JP2012002180A - 燃料噴射状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃圧センサにより検出された噴射時圧力波形を噴射率波形に変換するにあたり、その変換精度の向上を図った燃料噴射状態検出装置を提供する。
【解決手段】複数の燃圧センサのうち燃料噴射中の燃料噴射弁に対応する燃圧センサにより検出された、噴射時圧力波形を取得する噴射時波形取得手段S10と、前記噴射時圧力波形を、燃料噴射率の変化を表す噴射率波形に変換する変換手段S50,S60と、を備える。そして、前記変換手段S50,S60は、前記噴射時圧力波形を前記噴射率波形に変換する変換係数Kα,Kβ(変換関数)及び遅れ時間C1,C3(変換関数)を、コモンレール(分配容器)内の分配供給圧力PCに基づき設定するとともに、燃料噴射中に生じた分配供給圧力PCの変化に応じて、噴射1回分の噴射時圧力波形内で前記変換係数Kα,Kβ及び遅れ時間C1,C3を変化させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁から燃料を噴射させることに伴い生じる燃料圧力の変化を燃圧センサで検出し、検出した圧力波形に基づき燃料噴射状態を推定する燃料噴射状態検出装置に関する。
内燃機関の出力トルク及びエミッション状態を精度良く制御するには、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射量及び噴射開始時期等、その噴射状態を精度良く制御することが重要である。そこで特許文献1,2等には、コモンレール(分配容器)の吐出口から燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料供給経路内で噴射に伴い生じる燃料圧力の変化を燃圧センサで検出している。燃圧センサにより検出される圧力波形は、噴射率の変化を表す噴射率波形と相関が高いため、検出した圧力波形に基づき噴射率波形を推定することで、噴射開始時期や噴射量等の噴射状態の検出を図っている。このように実際の噴射状態を検出できれば、その検出値に基づき噴射状態を精度良く制御できる。
特開2010−3004号公報 特開2009−57924号公報
本発明者は、噴射率波形を推定する具体的手法を以下のように検討した。先ず、燃圧センサにより検出される圧力波形を取得する。次に、取得した圧力波形中に現れる各種変化点(例えば図2(c)中のP1,P2,P3,P5等)を検出する。具体的には、圧力波形中の都度の圧力値を微分し、その微分値が所定以上となっているか否かに基づき上記変化点を検出する。次に、開弁作動開始に伴い圧力が下降する部分(P1〜P2の部分)の波形、及び閉弁作動開始に伴い圧力が上昇する部分(P3〜P5の部分)の波形を直線に近似して、これらの近似直線の傾きPα,Pβを算出する。また、変化点P1からP2までの圧力降下量P1−P2を算出する。
そして、圧力波形の変化点P1が出現する時期、圧力降下量P1−P2、及び傾きPα,Pβの各々を、噴射率波形の生成に必要な噴射開始時期t(R1)、最大噴射率Rh、及び傾きRα,Rβに変換する。これにより、噴射率波形を生成でき、実際の噴射状態を推定できる。
さらに本発明者は、コモンレールから燃料噴射弁への燃料の分配供給圧力が異なれば、圧力波形と噴射率波形との相関が異なってくることに着目し、噴射開始時点での分配供給圧力に応じて、圧力波形を噴射率波形に変換する変換値を可変設定することを検討した。これによれば、噴射率波形の推定精度を向上できる。しかし、以下の点について未だ改良の余地があることを本発明者は見出した。
すなわち、分配供給圧力は燃料噴射中にも変化することが多い。例えば、燃料タンクの燃料をコモンレールへ圧送する燃料ポンプが、プランジャポンプの如く間欠的に燃料を圧送するものである場合において、燃料噴射中にポンプ圧送が行われると分配供給圧力は燃料噴射中に上昇する。また、燃料噴射中にポンプ圧送が行われなかった場合であっても、燃料を噴射した直後は、コモンレールから燃料噴射弁へ分配供給した分だけ分配供給圧力は低下する。したがって、噴射1回分の圧力波形中で、噴射率波形への変換値を一律に固定して設定してしまうと、上述の如く燃料噴射中に分配供給圧力が変化した場合には、圧力波形を噴射率波形に変換する精度が悪くなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃圧センサにより検出された噴射時圧力波形を噴射率波形に変換するにあたり、その変換精度の向上を図った燃料噴射状態検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁と、燃料ポンプから供給される燃料を蓄圧して複数の前記燃料噴射弁へ分配供給する分配容器と、複数の前記燃料噴射弁の各々に対して設けられ、前記燃料噴射弁の噴孔から燃料を噴射させることに伴い前記分配容器の吐出口から前記噴孔に至るまでの燃料経路内で生じる燃料圧力の変化を検出する燃圧センサと、を備えた燃料噴射システムに適用されることを前提とする。
