JP2011529685A - リン酸と硫酸とを含む酸混合物を用いたセルロース系バイオマスの脱結晶化 - Google Patents

リン酸と硫酸とを含む酸混合物を用いたセルロース系バイオマスの脱結晶化 Download PDF

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Abstract

本発明は、バイオマスを処理して糖を生成する方法を提供する。方法は、特有のモル比でバイオマスと硫酸およびリン酸を含む酸混合物とを接触させることにより、セルロースを脱結晶化することを対象とする。脱結晶化に続いてバイオマスを酸混合物により加水分解し、糖を含む糖化生成物を生成してもよい。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年7月31日に出願された米国仮特許出願第61/085,165号の優先権の利益を主張する。
バイオマス処理して糖を得る方法が提供される。具体的には、リン酸および硫酸を含む酸混合物を用いたバイオマス中のセルロースの脱結晶化とそれに続く加水分解によって、糖化生成物が高収率で提供される。
農業残渣、木材、林業廃棄物、製紙汚泥、および都市および工業固体廃棄物などのセルロースおよびリグノセルロース系原材料および廃棄物は、燃料およびその他の化学薬品などの価値ある製品を製造するための、潜在的に大量の再生可能な原材料を提供する。セルロースおよびリグノセルロース系原材料および廃棄物はセルロース、ヘミセルロース、グルカン、およびリグニンを含む炭水化物ポリマーから構成され、一般に多様な化学的、機械的、および酵素的手段によって処理されて、主としてヘキソースおよび五炭糖を放出し、次にそれは有用な製品に発酵させ得る。
セルロースおよびリグノセルロース系材料の炭水化物ポリマーを糖化のためにより容易に利用できるよう前処理法が使用される。標準的前処理法は、歴史的に主として高温において強酸を利用する。しかしエネルギーの高コスト、装置の高コスト、前処理触媒回収の高コスト、および糖化のために使用してもよい酵素との不適合性の理由から、酵素的前処理、または前処理中に起きるバイオマス炭水化物ポリマーの加水分解がより少ない、より穏和な温度における酸または塩基の使用などの代案の方法が開発されており、セルロースおよびヘミセルロースの双方を糖化する改善された酵素系が必要とされる。
リン酸または硫酸を使用するいくつかの前処理法が開示されている。例えば米国特許第4,058,411号明細書は、抽出され再利用される濃H3PO4の使用を通じて天然セルロース系材料中のセルロースを脱結晶化する方法を開示する。H3PO4の濃度は80質量%〜85質量%の範囲に及ぶ。
米国特許第5,486,068号明細書は、濃硫酸(93〜98.5%のH2SO4)または濃リン酸(75〜85%のH3PO4)を用いて、またはこれらの濃縮形態の酸の様々な混合物を用いて、木材、木材廃棄物、紙、および/またはその他のタイプの多糖類(本質的にセルロースおよびリグニンから構成される物質)を処理する方法を開示する。この方法の生成物である材料の乾燥固体組成物は、農業用土壌を処理するのに、または埋め土として使用し得る。
米国特許第5,417,984号明細書および米国特許第5,674,507号明細書は、制御される一続きの温度条件下で、セルロース材料と85%以上の質量百分率のリン酸とを反応させることにより、低結晶化度セルロースを調製する方法を開示する。
国際公開第02/02826号パンフレットは、特に硫酸を含む酸含有溶液で加水分解されたセルロース含有原料から発酵性糖を製造する方法について記載し、酸は抽出剤によって混合物から除去される。この方法は、低級アルコールと低級ケトンとの混合物が抽出剤として使用されることにより特徴付けられる。
国際公開第2007/111605号パンフレットは、リグノセルロース系バイオマスをセルロース、ヘミセルロース、糖、リグニン、および酢酸に効率的に分画するための方法とシステムについて記載する。この方法の1ステップでは第1の溶剤とリグノセルロース系バイオマスとを合わせ、別の加工ステップでは第2の溶剤と前のステップからの材料とを合わせる。第1の溶剤は、数ある化学薬品または化学薬品の組み合わせの中で、特に塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、酢酸、二酸化硫黄、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアからなる群から選択される1つ以上の化学薬品を含む。
バイオマス中のセルロースの効率的な脱結晶化、および加水分解(糖化)に利用できるより多量の炭水化物を提供する能力は、再生可能資源バイオマスから発酵性糖を製造する商業的方法にとって有利であろう。このような利点は、高濃度で高収率の糖を提供する方法に経済的な競争力を与える。
本発明は、バイオマスを処理して糖を生成することにより前記利点を得る方法を提供する。本発明の態様は、バイオマスと硫酸およびリン酸の酸混合物とを接触させるステップを含む、バイオマス中のセルロースを脱結晶化する方法である。3.39:1〜0.21:1の範囲にわたるモル比でリン酸および硫酸を含む酸混合物の使用は、バイオマス前処理のための硫酸のみまたはリン酸のみの使用とは対照的に、制御可能な様式でセルロースの効率的な脱結晶化を提供し、糖化のためにより多量の炭水化物を利用できるようにすることが判明している。脱結晶化に続いてバイオマスを酸混合物で加水分解し、糖を含む糖化生成物を生成してもよい。
本発明の一実施態様では、バイオマス中のセルロースを脱結晶化する方法は、
(a)セルロースを含むバイオマスを提供するステップと、
(b)前記バイオマスとリン酸および硫酸を含む酸混合物とを接触させてバイオマス/酸混合物を形成するステップと、
(c)前記バイオマス/酸混合物を、脱結晶化バイオマス生成物を生成するのに十分な反応時間と温度に保つステップ、
とを含み、
(i)前記酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比は約3.39:1〜約0.21:1であり、
(ii)前記バイオマスの質量と前記酸混合物の質量との比率は約1:0.5〜約1:5である。
バイオマスとは、例えばバイオエネルギー作物、農業残渣、都市固体廃棄物、工業固体廃棄物、庭ごみ、木材、林業廃棄物、およびそれらの組み合わせなどのあらゆるセルロースまたはリグノセルロース系材料を指す。本発明の方法に従って、脱結晶化バイオマス生成物は水を含有してもよく、水の質量%はバイオマス、酸混合物、および水の総質量に基づいて約3質量%〜約30質量%である。一実施態様では、水の質量%は約5質量%〜約20質量%であってもよい。一実施態様では酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比は、約1.98:1〜約0.36:1であってもよい。一実施態様では、バイオマス質量と酸混合物質量との比率は約1:0.5〜約1:2であってもよい。一実施態様では、温度は約0℃〜約50℃であってもよい。一実施態様では、温度は約15℃〜約25℃であってもよい。一実施態様では、反応時間は約72時間までであってもよい。
