JP2012001173A - タイヤ情報を送信する送信装置およびタイヤ情報監視システム - Google Patents

タイヤ情報を送信する送信装置およびタイヤ情報監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、依然としてタイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に検出し送信できる送信装置およびタイヤの異常の有無を判定するタイヤ情報監視システムを提供する。
【解決手段】タイヤ情報監視システムに用いる送信装置は、タイヤ情報を検出するセンサと、検出したタイヤ情報を無線により送信する送信機と、前記センサおよび前記送信機を覆う壁を備え、前記壁により前記タイヤ空洞領域から画された内部空間を備え、前記壁を貫通して前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔が設けられた筐体と、を有する。筐体に設けられた通気孔の周りには、可撓性を有するフィラメントが複数前記筐体の表面から立設しているブラシ状領域が形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、タイヤ空洞領域内に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を送信する送信装置、およびタイヤの異常の有無を判定するタイヤ情報監視システムに関する。
従来より、車両に装着されたタイヤの空気圧を点検管理することが、タイヤの耐久性向上、耐摩耗性向上、燃費の向上、あるいは、乗り心地の向上、さらには、操縦性能の向上の点で望まれている。このため、タイヤの空気圧を監視するシステムが種々提案されている。このシステムは、一般的に、車輪に装着されたタイヤの空気圧の情報を検出し、その情報を送信する送信装置を各車輪のタイヤ空洞領域に設けるとともに、各タイヤの空気圧の情報を送信装置から取得してタイヤの空気圧を監視する。
一方、タイヤがパンクしたときに、タイヤとリムとにより挟まれたタイヤ空洞領域内に注入するパンク修理剤がよく用いられている。このパンク修理剤は液体であるため、パンク修理剤がタイヤ空洞領域に注入されると、タイヤ空洞領域内に面するタイヤ内表面の他、タイヤ空洞領域に設けられた送信装置にもパンク修理剤が付着し、場合によっては固化して送信装置に設けられた開口部を塞ぎ、空気圧の計測に影響を与えるといった問題がある。
この問題に対して、検出用の連通部からの異物の侵入を防止して、正常な検出状態を保持することができる車輪状態検出装置が提案されている(特許文献1)。
具体的には、車輪状態検出装置のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)バルブには、ケースに設けられた連通孔を開閉する連通部開閉機構が設けられている。パンク修理の際にそのパンク修理剤が連通孔を介して検出空間に侵入するのが規制される。この連通部開閉機構は、蓋体およびねじりコイルばねを含むメカ的機構により構成され、車輪に作用する遠心力により連通孔が自動的に開閉されるようになっている。
さらに、パンク修理時、パンク修理剤を使用した場合、その後、タイヤ空気圧が低下する可能性があることを乗員に知らせることができるタイヤ空気圧監視システムおよびタイヤ空気圧センサユニットも提案されている(特許文献2)。
具体的には、タイヤ空気圧監視システムは、車両の各タイヤに設けられ、空気圧センサと送信機を有するセンサユニットと、該センサユニットからの電波を受信する受信機と、各タイヤの空気圧が閾値以下となった場合、警報を出す制御ECUと、を備える。このシステムにおいて、各タイヤのパンクを判定するパンク判定手段と、パンクと判定された後、パンク修理剤を使用してパンクを修理したか否かを判定するパンク修理剤使用判定手段と、を設け、前記制御ECUは、パンクしたタイヤがパンク修理剤を使用して修理したと判定されると、前記空気圧センサからのタイヤ空気圧値が正常値であっても警報を継続する。
特開2008−62730号公報 特開2007−196834号公報
特許文献1に記載の装置の連通部開閉機構は、蓋体およびねじりコイルばねを含むメカ的機構により構成されるので、装置自体が複雑になり、コストもかかるといった問題が生じる。
特許文献2に記載のシステムおよびユニットは、パンク修理剤を使用してタイヤを修理した後において計測されたタイヤの空気圧の情報が正しいか否かがわからない。このため、パンク修理後において、タイヤの異常の有無を判定することはできない。
