JP2011527523A - プラズマ処理チャンバ内の膜を特性化するためのrfバイアス容量結合静電(rfb−cce)プローブ構成、それに関連する方法、及び、その方法を実行するコードを格納するプログラム格納媒体 - Google Patents

プラズマ処理チャンバ内の膜を特性化するためのrfバイアス容量結合静電(rfb−cce)プローブ構成、それに関連する方法、及び、その方法を実行するコードを格納するプログラム格納媒体 Download PDF

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Abstract

【解決手段】処理中に処理チャンバ内の基板上の付着膜を特性化するための方法が提供される。方法は、測定コンデンサが第1の容量値に設定された状態で、プローブヘッドについての電圧電流特性を決定することを含む。方法は、また、測定コンデンサが第1の容量値よりも大きい容量値に設定された状態で、プローブヘッドにRF列を印加することを含む。方法は、更に、付着膜についての初期抵抗値及び初期容量値を提供することを含む。方法は、尚もまた、初期抵抗値、初期容量値、及び電圧電流特性を利用して疑似電圧時間曲線を生成することを含む。方法は、尚も更に、一RF列の間における付着膜を通した電位降下を表わす測定電圧時間曲線を決定することを含む。方法は、そのうえ、これら2つの曲線を比較することを含む。もしこれらの差が所定の閾値未満である場合は、付着膜を特性化するために初期抵抗値及び初期容量値を利用する。
【選択図】図1

Description

プラズマ処理チャンバ内における基板の処理において、満足のいく結果を得るには、多くの場合、プロセスパラメータの厳格な管理が必要とされる。これは、最新の高密度集積回路を製造するために用いられる蒸着、エッチング、洗浄などのプロセスの場合に特に当てはまる。(バイアス電圧、RF電力、イオン束、プラズマ密度、圧力などの)プロセスパラメータが狭い所定の窓を超えると、プロセス逸脱が生じると言われている。これらのプロセス逸脱は、望ましくない処理結果(例えばエッチングプロフィールが劣る、感度が低いなど)をしばしばもたらす望ましくない事象を表わす。したがって、プロセス逸脱の検出、特性化、及び回避は、集積回路の製造に携わるプロセスの技術者にとって重要な任務である。
プロセス逸脱の検出は、多くの場合、種々のプロセスパラメータを監視することを通じて実施される。プロセスパラメータには、直接的に測定されえるもの(バイアス電圧、反射電力など)と、測定されたパラメータから推測されえるものとがある。
例えばプラズマエッチングプロセスなどのプラズマ処理中は、ポリマの付着がしばしば生じる。このポリマの付着は、結果として、チャンバ内の部品表面上に膜の層を付着させる。付着された膜は、後続のエッチングプロセスに影響を及ぼし、微粒子汚染の可能性を高め、頻繁なチャンバの洗浄を余儀なくさせる。更に、もし十分に厚い付着層がチャンバ内に存在している場合は、センサヘッドがポリマで覆われ、センサ信号を誤った値にする恐れがある。その他のプロセスでは、膜の付着は、意図的なこともあるが、それでもなお、同様にセンサの読み取り値に影響を及ぼすと考えられる。
したがって、チャンバ表面上の付着膜の特性化は、プロセス結果及びプロセス歩留まりを向上させるための並びに基板及び/又はチャンバ部品に対する損傷を回避するための、ツール制御、診断、及び/又はレシピ調整の目的にとって望ましいものである。
本発明は、一実施形態では、基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内の基板上の付着膜を特性化するための方法に関する。方法は、測定コンデンサが第1の容量値に設定された状態で、プローブヘッドについての電圧電流特性を決定することを含む。方法は、また、測定コンデンサが第1の容量値よりも大きい第2の容量値に設定された状態で、プローブヘッドに高周波(RF)列を印加し、それによって測定コンデンサを充電させることを含む。方法は、更に、付着膜についての初期抵抗値及び付着膜についての初期容量値を提供することを含む。方法は、尚もまた、初期抵抗値、初期容量値、及び電圧電流特性を利用して第1の疑似電圧時間曲線を生成することを含む。方法は、尚も更に、一RF列の間における付着膜を通した電位降下を表わす第1の測定電圧時間曲線を決定することを含む。方法は、そのうえ、第1の疑似電圧時間曲線を第1の測定電圧時間曲線と比較し、もし第1の疑似電圧時間曲線と第1の測定電圧時間曲線との間の差が所定の閾値未満である場合に、付着膜を特性化するために初期抵抗値及び初期容量値を利用することを含む。
