JP6056666B2 - 燃料噴射状態解析装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関に設けられた燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する装置に関する。
従来、燃料噴射弁による燃料噴射に伴い生じた燃料通路内の燃料圧力の変化を燃圧センサにより検出し、その圧力変化に基づき燃料の噴射状態を解析するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のものでは、各気筒の燃料噴射弁により燃料を順次噴射させる際に、燃圧センサの検出値に基づく噴射状態の解析を、各気筒の噴射順に連続して実施するのではなく、各気筒の噴射に対して間欠的に実施している。これにより、噴射状態を解析する演算処理を効率化することができ、ひいては解析部の処理負荷を軽減することができる。
特開2012−163073号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、噴射状態の解析を各気筒の噴射に対して間欠的に実施しているため、解析機会の減少が避けられず、未だ改善の余地を残すものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、解析部の処理負荷を軽減しつつ、解析機会の減少を抑制することのできる燃料噴射状態解析装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、多気筒内燃機関の各気筒に設けられ、蓄圧容器で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴射孔に至るまでの燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置であって、前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部と、各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、多気筒内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁により、蓄圧容器で蓄圧状態に保持された燃料が噴射される。そして、蓄圧容器の吐出口から燃料噴射弁の噴射孔に至るまでの燃料通路内の燃料圧力が、燃圧センサにより検出される。
ここで、燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、燃料噴射弁による燃料の噴射状態が解析部により解析される。このとき、各気筒の燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に解析部による上記解析が終了するように、サンプリングレートがレート変更部により変更される。このため、解析部の処理負荷を軽減して気筒間での噴射の合間に解析を終了させることができ、噴射状態の解析を各気筒の噴射順に連続して実施することができる。したがって、噴射状態の解析機会の減少を抑制することができる。
燃料噴射システムの概略を示す模式図。 噴射指令信号に対応する噴射率および燃圧の変化を示すタイムチャート。 燃料噴射弁に対する噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図。 サンプリングレート変更を含む燃料噴射状態解析の全体処理を示すフローチャート。 噴射率パラメータの算出手順を示すフローチャート。 図5のサブルーチン処理を示すフローチャート。 噴射波形Wa、参照波形Wu、噴射成分Wbを示す図。 サンプリングレートの設定手順を示すフローチャート。 噴射気筒及び参照気筒の実圧力変動とサンプル値とを示すタイムチャート。 噴射気筒及び参照気筒の実圧力変動、サンプル値、推定圧力変動を示すタイムチャート。
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する燃料噴射状態解析装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、このエンジンとして、複数の気筒について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させる多気筒のディーゼルエンジンを想定している。
図1は、上記エンジンの各気筒(#1〜#4)に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧状態で保持され、高圧配管42bを通じて各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。本実施形態では、#1→#3→#4→#2の順番で噴射することを想定している。
なお、燃料ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して燃料は圧送される。そして、燃料ポンプ41はエンジン出力を駆動源としてクランク軸により駆動するので、1燃焼サイクル中に決められた回数だけ燃料ポンプ41から燃料を圧送することとなる。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴射孔11bを形成する。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴射孔11bを開閉する。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は、制御弁14により切り替えられている。電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電して、制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が低下して弁体12はリフトアップ(開弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eから離座して、噴射孔11bから燃料が噴射される。
