JP2012002747A - ガスセンサ - Google Patents

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泰正 小熊
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聡 石川
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Abstract

【課題】高い応答性を確保しつつ、耐被水性を高めることができるガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガイド体75に隣接して、ガイド体75の先端側に、外側周壁61を板厚方向に貫通する略長方形の水抜き貫通孔77が形成されている。この水抜き貫通孔77は、外側通気孔69と連通して略L字状の開口となっている。水抜き貫通孔77の少なくとも一部は、隣り合うガイド体75のうち、一方のガイド体75Aの接続端75aから一方のガイド体75Aが連結された外側通気孔69を跨いで他方のガイド体75Bの接続端75bまでの領域のうち、他方のガイド体75Bに近い半分の領域であり、且つ外側プロテクタ63の軸線O方向に延びている第1領域S1に設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば排気ガス中に晒される検出素子を被水等から保護するプロテクタを備えたガスセンサに関するものである。
従来より、自動車などの排気ガス中の特定ガス、例えばNOx(窒素酸化物)や酸素などの濃度を検出する検出素子を備えたガスセンサが知られている。
このガスセンサは、検出素子がヒータにより加熱されて用いられることや、自動車の排気管等に取り付けられて高温の排気ガス中に晒されて用いられるため、検出素子が比較的高温になる。その際、排気ガスに含まれる水や排気管に付着した凝縮水等の水分が検出素子に付着(被水)し、検出素子が熱衝撃を受けると、クラックや割れが生ずるおそれがある。
そこで、ガスセンサには、検出素子を覆うプロテクタを装着し、検出素子が被水することを防止している。
この種のプロテクタを備えたガスセンサとしては、内側プロテクタと外側プロテクタとの二重構造のプロテクタを備えるとともに、外側プロテクタの側面に切り曲げ加工をして、外側プロテクタの開口部に連結する接続端が軸線方向に延びるルーバー状の陥没部を設けたものが開示されている(特許文献1参照)。このガスセンサでは、外側プロテクタの開口部から外側プロテクタ内に導入した排気ガスを効果的に上方に流し、内側プロテクタの上方の開口部から検出素子に供給することで、応答性を高めている。
外側プロテクタ内に導入したガスを効果的に上方に流し、内側プロテクタの上方の開口部から検出素子に供給することで、応答性を高めている。
特開2004−109125号公報
しかしながら、前記特許文献1の技術では、効果的に上昇気流を生むため、高い応答性が得られるが、多くの水が飛散する状況下においては、外側プロテクタの開口部を通って外側プロテクタと内側プロテクタとの間に流入した水が、陥没部によって排出が阻害されることがあった。
具体的には、外側プロテクタに設けられた開口部を通って外側プロテクタと内側プロテクタとの間に流入した水が、開口部に隣り合う(排気ガスの流れの方向にある)他の開口部に設けられた陥没部の内面側に水が溜まことになる。その結果、溜まった水が排気ガスと共に、内側プロテクタの内側に侵入し、検出素子に付着するといった問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、高い応答性を確保しつつ、耐被水性を高めることができるガスセンサを提供することを目的とする。
(1)本発明のガスセンサは、請求項1に記載の様に、軸線方向に延び、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部を自身の先端から突出させた状態で、前記検出素子の径方向周囲を取り囲んで保持するハウジングと、前記ハウジングに固定されて前記検出部の周囲を覆うプロテクタと、を備えるとともに、前記プロテクタは、前記検出部の周囲を取り囲む筒状の内側周壁を有する内側プロテクタと、前記内側プロテクタの前記内側周壁とは間隙を設けつつ、前記内側プロテクタの内側周壁の少なくとも一部の外側の周囲を取り囲む筒状の外側周壁を有する外側プロテクタと、を備えたガスセンサにおいて、前記内側プロテクタの内側周壁には、該内側プロテクタ内へのガスの通気を行う内側通気孔を備え、且つ、前記外側プロテクタの外側周壁には、前記内側通気孔より先端側に、ガスを前記間隙内に導入するために内側に延出されたガイド体を付設した外側通気孔を、周方向に沿って複数備えるとともに、前記ガイド体より先端側又は基端側に水抜き貫通孔を備え、前記ガイド体は、前記周方向に対して交差するように延びる接続端が、外側通気孔の周縁の一部に連結しており、更に、前記外側プロテクタを周方向に見たときに、前記水抜き貫通孔の少なくとも一部は、隣り合うガイド体のうち、一方のガイド体の前記接続端から前記一方のガイド体が連結された前記外側通気孔を跨いで他方のガイド体の前記接続端までの領域のうち、前記他方のガイド体に近い半分の特定領域であって、且つ外側プロテクタの軸線方向に延びる特定領域に設けられていることを特徴とする。
