JP2012000596A - イオン交換装置および固液分離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオン交換樹脂と処理液とを分離するコレクタ部20を備え、コレクタ部20は、イオン交換樹脂と処理液とを分離するためのスリット213を有するストレーナ21と、ストレーナ21を配するための開口部25が設けられた目皿板22と、目皿板22の表面を被覆し目皿板22と処理液とを非接触にするためのライニング23と、目皿板22の開口部25に配されライニング23と接合すると共にストレーナ21を固定するアダプタ24と、を備えることを特徴とするイオン交換装置。
【選択図】図2
Description
またイオン交換装置は、工業用水を処理して純水を製造するのみならず、例えば、糖液の脱色や脱塩、塩水の精製など種々の分野において利用されている。
即ち、本発明の目的は、ストレーナの固定にナットを使用する必要がなく、加えて高い精度でストレーナを目皿板等に固定することができるため、ナットを取付けるための作業スペースおよびこの作業スペースへアクセスするための大口径の出口部を必要とせず、集液部の空間を削減することができるイオン交換装置等を提供することである。
図1は、本実施の形態のイオン交換装置について説明した断面図である。
図1に示したイオン交換装置1は、全体としては、略円筒形状のカラムである。そして被処理液をイオン交換処理し処理液とするイオン交換手段を充填するイオン交換手段充填部10と、イオン交換手段と処理液とを分離する固液分離手段の一例としてのコレクタ部20と、コレクタ部20により分離された処理液を集液する集液部30とから主要部が構成されている。イオン交換手段充填部10、コレクタ部20、および集液部30は、それぞれ上方向から下方向に配列する。そして、イオン交換手段充填部10のフランジ部11、集液部30のフランジ部33の箇所において、コレクタ部20の詳しくは後述する目皿板22を挟んで、ボルトおよびナットにより接続している。
図2は、コレクタ部20の一部を拡大した拡大図である。
以下、図1および図2を使用してコレクタ部20の説明を行なう。
本実施の形態において、コレクタ部20は、イオン交換樹脂と処理液とを分離するための間隙部を有する分離部の一例としてのストレーナ21と、ストレーナ21を配するための開口部25が設けられた板部の一例としての目皿板22と、目皿板22の表面を被覆し目皿板22と処理液とを非接触にするための被覆部の一例としてのライニング23と、目皿板22の開口部25に配されライニング23と接合すると共にストレーナ21を固定する固定部の一例としてのアダプタ24とを備える。なお図2では、説明の便宜上ストレーナ21を分離した状態で図示している。
そしてストレーナ21は、内部に中空部を有し、この中空部は、取り付け部212の下部に排出口215を有する。即ち、スリット213を通過した処理液は、ストレーナ21内部の中空部に侵入し、それから排出口215から排出される。このとき排出口215は集液部30の側に開口している。そのため以上のような構造のストレーナ21を使用することで、まずイオン交換手段充填部10の側で、処理液をイオン交換樹脂から分離して取り出し、そして処理液を集液部30の側に排出する作業を連続的に行なうことができる。
ストレーナ21は、例えば、熱可塑性を有する樹脂等の材料からなり、射出成形等により製造することができる。またストレーナ21は、イオン交換樹脂と処理液とを均一かつより高速に分離できるという観点から、多数個取り付けられる。本実施の形態では、例えば、この個数を160個とすることができる。
また目皿板22は、ストレーナ21を固定する役割も担う。そのため目皿板22には、ストレーナ21を配するための開口部25が、複数存在する。この開口部25は、目皿板22を貫通して形成されるため、開口部25の箇所にストレーナ21を配した場合、ストレーナ21を通じて、処理液を、イオン交換手段充填部10から集液部30に移動、排出することができる。
図3(a)〜(b)は、ストレーナ21を目皿板22に取り付ける形態について説明した図である。
ここで図3(a)は、アダプタ24を使用せず、開口部25に設けたライニング23に直接ねじ切り部を設けて、ストレーナ21を目皿板22に取り付けた場合を説明した図である。また図3(b)は、アダプタ24は使用するが、ライニング23を開口部25の内周に設けずにアダプタ24を取付けて、ストレーナ21を目皿板22に取り付けた場合を説明した図である。
図3(a)の場合、目皿板22の開口部25に直接ねじ切り部221を形成し、これを利用してストレーナ21の取り付けを行なう。しかしながら目皿板22に対し、多数個の開口部25を鉛直方向に正確に形成するのは困難である。正確に鉛直方向に開口部25を形成できなかった場合は、図3(a)のようにストレーナ21は、鉛直方向よりずれた方向である斜め方向に取り付けられることになる。この場合、ストレーナ21の頭部211が密着して取り付けることができないため、隙間26ができる。この場合、隙間26から上述したようなイオン交換樹脂の漏れが生じやすくなる。ストレーナ21は、本実施の形態の場合、上述したように160個あり、そのうち斜めに形成された開口部25が1つでもないことが望ましい。
つまり図3(a)〜(b)の場合は、ストレーナ21の取り付け精度は、目皿板22に形成される開口部25の加工精度により規定される。ただし、複数の開口部25を鉛直方向に全て正確に形成するのは困難であるため、ストレーナ21が斜め方向に取り付けられるのを全て回避するのは困難である。またアダプタ24の材料であるエボナイトと目皿板22の材料である炭素鋼との結合性は悪く、アダプタ24が目皿板22から脱離するおそれがある。
コレクタ部20の各ストレーナ21の排出口215から排出された処理液は、そのまま下部に流通し、鏡板部32の内壁を伝って下方向に移動する。そして集液部30の下部に設けられた出口部35に集められる。そして出口部35から処理液をイオン交換装置1の外部に排出することができる。