一方、アクチュエータ13への通電をオフして制御弁14を図1の上方へ作動させると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力が上昇する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が上昇して弁体12はリフトダウン(閉弁作動)する。これにより、弁体12のシート面12aがボデー11のシート面11eに着座して、噴射孔11bからの燃料噴射が停止される。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、弁体12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、弁体12の開閉作動に応じて噴射孔11bから噴射される。
燃圧センサ20は、全ての燃料噴射弁10に搭載されており、以下に説明するステム21(起歪体)及び圧力センサ素子22等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じたアナログの圧力検出信号をECU30へ出力する。
詳しくは、圧力センサ素子22は、モールドIC24に接続されている。モールドIC24は、圧力センサ素子22から出力される検出信号を増幅する増幅回路や、検出信号に重畳するノイズを除去するフィルタリング回路、圧力センサ素子22に電圧印加する回路等を備えている。電圧印加回路から電圧印加された圧力センサ素子22は、ダイヤフラム部21aにて生じた歪の大きさに応じて抵抗値が変化するブリッジ回路を構成している。これにより、ダイヤフラム部21aの歪に応じてブリッジ回路の出力電圧が変化し、この出力電圧が高圧燃料の圧力検出値としてモールドIC24の増幅回路に出力される。増幅回路は、圧力センサ素子22(ブリッジ回路)から出力されるアナログの圧力検出値を増幅し、増幅したアナログ信号(連続値)をECU30へ出力する。
ECU30(燃料噴射状態解析装置)は、CPU34a、およびRAM、ROM等のメモリ34bを有するマイクロコンピュータ(マイコン34)を備えており、マイコン34は、アクセルペダルの操作量やエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に基づき目標噴射状態(例えば噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tq(図2(a)参照)を、後に詳述する噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxに基づき設定し、燃料噴射弁10へ出力することで燃料噴射弁10の作動を制御する。
次に、燃料噴射弁10から燃料を噴射させる場合における噴射制御の手法について、図2,3を用いて以下に説明する。
ECU30のCPU34aは、燃圧センサ20から出力されるアナログの圧力検出値を、設定されたサンプリングレートでサンプリング(抽出)する。そして、CPU34aは、サンプリングした抽出値を、デジタルの圧力検出値に変換する。CPU34aは、このデジタルの圧力検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を燃圧波形(図2(c)参照)として検出する。ここで、サンプリングレートが低く、圧力検出値同士の間隔が広い場合は、近似曲線等を用いて燃圧波形を推定(圧力検出値同士の間を補間)する。
CPU34aは、検出した燃圧波形に基づいて、燃料の噴射率変化を表した噴射率波形(図2(b)参照)を演算して噴射状態を検出する。そして、検出した噴射率波形(噴射状態)を特定する噴射率パラメータRα,Rβ,Rmaxを学習するとともに、噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)と噴射状態との相関関係を特定する噴射率パラメータtd,teを学習する。
図3は、これら噴射率パラメータの学習、及び燃料噴射弁10へ出力する噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図であり、ECU30のマイコン34により機能する各手段31,32,33について以下に説明する。噴射率パラメータ算出手段31(解析部)は、燃圧センサ20により検出された燃圧波形に基づいて、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
学習手段32は、算出した噴射率パラメータをECU30のメモリ34bに記憶更新して学習する。なお、噴射率パラメータは、その時の供給燃圧(コモンレール42内の圧力)に応じて異なる値となるため、供給燃圧又は後述する基準圧力Pbase(図2(c)参照)と関連付けて学習させることが望ましい。図3の例では、燃圧に対応する噴射率パラメータの値を噴射率パラメータマップMに記憶させている。
設定手段33(噴射制御部)は、現状の燃圧に対応する噴射率パラメータ(学習値)を、噴射率パラメータマップMから取得する。そして、取得した噴射率パラメータに基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tqを設定する。そして、このように設定した噴射指令信号にしたがって燃料噴射弁10を作動させた時の燃料圧力を、燃圧センサ20で検出する。噴射率パラメータ算出手段31は、検出された燃料圧力(アナログ値)をサンプリングしてデジタル値に変換し、このデジタル値に基づき燃圧波形を検出する。そして、噴射率パラメータ算出手段31は、検出した燃圧波形に基づいて、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
