JP2012000834A - ヘッド制御装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路及びヘッドともに、少ない面積、論理素子にて構成が可能であり、小型化・低コスト化を実現し、1つのヘッド制御装置により複数のヘッドモジュールを制御する。
【解決手段】複数個のヘッドモジュール(12a,12b)に対し、各ヘッドモジュール内のノズルの吐出動作を制御するためのノズル制御データを、ヘッドモジュール単位で時分割に出力するデータ転送制御回路(24)と、データ転送制御回路(24)から出力されたノズル制御データの信号を複数のヘッドモジュール(12a,12b)に対して共通に伝送するデータバス(42)と、データバス(42)を介して供給されるノズル制御データをヘッドモジュールに設定するためのデータラッチ信号を出力するラッチ信号送信回路(24)と、各ヘッドモジュールの吐出エネルギー発生素子を駆動するための駆動電圧信号を出力する駆動電圧出力回路(28)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェット方式の液滴吐出ヘッドを駆動制御するヘッド制御装置に係り、特に複数のヘッドモジュールの吐出動作を制御する制御回路の構成及びこれを用いたインクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、インクジェット方式のプリンタに用いられるプリントヘッドを構成するヘッドチップにおける複数のインク吐出機構を所定個数ずつグループ化し、このグループ化されたブロック毎に同時並列的に分割駆動する制御方式を採用する構成において、制御信号線を削減する技術が開示されている。特許文献1によれば、ヘッドチップの駆動回路にシリアル・パラレル変換回路が搭載され、分割駆動のための駆動データとデータ転送クロックの2本の信号を入力し、分割駆動用のデータをヘッド側のシリアル・パラレル変換回路によりパラレル変換する構成が採用されている。
特許文献2は、インクジェット記録ヘッドの駆動回路内における制御信号線の形成領域を削減する目的で、時分割駆動されるブロック(グループ)の数よりも少ない本数の制御信号線と、これら複数の制御信号線に供給されるビット信号の組み合わせによって駆動すべきヒータ(吐出エネルギー発生手段)を時分割に指定する論理回路と、を備える構成を提案している。
特開2003−320671号公報 特開2005−66905号公報
特許文献1は、1つのヘッドを複数ブロック(ノズルグループ)に分割して、分割したブロック間にてデータ信号線を共通化している。しかし、特許文献1の構成は、ヘッドの駆動回路にシリアル・パラレル変換回路を搭載する必要があり、デコーダの処理は複雑となる。
一方、特許文献2では、ヘッドに入力されたノズル制御データをヘッド内部の多数の論理素子でデコードし、吐出させる素子を選択している。このような構成は、ヘッドへの入力データ数(信号線本数)は削減できるが、ヘッド側に搭載するデコード回路の論理素子が必要なため、多数のロジックICが必要となっている。近年では集積ICで実現する手段も考えられるが、小型化、コストダウンのためには望ましくない構成である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、回路及びヘッドともに、少ない面積、論理素子にて構成が可能であり、小型化・低コスト化を実現し、1つのヘッド制御装置により複数のヘッドモジュールを制御することができるヘッド制御装置及びこれを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために以下の発明態様を提供する。
(発明1):発明1に係るヘッド制御装置は、複数のノズルと各ノズルに対応する吐出エネルギー発生素子とを有するヘッドモジュールが複数個配置されて成る記録ヘッドに接続され、当該記録ヘッドの各ノズルからの液滴の吐出を制御するヘッド制御装置であって、前記複数個のヘッドモジュールに対し、各ヘッドモジュール内のノズルの吐出動作を制御するためのノズル制御データを、ヘッドモジュール単位で時分割に出力するデータ転送制御回路と、前記データ転送制御回路から出力された前記ノズル制御データの信号を前記複数のヘッドモジュールに対して共通に伝送する信号伝送路として前記複数のヘッドモジュールについて共用されるデータバスと、前記データ転送制御回路から前記データバスを介して前記各ヘッドモジュールに対して共通に供給されるヘッドモジュール毎のノズル制御データを、該当するヘッドモジュールのノズル制御データとして設定するために、対応するヘッドモジュールに応じたタイミングでデータラッチ信号を出力するラッチ信号送信回路と、前記各ヘッドモジュールの前記吐出力発生素子を駆動するための駆動電圧信号を出力する駆動電圧出力回路と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、データ転送制御回路から各ヘッドモジュールにノズル制御データを伝送するためのデータバスを複数個のヘッドモジュールにて共通化したことにより、データ転送制御回路のICピン数や、回路基板上の配線パターンを削減することができる。本発明によれば、共通のデータバスによって時間順に送られるモジュール毎のノズル制御データは複数のヘッドモジュールに対して同時に供給(配信)される。時分割で順番に送られるモジュール毎のノズル制御データの送信順番に応じて、該当するヘッドモジュールにラッチ信号が与えられることで、各ヘッドモジュールのノズル制御データが確定する。
このように、ヘッドモジュール毎の時分割制御を行うための論理制御は、制御信号発生側で管理するため、従来構成(特許文献1,2)と比較して、回路、ヘッドともに、少ない面積、論理素子にて構成が可能である。
また、本発明によれば、制御回路側のデータバスを共通化したことで、従来の省配線ヘッド(特許文献1)を使用できないシステムであっても、小型化の構成が可能となる。
本発明によれば、1つのヘッド制御装置にて複数個のヘッドモジュールを制御することができ、小型化、低コスト化を実現できる。
「吐出エネルギー発生素子」として、圧電素子を用いる態様(ピエゾジェット方式)や、静電アクチュータを用いる態様、サーマルジェット方式における発熱素子(ヒータ)を用いる態様などがある。
(発明2):発明2に係るヘッド制御装置は、発明1において、前記記録ヘッドは、被描画媒体の幅方向に前記複数個のヘッドモジュールを配置して長尺化したライン型ヘッドであることを特徴とする。
例えば、印刷対象の用紙(「被描画媒体」に相当)の紙幅方向(以下「x方向」とする。)に複数個のヘッドモジュールを並べて用紙幅の全描画領域をカバーするノズル列を有する長尺のヘッド(ページワイドヘッド)を構成し、かかる長尺ヘッドと用紙とをx方向に直交する方向(以下「y方向」とする。)に1回だけ相対走査を行うことにより、当該用紙上に画像を形成するシングルパス方式のインクジェット記録装置のヘッド制御装置として好適である。
(発明3):発明3に係るヘッド制御装置は、発明1又は2において、上位制御装置との間でデータ通信を行うデータ通信手段と、前記データ通信手段を介して前記上位制御装置から取得した画像データを記憶する第1の記憶手段と、前記駆動電圧信号の波形データを記憶する第2の記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、ヘッド制御装置は、上位制御装置から、波形データや画像データを受信することができる。ここでいう「画像データ」は、例えば、記録解像度に対応する画素のドット配置データであり、画素位置に対応したノズルからの吐出(駆動)/非吐出(非駆動)を指定するノズル制御データに相当する。