一実施態様では、反応時間は約24時間までであってもよい。一実施態様では、ステップ(a)、(b)、(c)、またはその組み合わせは、少なくとも1回繰り返してもよい。一実施態様では、脱結晶化バイオマス生成物中において、提供されるバイオマス中の少なくとも約50%のセルロースを脱結晶化してもよい。一実施態様では、脱結晶化バイオマス生成物中の少なくとも約70%のセルロースを脱結晶化してもよい。一実施態様では、脱結晶化バイオマス生成物中の少なくとも約90%のセルロースを脱結晶化してもよい。さらにバイオマス中に存在するセルロース、ヘミセルロース、および/またはオリゴ糖類のサイズを低下させ、露出表面積を増大させ、および/またはアクセスしやすさを増大させるために、ステップ(a)の前または最中に、ステップ(b)の前または最中に、ステップ(c)の前または最中に、またはそれらの組み合わせでバイオマスにエネルギーを加えてもよい。
本発明の一実施態様では、バイオマスを糖化する方法は、
(a)セルロースを含むバイオマスを提供するステップと、
(b)前記バイオマスとリン酸および硫酸を含む酸混合物とを接触させてバイオマス/酸混合物を形成するステップと、
(c)前記バイオマス/酸混合物を脱結晶化バイオマス生成物を生成するのに十分な第1の反応時間と第1の温度に保つステップと、
(d)前記脱結晶化バイオマス生成物に、バイオマスおよび酸混合物を合わせた質量に基づいて約20質量%〜約200質量%の水を添加するステップと、
(e)前記水および脱結晶化バイオマス生成物を、糖化生成物を生成するのに十分な第2の反応時間と第2の温度に保つステップと
を含み、
(i)前記酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比は約3.39:1〜約0.21:1であり、
(ii)前記バイオマスの質量と前記酸混合物の質量との比率は約1:0.5〜約1:5である。
本発明の方法に従って、第2の反応時間は約1〜約16時間であってもよい。本発明の方法に従って、第2の温度は約50℃〜約100℃であってもよい。一実施態様では、酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比は約1.98:1〜約0.36:1であってもよい。脱結晶化バイオマス生成物は水を含有し、水の質量%は、バイオマス、酸混合物、および水の総質量に基づいて約3質量%〜約30質量%であってもよい。糖化生成物は、グルコース、セロビオース、およびキシロースまたはその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖を含む。さらに糖化生成物中の液体を固形物から分離させ、そして場合により液体を水で洗浄してもよい。
脱結晶化前(曲線10)および後(曲線20)のトウモロコシ穂軸サンプルのX線回析パターンを示す。これらは、結晶性セルロースに典型的な反射とそれらの喪失をそれぞれ示す。 リン酸および硫酸の50:50混合物の存在下で5分後のトウモロコシ穂軸の脱結晶化を示す光学顕微鏡写真を示す。 リン酸および硫酸の50:50混合物の存在下で60分後のトウモロコシ穂軸の脱結晶化を示す光学顕微鏡写真を示す。 リン酸および硫酸の70:30混合物の存在下で1.5時間後のトウモロコシ穂軸の脱結晶化を示す光学顕微鏡写真を示す。 リン酸および硫酸の70:30混合物の存在下で16時間後のトウモロコシ穂軸の脱結晶化を示す光学顕微鏡写真を示す。
本発明の方法中のステップの存在の記述または説明に関して不定冠詞「a」または「an」が使用される場合、記述または説明中で明示的に断りのない限り、このような不定冠詞の使用は、方法中のステップの存在数を1つに限定しないと理解すべきである。
数値範囲が本明細書で列挙される場合、特に断りのない限り、範囲はその終点、およびその範囲内の全ての整数および画分を含むことが意図される。範囲を画定する場合、本発明の範囲を列挙された特定値に限定することは意図されない。
「発酵性糖」という用語は、発酵過程で微生物が炭素源として使用し得るオリゴ糖類および単糖類を指す。
「リグノセルロース系」という用語は、リグニンおよびセルロースの双方を含む組成物を指す。リグノセルロース系材料はまた、ヘミセルロースを含んでもよい。
「セルロース系」という用語は、セルロースを含む組成物を指す。
「目的化学物質」という用語は、発酵によって生成される化学物質を指す。化学物質は広い意味で使用されて、例えばペプチド、酵素、および抗体をはじめとするタンパク質などの分子を含む。目的化学物質の例としては、エタノールおよびブタノールが挙げられる。
「糖化」という用語は、多糖類からの発酵性糖の生成を指す。
「前処理バイオマス」という用語は、糖化に先だって前処理されたバイオマスを意味する。
「バイオマス」という用語はあらゆるセルロースまたはリグノセルロース系材料を指し、セルロースを含む材料を含み、ヘミセルロース、リグニン、デンプン、オリゴ糖類および/または単糖類をさらに含んでもよい。バイオマスはまた、タンパク質および/または脂質などの追加的構成要素を含んでもよい。本発明に従ってバイオマスは単一起源に由来してもよく、またはバイオマスは2つ以上の起源に由来する混合物を含んでなり得る。例えばバイオマスは、トウモロコシ穂軸およびトウモロコシ茎葉、または草および葉の混合物を含んでなり得る。バイオマスの混合物としては、バイオエネルギー作物、農業残渣、都市固体廃棄物、工業固体廃棄物、製紙汚泥、庭ごみ、木材および林業廃棄物またはその組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。バイオマスの例としては、トウモロコシ穀粒、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ苞葉などの農作物残渣、トウモロコシ茎葉、草、小麦、小麦藁、大麦、大麦藁、乾草、稲藁、スイッチグラス、古紙、サトウキビバガス、ソルガム、ダイズ、穀物の製粉から得られる構成要素、木、枝、根、葉、木くず、おがくず、潅木と茂み、野菜、果物、花、および厩肥またはその組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。一実施態様では、本発明に有用なバイオマスとしては、比較的高い炭水化物値を有して、比較的高密度であり、および/または収集、輸送、保存および/または取り扱いが比較的容易なバイオマスが挙げられる。本発明の一実施態様では、有用なバイオマスとして、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉、おがくず、およびサトウキビバガスが挙げられる。