要するに、噴射指令信号に対する実際の噴射状態(つまり噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax)を検出して学習し、その学習値に基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を設定する。そのため、実際の噴射状態に基づき噴射指令信号がフィードバック制御されることとなり、経年劣化等が進行しても、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう燃料噴射状態を高精度で制御できる。特に、実噴射量が目標噴射量となるように、噴射率パラメータに基づき噴射指令期間Tqを設定するようフィードバック制御することで、実噴射量が目標噴射量となるように補償している。
図4は、サンプリングレート変更を含む燃料噴射状態解析の全体処理を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU30が有するマイコン34により、繰り返し実行される。
まず、噴射状態の解析を行う解析気筒間での噴射間隔を算出する(S100)。具体的には、#1→#3→#4→#2の噴射順に連続して噴射状態の解析を行う場合は、エンジンの回転速度に基づいて、1つの気筒で噴射されてから次の気筒で噴射されるまでの時間を算出する。また、各気筒の噴射に対して間欠的に噴射状態の解析を行う場合は、エンジンの回転速度に基づいて解析を行う気筒間での噴射間隔を算出する。例えば、気筒#1での噴射状態の解析の次に気筒#4での噴射状態の解析を行う場合は、気筒#1での噴射から気筒#4での噴射までの時間を算出する。
続いて、1つの気筒での噴射状態の解析に要する解析時間を算出する(S200)。具体的には、解析の開始から終了までの時間をタイマにより計測する。1つの気筒で複数段の噴射が行われる場合は、各段の噴射状態を解析して各段の解析時間の合計を解析時間とする。ここでは、前回の解析(最後の解析)で計測された解析時間を用いる。
続いて、上記噴射間隔以内(連続する気筒での噴射の合間、又は間欠的な解析気筒での噴射の合間)で噴射状態の解析が終了するように、サンプリングレートを設定する(S300)。このサンプリングレートの設定の詳細については後述する。
続いて、解析気筒を間引く必要があると判定されているか否か判定する(S400)。解析気筒を間引く必要があるか否かについては、上記サンプリングレートの設定に際して判定される。この判定についても後述する。
上記判定において、解析気筒を間引く必要があると判定されていると判定した場合(S400:YES)、解析気筒を間引いて間欠的に噴射状態の解析を行うように設定する(S500)。例えば、#1→#3→#4→#2の噴射順に対して、#1→#2→#4→#3→#1→・・・の順番で解析するように設定する。すなわち、#1について噴射状態を解析した後、#3,#4での噴射状態については解析を実施せず、その後、#2について噴射状態を解析する。この場合、解析対象となる燃料噴射弁10の順番が万遍なく循環して回ってくるので、所定期間において各燃料噴射弁10で実施される解析の累積回数が同一となる。その後、解析気筒を間引いて間欠的に噴射状態の解析を行う設定において、S100〜S400の処理を再度実行する。その場合には、S100で算出される噴射間隔が長くなり、それに応じてS300でサンプリングレートが設定される。
一方、上記判定において、解析気筒を間引く必要があると判定されていないと判定した場合(S400:NO)、設定されたサンプリングレートで、設定された解析気筒に対して噴射状態の解析を行う(S600)。その後、この一連の処理を一旦終了する(END)。
なお、S100の処理が噴射間隔算出部としての処理に相当し、S200の処理が解析時間算出部としての処理に相当し、S300の処理がレート変更部としての処理に相当し、S400及びS500の処理が解析間引き部としての処理に相当し、S600の処理が解析部としての処理に相当する。
次に、図4のS600において噴射状態を解析する手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図5に示す処理は、ECU30が有するマイコン34により、繰り返し実行される。
まず、予め設定された解析順の気筒において燃料噴射が実行されたか否か判定する(S605)。この解析順の気筒は、#1→#3→#4→#2の噴射順に、又は解析気筒が間引かれて間欠的に設定されている(図4のS400,S500)。
解析順の気筒において噴射が実行されたと判定した場合(S5:YES)、噴射状態の解析に用いる噴射成分Wbを、燃圧センサ20の検出値に基づき算出する(S610)。
図6は、S610のサブルーチン処理を示すフローチャートである。以下の説明では、燃料噴射中の気筒を噴射気筒、噴射気筒で燃料を噴射している時に噴射を停止させている気筒を参照気筒と称す。また、噴射気筒の燃料噴射弁10に搭載されている燃圧センサ20を噴射時センサ、参照気筒の燃料噴射弁10に搭載されている燃圧センサ20を非噴射時センサと称す。
まず、噴射時センサによる圧力検出値に基づいて、噴射に伴い生じた噴射時センサでの燃圧変化を表す噴射波形Wa(図7(a)参照)を生成する(S610a)。詳しくは、噴射時センサから出力されるアナログの検出値を、噴射気筒に対して設定されたサンプリングレートでサンプリングして複数の抽出値を取得する。そして、これらの抽出値をデジタルの検出値に変換し、これらのデジタルの検出値に基づいて燃料圧力の変化を表す噴射波形Waを生成する。ここで、サンプリングレートが低く、検出値同士の間隔が広い場合は、近似曲線等を用いて噴射波形Waを推定する。なお、ローパスフィルタ等の手段を用いて、生成した噴射波形Waから高周波ノイズを除去しておく。
