JP2012000622A - 脆性材料基板のレーザスクライブ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一対の被膜が形成されその間に形成された狭いストリートにレーザビームを照射してレーザスクライブを行う場合に、十分に加熱のためのエネルギーを与えることができるレーザスクライブ方法を提供する。
【解決手段】 ストリートを挟んだ左右両側にレーザ反射性被膜領域が形成された基板に対し、レーザビームを、ストリートの幅より広いビームスポットの幅にして、ストリート内に想定したスクライブ予定ラインに沿って走査するレーザスクライブ方法であって、光吸収性被膜を、スクライブ予定ライン直上の窓部を除いたストリートの表面と、被膜領域の少なくともレーザビームが照射される被膜面とを覆うように形成する光吸収性被膜形成工程と、スクライブ予定ラインに沿って窓部および光吸収性被膜の上にレーザビームを照射するスクライブ工程とを、この順で行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 ストリートを挟んだ左右両側にレーザ反射性被膜領域が形成された基板に対し、レーザビームを、ストリートの幅より広いビームスポットの幅にして、ストリート内に想定したスクライブ予定ラインに沿って走査するレーザスクライブ方法であって、光吸収性被膜を、スクライブ予定ライン直上の窓部を除いたストリートの表面と、被膜領域の少なくともレーザビームが照射される被膜面とを覆うように形成する光吸収性被膜形成工程と、スクライブ予定ラインに沿って窓部および光吸収性被膜の上にレーザビームを照射するスクライブ工程とを、この順で行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ガラス、シリコン等の脆性材料基板のレーザスクライブ方法に関し、さらに詳細には、ITO膜や金属膜などのレーザ光を反射する性質を有する被膜がパターニングされた基板における当該パターニング領域近傍へのレーザスクライブ方法に関する。
ここでいう「スクライブ」とは、基板にスクライブラインを形成する加工をいうが、このスクライブラインは有限深さのクラックが形成される場合とともに(ハーフカットという)、クラックが裏面に達して基板が完全に分断される場合(フルカットという)も含まれる。前者の場合は、形成されたスクライブラインに沿ってブレイクする工程を加えることで基板を完全分断することになる。
また、ここでいう「レーザスクライブ」は、レーザ照射により溶融温度以下で基板を加熱し、このとき受けた熱エネルギーによる熱応力を利用してクラックを伸展させスクライブする加工をいう。レーザスクライブ加工の際に、冷媒を噴射するノズルを設けて、基板上のレーザ照射領域(ビームスポットという)に対し、後を追うように冷媒をスポット状に噴射し、加熱後急冷することで、熱応力分布を強めるようにしてクラックを発生しやすくすることができる。
なお、強いエネルギー密度のレーザ照射による過大な熱で基板自体を蒸散させて分断する「レーザアブレーション」はここでいうレーザスクライブには含まれない。
レーザスクライブによって基板に形成されるスクライブラインは、加工端面が平坦で美しく、最終的に形成される分断面は、レーザアブレーションやカッターホイールを用いたメカニカルな分断方法に比べて、端面強度の優れた分断面にすることができる。
なお、強いエネルギー密度のレーザ照射による過大な熱で基板自体を蒸散させて分断する「レーザアブレーション」はここでいうレーザスクライブには含まれない。
レーザスクライブによって基板に形成されるスクライブラインは、加工端面が平坦で美しく、最終的に形成される分断面は、レーザアブレーションやカッターホイールを用いたメカニカルな分断方法に比べて、端面強度の優れた分断面にすることができる。
一般に、タッチパネル、表示パネル、太陽電池、その他の電子エレクトロニクスの分野では、ガラス基板やシリコン基板上に、ITO膜、アルミ膜などが電極領域としてパターニングされた製品が製造されている。
これらの製品は量産のために、パターニング工程で、大面積基板に複数の「単位パターン」が縦横にパターニングされる。各単位パターンは、最終的に個々に分断されて製品となる領域であり、通常、ITO膜やアルミ膜などの電極領域が外部接続端子として各単位パターンの周縁近傍に形成してある。
