出手段は、前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、前記位置取得手段により取得される位置情報の、前記筆記方向における最小値及び最大値を記憶する第3記憶手段を設け、前記判定手段は、前記第3記憶手段により記憶された前記位置情報の前記最小値及び前記最大値から前記筆記方向を判定することを特徴とする。
一般に、被筆記体に対して横書きの筆記方向にて筆記を行う場合、使用者は、被筆記体の左上の隅から右へ向かって記述を行う。そして、被筆記体の右端近くまで到達したら、使用者は、次の行、すなわち被筆記体の一段下に下がった領域における左端から記述を行う。このような横書き態様の場合、例えば左右方向に沿って右側を正、左側を負となる座標を用いるとすると、同一行において右へ向かって記述が行われているときには、後に記述された文字ほど、位置情報が大きくなり、位置情報の最大値が頻繁に更新される。
上記のような筆記態様自体は、使用者が右利きであっても左利きであっても同様である。しかしながら、上述したように、入力装置がある所定の向きに置かれているとき、当該所定の向きに対し、右利きの使用者に対し好適な筆記方向と、左利き用の使用者に対し好適な筆記方向とが、逆となる場合がある。したがって、入力装置が右利き用の向きで使用されている場合に上記の最大値の更新が頻繁に行われる状態であるとすると、入力装置が左利き用の向きで使用されている場合には、最小値の更新が頻繁に行われることとなる。すなわちこの場合、使用者は、被筆記体の右下の隅から左へ向かって記述を行う。そして、被筆記体の左端近くまで到達したら、使用者は、次の行、すなわち被筆記体の一段上に上がった領域における右端から記述を行う。この場合、上記の例に沿うと、同一行において左へ向かって記述が行われているとき、後に記述された文字ほど位置情報が小さくなり、最小値が頻繁に更新されることとなるのである。
以上のような挙動に対応し、本願第8発明においては、筆記方向における位置情報の最小値や最大値を第3記憶手段が記憶し、判定手段は、その記憶された位置情報の最小値及び最大値に応じて筆記方向を判定する。これにより、筆記方向を精度よく確実に判定することができる。
第9発明は、上記第1から第7発明のいずれかにおいて、前記第1検出手段は、
前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、前記位置取得手段により取得される位置情報の、前記筆記方向における筆記開始位置と現在筆記位置とを記憶する第4記憶手段を設け、前記判定手段は、前記第4記憶手段により記憶された前記位置情報の前記筆記開始位置及び前記現在筆記位置から前記筆記方向を判定することを特徴とする。
上述したように、入力装置がある所定の向きに置かれているとき、当該所定の向きに対し、右利きの使用者に対し好適な筆記方向と、左利き用の使用者に対し好適な筆記方向とが、逆となる場合がある。この場合、筆記開始位置と現在筆記位置との関係は、入力装置が右利き用の向きで使用されている場合と、入力装置が左利き用の向きで使用されている場合とで、逆になる。
以上のような挙動に対応し、本願第9発明においては、第4記憶手段が、筆記方向における筆記開始位置と現在筆記位置とを記憶し、判定手段は、その記憶された筆記開始位置と現在筆記位置とに応じて筆記方向を判定する。これにより、筆記方向を精度よく確実に判定することができる。
第10発明は、上記第1から第9発明のいずれかにおいて、所定の方向に見開き可能な略ノート形状の被筆記体を覆い、且つ、可撓性部材により前記所定の方向に見開き可能な形状に構成されたシート体と、前記シート体に配置された制御回路部と、を有し、前記第1検出手段は、前記被筆記体への記述に伴う、前記入力手段による前記筆記動作を検出し、前記制御回路部は、前記シート体のうち、前記見開き形状の中央部の折り曲げ部分以外の部位に設けられていることを特徴とする。
略ノート形状の被筆記体をシート体で覆い、当該シート体の中央部の折り曲げ部を避けて制御回路部を設けた場合、入力装置は、制御回路部が見開き形状の一方側部分若しくは他方側部分に配置される、非対称な構造となる。ここで、制御回路部は、入力部からの信号に関する各種処理を行う回路であり、ある程度の大きさと厚みを備える。このため、使用者は、入力手段を手に持って被筆記体に対して筆記を行う際、自らの手や腕が制御回路部に当たらないような向きで手書き入力装置に対面し、筆記を行う可能性が高い。この結果、入力装置の向きに対して、右利きの使用者に対し好適な筆記方向と、左利きの使用者に対し好適な筆記方向とが、互いに逆となる。
本願第10発明では、上記に対応し、使用者の筆記体への記述に伴う筆記動作を第1検出手段が検出し、当該筆記方向が所定の方向と一致するかどうかを判定手段が判定する。これにより、入力装置は、装置が右利きの向きで使用されているか、左利き用の向きで使用されているかを認識することができ、その認識結果に基づき、必要に応じて制御手段が入力情報を回転させることができる。これにより、装置が右利きの向きで使用されているか、左利き用の向きで使用されているか、に合致した態様で入力情報を処理することが可能となる。この結果、使用者は、自分の利き手が左右どちらであっても、制御回路部分が筆記時に邪魔にならないように利き手に合わせ適宜端末を180度回転させ、使用することができる。
また、被筆記体と同様の見開き形状の可撓性部材からなるシート体が備えられていることにより、クリップボードタイプと異なり、被筆記体に設置したときに被筆記体のノートとしての柔軟性を妨げないようにすることができる。その際、制御回路部がシート体の中央部の折り曲げ部分を避けて設置されていることにより、制御回路部が、ノート形状の被筆記体の背表紙部分に位置しないようにすることができるので、被筆記体を机で開くときや、被筆記体を背中合わせにして使用するときにも、制御回路部が邪魔にならない。この結果、被筆記体のノートとしての使いやすさを妨げない。さらに、入力装置を設けた被筆記体を使用者が持ち運び中に使用者が誤って落とした場合でも、最も大きな衝撃が加わる背表紙部分以外に制御回路部が設けられているので、制御回路部の破損や損傷を抑制することができる。
第11発明は、上記第10発明において、前記制御回路部は、前記シート体が見開き可能な前記所定の方向における前記見開き形状の一端部又は他端部に設けられていることを特徴とする。
制御回路部がシート体の一端又は他端に寄せて配置されることにより、見開き形状のシート体のほぼ全面にわたって検出空白部がなくなり、全面で均一に筆記動作を検出することができる。また、ノート形状の被筆記体を閉じた状態において、制御回路部がノート形状の端部に位置することとなる。これにより、被筆記体のノートとしての柔軟性を、確実に妨げないようにすることができる。
第12発明は、上記第1から第11発明のいずれかにおいて、前記入力手段を装着可能なホルダと、前記ホルダに装着された状態の前記入力手段の向きを検出する第2検出手段と、を有し、前記判定手段は、前記第2検出手段が検出した前記入力手段の向きに基づき前記筆記方向を判定することを特徴とする。
本願第12発明においては、入力手段を装着可能なホルダを設けている。このようなホルダを使用者が使用する場合、使用者自身から見て入力部が一定の方向を向くように、例えばペン先が自分側へ向くように、入力手段を装着するのが通常である。そこで本願第12発明では、第2検出手段が上記装着された入力手段の向きを検出し、その検出した入力手段の向きに基づいて判定手段が筆記方向を判定する。これにより、簡易な手法で迅速かつ確実に筆記方向を判定することができる。
上記目的を達成するために、第13発明は、入力情報を入力する入力手段を備える入力装置と、前記入力装置と情報送受信可能に接続される処理端末と、を有する手書き入力システムであって、前記入力装置は、前記入力手段により入力される前記入力情報の筆記動作を検出する第1検出手段と、所定の方向に見開き可能な略ノート形状の被筆記体を覆うように、可撓性部材により前記所定の方向に見開き可能な形状に構成されたシート体と、前記シート体のうち、前記見開き形状の中央部の折り曲げ部分以外の部位に配置された制御回路部と、を有し、前記処理端末は、前記入力手段により入力される前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手段とを有することを特徴とする。
本願第13発明の入力システムにおいては、使用者が入力手段を手にとって、入力装置のシート体に覆われた被筆記体に記述を行い入力情報の筆記を行うと、そのときの入力手段の筆記動作が入力装置の第1検出手段によって検出される。このとき、使用者が入力装置に対しどのような向きで対面し筆記を行っているかによって、入力装置の向きに対する入力部の筆記方向が異なる場合がある。特に、略ノート形状の被筆記体をシート体で覆い、当該シート体の中央部の折り曲げ部を避けて制御回路部を設けた場合、使用者は、入力手段を手に持って被筆記体に対して筆記を行う際、自らの手や腕が制御回路部に当たらないような向きで手書き入力装置に対面し、筆記を行う可能性が高い。この結果、入力装置の向きに対して、右利きの使用者に対し好適な筆記方向と、左利きの使用者に対し好適な筆記方向とが、互いに逆となる。
そこで、本願第13発明においては、入力装置と情報送受信可能な処理端末に判定手段を設けている。そして、この判定手段が、入力装置に対する入力情報の筆記方向が所定の方向と一致するか否かを判定する。筆記方向が所定の方向と一致しなかった場合には、処理端末の制御手段が、上記入力情報を回転させる。これにより、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で入力情報を処理することが可能となる。この結果、上記対面状態を考慮せずに入力情報を処理した場合に生じうる、入力情報が不適正な方向の状態のまま誤表示される等の不都合を防止することができる。したがって、使用者は、入力装置に対する筆記方向を特に意識することなく筆記を行い、入力装置に対し入力を行うことができるので、使用者の利便性を向上することができる。
上記目的を達成するために、第14発明の入力制御プログラムでは、入力情報を入力する入力手段を備えた入力装置と情報送受信可能に接続される処理端末のコンピュータに、前記入力手段により入力される前記入力情報の、前記入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手順と、前記判定手順で、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手順と、を実行させる。
本願第14発明の入力制御プログラムを実施するコンピュータを備えた処理端末は、入力装置に情報送受信可能に接続されている。この入力装置では、使用者が入力手段を手にとって入力情報の筆記を行うと、そのときの筆記動作が検出される。このとき、使用者が入力装置に対しどのような向きで対面し筆記を行っているかによって、入力装置の向きに対する入力手段の筆記方向が異なる場合がある。
そこで、本願第14発明においては、処理端末が、上記入力装置の向きに対する筆記方向に応じた処理を行う。本願第14発明の入力制御プログラムがコンピュータによって実行されると、判定手順で、入力装置により入力される入力情報の、入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かが判定される。そして、筆記方向と所定の方向とが一致すると判定されなかったときには、制御手順で、入力手段により入力された入力情報を回転させる。これにより、入力装置の向きに対する筆記方向に合致した態様で入力情報を処理することが可能となる。この結果、上記対面状態を考慮せずに入力情報を処理した場合に生じうる、入力情報が不適正な方向の状態のまま誤表示される等の不都合を防止することができる。したがって、使用者は、入力装置に対する筆記方向を特に意識することなく筆記を行い、入力装置に対し入力を行うことができるので、使用者の利便性を向上することができる。
本発明によれば、使用する際の装置の向きを特別に意識することなく使用者が筆記を行うことができ、使用者の利便性を向上することができる。