続いて、非噴射時センサによる圧力検出値に基づいて、噴射気筒での噴射に伴い生じた非噴射時センサでの燃圧変化を表す参照波形Wu(図7(b)参照)を生成する(S610b)。詳しくは、非噴射時センサから出力されるアナログの検出値を、参照気筒に対して設定されたサンプリングレートでサンプリングして複数の抽出値を取得する。そして、これらの抽出値をデジタルの検出値に変換し、これらのデジタルの検出値に基づいて燃料圧力の変化を表す参照波形Wuを生成する。ここで、サンプリングレートが低く、検出値同士の間隔が広い場合は、近似曲線等を用いて参照波形Wuを推定する。
ちなみに、燃料ポンプ41からコモンレール42へ燃料を圧送するタイミングと噴射タイミングとが重複した場合には、参照波形Wuは図7(b)の実線に示すように、全体的に圧力が高くなった波形となる。一方、このようなポンプ圧送が燃料噴射中に行われなかった場合には、燃料を噴射した直後は、その噴射分だけコモンレール42内の燃圧が低下する。そのため、参照波形Wu’は図7(b)中の点線に示すように、全体的に圧力が低くなった波形となる。
このような参照波形Wu,Wu’の成分は、S610aで生成した噴射波形Waにも含まれている。換言すれば、噴射波形Waには、噴射による燃圧変化を表した噴射成分Wbと、参照波形Wu,Wu’の成分とが含まれている。
そこで、続いてS610aで生成した噴射波形Waから、S610bで生成した参照波形Wu,Wu’を差し引くことで(Wb=Wa−Wu)、噴射成分Wbを抽出する処理を行う(S610c)。
ここで、多段噴射を実施する場合には、前段噴射にかかる燃圧波形の噴射後の脈動であるうねり成分Wc(図2(c)参照)が、S610aで生成した噴射波形Waに重畳する。特に、前段噴射とのインターバルが短い場合には、噴射波形Waはうねり成分Wcの影響を大きく受ける。そこで、多段噴射を実施している場合(S610d:YES)、前段噴射のうねり成分Wcを噴射成分Wbから差し引くうねり除去処理を実施する(S610e)。
以上により、図6のサブルーチン処理を実施することで、噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxの算出(噴射状態の解析)に用いる噴射成分Wbが算出される。
なお、S610aの処理が噴射波形生成部としての処理に相当し、S610bの処理が参照波形生成部としての処理に相当し、S610c〜S610eの処理が演算部としての処理に相当する。
図5の説明に戻り(図2を併せて参照)、S610にて噴射成分Wbを算出した後、噴射成分Wbのうち、噴射開始に伴い燃圧が降下を開始するまでの期間に対応する部分の波形である基準波形に基づき、その基準波形の平均燃圧を基準圧力Pbaseとして算出する(S611)。
続いて、噴射成分Wbのうち、噴射率増大に伴い燃圧が降下していく期間に対応する部分の波形である降下波形に基づき、その降下波形の近似直線Lαを算出する(S612)。
続いて、噴射成分Wbのうち、噴射率減少に伴い燃圧が上昇していく期間に対応する部分の波形である上昇波形に基づき、その上昇波形の近似直線Lβを算出する(S613)。
続いて、基準圧力Pbaseに基づき基準値Bα,Bβを算出する(S614)。例えば、基準圧力Pbaseより所定量だけ低い値を基準値Bα,Bβとして算出すればよい。
続いて、近似直線Lαのうち基準値Bαとなる時期(LαとBαの交点時期LBα)を算出し、交点時期LBαに基づき噴射開始時期R1を算出する(S615)。例えば、交点時期LBαよりも所定の遅れ時間Cαだけ前の時期を、噴射開始時期R1として算出すればよい。
続いて、近似直線Lβのうち基準値Bβとなる時期(LβとBβの交点時期LBβ)を算出し、交点時期LBβに基づき噴射終了時期R4を算出する(S616)。例えば、交点時期LBβよりも所定の遅れ時間Cβだけ前の時期を、噴射終了時期R4として算出すればよい。
続くステップS617では、図2(b)に示す噴射率波形のうち噴射増加を示す直線Rαの傾きを、近似直線Lαの傾きに基づき算出する。例えば、Lαの傾きに所定の係数を掛けてRαの傾きを算出すればよい。なお、S615で算出した噴射開始時期R1とS617で算出したRαの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の上昇部分を表した直線Rαを特定することができる。さらに、S617では、噴射率波形のうち噴射減少を示す直線Rβの傾きを、近似直線Lβの傾きに基づき算出する。例えば、Lβの傾きに所定の係数を掛けてRβの傾きを算出すればよい。なお、S616で算出した噴射終了時期R4とS617で算出したRβの傾きに基づき、噴射指令信号に対する噴射率波形の降下部分を表した直線Rβを特定することができる。
続いて、S617で算出した噴射率波形の直線Rα,Rβに基づき、噴射終了を指令したことに伴い弁体12がリフトダウンを開始する時期(閉弁作動開始時期R23)を算出する(S618)。具体的には、両直線Rα,Rβの交点を算出し、その交点時期を閉弁作動開始時期R23として算出する。
続くS619では、S615で算出した噴射開始時期R1の噴射開始指令時期t1に対する遅れ時間(噴射開始遅れ時間td)を算出する。さらに、S619では、S618で算出した閉弁作動開始時期R23の噴射終了指令時期t2に対する遅れ時間(噴射終了遅れ時間te)を算出する。
続いて、基準圧力Pbaseと交点圧力Pαβとの圧力差ΔPγが所定値ΔPγth未満であるか否かを判定する(S620)。ΔPγ<ΔPγthと判定した場合(S620:YES)には、続くS621において、小噴射(噴射率が一定の最大値となる前に終了する噴射)であるとみなして、圧力差ΔPγに基づき最大噴射率Rmaxを算出する(Rmax=ΔPγ×Cγ)。一方、ΔPγ≧ΔPγthと判定した場合(S620:NO)には、続くS622において、予め設定しておいた値(設定値Rγ)を最大噴射率Rmaxとして算出する。