そして、複数の前記燃圧センサのうち燃料噴射中の燃料噴射弁に対応する燃圧センサにより検出された、噴射時圧力波形を取得する噴射時波形取得手段と、前記噴射時圧力波形を、燃料噴射率の変化を表す噴射率波形に変換する変換手段と、を備え、前記変換手段は、前記噴射時圧力波形を前記噴射率波形に変換する変換関数を、前記分配容器内の分配供給圧力に基づき設定するとともに、燃料噴射中に生じた前記分配供給圧力の変化に応じて、噴射1回分の前記噴射時圧力波形内で前記変換関数を変化させることを特徴とする。
上記発明は、「分配供給圧力が異なれば、圧力波形と噴射率波形との相関が異なってくる」及び「分配供給圧力は燃料噴射中にも変化する」といった先述の知見に基づき想起されたものであり、燃料噴射中に生じた分配供給圧力の変化に応じて、噴射1回分の噴射時圧力波形内で変換関数を変化させるので、噴射時圧力波形を噴射率波形に変換するにあたり、その変換精度を向上できる。
請求項2記載の発明では、前記噴射時圧力波形のうち、前記燃料噴射弁の開弁作動開始に伴い圧力が下降する部分の波形である下降波形(図2(c)中のP1〜P2の部分の波形参照)を取得する下降波形取得手段と、前記噴射時圧力波形のうち、前記燃料噴射弁の閉弁作動開始に伴い圧力が上昇する部分の波形である上昇波形(図2(c)中のP3〜P5の部分の波形参照)を取得する上昇波形取得手段と、を備え、前記下降波形が現れている期間での前記分配供給圧力に基づき前記下降波形に対する前記変換関数を設定し、前記上昇波形が現れている期間での前記分配供給圧力に基づき前記上昇波形に対する前記変換関数を設定することを特徴とする。
噴射時圧力波形と噴射率波形との相関の中でも特に、下降波形及び上昇波形の部分についての相関は分配供給圧力の変化による影響を大きく受ける。この点を鑑みた上記発明では、下降波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき下降波形に対する変換関数を設定し、上昇波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき上昇波形に対する変換関数を設定する。そのため、下降波形及び上昇波形について、それぞれの波形に適した変換関数を別々に設定するので、噴射時圧力波形を噴射率波形に変換する精度の向上を促進できる。
請求項3記載の発明では、前記下降波形に対する前記変換関数には、前記下降波形の傾きを変換する係数(図5(a)中の符号Kα参照)が含まれており、前記上昇波形に対する前記変換関数には、前記上昇波形の傾きを変換する係数(図5(b)中の符号Kβ参照)が含まれていることを特徴とする。また、請求項4記載の発明では、前記下降波形に対する前記変換関数には、前記噴射率波形中の噴射率上昇開始に対する前記噴射時圧力波形中の圧力下降開始の遅れ時間(図5(c)中の符号C1参照)が含まれており、前記上昇波形に対する前記変換関数には、前記噴射率波形中の噴射率下降開始に対する前記噴射時圧力波形中の圧力上昇開始の遅れ時間(図5(d)中の符号C3参照)が含まれていることを特徴とする。
下降波形及び上昇波形の部分を噴射率波形に変換する際には、具体的には下降波形及び上昇波形の傾き(図2(c)中の符号Pα,Pβ参照)を噴射率波形の傾き(図2(c)中の符号Rα,Rβ参照)へ変換することと、圧力下降開始又は上昇開始のタイミング(図2(c)中の符号P1,P3参照)を噴射率上昇開始又は噴射率下降開始のタイミング(図2(b)中の符号R1,R3参照)に変換することとを要する。そして、これら種々の変換パラメータKα,Kβ,C1,C3は、分配供給圧力の変化による影響を大きく受ける。
この点を鑑みた上記請求項3記載の発明によれば、下降波形の傾きを変換する係数Kαは下降波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき設定され、上昇波形の傾きを変換する係数Kβは上昇波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき設定される。よって、下降波形及び上昇波形を変換するための各々の係数Kα,Kβを、分配供給圧力の変化に応じた最適値に設定することができる。よって、噴射時圧力波形を噴射率波形に変換する精度の向上を促進できる。
また、上記請求項4記載の発明によれば、下降波形にかかる圧力下降開始タイミングを噴射率上昇開始タイミングに変換するための遅れ時間C1は下降波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき設定され、上昇波形にかかる圧力上昇開始タイミングを噴射率下降開始タイミングに変換するための遅れ時間C3は上昇波形が現れている期間での分配供給圧力に基づき設定される。よって、下降波形及び上昇波形を変換するための各々の遅れ時間C1,C3βを、分配供給圧力の変化に応じた最適値に設定することができる。よって、噴射時圧力波形を噴射率波形に変換する精度の向上を促進できる。
請求項5記載の発明では、複数の前記燃圧センサのうち噴射していない燃料噴射弁に対応する燃圧センサにより検出された、非噴射時圧力波形を取得する非噴射時波形取得手段を備え、前記変換手段は、前記非噴射時波形を前記分配供給圧力の変化とみなして前記変換関数を変化させることを特徴とする。
非噴射時圧力波形は分配供給圧力の変化を表していると言えるので、非噴射時圧力波形に基づき変換関数を変化させる上記発明によれば、分配供給圧力を検出する専用の燃圧センサを分配容器に設けることを不要にできる。