本方法では、セルロース、および任意にヘミセルロースの脱結晶化が迅速に制御可能な様式で起きて、バイオマスとリン酸および硫酸を含む酸混合物とを接触させた際の望ましくない発熱を回避する。酸混合物中のリン酸と硫酸との比率はモル基準で約3.39:1〜約0.21:1であり、例えば約1.98:1〜約0.36:1、または例えば約1.27:1〜約0.56:1である。酸混合物中のリン酸と硫酸との比率はまた、モル基準で1:1であり得る。
酸混合物中のリン酸と硫酸との比率はまた、好都合には酸混合物を調製するのに使用された濃リン酸溶液質量と濃硫酸溶液質量との比率として表され得る。酸混合物中の濃リン酸溶液質量と濃硫酸溶液質量の比率は約20:80〜約80:20であり、例えば約30:70〜約70:30、例えば約40:60〜約60:40、例えば約50:50である。濃リン酸溶液とは約85質量%リン酸(H3PO4)を含有する溶液を意味する。濃硫酸溶液とは約98質量%硫酸(H2SO4)を含有する溶液を意味する。酸混合物は濃酸性溶液からの水を含有し得る。一実施態様では酸混合物は、本質的にリン酸、硫酸、および水からなる。
代案としては、濃硫酸溶液の代わりにまたは濃硫酸溶液と組み合わせて、発煙硫酸を使用し、酸混合物中に所望量の硫酸を提供することが可能である。同様に濃リン酸溶液の代わりにまたはそれ組み合わせて、リン酸が85質量%を超えるリン酸源を使用して、酸混合物中に所望量のリン酸を提供することも可能である。これらの場合、バイオマスと酸混合物とを接触させる速度、添加順序、および効果的な混合は、脱結晶化速度を制御する上での基本変数であり得る。
本方法では、バイオマスの中またはその上に含有される水量は、酸混合物中に含有される水量と合わせて、バイオマスおよび酸混合物を合わせた質量に基づいて約3質量%〜約30質量%であり、例えば約5質量%〜約20質量%である。セルロース脱結晶化は、より低い含水量で増進される。
本方法では、バイオマス質量と酸混合物質量との比率は約1:0.5〜約1:5であり、または例えば約1:0.5〜約1:2である。バイオマスと酸混合物との組み合わせの中のバイオマスの割合、またはバイオマス濃度は高く保たれ、発酵で使用される脱結晶化バイオマスの糖化の結果として生じる糖を濃縮する必要性を最小化する。高いバイオマス濃度はまた前処理材料の総容積も低下させて、方法をより経済的にする。実用的な観点からは、酸混合物質量に対するバイオマス質量の高い比率は、実用的な速度で脱結晶化が生じるための十分な混合または密着を提供する能力によって制限され得る。例えば比率が高ければ、押し出し機または類似した装置を使用して十分な混合を提供することが必要かもしれない。
バイオマスは、原料から得られたそのままで直接使用してもよく、またはバイオマスにエネルギーを加えてサイズを低下させ、露出表面積を増大させ、および/またはバイオマス中に存在するセルロース、ヘミセルロース、および/またはオリゴ糖類の酸に対する可用性を増大させてもよい。露出表面積を低下させるのに、および/またはバイオマス中に存在するセルロース、ヘミセルロースおよび/またはオリゴ糖類の可用性を増大させるのに有用なエネルギー手段としては、製粉、破砕、粉砕、細断、細切、ディスク叩解、超音波、およびマイクロ波が挙げられるが、これに限定されるものではない。エネルギーの適用は、前処理の前または最中に、糖化の前および最中に、またはあらゆるその組み合わせで起きてもよい。
例えばトウモロコシ穂軸のようなバイオマスにエネルギーを加えて、酸混合物による脱結晶化前に粒子サイズを低下させることが有利であることが多い。バイオマス粒子の適切なサイズ範囲は、脱結晶化反応を観察することで判定し得る。バイオマス粒子が小さすぎると脱結晶化反応は非常に迅速となり、発熱のために制御困難になり得る。これは特にいかなるリン酸もなしに、硫酸を単独使用した場合に当てはまる。バイオマス粒子が大きすぎると脱結晶化反応は遅くなり、反応混合物中のセルロースおよびヘミセルロースの分解または劣化が起きて、それは加水分解後の全体的糖収率を低下させる。適切な大きさの粒子は、脱結晶化が発熱なしに制御可能な様式で進行できるようにして、分解または劣化量が最小化される。例えばリン酸および硫酸の70:30(質量:質量)混合物を用いて、2mmのトウモロコシ穂軸粒子を室温で16時間かけて脱結晶化し得る。トウモロコシ穂軸粒子のサイズを0.5mmに低下させると、脱結晶化は約3時間以内に完了し得る。バイオマスのタイプによっては、例えばサトウキビバガスのように入手されたそのままの状態で使用し得て、あるいはサイズ低下のために最小量のエネルギーを加えて使用し得る。
リン酸および硫酸を含む酸混合物によるバイオマスの脱結晶化は、約0℃〜約50℃の温度で、例えば約15℃〜約25℃の温度で実施される。
リン酸および硫酸を含む酸混合物によるバイオマスの脱結晶化は、約72時間までの反応時間で実施される。より長時間の接触も可能であるが、実用的な経済上の理由からより短い時間が好ましいかもしれない。典型的に酸接触時間は、約24時間以下である。より長い時間は、バイオマスを分解するために加えられるエネルギーに対する必要性を低下させる利点を提供するかもしれない。脱結晶化時間はまた、リン酸と硫酸との比率を変動させることで制御し得る。硫酸の相対量が高いほど、脱結晶化の速度は速くなる。
バイオマス中のセルロースの結晶化度の低下は、X線回析を使用して観察し得る。図1は、リン酸および硫酸を含む酸混合物による脱結晶化前(曲線10)および後(曲線20)のトウモロコシ穂軸サンプルのX線回析パターンを示す。元の未処理トウモロコシ穂軸は、それぞれ結晶性セルロースの101、002、および040面に対応する、特徴的な結晶ピーク(16、22、および34.5(2−θ))を示す。これらのピークは、脱結晶化に続いて幅広いピークに低下する。
リン酸および硫酸を含む酸混合物によるセルロース系バイオマス中の脱結晶化はまた、偏光顕微鏡を使用して観察し得る。例えば製粉したトウモロコシ穂軸粒子を酸混合物と混合し、次に2枚のスライドガラスの間に入れて光学的鏡検法によって経時的にモニターし得る。図2は、リン酸および硫酸の50:50混合物の存在下で5分後のトウモロコシ穂軸(サイズ約0.1mm〜0.3mm)の脱結晶化を示す光学顕微鏡写真を示す。白色に見える結晶性粒子は脱結晶化に際して色が濃くなり、暗色領域に基づいて脱結晶化の程度が視覚的に推定できるようになる。室温で約1時間後、図3に見られるようにトウモロコシ穂軸はほぼ完全に脱結晶化する。