次に、図4のS300のサブルーチン処理(サンプリングレート設定)について、図8のフローチャートを用いて説明する。この一連の処理は、マイコン34によって実行される。
まず、各気筒の燃料噴射弁10により噴射が行われる合間に噴射状態の解析を行うためには、マイコン34の処理負荷をオーバーしているか否か判定する(S311)。具体的には、図4のS200で算出した解析時間が、S100で算出した噴射間隔に対して所定割合を超えているか否かを判定する。例えば、所定割合として、10割や9割を設定することができる。
S311の判定において、マイコン34の処理負荷をオーバーしていると判定した場合(S311:YES)、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが、下限値であるか否か判定する(S314)。この下限値は、要求される噴射精度に応じて設定されている。そして、要求される噴射精度は、燃料噴射システムの動作状態(コモンレール42内の圧力、要求噴射量、噴射間隔等)に応じて異なる。このため、上記下限値は、燃料噴射システムの動作状態に応じて設定されている。
S314の判定において、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが下限値でないと判定した場合(S314:NO)、参照気筒の圧力検出値に対するサンプリングレートを、マイコン34の処理負荷をオーバーしている程度に応じて下げる(S315)。具体的には、上記噴射間隔及び解析時間に基づいて、解析時間が噴射間隔の所定割合を超えないように、参照気筒での圧力検出値に対するサンプリングレートを設定する。詳しくは、サンプリングされる抽出値の数や、AD変換における演算負荷、噴射成分Wbの演算負荷、噴射率パラメータの演算負荷等を考慮して、サンプリングレートを設定する。なお、これらの条件と設定すべきサンプリングレートとの関係を、予め実験等により求めておいてもよい。
一方、S314の判定において、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが下限値であると判定した場合(S314:YES)、噴射照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが、下限値であるか否か判定する(S316)。噴射気筒でのサンプリングレートの下限値も、上記参照気筒でのサンプリングレートの下限値と同様に、要求される噴射精度に応じて設定されている。ここで、参照気筒における燃料圧力の変動は、噴射気筒における燃料圧力の変動よりも小さいため(図7参照)、噴射波形Waの生成と比較して参照波形Wuの生成は容易である。したがって、参照気筒でのサンプリングレートの下限値は、噴射気筒でのサンプリングレートの下限値よりも小さく設定されている。また、S314において参照気筒でのサンプリングレートが下限値であることを条件として(S314:YES)、噴射気筒でのサンプリングレートを下げる(S316,S317)。すなわち、噴射気筒でのサンプリングレートよりも、参照気筒でのサンプリングレートを優先的に下げる。
S316の判定において、噴射照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが下限値でないと判定した場合(S316:NO)、噴射気筒の圧力検出値に対するサンプリングレートを、マイコン34の処理負荷をオーバーしている程度に応じて下げる(S317)。具体的には、上記噴射間隔及び解析時間に基づいて、解析時間が噴射間隔の所定割合を超えないように、噴射気筒での圧力検出値に対するサンプリングレートを設定する。
一方、S316の判定において、噴射照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが下限値であると判定した場合(S316:YES)、解析気筒を間引いて間欠的に解析を行う必要があると判定する(S340)。すなわち、参照気筒及び噴射照気筒でのサンプリングレートを下限値まで下げても、各気筒の燃料噴射弁10により燃料が噴射される合間に、噴射状態の解析を終了させることができない場合には、各気筒の噴射に対して間欠的に解析を実施する。なお、このS340での判定結果に基づいて、図4のS400の判定が行われる。そして、S340の処理の後、このサブルーチン処理を終了し、図4のS400の処理へ移行する。
また、S311の判定において、マイコン34の処理負荷をオーバーしていないと判定した場合(S311:NO)、噴射気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値であるか否か判定する(S312)。この上限値は、全気筒での噴射状態を解析することが可能な範囲で設定されている。
S312の判定において、噴射気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値でないと判定した場合(S312:NO)、噴射気筒の圧力検出値に対するサンプリングレートを、マイコン34の処理負荷の余裕に応じて上げる(S318)。具体的には、上記噴射間隔及び解析時間に基づいて、解析時間が噴射間隔の所定割合と等しい又は所定割合よりも若干小さくなるように、噴射気筒での圧力検出値に対するサンプリングレートを設定する。
一方、S312の判定において、噴射気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値であると判定した場合(S312:YES)、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値であるか否か判定する(S313)。この上限値は、全気筒での噴射状態を解析することが可能な範囲で設定されている。