請求項6記載の発明では、前記変換手段は、前記噴射時圧力波形から前記分配供給圧力の変化を表す波形を差し引いて前記噴射時圧力波形を補正し、補正後の前記噴射時圧力波形を前記噴射率波形に変換することを特徴とする。
ここで、燃圧センサにより検出された噴射時圧力波形には、噴射に起因して生じた圧力変化に加え、分配供給圧力の変化に起因して生じた圧力変化も含まっている。この点を鑑みた上記発明によれば、分配供給圧力の変化を表す波形を噴射時圧力波形から差し引いて補正するので、噴射時圧力波形から分配供給圧力の変化による影響が除去される。よって、噴射時圧力波形と噴射率波形との相関を高めることができる。そして、このように相関が高められた補正後の噴射時圧力波形を用いて噴射率波形へ変換するので、噴射率波形を高精度で取得できる。
本発明の一実施形態にかかる燃料噴射状態検出装置が適用される、燃料噴射システムの概略を示す図。 (a)は図1に示す燃料噴射弁への噴射指令信号、(b)は噴射指令信号に伴い生じる燃料噴射率の変化を表す噴射率波形、(c)は図1に示す燃圧センサにより検出された検出圧力の変化を表す圧力波形を示すタイムチャート。 噴射時圧力波形Wから非噴射時圧力波形PCを差し引いて補正した波形W−PCを示す図。 噴射時圧力波形を噴射率波形に変換する処理の手順を示すフローチャート。 図4の変換処理で用いるマップ。 燃料噴射中にポンプ圧送が為された場合の、噴射時圧力波形及び噴射率波形を示す図。
以下、本発明に係る燃料噴射状態検出装置を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の燃料噴射状態検出装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、当該エンジンには、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。
図1は、上記エンジンの各気筒に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30(制御装置に相当)等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、高圧ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧され、各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。なお、高圧ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して間欠的に燃料は圧送される。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル12(弁体)及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。ニードル12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。
ボデー11内にはニードル12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は制御弁14により切り替えられており、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電して制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、ニードル12へ付与される背圧力が低下してニードル12は開弁作動する。一方、アクチュエータ13への通電をオフして制御弁14を図1の上方へ作動させると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力は上昇する。その結果、ニードル12へ付与される背圧力が上昇してニードル12は閉弁作動する。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、ニードル12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、ニードル12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。例えばECU30は、エンジン出力軸の回転速度及びエンジン負荷等に基づき、噴射開始時期、噴射終了時期及び噴射量等の目標噴射状態を算出し、算出した目標噴射状態となるようアクチュエータ13へ噴射指令信号を出力して、燃料噴射弁10の作動を制御する。
ECU30は、アクセル操作量等から算出されるエンジン負荷やエンジン回転速度に基づき目標噴射状態を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態(噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現時点でのエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に基づき噴射指令信号t1、t2、Tqを設定する。例えば、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を指令マップにして記憶させておき、算出した目標噴射状態に基づき、指令マップを参照して噴射指令信号を設定する。以上により、エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じた噴射指令信号が設定され、ECU30から燃料噴射弁10へ出力される。