上記の概要は、本明細書において開示される発明の多くの実施形態の1つに関するに過ぎず、特許請求の範囲において定められる発明の範囲を限定することを意図しない。本発明のこれらの及びその他の特徴は、発明の詳細な説明において以下の図面との関連のもとで更に詳しく下記に説明される。
本発明は、添付の図面において限定としてではなく例として示され、図中、類似の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
RFB−CCEプローブ構成の一例を示している。
本発明の一実施形態にしたがった、付着膜のモデルを含むRFB−CCEプローブ構成の回路モデルを示している。
等価の回路を示している。
本発明の一実施形態にしたがった、Rfilm及びCfilmを計算するための反復技術を示している。
film及びCfilmについて解くための連立微分方程式を示している。
Cmの容量値が小さい場合の特性VI特性曲線と、容量値が大きい(例えば100nF以上)場合の観測VI曲線とを示している。
本発明の一実施形態にしたがった、膜のCfilmと厚さ(d)との間の相対的関係を示している。
本発明の一実施形態にしたがった、抵抗値Rfilmのための計算を示している。
モデル化されたV(t)曲線を示している。
プラズマを発生させるために高周波(RF)源をリアクタチャンバに容量結合されたプラズマシステムの一部分の簡単な配線図を示している。
RF充電後における電圧対時間のグラフを示している。
RF充電後における収集された電流データのグラフを示している。
RFバースト間の一時間区間について簡単な電流対電圧グラフを示している。
発明の一実施形態における、基板処理中にプラズマを自動的に特性化するための全工程を説明した簡単なフローチャートを示している。
発明の一実施形態における、関連性範囲及びシード値を決定するための簡単なアルゴリズムを示している。
RFバースト後における電流対時間の一例を示している。
RFバースト後における電圧対時間の一例を示している。
変曲点の一例を示している。
電流対電圧グラフに適用される曲線適合の一例を示している。
添付の図面に例示される幾つかの実施形態を参照にして、本発明が詳細に説明される。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部又は全部の詳細を特定しなくても実施されえる。また、本発明が不必要に不明瞭にされないように、周知のプロセス工程及び/又は構造は詳細に説明されていない。
発明の実施形態は、プラズマ処理チャンバ内の付着膜を特性化するためにRFバイアス容量結合静電(RFB−CCE)プローブ構成を使用することに関する。背景として、RFB−CCEプローブは、長い間、イオン束、電子温度、浮遊電位、薄膜厚さなどのプラズマプロセスパラメータを測定するために利用されてきた。RFB−CCEプローブは、当該分野において既知であり、その詳細は、例えば引用によって本明細書に組み込まれる「Method and Device For Measuring An Ion Flow In A Plasma(プラズマ内のイオン流動を測定するための方法及び装置)」(1999年8月10日)と題された米国特許第5,936,413号を含む、公表されている文献から得ることができる。
RFB−CCEプローブは、例えば検出感度が向上される、センサのサイズが小さいゆえにプラズマに対する摂動が最小である、チャンバ壁への取り付けが容易である、センサヘッド上のポリマの付着に反応しにくいなどを含む、多くの利点を提供する。更に、センサのプラズマ対向表面は、多くの場合、周辺のチャンバ壁と同じ材料で作成することができるので、それによって、プラズマに対する摂動を更に最小にすることができる。これらの利点は、PFB−CCEプローブを、プロセスパラメータの感知における使用にとって非常に望ましいものにする。