本発明の一実施形態による手書き入力装置の使用時の様子を表す、外観斜視図、概念的平面図、及び概念的側面図である。 手書き入力装置の機能的構成を表す機能ブロック図である。 コイルシートの内部構成を表す概念的平面図である。 手書き入力装置が右利き用の向きで使用されるとき、及び、左利き用の向きで使用されるとき、の使用態様を表す説明図である。 CPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 コイルシートを用いて電子ペンの座標を検出する原理を説明する説明図及びグラフである。 電子ペンの座標を検出する原理を説明するためのグラフ及びテーブルである。 手書き入力装置が右利き用の向きで使用されるときにおけるx座標の最大値及び最小値の更新態様を説明する説明図である。 本発明の一実施形態の使用態様の例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態における落下衝撃防止効果を説明するための説明図である。 座標検出装置に接続された端末において処理を行う変形例において、座標検出装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 処理端末のCPUが実行する制御手順を表すフローチャート、及び、ステップSS210の詳細手順を表すフローチャートである。 ペンホルダの収納状態により筆記方向を判定する変形例を表す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施形態の手書き入力装置1は、図1(a)に示すように、電子ペン2と、座標検出装置3とを備える。手書き入力装置1では、使用者が電子ペン2を持つ。電子ペン2は、入力される入力情報である位置情報、すなわち座標データの入力手段として機能する。
図1(b)及び図1(c)に示すように、座標検出装置3は、所定の方向に見開き可能な形状に構成されたシート体10を備えている。なお、以下の説明においては、上記の見開き形状にシート体10が設置された状態(図1(b)の状態)を基準として、図示左右方向を左右方向4と定義し、図示上下方向を上下方向5と定義する。本実施形態では、座標検出装置3は、所定の方向として、左右方向4に見開き可能な形状に構成されたシート体10を備えている。シート体10は、左側コイルシート100L(後述)を備えた左側シート部10Lと、右側コイルシート100R(後述)を備えた右側シート部10Rと、中間シート部10Mとを有する。中間シート部10Mは、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間の中央部に設けられ、使用者により折り曲げ可能な折り曲げ部分である。
図1(b)及び図1(c)に示すように、シート体10の中間シート部10M以外の部分に制御回路部20及び電池21が設けられる。図1(b)及び図1(c)の例では、左側シート部10Lの左右方向における中間シート部10Mと反対側の端部すなわち左端部に、制御回路部20及び電池21が設けられる。なお、制御回路部20及び電池21をシート体10の右側シート部10Rの左右方向における中間シート部10Mと反対側の端部すなわち右端部に設けてもよい。そして、被筆記体である左右見開き形状のノート30が、左右見開き形状の可撓性部材からなるシート体10に重なるように配置される。ノート30は、後述の閉じ状態においては、シート体10に略覆われる(後述の図10(b)参照)。なお、左側コイルシート部10L及び右側シート部10Rに、図1(a)に示すようなノート保持部11をそれぞれ設けてもよい。これにより、座標検出装置3を容易かつ確実にノート30と一体化することができ、使用者による取り扱い性を向上することができる。
使用者は、電子ペン2を用いてノート30の第1筆記面31Lや第2筆記面31Rに手書きの所望の文字列等を筆記する。この筆記動作に対応した電子ペン2の移動により、筆記された文字列等に対応した電子的な入力情報、すなわち後述のペン位置データ列が電子ファイルに保存される。その際、実際にインクを用いてノート30の筆記面31L、筆記面31R等にページを切り替えながら記述が行われるのと同様、電子ファイルのページも切り替えながら保存することができる(後述)。
使用者が、手書き入力装置1を使用する際には、電子ペン2に備えられた図示しない電源スイッチがオンされる。電子ペン2は、図2に示すように、LC発振回路41と、先端スイッチ42と、電池43とを有する。
LC発振回路41は、磁界すなわち交番磁界を発生させる回路である。LC発振回路41は、図示しないコンデンサを含む。LC発振回路41で発生される磁界の周波数は、先端スイッチ42のオン又はオフに基づき、上記コンデンサの容量を変化させることで変更される。先端スイッチ42がオフの場合、LC発振回路41によって発生される磁界は、特定の周波数f1となる。一方、先端スイッチ42がオンの場合、LC発振回路41によって発生される磁界は、オフの場合とは異なる特定の周波数f2となる。
なお、先端スイッチ42がオフの場合にLC発振回路41から発生される磁界の周波数f1を、以下適宜、「接近周波数f1」という。また、先端スイッチ42がオンの場合にLC発振回路41から発生される磁界の周波数f2を、以下適宜、「入力周波数f2」ともいう。LC発振回路41で発生された磁界は座標検出装置3で検出される。f1<f2とすることにより、接近周波数f1の磁界を発生する際の消費電力を低減することができる。
先端スイッチ42は、発生させる磁界の周波数を変更するための指令信号S0を、LC発振回路41に対して出力するスイッチである。例えば、使用者が、電子ペン2を用いて、文字や図形等を記述するために電子ペン2の先端2aを筆記面31に押しつけたとき、先端スイッチ42がオンとなる。そして、前述の指令信号S0が出力される。また、使用者が、文字や図形等の記述を止め、電子ペン2の先端2aを筆記面31から離したとき、先端スイッチ42はオフとなる。この場合、指令信号S0は出力されず、LC発振回路41によって発生される磁界の周波数は、変更前の接近周波数f1に戻る。
電池43は、LC発振回路41に電力を供給する。また電池43は、図示しない電源スイッチがオンにされることで、LC発振回路41に電力を供給する。
座標検出装置3は、図2に示すように、前述の制御回路部20と、電池21とを有する。なお、図2に2点鎖線で示す、端末200を備えた手書き入力システムSYとして構築される例については、後述する。図2において、制御回路部20は、コイルシート100L,100Rと、接近検出回路50と、位置検出回路60と、周辺回路70と、コンピュータ、例えばマイコン80と、スイッチ部90とを備える。マイコン80と、接近検出回路50、位置検出回路60、周辺回路70とは、信号ラインを介して伝送可能に接続されている。コイルシート100L,100Rと、接近検出回路50及び位置検出回路60とは、信号ラインを介して接続されている。接近検出回路50、位置検出回路60、及び周辺回路70と電池21とは、スイッチ部90を介して電力ラインによって接続されている。
マイコン80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、カウンタ80dと、タイマー80eと、その他のA/D変換機能部や割り込み機能部等とを、一つの集積回路として構成したものである。マイコン80は、座標検出装置3で実行される各種の処理を制御し、接近検出回路50、位置検出回路60、及び周辺回路70の動作状態を制御する。その制御内容の詳細は、図5を用いて後述する。
例えば、マイコン80は、スリープモードと、ノーマルモードとを切り替える。スリープモードは、接近検出回路50からの信号により、低消費電力モードで座標検出装置3が待機状態となるモードである。ノーマルモードは、座標検出装置3が、電子ペン2により発生された磁界を検出し、座標データを保存する通常動作を行うモードである。マイコン80からの信号により上記の各回路50,60,70はスリープモードとノーマルモードとが切替られる。スリープモードは各回路50,60,70が休止状態となり、電力が消費されない。また、マイコン80自身もスリープモードでは電力消費が小さくなる。スリープモードでは後述するように、スリープモードにおいて接近検出回路50からの接近信号S24による割り込み処理が実行されると、ノーマルモードに切り替えられる。なお、ノーマルモードとスリープモードとの切り替えの詳細については後述する。
コイルシート100L,100Rは、図3に示すように、センスコイル部110と、接近検出コイル部120とを含む。すなわち、図3に示すように配置されたセンスコイル部110及び接近検出コイル部120が例えば外形が長方形の薄板状に樹脂成形されて、コイルシート100L,100Rが構成されている。なお、図3では、センスコイル部110が破線で示され、接近検出コイル部120が実線で示されている。
センスコイル部110は、図3に示すように、x軸方向に配列されたm個のループ状のセンスコイルX1〜Xmと、y軸方向に配列されたn個のループ状のセンスコイルY1〜Ynとによって構成されている。センスコイルX1〜Xmと、センスコイルY1〜Ynとは、直交した位置関係で配置されている。センスコイルX1〜Xm及びセンスコイルY1〜Ynは、例えば表面に絶縁被膜層が形成された銅線によって形成されている。また、センスコイルX1〜Xm及びセンスコイルY1〜Ynは、電子ペン2によって発生された磁界に対応して、電子ペン2から座標検出装置3に情報を入力するための信号S1(図2参照)を発生する。さらに、センスコイルX1〜Xm及びセンスコイルY1〜Ynは、後述する位置検出回路60のマルチプレクサ62に接続されている。
センスコイルX1〜Xmは、それぞれ、x軸方向の幅P1の辺とP1より長いy軸方向の長さP2の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。センスコイルX1〜Xmのそれぞれは、所定の一定ピッチでx軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接するセンスコイルX1〜Xmは、P1の2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
センスコイルY1〜Ynは、それぞれ、x軸方向の幅P3の辺とP3より短いy軸方向の長さP1の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。センスコイルY1〜Ynのそれぞれは、所定の一定ピッチでy軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接するセンスコイルY1〜Ynは、P1の2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
なお、図3では、視覚的にわかりやすくするため、便宜上、センスコイルX1〜XmとセンスコイルY1〜Ynとの各辺が重ならないようにしており、上記ピッチで配列された状態では図示されていない。
接近検出コイル部120は、電子ペン2の先端スイッチ42がオフの状態でLC発振回路41から発生された接近周波数f1の磁界との磁気誘導によって、信号S2(図2参照)を発生する。図3に示すように、センスコイル部110とは異なり、接近検出コイル部120は、一つのループ状のコイルによって構成されている。
図2に戻り、接近検出回路50は、上記接近検出コイル部120で発生する信号S2に基づき、電子ペン2が座標検出装置3に接近したことを検出する。接近検出回路50は、図2に示すように、通過周波数がf1であるバンドパスフィルタ52と、増幅回路54と、整流回路56と、持続検出回路58とを備えている。
バンドパスフィルタ52は、入力される上記信号S2に対して、不要な帯域を除去する。そしてバンドパスフィルタ52は、電子ペン2で先端スイッチ42がオフの場合にLC発振回路41から発生される接近周波数f1の信号S21を通過させる。
増幅回路54は、バンドパスフィルタ52を通過した信号S21を増幅し、信号S22とする。整流回路56は、増幅回路54で増幅された信号S22の振幅検波を行う。
持続検出回路58は、ノイズによる誤動作を防止し、接近周波数f1成分を除去する。そのために、持続検出回路58は、整流回路56で振幅検波された信号S23が所定の一定時間継続しているかを検出するとともに、その信号S23の振幅が所定のしきい値Vthを超えているか判定する。持続検出回路58により、接近周波数f1の信号S23が一定時間継続し、かつ振幅がしきい値Vthを超えたことが検出された場合には、解除信号S24がマイコン80に出力される。解除信号S24は、待機状態すなわち上記スリープモードを解除するための信号である。したがって、電子ペン2が、コイルシート100L,100Rに近接した場合には、解除信号S24が出力される。