ここで、噴孔11bの磨耗等、燃料噴射弁10の経年劣化に起因して、噴射指令信号に対する実際の噴射状態は変化していく。そこで、後に詳述するように燃圧センサ20により検出された圧力波形に基づき燃料の噴射率波形を演算して噴射状態を検出し、検出した噴射状態と噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)との相関関係を学習し、その学習結果に基づき、指令マップに記憶された噴射指令信号を補正する。これにより、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう、燃料噴射状態を高精度で制御できる。
次に、燃圧センサ20のハード構成について説明する。燃圧センサ20は、以下に説明するステム21(起歪体)、圧力センサ素子22及びモールドIC23等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号を出力する。
モールドIC23は、圧力センサ素子22から出力された圧力検出信号を増幅する増幅回路等の電子部品を樹脂モールドして形成されており、ステム21とともに燃料噴射弁10に搭載されている。ボデー11上部にはコネクタ15が設けられており、コネクタ15に接続されたハーネス16により、モールドIC23及びアクチュエータ13とECU30とはそれぞれ電気接続される。
ここで、噴孔11bから燃料の噴射を開始することに伴い高圧通路11a内の燃料の圧力(燃圧)は低下し、噴射を終了することに伴い燃圧は上昇する。つまり、燃圧の変化と噴射率(単位時間当たりに噴射される噴射量)の変化とは相関があり、燃圧変化から噴射率変化(実噴射状態)を検出できると言える。そして、検出した実噴射状態が目標噴射状態となるよう先述した噴射指令信号を補正する。これにより、噴射状態を精度良く制御できる。
次に、燃料噴射中の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20により検出した燃圧変化を表した噴射時圧力波形と、その燃料噴射弁10にかかる燃料噴射率の変化を表した噴射率波形との相関について、図2を用いて説明する。
図2(a)は、燃料噴射弁10のアクチュエータ13へECU30から出力される噴射指令信号を示しており、この指令信号のパルスオンによりアクチュエータ13が通電作動して噴孔11bが開弁する。つまり、噴射指令信号のパルスオン時期t1により噴射開始が指令され、パルスオフ時期t2により噴射終了が指令される。よって、指令信号のパルスオン期間(噴射指令期間Tq)により噴孔11bの開弁時間を制御することで、噴射量Qを制御している。
図2(b)は、上記噴射指令に伴い生じる噴孔11bからの燃料噴射率の変化(噴射率波形)を示し、図2(c)は、燃料噴射中の燃料噴射弁10に設けられた燃圧センサ20により検出された、噴射率の変化に伴い生じる検出圧力の変化(噴射時圧力波形)を示す。噴射時圧力波形と噴射率波形とは以下に説明する相関があるため、検出された噴射時圧力波形から噴射率波形を推定(検出)することができる。
すなわち、先ず、図2(a)に示すように噴射開始指令がなされたt1時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、検出圧力は、R1の時点で噴射率が上昇を開始してから遅れ時間C1が経過した時点で、変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、検出圧力の下降は変化点P2にて停止する。次に、R3の時点で噴射率が下降を開始したことに伴い、検出圧力は変化点P3にて上昇を開始する。その後、R4の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、検出圧力の上昇は変化点P5にて停止する。
ちなみに、噴射時圧力波形のうち一点鎖線Aに示す部分の脈動は、燃料噴射に伴い生じた高圧通路11a内の燃料減少分を補うべく、最大噴射率に達した直後にコモンレール42から高圧通路11aへ燃料供給されることに起因して生じるものである。
また、噴射時圧力波形のうち一点鎖線Bに示す部分の脈動は、以下に説明する現象に起因して生じるものである。
すなわち、ニードル12にはシート面12aが形成されており、このシート面12aがボデー11に着座すると高圧通路11aが閉鎖されて噴孔11bが閉弁されることとなる。一方、シート面12aがボデー11から離座すると高圧通路11aが開放されて噴孔11bが開弁されることとなる。そして、ニードル12がフルリフト位置まで開弁作動した状態では、高圧通路11aの流路面積は噴孔11bの部分で最小となり、噴射燃料の流量は噴孔11bで絞られた噴孔絞り状態となる。そして、閉弁作動の開始後、ニードル12のストローク量(リフトアップ量)が所定量に達するまでは、噴孔絞り状態が継続する。