また、隣接する単位パターンの間には、「ストリート」と呼ばれる基板を分断するための緩衝帯が設けられており、ストリート内に想定したスクライブ予定ラインに沿って分断するようにしている。
単位パターンを、個々の製品に分断する工程では、レーザスクライブが好ましい分断方法として採用されている。レーザスクライブでは、スクライブ予定ラインに沿ってレーザビームを走査し、照射領域近傍に熱応力を発生させる。
このとき、レーザ照射の熱を有効に利用し、また、製品の品質に影響を及ぼさないようにするためには、基板上に生成されるビームスポットの幅が、ストリートの幅よりも小さくなるよう、パターニングの際に、ストリート幅を十分広く形成しておくことが望ましい。ストリート幅を十分広くとれないときは、ビームスポット幅がストリート幅よりも小さくなるようにレーザ光学系でビームスポットの幅を小さく絞るようにしている。
例えば、ビームスポットの形状を楕円形状にし、その長軸方向をスクライブ予定ラインに合わせるようにし、短軸長さ(すなわちビームスポット幅に相当)については、ストリートの幅より小さくして、効率よく加熱するとともに、ビームスポットがストリート内だけを照射するようにすることがなされている。
このとき、レーザ照射の熱を有効に利用し、また、製品の品質に影響を及ぼさないようにするためには、基板上に生成されるビームスポットの幅が、ストリートの幅よりも小さくなるよう、パターニングの際に、ストリート幅を十分広く形成しておくことが望ましい。ストリート幅を十分広くとれないときは、ビームスポット幅がストリート幅よりも小さくなるようにレーザ光学系でビームスポットの幅を小さく絞るようにしている。
例えば、ビームスポットの形状を楕円形状にし、その長軸方向をスクライブ予定ラインに合わせるようにし、短軸長さ(すなわちビームスポット幅に相当)については、ストリートの幅より小さくして、効率よく加熱するとともに、ビームスポットがストリート内だけを照射するようにすることがなされている。
しかしながら、近年、タッチパネルなどの製品では、製品の小型化、軽量化、製造コスト低減のために、集積度を高めた製造プロセスが求められており、パターニングの際にストリートの幅をこれまで以上に小さくすることが要求されている。
ストリート幅を十分に小さくしていくと、場合によっては、ビームスポット幅がストリート幅より大きくなり、単位パターンの周縁部分に電極としてITO膜やアルミ膜などの導電膜が形成されていれば、ビームスポットが電極の上を通過するようになることがある。
ストリート幅を十分に小さくしていくと、場合によっては、ビームスポット幅がストリート幅より大きくなり、単位パターンの周縁部分に電極としてITO膜やアルミ膜などの導電膜が形成されていれば、ビームスポットが電極の上を通過するようになることがある。
ITO膜やアルミ膜のような導電膜は、レーザビームを反射する性質を有しているので、ビームスポットがこれらの電極上を通過したとき、電極上に照射されたレーザビームのエネルギーは基板の加熱には寄与できない。
そのため、電極となる導電膜がスクライブ予定ラインを中心に左右非対称に形成されている場合、具体的には、例えばスクライブ予定ラインを挟んで左右いずれか片側だけに電極がある場合には、このスクライブ予定ラインに沿ってビームスポットを走査し、電極上を通過するようにしたとき、電極の近傍では、反射の影響で左右非対称に加熱されることになり、スクライブラインが直線状に形成できないことになる。
そのため、電極となる導電膜がスクライブ予定ラインを中心に左右非対称に形成されている場合、具体的には、例えばスクライブ予定ラインを挟んで左右いずれか片側だけに電極がある場合には、このスクライブ予定ラインに沿ってビームスポットを走査し、電極上を通過するようにしたとき、電極の近傍では、反射の影響で左右非対称に加熱されることになり、スクライブラインが直線状に形成できないことになる。
そこで、このような不具合の対策として、電極に対し、スクライブ予定ラインを中心として左右対称の位置に電極と同じ材料のダミー被膜を形成し、スクライブ予定ラインに沿ってビームスポットを移動したとき、電極上とダミー被膜上とを、左右対称な状態で通過するようにして、スクライブ予定ラインを中心に左右均等に加熱されるようにするレーザスクライブ方法が開示されている(特許文献1参照)。
図2は、ストリートを挟んで左右一対の導電膜がパターニングされた基板の断面図である。基板Gの表面上で、左右の導電膜1,2およびストリート3は紙面の奥行き方向に帯状に延びている。なお、導電膜1,2はITO膜、アルミ膜その他の金属膜など、レーザスクライブで照射されるレーザビームを反射する性質を有する材料である。