位置検出回路60は、電子ペン2が存在するコイルシート100L,100R上の位置を表す座標を検出する、周知の回路である。この位置検出回路60は、図2に示すように、マルチプレクサ62(以下適宜、「MUX」と称する)と、増幅回路64と、整流回路66とを備えている。
MUX62は、マイコン80からのコイル選択信号S3に基づきセンスコイル部110を順番に選択する。そして、MUX62は、選択されたセンスコイル部110において、電子ペン2で先端スイッチ42がオンの場合にLC発振回路41から発生される入力周波数f2の磁界との、磁気誘導によって発生した上記信号S1(図2参照)を入力し、対応する信号S11を出力する。
増幅回路64は、MUX62から入力される信号S11を増幅する。増幅回路64で増幅された信号すなわち電子ペン入力検知信号12は、マイコン80に入力される。また、増幅回路64で増幅された別の信号S13は、整流回路66に入力される。整流回路66は、入力した上記信号S13を振幅検波した後、平滑化して直流信号に変換する。なお、整流回路66で振幅検波された信号S14は、マイコン80に入力される。マイコン80は前述したようにA/D変換機能を備えており、上記入力された振幅検波後の信号S14をデジタル信号に変換する。このとき、マイコン80の上記ROM80bに後述の位置座標テーブルが記憶されている。マイコン60は、上記デジタル信号に対し、上記位置座標テーブルを適用することにより、x軸方向のx座標及びy軸方向のy座標を算出する。なお、算出された座標データはフラッシュメモリ72に記憶される。この座標データの算出手法の詳細は、後述する。
周辺回路70は、図2に示すように、フラッシュメモリ72と、通信インターフェース74と、表示手段としての表示部76とを備えている。
フラッシュメモリ72には電子ファイルが予め用意されており、座標検出装置3で検出された座標データは上記電子ファイルに書き込まれ、保存される。通信インターフェース74は、フラッシュメモリ72に保存された複数の座標データを含むペン位置データ列に基づくストロークデータを、パーソナルコンピュータなどの外部装置に提供するためのインターフェースである。具体的には、通信インターフェース74は、例えばUniversal Serial Bus(USB)接続のためのUSBインターフェースや、SDカードなどのメモリカードスロットや、無線又は有線のネットワークインターフェースである。
表示部76は、例えばLiquid Crystal Display(LCD)によって構成され、電池21の残量など、座標検出装置3の動作状態に係わる所定の情報を表示する。表示部76の表示内容の向きは、マイコン80の制御によって変更可能である。この表示内容の向きの制御については後述する。
スイッチ部90は、マイコン80からの制御信号Saにしたがって、電池21を、接近検出回路50、若しくは、位置検出回路60及び周辺回路70に、選択的に接続する。
上記構成の本実施形態の特徴は、使用者による手書き入力装置3に対する筆記方向に応じて、座標検出装置3で検出された上記座標データを180°回転させることにある。すなわち、上述したように、本実施形態の手書き入力装置3では、図1(b)に示すように、シート体10の左端部に制御回路部20及び電池21が設けられている。図1(c)に示すように、これら制御回路部20及び電池21はある程度の大きさと厚みを備えた、ノート30に比べれば硬い部材である。したがって、使用者は、電子ペン2を手に持ってノート30に対して筆記を行う際、自らの手Hや腕(図示せず)が制御回路部20や電池21に接触しないような向きで手書き入力装置3に対面し、筆記を行うのが通常である。
一般に、被筆記体に対して横書きの筆記方向にて筆記を行う場合、図4(a)に示すように、使用者Mは、ノート30の1つの筆記面31の左上の隅から右へ向かって記述を行う(矢印参照)。そして、筆記面31の右端近くまで到達したら、使用者Mは、次の行、すなわち筆記面31の一段下に下がった領域における左端から記述を行う。上記のような筆記態様自体は、使用者Mが右利きであっても左利きであっても同様である。しかしながら、装置が右利き用の向きで使用されている場合は、上述の手Hや腕と接触することを回避するために、図4(a)に示すように、制御回路部20及び電池21が筆記方向DRと逆側に位置するように、シート体10上にノート30が配置される。この場合、左側シート部10L上にノート30の第1筆記面31Lが配置され、右側シート部10R上にノート30の第2筆記面31Rが配置される。
これに対して、装置が左利き用の向きで使用されている場合は、上述の手Hや腕との接触回避のために、図4(b)に示すように制御回路部20及び電池21が筆記方向DLと同じ側に位置するように、シート体10上にノート30が配置される。この場合、左側シート部10L上にノート30の第2筆記面31Rが配置され、右側シート部10R上にノート30の第1筆記面31Lが配置される。
すなわち、図4(a)のように手書き入力装置1が右利き用の向きで使用されるときの筆記方向DRと、図4(b)のように手書き入力装置1が左利き用の向きで使用されるときの筆記方向DLとは、手書き入力装置3の向きに対して互いに逆となる。本実施形態では、このような使用者Mの利き腕の違いに対応した、手書き入力装置3の向きに対する筆記方向DR,DLの違いに応じて、上記座標データを回転させたり回転させなかったりを、切り替える。
この座標データの180°回転切替を実現するために、マイコン80のROM80bに記憶された制御プログラムに基づいてCPU80aで行われる制御処理の内容を、図5により説明する。
図5において、この処理は、使用者が座標検出装置3の電源をオンした場合に開始される。まず、CPU80aは、ステップSS10で、座標検出装置3を待機状態とする。すなわち、CPU80aは、スイッチ部90に制御信号Sa(図2参照)を出力し、スイッチ部90が電池21と接近検出回路50とを接続するとともに、電池21と位置検出回路60及び周辺回路70とを遮断する。これによって、位置検出回路60及び周辺回路70への電力の供給は遮断され、接近検出回路50にだけ電力が供給される。この結果、接近検出回路50は動作状態となり、位置検出回路60及び周辺回路70を休止状態に切り替えられる。なお、待機状態では、例えば後述するステップSS60で開始されるセンスコイル部110のスキャン等の負荷の大きな処理が実行されないので、マイコン80自体もスリープモードに切り替えられる。これらによって省電力が図られる。
その後、ステップSS20に移り、CPU80aは、座標検出装置3へ電子ペン2が接近したかどうかを判定する。前述のように、電子ペン2が接近したら解除信号S24が入力されるので、CPU80aは、接近検出回路508からの解除信号S24が入力されたかどうかによりステップSS20の判定を行う。解除信号S24が入力されていなければ判定が満たされず、ステップSS10へ戻り同様の手順を繰り返す。電子ペン2が座標検出装置3へ接近し解除信号S24が入力されたらステップSS20の判定が満たされ、ステップSS30へ移る。なお、この解除信号S24の入力検知の処理には、割り込み機能が用いられる。
ステップSS30では、座標検出装置3を動作状態とする。すなわち、CPU80aは、スイッチ部90に制御信号Sa(図2参照)を出力し、スイッチ部90が電池21と接近検出回路50とを遮断するとともに、電池21と位置検出回路60及び周辺回路70とを接続する。これによって、接近検出回路50への電力の供給は遮断され、位置検出回路60及び周辺回路70へ電力が供給される。この結果、接近検出回路50の休止状態に切り替えられるとともに、休止状態であった位置検出回路60及び周辺回路70は動作状態に切り替えられる。
そして、ステップSS40において、CPU80aは、各種変数を初期化する。すなわち、電源オフ操作がされたことを表すフラグFと、電子ペン2の座標データの個数を表す変数iと、その座標データにおけるx座標の最大値が更新された回数を表す最大値更新回数up_xmaxと、その座標データにおけるx座標の最小値が更新された回数を表す最小値更新回数min_xmaxとを、それぞれ0に初期化する。その後、ステップSS50へ移る。
ステップSS50では、CPU80aは、使用者Mによりページ送り操作がなされたかどうかを判定する。すなわち、先に図4(a)及び図4(b)を用いて説明したように、使用者Mは、例えばノート30の第1筆記面31Lにおいて左上から右下まで記述が終了した場合、次のページである第2筆記面31Rでの記述を開始する。このことを座標検出装置3が認識できるように、座標検出装置3の適宜の箇所、例えば制御回路部20又は電池21の近傍に、図示しない操作手段が設けられている。上記のように使用者Mが記述を次のページへと移行する場合に、この操作手段を操作することによって対応する操作信号がマイコン80に入力される。この操作信号に基づき、CPU80aは、前述した電子ファイルのページを次のページに切り替えて、データの書き込みを行う。したがって、このステップSS50では、CPU80aは、使用者Mにより上記操作手段の操作がなされたかどうかを判定する。なお、このような使用者の手動操作による電子ファイルのページ切り替えではなく、適宜の自動制御により電子ファイルのページ切り替えがなされる場合には、このステップSS50では、CPU80aが、上記自動制御によるページ切り替えがなされたかどうかを判定すればよい。使用者Mによるページ切り替え操作がなされない間はステップSS50の判定が満たされず、ステップSS55へ移る。
ステップSS55では、CPU80aは、使用者が座標検出装置3の電源をオフしたかどうかを判定する。電源オンのままであった場合にはステップSS55の判定が満たされず、ステップSS60に移る。なお、電源がオフ操作されていた場合にはステップSS50の判定が満たされてステップSS57に移り、CPU80aは上記フラグFを1とする。その後、後述のステップSS150に移る。
ステップSS60では、CPU80aは、コイルシート100L,100Rに備えられたセンスコイル部110のスキャン処理を実行する。具体的には、CPU80aは、センスコイルX1〜XmとセンスコイルY1〜Ynとを順番に選択するコイル選択信号S3を、MUX62に出力する。前述したように、電子ペン2の先端スイッチ42がオンの状態でLC発振回路41から発生された入力周波数f2の磁界と、いずれかのセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの磁気誘導によって、信号S1が発生する。信号S1が発生している状態においてMUX62により選択されたセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynからの上記信号S1は、MUX62へ入力される。MUX62はその入力した信号S1に対応した信号S11を増幅回路64へ出力し、信号S11は、増幅回路64によって増幅され、増幅後の信号S12がマイコン80のカウンタ80dに入力される。このようにしてステップSS60が終了したら、ステップSS70へ移る。
ステップSS70では、CPU80aは、上記ステップSS60でカウンタ80dに対し所定のしきい値以上の入力周波数f2の信号S12が検出されたかを判定する。この入力周波数f2の信号S12は、使用者が電子ペン2を用いて筆記面31に文字などを描き出した場合に先端スイッチ42がオンとなり、LC発振回路41で発生される磁界とセンスコイル部110とで生じた磁気誘導に基づく信号である。カウンタ80dにより上記しきい値以上の入力周波数f2の信号S12が検出されない間はステップSS70の判定が満たされず、ステップSS50に戻り同様の手順を繰り返す。カウンタ80dにより上記しきい値以上の入力周波数f2の信号S12が検出されたらステップSS70の判定が満たされ、ステップSS100に移行する。
ステップSS100では、上記ステップSS60でのスキャン結果に基づく電子ペン2の位置の算出、すなわち座標データの算出を行う。この座標データの算出の詳細を、以下、順を追って説明する。
(A)位置座標テーブル
前述したように、座標データの算出には、マイコン80のROM80bに記憶された位置座標テーブルを用いる。この位置座標テーブルについて、図6(a)〜(c)及び図7(a),(b)を参照して説明する。なお、図6(a)では、図3とは異なりセンスコイルX1〜X3は、実線で示されている。また、図6(a)では、センスコイルX1〜X3の配置を分かり易くするために、センスコイルX1〜X3の各辺が重ならないように図示している。