一方、ニードル12のストローク量が所定量未満になると、高圧通路11aの流路面積はシート面12aの部分で最小となり、シート面12aで流量が絞られるシート絞り状態になる。つまり、フルリフト位置にあるニードル12が閉弁位置へ向けて移動を開始すると、噴孔絞り状態からシート絞り状態へ移行し、この移行時点R3(図2(b)参照)で、実際の噴射率は低下を開始する。そして、ニードル12が閉弁位置へ達したR4時点(つまりシート面12aへの着座時点)で噴射率はゼロになる。
この点を鑑みると、圧力波形が上昇を開始するのは、噴孔絞り状態からシート絞り状態へ移行した時点であると当初では想定していた。しかし、実際に本発明者が試験して得た圧力波形には、シート絞り状態へ移行する直前に僅かに圧力上昇する脈動Bが生じることが分かった。このように脈動Bが生じるメカニズムを本発明者は次のように考察した。
すなわち、ニードル12がフルリフト位置から閉弁位置へ向けて移動すると、高圧通路11aのうちニードル12を収容するニードル収容室11f(図1参照)の容積が小さくなっていく。すると、その容積縮小分だけ高圧通路11a内の燃料圧力は僅かに上昇することとなり、この上昇が前記脈動Bとなって圧力波形に現れる。要するに、ニードル12が閉弁位置へ向けて移動を開始すると、ニードル収容室11fの容積縮小に起因して、噴孔絞り状態であるにも拘わらずP3a時点で圧力が僅かに上昇する脈動Bが生じる。その後、シート絞り状態へ移行したことに起因してP3時点で圧力上昇を開始する。
以上説明したように、噴射時圧力波形と噴射率波形とは相関が高い。そして、噴射率波形には、噴射開始時期(R1出現時期)や、噴射終了時期(R4出現時期)、噴射量(図2(b)中の網点部分の面積)が表されているので、噴射時圧力波形を噴射率波形に変換することで噴射状態を検出できる。
ところで、コモンレール42から燃料噴射弁10へ分配供給される燃料の圧力は刻々と変化する。例えば、図3(a)中の実線は噴射時圧力波形Wを示すのに対し、図3(a)中の点線は、噴射時圧力波形と同時期に検出された分配供給圧力PCの変化を示す。なお、分配供給圧力PCの変化は、噴射していない燃料噴射弁10に対応する燃圧センサ20を用いて検出している。したがって、例えば#1気筒の燃料噴射弁10(#1)から燃料を噴射して、#2気筒の燃料噴射弁10(#2)からは噴射を停止している時には、#1気筒の燃圧センサ20による検出圧力が噴射時圧力波形Wに相当し、#2気筒(裏気筒)の燃圧センサ20による検出圧力が、分配供給圧力PCの変化を示す非噴射時圧力波形に相当する。
図3(a)に例示する非噴射時圧力波形が、噴射開始に伴い徐々に低下していく波形になっている理由は、コモンレール42から噴射気筒の燃料噴射弁10へ分配供給した分だけ分配供給圧力PCが低下することによる。ちなみに、燃料噴射中に高圧ポンプ41によるポンプ圧送が行われると、分配供給圧力PCは燃料噴射中であっても上昇していく(図6(c)参照)。
要するに、噴射時圧力波形Wは分配供給圧力PCの変化(非噴射時圧力波形)の影響を受けているので、噴射時圧力波形Wから非噴射時圧力波形を差し引けば、噴射時圧力波形Wから分配供給圧力PCの変化による影響が除去される。図3(b)中の実線は、このように差し引く補正を実施した後の噴射時圧力波形W−PCを示している。なお、図2(c)に例示される噴射時圧力波形Wは、分配供給圧力PCが変化していないと仮定した場合の波形であり、差し引いた後の波形W−PCと噴射時圧力波形Wとが同じ波形になっていると仮定したものである。
次に、図3(b)又は図2(c)に示す補正後の噴射時圧力波形W−PCを、図2(b)に示す噴射率波形に変換する手順について説明する。
図4は、ECU30が有するマイクロコンピュータによる上記変換の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、イグニッションスイッチがオン操作されたことをトリガとして起動した後、所定周期で繰り返し実行される。
先ず、図4に示すステップS10(噴射時波形取得手段)において、燃料噴射中の気筒#1の燃料噴射弁10に対応する燃圧センサ20により検出された、先述の噴射時圧力波形W(図3(a)中の実線参照)を取得する。続くステップS20(非噴射時波形取得手段)では、噴射していない気筒#2の燃料噴射弁10に対応する燃圧センサ20により検出された、先述の非噴射時圧力波形PCを取得する(図3(a)中の破線参照)。続くステップS30では、ステップS10で取得した噴射時圧力波形Wから、ステップS20で取得した非噴射時圧力波形PCを差し引いて、噴射時圧力波形Wを補正する(図3(b)中の実線参照)。これにより、噴射時圧力波形Wに含まれている非噴射気筒(裏気筒)の波形成分(供給圧PCの変化)が、噴射時圧力波形から除去される。
続くステップS40(下降波形取得手段、上昇波形取得手段)では、補正後の噴射時圧力波形W−PCのうち、燃料噴射弁10の開弁作動開始に伴い圧力が下降する部分(P1’〜P3’に相当する部分)の波形である下降波形と、燃料噴射弁10の閉弁作動開始に伴い圧力が上昇する部分(P3’〜P5’に相当する部分)の波形である上昇波形を取得する。具体的には、下降波形の傾きPα’及び下降波形の下降開始時期t(P1’)と、上昇波形の傾きPβ’及び上昇波形の上昇開始時期t(P3’)とを、補正後の噴射時圧力波形W−PCから算出する。