なお集液部30の内部も図示しないゴムライニング等のライニングが施されており、処理液や使用する薬剤と集液部30を形成する炭素鋼等の材料とを非接触としている。
即ち、本実施の形態のイオン交換装置1は、固体と液体を分離するためのスリット213を有するストレーナ21と、ストレーナ21を配するための開口部25が設けられた目皿板22と、目皿板22の開口部25の内周を被覆するライニング23と、目皿板22の開口部25に配され、ライニング23と接合すると共にストレーナ21を固定するためのアダプタ24と、を備え、ストレーナ21およびアダプタ24にはそれぞれねじ切り部216,241が形成され、ストレーナ21は、ねじ切り部216,241を介してアダプタ24に固定されることを特徴とする固液分離装置であるとも考えられる。
即ち、コレクタ部20のストレーナ21を除いた部分は、固体と液体を分離するために用いられるストレーナ21の支持構造であって、ストレーナ21を配するための開口部25が設けられた目皿板22と、目皿板22の開口部25の内周を被覆するライニング23と、ライニング23とストレーナ21の間に設けられ、ストレーナ21を固定するためのアダプタ24と、を備え、ライニング23とアダプタ24とは、着脱不能の状態で接合し、ストレーナ21は、アダプタ24と着脱可能の状態で固定されることを特徴とする分離部の支持構造であるとも考えられる。
次に図1および図2で説明を行なったコレクタ部20の製造方法について説明を行なう。
図4(a)〜(f)は、コレクタ部20の製造方法の一例について説明した図である。
まず図4(a)に示すように目皿板22に開口部25を形成する。開口部25は、通常の機械加工により形成が可能である。なお前述したように開口部25は、目皿板22に対し、必ずしも鉛直方向に形成される必要はない。
図1および図2で説明したコレクタ部20を、図4で説明した方法により製造した。そして、このコレクタ部20を使用したイオン交換装置1を製造した。
ここで、ストレーナ21は、樹脂製であり、射出成形により作製されたものを用いた。また目皿板22は、炭素鋼からなるものを用い、この目皿板22を硬質ゴムからなるライニング23により被覆した。更にアダプタ24は、エボナイトからなるものを用いた。
図5は、コレクタ部20の圧縮試験について説明した図である。
圧縮試験は、図5に示すように、コレクタ部20の一部について製造を行なったサンプルを用いて行なった。このサンプルは、ストレーナ21が1個だけ取り付けられる。そしてストレーナ21の頭部211に荷重をかけることで圧縮試験を行なった。これによりコレクタ部20を構成する各部分の相対的な強度を測定することができる。
この圧縮試験の結果、ストレーナ21の頭部211が潰れることで最初に破壊した。つまりストレーナ21の強度より、アダプタ部24とライニング部23の接合の強度の方が強いということが言える。ストレーナ21は、イオン交換手段充填部10内部のイオン交換樹脂および被処理液の圧力を支持するのに十分な強度を有するように設計されている。よって、本実施の形態のコレクタ部20を使用してイオン交換装置1を製造した場合、アダプタ部24とライニング23の接合の強度は、十分なものであると言える。
Claims (10)
- 被処理液をイオン交換処理し処理液とするイオン交換手段を充填するイオン交換手段充填部と、
前記イオン交換手段と前記処理液とを分離する固液分離手段と、
前記固液分離手段により分離された処理液を集液する集液部と、を備え、
前記固液分離手段は、
前記イオン交換手段と前記処理液とを分離するための間隙部を有する分離部と、
前記分離部を配するための開口部が設けられた板部と、
前記板部の表面を被覆し、当該板部と前記処理液とを非接触にするための被覆部と、
前記板部の前記開口部に配され、前記被覆部と接合すると共に前記分離部を固定する固定部と、
を備えることを特徴とするイオン交換装置。 - 前記分離部および前記固定部にはそれぞれねじ切り部が形成され、当該分離部は、当該ねじ切り部を介して当該固定部に固定されることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換装置。
- 前記被覆部および前記固定部は、ゴム組成物からなることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン交換装置。
- 前記固定部を構成する前記ゴム組成物は、エボナイトであることを特徴とする請求項3に記載のイオン交換装置。
- 前記被覆部と前記固定部とは、前記開口部の内周において加硫処理により接合することを特徴とする請求項3に記載のイオン交換装置。
- 固体と液体を分離するための間隙部を有する分離部と、
前記分離部を配するための開口部が設けられた板部と、
前記板部の前記開口部の内周を被覆する被覆部と、
前記板部の前記開口部に配され、前記被覆部と接合すると共に前記分離部を固定するための固定部と、を備え、
前記分離部および前記固定部にはそれぞれねじ切り部が形成され、当該分離部は、当該ねじ切り部を介して当該固定部に固定されることを特徴とする固液分離装置。 - 前記固体は、イオン交換樹脂からなることを特徴とする請求項6に記載の固液分離装置。
- 固体と液体を分離するために用いられる分離部の支持構造であって、
前記分離部を配するための開口部が設けられた板部と、
前記板部の前記開口部の内周を被覆する被覆部と、
前記被覆部と前記分離部の間に設けられ、当該分離部を固定するための固定部と、を備え、
前記被覆部と前記固定部とは、着脱不能の状態で接合し、前記分離部は、当該固定部と着脱可能の状態で固定されることを特徴とする分離部の支持構造。 - 前記分離部および前記固定部にはそれぞれねじ切り部が形成され、当該分離部は、当該ねじ切り部を介して当該固定部に固定されることを特徴とする請求項8に記載の分離部の支持構造。
- 前記被覆部および前記固定部は、ゴム組成物からなり、当該被覆部と当該固定部とは、加硫処理により接合することを特徴とする請求項8または9に記載の分離部の支持構造。
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