概して、RFB−CCEプローブ構成は、測定コンデンサの一方の板につながれるプラズマ対向センサを伴う。測定用センサのもう一方の板は、RF電圧源に接続される。RF電圧源は、RF振動列を周期的に供給し、測定コンデンサの両端では、各振動列の終わりの直後におけるコンデンサ電流放電率を決定するために測定が実施される。RFB−CCEプローブの構成及び動作に関する詳細は、上記の米国特許第5,936,413号において論じられており、本明細書ではこれ以上論じないものとする。
ここで、発明者らは、測定コンデンサが比較的小さい容量値を有するときに、センサ電流信号(RF振動列の間に測定コンデンサを通過する電流を反映している)が、センサヘッド上の付着膜の厚さに比較的反応しにくいことに気付いた。しかしながら、発明者らは、測定コンデンサが比較的大きい容量値を有する場合は、センサ電流信号が、膜厚に影響される程度が大きくなることにも気付いた。これらの観測をもとにして、付着膜を特性化するための方法及び構成が考案され、ここに開示される。
本発明の1つ又は複数の実施形態にしたがって、プローブセンサヘッド上の付着膜の厚さ及び質を特性化するための、RFB−CCEプローブを使用した革新的な方法及び構成が提案される。1つ又は複数の実施形態では、付着膜の厚さに反応しにくいことが望ましい場合は測定コンデンサに対して小さめの容量値が利用されるような、測定コンデンサを切り替え可能な構成が提供される。測定コンデンサが比較的小さい容量値を有する場合のRFB−CCEプローブ動作は、イオン飽和電流、浮遊電位、及び電子温度を決定するために使用できるプローブVI特性を得る。プローブVI特性は、引き続き、測定コンデンサがより大きい値を有するときに得られるセンサパラメータを使用した膜の容量及び膜の抵抗の計算を支援するために利用されえる。したがって、発明の1つ又は複数の実施形態は、RFB−CCEプローブの読み取り値をもとにして膜の容量及び膜の抵抗を導き出すための技術に関する。
本発明の実施形態の特徴及び利点は、以下の図面及び考察を参照にして、更によく理解されえる。概括的に言うと、RFB−CCEプローブ構成は、測定コンデンサの一方の端子につながれたプラズマ対向センサを伴う。ここで、RFB−CCEプローブ構成の一例が図1に示されている。図1では、測定コンデンサ104の一方の板104aに、(チャンバ130の壁内に配されチャンバ壁と実質的に同一平面上にある)プラズマ対向センサ102が接続される。測定コンデンサ104のもう一方の板104bは、RF電圧源106に接続される。RF電圧源106は、RF振動列を周期的に供給し、測定コンデンサの両端では、RF振動列間におけるコンデンサ電流放電率を決定するために測定が実施される。コンデンサ電流放電率を決定するために、測定コンデンサ104とRF電圧源106との間に電流測定器120が直列に配される。代替又は追加として、プローブヘッドの電位を測定するために、板104aとアースとの間に電圧測定器122が接続される。RFB−CCEプローブの構成及び動作に関する詳細は、上記の米国特許第5,936,413号において論じられており、本明細書ではこれ以上論じないものとする。
上記のように、チャンバの表面内に、伝導性材料で作成されたプローブヘッドが取り付けられる。プローブには、短いRF列が印加され、これは、コンデンサ(Cm)を充電させるとともに、プローブの表面に負電位(地電位に対して数十ボルトの負である)を持たせる。RFパルスの終わりに続いて、プローブの電位は、Cmの放電とともに減衰して浮遊電位に戻る。電位が変化する率は、プラズマ特性によって決定される。この放電中、プローブVfの電位は、高インピーダンスの電圧測定器122によって測定され、プローブにそしてコンデンサCmを流れる電流は、電流測定器120によって測定される。時間をtとして、曲線V(t)及びI(t)は、電流電圧特性VIを構成するために使用され、該特性VIは、次いで、信号プロセッサによって解析される。更なる詳細については、「Methods for Automatically Characterizing a Plasma(プラズマを自動的に特性化するための方法)」と題され、2008年6月26日付けで米国特許局に出願された同時係属出願(出願番号61/075,948号)及び2009年6月2日付けで米国特許庁に出願された同時係属出願(出願番号第12/477,007号)に見いだされ、本明細書における「考察」に含まれる。