本発明では、ガイド体より先端側又は基端側に(外側周壁を貫通するように)水抜き貫通孔が設けられるとともに、この水抜き貫通孔の少なくとも一部を、隣り合うガイド体のうち、一方のガイド体の接続端から一方のガイド体が連結された外側通気孔を跨いで他方のガイド体の接続端までの領域のうち、他方のガイド体に近い半分の特定領域(例えば第1領域)であって、且つ外側プロテクタの軸線方向に延びる特定領域に設けられている。
従って、多くの水が飛散する状況下において、外側プロテクタの外側通気孔を通って外側プロテクタと内側プロテクタとの間に流入した水が、隣り合う他の外側通気孔に設けられたガイド体の内側に付着した場合でも、その水は水抜き貫通孔から外側プロテクタの外側に排出されやすくなる。これにより、後述する実験例からも明らかな様に、外部から流入した水が検出素子に付着することを効果的に防止することができる。
よって、(ガイド体を付設した外側通気孔等による)高い応答性を確保しつつ、(水抜き貫通孔による)高い耐被水性を実現できるという顕著な効果を奏する。
ここで、水抜き貫通孔は、特定領域の範囲内に、その一部でもかかっていればよいが、全体が入っている方が排水性が高いので好適である。
なお、前記接続端とは、外側周壁の周方向において前記ガイド体が内側に曲がり始める点である。また、前記周方向とは、外周に沿った方向(軸線を中心とした場合に、軸線の周りを回る方向)である。
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、前記外側プロテクタを、前記ガイド体を通る軸線方向に垂直な断面にて見たときに、水抜き貫通孔は、前記他方のガイド体の接続端の位置を含むように(例えば他方のガイド体の接続端を跨ぐように)形成することが望ましい。
つまり、後述する実験例に示す様に、このような位置に水抜き貫通孔を形成することにより、一層耐被水性が向上する。
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、ガイド体に隣接するように、ガイド体を付設した内側通気孔と水抜き貫通孔とを一体に形成することが望ましい。
つまり、ガイド体に隣接するように、水抜き貫通孔を設けると、ガイド体の内側に付着した水を速やかに外部に排出できるという利点がある。
(4)本発明では、請求項4に記載の様に、各ガイド体毎に、それぞれ水抜き貫通孔を設けることが好ましい。
つまり、各ガイド体毎に、それぞれ水抜き貫通孔を設けると、各ガイド体に付着した水を、速やかに外部に排出することができるので好適である。
第1実施形態のガスセンサを正面から見た部分断面図である。 ガスセンサのプロテクタを軸方向に破断して示す説明図である。 (a)は外側プロテクタの正面図、(b)は図3(a)のA−A断面を示す断面図、(c)は図3(a)のB−B断面を示す断面図である。 外側プロテクタのガイド体を備えた外側通気孔及び水抜き貫通孔の形状を拡大して示す説明図である。 第2実施形態における外側プロテクタを示す正面図である。 (a)は第3実施形態における外側プロテクタを示す正面図、(b)は第4実施形態における外側プロテクタを示す正面図である。 (a)は被水試験に使用するルーバーの配置等を示す説明図、(b)はルーバーの配置等を示す図3(a)のA−A断面を示す断面図、(c)はルーバーや水抜き貫通孔の寸法を示す説明図である。 被水試験に使用する各試料の外側プロテクタのルーバーや水抜き貫通孔の配置を示す説明図である。 被水試験の実験方法を示す説明図である。
以下、本発明が適用されたガスセンサの実施形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態のガスセンサ1の概略構成について、図1に基づいて説明する。
なお、以下では、ガスセンサ1の軸線O方向を上下方向とし、ガスセンサ内部に保持する検出素子3の検出部5側をガスセンサ1の先端側、先端側の反対側をガスセンサ1の後端側(基端側)として説明する。
図1に示す様に、本実施形態のガスセンサ1は、自動車の排気管(図示せず)に取り付けられ、検出素子3の検出部5が排気管内の排気ガス中に晒されて、排気ガス中の酸素濃度から排気ガスの空燃比を検出する全領域空燃比センサである。
前記検出素子3は、軸線O方向に延びる細幅の板状形状をなし、図示しないが、酸素濃度の検出を行う(例えばジルコニアを主体とする固体電解質からなる)ガス検出体と、そのガス検出体を早期活性化させるために加熱を行うヒータとが互いに貼り合わされ一体化されたものである。また、検出素子3の先端部には、一対の電極(図示せず)を備えた検出部5が配置され、その検出部5は、保護層7で覆われている。