図4は、リン酸および硫酸の70:30混合物を使用して1.5時間後のトウモロコシ穂軸(サイズ約0.1mm〜0.3mm)の部分的脱結晶化を示す。図5は、透過光を使用して、16時間後に完全に脱結晶化したトウモロコシ穂軸サンプルを示す。
本発明の一実施態様では、提供されたバイオマス中の少なくとも約50%のセルロースが脱結晶化バイオマス生成物中で脱結晶化される。別の実施態様では、提供されたバイオマス中の少なくとも約70%のセルロースが脱結晶化される。別の実施態様では、提供されたバイオマス中の少なくとも約90%のセルロースが脱結晶化される。脱結晶化の程度が大きいほど、糖化生成物中に改善された糖収率がもたらされる。
一実施態様では、リン酸および硫酸を含む酸混合物によるバイオマスの脱結晶化は、例えば約25℃〜約50℃で約2時間〜約24時間など、比較的高温で比較的短時間実施されてもよい。別の実施態様では、バイオマスの酸接触工程は、例えば約15℃〜約25℃で約24時間〜約48時間など、より低温でより長時間実施してもよい。なおも別の実施態様では、バイオマスの酸接触工程は室温(およそ22〜25℃)で約24時間までの時間実施してもよい。これらの中間のその他の温度と時間の組み合わせを使用してもよい。
リン酸および硫酸を含む酸混合物によるバイオマスの脱結晶化では、温度、反応時間、バイオマスと酸混合物の接触中の水の総質量%、バイオマス濃度、バイオマスタイプ、およびバイオマス粒度が相関している。したがってこれらの変数を必要に応じて調節し、十分な脱結晶化速度を制御可能な様式で得て、糖への加水分解のための最適生成物を得てもよい。
バイオマス中のセルロースの脱結晶化は、バッチ反応器または連続反応器などのあらゆる適切な容器内で実施してもよい。適切な容器は、バイオマス/酸混合物を撹拌するためのインペラなどの手段を装着していてもよい。反応器のデザインについては、Lin,K.−H.、およびVan Ness,H.C.(Perry,R.H.およびChilton,C.H.(編),Chemical Engineer’s Handbook,第5版(1973年)第4章,McGraw−Hill,NY)で論じられている。脱結晶化反応は、バッチプロセスとして、または連続プロセスとして実施してもよい。
バイオマスから十分な量の糖を得るために、バイオマスを酸混合物で1回または2回以上脱結晶化してもよい。同様に糖化反応も1回以上実施し得る。脱結晶化および糖化工程のどちらも所望ならば繰り返して、より高収率で糖を得てもよい。脱結晶化および糖化工程の性能を別々にまたは一緒に評価するために、出発バイオマスから誘導できる糖の理論的収率を判定して、測定される収率と比較し得る。
脱結晶化後、脱結晶化バイオマス生成物は、リン酸、硫酸、水、部分的に分解したバイオマス、および発酵性糖の混合物を含む。水を脱結晶化バイオマス生成物に添加して、次に脱結晶化ステップからの酸を使用してそれを加水分解する。水の添加量はバイオマスと酸混合物とを合わせた質量に基づいて、約20質量%〜約200質量%である。本方法に従って、リン酸および硫酸を含む酸混合物の使用は、硫酸のみのシステムに比べて糖化のためにより少ない希釈を必要とし(同等の水の添加では、混酸計中で得られる硫酸濃度は、硫酸のみの脱結晶化システムよりも低いため)、糖化中に得られるより低い硫酸濃度は、より少ないキシロース分解をもたらすという追加的利点がある。キシロース分解は糖化を通じた糖収率の損失を増大させるので、それは望ましくない。リン酸および硫酸を含む酸混合物の使用はまた、制御可能な様式での効果的な糖化も提供する。
糖化反応は、約50℃〜約100℃の温度、例えば約70℃〜約90℃でリン酸および硫酸混合物を用いて実施される。
糖化反応は、約30分〜約16時間の反応時間、例えば約1時間〜約8時間にわたり実施される。反応時間は、脱結晶化バイオマス生成物中でのリン酸と硫酸との比率、希釈された脱結晶化バイオマス生成物混合物のpH、反応温度、使用基質、および酸濃度に左右され、酸濃度が高いほど反応時間はより早くなる。これらの変数を必要に応じて調節し、発酵で使用するための最適糖化生成物を得てもよい。
糖化反応は、バッチ反応器または連続反応器などのあらゆる適切な容器内で実施してもよい。適切な容器は、バイオマス/酸混合物を撹拌するためのインペラなどの手段を装着していてもよい。反応器デザインについては、Lin,K.−H.、およびVanNess,H.C.(Perry,R.H.およびChilton,C.H.(編),Chemical Engineer’s Handbook,第5版(1973年)第4章,McGraw−Hill,NY)で論じられている。
糖化は、バッチ式または連続プロセスで実施し得る。糖化はまた、一段階、または多段階で実施し得る。例えば糖化反応経過中に異なる反応温度、または異なるpH条件を採用してもよい。
糖化に続くバイオマスからの糖の可溶化の程度は、単糖類およびオリゴ糖類の放出を測定することでモニターし得る。単糖類およびオリゴ糖類の測定方法は当該技術分野で良く知られている。例えば還元糖濃度は1,3−ジニトロサリチル(DNS)酸アッセイを使用して測定し得る(Miller,G.L.,Anal.Chem.(1959年)31:426〜428頁)。代案としては、糖は、本明細書の実験の項に記載されるように、適切なカラムを使用してHPLCにより測定し得る。
糖化に続いて、糖化生成物中の液体を例えばバッチ法または連続法でリグニンなどの固形物から分離してもよい。場合により液体を水で洗浄してもよい。糖化混合物を蒸発により濃縮して、例えば発酵性糖の濃度を増大させてもよい。
糖化生成物中の例えばグルコース、キシロース、およびセロビオースなどの発酵性糖は、適切な微生物によって使用され、目的化学物質が生成され得る。目的化学物質としては、例えば酸、アルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、生体高分子、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、および医薬品が挙げられる。
本発明を以下の実施例でさらに定義する。これらの実施例は本発明の好ましい実施態様を示しながら、例証としてのみ提供されるものと理解すべきである。上の考察およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的特徴を見極め得て、その範囲と精神を逸脱することなく本発明に様々な変更と修正を加えて、それを様々な用途と条件に適応させ得る。
以下の材料を実施例で使用した。全ての市販の試薬は受領したそのままの状態で使用した。
GR ACS純度95〜98%等級濃硫酸(98%)はEMD BioScience(USA)から得た。ACS試薬等級濃リン酸(85%)はSigma−Aldrich(St.Louis,MO)から得た。ACS試薬等級グルコースはSigma−Aldrichから得た。最小純度99%のキシロースはSigma−Aldrichから得た。ACS純度セロビオースはSigma−Aldrichから得た。ハンマーミルで挽いたトウモロコシ穂軸はIndependence Corn By−Products(Independence,IA)から得た。サトウキビバガスは製糖工場から得た。