図2は、本発明の一実施形態にしたがった、付着膜202のモデルを含むRFB−CCEプローブ構成の回路モデルを示している。付着膜は、通常は何らかのタイプのポリマであり、通常は不完全誘導体であるので、通常は漏れ電流があり、膜は、抵抗器RfilmをCfilmに並列にしたRC回路(参照符号204)によってモデル化されえる。Rfilmの抵抗値は、膜を通した抵抗に関係し、該抵抗は、付着膜の化学組成に関係する。Cfilmの容量値は、膜の厚さ及びその比誘電率εrに関係する。図2におけるCMは、測定コンデンサを表わし、RF源によって充電される。付着膜の存在は、結果として、点206と膜202のプラズマ対向表面との間に電位降下を生じさせる。
図3には、等価の回路が示されており、ここで、Vxは、測定点206とアースとの間の電圧降下であり、Vfilmは、点206に対する膜を通した電圧降下である。Vfilmは、直接的に測定することはできないが、本明細書で論じられるように、RCモデルをもとに推定されえる。
一実施形態では、最初、測定コンデンサCm(図3を参照せよ)に対して比較的小さい容量値(例えば一実施形態では1〜50nF)が利用される。この場合、各RF励起列に続くセンサの減衰電流信号及び減衰電圧信号は、膜の厚さによる影響を比較的受けにくい。Cmの容量値が小さいと、図6の曲線602に見られるような、CCEプローブについてのVI特性曲線が得られるであろう。このVI曲線は、次いで、イオン飽和電流I0、電子温度Te、浮遊電位Vf、及びIV曲線の直線部分の傾きαの値を得るために、関数I=I0・[1−α(V−Vf)−exp(((V−Vf)/Te)にあてはめられる。VI特性曲線に関する更なる詳細は、上記の特許出願第61,075,948号で得られる。
次に、Rfilm及びCfilmの計算を促すために、より大きい容量値(例えば100nF以上)がCmに対して利用されてよい。この場合、観測されるVI曲線は、図6の曲線604に見られるように、歪められる。図4は、発明の一実施形態にしたがった、Rfilm及びCfilmを計算するための反復技術を示している。
工程402では、Rfilm及びCfilmの初期推測値が提供される。初期推測値は、例えば、実験に基づいた、理論に基づいた、又はその他の経験データに基づいた、経験に基づく推測値を表わしてよい。工程404では、図5の連立微分方程式を解いて疑似電圧時間曲線Vs(t)を生成するために、小さいCm容量値の場合について事前に決定された値I0、Te、Vf、及びαとともに、Rfilm及びCfilmの初期値が利用される。
図5の連立微分方程式を解くための手法としては、マサチューセッツ州ナティックのマスワークス(The MathWorks, Inc.)による、マトラボ(Matlab)として知られるソフトウェアの使用を含む、多くの数学的手法がある。
結果は、電圧対時間の疑似曲線Vs(t)である。このモデル化されたV(t)曲線は、図8において曲線806として示される。図8は、V(t)の、即ち図2の点206において一励起振動列の間に測定された電圧対時間の実験的測定値を表わす曲線804も示している。差が突き止められ(工程406)、工程408において閾値と比較される。もし誤差が所定の閾値未満である場合は、膜を特性化するために、Rfilm及びCfilmの値が利用される(412)。他方、もし誤差が所定の閾値を上回る場合は、Rfilm及びCfilmの値を精緻化するために、レベンバーグ・マーカード(Levenberg-Marquardt)非線形最小二乗曲線適合アルゴリズムが利用される(410)。