図6(a)において、3つのセンスコイルX1,X2,X3の中心線をそれぞれC1,C2,C3とする。これらセンスコイルX1,X2,X3にそれぞれ発生する電圧値ex1,ex2,ex3は、図6(b)に示すように、センスコイルX1〜X3の中心C1〜C3においてそれぞれ最大になる。このとき、センスコイルX1〜X3は、自己のヌル点が隣接するセンスコイルの中心の外側となるように、前述したように、x軸方向の幅P1の2分の1の幅で重ねられている。
このとき、図6(c)に示すように、センスコイルX1〜X3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差は、センスコイルX1〜X3の中心C1〜C3上においてそれぞれ最大値となる。また、当該電圧差は、センスコイルX1〜X3の中心と、隣接するセンスコイルX1〜X3が重なった部分との中間点において、それぞれ最小値となる。例えば、図6(c)において、(ex1−ex2)のグラフの右半分つまり実線で示す部分は、センスコイルX1の中心C1から、センスコイルX2が重ねられた部分の中間点Q1までの距離、すなわち重ねピッチの2分の1であるP1の4分の1における、ex1−ex2の挙動を示している。
仮に電子ペン2が中間点Q2に存在したとすると、(ex1−ex2)を検出すれば、中心C1から中間点Q2点までの距離△X1を検出でき、その結果中間点Q2のx座標が求められる。仮にセンスコイルX1〜X3の幅P1が50mmであるとすれば、△X=P1/4=12.5mmである。したがって、例えば、図6(c)における上記(ex1−ex2)の特性を示す実線部分を8bitのデジタルデータに変換すると、図7(a)に示すグラフが得られる。このグラフをテーブル形式に変換することにより、図7(b)に示す位置座標テーブルが得られる。
(B)コイル電圧値を用いた座標決定
前述したように、電子ペン2のLC発振回路41から発生した磁界とセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの磁気誘導によって発生した信号S1は、増幅回路64で増幅され、整流回路66で振幅検波され、信号S14となってマイコン80に入力される。マイコン80は、入力された信号S14を、振幅つまり電圧値に対応したデジタル信号に変換する。CPU80aは、このデジタル信号の表す電圧値を用いて、前述の位置座標テーブルを用いて電子ペン2の座標を決定する。以下、センスコイルX1〜Xmを例にとって上記座標決定の詳細手順を説明する。
まず、CPU80aは、上記信号S14から変換されたデジタル信号によって示される電圧値e1〜emを、センスコイルX1〜Xmのコイル番号と対応付けて、RAM80cの電圧値記憶エリアに順次記憶する。
その後、CPU80aは、センスコイルX1〜Xmのコイル番号に対応付けて、電圧値記憶エリアに記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値emaxを選択する。そして、CPU80aは、電圧値emaxを発生したセンスコイルX1〜Xmのコイル番号XmaxをRAM80cに記憶する。
次に、CPU80aは、電圧値emaxを発生したセンスコイルX1〜Xmの両隣のセンスコイルX1〜Xmの電圧値e1〜emのうちいずれか大きい方を決定する。そして、CPU80aは、決定された電圧値e1〜emを発生したセンスコイルX1〜Xmのコイル番号を、コイル番号Xmax2としてRAM80cに記憶する。例えば、電圧値emaxがセンスコイルX2によって発生されていた場合、CPU80aは、その両隣のセンスコイルX1の電圧値e1及びセンスコイルX3の電圧値e3を比較し、大きい電圧値e1又は電圧値e3を決定する。そして、CPU80aは、決定された電圧値e1を発生したセンスコイルX1のコイル番号又は電圧値e3を発生したセンスコイルX3のコイル番号を、コイル番号Xmax2としてRAM80cに記憶する。
その後、CPU80aは、RAM80cに記憶されたコイル番号max及びコイル番号max2を比較して、コイル番号max2はコイル番号maxからx軸の+方向又は−方向のどちらに存在しているかを判定する。なお、x軸の+方向とは図3のx軸を示す矢印の方向であり、x軸の−方向とはその逆の方向である。判定の結果、コイル番号Xmax2がコイル番号Xmaxに対して+方向である場合、CPU80aは、変数SIDEを1に設定する。一方、コイル番号Xmax2がコイル番号Xmaxに対して−方向である場合、CPU80aは、変数SIDEを−1に設定する。例えば、電圧値emaxがセンスコイルX2で発生され、コイル番号XmaxとしてセンスコイルX2を示すコイル番号がRAM80cに記憶され、センスコイルX3のコイル番号がコイル番号Xmax2として記憶されていた場合、CPU80aは、変数SIDEを1に設定する。一方、電圧値emaxがセンスコイルX2で発生され、コイル番号XmaxとしてセンスコイルX2を示すコイル番号がRAM80cに記憶され、センスコイルX1のコイル番号がコイル番号Xmax2として記憶されていた場合、CPU80aは、変数SIDEを−1に設定する。
そして、変数SIDEを設定したCPU80aは、下記(式1)により、変数DIFFを算出する。
DIFF=e(max)−e(max2)・・・(式1)
CPU80aは、算出されたDIFFに最も近い位置座標を、ROM80bに予め記憶されている前述の位置座標テーブル(図7(b)参照)から読み出す。そして、CPU80aは、位置座標テーブルから読み出した位置座標を、変数OFFSETとする。
その後、CPU80aは、上記のようにして算出された変数SIDE及び変数OFFSETを用いて、下記(式2)により、電子ペン2のx軸方向の位置を示すx座標を求める。
X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE・・・(式2)
ここで、(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のx座標を示す。
なお、以上はx軸方向のセンスコイルX1〜Xmでの磁気誘導に基づく信号S14に基づく電子ペン2のx座標の算出を例に説明した。電子ペン2のy座標についても、センスコイルY1〜Ynでの磁気誘導に基づく信号S14により、同様の手法により算出される。
以上説明したように、ステップSS100では、上記(A)(B)の手法により電子ペン2の座標データ(xi,yi)が算出される。上記ステップSS60及びステップSS100の手順が、各請求項記載の位置取得手段として機能するとともに、第1検出手段としても機能する。このようにしてステップSS100が終了した後、ステップSS110に移る。
ステップSS110では、CPU80aは、上記ステップSS110で算出した電子ペン2の座標データ(xi,yi)を用いてペン位置データ列Dを生成する。座標データの個数を表す変数iが0である場合、すなわち最初のデータである場合には、ステップSS110で算出した座標データ(xi,yi)をペン位置データ列Dの最初のデータとする。iが0でない場合には、CPU80aは、既に生成されているペン位置データ列Dの最後に、ステップSS110で算出した座標データ(xi,yi)を追加する。なお、このようにして生成したペン位置データ列Dは、RAM80cに一時的に保存される。
その後、ステップSS120に移り、CPU80aは、iが0であるかどうかを判定する。ステップSS110で算出した座標データ(xi,yi)が最初のデータである場合、すなわち(x0,y0)である場合、i=0であることからステップSS120の判定が満たされ、ステップSS125へ移る。
ステップSS125では、上記座標データ(x0,y0)が最初に取得されたデータであることに対応し、CPU80aは、x座標の最大値xmaxを上記座標データのxiすなわちx0とするとともに、x座標の最小値minも上記座標データのxiすなわちx0とする。その後、ステップSS130に移る。
ステップSS130では、CPU80aは、iの値を1つ増大させる。i=0である場合、i=1となる。その後、ステップSS135へ移る。
ステップSS135では、CPU80aは、iの値が、所定のサンプリング数nに達したかどうかを判定する。nは例えば数百程度とすればよい。i=1であるからステップSS135の判定が満たされず、ステップSS50に戻る。
その後、i=1となった状態で、CPU80aは、上述と同様のステップSS50、ステップSS60、ステップSS70、ステップSS100を実行した後、ステップSS110で電子ペン2の2番目の座標データ(x1,y1)を取得する。
そして、i=1であるからステップSS120の判定が満たされず、ステップSS121へ移る。
ステップSS121では、CPU80aは、直前のステップSS110で取得したi番目の座標データ(xi,yi)のx座標の値xiが、この時点でのxmaxよりも大きいかどうかを判定する。xi>xmaxであればステップSS121の判定が満たされ、ステップSS122に移ってCPU80aは当該xiの値でxmaxを更新する。その後、ステップSS123においてCPU80aは最大値更新回数を表す上記up_xmaxをインクリメントし、ステップSS130へ移る。
一方、ステップSS121においてxi≦xmaxであればステップSS121の判定が満たされず、ステップSS124へ移る。ステップSS124では、直前のステップSS110で取得したi番目の座標データ(xi,yi)のx座標の値xiが、この時点でのxminよりも小さいかどうかを判定する。xi<xminであればステップSS124の判定が満たされ、ステップSS126に移ってCPU80aは当該xiの値でxminを更新する。その後、ステップSS127においてCPU80aは最小値更新回数を表す上記up_xminをインクリメントし、ステップSS130へ移る。なお、上記ステップSS122及びステップSS126の手順が、各請求項記載の第3記憶手段として機能する。
また、ステップSS124においてxi≧xminであればステップSS124の判定が満たされず、直接ステップSS130へ移る。
ところで、上記ステップSS121、ステップSS122、ステップSS123、ステップSS124、ステップSS126、及びステップSS127の手順は、所定の周期で順次取得される座標データ(xi,yi)のx方向への移動挙動に応じて、使用者Mによる筆記方向を検出する機能を実現している。すなわち、図4(a)を用いて前述したように、手書き入力装置1が右利き用の向きで使用される場合、第1筆記面31Lにおいて筆記方向DRへと記述が行われていく。そして、第1筆記面31Lの右端近くまで到達したら、使用者Mは、次の行、すなわち一段下に下がった領域における左端から再び筆記方向DRへ記述を行う。この場合、同一行において右へ向かって記述が行われているときには、後に記述された文字ほど、上記のようにして順次取得される座標データ(xi,yi)のx座標xiの値が大きくなる。したがって、この場合には、x座標の最大値xmaxが頻繁に更新される。
図8(a)は手書き入力装置1を上記のような右利き用の向きで使用する右利きの使用者Mが文字「あ」「い」「う」「え」「お」・・と順次記述を行っている様子を表している。この例では、文字「あ」の記述中に、点a、点b、点c、点d、点eでそれぞれ座標データ(xi,yi)が取得されている。図8(b)に示すように、点aは最初の点であるので、そのx座標の値xaがxmax、xminにセットされる。書き順に沿った次の点bは直前の点aよりも右側にあることからxb>xaであり、これによってxmaxがxaからxbに更新される。次の点cは直前の点bよりも左側にあるためxc<xbであり、このためxmaxはxbからxcには更新されず、xbのままとなる。また点cは最初の点aよりも右側にあってxc>xaであり、このためxminもxaからxcには更新されず、xaのままとなる。その後、同様に、点dでは最初の点aよりも左側にあってxd<xaであり、このためxminがxaからxdには更新される。点eではそれ以前の点a、点b、点c、点dのxa,xb,xc,xdよりも大きい値のxeとなることからxmaxが上記xbからxeに更新される。以上の結果、文字「あ」の記述においては、xmaxが2回更新され、xminが1回更新されたこととなる。
その後、図8(c)に示すように、文字「い」の記述においては、上記同様、点fでxmaxが上記xeからxfに更新され、点gでxmaxが上記xfからxgに更新される。したがって文字「い」の記述においては、xmaxがさらに2回更新される。これにより、文字「あ」「い」の記述においてxmaxは合計4回更新され、xminは合計1回更新されたこととなる。