略語の意味は次のとおり。「g」はグラムを意味し、「h」は時間を意味し、「wt%」は質量%を意味し、HPLCは高速液体クロマトグラフィーを意味し、「C」は摂氏であり、「mL」はミリリットルであり、「N」は規定度を意味する。
NREL LAP手順「バイオマス中の構造的炭水化物およびリグニン定量(Determination of Structural Carbohydrates and Lignin in Biomass)」の修正版を使用して、バイオマス中のグルカンおよびキシランの質量%を測定した。サンプル調製は、真空下80℃、または周囲圧力下105℃で一晩乾燥することにより簡素化した。20メッシュスクリーンを通過するまでサンプルをナイフ製粉(knife milled)したが、篩掛けはしなかった。次に乾燥製粉した固形物に、50mg固形物スケールで酸加水分解処置を施した。固形物を最初に水またはエタノールで抽出することはしなかった。糖のHPLC分析はAminex HPX−87Hカラム上で実施し、リグニン分析は試みなかった。
Bio−Rad HPX−87Hカラム(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)を使用して、適切なガードカラムがあるAlliance Model HPLC(Waters,Milford,MA)によって、0.01Nの水性硫酸を溶離液として使用して、糖化液中の可溶性糖グルコース、セロビオース、およびキシロースを測定した。
サンプルのpHを測定して、必要ならば硫酸で5〜6に調節した。次にサンプルを0.2μmシリンジフィルターに通して、HPLCバイアルに直接入れた。HPLCの操作条件は次のとおりであった。Biorad Aminex HPX−87H(炭水化物用):
注入量:濃度および検出器の限界次第で10〜50μL、
移動相:0.01N 硫酸水溶液、0.2μm濾過および脱気済み
流速:0.6mL/分
カラム温度:50℃、ガードカラム温度<60℃
検出器温度:メインカラム温度にできるだけ近い温度
検出器:屈折率
実行時間:15分間データ収集
実施後、標準曲線から各化合物についてサンプル中の濃度を判定した。
実施例1〜4、6〜9、11、12では製粉したトウモロコシ穂軸をバイオマスとして使用し、比較例を次のように調製した。サイズ約2〜5mmのトウモロコシ穂軸粒子(100g)と水(400g)とを設定7のWarringブレンダー(モデルHGB7WTG4)中で1時間合わせた。得られた混合物を焼結ガラスフィルターで濾過し、次に窒素ガス流下で固形物を85℃で一晩乾燥させた。次に乾燥固形物を0.5mm金属篩で篩掛けした。およそ95%の固形物が篩を通過し、粒子サイズが0.5mmまでであることが示唆された。篩を通過した製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子を明記されている実施例で使用した。測定されたトウモロコシ穂軸グルカンおよびキシランレベルに基づいて、グルコースおよびキシロースの理論的な収率は、100gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子あたりそれぞれ39gおよび31gと計算された。
実施例14〜21でバイオマスとして使用したトウモロコシ穂軸は、ハンマーミルまたはウイレーミルによって製粉し、篩掛けして指定サイズを有する粒子を得た。グルコースおよびキシロースの理論的収率は、他の実施例で使用されたトウモロコシ穂軸と同一範囲内であった。
サイズ0.5mmまでの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子中の残留水分レベルを判定するために、製粉トウモロコシ穂軸粒子の少量のサンプルを秤量し、次に140℃で1時間加熱して、次に再秤量して失われた水の質量を判定した。この方法により残留水分レベルは約5〜7質量%であることが判明した。
測定されたサトウキビバガスのグルカンおよびキシランレベルに基づいて、グルコースおよびキシロースの理論的収率は100gのバガスあたりそれぞれ46gおよび25gと計算された。
バイオマスの経時的な脱結晶化の程度は、ニコン偏光顕微鏡Eclipse LV100POLを使用して推定した。
実施例1
ガラス容器内で、2.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、4.0gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に撹拌せずに室温に一晩放置した。次に水(6.0g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約16.6質量%になった。容器とその内容物を90℃に設定した油浴を使用して加熱した。容器を還流冷却管に接続した。特定の時間間隔で、0.5mLのバイオマス/酸混合物サンプルを採取した。各サンプルを遠心分離して固形物を分離し、HPLCにより0.2mLの溶液を糖含量について分析した。グルコース、キシロース、およびセロビオース収率を計算して、以下の表に示す。6時間の加熱後、反応混合物を濾過して濾液を約5gの水で洗浄した。フィルター上に約0.5gの固形物が収集され、糖は濾液中に含有された。この方法を使用して高収率で糖が得られた。
実施例1: 70:30(重量/重量)のリン酸/硫酸混合物を使用したセルロースの脱結晶化とそれに続く90℃での加水分解により得られるグルコース、キシロース、およびセロビオースの収率
Figure 2011529685
実施例2
ガラスバイアル内で、1.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、3.0gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の60:40(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に撹拌せずに室温に一晩放置した。次に水(8.0g)を添加して、バイアルとその内容物を100℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。5時間の加熱後、溶液が温かい内に濾過して0.23gの固体と糖含有濾液を得た。HPLCにより溶液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は93%、セロビオース収率は3%、キシロース収率は81%と判定された。
実施例3