図4の工程を通した反復を実行するために、工程404に、Rfilm及びCfilmの新しい値がフィードバックされる。図4の工程は、誤差が所定の閾値を下回る時点まで、即ちRfilm及びCfilmの値が付着膜の特性化に対して許容可能であると見なされる時点まで(工程408を参照せよ)、反復して実行される。
図7Aは、本発明の一実施形態にしたがった、膜のCfilmと厚さ(d)との間の相対的関係を示している。図7Aに見られるように、容量値Cfilmは、dが膜の厚さを表わし、εrが膜を構成する誘電体材料の比誘電率を表わし、Aがプローブセンサヘッドの表面積を表わし、ε0が自由空間の誘電率を表わすときに、ε0とεrとAとの積をdで割ったものに等しい。式7A−1を参照せよ。代数操作によって、d/εrの比は、ε0とAとの積を容量値Cfilmで割ったものに等しくなる。容量値Cfilmは、突き止めることができ(上記を参照せよ)、プローブセンサヘッドの表面積(A)及び自由空間の誘電率ε0は、既知であるので、d/εrの比は、容易に決定することができる。式7A−2を参照せよ。
更に、εrの値(膜の比誘電率)は、膜について幾らかの知識を有するプロセス技術者によって、又は膜の容量を測定すること及び膜の厚さを独立して測定することによって、提供することができる。膜の厚さは、例えば偏光解析法を含む、任意の技術を使用して測定されてよい。εrの値(膜の比誘電率)を突き止めることができたら、そのεrの値(膜の比誘電率)は、プローブセンサヘッド面積Aを有する特定のプローブセンサについて特定の容量値Cfilmの場合の厚さdを見出すために使用することができる。
図7Bは、本発明の一実施形態にしたがった、抵抗値Rfilmのための計算を示している。図7Bに見られるように、Rfilmの値は、膜の抵抗率ρに距離(d)をかけてプローブヘッドの面積Aで割ったものに等しい。式7B−1を参照せよ。式の両辺に自由空間の誘電率ε0をかけることによって、次式が得られる。式7B−2を参照せよ。式7A−2の比d/εrの逆数を代入することによって、式7B−3が得られ、ここでは、膜の抵抗率ρにεrの値(膜の比誘電率)をかけた積が、抵抗値Rfilmと容量値Cfilmとの積を自由空間の誘電率ε0で割ったものに等しい。抵抗値Rfilm、容量値Cfilm、及び自由空間の誘電率ε0は既知であり、膜の比誘電率εrは提供することができるので、膜の化学組成を反映する膜の抵抗率を決定することができる。
一実施形態では、それぞれ異なる値を有する複数のコンデンサを伴うような、コンデンサを切り替え可能な構成が提供される。このようにすると、RFB−CCEプローブは、センサの読み取り値を膜の厚さに比較的反応しにくくするために、より小さい値の測定コンデンサで動作する。時折、Rfilm及びCfilmの計算を促すために、より大きい値のコンデンサに切り替えられてよい。一実施形態では、より大きい容量値が測定コンデンサに使用される間に得られたRfilm及びCfilmの値が、次いで、VI曲線の測定結果に膜の厚さが及ぼす影響を計算するために利用される。Rfilm及びCfilmの値は、次いで、プローブが清浄な場合に測定されたと考えられる値を測定値が反映するように、プローブプラズマパラメータ(例えばI0、Te、Vf)の測定結果を膜の存在に対応して補正するために利用されてよい。
別の実施形態では、Rfilm及びCfilmの値は、プロセス制御の目的のために処理工程中に意図的に付着された膜の厚さ及び抵抗率をオペレータ又はツールコントローラモジュールに知らせるために用いられてよい。センサヘッドを基板の近くに位置決めすることによって、例えば基板上に付着されている膜の厚さ及び質をある程度の正確さで突き止めることが可能である。
以上からわかるように、発明の実施形態は、付着膜の質及び厚さを計算するための、方法及び構成を提供する。計算されたこれらの抵抗値及び容量値(Rfilm及びCfilm)は、次いで、時間の経過とともにセンサプローブヘッド表面上に膜が蓄積されるにつれてセンサの読み取り値の精度を向上させるために用いられてよい、又は代替若しくは追加として、プロセス制御若しくはメインテナンスの目的のために膜を特性化するために用いられてよい。RFB−CCEプローブは、小さい傾向があり、プラズマ処理チャンバの周辺プラズマ対向構造と同一面になるように取り付けられ、チャンバのプラズマ対向部品と同じ材料で形成されるプラズマ対向プローブ表面を有することが可能であるゆえに、RFB−CCEプローブが使用される場合は、プラズマに対する摂動が最小である。