そこで、本発明は、上記従来技術とは異なる新たな方式により、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、依然としてタイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に検出し送信できる送信装置およびタイヤの異常の有無を判定するタイヤ情報監視システムを提供することを目的とする。
本発明の一つの態様は、タイヤ空洞領域に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を送信する送信装置である。
当該送信装置は、タイヤとリムで囲まれたタイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
検出した前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
前記センサおよび前記送信機を覆う壁を備え、前記壁により前記タイヤ空洞領域から画された内部空間を備え、前記壁を貫通して前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔が設けられた筐体と、を有し、
前記通気孔の周りには、可撓性を有するフィラメントが複数前記筐体の表面から立設しているブラシ状領域が形成されている。
その際、前記フィラメントの材質は、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、および、ナイロン66から選ばれる熱可塑性樹脂であり、前記フィラメントの直径は1mm以下であることが好ましい。
前記ブラシ状領域の前記フィラメントの密度は、100mm2当たり30本以上である、ことが好ましい。
前記ブラシ状領域は、前記通気孔の周りに環状に形成され、前記環状のブラシ状領域の幅は10mm以上である、ことが好ましい。
また、前記ブラシ状領域は、前記通気孔の周りに環状に形成され、前記環状のブラシ状領域の内側の縁は、前記通気孔から2mm以上10mm以下離れている、ことが好ましい。
なお、前記ブラシ状領域の内側の縁と前記通気孔との間の領域は、撥水処理が施されている、ことが好ましい。
また、前記フィラメントの材質は、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、および、ナイロン66から選ばれる熱可塑性樹脂であり、前記フィラメントの立設する高さは、3mm以上10mm以下であることが好ましい。
立設する前記フィラメントの先端部には、前記フィラメントの基部および中間部に比べて直径が太くなった径拡大部が設けられている、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の一態様は、タイヤ状態監視システムである。
前記システムは、送信装置と、受信装置と、監視部と、を備える。
前記送信装置は、
タイヤとリムで囲まれたタイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
検出した前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
前記センサおよび前記送信機を覆う壁を備え、前記壁により前記タイヤ空洞領域から画された内部空間を備え、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する、前記壁を貫通する通気孔が設けられた筐体と、を有し、
前記通気孔の周りには、可撓性を有するフィラメントが複数前記筐体の表面から立設しているブラシ状領域が形成されている。
前記受信装置は、前記送信機から送信された前記タイヤ情報を受信する。
前記監視部は、前記タイヤ情報に基づいて、タイヤの異常の有無を判定し、判定結果を報知する。
上述の送信装置およびタイヤ情報監視システムは、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に計測し取得することができる。
タイヤ情報監視システムの一実施形態であるタイヤ空気圧モニタリングシステムの全体概要を示す図である。 図1に示す送信デバイスがタイヤ空洞領域内に固定される方法の一例を説明する図である。 図2に示す送信デバイスがタイヤバルブと一体化したデバイス全体を示す斜視図である。 図3に示すA−A線に沿った送信デバイスの矢視断面図である。 図1に示す送信デバイスの回路構成図である。 本実施形態の送信デバイスのブラシ状領域を説明する図である。 (a),(b)は、本実施形態の送信デバイスに設けられるブラシ状領域のフィラメントを説明する図である。 図1に示す監視装置の回路構成図である。