このような断面は、導電膜1,2が、隣接する一対の単位パターンそれぞれに含まれる電極がストリートを挟んで互いに接近して形成されている場合や、一方側が電極で他方側が電極と対称にダミー被膜が形成されている場合に実現される。
このような断面は、導電膜1,2が、隣接する一対の単位パターンそれぞれに含まれる電極がストリートを挟んで互いに接近して形成されている場合や、一方側が電極で他方側が電極と対称にダミー被膜が形成されている場合に実現される。
今、ストリート3の中心に想定したスクライブ予定ラインCに沿ってレーザビームLを照射した場合を考える。ストリート3の幅をWとし、基板Gに形成されるビームスポットの幅をBとする。
既述のように、ビームスポット幅Bがストリート幅Wよりも少し大きくなると、図3に示すように、レーザビームLの一部が導電膜1,2の上を照射する左右の部分光L1,L2となり、ストリート3は中央の部分光L3が照射するようになる。左右の部分光L1,L2は反射されるので、基板Gの加熱には寄与しない。中央の部分光L3による加熱がクラックを形成するのに十分な熱エネルギーを基板Gに与えるときは、この状態でスクライブが可能になる。
しかしながら、ストリート3の幅Wをさらに小さくすると、図4に示すように、導電膜1,2の上を照射する左右の部分光L1,L2が、ストリート3を照射する中央の部分光L3よりも比率が増大することになり、その結果、中央の部分光L3による加熱ではクラックを形成するのに必要な熱エネルギーを基板Gに与えることができず、スクライブラインとなるクラックが発生できない状態になる。
そこで本発明は、レーザ光を反射する性質を有する一対の被膜が形成された基板に対し、これらの被膜の間に形成されたストリートにレーザビームを照射してレーザスクライブを行う場合に、ストリートの幅が小さい場合でも、基板に対し、十分に加熱のためのエネルギーを与えることができるレーザスクライブ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明のレーザスクライブ方法は、帯状領域からなるストリートを挟んだ左右両側にレーザビームを反射する性質の被膜領域が形成された基板に対し、レーザビームを、ストリートの幅より広いビームスポットの幅にして、ストリート内に想定したスクライブ予定ラインに沿って走査するレーザスクライブ方法であって、以下の工程を行う。
まず、レーザビームを吸収する性質を有する光吸収性被膜を、スクライブ予定ライン直上の窓部を除いたストリートの表面と、被膜領域の少なくともレーザビームが照射される被膜面とを覆うように形成する光吸収性被膜形成工程を行い、続いて、スクライブ予定ラインに沿って窓部および光吸収性被膜の上にレーザビームを照射するスクライブ工程を行う。
まず、レーザビームを吸収する性質を有する光吸収性被膜を、スクライブ予定ライン直上の窓部を除いたストリートの表面と、被膜領域の少なくともレーザビームが照射される被膜面とを覆うように形成する光吸収性被膜形成工程を行い、続いて、スクライブ予定ラインに沿って窓部および光吸収性被膜の上にレーザビームを照射するスクライブ工程を行う。
本発明によれば、基板に対しレーザビームを走査したときに、ビームスポットが通過する範囲の基板表面には、光吸収性被膜が形成されている。この光吸収性被膜はレーザスクライブで使用するレーザビームを吸収する性質を有する被膜であるため、その下にレーザビームを反射する被膜が存在していたとしても、上に形成された光吸収性被膜によってレーザビームのエネルギーが吸収される。光吸収性被膜の下がストリート表面である位置でも光吸収性被膜でエネルギーが吸収される。窓部には光吸収性被膜が存在しないが、ストリートの表面に直接レーザビームが照射されて基板は直接エネルギーを吸収する。そして光吸収性被膜に吸収されたエネルギーは、熱伝導によって基板に伝達されるようになる。したがって、ビームスポット全体のエネルギーが、基板に伝達されることになり、たとえ、レーザビームを反射する被膜が基板上に形成されていたとしても、クラック生成に必要な熱エネルギーを基板に与えることができる。
そして、仮に窓部を形成しておかなければ、レーザビームから得た熱エネルギーは基板へのスクライブに利用される前に、その上にある光吸収性被膜のスクライブに利用することが必要となる。そこでスクライブ予定ラインの直上だけに窓部を形成することで、熱エネルギーを基板のスクライブだけに有効利用できるようにする。