(発明4):発明4に係るヘッド制御装置は、発明1乃至3のいずれか1項において、
前記複数個のヘッドモジュールに対して、それぞれ個別に前記駆動電圧信号が設定されており、ヘッドモジュール毎に個別の信号線によって駆動電圧信号が送られることを特徴とする。
かかる態様によれば、ヘッドモジュール毎に異なる駆動電圧信号を印加することが可能である。ヘッドモジュール毎に吐出性能(特性)にばらつきがある場合、モジュール毎に適切に調整された駆動電圧信号を印加することにより、ヘッド全体で一定の吐出性能を実現することができる。本発明態様によれば、モジュール間の性能ばらつき(ヘッドモジュールの個体差)を吸収して、高品質の描画出力が可能である。
(発明5):発明5に係るヘッド制御装置は、発明1乃至3のいずれか1項において、前記複数個のヘッドモジュールに対して共通の前記駆動電圧信号が印加されることを特徴とする。
かかる態様は、複数個のヘッドモジュールに対して共通の駆動電圧信号が印加される。例えば、ヘッドモジュールの個体差に起因する描画品質の低下が許容されるシステム構成の場合に採用し得る構成である。また、かかる共通駆動信号方式を採用した場合であっても、ヘッドモジュール側に駆動電圧信号を補正する補正回路を設けることにより、ヘッドモジュール毎の吐出特性のばらつきを抑えることができる。
複数のヘッドモジュールに対して、並列に(共通の)駆動電圧信号を配信する構成により、配線数を削減することができる。
(発明6):発明6に係るヘッド制御装置は、発明1乃至5のいずれか1項において、
前記ノズル制御データは、記録解像度単位に前記各ヘッドモジュールに転送されることを特徴とする。
ヘッドモジュールのノズル配列によって実現される記録解像度の単位でノズル制御データを転送する態様が好ましい。かかる態様は、シングルパス印字方式に好適である。ここでいう「記録解像度の単位」は、ヘッドモジュールの1面単位である。ヘッドモジュール内でのノズル配置が2次元配列の場合、ノズル1点が1画素に対応している。
(発明7):発明7に係るヘッド制御装置は、発明6において、記録解像度に対応した画素単位の吐出トリガー信号にしたがって、前記各ヘッドモジュールのノズル制御データがモジュール単位で時間順に並んだデータ信号列として前記データバス上に流されることを特徴とする。
ヘッドモジュール毎に時間順で並ぶデータの並び順は、予め固定された順番であってもよいし、データ処理状況などに応じて適応的に順番が変更されてもよい。
(発明8):発明8に係るヘッド制御装置は、発明1乃至7のいずれか1項において、
前記データ転送制御回路は、ヘッドモジュール毎のノズル制御データの転送順序を変更する手段を有し、前記ラッチ信号送信回路は、前記変更された転送順に合わせて、対応するヘッドモジュールに対するデータラッチ信号を送信することを特徴とする。
時分割で転送されるヘッドモジュール毎のノズル制御データの転送順番は任意性がある。ヘッドモジュール単位のデータ群と、そのヘッドモジュールに対応するラッチ信号との組み合わせによって、転送順によらず、対応するヘッドモジュールにデータを設定することができる。
(発明9):発明9に係るインクジェット記録装置は、発明1乃至8のいずれか1項に記載のヘッド制御装置と、前記記録ヘッドと、を備えたことを特徴とする。
インクジェット記録装置に用いるプリントヘッド(記録ヘッド)の構成例として、複数個のヘッドモジュールを繋ぎ合わせて、被描画媒体の全幅以上の長さにわたる複数の吐出口(ノズル)を配列させたノズル列を有するフルライン型ヘッドを用いることができる。このようなフルライン型のヘッドは、通常、被描画媒体(用紙)の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。
「被描画媒体」は、ヘッドの吐出口から吐出される液滴の付着を受ける媒体(印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体とヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対してヘッドを移動させる態様、或いは、ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。なお、インクジェット方式の印字ヘッドを用いてカラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別にヘッドを配置してもよいし、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
(発明10):発明10に係るインクジェット記録装置は、発明9において、前記ヘッド制御装置は、上位制御装置とデータ通信可能に接続され、前記上位制御装置から前記駆動電圧信号の波形データ及び画像形成に必要な前記ノズル制御データが前記ヘッド制御装置に転送されることを特徴とする。
本発明によれば、小型で安価なヘッド制御装置を提供することが可能となる。また、ヘッドの小型化も可能であり、システムの小型化、低コスト化を実現できる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるヘッド制御装置の構成を示すブロック図 図1の構成におけるタイミングチャート 比較例に係るヘッド制御装置の構成を示すブロック図 図3の構成におけるタイミングチャート 3つのヘッドモジュールを制御する場合のタイミングチャート 複数のヘッドモジュールに共通の駆動電圧を印加する実施形態の構成例を示すブロック図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 複数のヘッドモジュールを配置して成るライン型ヘッドの構造例を示す平面透視図 図8中のA−A線に沿う断面図 インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるヘッド制御装置の構成を示すブロック図である。プリントヘッド(「記録ヘッド」に相当)10は、複数個のインクジェットヘッドモジュール(「以下、「ヘッドモジュール」という。」12a、12bを組み合わせて構成される。ここでは、説明を簡単にするために、2つのヘッドモジュール12a、12bを図示したが、1つのプリントヘッド10を構成するヘッドモジュールの数は特に限定されない。
ヘッドモジュール12a、12bの詳細な構成は図示しないが、各ヘッドモジュール12a、12bのインク吐出面には、複数のノズル(インク吐出口)が高密度で二次元配置されている。また、ヘッドモジュール12a、12bには、各ノズルに対応した吐出エネルギー発生素子(本例の場合、圧電素子)が設けられている。
被描画媒体としての用紙(図示せず)の幅方向に対して、複数個のヘッドモジュール12a、12bを繋ぎ合わせることにより、紙幅方向の全記録可能範囲(描画可能幅の全域)について所定の記録解像度(例えば、1200dpi)で描画可能なノズル列を有する長尺のラインヘッド(シングルパス印字が可能なページワイドヘッド)が構成される。
プリントヘッド10に接続されているヘッド制御部20(「ヘッド制御装置」に相当)は、複数のヘッドモジュール12a、12bの各ノズルに対応する圧電素子の駆動を制御し、ノズルからのインク吐出動作(吐出の有無、液滴吐出量)を制御するための制御手段として機能する。