上記同様にして、図8(d)に示すように、文字「う」「え」「お」の記述においては、点h、点j、点k、点m、点n、点p、点qにおいてxmaxが7回更新され、xminは1回も更新されない。これにより、文字「あ」「い」「う」「え」「お」の記述においてxmaxは合計11回更新され、xminは合計1回のみ更新されたこととなる。
図8(e)は、文字「あ」「い」「う」「え」「お」の次の行の記述を、文字「か」から始めた様子を表している。「か」の時における点rのxrは、点dのxdよりも小さいことからxminが前述のxdからxrに更新される。点s、点tについてはxr<xs,xt<xqであり、xminもxmaxも更新されない。これにより、文字「あ」「い」「う」「え」「お」「か」の記述においてxmaxは合計11回更新され、xminは合計2回更新されたこととなる。
以上のように、手書き入力装置1を右利き用の向きで使用する使用者Mが図4(a)に示すような横書きで筆記を行う場合には、取得される座標データ(xi,yi)のx座標xiに関し、最大値xmaxが更新される頻度が、最小値xminが更新される頻度よりも大きい傾向となる。一方、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用する使用者Mが横書きで筆記を行う場合は、上述した図4(b)に示すように、座標検出装置3に対し図4(a)とは逆向きに対面する状態となる。この結果、図8(a)の場合とは逆の、取得される座標データ(xi,yi)のx座標xiに関し、最小値xminが更新される頻度が、最大値xmaxが更新される頻度よりも大きい傾向となる。
なお、後述の(3)の変形例において説明するように、上記のx座標の更新の挙動と類似の挙動が、y座標の更新においても示される。例えば上記図8(b)に示した状態におけるy座標の挙動は、図8(f)に示されるように、点aは最初の点であるので、そのy座標の値yaがymax、yminにセットされる。次の点bは直前の点aよりも上側にあることからyminがyaからybに更新される。次の点cは点bよりも上側にあるためyminがybからycに更新される。その後、点dは最初の点aよりも下側にあってymaxがyaからydには更新される。点eではymaxもyminも更新されない。以上の結果、文字「あ」の記述においては、yminが2回更新され、ymaxが1回更新されたこととなる。後述の(3)の変形例では、このようなymax,yminの更新頻度に基づき、筆記方向の判定を行うことができる(詳細は後述)。
本実施形態では、上記のようなxmaxとxminの挙動の差に応じて、図5のステップSS123及びステップSS127でxmax及びxminそれぞれの更新回数がカウントされる。これらxmax及びxminの更新回数を用いた筆記方向の判定については、ステップSS140において後述する。ステップSS123及びステップSS127が終了すると、ステップSS130へ移る。
以上のようにして、iがnに到達しない間は、ステップSS50、ステップSS60、・・、ステップSS110、ステップSS120〜ステップSS130、ステップSS135が繰り返される。これにより、取得された座標(xi,yi)のx座標xiのxmaxが更新されるたびにステップSS123でup_xmaxがインクリメントされ、x座標xiのxminが更新されるたびにステップSS127でup_xminがインクリメントされる。そして、iがnに到達したら、ステップSS135の判定が満たされ、ステップSS140に移る。
ステップSS140では、CPU80aは、上記繰り返しの間に行われたxmax及びxminのインクリメント結果に基づき、xiの更新回数up_maxがxminの更新回数up_xminよりも大きいかどうかを判定する。up_xmax>up_minである場合はステップSS140の判定が満たされる。前述したようにこの場合は、ステップSS141に移る。ステップSS141では、CPU80aは、電子ペン2の筆記方向が、手書き入力装置1を右利き用の向きで使用する場合に対応した筆記方向DR(図4(a)参照)であるとみなす。言い換えれば、上記ステップSS140では、電子ペン2の筆記方向が、所定の方向としての上記筆記方向DRと一致するかどうかを判定しているのである。そして、ステップSS141では、CPU80aは、筆記方向を表す変数directionを、当該筆記方向DRに対応した0とする。この変数directionの値0は、このときまでにステップSS110で生成されたn個の座標データ(xi,yi)に関連づけられる。その後、ステップSS142に移り、CPU80aは、表示部76での前述の所定の情報の表示方向を、特に回転させない通常通りの表示方向とする。その後、ステップSS40へ戻り、前述のi、up_max、up_minの初期化を行った後、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップSS140において、up_xmax≦up_minである場合はステップSS140の判定が満たされない。前述したようにこの場合は、ステップSS146に移る。ステップSS146では、CPU80aは、電子ペン2の筆記方向が、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用する使用者Mに対応した筆記方向DL(図4(b)参照)であるとみなす。そして、CPU80aは、筆記方向を表す変数directionを、当該筆記方向DLに対応した1とする。この変数directionの値1は、このときまでにステップSS110で生成されたn個の座標データ(xi,yi)に関連づけられる。そして、ステップSS147に移り、CPU80aは、表示部76での前述の所定の情報の表示方向を、180°回転させた上下逆の表示方向とする。その後、ステップSS540へ戻り、前述のi、up_max、up_minの初期化を行った後、同様の手順を繰り返す。なお、上記ステップSS140、ステップSS141、及びステップSS146が、各請求項記載の判定手段として機能する。
以上のようにして、iがn個に達したデータn個ごとに、上記up_xmaxとup_minとの大小関係に応じて判定された筆記方向の変数directionが0又は1が対応付けられつつ、ステップSS40〜ステップSS142又はステップSS147が繰り返される。この繰り返しの間に、使用者Mにより前述のページ送り操作があった場合、ステップSS50の判定が満たされ、ステップSS150に移る。
ステップSS150では、CPU80aは、上記変数directionが0であるかどうかを判定する。directionが0であった場合は判定が満たされ、直接ステップSS154に移る。ステップSS154では、筆記方向が、前述の手書き入力装置1を右利き用の向きで使用する場合に対応した筆記方向DRであることに対応し、CPU80aは生成された上記ペン位置データ列Dを、特に回転させることなくそのままフラッシュメモリ72に保存する。なお、上記ステップSS154の手順が、各請求項記載の第2記憶手段として機能する。
このように、連続的な複数の座標データ(xi,yi)からなるペン位置データ列Dを保存することにより、結果的に、当該ペン位置データ列Dに基づくストロークデータを上記電子ファイルに保存することができる。
一方、ステップSS150において、上記変数directionが1であった場合、判定が満たされず、ステップSS152に移る。ステップSS152では、筆記方向が、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用する場合に対応した筆記方向DLであることに対応し、CPU80aは、生成された上記ペン位置データ列Dを電子ファイル上の各ページの中心点Pに対して180°回転させる。なお、上記ステップSS150及びステップSS152の手順が、各請求項記載の制御手段として機能する。その後、ステップSS154に移り、CPU80aは、上記ステップSS152で回転したペン位置データ列Dをフラッシュメモリ72に保存する。これにより、上記同様、当該回転したペン位置データ列Dに基づくストロークデータを上記電子ファイルに保存することができる。
上記ステップSS154においてフラッシュメモリ72の電子ファイルに保存されたストロークデータは、通信インターフェース74を介してパーソナルコンピュータなどの外部装置に提供される。そして、当該外部装置によって、使用者Mが筆記した上記文字列等として表示し、利用することができる。ステップSS154が終了したら、ステップSS156へ移る。
ステップSS156では、CPU80aは、RAM80cに保存されているペン位置データ列Dの内容をクリアする。その後、ステップSS157へ移る。
ステップSS157では、CPU80aは、電源オフを表す上記フラグFが1であるかどうかを判定する。電源がオフされておらずF=0のままである場合には、ステップSS60に移り、同様の手順を繰り返す。先のステップSS55で電源がオフ操作されており、ステップSS57でFが1となっていた場合には、ステップSS157の判定が満たされ、CPU80aはこのフローを終了する。これにより、ページ送り操作がなされていない場合でも、使用者が電源をオフ操作した場合にはステップSS150〜ステップSS156が実行されて、フラッシュメモリ72へのストロークデータの保存及びペン位置データ列Dのクリアが行われる。なお、ステップSS55において、電源オフ操作の有無の判定に代えて、適宜の手法によりノート30やシート体10が閉じられたかどうかをCPU80aが判定するようにしてもよい。あるいは、予め定められた所定の時間が経過したかどうかをCPU80aが判定するようにしてもよい。この場合は、使用者が座標検出装置3を閉じ操作した場合や、電子ペン2がシート体10から遠ざけられ十分な強度の電子ペン2の座標データが得られない状態が長時間続いた場合に、上記同様に自動的にストロークデータの保存及びペン位置データ列Dのクリアが行われる。これらの場合は、使用者が電子ペン筆記を終了又は一時的に中断しようとした場合に、いちいち電源をオフする必要がないので、操作負担を軽減できる。
以上説明したように、本実施形態においては、図5のステップSS140、ステップSS141、及びステップSS146において、電子ペン2により座標検出装置3に入力される入力情報の筆記方向が判定される。具体的には、座標データ(xi,yi)のx座標の最小値minや最大値maxの更新頻度により、座標検出装置3の向きに対する筆記方向が筆記方向DR,DLのいずれであるかが判定される。そして、その判定結果に応じて、ステップSS152での座標データ(xi,yi)を180°回転させるか、回転させないか、が切り替えられる。これにより、使用者Mによる手書き入力装置1への対面状態に対応した、手書き入力装置1が右利き用の向きで使用されているか、左利き用の向きに使用されているかに合致した態様で、ペン位置データ列Dを処理することができる。この結果、上記対面状態を考慮せずにペン位置データ列Dを処理した場合に生じうる、使用者Mが筆記した文字列等が不適正な方向、例えば上下逆になった状態のまま誤表示される等の不都合を防止することができる。したがって、使用者Mは、手書き入力装置1に対する筆記方向DR,DLを特に意識することなく筆記を行い、入力を行うことができるので、使用者の利便性を向上することができる。また、この結果、使用者Mは、図4(a)及び図4(b)に示すように、自分の利き手が左右どちらであっても、制御回路部20や電池21が筆記時に邪魔にならないように利き手に合わせ適宜座標検出装置3を180度回転させて使用することができ、座標検出装置3が筆記の妨げになるのを確実に防止できる。
また、本実施形態では特に、図5のステップSS50により、ノート30の筆記面31L,31Rの1ページごとに、回転を行うか行わないかを切り替える。これにより、複数のページ又は全ページのデータを一度に処理する場合と異なり、あるページと次のページとで筆記方向が異なる場合、すなわち、筆記方向が互いに異なるページがノート30中に混在する場合であっても、各ページごとに入力情報を正しい向きで処理できるという効果もある。
また、本実施形態では特に、手書き入力装置1が右利き用の向きで使用されているか、左利き用の向きに使用されているかによって使用者Mの座標検出装置3に対する対面状態が異なるのに対応し、ステップSS147において、表示部76での表示内容を、使用者Mにとって見やすいように180度回転させる。この結果、表示部76の表示内容の視認性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、シート体10に設けたセンスコイル部110が電磁波を電子ペン2と送受する非接触方式によって、電子ペン2の位置情報を取得する。これにより、例えば赤外線センサや超音波センサ等を用いて電子ペン2の位置情報を取得する場合のように、左右見開き形状のノート30のページごとにセンサ(図示せず)を設置する必要がない。また、上記センサを用いる場合のように、左右見開き形状のノート30のページをめくるのが困難になることがない。