また、光吸収性被膜が、熱膨張係数の小さい材料である場合には、レーザビームから得た熱エネルギーにより生じる熱応力が小さいため、光吸収性被膜のレーザスクライブが困難であるが、スクライブ前に窓を設けてスクライブ予定ライン上から除去しておくことで、熱膨張係数が小さな材料を使用した場合でも光吸収性被膜として利用することができるようにする。
また、光吸収性被膜が、熱膨張係数の小さい材料である場合には、レーザビームから得た熱エネルギーにより生じる熱応力が小さいため、光吸収性被膜のレーザスクライブが困難であるが、スクライブ前に窓を設けてスクライブ予定ライン上から除去しておくことで、熱膨張係数が小さな材料を使用した場合でも光吸収性被膜として利用することができるようにする。
本発明によれば、小さい幅のストリートを挟んで、レーザビームを反射する性質の被膜が形成されていても、その上に光吸収性被膜を設けることで基板加熱に必要な熱エネルギーを吸収することができ、さらに、窓部を形成したことで、熱エネルギーを基板のスクライブだけに有効に利用できるので、これまで不可能であった狭い幅のストリートであってもスクライブが可能になる。さらに、窓部を形成したことで、熱膨張係数の小さな材料(後述するSiO2など)を光吸収性被膜に用いた場合でもスクライブが可能になる。
上記発明において、ストリートの幅が3mm以下であるのが好ましい。
ストリートの幅が3mm以下になると、ストリートの表面に照射されるレーザビームにより得られる熱エネルギーが小さくなってスクライブ可能なレーザ照射条件(走査速度、レーザ出力など)の設定可能範囲(プロセスウィンドウという)が狭くなり、スクライブが困難になるが、本発明により、3mm以下でもスクライブ可能な条件範囲が広まり、スクライブが簡単にできるようになる。なお、下限については、帯状のストリートのパターニングができる限り特に制限されない。ただし、歩留まりよくパターニングする観点からは0.2mm以上であることが好ましい。
ストリートの幅が3mm以下になると、ストリートの表面に照射されるレーザビームにより得られる熱エネルギーが小さくなってスクライブ可能なレーザ照射条件(走査速度、レーザ出力など)の設定可能範囲(プロセスウィンドウという)が狭くなり、スクライブが困難になるが、本発明により、3mm以下でもスクライブ可能な条件範囲が広まり、スクライブが簡単にできるようになる。なお、下限については、帯状のストリートのパターニングができる限り特に制限されない。ただし、歩留まりよくパターニングする観点からは0.2mm以上であることが好ましい。
上記発明において、窓部の幅が2mm以下であるのが好ましい。
窓部の下では、直接レーザビームが照射され、熱応力が強くなるので窓部の下にスクライブラインが形成されるが、この幅が2mm以下であれば、スクライブ予定ラインと実際のスクライブラインとの位置誤差が十分に小さくなり、加工精度の信頼性が高い加工ができる。
なお、下限については、窓部の加工ができる限り特に制限されない。ただし、歩留まりよくパターニングする観点からは0.2mm以上であることが好ましい。
窓部の下では、直接レーザビームが照射され、熱応力が強くなるので窓部の下にスクライブラインが形成されるが、この幅が2mm以下であれば、スクライブ予定ラインと実際のスクライブラインとの位置誤差が十分に小さくなり、加工精度の信頼性が高い加工ができる。
なお、下限については、窓部の加工ができる限り特に制限されない。ただし、歩留まりよくパターニングする観点からは0.2mm以上であることが好ましい。
上記発明において、レーザビームを反射する性質の被膜領域は導電性膜からなるのが好ましい。
導電性膜は熱伝導性もよいので、熱エネルギーを有効に基板に伝達することができる。
具体的には、導電性膜として、ITO、アルミ、金、銀、酸化亜鉛、水酸化マグネシウムを使用するのが好ましい。
導電性膜は熱伝導性もよいので、熱エネルギーを有効に基板に伝達することができる。
具体的には、導電性膜として、ITO、アルミ、金、銀、酸化亜鉛、水酸化マグネシウムを使用するのが好ましい。
上記発明において、光吸収性被膜は、SiO2膜、SiN、SiON、Al2O3、ZnO2、カーボンであるのが好ましい。
これらはレーザビーム(YAGレーザ、CO2レーザ)などのレーザスクライブに使用するレーザ光源から出射されるレーザビームの波長に対し、吸収する性質を有するので、光吸収性被膜として利用できる。