ヘッド制御部20は、画像データメモリ22(「第1の記憶手段」に相当)、画像データ転送制御回路24(「データ転送制御回路」に相当)、吐出タイミング制御部25、波形データメモリ26(「第2の記憶手段」に相当)、駆動電圧制御回路28(「駆動電圧出力回路」に相当)、D/A変換器29a、29bを含んで構成される。なお、本例では、画像データ転送制御回路24が「ラッチ信号送信回路」を含んでおり、画像データ転送制御回路24から各ヘッドモジュール12a、12bに適宜のタイミングでデータラッチ信号が出力される。
画像データメモリ22には、印刷用イメージデータ(ドットデータ)に展開された画像データが記憶される。波形データメモリ26には、圧電素子を駆動するための駆動電圧波形のデジタルデータが記憶される。画像データメモリ22に入力される画像データや、波形データメモリ26に入力される波形データは、上位データ制御部30(「上位制御装置」に相当)にて管理される。上位データ制御部30は、例えば、パソコンやホストコンピュータで構成することができる。ヘッド制御部20は、上位データ制御部30からデータを受け取るためのデータ通信手段として、USB(Universal SerialBus)その他の通信インターフェースを備えている。
図1では、説明を簡単にするために、1つのプリントヘッド10(1色分)のみを示しているが、複数色のインクの各色に対応した複数本の(色別の)プリントヘッドを備えるインクジェット記録装置の場合、各色のプリントヘッド10について個別に(ヘッド単位で)ヘッド制御部20が設けられる。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色に対応した色別のプリントヘッドを備える構成では、CMYK各色のプリントヘッドにそれぞれヘッド制御部20が設けられ、これら各色のヘッド制御部を1つの上位データ制御部30が管理する構成が採用される。
システム起動時に、上位データ制御部30から各色のヘッド制御部20に対して波形データや画像データが転送される。なお、画像データについては、印刷実行時の用紙搬送と同期して、データ転送が行われる場合もある。そして、プリント動作時には、各色の吐出タイミング制御部25が用紙搬送部32からの吐出トリガー信号を受信し、画像データ転送制御回路24及び駆動電圧制御回路28へ、吐出動作開始のスタートトリガーを出力する。画像データ転送制御回路24及び駆動電圧制御回路28は、このスタートトリガーを受けて画像データ転送制御回路24及び駆動電圧制御回路28からヘッドモジュール12a、12bに解像度単位に波形データ及び画像データ転送を行うことで、画像データに応じた選択的な吐出動作(オンデマンドの吐出駆動制御)を行い、1ページの印刷を実現する。
外部から入力されるプリントタイミング信号(吐出トリガー信号)に合わせて駆動電圧制御回路28からD/A変換器29a、29bへ駆動電圧波形データが出力されることにより、D/A変換器29a、29bにて波形データからアナログ電圧波形へと変換される。D/A変換器29a、29bの出力波形(アナログ電圧波形)は図示せぬアンプ回路(電力増幅回路)によって圧電素子の駆動に適した所定の電流・電圧に増幅された後にヘッドモジュール12a、12bに供給される。
画像データ転送制御回路24は、CPU(central processing unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成することができる。画像データ転送制御回路24は、画像データメモリ22に記憶したデータを基に、各ヘッドモジュール12a、12bのノズル制御データ(ここでは、記録解像度のドット配置に対応した画像データ)を各ヘッドモジュール12a、12bに転送する制御を行う。ノズル制御データは、ノズルのON(吐出駆動)/OFF(非駆動)を決定する画像データ(ドットデータ)である。画像データ転送制御回路24は、このノズル制御データを各ヘッドモジュール12a、12bに転送することで、ノズル毎の開閉(ON/OFF)を制御する。
画像データ転送制御回路24から出力されるノズル制御データを各ヘッドモジュール12a、12bに伝送する画像データ伝送路(符号42)は、「画像データバス」、「データバス」或いは「画像バス」などと呼ばれ、複数の信号線(n本)で構成されている(n≧2)。本実施形態では以下「データバス」(符号42)と呼ぶ。画像データ転送制御回路24からプリントヘッド10に画像データを伝送するデータバス42は、複数のヘッドモジュール12a、12bへの画像データ伝送路として共用される。データバス42の一端は画像データ転送制御回路24の出力端子(ICピン)に接続され、他端側は各ヘッドモジュール12a、12bの手前で分岐され(本例では、各ヘッドモジュール12a、12bに対応したコネクタ44a、44bの手前で分岐され)、この分岐された共通のデータバス42に複数のヘッドモジュール12a、12bが並列に接続される。
データバス42は、画像データ転送制御回路24や駆動電圧制御回路28等を実装した電気回路基板40の銅線パターンによって構成してもよいし、ワイヤーハーネスで構成してもよく、或いは、これらの組み合わせであってもよい。このように、データバス42は、画像データ転送制御回路24のICピンを信号源として、電気回路基板40の銅線パターン、又はワイヤーハーネスにて、各ヘッドモジュール12a、12bに接続される。
本実施形態においては、1つのヘッド制御部20による制御対象たる複数のヘッドモジュール12a、12bについてデータバス42を共通化し(画像データ転送制御回路24のICピンとの接続点から並列接続の分岐点までの区間を物理的に共用)し、画像データ転送制御回路24のICピン、並びに電気回路基板40の銅線パターン(信号線)の削減が達成されている。
複数のヘッドモジュール12a、12bについて、データバス42を共通化する一方で、各ヘッドモジュール12a、12bに対応したデータラッチ信号の信号線46a、46bは、ヘッドモジュール12a、12b毎に、個別に設けられている。データラッチ信号は、データバス42経由で転送したデータ信号を各ヘッドモジュール12a、12bのノズルデータとして設定するために、画像データ転送制御回路24から各ヘッドモジュール12a、12bに対し、必要なタイミングで送信される。画像データ転送制御回路24から画像データバス42を介してヘッドモジュール12a、12bに一定量の画像データを送信した時点で、データラッチとよばれる信号(ラッチ信号)をヘッドモジュール12a、12bに送信する。このデータラッチ信号のタイミングで各モジュールにおける圧電素子の変位のオン(ON)/オフ(OFF)のデータが確定される。その後、ヘッドモジュール12a、12bにそれぞれ駆動電圧a、bを印加することで、ON設定に係る圧電素子を微小変位させ、インク滴を吐出させる。こうして吐出したインク滴を用紙に付着(着弾)させることで、所望の解像度(例えば、1200dpi)の印刷が行われる。なお、OFF設定した圧電素子は駆動電圧を印加しても変位が起こらず、液滴が吐出されない。
<タイミングチャート>
図2は、本実施形態によるタイミングチャートである。