検出素子3の中央よりやや先端側には、有底筒状の金属カップ9が、検出素子3の検出部5を筒底から突出させた状態で配置されている。この金属カップ9内には、セラミックリング11と滑石リング13とが収容されている。そして、金属カップ9と一体となった検出素子3は、その周囲を筒状の主体金具(ハウジング)15に取り囲まれて保持されている。
前記主体金具15は、ガスセンサ1を自動車の排気管に取り付け固定するためのものであり、その外周にねじ部17が形成されている。ねじ部17よりも先端側には、後述するプロテクタ19が係合される先端係合部21が形成されている。
主体金具15内には、滑石リング23が金属カップ9の後端側から装填され、滑石リング23を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ25が主体金具15内に嵌め込まれている。なお、スリーブ25の後端側外周には、加締めパッキン27が配置され、この加締めパッキン27を挟むようにして、主体金具15の後端側が加締めされている。
前記検出素子3は、その後端部が主体金具3の後端よりも後方に突出しており、その後端部には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ29が被せられている。セパレータ29は、検出素子3の後端部に形成された複数の電極パッド31とそれに電気的に接続される複数の接続端子33とを内部に保持すると共に、各接続端33とガスセンサ1の外部に引き出される複数のリード線35との各接続部分を収容して保護している。
また、セパレータ29が嵌められた検出素子3の後端の周囲を囲うように、筒状の外筒37が配設され、この外筒37の先端側は、主体金具15に外嵌されるとともにスポット溶接やレーザ溶接によって主体金具15に固定されている。
更に、外筒37とセパレータ29との間には、セパレータ29を支持する筒状の保持金具39が配設されている。なお、外筒37の後端側の開口には、リード線35が挿通されるフッ素系ゴム製のグロメット41が嵌合されている。
一方、主体金具15に保持された検出素子3の検出部5は、主体金具5の先端係合部21より突出している。この先端係合部21には、検出素子3の検出部5を、排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護するためのプロテクタ19が嵌められ、スポット溶接やレーザ溶接によって固定されている。
b)次に、プロテクタ19について、図2〜図4に基づいて説明する。
図2に示す様に、プロテクタ19は、円盤状の内側先端壁51及び円筒状の内側周壁53を有する有底筒状の内側プロテクタ55と、内側プロテクタ55の内側周壁53の外周面との間に間隙(ガス分離室)57を有した状態で配置された円筒状の外側周壁61を有する筒状の外側プロテクタ63とから構成される2重構造を有する。
このうち、前記内側プロテクタ55は、その外径が主体金具15の先端係合部21よりも小さく形成されており、開口側(後端側)の端部である開口端部65は、先端係合部21の外周に係合するように拡径されている。そして、内側プロテクタ55は、開口端部65の外周を一周してレーザ溶接されることにより、主体金具15の先端係合部21に固定されている。
また、内側周壁53の後端側には、周方向に沿って複数(本実施形態では6個)の内側通気孔67が2列形成されている。この内側通気孔67は、後述する外側プロテクタ63の外側通気孔69を介してガス分離室57に導入される排気ガスのうち、主にガス成分を、内側プロテクタ55の内部、すなわち検出素子3の検出部5が配置されたガス検出室71に導入させるために設けられている。
更に、内側プロテクタ55の内側先端壁51の中央には、ガス検出室71からの排気ガスの排出のために、先端開口部73が形成されている。
一方、外側プロテクタ63は、内側プロテクタ55の外径(例えば8mm)より大きな外径(例えば12mm)を有し、その後端側の基端部76が、内側プロテクタ55の開口端部65の外周に係合され、スポット溶接により内側プロテクタ55に固定されている。
この外側プロテクタ63の先端は、内側プロテクタ55の外周面に当接するように、先端側にゆくほど細径とされており、また、外側周壁61には、内側プロテクタ55の内側通気孔67の形成位置よりも先端側に、外側通気孔69が設けられている。
詳しくは、図3及び図4に一部を拡大して示す様に、外側プロテクタ63の外側周壁61には、排気ガスをガス分離室57に導入するために、内側に向けて延出するルーバー形状のガイド体75A、75B(75と総称する)を付設した外側通気孔69が、円周における45°間隔で複数(具体的には8個)形成されている(図3(b)参照)。