ガラスバイアル内で、2.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、5.0gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に室温に2日間放置した。次に水(8.0g)を添加し、バイアルとその内容物を100℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。2時間の加熱後、溶液を濾過して糖含有溶液から固形物を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は84%、キシロース収率は76%、セロビオース収率は5.7%と判定された。
実施例4
ガラスバイアル内で、2.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、4.0gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に室温に3日間放置した。次に水(8.0g)を添加して、バイアルとその内容物を100℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。6時間の加熱後、溶液を濾過して糖含有濾液から固形物を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は76%、キシロース収率は81%、セロビオース収率は10%と判定された。
実施例5
50gのトウモロコシ穂軸(約2〜3mmのサイズに製粉)と150gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を200gのジルコニア製粉ビーズを含有する磨砕機内に緩慢に混ぜ入れて、室温で一晩緩慢に撹拌した。次に水(113g)を添加して、反応混合物を、再循環熱水浴を使用して85℃に加熱した。混合物を2時間加熱した。次に溶液を濾過して、糖含有溶液から固形物を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。トウモロコシ穂軸装入量およびその組成に基づいて、グルコース収率は60%、キシロース収率は80%、セロビオース収率は20%と判定された。
実施例6
ガラスバイアル内で、4.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、9.0gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に室温に2日間放置した。次に水(10.25g)を添加して、バイアルとその内容物を85℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。4時間の加熱後、溶液を濾過して糖含有溶液から固形物を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は80%、キシロース収率は85%、セロビオース収率は16.7%と判定された。
実施例7
ガラスバイアル内で、4.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、7.25gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に室温に2日間放置した。材料を50℃のオーブンに2時間入れた。次に9.25gの水を添加して、バイアルとその内容物を85℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。3.5時間の加熱後、溶液を濾過して糖含有溶液から固形物を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は79%、キシロース収率は80%、セロビオース収率は16%と判定された。
実施例8
金属ボール内で、100gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、200gのof濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、オーバーヘッドミキサーを用いて室温で2日間撹拌した。次に水(225g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約19質量%になった。85℃で4時間の加熱後、反応混合物が温かい内に濾過し、濾液を約20gの水で洗浄した。フィルター上に約20gの固形物が収集された。濾液は約12.5質量%の糖を含有した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は80%、セロビオース収率は12%。キシロース収率は79%と判定された。
実施例9
ガラスバイアル内で、2.0gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、4.3gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)60:40(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物をスパチュラで15分間撹拌し、次に室温に一晩放置した。次に水(6.0g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約16質量%であった。バイアルとその内容物を90℃に設定した油浴を使用して加熱した。バイアルを還流冷却管に接続した。7時間の加熱後、溶液を濾過して糖含有溶液から固形物(0.38g)を除去した。HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は74%、キシロース収率は79%、セロビオース収率は8%と判定された。
実施例10
KitchenAidミキサー内で、46gのバガスと、100gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水を添加して質量を225gにした。元のバガス装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約20質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で3時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したバガスの量およびその組成に基づいて、グルコース収率は70.5%、キシロース収率は95%、セロビオース収率は14%と判定された。
実施例11