図示のとおり、画素単位の吐出トリガー(図2(a)において「画素トリガー」と記載)にしたがって、各ヘッドモジュール12a、12bのノズルのオン(吐出)/オフ(非吐出)制御を行うための画像データ(ノズル制御データ)が共通のデータバス42を介してヘッドモジュール単位のデータ列として時分割で送られる(図2(c)参照)。
図1で説明した回路構成では、複数のヘッドモジュール12a、12bに画像データを転送するためのデータバス42、及び転送クロック(図2(b))が共通のため、1つのデータバス42上を2種類の画像データ(ヘッドモジュール12aに適用する画像データ[HEAD a]とヘッドモジュール12bに適用する画像データ[HEAD b])が時分割で転送される(図2(c)参照)。
データラッチa(図2(d))は、ヘッドモジュール12aの圧電素子(ノズル)のデータを確定させるラッチ信号である。データラッチb(図2(f))は、ヘッドモジュール12bの圧電素子(ノズル)のデータを確定させるラッチ信号である。これらデータラッチ信号a/bは、ヘッドモジュール12a、12bのそれぞれの画像データ([HEAD a]、[HEAD b])が転送された時点で転送される。
図2の場合、ヘッドモジュール12aの画像データ(HEAD a)群のデータを送ったらデータラッチaを与えて、ヘッドモジュール12aのデータを確定させる。その後更に、ヘッドモジュール12bの画像データ(HEAD b)を送信し、一定量のデータ送信後にデータラッチbを与えて、ヘッドモジュール12bのデータを確定させる。
なお、ヘッドモジュール12bの画像データ(HEAD b)を送信している期間中、ヘッドモジュール12aに対しても同データが送られているが、ヘッドモジュール12aに対しては、データラッチaによるラッチ時のデータが維持(保持)されるため、送られてくる画像データ(HEAD b)はセットされない。
こうして、データラッチaのラッチ信号により、ヘッドモジュール12aの圧電素子ON/OFFデータが確定され、データラッチbのラッチ信号により、ヘッドモジュール12bの圧電素子ON/OFFデータが確定される。その後、ヘッドモジュール12a、12bに対して、同タイミングで駆動電圧a、bが印加される(図2(e),(g)参照)。この駆動電圧a、bの印加により、該当するノズルから液滴が吐出され、描画記録が行われる。用紙の搬送タイミングに合わせて上記の処理サイクルが繰り返されて印刷が行われる。
図2において、ヘッドモジュール12aに印加される駆動電圧a(図2(e)と、ヘッドモジュール12bに印加される駆動電圧b(図2(f))の電圧波形が異なっているのは、ヘッドモジュール12a、12bの吐出特性のばらつきを考慮して、所要の吐出特性を実現するために、ヘッドモジュール毎に駆動電圧波形を調整したためである。図1の波形データメモリ26には、各ヘッドモジュール12a、12bの特性が考慮された駆動電圧a、駆動電圧bの波形データが格納される。
<比較例>
比較のために、データバスを共通化せずに、各ヘッドモジュールに対して、それぞれ画像データバスが接続された構成のブロック図(図3)とそのタイミングチャート(図4)を示す。
図3において、図1で説明した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図3の比較例に係る構成は、画像データ転送制御回路24から、ヘッドモジュール12a、12bに対してそれぞれ個別に画像データバス42a、42bが接続されている点で図1の構成と相違する。このような構成は、制御対象となるヘッドモジュールが増えるごとに、画像データ転送制御回路24のICピン、電気回路基板40上の銅線パターンが増加し、結果として大幅なコスト増加となり、システムとしては不利益なこととなる。
図4は、図3の比較例によるタイミングチャートである。図4に示すように、図3の構成では、ヘッドモジュール12a、12bのそれぞれについて、並列に同様の処理が行われる。
図4と図2を比較すると明らかなように、本発明の実施形態による回路(図1,図2)の場合、比較例に係る回路(図3,図4)に比べて、転送クロックが高速化されている。
本発明の実施形態(図1、図2)の場合、2つのヘッドモジュール12a、12bに対して、共通の画像データバス42を介して時分割で(時間順で)それぞれの画像データを送るために、転送クロックの周波数が図3、図4における転送クロックの周波数の2倍になっている。
<ヘッドモジュールを3つ接続する場合の説明>
1つのヘッド制御部20で制御するヘッドモジュールの数を3つにした場合のタイミングチャートを図5に示す。図5における、画像データc、[HEAD c]、データラッチc、駆動電圧c等の記載は、図2の例に対して、追加された3つの目のヘッドモジュールに関する信号を表している。
ヘッドモジュール数を3つにした場合は、転送クロックを更に高速化し(図4と比較して3倍の周波数とし)、3つのヘッドモジュールに対応した画像データ([HEAD a]、[HEAD b]、[HEAD c])を時間分割で転送する。その他の処理は、図2で説明した例と同様である。
転送レートを高速化し、転送波形の品質、データ転送タイミング仕様を満たす限りは、3個以上、更に多数個のヘッドモジュールを同一バス上で制御することが可能である。
N個のヘッドモジュールを共通のデータバスに並列に接続する場合、転送クロックの周波数をN倍にする。
<実施形態の変形例1>
図5では、ヘッドモジュールa、b、cの順に画像データを転送しているが、データの転送順はこれに限定されない。画像データの転送順は、ヘッドモジュールの並び順とは無関係に(任意に)設定することができる。予め定められた転送順(モジュール順)にしたがって輪番式に順次転送する形態に限らず、状況に応じて適応的に転送順番を変更してもよい。転送順を変更した場合には、これに合わせてデータラッチ信号の送信タイミングが変更される。すなわち、各ヘッドモジュールに対応する画像データ群と、そのヘッドモジュールに対するデータラッチ信号の組(ペア)によってデータとヘッドモジュールとの対応付けが可能であり、これらの組み合わせによって任意の順番でデータ転送が可能である。
例えば、上位制御装置による画像信号処理が何らかの理由で遅れ、ヘッドモジュールa、b、cに対応するデータ群のうちのどれか1つ(例えば、ヘッドモジュールaのデータ群)の生成が遅れそうな場合、他のモジュールのデータ群(ヘッドモジュールb、cのデータ)を先に転送して、これらモジュールに対するデータラッチを処理してから、データモジュールaのデータを送ることも可能である。このように、転送準備が整ったデータ順に、転送順序を適応的に変更して、データ転送を行うことにより、無駄な処理待ち時間を減らすことができ、転送の効率化を図ることができる。
<実施形態の変形例2>
図5の例においても、ヘッドの駆動データ(駆動電圧a、b、c)をヘッドモジュール毎に制御できるようにしている。これは、ピエゾ素子の個体ばらつきによる吐出性能差を吸収するため、駆動電圧データをヘッドモジュール毎に持つためである。
仮に、ヘッドモジュールの個体差が描画品質に殆ど影響しない場合、例えば、安価なチラシのような低品質の印刷物を出力する機器の場合は、駆動データ(駆動電圧データ)をモジュール別に(個別に)持つ必要はない。この場合、図6に示すように、駆動電圧信号の伝送ラインを共通化することができる。図6において、図1の構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。よって画像データの転送と同様に、共通の信号ラインで(駆動電圧の信号ラインを共通化して)、複数のヘッドモジュールに駆動電圧を配信し、同様な効果を得ることが可能となる。