S313の判定において、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値でないと判定した場合(S313:NO)、参照気筒の圧力検出値に対するサンプリングレートを、マイコン34の処理負荷の余裕に応じて上げる(S319)。
そして、S315、S317、S319の処理の後、このサブルーチン処理を終了し、図4のS400の処理へ移行する。
また、S313の判定において、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値であると判定した場合(S313:YES)、エンジンの回転速度がスレッシュ値よりも高いか否か判定する(S321)。このスレッシュ値(所定回転速度)は、エンジンの過渡運転時に回転速度が上昇することにより、マイコン34の処理負荷をオーバーするか否か判定するための値に設定されている。
ここで、エンジンの回転速度が高くなるほど、気筒間での噴射間隔が短くなるため、噴射状態の解析に要する時間を短くする必要がある。この点、エンジンの回転速度がスレッシュ値よりも高い場合に、サンプリングレートが下げられる。
S322〜S329の処理は、上述したS312〜S319の処理とそれぞれ同一であるため、説明を省略する。
また、S323の判定において、参照気筒での圧力検出値に対して設定されたサンプリングレートが上限値であると判定した場合(S323:YES)、1燃焼行程における燃料噴射弁10による噴射段数がスレッシュ値よりも多いか否か判定する(S331)。このスレッシュ値(所定段数)は、エンジンの過渡運転時に噴射段数が増加することにより、マイコン34の処理負荷をオーバーするか否か判定するための値に設定されている。
ここで、各気筒における燃料噴射弁10による燃料の複数段の噴射に対して、各段の噴射状態が解析される。したがって、燃料の噴射段数が多くなるほど解析回数が多くなるため、噴射状態の解析に要する時間を短くする必要がある。この点、燃料噴射弁10による燃料の噴射段数がスレッシュ値よりも多い場合に、サンプリングレートが下げられる。
S332〜S339の処理は、上述したS312〜S319の処理とそれぞれ同一であるため、説明を省略する。そして、S333の処理の後、このサブルーチン処理を終了し、図4のS400の処理へ移行する。
なお、S315,S317,S318,S319,S325,S327,S328,S329,S335,S337,S338,S339の処理が、レート設定部としての処理に相当する。
図9は、噴射気筒及び参照気筒の実圧力変動とサンプル値とを示すタイムチャートである。なお、同図では、サンプリング間隔を誇張して広く(サンプリングレートを誇張して低く)示している。
全気筒での噴射状態を解析することができる場合には、同図に示すように噴射気筒及び参照気筒においてサンプリングレートが上げられる。すなわち、マイコン34の処理負荷をオーバーしない範囲で、噴射気筒及び参照気筒でのサンプリングレートができるだけ高く設定される。
図10は、噴射気筒及び参照気筒の実圧力変動、サンプル値、推定圧力変動を示すタイムチャートである。なお、同図でも、サンプリング間隔を誇張して広く(サンプリングレートを誇張して低く)示している。
現状のサンプリングレートでは全気筒での噴射状態を解析することができない場合には、同図に示すように参照気筒でのサンプリングレートが優先的に下げられる。すなわち、噴射気筒でのサンプリングレートを維持したまま、マイコン34の処理負荷をオーバーしないように参照気筒でのサンプリングレートが下げられる。この場合であっても、参照気筒における燃料圧力の変動は、噴射気筒における燃料圧力の変動よりも小さいため、実線で示すように推定圧力変動(参照波形Wu)の精度を確保することができる。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・燃圧センサ20の検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、燃料噴射弁10による燃料の噴射状態が解析される。このとき、各気筒の燃料噴射弁10により燃料が順次噴射される合間に上記解析が終了するように、サンプリングレートが変更される。このため、マイコン34の処理負荷を軽減して気筒間での噴射の合間に解析を終了させることができ、噴射状態の解析を各気筒の噴射順に連続して実施することができる。したがって、噴射状態の解析機会の減少を抑制することができる。
・各気筒の燃料噴射弁10により燃料が順次噴射される噴射間隔が算出される。また、上記解析に要する解析時間が算出される。そして、算出される解析時間が、算出される噴射間隔の所定割合を超えないように、サンプリングレートが設定される。したがって、マイコン34の処理負荷を、解析を終了することのできる処理負荷まで確実に軽減することができる。
・噴射気筒におけるサンプリングレートよりも、参照気筒におけるサンプリングレートが優先的に下げられる。このため、噴射状態を解析する精度を確保しつつ、マイコン34の処理負荷を軽減することができる。
・参照気筒におけるサンプリングレートが下限値まで下げられるまでは、噴射気筒におけるサンプリングレートが下げられない。このため、噴射波形Waを生成する精度が低下することを抑制しつつ、マイコン34の処理負荷を軽減することができる。
・参照気筒におけるサンプリングレートよりも、噴射気筒におけるサンプリングレートが優先的に上げられる。このため、マイコン34の処理負荷に余裕がある場合は、噴射状態を解析する精度を向上させることができる。
・燃料噴射システムの動作状態に応じて、サンプリングレートを変更する際の下限値が設定される。したがって、要求される噴射精度に応じて、マイコン34の処理負荷を軽減することができる。