ここで、噴射時圧力波形W−PCの下降波形及び上昇波形と、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射開始に伴い噴射率が上昇する部分(R1〜R2に相当する部分)及び噴射終了に伴い噴射率が下降する部分(R3〜R4に相当する部分)とは相関性が高い。そこで、前記相関を予め実施した試験により取得して記憶させておき、その記憶させておいた相関を用いて、噴射時圧力波形W−PCの下降波形及び上昇波形を、噴射率波形のうちR1〜R2及びR3〜R4に相当する部分の直線に変換する。但し、その時の分配供給圧力PCに応じて前記相関は変化するので、分配供給圧力PCの変化(つまり非噴射気筒の波形成分)に応じた相関を用いて変換している。
より詳細に説明すると、噴射時圧力波形W−PCにかかる前記傾きPα’,Pβ’と、噴射率波形(図2(b)参照)の噴射率上昇傾きRα及び噴射率下降傾きRβとは相関が高い。そこで次のステップS50(変換手段)では、Pα’,Pβ’に変換係数Kα,Kβを乗算してRα,Rβを算出している(下記の式1、式2参照)。
Rα=−Kα×Pα’・・・(式1)
Rβ=−Kβ×Pβ’・・・(式2)
なお、これらの演算式はPα’又はPβ’を変数としてRα又はRβを表した「変換関数」に相当する。
図5(a)(b)は、予め試験して得られた変換係数Kα,Kβと分配供給圧力PCとの関係を示すマップM1,M2を示す。これらのマップM1,M2に示すように、変換係数Kα,Kβは分配供給圧力PCに応じて異なる値に設定されている。具体的には、分配供給圧力PCが高いほど変換係数Kα,Kβの値を大きくして変換ゲインを大きくしている。したがって、Pα’,Pβ’の値が同じであっても、その時の分配供給圧力PCが高いほど噴射率波形の傾きRα,Rβは大きくなるよう変換される。
要するに、マップM1,M2中の変換係数Kα,Kβを選択する引数として分配供給圧力PCを用いている。そして、変換係数Kαの引数として用いる分配供給圧力PCは、非噴射時圧力波形のうち噴射時圧力波形W中のt(P1’)時点と同時期に検出された圧力(分配供給圧力PC)であってもよいし、t(P2’)時点と同時期に検出された圧力であってもよいし、t(P1’)時点からt(P2’)時点までの平均圧力であってもよい。或いは、噴射開始指令信号を出力したt1時点から所定時間が経過した時と同時期に検出された分配供給圧力PCを引数として用いてもよい。
また、変換係数Kβの引数として用いる分配供給圧力PCは、非噴射時圧力波形のうち噴射時圧力波形W中のt(P3’)時点と同時期に検出された圧力(分配供給圧力PC)であってもよいし、t(P4’)時点と同時期に検出された圧力であってもよいし、t(P3’)時点からt(P4’)時点までの平均圧力であってもよい。或いは、噴射終了指令信号を出力したt2時点から所定時間が経過した時と同時期に検出された分配供給圧力PCを引数として用いてもよい。
噴射時圧力波形W−PCにかかる下降開始時期t(P1’)及び上昇開始時期t(P3’)と、噴射率波形(図2(b)参照)の噴射率上昇開始時期t(R1)及び噴射率下降開始時期t(R3)とは相関が高い。そこで次のステップS60(変換手段)では、t(P1’),t(P3’)に遅れ時間C1,C3を減算して、t(R1),t(R3)を算出している(下記の式3、式4参照)。
t(R1)=t(P1’)−C1・・・(式3)
t(R3)=t(P3’)−C3・・・(式4)
これらの演算式はt(P1’)又はt(P3’)を変数としてt(R1)又はt(R3)を表した「変換関数」に相当する。
図5(c)(d)は、予め試験して得られた遅れ時間C1,C3と分配供給圧力PCとの関係を示すマップM3,M4を示す。これらのマップM3,M4に示すように、遅れ時間C1,C3は分配供給圧力PCに応じて異なる値に設定されている。具体的には、分配供給圧力PCが低いほど遅れ時間C1,C3の値を大きくしている。したがって、t(P1’),t(P3’)の出現時期が同じであっても、その時の分配供給圧力PCが低いほど噴射率波形の上昇開始時期t(R1)や下降開始時期t(R3)は遅くなるよう変換される。
要するに、マップM3,M4中の遅れ時間C1を選択する引数として分配供給圧力PCを用いている。そして、遅れ時間C1の引数として用いる分配供給圧力PCは、非噴射時圧力波形のうち噴射時圧力波形W中のt(P1’)時点と同時期に検出された圧力(分配供給圧力PC)であってもよいし、t(P2’)時点と同時期に検出された圧力であってもよいし、t(P1’)時点からt(P2’)時点までの平均圧力であってもよい。或いは、噴射開始指令信号を出力したt1時点から所定時間が経過した時と同時期に検出された分配供給圧力PCを引数として用いてもよい。
また、遅れ時間C3の引数として用いる分配供給圧力PCは、非噴射時圧力波形のうち噴射時圧力波形W中のt(P3’)時点と同時期に検出された圧力(分配供給圧力PC)であってもよいし、t(P4’)時点と同時期に検出された圧力であってもよいし、t(P3’)時点からt(P4’)時点までの平均圧力であってもよい。或いは、噴射終了指令信号を出力したt2時点から所定時間が経過した時と同時期に検出された分配供給圧力PCを引数として用いてもよい。