以下、本発明の送信装置およびタイヤ情報監視システムについて詳細に説明する。
(タイヤ空気圧モニタリングシステムの概要)
図1は、タイヤ情報監視システムの実施形態であるタイヤ空気圧モニタリングシステム10の全体概要を示す図である。
タイヤ空気圧モニタリングシステム(以下、システムという)10は、車両12に搭載されている。システム10は、車両12の各車輪のタイヤ14a,14b,14c,14dの各タイヤ空洞領域に設けられた空気圧情報送信デバイス(以下、送信デバイスという)16a,16b,16c,16dと、監視装置18と、を有する。
送信デバイス16a,16b,16c,16dは、いずれもタイヤとリムで囲まれたタイヤ空洞領域に充填される空気圧に関する情報を、タイヤ情報として検出し、このタイヤ情報を監視装置18に無線で送信する。以降、送信デバイス16a,16b,16c,16dをまとめて説明するとき、送信デバイス16a,16b,16c,16dを総称して送信デバイス16という。
(送信デバイスの構成)
図2は、送信デバイス16がタイヤ空洞領域内に固定される方法の一例を説明する図である。図3は、図2に示す送信デバイス16がタイヤバルブ20と一体化したデバイス全体を示す斜視図である。
送信デバイス16は、タイヤ空洞領域の側に延びるタイヤバルブ20の端部に設けられ、図2に示すように、タイヤバルブ20がリム19に機械的に固定されることにより、タイヤ空洞領域内に固定されて配置される。
図4は、図3に示すA−A線に沿った送信デバイス16の矢視断面図である。図4に示すように、送信デバイス16は、筐体22と、筐体22の内部に設けられた回路24を有する。回路24は、基板26と、基板26に設けられたセンサユニット28と、送信機30と、処理ユニット32と、電源部34と、アンテナ40(図5参照)と、を有する。筐体22には、筐体22の内部空間とタイヤ空洞領域の間を連通する、筐体2の壁を貫通する通気孔36が設けられている。筐体22の表面には、通気孔36の周りを取り囲むように、筐体22の表面から多数のフィラメント37が立設したブラシ状領域39が形成されている。ブラシ状領域39については後述する。
図5は、送信デバイス16の回路構成図である。
センサユニット28は、空気圧センサ28aとA/D変換器28bを有する。空気圧センサ28aは、筐体22内の内部空間38の空気圧を感知し、圧力信号を出力する。筐体22内の内部空間38は、筐体22に設けられた通気孔36(図4参照)を介してタイヤ空洞領域の空間と連通している。
A/D変換器28bは、空気圧センサ28aから出力された圧力信号をデジタル変換し、圧力データを出力する。
処理ユニット32は、中央処理部32aと記憶部32bとを有する。中央処理部32aは、記憶部32bの半導体メモリに格納されているプログラムに基づいて動作する。中央処理部32aは、電力が供給されて駆動すると、センサユニット28から送られてくる圧力データを所定時間間隔、例えば5分毎に、送信機30を介して監視装置18に空気圧の情報である圧力データを送信するように制御する。記憶部32bには送信デバイス16に固有の識別情報が予め記憶されており、中央処理部32aは圧力データと共に識別情報を監視装置18に送信するように制御する。
記憶部32bは、中央処理部32aを動作するプログラムが記録されているROMと、例えばEEPROM等の書き換え可能な不揮発性のメモリとを備える。送信デバイス16の固有の識別情報は、記憶部32bの書き換え不可領域に記憶されている。
送信機30は、発振回路30aと、変調回路30bと、増幅回路30cとを有する。
発振回路30aは、搬送波信号、例えば315MHz帯の周波数のRF信号を生成する。
変調回路30bは、中央処理部32aから送られた圧力データと送信デバイス16に固有の識別情報とを用いて、搬送波信号を変調して送信信号を生成する。変調方式は、振幅偏移変調(ASK)、周波数変調(FM)、周波数偏移変調(FSK)、位相変調(PM)、位相偏移変調(PSK)等の方式を用いることができる。
増幅回路30cは、変調回路30bで生成された送信信号を増幅する。増幅された送信信号は、アンテナ40を介して、監視装置18に無線で送信される。
電源部34は、例えば二次バッテリが用いられ、半永久的にセンサユニット28と、送信機30と、処理ユニット32と、に電力を供給する。