・燃料噴射弁10による燃料の噴射段数がスレッシュ値よりも多い場合に、サンプリングレートが下げられる。このため、各気筒の燃料噴射弁10により燃料が順次噴射される合間に、マイコン34による解析を終了させ易くなる。なお、燃料噴射弁10による燃料の噴射段数が多いほど、サンプリングレートを下げてもよい。
・エンジンの回転速度がスレッシュ値よりも高い場合に、サンプリングレートが下げられる。このため、各気筒の燃料噴射弁10により燃料が順次噴射される合間に、マイコン34による解析を終了させ易くなる。なお、エンジンの回転速度が高いほど、サンプリングレートを下げてもよい。
・各気筒の燃料噴射弁10により燃料が順次噴射される合間に、マイコン34による解析を終了させることができない場合には、各気筒の噴射に対して間欠的に解析が実施させられる。したがって、マイコン34による噴射状態の解析が実施できない事態を避けることができる。
なお、上記実施形態に限らず、以下のように変更して実施してもよい。
・図8のS321では、エンジンの回転速度がスレッシュ値よりも高いか否か判定したが、これに代えて、エンジンの回転加速度がスレッシュ値(所定回転加速度)よりも高いか否か判定してもよい。
すなわち、エンジンの回転加速度が高いほど、エンジンの回転速度が高くなる可能性が高い。そして、エンジンの回転速度が高くなるほど、噴射状態の解析に要する時間を短くする必要がある。この点、エンジンの回転加速度がスレッシュ値よりも高い場合に、サンプリングレートが下げられる。このため、エンジンの回転速度が高くなることを予測して、マイコン34の処理負荷を軽減することができる。なお、エンジンの回転加速度が高いほどサンプリングレートを下げてもよい。また、回転加速度は加速度センサにより検出してもよいし、車両のアクセルペダルの踏み込み量等から推定してもよい。
・図8のS311〜S319の第1処理、S321〜S329の第2処理、及びS331〜S339の第3処理のうち、少なくとも1つの処理を実行すればよい。その場合も、マイコン34の処理負荷を軽減しつつ、解析機会の減少を抑制することができる。
・燃料の噴射状態に対する影響が小さい噴射率パラメータの算出に用いる検出値のサンプリングレートを、影響が大きい噴射率パラメータの算出に用いる検出値のサンプリングレートよりも下げてもよい。例えば、噴射開始遅れ時間の算出に用いる変化点P1〜変化点P2付近の検出値のサンプリングレートに対して、他の範囲の検出値のサンプリングレートを下げてもよい。
ここで、燃料の噴射精度に対する影響の大きさは、噴射率パラメータの種類によって異なる。この点、燃料の噴射状態に対する影響が小さい噴射率パラメータの算出に用いる検出値のサンプリングレートが、影響が大きい噴射率パラメータの算出に用いる検出値のサンプリングレートよりも下げられる。このため、噴射精度が低下することを抑制しつつ、マイコン34の処理負荷を軽減することができる。
・上記実施形態では、燃料噴射システムの動作状態に応じて、サンプリングレートを変更する際の下限値を設定したが、エンジンの運転状態に応じて下限値を設定してもよい。例えば、エンジンのアイドル運転状態では、要求される噴射精度が高くなるため、下限値を上げてもよい。
・上記実施形態では、圧力検出値に対するサンプリングレートを、マイコン34の処理負荷をオーバーしている程度に応じて下げたが、サンプリングレートを所定値ずつ下げてもよい。
・上記実施形態では、噴射状態の解析処理において解析の開始から終了までの時間をタイマにより計測して解析時間を算出したが、予め実験等により種々の条件における解析時間を算出しておいてもよい。
・上記各実施形態では、燃圧センサ20を燃料噴射弁10に搭載しているが、燃圧センサはコモンレール42の吐出口42aから噴射孔11bに至るまでの燃料供給経路内の燃圧を検出するよう配置された燃圧センサであればよい。よって、例えばコモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管42bに燃圧センサを搭載してもよい。すなわち、コモンレール42及び燃料噴射弁10を接続する高圧配管42bと、ボデー11内の高圧通路11aとが「燃料通路」に相当する。
・ディーゼルエンジンに限らず、デリバリパイプを備えるガソリン直噴エンジンに上述した燃料噴射状態解析装置を適用することもできる。
10…燃料噴射弁、11a…高圧通路、11b…噴射孔、20…燃圧センサ、30…ECU、34…マイコン、42a…吐出口、42b…高圧配管。

Claims (14)

  1. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え
    前記レート変更部は、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される噴射間隔を算出する噴射間隔算出部と、
    前記解析部による前記解析に要する解析時間を算出する解析時間算出部と、
    前記解析時間算出部により算出される前記解析時間が、前記噴射間隔算出部により算出される前記噴射間隔の所定割合を超えないように、前記サンプリングレートを設定するレート設定部と、
    を備えていることを特徴とする燃料噴射状態解析装置。
  2. 燃料噴射中の気筒を噴射気筒、前記噴射気筒で燃料を噴射している時に噴射停止させている気筒を参照気筒とした場合において、
    前記解析部は、
    前記噴射気筒に対応する燃圧センサにより検出される燃料圧力の変化を表した噴射波形を生成する噴射波形生成部と、
    前記参照気筒に対応する燃圧センサにより検出される燃料圧力の変化を表した参照波形を生成する参照波形生成部と、
    前記噴射波形から前記参照波形を差し引いた波形に基づき、前記噴射気筒での噴射状態を演算する演算部と、