このガイド体75及び外側通気孔69は、軸線方向に長い略長方形であり、ガイド体75は、外側周壁61の外周の接線に対し、内側に向けて略45°に曲げ加工して形成されている。このガイド体75は、排気ガスを内側周壁55の外周面を取り囲む状態で旋回流を生じさせる機能を有し、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い水滴と相対的に軽いガス成分とが分離されることになる。
特に本実施形態では、ガイド体75に隣接して、ガイド体75の先端側(図3(a)下方)に、外側周壁61を板厚方向に貫通する略長方形の水抜き貫通孔77が形成されている。なお、この水抜き貫通孔77は、外側通気孔69の横寸法より大きく、外側通気孔69と連通して略L字状の開口(図4の濃い灰色部分)となっている。
そして、この水抜き貫通孔77の一部は、図3(a)に示す様に、特定領域である第1領域S1(同図の濃い灰色部分)に一部がかかるように設けられている。
この第1領域S1は、外側プロテクタ63を周方向に見たとき、即ち、外側プロテクタ63の外周面を中心軸に対して垂直にみた場合、その周方向において、隣り合うガイド体75のうち、一方のガイド体75Aの接続端75aから一方のガイド体75Aが連結された外側通気孔69を跨いで他方のガイド体75Bの接続端75bまでの領域のうち、他方のガイド体75Bに近い半分の領域であり、且つ外側プロテクタ63の軸線O方向に延びている領域のことを指す。
より具体的には、図3(b)及び図3(c)に示すように、軸線Oを中心として角度の割合を見たときに、一方のガイド体75Aが延出される接続端75aの位置を0%とし、他方のガイド体75Bが延出される接続端75bの位置を100%とした場合に、その50〜100%の範囲内に水抜き貫通孔77の一部が設けられている。
c)次に、プロテクタ19の加工方法について、簡単に説明する。
・内側プロテクタ55を製造する場合には、まず、例えばSUS310S等のステンレス鋼からなる厚さ0.3〜0.6mmの板材に対して、周知の絞り加工を行うことによって、内側先端壁51及び内側周壁53を備えた筒状有底の内側プロテクタ55を作製する。
次に、内側プロテクタ55の内側周壁53に対して、パンチング等により、内側通気孔67を形成する。
次に、内側プロテクタ55の先端内側壁51に対して、パンチング等により、先端開口部73を開ける。
・一方、外側プロテクタ63を製造する場合には、まず、例えばSUS310S等のステンレス鋼からなる厚さ0.3〜0.6mmの板材に対して、周知の絞り加工を行うことによって、外側周壁61を備え先端側がやや絞られた筒状の外側プロテクタ63を作製する。
次に、外側プロテクタ63の外側周壁61に対して、パンチング等により、水抜き貫通孔77を形成する。
次に、外側周壁61を、図3(a)に示すごとく、逆L字状に切り欠いて、即ち、ガイド体75の上端から水抜き貫通孔77の周方向の一端(同図右端)に到るように切り欠いて、その切り欠け片を曲げ加工することにより、ガイド体75を形成する。その際に、同時に外側通気孔69も形成される。
d)この様に、本実施形態では、外側プロテクタ63の外側周壁61に、ガイド体75を付設した外側通気孔69を設けるとともに、ガイド体75に隣接してその先端側に水抜き貫通孔77を備えているので、水が飛散する状況下において、外側プロテクタ63と内側プロテクタ55との間に水が流入し、その水がガイド体75の内側に付着した場合でも、その水は水抜き貫通孔77から外側プロテクタ63の外側に容易に排出される。
これにより、外部から流入した水が検出素子3に付着することを効果的に防止できるので、(ガイド体75を付設した外側通気孔69等による)高い応答性を確保しつつ、(水抜き貫通孔77による)高い耐被水性を実現できるという顕著な効果を奏する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のガスセンサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態では、前記第1実施形態とは外側プロテクタの構成のみが異なるので、外側プロテクタについて説明する。
図5に示す様に、本実施形態のガスセンサに用いられる外側プロテクタ81は、その外側周壁83に、前記第1実施形態と同様に、周方向に沿って8箇所に、同様なガイド体85A、85B(85と総称する)を付設した外側通気孔87を備えている。
また、ガイド体85に隣接して、ガイド体85の基端側(同図上方)に、外側周壁83を板厚方向に貫通する略長方形の水抜き貫通孔89が形成されている。なお、この水抜き貫通孔89は、外側通気孔87と連通して略逆L字状の開口となっている。