このような回路24を覆う筐体22には、図4に示すように、筐体22の内部空間38を覆う壁を貫通した通気孔36が設けられている。通気孔36の開口部の周囲には、可撓性を有するフィラメント37が多数立設したブラシ状領域39が設けられている。
このように、ブラシ状領域39を設けるのは、タイヤのパンク時、パンク修理剤をタイヤ空洞領域に注入しても、筐体22の内部空間38とタイヤ空洞領域との連通が維持されるようにするためである。ブラシ状領域39が通気孔36の開口部を取り巻くように設けられることにより、通気孔36がパンク修理剤によって閉塞されにくくなる。
パンク修理剤は、一般的に、その性質上振動等を受けることにより硬化し易くなる。このため、パンク修理剤が筐体22に付着して筐体22の表面を伝って通気孔36の方向に流れる場合、パンク修理剤は、ブラシ状領域39の可撓性を有するフィラメント37を通る。このとき、フィラメント37は、タイヤの転動によって前後左右に振動するため、パンク修理剤はフィラメント37によって硬化する。このため、パンク修理剤は、通気孔36に到達しない。
また、ブラシ状領域39のフィラメント37は可撓性を有するので、筐体22の表面からフィラメント37が突出しても、リム組時リム組レバーやタイヤのビード部と干渉し、リム組みを阻止することはない。
フィラメント37の材質は、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、および、ナイロン66から選ばれる熱可塑性樹脂であり、フィラメント37の直径は1mm以下であることが、フィラメント37が可撓性を有する点で、好ましい。
図6および図7(a),(b)はフィラメント37およびブラシ状領域39の寸法を示す。
フィラメント37の立設する高さB(図7(a),(b)参照)は、3mm以上10mm以下であることが好ましい。高さBが3mm未満である場合、可撓性が無くなり、筐体22の上方から飛散したパンク修理剤が、フィラメント37の振動により硬化し難くなり、その結果、パンク修理剤が通気孔36に流れ込みやすくなる。一方、高さBが10mmを超える場合、パンク修理剤はフィラメント37を伝って通気孔36に近づきやすくなる、
また、ブラシ状領域39には、フィラメント37の密度が100mm2当たり30本以上であることが好ましい。ブラシ状領域39のフィラメント37が上記密度の範囲にあることにより、パンク修理剤がブラシ状領域39において滞留し、硬化し易くなり、通気孔36に到達し難くなる。
また、ブラシ状領域39は、通気孔36の周りに環状に形成され、環状のブラシ状領域39の幅C(図6参照)は10mm以上であることが好ましい。ブラシ状領域39の幅Cが10mm未満であるとき、幅Cが狭すぎて、筐体22の表面上を伝って通気孔36の開口部の周囲から流れるパンク修理剤の滞留および硬化が十分でなく、さらに、パンク修理剤の飛散に対する通気孔36の保護は十分でなくなる。
また、ブラシ状領域39は、通気孔36の周りに環状に形成され、環状のブラシ状領域39の内側の縁は、通気孔36の縁から2mm以上10mm以下離れている、ことが好ましい。すなわち、図6に示す距離Aが2mm以上10mm以下であることが好ましい。距離Aが10mmを超える場合、パンク修理剤が飛散によりブラシ状領域39の内側の領域に付着する可能性があるためである。また、距離Aが2mm未満である場合、ブラシ状領域39の内側の縁に位置するフィラメント37に付着したパンク修理剤がこのフィラメント37を伝って通気孔36に移動し易くなるためである。
なお、ブラシ状領域39において立設するフィラメント37の先端部には、図7(a)に示すように、フィラメント37の基部および中間部に比べて直径が太くなった径拡大部37aが設けられていることが好ましい。フィラメント37に径拡大部37aが設けられることにより、パンク修理剤が筐体22の上方から飛散してフィラメント37に付着する場合、径拡大部37aに付着し易いので、径拡大部37aに付着したパンク修理剤は、隣接するフィラメント37の径拡大部37aとの間で揉まれて硬化しやすくなる。このため、通気孔36へ到達する可能性は少なくなる。図7(b)に示すように、フィラメント37に径拡大部37aが設けられない構成であってもよい。しかし、より効果的に、通気孔36にパンク修理剤が到達しないために、径拡大部37aがフィラメント37に設けられることが好ましい。
筐体22の表面において、ブラシ状領域39の内側の縁と通気孔36との間の領域(図6に示す距離Aで示される領域)は、撥水処理が施されていることが好ましい。