また、本実施形態では薄型のシート状のコイルシート100L,100Rを実装して位置検出を行い、このコイルシート100L,100Rを、ノート30と同様の左右見開き形状の可撓性部材からなるシート体10に設けている。これにより、ノート30に設置したときに可撓性や柔軟性を妨げることがない。さらに、各種信号処理等を行う制御回路部20を、シート体10の中間シート部10Mを避けて設置する。これにより、左右見開き形状のシート体10のほぼ全面にわたってセンスコイル部110を配置することができ(図3参照)検出空白部がなくなり、全面で均一に電子ペン2による筆記動作を検出することができる。また、具体的には、前述の図1(c)に示すように、制御回路部20は電池21とともにシート体10の左端部に設けられる。これにより、制御回路部20がノート30の背表紙部分に位置する場合(図示せず)と異なり、ノート30を机DEの上で開くとき(図9(a)参照)や、ノート30を背中合わせにして使用するとき(図9(b)参照)にも、制御回路部20が邪魔にならない。またシート体10内に重なるように制御回路部20を設ける場合(図示せず)のように、ノート30の柔軟性を妨げることもない。これらの結果、使用者Mにとっての使いやすさを向上することができる。
さらに、座標検出装置3は、ノート30に設けられることから、使用者Mが持ち運ぶことを前提としている。このため、例えば座標検出装置3を設けたノート30を閉じて使用者Mが持ち運び中に、使用者Mが誤って落とした場合についても想定する必要がある。もし仮に中間シート部10Mに制御回路部20が設けられていた場合(図示せず)、落下時に中間シート部10Mが床面Gに着地する際に大きな衝撃が制御回路部20に加わるおそれがある。これに対し、本実施形態では、図10(a)に示すように、最も大きな衝撃が加わる中間シート部10M以外に制御回路部20が設けられている。これにより、図10(b)のように閉じた状態で持ち歩いた使用者Mが図10(c)に示すように誤って床面Gに落としたとしても、制御回路部20の破損や損傷を抑制することができる。また、本実施形態では特に制御回路部20がシート体10の左側シート体10Lの左端部に寄せて配置される。これにより、図10(b)に示すノート30を閉じた状態において制御回路部20がノート30の端部に位置し、ノート30の柔軟性を確実に妨げないようにすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)筆記開始位置及び現在筆記位置を用いた筆記方向の判定を行う場合
すなわち、上記ステップSS140、ステップSS141、及びステップSS146における前述の標の最小値minや最大値maxを用いた手法に代え、他の手法も考えられる。例えば、筆記開始位置の座標データ(xo,yo)を適宜のステップで記憶しておき(第4記憶手段としての機能)、現在の座標データ(xi,yi)と当該筆記開始位置(xo,yo)との比較によって筆記方向が筆記方向DR,DLのいずれであるかが判定してもよい(判定手段としての機能)。この場合も同様の効果を得る。
(2)座標検出装置に接続された端末において処理を行う場合
上記実施形態においては、電子ペン2の座標データ(xi,yi)の検出に加え、その検出された座標データ(xi,yi)に基づく筆記方向DR,DLの判定と判定結果に基づく回転の有無の切り替えが、座標検出装置3により行われた。しかしながら、これに限られず、上記筆記方向の判定と上記回転の有無の切り替えを、座標検出装置3に接続された前述の外部装置により行うようにしてもよい。
本変形例に示す手書き入力システムSYを前述の図2を用いて説明する。図2に示すように、手書き入力システムSYでは、周辺回路70に備えられた通信インターフェース74に対し、上記外部装置としての処理端末200が接続されている。この処理端末200は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されている。処理端末200は、記憶装置201と、通信インターフェース202と、表示部203と、CPU204と、操作部205と、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)等を有する。
記憶装置201は、例えばハードディスク等を備えた適宜の大容量記憶装置である。通信インターフェース202は、上記通信インターフェース74に対し、情報送受信可能に接続される。表示部203は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、使用者に対し適宜の表示を行う。CPU204は、上記RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMや記憶装置201に予め記憶された制御プログラムを実行する。これにより、CPU204は、処理端末200全体の制御を行う。なお、上記以外の構成は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例の座標検出装置3のCPU80aで実行される制御内容を図11により説明する。本変形例でのCPU80aの制御手順は、図5を用いて説明した上記実施形態でのCPU80aの制御手順に比べて簡素化される。図11に示すように、図5のフローに示されたステップSS120〜ステップSS147が省略され、またステップSS150及びステップSS152が省略されている。また、図5のステップSS40に代えてステップSS40′が設けられている。
すなわち、図11において、図5と同様のステップSS10、ステップSS20、ステップSS30を経て位置検出回路60及び周辺回路70に給電が行われた後は、ステップSS40′に移る。ステップSS40′では、CPU80aは、電源オフ状態を表すフラグを0に初期化する。その後、図5と同様のステップSS50、ステップSS55、ステップSS60、ステップSS70を経て、ステップSS100に移る。CPU80aは、ステップSS100で、上記実施形態と同様の電子ペン2の座標データ(xi,yi)の算出処理を行った後、ステップSS110で、上記実施形態と同様のペン位置データ列Dの生成を行う。ステップSS110が終了したら、上記ステップSS40′に戻り、同様の手順を繰り返す。
また、使用者Mによりページ送り操作が行われ上記ステップSS50の判定が満たされた場合には、図5と同様のステップSS154に移る。使用者Mの電源オフ操作によりステップSS55からステップSS57に移行してフラグFが1にされた場合も、同様にステップSS154に移る。ステップSS154では、CPU80aは、上記実施形態と同様、ステップSS110で生成されたペン位置データ列Dをフラッシュメモリ72に保存する。その後、ステップSS156及びステップSS157は図5と同様であり、説明を省略する。以上により、電子ペン2の座標データ(xi,yi)によりペン位置データ列Dが生成され、使用者によりページ送り操作がされるか電源オフ操作がされたときにペン位置データ列Dがフラッシュメモリ72に保存される処理が、実行される。
なお、本変形例においては、図11の上記ステップSS60及びステップSS100の手順が、各請求項記載の位置取得手段として機能するとともに、第1検出手段としても機能する。
本変形例の処理端末200のCPU204で実行される制御内容を図12(a)により説明する。図12(a)において、CPU204は、まず、ステップSS200で、上記図11のステップSS154でフラッシュメモリ72に保存されたペン位置データ列Dのうち1ページ分のデータを、通信インターフェース74及び通信インターフェース202を介し取得する。
その後、ステップSS210に移り、CPU204は、ステップSS200で取得した1ページ分のペン位置データ列Dに対する、表示方向判定処理を実行する(詳細は後述)。
そして、ステップSS260において、CPU204は、表示部203に表示制御信号を出力する。これにより、表示部203は、使用者Mが座標検出装置3において電子ペン2を用いて筆記した文字列等を、上記ステップSS210の表示方向判定処理により設定された表示方法により表示する。ステップSS260が完了すると、このフローが終了する。
上記ステップSS210の表示方向判定処理の詳細内容を図12(b)により説明する。図12(b)において、ステップSS220は、上記実施形態の図5において座標検出装置3のCPU80aが実行するステップSS120と同等の処理である。以下同様に、ステップSS225はステップSS125と同等の処理であり、ステップSS221はステップSS121と同等の処理であり、ステップSS222はステップSS122と同等の処理であり、ステップSS223はステップSS123と同等の処理であり、ステップSS224はステップSS124と同等の処理である。また、ステップSS226はステップSS126と同等の処理であり、ステップSS227はステップSS127と同等の処理であり、ステップSS230はステップSS130と同等の処理であり、ステップSS235はステップSS135と同等の処理であり、ステップSS240はステップSS140と同等の処理であり、ステップSS241はステップSS141と同等の処理である。また、ステップSS246はステップSS146と同等の処理であり、ステップSS250はステップSS150と同等の処理である。
まずステップSS215において、処理端末200のCPU204は、iを0に初期化する。その後、ステップSS220において、処理端末200のCPU204は、図5のステップSS120と同様に、iが0であるかどうかを判定する。すなわち、上記ステップSS200で取得された1ページ分のペン位置データ列Dに含まれる座標データ(xi,yi)を、i=0の最初のデータから順番に読み出して処理を行う。読み出した座標データ(xi,yi)が最初のデータである場合、すなわち(x0,y0)である場合、ステップSS220の判定が満たされ、上記ステップSS125と同等のステップSS225へ移る。
ステップSS225では、上記座標データ(x0,y0)が最初に取得されたデータであることに対応し、CPU204は、x座標の最大値xmaxをx0とするとともに、x座標の最小値minもx0とする。その後、ステップSS230に移る。
ステップSS230では、上記ステップSS130と同様、CPU204は、iの値を1つ増大させる。この場合、i=1となる。その後、ステップSS235へ移る。
ステップSS235では、上記ステップSS135と同様、CPU204は、iの値が、所定のサンプリング数n(例えば数百程度)に達したかどうかを判定する。上記の場合はi=1であり全座標データ(xi,yi)の処理はまだ終了していないので、ステップSS235の判定が満たされず、ステップSS220へ戻る。
その後、i=1となった状態、すなわち電子ペン2の2番目の座標データ(x1,y1)について、CPU204はステップSS220を実行する。i=1であるからステップSS220の判定は満たされず、上記ステップSS121と同等のステップSS221へ移る。
ステップSS221では、CPU204は、現在処理しているi番目の座標データ(xi,yi)のx座標の値xiが、この時点でのxmaxよりも大きいかどうかを判定する。xi>xmaxであればステップSS221の判定が満たされ、上記ステップSS122と同等のステップSS222に移ってCPU204は当該xiの値でxmaxを更新する。その後、上記ステップSS123と同等のステップSS223においてCPU204は最大値更新回数を表す上記up_xmaxをインクリメントし、上記ステップSS230へ移る。
一方、ステップSS221においてxi≦xmaxであればステップSS221の判定が満たされず、上記ステップSS124と同等のステップSS224へ移る。ステップSS224では、現在処理しているi番目の座標データ(xi,yi)のx座標の値xiが、この時点でのxminよりも小さいかどうかを判定する。xi<xminであればステップSS224の判定が満たされ、上記ステップSS126と同等のステップSS226に移ってCPU204は当該xiの値でxminを更新する。その後、上記ステップSS127と同等のステップSS227においてCPU204は最小値更新回数を表す上記up_xminをインクリメントし、上記ステップSS230へ移る。