そして、この水抜き貫通孔89も、前記第1実施形態と同様に、特定領域である第2領域S2(同図の濃い灰色部分)に一部がかかるように設けられている。この第2領域S2は、隣り合うガイド体85のうち、一方のガイド体85Aの接続端85aから一方のガイド体85Aが連結された外側通気孔87を跨いで他方のガイド体85Bの接続端85bまでの領域のうち、他方のガイド体85Bに近い半分の領域であり、且つ外側プロテクタ81の軸線O方向に延びている領域のことを指す。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のガスセンサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態では、前記第1実施形態とは外側プロテクタの構成のみが異なるので、外側プロテクタについて説明する。
図6(a)に示す様に、本実施形態のガスセンサに用いられる外側プロテクタ91は、その外側周壁93に、前記第1実施形態と同様に、周方向に沿って8箇所に、同様なガイド体95A、95B(95と総称する)を付設した外側通気孔97を備えている。
また、各ガイド体95より先端側には、ガイド体95とは所定距離ΔT1(例えば0.5mm)離れて、外側周壁93を板厚方向に貫通する円形の水抜き貫通孔99が形成されている。
そして、この水抜き貫通孔99も、前記第1実施形態と同様に、特定領域である第3領域S3(同図の濃い灰色部分)に一部がかかるように設けられている。この第3領域S3は、隣り合うガイド体95のうち、一方のガイド体95Aの接続端95aから一方のガイド体95Aが連結された外側通気孔97を跨いで他方のガイド体95Bの接続端95bまでの領域のうち、他方のガイド体95Bに近い半分の領域であり、且つ外側プロテクタ91の軸線O方向に延びている領域を指す。
なお、前記水抜き貫通孔99は、例えばパンチング加工によって外側周壁93に穴を開けることによって形成する。また、前記ガイド体95は、外側周壁93を、同図に示すごとく、コ字状に切り欠いて、その切り欠け片を曲げ加工することにより形成し、その加工によって、同時に外側通気孔97が形成される。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。なお、前記ΔT1は、2mm以下であると排水の効果が高いので好適である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のガスセンサについて説明するが、前記第3実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態では、前記第3実施形態とは外側プロテクタの構成のみが異なるので、外側プロテクタについて説明する。
図6(b)に示す様に、本実施形態のガスセンサに用いられる外側プロテクタ101は、その外側周壁103に、前記第3実施形態と同様に、周方向に沿って8箇所に、同様なガイド体105A、105B(105と総称する)を付設した外側通気孔107を備えている。
また、各ガイド体105より基端側には、ガイド体105とは所定距離ΔT2(例えば0.5mm)離れて、外側周壁103を板厚方向に貫通する円形の水抜き貫通孔109が形成されている。
そして、この水抜き貫通孔109も、前記第1実施形態と同様に、特定領域である第4領域S4(同図の濃い灰色部分)に一部がかかるように設けられている。この第4領域S4は、隣り合うガイド体105のうち、一方のガイド体105Aの接続端105aから一方のガイド体105Aが連結された外側通気孔107を跨いで他方のガイド体105Bの接続端105bまでの領域のうち、他方のガイド体105Bに近い半分の領域であり、且つ外側プロテクタ101の軸線O方向に延びている領域を指す。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。なお、前記ΔT2は、2mm以下であると排水の効果が高いので好適である。
次に、本発明の効果を確認した実験例(被水試験)について説明する。
ここでは、実験に使用する外側プロテクタを製造する際の基本的な条件として、図7に示す様に、(先端側を下にした)外側プロテクタを側面から見た場合に、左側のガイド体をルーバーL、右側のガイド体をルーバーRとし、ルーバーL及びルーバーRの縦を4mm、横を1.6mmとし、両ルーバーの左端(接続端)間の距離を6.7mmとし、水抜き貫通孔の縦を1mm、横を2mmとした。また、ルーバーLの接続端を0%とし、ルーバーRの接続端を100%とするとともに、その中央を50%とした。
そして、図8に示す様に、この様なルーバーL及びルーバーRと水抜き貫通孔との配置を組み合わせた外側プロテクタ(本発明の範囲外の比較例1〜5、本発明例の実施例1〜6)を作製した。なお、実施例1〜3は、前記第1実施形態と同様に、水抜き貫通孔をルーバーの先端側に設けたものであり、実施例4〜6は、前記第2実施形態と同様に、水抜き貫通孔をルーバーの基端側に設けたものである。
以下に示す被水試験では、前記第1実施形態と同様な内側プロテクタの外側に前記各外側プロテクタを取り付けた2重構造のプロテクタを実験に用いた。
具体的には、図9に示すように、被水試験では、被水状態を調べるカーボン素子121と、そのカーボン素子121の先端を覆う実施例、比較例の(2重)プロテクタ123とを備えた被水センサ125を用いた。