撥水処理として、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは、有機シリル基またはフルオロアルキル基等をグラフトさせた変性樹脂等が表面に膜として形成される。また、撥水性を発現する微細な凹凸パターンを、通気孔36の開口部を取り巻く領域の面に形成される。さらに、通気孔36の内周面に撥水処理が施されてもよい。通気孔36の開口部を取り巻く領域の面、あるいは通気孔36の内周面に対して撥水処理を施すことにより、この領域に飛散するパンク修理剤ははじかれてパンク修理剤が付着する可能性が低くなる。このため、パンク修理剤がこの領域に付着して通気孔36を閉塞する可能性は極めて低下する。
なお、本実施形態の送信デバイス16は、タイヤ空洞領域内に充填された空気圧を、空気の状態として検出するが、検出する対象は、空気圧の他に、タイヤ空洞領域内の空気の温度であってもよい。また、タイヤ空洞領域内の空気圧および空気の温度であってもよい。
また、送信デバイス16は、タイヤバルブ20に固定される他、タイヤ空洞領域に面したタイヤ内表面あるいは、タイヤ空洞領域に面したリム19の表面に直接固定されてもよい。
(監視装置の構成)
図8は、監視装置18の回路構成図である。
監視装置18は、例えば車両10の運転席の位置に配置され、運転者に空気圧の情報を報知する。監視装置18は、アンテナ52と、受信部54と、受信バッファ56と、中央処理部58と、記憶部60と、操作部62と、スイッチ64と、表示制御部66と、表示部68と、電源部70と、を有する。
アンテナ52は、送信デバイス16の送信周波数と同じ周波数に整合され、受信部54に接続されている。
受信部54は、送信デバイス16から送信された所定の周波数の送信信号を受信し、復調処理をして圧力データと識別情報のデータを取り出す。このデータは、受信バッファ56に出力する。
受信バッファ56は、受信部54から出力された圧力データと識別情報のデータを一時的に格納する。格納された圧力データと識別情報のデータは、中央処理部58からの指示にしたがって、中央処理部58に出力される。
中央処理部58は、主にCPUで構成され、記憶部60に記憶されているプログラムに基づいて動作する。中央処理部58は、受信した圧力データと識別情報のデータに基づいて、識別情報毎にタイヤ14a〜14dの空気圧を監視する。具体的には、圧力データに基づいて、タイヤ14a〜14dの異常の有無を判定し、判定結果を運転者に報知する。タイヤの異常の有無を判定するとは、例えば、空気圧が異常に低くなり、あるいは短時間に急激に低下し、タイヤがパンクしているか否かを判定することをいう。
中央処理部58は、判定結果を表示制御部66に出力し、表示制御部66を介して判定結果を表示部68に出力させる。
さらに、中央処理部58は、操作部62からの情報やスイッチ64からの情報に応じて、送信デバイス16との間の通信方式等の初期設定を行う。また、操作部62からの情報により、中央処理部58においてタイヤの異常の有無の判定を行うための判定条件を設定することもできる。
記憶部60は、中央処理部58のCPUを動作するプログラムが記憶されたROMと、EEPROM等の不揮発性メモリとを有する。この記憶部60には、製造段階で、送信デバイス16との間の通信方式のテーブルが記憶されている。送信デバイス16と監視装置18は、初期段階において予め設定されている通信方式で通信する。通信方式テーブルには、送信デバイス16のそれぞれの固有の識別情報に対応して、通信プロトコル、転送ビットレート、データフォーマット等の情報が含まれている。これらの情報は、操作部62からの入力により自在に設定変更をすることができる。
操作部62は、キーボード等の入力デバイスを含み、各種情報や条件を入力するために用いられる。スイッチ64は、初期設定の開始を中央処理部58に指示するために用いられる。
表示制御部66は、中央処理部58からの判定結果に応じて、タイヤ14a〜14dの装着位置に対応させてタイヤの空気圧を表示部68に表示させるように制御する。その際、表示制御部66は、タイヤがパンク状態にあるといった判定結果も、表示部68に同時に表示させるように制御する。
電源部70は、車両10に搭載されているバッテリから供給された電力を、監視装置18の各部分に適した電圧に制御して、図示されない電源ラインを通して電力を供給する。
このように、送信デバイス16と監視装置18は構成される。