なお、SiO2膜は、熱膨張係数が小さいので、熱応力が生じにくく、レーザスクライブは困難であるが、窓部を形成してスクライブ予定ライン上から除去することにより、光吸収性被膜として利用しても、基板のレーザスクライブに影響を及ぼすことはない。
これらはレーザビーム(YAGレーザ、CO2レーザ)などのレーザスクライブに使用するレーザ光源から出射されるレーザビームの波長に対し、吸収する性質を有するので、光吸収性被膜として利用できる。
なお、SiO2膜は、熱膨張係数が小さいので、熱応力が生じにくく、レーザスクライブは困難であるが、窓部を形成してスクライブ予定ライン上から除去することにより、光吸収性被膜として利用しても、基板のレーザスクライブに影響を及ぼすことはない。
以下、本発明にかかるレーザスクライブ方法の詳細を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、電子製品用として汎用される基板であるソーダライムガラスの上にアルミ膜の電極が形成された製品(例えばタッチパネル)に対し、レーザスクライブ加工を行う場合について説明する。なお、本発明の説明に必要な部分以外の製品の構造については説明を省略している。
なお、レーザスクライブに用いるレーザ光源には、波長10.6μmのCO2レーザを使用する。この波長のレーザは後述するSiO2膜によって吸収される性質を有する。また、レーザ光源からの出射光は、レンズ光学系によって断面が楕円形状のレーザビームに調整され、基板Gに照射したときに表面に形成されるビームスポットの幅Bが2mmに調整されているものとする。
図1は、本発明の一実施形態であるレーザスクライブ方法によるガラス基板の加工手順を示す断面図であり、加工部分を拡大して示している。
図1(a)はレーザスクライブを行う部位の断面図である。ソーダライムガラス基板Gの上に、単位パターンU1,U2が左右に並べてパターニングされており、それらの間には幅Wが1.2mmの帯状のストリート13が設けられている。単位パターンU1側の基板表面にはアルミ膜11、単位パターンU2側にはアルミ膜12がそれぞれストリート13との境界面まで形成されている。
したがって、ストリート13の中心(スクライブ予定ラインC)にビームスポットの長軸を合わせると、左右のアルミ膜11,12上を、それぞれ幅0.4mmずつ照射されることになる。
図1(a)はレーザスクライブを行う部位の断面図である。ソーダライムガラス基板Gの上に、単位パターンU1,U2が左右に並べてパターニングされており、それらの間には幅Wが1.2mmの帯状のストリート13が設けられている。単位パターンU1側の基板表面にはアルミ膜11、単位パターンU2側にはアルミ膜12がそれぞれストリート13との境界面まで形成されている。
したがって、ストリート13の中心(スクライブ予定ラインC)にビームスポットの長軸を合わせると、左右のアルミ膜11,12上を、それぞれ幅0.4mmずつ照射されることになる。
続いて、図1(b)に示すように、基板Gの表面に、SiO2膜を光吸収性被膜14として成膜する。具体的には、例えば、スパッタリング装置やプラズマCVD装置を用いて成膜する。光吸収性被膜14の厚さは、レーザビームが照射されたとき、その光エネルギーを十分に吸収できる厚さであればよく、0.5μm〜3μm程度の膜厚にするのが好ましい。
続いて、図1(c)に示すように、ストリート13の中央(スクライブ予定ラインC)のSiO2膜を除去して、窓部15を形成する。窓部15の幅Mは加工が容易な0.6mm程度とする。窓部15の形成方法は半導体プロセスで行われる周知の方法で行えばよい。例えば、窓部15となる部分以外の基板面に、レジストをマスクとして塗布した上で、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことで形成することができる。
また、窓部15の簡便な方法としては、図1(b)の光吸収性被膜14を成膜する際に、ストリート13の中心の直上(窓部となる位置)を、マスクで覆った状態で成膜を行うようにして窓部15を形成することができる。
続いて、図1(d)に示すように、ビームスポットの中心がスクライブ予定ラインC上にくるように基板Gの位置を調整した上でレーザビームを照射し、スクライブ予定ラインCに沿ってビームスポットを走査することで、レーザスクライブを行う。これにより、窓部15の底に露出する基板面にクラックSが形成され、これが走査方向に進展するようになる。