<実施形態の変形例3>
図1、図5、図6の例では、画像データメモリ22、波形データメモリ26、画像データ転送制御回路24、吐出タイミング制御部25、駆動電圧制御回路28、D/A変換器29a、29b、データバス42を1つの電気回路基板40に実装した例を示したが、ヘッド制御部20の具体的構成はこの例に限定されない。例えば、ヘッド制御部20を構成する回路要素を複数の回路基板に分けて実装し、これら複数の回路基板間をハーネスで接続する構成も可能である。
<インクジェット記録装置の構成例について>
図7は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す全体構成図である。本例のインクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部(プレコート部)114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122から構成されている。インクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(「被描画媒体」に相当、以下、便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成するシングルパス方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
(給紙部)
給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されており、給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム(「プレコート胴」とも言う)154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、記録媒体124を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラ(計量ローラ)と、該アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。
本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム(「描画胴」或いは「ジェッティング胴」とも言う)170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。各色のインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Y及びその制御装置として、図1〜2、図5〜6等で説明したプリントヘッド10の構成とヘッド制御部20の構成が採用されている。
描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッドであり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列(2次元配列ノズル)が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yには、対応する色インクのカセットが取り付けられる。インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、描画ドラム170の外周面に保持された記録媒体124の記録面に向かってインク滴が吐出される。
これにより、予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。インクと処理液の反応の一例として、本実施形態では、処理液に酸を含有させPHダウンにより顔料分散を破壊し凝集するメカニズムを用い、色材滲み、各色インク間の混色、インク滴の着弾時の液合一による打滴干渉を回避する。こうして、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yの打滴タイミングは、描画ドラム170に配置された回転速度を検出するエンコーダ(図7中不図示、図11の符号294)に同期させる。このエンコーダの検出信号に基づいて吐出トリガー信号(画素トリガー)が発せされる。これにより、高精度に着弾位置を決定することができる。また、予め描画ドラム170のフレなどによる速度変動を学習し、エンコーダで得られた打滴タイミングを補正して、描画ドラム170のフレ、回転軸の精度、描画ドラム170の外周面の速度に依存せずに打滴ムラを低減させることができる。
さらに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのノズル面の清掃、増粘インク排出などのメンテナンス動作は、ヘッドユニットを描画ドラム170から退避させて実施するとよい。
本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図7に示すように、乾燥ドラム(「乾燥胴」とも言う)176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。各温風噴出しノズル182から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各ハロゲンヒータ180の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
乾燥ドラム176の外周面に、記録媒体124の記録面が外側を向くように(即ち、記録媒体124の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)記録媒体124を保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体124のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム(「定着胴」とも言う)184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
ハロゲンヒータ186は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体124の予備加熱が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ188は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(例えば60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体124を加熱することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融される。これにより、記録媒体124の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図7の実施形態では、定着ローラ188を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みやラテックス粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ190は、記録媒体124に記録された画像(テストパターンなども含む)について、吐出不良チェックパターンや画像の濃度、画像の欠陥などを計測するための読取手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内のラテックス粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、紫外線(UV)露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有していてもよい。この場合、インクジェット記録装置100は、ヒートローラによる熱圧定着部(定着ローラ188)の代わりに、記録媒体124上のインクにUV光を露光するUV露光部を備える。このように、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