また、ステップSS224においてxi≧xminであればステップSS224の判定が満たされず、直接ステップSS230へ移る。
上記ステップSS221、ステップSS222、ステップSS223、ステップSS224、ステップSS226、及びステップSS227の手順は、図5のステップSS121、ステップSS122、ステップSS123、ステップSS124、ステップSS126、及びステップSS127の手順と同様、所定の周期で座標検出装置3で順次取得された座標データ(xi,yi)のx方向への移動挙動に応じて、前述の筆記方向DR,DLを検出する機能を実現している。そして、ページ内の全座標データ(xi,yi)についての処理が終了しない間は、ステップSS220〜ステップSS230、ステップSS235が繰り返される。これにより、順次処理対象となる座標(xi,yi)のx座標xiのxmaxが更新されるたびにステップSS223でup_xmaxがインクリメントされ、x座標xiのxminが更新されるたびにステップSS227でup_xminがインクリメントされる。そして、ページ内の全座標データ(xi,yi)が終了したら、ステップSS235の判定が満たされ、上記ステップSS140と同等のステップSS240に移る。
ステップSS240では、CPU204は、上記ステップSS140と同様、上記繰り返しの間に行われたxmax及びxminのインクリメント結果に基づき、xiの更新回数up_maxがxminの更新回数up_xminよりも大きいかどうかを判定する。up_xmax>up_minである場合はステップSS240の判定が満たされ、上記ステップSS141と同等のステップSS241に移る。ステップSS241では、CPU204は、電子ペン2の筆記方向が、手書き入力装置1を右利き用の向きで使用した場合に対応した筆記方向DRであったとみなす。そして、CPU204は、筆記方向を表す変数directionを、当該方向に対応した0とする。この変数directionの値0は、ステップSS200で取得された1ページ分のペン位置データ列Dに含まれる座標データ(xi,yi)に関連づけられる。
一方、上記ステップSS240において、up_xmax≦up_minである場合はステップSS240の判定が満たされない。この場合は、上記ステップSS146と同等のステップSS246に移る。ステップSS246では、CPU204は、電子ペン2の筆記方向が、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用した場合に対応した筆記方向DLであったとみなす。そして、CPU204は、筆記方向を表す変数directionを、当該方向に対応した1とする。この変数directionの値1は、ステップSS200で取得された1ページ分のペン位置データ列Dに含まれる座標データ(xi,yi)に関連づけられる。なお、上記ステップSS240、ステップSS241、及びステップSS246が、各請求項記載の判定手順を構成するとともに、判定手段として機能する。
上記ステップSS241又はステップSS246が終了したら、上記ステップSS150と同等のステップSS250へ移行する。ステップSS250では、CPU204は、上記変数directionが0であるかどうかを判定する。
directionが1であった場合、判定が満たされず、ステップSS256に移る。ステップSS256では、筆記方向が、前述の手書き入力装置1を左利き用の向きで使用した場合に対応した筆記方向DLであったことに対応し、CPU204は、この後のステップSS260において表示部203が上記1ページ分の上記ペン位置データ列Dを表示する際、ペン位置データ列Dを180°回転した状態で表示するように表示方向を設定する。
一方、ステップSS250において、上記変数directionが0であった場合は判定が満たされ、ステップSS258に移る。ステップSS258では、筆記方向が、前述の手書き入力装置1を右利き用の向きで使用した場合に対応した筆記方向DRであったことに対応し、CPU204は、この後のステップSS260において表示部203が上記1ページ分の上記ペン位置データ列Dを表示する際、ペン位置データ列Dを特に回転させることなくそのまま表示するように表示方向を設定する。
上記ステップSS256及びステップSS258の表示方向の設定にしたがって上記ステップSS260において表示部203が表示を行うことにより、使用者Mが筆記した上記文字列等を、使用者Mが視認しやすい適正な向きで表示することができる。なお、上記ステップSS250及びステップSS256の手順が、各請求項記載の制御手順を構成するとともに、制御手段として機能する。なお、上記のようにステップSS256において180°回転させて表示する設定としたペン位置データ列Dを、筆記データとして例えば記憶装置201に記憶するようにしてもよい。
以上のような本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、上記ステップSS240、ステップSS241、及びステップSS246において、電子ペン2により座標検出装置3に入力される入力情報の筆記方向が判定される。そして、その判定結果に応じて、ステップSS252での座標データ(xi,yi)を180°回転させるか、回転させないか、が切り替えられる。これにより、手書き入力装置1が右利き用の向きで使用されたか、左利き用の向きに使用されたかに合致した態様で、ペン位置データ列Dを処理できるので、使用者Mが筆記した文字列等が不適正な方向で誤表示される等の不都合を防止することができる。したがって、使用者Mは、手書き入力装置1に対する筆記方向DR,DLを特に意識することなく筆記を行い、入力を行うことができるので、使用者の利便性を向上することができる。
(3)y座標の値を用いて筆記方向の判定を行う場合
以上においては、図4(a)及び図4(b)により前述した横書き筆記における挙動に対応し、座標データ(xi,yi)のx座標の最大値xmax及び最小値xminの更新頻度に基づき、筆記方向DR,DLの判定を行った。すなわち、x座標の最大値更新回数up_xmaxがx座標の最小値更新回数min_xmaxより大きかった場合には座標データの回転を行わず、x座標の最大値更新回数up_xmaxがx座標の最小値更新回数min_xmax以下であった場合には座標データの回転を行った。しかしながら、上記横書き筆記においては、記述が長く続いて改行により段数が増えるにしたがってy座標が大きくなっていくことから、y座標の最大値ymax及び最小値yminの更新頻度に基づき筆記方向DR,DLの判定を行うようにしてもよい。
そのような変形例において座標検出装置3のマイコン80のCPU80aで行われる制御処理は、図5に示すフローのステップSS40、ステップSS125、ステップSS121、ステップSS122、ステップSS123、ステップSS124、ステップSS126、ステップSS127、及びステップSS140の処理内容が変更される。すなわち、これらのステップにおいて、x座標に係わる各変数xi、xmax、xmin、up_xmax、up_xminについて行った各処理内容を、y座標に係わる各変数yi、ymax、ymin、up_ymax、up_yminに対し実行すれば足りる。すなわち、この変形例での処理内容は、処理対象が異なる点を除けば実質的に上記実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
本変形例においては、x座標に代えてy座標を処理対象としつつ上記実施形態と同様の処理を行うことで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記(2)の変形例に対しても、上記のx座標に代えてy座標を用いる手法を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
(4)ペンホルダを設ける場合
すなわち、電子ペン2は、座標検出装置3の専用ペンとなる。したがって、シート体10と電子ペン2との関連づけを確保するために、電子ペン2を装着し収納可能なペンホルダ(図示せず)を設けることが好ましい。この場合、ペンホルダを、図示のように制御回路部20及び電池21のさらに外方つまり端部側に設けることで、ノート30やシート体10の柔軟性を妨げないようにすることができる。
(5)ペンホルダを利用して筆記方向を判定する場合
上記(4)をさらに拡張し、ペンホルダに対し装着される電子ペン2の向きを検出し、検出された電子ペン2の向きがどちら向きかによって、手書き入力装置1の向きに対する筆記方向を判定するようにしてもよい。
すなわち、例えば図13(a)に示すように、ノート30やシート体10の上下方向に沿ってペンホルダ95を設けた場合、一般に、使用者Mは、電子ペンの先端2aが自分の方向に向くように、電子ペン2をペンホルダ95に収納する場合が多い。したがって、左側に制御回路部20及び電池21が配置され右側にペンホルダ95が配置される場合には、電子ペン2を右側の手Hで持ち、手書き入力装置1を右利き用の向きで使用する使用者Mは、図13(a)に示すように、図13(a)の下向きに先端2aが向くように、電子ペン2をペンホルダ95に収納する。逆に、電子ペン2を左側の手Hで持ち、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用する使用者Mは、図13(b)に示すように、図13(b)の上向きに先端2aが向くように、電子ペン2をペンホルダ95に収納する。
したがって、図示のような、ペン検出センサ96,97を第2検出手段としてペンホルダ95の2箇所に設け、電子ペン2がペンホルダ95に収納されるときのペン検出センサ96,97での検出順序によって、手書き入力装置1が左利き用の向きで使用されているか右利き用の向きで使用されているかを判定することができる。すなわち、ペン検出センサ96が電子ペン2を検出後、ペン検出センサ97が電子ペン2を検出した場合は、図13(a)に示す、手書き入力装置1を右利き用の向きで使用する場合であり、筆記方向DRに沿って筆記が行われるとCPU80aによって判定される。この場合は、前述のペン位置データ列Dの回転は行われない。一方、ペン検出センサ97が電子ペン2を検出後、ペン検出センサ96が電子ペン2を検出した場合は、図13(b)に示す、手書き入力装置1を左利き用の向きで使用する場合であり、筆記方向DLに沿って筆記が行われるとCPU80aによって判定される。この場合は、前述したペン位置データ列Dの回転が行われる。上記のようなCPU80aの判定機能が、各請求項記載の判定手段として機能する。
本変形例によれば、簡易な手法で迅速かつ確実に筆記方向の判定を行うことができる。
(6)通常の横書き以外の記述態様にも配慮した場合
以上においては、ノート30の1つの筆記面31の左上の隅から右へ向かって記述が行われた後、右端近くまで到達したら次の行の左端から記述が行われる、という、通常の横書き筆記の挙動に対応して、座標検出装置3の向きに対する筆記方向DR,DLの判定を行った。すなわち、x,y座標の最大値更新回数up_xmax,up_ymaxが、x,y座標の最小値更新回数up_xmin,up_yminより大きかった場合には座標データの回転を行わず、up_xmax,up_ymaxが、up_xmin,up_ymin以下であった場合には座標データの回転を行った。
しかしながらこれに限られず、上記通常の横書き以外の別の記述態様に対しても筆記方向の判定が可能となるようにしてもよい。例えば、上記の左から右へ書き進む通常の横書きとは逆向きの、右から左へ書き進むアラビア語による記述を対象としてもよい。この場合、x座標に関する判定基準は上記とは逆になり、x座標の最小値更新回数up_xminがx座標の最大値更新回数up_xmaxより大きかった場合には座標データの回転を行わず、up_xminがup_xmax以下であった場合には座標データの回転を行うようにすればよい。なお、y座標に関する判定基準は上記と同様で足り、y座標の最大値更新回数up_ymaxがy座標の最小値更新回数up_yminより大きかった場合には座標データの回転を行わず、up_ymaxがup_ymin以下であった場合には座標データの回転が行われる。