続くステップS70では、分配供給圧力PCに基づき、台形形状である噴射率波形の台形高さRh(図2(b)参照)を算出する。この台形高さRhは最大噴射率に相当する。最大噴射率で燃料を噴射している時には先述した噴孔絞り状態になっており、この状態時の噴射率は分配供給圧力PCにより決まる。つまり、噴孔絞り状態時には分配供給圧力PCと噴射率との相関性が高い。
したがって、上述の如く分配供給圧力PCに基づけば、最大噴射率Rhを精度良く算出できる。なお、Rhの算出に用いられる分配供給圧力PCは、非噴射時圧力波形の所定期間における平均圧力PCaveである。前記所定期間の具体例としては、P1からP3に相当する期間や、R1からR4に相当する期間等が挙げられる。そして、図5(e)に示すようにRh=Kh×PCaveとの式に基づきRhを算出しており、式中のKhは所定の係数である。
上述した各種値Rα,Rβ,t(R1),t(R3),Rhが特定されれば、台形形状の噴射率波形を特定することができる。そこで続くステップS80では、ステップS50での変換で得られたRα,Rβ、ステップS60での変換で得られたt(R1),t(R3)、ステップS70で算出された最大噴射率Rhに基づき噴射率波形を算出する。
ちなみに、噴射指令期間Tqが短く噴射量が少ない場合には、噴射率波形の形状は三角形になる。この場合には、Rhの値を算出しなくても、Rα,Rβ,t(R1),t(R3)が特定されれば三角形形状の噴射率波形を特定することができる。
ここで、燃料噴射中にポンプ圧送が為された場合、図6(c)に示すように非噴射時圧力波形はプランジャ吐出期間に上昇する。すると、この上昇に伴い、噴射時圧力波形W−PC及び噴射率波形は、図6(a)(b)中の点線に示すように上昇する。一方、燃料噴射中にポンプ圧送が為されなかった場合には、図3(a)中の点線に示すように非噴射時圧力波形(分配供給圧力PC)は徐々に低下する。このように、分配供給圧力PCは燃料噴射中に変化することが多い。
そして、分配供給圧力PCが異なれば、噴射時圧力波形Wと噴射率波形との相関は異なってくる。例えば、分配供給圧力が100MPaの時の噴射時圧力波形Wの傾きPβ’(図6(b)中の実線参照)と、分配供給圧力が120MPaの時の傾きPβ’は同じであるが、前記相関が異なるため噴射率波形の傾きRβは異なってくる。具体的は、傾きPβ’が同じであっても、その時の分配供給圧力PCが高いほど、噴射率波形の降下の傾きRβは大きくなり噴射率は急降下するようになる。
この点を鑑みた本実施形態によれば、噴射時圧力波形W−PCの下降部分(下降波形P1’〜P2’)を噴射率波形に変換する変換係数Kα及び遅れ時間C1と、噴射時圧力波形Wの上昇部分(上昇波形P3’〜P5’)を噴射率波形に変換する変換係数Kβ及び遅れ時間C3とを、その時の分配供給圧力PCに応じて異なる値に設定するので、噴射時圧力波形W−PCを噴射率波形に変換するにあたり、その変換精度を向上できる。
また、本実施形態によれば、非噴射気筒の燃圧センサ20により噴射時圧力波形と同時期に検出された波形(非噴射時圧力波形)は分配供給圧力PCの変化を表していることに着目し、非噴射時圧力波形に基づき変換係数Kα,Kβ及び遅れ時間C1,C3を算出するので、分配供給圧力を検出する専用の燃圧センサをコモンレール42に設けることを不要にできる。
さらに、本実施形態によれば、分配供給圧力PCの変化を表す波形を噴射時圧力波形Wから差し引いて補正するので、噴射時圧力波形Wから分配供給圧力PCの変化による影響が除去される。よって、噴射時圧力波形W−PCと噴射率波形との相関を高めることができる。そして、このように相関が高められた補正後の噴射時圧力波形W−PCを用いて噴射率波形へ変換するので、噴射率波形を高精度で取得できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・図4に示す実施形態では、噴射時圧力波形W−PC中のP3と噴射率波形中のR3との相関(遅れ時間C3)に基づき、P3からR3を算出している。この変形例として、例えばP3からR4を算出してもよいし、P3a(図2(c)参照)からR3又はR4を算出してもよいし、P5からR3又はR4を算出してもよい。また、図3(b)に中の点線に示す基準圧力と噴射時圧力波形W−PCとの交点であるP4’を算出し、当該P4’からR3又はR4を算出してもよい。なお、前記基準圧力は、噴射開始指令がなされたt1時点からP1出現時点までの期間における圧力の値に設定する。上記変形例によっても、噴射率波形を表す台形の噴射率降下部分の形状を特定できる。
・図4に示す上記実施形態では、噴射時圧力波形W−PC中のP1と噴射率波形中のR1との相関(遅れ時間C1)に基づき、P1からR1を算出している。この変形例として、例えばP1からR2を算出してもよいし、P2からR1又はR2を算出してもよい。上記変形例によっても、噴射率波形を表す台形の噴射率上昇部分の形状を特定できる。