上述したように、送信デバイス16の筐体22の通気孔36の開口部の周囲には、ブラシ状領域39が形成されているので、通気孔36がパンク修理剤で閉塞される可能性はきわめて低い。このため、筐体22の内部空間38とタイヤ空洞領域との間の連通を維持することができる。
(実施例1〜5、従来例)
以下、本実施形態の効果を調べるために、送信デバイスにおいて、種々のブラシ状領域39を作製した。
まず、実施例1〜5および従来例を用いて、距離A(図6参照)と高さB(図7(a),(b)参照)を種々変化させた。
実施例1〜5では、いずれもフィラメント37を筐体22の表面に設け、フィラメント37の太さを0.5mm、フィラメント37の密度を100mm2当たり50本とし,ブラシ状領域39の幅Cを20mmに固定した。フィラメント37の材質としてナイロン66を用いた。
従来例は、ブラシ状領域39を設けない構成とした。
送信デバイスを評価する際、195/65R15の乗用車用タイヤを用い、タイヤの空気圧を200kPaとした。ドラム走行試験を行う前に、パンク修理剤をタイヤ空洞領域に略450ml注入し、システム10で計測される空気圧の値が、正しい空気圧に対して5%低下する、すなわち誤動作をするまでの時間を調べた。
表1に実施例1〜5および従来例の仕様と、その評価結果を示す。
表1の評価結果から判るように、従来例に対して誤動作するまでの時間が実施例1〜5では圧倒的に長く、通気孔36にパンク修理剤が付着し難いことがわかる。特に、径拡大部37aをフィラメント37に設けた実施例5は、空気圧の誤動作をしない。
(実施例6〜8)
次に、フィラメント37の太さ(直径)の効果について調べた。
フィラメント37の太さを種々変更した実施例6〜8を作製した。実施例6〜8におけるフィラメント37の密度、距離A、高さB、幅Cは、実施例1のフィラメント37の密度、距離A、高さB、幅Cに揃えた。フィラメント37の材質としてナイロン66を用いた。
評価には、上記評価方法と同様の方法が用いられ、システム10が誤動作するまでの時間で評価した。
下記表2に、実施例1とともに、実施例6〜8の仕様と、その評価結果を示す。
表2より判るように、フィラメントの太さ(直径)は1mm以下である実施例1,6,7において、誤動作するまでの時間が長い。これより、フィラメントの太さ(直径)は1mm以下であることが好ましい。
(実施例9〜11)
次に、フィラメント37の密度の効果について調べた。
フィラメント37の密度を種々変更した実施例9〜11を作製した。実施例9〜11におけるフィラメント37の太さ、距離A、高さB、幅Cは、実施例1のフィラメント37の太さ、距離A、高さB、幅Cに揃えた。フィラメント37の材質としてナイロン66を用いた。
評価には、上記評価方法と同様の方法が用いられ、システム10が誤動作するまでの時間で評価した。
下記表3に、実施例1とともに、実施例9〜11の仕様と、その評価結果を示す。
表3から判るように、密度は100mm2当たり30本以上である実施例1,9,10は、実施例11に対して、誤動作するまでの時間が極めて長い。これより、フィラメント37の密度は、100mm2当たり30本以上であることが好ましい。
(実施例12〜14)
次に、ブラシ状領域39の幅Cの効果について調べた。
ブラシ状領域39の幅Cを種々変更した実施例12〜14を作製した。実施例12〜14におけるフィラメント37の太さ、密度、距離A、高さBは、実施例1のフィラメント37の太さ、密度、距離A、高さBに揃えた。フィラメント37の材質としてナイロン66を用いた。
評価には、上記評価方法と同様の方法が用いられ、システム10が誤動作するまでの時間で評価した。
下記表4に、実施例1とともに、実施例12〜14の仕様と、その評価結果を示す。
表4より判るように、幅Cが10mm以上である実施例1、12,13は、幅Cが10mm未満の実施例14に対して、誤動作するまでの時間が極めて長い。これより、幅Cは10mm以上であることが好ましい。
以上、本発明の送信装置およびタイヤ情報監視システムについて詳細に説明したが、本発明の送信装置およびタイヤ情報監視システムは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 タイヤ空気圧モニタリングシステム
12 車両
14,14a,14b,14c,14d タイヤ
16,16a,16b,16c,16d 空気圧情報送信デバイス
18 監視装置
19 リム
20 タイヤバルブ
22 筐体
24 回路
26 基板
28 センサユニット
28a 空気圧センサ
28b A/D変換器
30 送信機
32 処理ユニット
34 電源部
36 通気孔