さらに横書き以外の記述態様、例えば日本語などの縦書きについても筆記方向の判定を行うようにしてもよい。日本語の縦書き筆記が行われる場合、ノート30の1つの筆記面31の右上の隅から下へ向かって記述が行われた後、下端近くまで到達したら次の行、すなわち左側に隣接する行の上端から再度下へ向かって記述が行われる挙動となる。この場合、x座標及びy座標に関する判定基準は、上記アラビア語の場合と同様の基準を用いることができる。すなわち、x座標の最小値更新回数up_xminがx座標の最大値更新回数up_xmaxより大きかった場合には座標データの回転を行わず、up_xminがup_xmax以下であった場合には座標データの回転を行う。また、y座標の最大値更新回数up_ymaxがy座標の最小値更新回数up_yminより大きかった場合には座標データの回転を行わず、up_ymaxがup_ymin以下であった場合には座標データの回転が行われる。
さらに、予め設定された上記のような複数種類の言語の種類を表す言語情報と横書き縦書き等の記述態様に応じた筆記方向情報とを、例えば座標検出装置3や処理端末200に設けた適宜の記憶手段(第1記憶手段に相当)が予め記憶していてもよい。この場合、例えば、座標検出装置3の適宜の手段を介し使用者Mが言語情報の検索を行うと、座標検出装置3のマイコン80に備えられたCPU80aが、上記記憶手段より、言語情報と当該言語情報に対応した筆記方向情報とを取得する(取得手段としての機能)。なお、記憶手段は、ネットワークを介した外部サーバ等に設けられていてもよく、この場合は、上記記憶情報及び上記筆記方向情報はネットワークを介し設定ファイルとしてダウンロードされる。以上のようにして取得された言語情報及び筆記方向情報は、例えば適宜の手段(表示部76等)に一覧表示される。当該表示を見た使用者Mが上記言語種類や横書き縦書き等の記述態様を指定すると、座標検出装置3のマイコン80に備えられたCPU80aが、上記x,y座標に関する判定基準を切り替える。例えば、使用者Mが「日本語横書き入力」を指定した場合には、上述した、up_xmax,up_ymaxがup_xmin,up_yminより大きかい場合には座標データの回転を行わず、up_xmax,up_ymaxがup_xmin,up_ymin以下の場合には座標データの回転を行う、という判定基準が採用される。使用者Mが「アラビア語入力」や「日本語縦書き入力」を指定した場合には、上述した、up_xminがup_xmaxより大きい場合には座標データの回転を行わず、up_xminがup_xmax以下の場合には座標データの回転を行うとともに、up_ymaxがy座標の最小値更新回数up_yminより大きい場合には座標データの回転を行わず、up_ymaxがup_ymin以下であった場合には座標データの回転が行われる、という判定基準が採用される。
本変形例によれば、左上隅から右方向かつ上段から下段へと記述していく通常の横書きの場合以外にも、対応可能となる。
(7)その他
以上においては、文字の回転角度が180度である場合を例にとって説明したが、これに限られず、適宜の所定の角度であってもよい。すなわち、上下逆とならなくても、ある程度、ユーザが見やすくなる程度ぶんの角度で回転させるようにしてもよい。
また、以上においては、電子ペン2の筆記方向が所定の方向(前述の例では筆記方向DR)と一致するかどうかを判定した(ステップSS140参照)が、これに限られない。すなわち、当該所定の方向を示す範囲内に、現在の筆記方向が含まれるか否かを判定するようにしても良い。
また、以上においては、電子ペン2が自己電源としての電池43を備え、この電池43の起電力によりLC発振回路4が発生した磁界をコイルシート100L,100Rで検出し、位置検出を行ったが、これに限られない。すなわち、電子ペン側に自己電源を設けず、装置側のコイルからの磁気誘導により電子ペンの共振回路に起電力を誘起して電子ペンのコンデンサに電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を用いて電子ペンが発生した磁界を装置側のコイルで検出し、位置検出を行ってもよい。この場合も同様の効果を得る。
また、以上においては、シート体10に設けたセンスコイル部110が電磁波を電子ペン2と送受する非接触方式によって、電子ペン2の位置情報を取得したが、これに限られない。すなわち、上記以外の方式、例えば、ペンを用いてタブレットシート上にて所望の文字列の筆記動作を行ったときのペンの動きがタブレットシートにより検出される、接触方式によってペンの位置情報を取得してもよい。この場合も、前述したような手法により座標検出装置3の向きに対する筆記方向を判定し入力情報の回転の有無を切り替えることで、上述と同様の効果を得ることができる。
なお、以上において、図2等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図5、図11、図12等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 手書き入力装置
2 電子ペン(入力手段)
10 シート体
10L 左側シート部
10M 中間シート部(折り曲げ部分)
10R 右側シート部
20 制御回路部
30 ノート(被筆記体)
31 筆記面
76 表示部(表示手段)
95 ペンホルダ(ホルダ)
96,97 ペン検出センサ(第2検出手段)
110 センスコイル部
120 接近検出コイル部
200 処理端末
M 使用者
SY 手書き入力システム

Claims (14)

  1. 入力情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力される前記入力情報の筆記動作を検出する第1検出手段と、
    前記第1検出手段による検出結果に基づき、前記入力手段により入力される前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手段と、
    を有することを特徴とする入力装置。
  2. 請求項1に記載の入力装置において、
    前記入力手段は、前記入力情報として、文字を示す文字情報を入力し、
    前記判定手段により前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記制御手段は、前記文字情報を回転させることを特徴とする入力装置。
  3. 請求項2に記載の入力装置において、
    前記判定手段により前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記制御手段は、前記文字情報を180°回転させる
    ことを特徴とする入力装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の入力装置において、
    予め設定された複数種類の言語を示す言語情報と、前記言語情報に対応する筆記方向情報を記憶した第1記憶手段と、
    前記入力装置に入力される文字情報の言語を示す言語情報を取得する取得手段と、
    を有し、
    前記判定手段は、
    前記取得手段により取得された前記言語情報に対応する前記筆記方向情報を用いて、前記筆記方向を判定することを特徴とする入力装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入力装置において、
    前記判定手段は、
    所定の表示部に表示させる前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定し、
    前記制御手段は、
    前記判定手段により、前記所定の表示部に表示させる前記入力情報の前記筆記方向が前記所定の方向と一致すると判定されなかったとき、前記入力情報を回転させる
    ことを特徴とする入力装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の入力装置において、
    前記制御手段により回転した前記入力情報を、当該回転した状態で記憶する第2記憶手段を有する
    ことを特徴とする入力装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の入力装置において、
    前記第1検出手段は、
    前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、
    前記位置取得手段により取得された前記入力情報について、1ページ分に相当する前記入力情報を処理単位として、前記制御手段は、当該処理単位ごとに、前記入力情報を回転させる
    ことを特徴とする入力装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の入力装置において、
    前記第1検出手段は、前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、
    前記位置取得手段により取得される位置情報の、前記筆記方向における最小値及び最大値を記憶する第3記憶手段を設け、
    前記判定手段は、前記第3記憶手段により記憶された前記位置情報の前記最小値及び前記最大値の更新頻度に応じて、前記筆記方向を判定する
    ことを特徴とする入力装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の入力装置において、
    前記第1検出手段は、前記入力手段による前記入力情報として、前記入力手段の位置情報を取得する位置取得手段を備え、
    前記位置取得手段により取得される位置情報の、前記筆記方向における筆記開始位置と現在筆記位置とを記憶する第4記憶手段を設け、
    前記判定手段は、前記第4記憶手段により記憶された前記位置情報の前記筆記開始位置及び前記現在筆記位置から前記筆記方向を判定する
    ことを特徴とする入力装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の入力装置において、
    所定の方向に見開き可能なノート形状の被筆記体を覆い、且つ、可撓性部材により前記所定の方向に見開き可能な形状に構成されたシート体と、
    前記シート体に配置された制御回路部と、
    を有し、
    前記第1検出手段は、
    前記被筆記体への記述に伴う、前記入力手段による前記筆記動作を検出し、
    前記制御回路部は、
    前記シート体のうち、前記見開き形状の中央部の折り曲げ部分以外の部位に設けられている
    ことを特徴とする入力装置。
  11. 請求項10記載の入力装置において、
    前記制御回路部は、
    前記シート体が見開き可能な前記所定の方向における前記見開き形状の一端部又は他端部に設けられている
    ことを特徴とする入力装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の入力装置において、
    前記入力手段を装着可能なホルダと、
    前記ホルダに装着された状態の前記入力手段の向きを検出する第2検出手段と、
    を有し、
    前記判定手段は、
    前記第2検出手段が検出した前記入力手段の向きに基づき前記筆記方向を判定する
    ことを特徴とする入力装置。
  13. 入力情報を入力する入力手段を備える入力装置と、前記入力装置と情報送受信可能に接続される処理端末と、を有する手書き入力システムであって、
    前記入力装置は、
    前記入力手段により入力される前記入力情報の筆記動作を検出する第1検出手段を有し、
    前記処理端末は、
    前記入力手段により入力される前記入力情報の入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手段と
    を有することを特徴とする入力システム。
  14. 入力情報を入力する入力手段を備えた入力装置と情報送受信可能に接続される処理端末のコンピュータに、
    前記入力手段により入力される前記入力情報の、前記入力装置に対する筆記方向が、所定の方向と一致するか否かを判定する判定手順と、
    前記判定手順で、前記筆記方向と前記所定の方向とが一致すると判定されなかったとき、前記入力手段により入力された入力情報を回転させる制御手順と、
    を実行させるための、入力制御プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015230497A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 シャープ株式会社 入力表示装置
WO2022097340A1 (ja) * 2020-11-06 2022-05-12 株式会社ワコム センサ

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