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲内に入るものとして、代替形態、置換形態、及び均等物がある。例えば、Rfilm及びCfilmの計算には、非線形最小二乗曲線適合アルゴリズムを用いた反復計算方法が利用されるが、もし所望であれば、図5のV(t)曲線からRfilm及びCfilmの値を決定するために、近似技術が利用されてもよい。また、本発明の方法及び装置を実現する多くの代替的手法があることも留意されるべきである。本明細書では、種々の例が提供されるが、これらの例は、例示的であって、発明に対して限定的であることを意図されない。
また、名称及び要約は、便宜のために本明細書に提供されており、特許請求の範囲の範囲を解釈するために用いられるべきでない。更に、要約は、極めて短縮された形で記載され、便宜のために本明細書に提供されており、したがって、特許請求の範囲に述べられた発明全体を解釈する又は制限するために用いられるべきでない。もし本明細書において「集合」という用語が用いられる場合は、このような用語は、ゼロ、1つ、又は2つ以上の要素を含む普通に理解される数学的意味を有することを意図される。また、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとしてこのようなあらゆる代替形態、置換形態、及び均等物を含むと解釈されることを意図される。
「考察」は、「Methods for Automatically Characterizing a Plasma(プラズマを自動的に特性化するための方法)」と題され、2008年6月26日付けで米国特許局に出願された同時係属出願(出願番号61/075,948号)及び2009年6月2日付けで米国特許庁に出願された同時係属出願(出願番号第12/477,007号)にも見いだされ、引用によって本明細書に組み込まれる。
「プラズマを自動的に特性化するための方法の考察」
プラズマ処理の進歩は、半導体産業の成長を導いてきた。標準的な一電子製品のチップを供給するには、幾百又は幾千の基板(半導体ウエハなど)が処理されると考えられる。競争力を有するために、メーカは、最短の処理時間で基板を処理して高品質の半導体素子に仕上げられる必要がある。
通常、プラズマ処理中は、基板に悪影響を及ぼす可能性がある問題が発生しえる。処理されている基板の品質を変える可能性がある重要な要因は、1つには、プラズマ自体である。プラズマを解析するのに十分なデータを得るためには、各基板に関する処理データを収集するためのセンサが用いられてよい。収集されたデータは、問題の原因を突き止めるために解析されてよい。
考察を進めるため、図9−Aは、プラズマシステムA−100の一部におけるデータ収集プローブの簡単な配線図を示している。プラズマシステムA−100は、プラズマA−106を発生させるためにリアクタチャンバA−104に容量結合される、パルス状RF周波発生器などの高周波(RF)源A−102を含んでよい。RF源A−102がオンにされると、外部コンデンサA−108にバイアス電圧がかけられ、これは、約26.2ナノファラッド(nF)でありえる。一例では、RF源A−102は、数ミリ秒(例えば約5ミリ秒)ごとに小さな電力バースト(例えば11.5メガヘルツ)を提供して外部コンデンサA−108を充電させてよい。RF源A−102がオフにされると、外部コンデンサA−108には、極性を持つバイアス電圧が残るので、プローブA−110は、バイアスをかけられてイオンを収集する。バイアス電圧が減衰するにつれて、図9−B1、図9−B2、及び図9−Cに示されるような曲線が描かれると考えられる。