KitchenAidミキサー内で、83.33gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、166.6gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で3日間混合した。次に水(200g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18.5質量%になった。混合物をガラス容器に移し、容器とその内容物を良く撹拌しながら85℃で3.5時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は79%、キシロース収率は79%、セロビオース収率は12%と判定された。
実施例12
KitchenAidミキサー内で、100gの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子と、200gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で2.5日間混合した。次に水(200g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18.5質量%になった。混合物をガラス容器に移し、容器とその内容物を良く撹拌しながら80℃で3.5時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は80.7%、キシロース収率は89%、セロビオース収率は19%と判定された。
実施例13
バガス(100g)と、200gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で2日間混合した。次に水(225g)を添加した。元のバガス装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で3時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したバガスの量およびその組成に基づいて、グルコース収率は78%、キシロース収率は76%、セロビオース収率は20%と判定された。
実施例14
トウモロコシ穂軸(50g、約1mmサイズ)と、100gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水(100g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18.6質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で5時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は71%、キシロース収率は89%、セロビオース収率は18%と判定された。
実施例15
トウモロコシ穂軸(100g、約3/16インチサイズ)と、200gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水(200g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18.6質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で5時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は90%、キシロース収率は90%、セロビオース収率は9%と判定された。
実施例16
トウモロコシ穂軸(100g、約0.5mmサイズ)と、150gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の50:50(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水(250g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18.6質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で3時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は89%、キシロース収率は91%、セロビオース収率は8%と判定された。
実施例17
スイッチグラス(100g、約1mmサイズ)と、200gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の70:30(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水(200g)を添加した。元のスイッチグラス装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約19質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら83℃で数時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したスイッチグラスの量およびその組成に基づいて、グルコース収率は80.7%、キシロース収率は73.5%と判定された。
実施例18
トウモロコシ穂軸(27.8g、約2〜3mmサイズ)と、41.7gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の40:60(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で3日間混合した。次に水(69.3g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら83℃で3時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は78.9%、キシロース収率は77.2%と判定された。
実施例19
トウモロコシ穂軸(25g、約2〜3mmサイズ)と、37.5gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の40:60(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で1日間混合した。次に水(62.5g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約20質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら83℃で3時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は75.1%、キシロース収率は84%と判定された。
実施例20