図7に示すように、定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体124は無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
また、図7には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
<インクジェットヘッドの構成例>
次に、インクジェットヘッドの構造について説明する。各色に対応するインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号250によってヘッドを示すものとする。
図8(a) はヘッド250の構造例を示す平面透視図であり、図8(b) はその一部の拡大図である。図9はヘッド250を構成する複数のヘッドモジュールの配置例を示す図である。また、図10は記録素子単位(吐出素子単位)となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル251に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図8中のA−A線に沿う断面図)である。
図8に示したように、本例のヘッド250は、インク吐出口であるノズル251と、各ノズル251に対応する圧力室252等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)253をマトリクス状に二次元配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体124の送り方向(矢印S方向;「第1方向」に相当)と略直交する方向(矢印M方向;「第2方向」に相当)に記録媒体124の描画領域の全幅Wmに対応する長さ以上のノズル列を構成するために、例えば、図9(a)に示すように、複数のノズル251が二次元に配列された短尺のヘッドモジュール250’を千鳥状に配置して、長尺のライン型ヘッドを構成する。或いはまた、図9(b)に示すように、ヘッドモジュール250”を一列に並べて繋ぎ合わせる態様も可能である。図9に示した各ヘッドモジュール250’又は250”が図1等で説明したヘッドモジュール12a、12bに該当する。
なお、シングルパス印字用のフルライン型プリントヘッドは、記録媒体124の全面を描画範囲とする場合に限らず、記録媒体124の面上の一部が描画領域となっている場合(例えば、用紙の周囲に非描画領域(余白部)を設ける場合など)には、所定の描画領域内の描画に必要なノズル列が形成されていればよい。
各ノズル251に対応して設けられている圧力室252は、その平面形状が概略正方形となっており(図8(a)、(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル251への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)254が設けられている。なお、圧力室252の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図10に示すように、ヘッド250(ヘッドモジュール250’、250”)は、ノズル251が形成されたノズルプレート251Aと圧力室252や共通流路255等の流路が形成された流路板252P等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート251Aは、ヘッド250のノズル面(インク吐出面)250Aを構成し、各圧力室252にそれぞれ連通する複数のノズル251が二次元的に形成されている。
流路板252Pは、圧力室252の側壁部を構成するとともに、共通流路255から圧力室252にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口254を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図10では簡略的に図示しているが、流路板252Pは一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート251A及び流路板252Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路255はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路255を介して各圧力室252に供給される。
圧力室252の一部の面(図10において天面)を構成する振動板256には、個別電極257を備えたピエゾアクチュエータ(圧電素子)258が接合されている。本例の振動板256は、ピエゾアクチュエータ258の下部電極に相当する共通電極259として機能するニッケル(Ni)導電層付きのシリコン(Si)から成り、各圧力室252に対応して配置されるピエゾアクチュエータ258の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。また、ステンレス鋼(SUS)など、金属(導電性材料)によって共通電極を兼ねる振動板を構成してもよい。
個別電極257に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ258が変形して圧力室252の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル251からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ258が元の状態に戻る際、共通流路255から供給口254を通って新しいインクが圧力室252に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニット253を図8(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向の隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル251が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、本発明の実施に際してヘッド250におけるノズル251の配列形態は図示の例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、図18で説明したマトリクス配列に代えて、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)に限らず、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(吐出エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