なお、ビームスポットの直後に冷媒を噴射させるノズルを設けるようにすれば、加熱部分を急冷することができ、スクライブ予定ラインC近傍に生じる熱応力がより大きくなって、形成されるスクライブライン(クラックS)が確実に、かつ、深く形成できるようになる。
なお、ビームスポットの直後に冷媒を噴射させるノズルを設けるようにすれば、加熱部分を急冷することができ、スクライブ予定ラインC近傍に生じる熱応力がより大きくなって、形成されるスクライブライン(クラックS)が確実に、かつ、深く形成できるようになる。
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。
本実施形態は、レーザビームを反射する被膜としてアルミ膜が形成されたソーダライムガラスのレーザスクライブを説明したが、レーザビームを反射する被膜としてはITOなどの透明導電膜であってもよい。また、本実施形態ではレーザを反射する被膜が電極であるが、電極以外の用途であってもよい。
また、基板についてはガラス基板に限らず、シリコン基板などの脆性材料基板であってもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本実施形態は、レーザビームを反射する被膜としてアルミ膜が形成されたソーダライムガラスのレーザスクライブを説明したが、レーザビームを反射する被膜としてはITOなどの透明導電膜であってもよい。また、本実施形態ではレーザを反射する被膜が電極であるが、電極以外の用途であってもよい。
また、基板についてはガラス基板に限らず、シリコン基板などの脆性材料基板であってもよい。
その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明のレーザスクライブ方法は、ガラス基板、シリコンなどのレーザスクライブに利用される。
11 レーザ反射被膜(アルミ膜)
12 レーザ反射被膜(アルミ膜)
13 ストリート
14 光吸収性被膜(SiO2膜)
15 窓部
W ストリート幅
B ビームスポット幅
12 レーザ反射被膜(アルミ膜)
13 ストリート
14 光吸収性被膜(SiO2膜)
15 窓部
W ストリート幅
B ビームスポット幅
Claims (6)
- 帯状領域からなるストリートを挟んだ左右両側にレーザビームを反射する性質の被膜領域が形成された基板に対し、前記レーザビームを、前記ストリートの幅より広いビームスポットの幅にして、前記ストリート内に想定したスクライブ予定ラインに沿って走査するレーザスクライブ方法であって、
前記レーザビームを吸収する性質を有する光吸収性被膜を、前記スクライブ予定ライン直上の窓部を除いた前記ストリートの表面と、前記被膜領域の少なくともレーザビームが照射される被膜面とを覆うように形成する光吸収性被膜形成工程と、
前記スクライブ予定ラインに沿って、前記窓部および前記光吸収性被膜の上にレーザビームを照射するスクライブ工程とからなるレーザスクライブ方法。 - ストリートの幅が3mm以下である請求項1に記載のレーザスクライブ方法。
- 窓部の幅が2mm以下である請求項1または請求項2のいずれかに記載のレーザスクライブ方法。
- レーザビームを反射する性質の被膜領域は、導電性膜からなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載のレーザスクライブ方法。
- 導電性膜がITO、アルミ、ITO、アルミ、金、銀、酸化亜鉛、水酸化マグネシウムのいずれかである請求項1〜請求項4のいずれかに記載のレーザスクライブ方法。
- 前記光吸収性被膜は、SiO2膜、SiN膜、SiON膜、Al2O3膜、ZnO2膜、カーボン膜のいずれかである請求項1〜請求項5のいずれかに記載のレーザスクライブ方法。
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---|---|---|---|---|
JP2015047618A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-03-16 | 株式会社ディスコ | 加工方法 |
JP2019212695A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 日亜化学工業株式会社 | キャップの製造方法と、発光装置及びその製造方法 |
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