37 フィラメント
37a 径拡大部
38 内部空間
39 ブラシ状領域
40 アンテナ
42 開口部
52 アンテナ
54 受信部
56 受信バッファ
58 中央処理部
60 記憶部
62 操作部
64 スイッチ
66 表示制御部
68 表示部
70 電源部

Claims (9)

  1. タイヤ空洞領域に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を送信する送信装置であって、
    タイヤとリムで囲まれたタイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
    検出した前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
    前記センサおよび前記送信機を覆う壁を備え、前記壁により前記タイヤ空洞領域から画された内部空間を備え、前記壁を貫通して前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔が設けられた筐体と、を有し、
    前記通気孔の周りには、可撓性を有するフィラメントが複数前記筐体の表面から立設しているブラシ状領域が形成されている、ことを特徴とする送信装置。
  2. 前記フィラメントの材質は、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、および、ナイロン66から選ばれる熱可塑性樹脂であり、前記フィラメントの直径は1mm以下である、請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記ブラシ状領域の前記フィラメントの密度は、100mm2当たり30本以上である、請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記ブラシ状領域は、前記通気孔の周りに環状に形成され、前記環状のブラシ状領域の幅は10mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の送信装置。
  5. 前記ブラシ状領域は、前記通気孔の周りに環状に形成され、前記環状のブラシ状領域の内側の縁は、前記通気孔から2mm以上10mm以下離れている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送信装置。
  6. 前記ブラシ状領域の内側の縁と前記通気孔との間の領域は、撥水処理が施されている、請求項5に記載の送信装置。
  7. 前記フィラメントの材質は、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、および、ナイロン66から選ばれる熱可塑性樹脂であり、前記フィラメントの立設する高さは、3mm以上10mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の送信装置。
  8. 立設する前記フィラメントの先端部には、前記フィラメントの基部および中間部に比べて直径が太くなった径拡大部が設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の送信装置。
  9. タイヤ状態監視システムであって、
    前記システムは、送信装置と、受信装置と、監視部と、を備え、
    前記送信装置は、
    タイヤとリムで囲まれたタイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
    検出した前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
    前記センサおよび前記送信機を覆う壁を備え、前記壁により前記タイヤ空洞領域から画された内部空間を備え、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する、前記壁を貫通する通気孔が設けられた筐体と、を有し、
    前記通気孔の周りには、可撓性を有するフィラメントが複数前記筐体の表面から立設しているブラシ状領域が形成され、
    前記受信装置は、前記送信機から送信された前記タイヤ情報を受信し、
    前記監視部は、前記タイヤ情報に基づいて、タイヤの異常の有無を判定し、判定結果を報知する、ことを特徴とするタイヤ状態監視システム。
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