当業者ならば、プローブA−110が大抵は、リアクタチャンバA−104の壁を背にして位置決め可能な伝導性の平面を持つ電気プローブであることを承知している。プローブA−110は、したがって、リアクタチャンバA−104環境に直接曝される。プローブA−110によって収集された電流データ及び電圧データは、解析されてよい。レシピによっては、プローブA−110上に非伝導性の付着層A−116を付着させる可能性があるので、全てのプローブが、信頼できる測定結果を収集できるとは限らない。しかしながら、当業者ならば、PIF(平面イオン束)プローブが、測定の実施のために直流(DC)を引き込む必要がないその方式ゆえに、非伝導性の付着層にもかかわらずデータを収集可能であることを承知している。
プラズマシステムA−100内における電流信号及び電圧信号は、他のセンサによって測定される。例において、RF源A−102がオフに切り替えられると、電流及び電圧をそれぞれ測定するために、電流センサA−112及び高インピーダンス電圧センサA−114が用いられる。電流センサA−112及び電圧センサA−114から収集された測定データは、次いで、プロットされて電流グラフ及び電圧グラフに作成されえる。データは、手作業でプロットされてグラフに作成されてもよいし、又はソフトウェアプログラムに入力されてグラフに作成されてもよい。
図9−B1は、RF充電サイクル後における電圧対時間のグラフを示している。データ点B1−202において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている(即ち、RFバースト)。この例では、データ点B1−202において、プローブA−110にかかる電圧は、約マイナス57ボルトである。プラズマシステムA−100が、休止状態(データ点B1−204とB1−206との間の区間)に戻るにつれて、電圧は、大抵は浮遊電圧電位に達する。この例では、浮遊電圧電位は、約マイナス57ボルトから約ゼロボルトに上昇する。しかしながら、浮遊電圧電位は、ゼロである必要はなく、マイナス又はプラスのバイアス電圧電位であってもよい。
同様に、図9−B2は、RF充電後における収集された電流データのグラフを示している。データ点B2−252において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている。減衰期間B2−254中に、外部コンデンサA−108における戻り電流は、放電されるであろう。一例では、満充電のときに(データ点B2−252)、電流は、約0.86mA/cm2である。しかしながら、電流は、完全に放電されたときに(データ点B2−256)、ゼロに戻っている。このグラフに基づくと、放電は、約75ミリ秒かかる。データ点B2−256からデータ点B2−258までの間、コンデンサは、放電された状態にとどまる。
電流データ及び電圧データは、一定期間にわたって収集されるので、電流対電圧グラフは、時間で統合して時間変数を排除することによって作成されえる。換言すると、収集された電流データは、収集された電圧データに対応付けられてよい。図9−Cは、RFバースト間の一時間区間に及ぶ簡単な電流対電圧グラフを示している。データ点C−302において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている。
各RFバースト中に収集されたデータに対して非線形適合を適用することによって、プラズマA−106が特性化されてよい。換言すると、プラズマA−106を特性化しえるパラメータ(例えば、イオン飽和、イオン飽和の傾き、電子温度、浮遊電圧電位など)が決定されてよい。プラズマA−106は、収集されたデータによって特性化されてよいが、パラメータを計算するプロセスは、人による介在を必要とする単調な手作業のプロセスである。一例では、各RFバースト後(即ち、RF充電がなされ、次いでオフにされたとき)に収集されたデータを、ソフトウェア解析プログラムに取り込んでよい。ソフトウェア解析プログラムは、プラズマを特性化しえるパラメータを決定するために、非線形適合を実施してよい。プラズマを特性化することによって、技術者は、基板の低水準処理を最小限に抑えるためにどのようにレシピを調整すればよいかを決定できると考えられる。