そして、被水センサ125を円筒形状の配管127に設置し、配管127内に、風速20m/secで空気を供給し、その条件下で、水噴霧ノズル129から、20ml/minにて水を飛散させ、カーボン素子121における水の付着状態(被水痕の大きさ)から、耐被水性の評価を行った。その結果を、下記表1に記す。
なお、被水割れが発生する被水痕径(最大被水径)は、直径2mm以上であるため、2mm未満の被水痕径が付着した試料を○、更に1mm以下の被水痕径が付着した試料を◎、2mm以上の被水痕が付着した試料を×とした。
この表1から明らかな様に、水抜き貫通孔が50〜100%の範囲に設けられている実施例1〜6では、最大被水径が2mm未満であるので、耐被水性が高いことが分かる。
特に水抜き貫通孔が100%を含む範囲に(例えば100%を跨ぐように)形成されている実施例2、3、5、6では、最大被水径が1mm以下であり、一層好適であることが分かる。
それに対して、比較例1〜5では、最大被水径が2mm以上であり、耐被水性が低いことが分かる。
つまり、水抜き貫通孔の少なくとも一部が、第1領域に設けられていることが良く、さらに好ましくは、他方のガイド体の接続端の位置を含むことが好ましい。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は、前記実施形態等に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、本発明は、酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサ、温度センサ等に用いられるプロテクタにも同様に適用することができる。
1…ガスセンサ
3…検出素子
5…検出部
19…プロテクタ
53…内側周壁
55…内側プロテクタ
61、83、93、103…外側周壁
63、81、91、101…外側プロテクタ
67…内側通気孔
69、87、97、107…外側通気孔
75、75A、75B、85、85A、85B、95、95A、95B、105、105A、105B…ガイド体
77、89、99、109…水抜き貫通孔

Claims (4)

  1. 軸線方向に延び、先端側に被検出ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有する検出素子と、
    前記検出部を自身の先端から突出させた状態で、前記検出素子の径方向周囲を取り囲んで保持するハウジングと、
    前記ハウジングに固定されて前記検出部の周囲を覆うプロテクタと、
    を備えるとともに、
    前記プロテクタは、
    前記検出部の周囲を取り囲む筒状の内側周壁を有する内側プロテクタと、
    前記内側プロテクタの前記内側周壁とは間隙を設けつつ、前記内側プロテクタの内側周壁の少なくとも一部の外側の周囲を取り囲む筒状の外側周壁を有する外側プロテクタと、
    を備えたガスセンサにおいて、
    前記内側プロテクタの内側周壁には、該内側プロテクタ内へのガスの通気を行う内側通気孔を備え、
    且つ、前記外側プロテクタの外側周壁には、前記内側通気孔より先端側に、ガスを前記間隙内に導入するために内側に延出されたガイド体を付設した外側通気孔を、周方向に沿って複数備えるとともに、前記ガイド体より先端側又は基端側に水抜き貫通孔を備え、
    前記ガイド体は、前記周方向に対して交差するように延びる接続端が、外側通気孔の周縁の一部に連結しており、
    更に、前記外側プロテクタを周方向に見たときに、
    前記水抜き貫通孔の少なくとも一部は、隣り合うガイド体のうち、一方のガイド体の前記接続端から前記一方のガイド体が連結された前記外側通気孔を跨いで他方のガイド体の前記接続端までの領域のうち、前記他方のガイド体に近い半分の特定領域であって、且つ外側プロテクタの軸線方向に延びる特定領域に設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記外側プロテクタを周方向に見たときに、
    前記水抜き貫通孔は、前記他方のガイド体の前記接続端の位置を含むように形成したことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記ガイド体に隣接するように、前記ガイド体を付設した内側通気孔と前記水抜き貫通孔とを一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記各ガイド体毎に、それぞれ前記水抜き貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113504223A (zh) * 2021-05-27 2021-10-15 上海工艺美术职业学院 气体检测阀及臭氧消毒床罩

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