<制御系の説明>
図11は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置100は、通信インターフェース270、システムコントローラ272、プリント制御部274、画像バッファメモリ276、ヘッドドライバ278、モータドライバ280、ヒータドライバ282、処理液付与制御部284、乾燥制御部286、定着制御部288、メモリ290、ROM292、エンコーダ294等を備えている。
通信インターフェース270は、ホストコンピュータ350から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース270にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ350から送出された画像データは通信インターフェース270を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦メモリ290に記憶される。
メモリ290は、通信インターフェース270を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ272を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ290は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ272は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ272は、通信インターフェース270、プリント制御部274、モータドライバ280、ヒータドライバ282、処理液付与制御部284等の各部を制御し、ホストコンピュータ350との間の通信制御、メモリ290の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ296やヒータ298を制御する制御信号を生成する。
ROM292にはシステムコントローラ272のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM292は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ290は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ280は、システムコントローラ272からの指示にしたがってモータ296を駆動するドライバである。図11では、装置内の各部に配置される様々なモータを代表して符号296で図示している。例えば、図11に示すモータ296には、図7の給紙胴152,処理液ドラム154、描画ドラム170、乾燥ドラム176、定着ドラム184、渡し胴194などの回転を駆動するモータ、描画ドラム170の吸引孔から負圧吸引するためのポンプの駆動モータ、インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのヘッドユニットを、描画ドラム170外のメンテナンスエリアに移動させる退避機構のモータ、などが含まれている。
ヒータドライバ282は、システムコントローラ272からの指示にしたがって、ヒータ298を駆動するドライバである。図11では、装置内の各部に配置される様々なヒータを代表して符号298で図示している。例えば、図11に示すヒータ298には、給紙部112において記録媒体124を予め適温に加熱しておくための不図示のプレヒータ、などが含まれている。
プリント制御部274は、システムコントローラ272の制御にしたがい、メモリ290内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ278に供給する制御部である。
ドットデータは、一般に多階調の画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB各色について8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置100で使用するインクの各色の色データ(本例では、KCMYの色データ)に変換する処理である。
ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色の色データに対して誤差拡散法や閾値マトリクス等の処理で各色のドットデータ(本例では、KCMYのドットデータ)に変換する処理である。
プリント制御部274において所要の信号処理が施され、得られたドットデータに基づいて、ヘッドドライバ278を介してヘッド250のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。ここでいうドットデータは、「ノズル制御データ」に相当している。
プリント制御部274には画像バッファメモリ(不図示)が備えられており、プリント制御部274における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリに一時的に格納される。また、プリント制御部274とシステムコントローラ272とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース270を介して外部から入力され、メモリ290に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データがメモリ290に記憶される。インクジェット記録装置100では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、メモリ290に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ272を介してプリント制御部274に送られ、該プリント制御部274において閾値マトリクスや誤差拡散法などを用いたハーフトーニング処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部274は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部274で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ(不図示)に蓄えられる。
ヘッドドライバ278は、プリント制御部274から与えられる印字データ(即ち、画像バッファメモリ276に記憶されたドットデータ)に基づき、ヘッド250の各ノズルに対応するアクチュエータを駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ278にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ278から出力された駆動信号がヘッド250に加えられることによって、該当するノズルからインクが吐出される。記録媒体124を所定の速度で搬送しながらヘッド250からのインク吐出を制御することにより、記録媒体124上に画像が形成される。なお、本例に示すインクジェット記録装置100は、ヘッド250(ヘッドモジュール)の各ピエゾアクチュエータ258に対して、モジュール単位で共通の駆動電力波形信号を印加し、各ピエゾアクチュエータ258の吐出タイミングに応じて各ピエゾアクチュエータ258の個別電極に接続されたスイッチ素子(不図示)のオンオフを切り換えることで、各ピエゾアクチュエータ258に対応するノズル251からインクを吐出させる駆動方式が採用されている。