    を有しており、
    前記レート変更部は、前記噴射気筒における前記サンプリングレートよりも、前記参照気筒における前記サンプリングレートを優先的に下げる請求項1に記載の燃料噴射状態解析装置。
  3. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え、
    燃料噴射中の気筒を噴射気筒、前記噴射気筒で燃料を噴射している時に噴射停止させている気筒を参照気筒とした場合において、
    前記解析部は、
    前記噴射気筒に対応する燃圧センサにより検出される燃料圧力の変化を表した噴射波形を生成する噴射波形生成部と、
    前記参照気筒に対応する燃圧センサにより検出される燃料圧力の変化を表した参照波形を生成する参照波形生成部と、
    前記噴射波形から前記参照波形を差し引いた波形に基づき、前記噴射気筒での噴射状態を演算する演算部と、
    を有しており、
    前記レート変更部は、前記噴射気筒における前記サンプリングレートよりも、前記参照気筒における前記サンプリングレートを優先的に下げることを特徴とする燃料噴射状態解析装置。
  4. 前記レート変更部は、前記参照気筒における前記サンプリングレートが下限値であることを条件として、前記噴射気筒における前記サンプリングレートを下げる請求項2又は3に記載の燃料噴射状態解析装置。
  5. 前記レート変更部は、前記燃料噴射システムの動作状態に応じて、前記サンプリングレートを変更する際の下限値を設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
  6. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え、
    前記レート変更部は、前記燃料噴射システムの動作状態に応じて、前記サンプリングレートを変更する際の下限値を設定することを特徴とする記載の燃料噴射状態解析装置。
  7. 前記解析部は、前記燃料の噴射状態を表す複数のパラメータを算出し、
    前記レート変更部は、前記燃料の噴射状態に対する影響が小さい前記パラメータの算出に用いる前記検出値の前記サンプリングレートを、前記影響が大きい前記パラメータの算出に用いる前記検出値の前記サンプリングレートよりも下げる請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
  8. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え、
    前記解析部は、前記燃料の噴射状態を表す複数のパラメータを算出し、
    前記レート変更部は、前記燃料の噴射状態に対する影響が小さい前記パラメータの算出に用いる前記検出値の前記サンプリングレートを、前記影響が大きい前記パラメータの算出に用いる前記検出値の前記サンプリングレートよりも下げることを特徴とする燃料噴射状態解析装置。
  9. 前記解析部は、各気筒における前記燃料噴射弁による燃料の複数段の噴射に対して各段の噴射状態を解析し、
    前記レート変更部は、前記燃料噴射弁による燃料の噴射段数が所定段数よりも多い場合に、前記サンプリングレートを下げる請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
  10. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え、
    前記解析部は、各気筒における前記燃料噴射弁による燃料の複数段の噴射に対して各段の噴射状態を解析し、
    前記レート変更部は、前記燃料噴射弁による燃料の噴射段数が所定段数よりも多い場合に、前記サンプリングレートを下げることを特徴とする記載の燃料噴射状態解析装置。
  11. 前記レート変更部は、前記機関の回転加速度が所定回転加速度よりも高い場合に、前記サンプリングレートを下げる請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
  12. 多気筒内燃機関の各気筒(#1〜#4)に設けられ、蓄圧容器(42)で蓄圧状態に保持された燃料を噴射する燃料噴射弁(10)と、
    前記蓄圧容器の吐出口(42a)から前記燃料噴射弁の噴射孔(11b)に至るまでの燃料通路(11a)内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(20)と、
    を備える燃料噴射システムに適用される燃料噴射状態解析装置(30)であって、
    前記燃圧センサの検出値を設定されたサンプリングレートでサンプリングした抽出値に基づいて、前記燃料噴射弁による燃料の噴射状態を解析する解析部(34)と、
    各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析が終了するように、前記サンプリングレートを変更するレート変更部(34)と、
    を備え、
    前記レート変更部は、前記機関の回転加速度が所定回転加速度よりも高い場合に、前記サンプリングレートを下げることを特徴とする燃料噴射状態解析装置。
  13. 前記レート変更部は、前記機関の回転速度が所定回転速度よりも高い場合に、前記サンプリングレートを下げる請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
  14. 各気筒の前記燃料噴射弁により燃料が順次噴射される合間に前記解析部による前記解析を終了させることができない場合に、各気筒の噴射に対して間欠的に前記解析部により前記解析を実施させる解析間引き部を備える請求項1〜13のいずれか1項に記載の燃料噴射状態解析装置。
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