トウモロコシ穂軸(100g、約2〜3mmサイズ)と、130gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の30:70(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて8時間混合した。次に水(224g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約20質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら75℃で4時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は75.6%、キシロース収率は76.5%と判定された。
実施例21
トウモロコシ穂軸(100g、約0.5mmサイズ)と、150gの濃リン酸溶液(85%H3PO4)および濃硫酸溶液(98%H2SO4)の40:60(質量:質量)混合物とを合わせた。バイオマス/酸混合物を、KitchenAid工業ミキサーを用いて室温で3時間混合した。次に水(200g)を添加した。元のトウモロコシ穂軸装入量に基づいて、バイオマス濃度はこの時点で約18質量%になった。混合物をガラス容器に移し、良く撹拌しながら85℃で5時間加熱した。溶液を濾過して固形物を除去し、HPLCにより濾液を糖含量について分析した。使用したトウモロコシ穂軸の量およびその組成に基づいて、グルコース収率は90.4%、キシロース収率は83.4%と判定された。
比較例
この比較例は、国際公開第02/02826号パンフレットの実施例1と同様に実施した。2.5グラムの製粉乾燥トウモロコシ穂軸粒子を8.25mLの硫酸−リン酸−水混合物(質量比50−20−30)に添加した。混合物を55℃に加熱して2.5時間保持した。水(1.0mL)を添加して混合物を55℃でさらに2.5時間加熱した。反応混合物を濾過して、濾液中の糖組成物を測定した。使用したトウモロコシ穂軸に基づいて、糖収率は、グルコース46%、キシロース64%、およびセロビオース0%と判定された。これらの値は、実施例1〜9、11〜16、および18〜21の方法を使用して得られたものよりも低い。
前述の説明では本発明の特定の実施態様について記載したが、当業者は、本発明の本質的特性の精神を逸脱することなく、本発明に多数の変更、置き換え、および再編成を加えることができるものと理解するであろう。本発明の範囲を示唆するものとしては、前述の明細書でなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

Claims (16)

  1. (a)セルロースを含むバイオマスを提供するステップと、
    (b)前記バイオマスとリン酸および硫酸を含む酸混合物とを接触させてバイオマス/酸混合物を形成するステップと、
    (c)前記バイオマス/酸混合物を、脱結晶化バイオマス生成物を生成するのに十分な反応時間と温度に保つステップと
    を含み、
    (i)前記酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比が約3.39:1〜約0.21:1であり、
    (ii)前記バイオマスの質量と前記酸混合物の質量との比率が約1:0.5〜約1:5である、
    バイオマス中のセルロースを脱結晶化する方法。
  2. 酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比が約1.98:1〜約0.36:1である、請求項1に記載の方法。
  3. 脱結晶化バイオマス生成物が水を含有し、前記水の質量%が、前記バイオマス、前記酸混合物、および前記水の総質量に基づいて約3質量%〜約30質量%である、請求項1に記載の方法。
  4. 水の質量%が約5質量%〜約20質量%である、請求項3に記載の方法。
  5. バイオマス質量と酸混合物質量との比率が約1:0.5〜約1:2である、請求項1に記載の方法。
  6. 温度が約0℃〜約50℃である、請求項1に記載の方法。
  7. 反応時間が約72時間までである、請求項1に記載の方法。
  8. (a)、(b)、(c)、またはその組み合わせが少なくとも1回繰り返される、請求項1に記載の方法。
  9. 提供されたバイオマス中の少なくとも約50%のセルロースが、脱結晶化バイオマス生成物中で脱結晶化される、請求項1に記載の方法。
  10. 提供されたバイオマス中の少なくとも約70%のセルロースが、脱結晶化バイオマス生成物中で脱結晶化される、請求項1に記載の方法。
  11. バイオマスがバイオエネルギー作物、農業残渣、都市固体廃棄物、工業固体廃棄物、庭ごみ、木材および林業廃棄物またはその組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. (a)の前または最中に、(b)の前または最中に、(c)の前または最中に、またはそれらの組み合わせでエネルギーを加えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. エネルギーが製粉、破砕、粉砕、細断、細切、ディスク叩解、超音波、およびマイクロ波からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. (a)セルロースを含むバイオマスを提供するステップと、
    (b)前記バイオマスとリン酸および硫酸を含む酸混合物とを接触させてバイオマス/酸混合物を形成するステップと、
    (c)前記バイオマス/酸混合物を脱結晶化バイオマス生成物を生成するのに十分な第1の反応時間と第1の温度に保つステップと、
    (d)前記脱結晶化バイオマス生成物に、前記バイオマスおよび前記酸混合物を合わせた質量に基づいて約20質量%〜約200質量%の水を添加するステップと、
    (e)前記水および前記脱結晶化バイオマス生成物を、糖化生成物を生成するのに十分な第2の反応時間と第2の温度に保つステップと
    を含み、
    (i)前記酸混合物中のリン酸と硫酸とのモル比が約3.39:1〜約0.21:1であり、
    (ii)前記バイオマスの質量と前記酸混合物の質量との比率が約1:0.5〜約1:5である、
    バイオマスを糖化する方法。
  15. 糖化生成物が、グルコース、セロビオース、およびキシロースまたはその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 糖化生成物中の液体を固形物から分離するステップと、任意選択的に前記液体を水で洗浄するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
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