このヘッドドライバ278、プリント制御部274(画像バッファメモリ内蔵)の部分が図1等で説明したヘッド制御部20に相当する。また、図11のシステムコントローラ272が図1等で説明した上位データ制御部30に相当する。
処理液付与制御部284は、システムコントローラ272からの指示にしたがい、処理液塗布装置156(図7参照)の動作を制御する。乾燥制御部286は、システムコントローラ272からの指示にしたがい、溶媒乾燥装置178(図7参照)の動作を制御する。
定着制御部288は、システムコントローラ272からの指示にしたがい、定着部120のハロゲンヒータ186や定着ローラ188(図7参照)から成る定着加圧部299の動作を制御する。
インラインセンサ190は、図7で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録媒体124に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をシステムコントローラ272及びプリント制御部274に提供する。
プリント制御部274は、インラインセンサ190から得られる情報に基づいてヘッド250に対する各種補正(不吐出補正や濃度補正など)を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
〔変形例〕
上記実施形態では、記録媒体124に直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型の画像形成装置についても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置(1回の副走査によって画像を完成させるシングルパス方式の画像形成装置)を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、シリアル型(シャトルスキャン型)ヘッドなど、短尺の記録ヘッドを移動させながら、複数回のヘッド走査により画像記録を行うインクジェット記録装置についても本発明を適用できる。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能である。
<本発明の応用例について>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェットシステムに広く適用できる。
10…プリントヘッド、12a,12b…ヘッドモジュール、20…ヘッド制御部、22…画像データメモリ、24…画像データ転送制御回路、26…波形データメモリ、28…駆動電圧制御回路、30…上位データ制御部、42…データバス、100…インクジェット記録装置、124…記録媒体、170…描画ドラム、172M,172K,172C,172Y…インクジェットヘッド、190…インラインセンサ、250…ヘッド、251…ノズル、272…システムコントローラ、274…プリント制御部、294…エンコーダ

Claims (10)

  1. 複数のノズルと各ノズルに対応する吐出エネルギー発生素子とを有するヘッドモジュールが複数個配置されて成る記録ヘッドに接続され、当該記録ヘッドの各ノズルからの液滴の吐出を制御するヘッド制御装置であって、
    前記複数個のヘッドモジュールに対し、各ヘッドモジュール内のノズルの吐出動作を制御するためのノズル制御データを、ヘッドモジュール単位で時分割に出力するデータ転送制御回路と、
    前記データ転送制御回路から出力された前記ノズル制御データの信号を前記複数のヘッドモジュールに対して共通に伝送する信号伝送路として前記複数のヘッドモジュールについて共用されるデータバスと、
    前記データ転送制御回路から前記データバスを介して前記各ヘッドモジュールに対して共通に供給されるヘッドモジュール毎のノズル制御データを、該当するヘッドモジュールのノズル制御データとして設定するために、対応するヘッドモジュールに応じたタイミングでデータラッチ信号を出力するラッチ信号送信回路と、
    前記各ヘッドモジュールの前記吐出エネルギー発生素子を駆動するための駆動電圧信号を出力する駆動電圧出力回路と、
    を備えたことを特徴とするヘッド制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記記録ヘッドは、被描画媒体の幅方向に前記複数個のヘッドモジュールを配置して長尺化したライン型ヘッドであることを特徴とするヘッド制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上位制御装置との間でデータ通信を行うデータ通信手段と、
    前記データ通信手段を介して前記上位制御装置から取得した画像データを記憶する第1の記憶手段と、
    前記駆動電圧信号の波形データを記憶する第2の記憶手段と、
    を備えたことを特徴とするヘッド制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記複数個のヘッドモジュールに対して、それぞれ個別に前記駆動電圧信号が設定されており、ヘッドモジュール毎に個別の信号線によって駆動電圧信号が送られることを特徴とするヘッド制御装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記複数個のヘッドモジュールに対して共通の前記駆動電圧信号が印加されることを特徴とするヘッド制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記ノズル制御データは、記録解像度単位に前記各ヘッドモジュールに転送されることを特徴とするヘッド制御装置。
  7. 請求項6において、
    記録解像度に対応した画素単位の吐出トリガー信号にしたがって、前記各ヘッドモジュールのノズル制御データがモジュール単位で時間順に並んだデータ信号列として前記データバス上に流されることを特徴とするヘッド制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項において、
    前記データ転送制御回路は、ヘッドモジュール毎のノズル制御データの転送順序を変更する手段を有し、
    前記ラッチ信号送信回路は、前記変更された転送順に合わせて、対応するヘッドモジュールに対するデータラッチ信号を送信することを特徴とするヘッド制御装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のヘッド制御装置と、
    前記記録ヘッドと、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項9において、
    前記ヘッド制御装置は、上位制御装置とデータ通信可能に接続され、
    前記上位制御装置から前記駆動電圧信号の波形データ及び画像形成に必要な前記ノズル制御データが前記ヘッド制御装置に転送されることを特徴とするインクジェット記録装置。
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