・上記実施形態では、非噴射気筒の燃圧センサ20により検出された圧力波形に基づき分配供給圧PCの変化を取得しているが、コモンレール42に燃圧センサ(図示せず)を搭載して、その燃圧センサにより検出された圧力波形に基づき分配供給圧PCの変化を取得してもよい。
・上記実施形態では、噴射時圧力波形Wから非噴射時圧力波形を差し引いて補正し、補正後の噴射時圧力波形W−PCを変換して噴射率波形を算出しているが、上記補正を廃止して、噴射時圧力波形Wを変換して噴射率波形を算出するようにしてもよい。特に、図6に例示されるようにポンプ圧送開始が噴射時圧力波形Wの下降波形部分よりも後である場合には、上記補正が為されていない噴射時圧力波形Wの下降波形部分に基づき噴射開始時期t(R1)を算出しても、ポンプ圧送の影響を受けていないため前記算出の精度を十分に確保できる。
・図1に示す上記実施形態では、燃圧センサ20を燃料噴射弁10に搭載しているが、本発明にかかる燃圧センサはコモンレール42の吐出口42aから噴孔11bに至るまでの燃料経路内の燃圧を検出するよう配置された燃圧センサであればよい。よって、例えばコモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管に燃圧センサを搭載してもよい。
10…燃料噴射弁、11b…噴孔、20…燃圧センサ、42…コモンレール(分配容器)、42a…吐出口、S10…噴射時波形取得手段、S20…非噴射時波形取得手段、S40…下降波形取得手段、上昇波形取得手段、S50,S60…変換手段、Kα…下降波形の傾きを変換する係数、Kβ…上昇波形の傾きを変換する係数、C1…圧力下降開始の遅れ時間、C3…圧力上昇開始の遅れ時間。

Claims (6)

  1. 多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁と、
    燃料ポンプから供給される燃料を蓄圧して複数の前記燃料噴射弁へ分配供給する分配容器と、
    複数の前記燃料噴射弁の各々に対して設けられ、前記燃料噴射弁の噴孔から燃料を噴射させることに伴い前記分配容器の吐出口から前記噴孔に至るまでの燃料経路内で生じる燃料圧力の変化を検出する燃圧センサと、
    を備えた燃料噴射システムに適用され、
    複数の前記燃圧センサのうち燃料噴射中の燃料噴射弁に対応する燃圧センサにより検出された、噴射時圧力波形を取得する噴射時波形取得手段と、
    前記噴射時圧力波形を、燃料噴射率の変化を表す噴射率波形に変換する変換手段と、
    を備え、
    前記変換手段は、
    前記噴射時圧力波形を前記噴射率波形に変換する変換関数を、前記分配容器内の分配供給圧力に基づき設定するとともに、
    燃料噴射中に生じた前記分配供給圧力の変化に応じて、噴射1回分の前記噴射時圧力波形内で前記変換関数を変化させることを特徴とする燃料噴射状態検出装置。
  2. 前記噴射時圧力波形のうち、前記燃料噴射弁の開弁作動開始に伴い圧力が下降する部分の波形である下降波形を取得する下降波形取得手段と、
    前記噴射時圧力波形のうち、前記燃料噴射弁の閉弁作動開始に伴い圧力が上昇する部分の波形である上昇波形を取得する上昇波形取得手段と、
    を備え、
    前記下降波形が現れている期間での前記分配供給圧力に基づき前記下降波形に対する前記変換関数を設定し、
    前記上昇波形が現れている期間での前記分配供給圧力に基づき前記上昇波形に対する前記変換関数を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射状態検出装置。
  3. 前記下降波形に対する前記変換関数には、前記下降波形の傾きを変換する係数が含まれており、
    前記上昇波形に対する前記変換関数には、前記上昇波形の傾きを変換する係数が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射状態検出装置。
  4. 前記下降波形に対する前記変換関数には、前記噴射率波形中の噴射率上昇開始に対する前記噴射時圧力波形中の圧力下降開始の遅れ時間が含まれており、
    前記上昇波形に対する前記変換関数には、前記噴射率波形中の噴射率下降開始に対する前記噴射時圧力波形中の圧力上昇開始の遅れ時間が含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料噴射状態検出装置。
  5. 複数の前記燃圧センサのうち噴射していない燃料噴射弁に対応する燃圧センサにより検出された、非噴射時圧力波形を取得する非噴射時波形取得手段を備え、
    前記変換手段は、前記非噴射時波形を前記分配供給圧力の変化とみなして前記変換関数を変化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射状態検出装置。
  6. 前記変換手段は、前記噴射時圧力波形から前記分配供給圧力の変化を表す波形を差し引いて前記噴射時圧力波形を補正し、補正後の前記噴射時圧力波形を前記噴射率波形に変換することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射状態検出装置。
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