あいにく、各RFバーストについてデータを解析する先行技術の方法は、完了までに数秒の、又は数分もの時間を必要する可能性がある。解析されるべきRFバーストは、幾百万まではいかなくても通常幾千はあるので、レシピのためにプラズマを特性化するには、計算のために合計で幾時間も費やされると考えられる。ゆえに、先行技術の方法は、プロセス制御目的で時宜に即した関連データを提供するのに効果的な方法ではない。
添付の図面に例示される幾つかの実施形態を参照にして、本発明が詳細に説明される。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部又は全部の詳細を特定しなくても実施されえる。また、本発明が不必要に不明瞭にされないように、周知のプロセス工程及び/又は構造は詳細に説明されていない。
以下では、方法及び技術を含む、種々の実施形態が説明される。発明は、発明技術の実施形態を実施するためのコンピュータ可読命令を格納されたコンピュータ可読媒体を含む製造品も対象としえることを、念頭に置かれるべきである。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードを格納するための、例えば半導体、磁気、光磁気、光、又はその他の形態のコンピュータ可読媒体を含みえる。更に、発明は、発明の実施形態を実施するための装置も対象としえる。このような装置は、発明の実施形態にかかわるタスクを実施するための、専用の及び/又はプログラム可能な回路を含みえる。このような装置の例は、適切にプログラムされたときの汎用コンピュータ及び/又は専用計算装置を含み、コンピュータ/計算装置と、発明の実施形態にかかわる種々のタスクに適応された専用の/プログラム可能な回路との組み合わせを含みえる。
上記のように、プラズマに関するデータを収集するためにPIFプローブ法が用いられ、リアクタチャンバ環境内に位置決めされてよい。センサ(例えばPIFプローブ)から収集されたデータは、リアクタチャンバ内のプラズマを特性化するために用いられてよい。また、センサは、図9−Aに示されるように収集表面を用いるので、チャンバの表面に関するデータも決定されえる。先行技術では、PSDによって収集されたデータが、解析に利用可能な即座のデータ源を提供する。あいにく、収集されえるデータの甚大な量が、時宜に即したデータの解析を困難にしている。幾千の、又は幾百万ものデータ点が収集されえるので、プラズマを正確に特性化するために関連区間を測定する作業は、とりわけデータが大抵は手作業で解析されるゆえに、気の遠くなる作業になるであろう。結果的に、収集されたデータは、時宜に即したプラズマの特性化をプラズマ処理システムに提供するのに有用ではなかった。
しかしながら、もし、プラズマの特性化に必要とされる関連のデータ点が、収集されえる幾千/幾百万のデータ点から特定されるならば、プラズマの特性化に必要とされる時間は、大幅に短縮されるであろう。発明の実施形態にしたがって、比較的短期間でプラズマを自動的に特性化するための方法が提供される。本明細書において説明される発明の実施形態は、プラズマを特性化するための解析を必要としえるデータ点を減らすために関連性範囲を特定するためのアルゴリズムを提供する。本明細書において論じられるように、関連性範囲は、各RFバースト間に収集されえる幾千又は幾百万のデータ点のなかの、より小さいデータ点の集合を言う。発明の実施形態は、更に、プラズマを特性化するための値を計算する数学モデルに適用されえるシード値を推定することも提供する。関連性範囲に対して曲線適合を実施することによって、プラズマを特性化するために利用されえるパラメータが計算されえる。
本発明の特徴及び利点は、以下の図面及び議論を参照にして更に良く理解されるであろう。
図9−Dは、発明の一実施形態における、基板処理中にプラズマを自動的に特性化するための工程を説明した簡単なフローチャートを示している。基板処理中にRF充電が提供された状況を考える。
第1の工程D−402では、電流データ及び電圧データが収集される。一例では、RF源がオンにされた後に、RF充電(パルス)が提供される。RF充電がオフにされた後は、リアクタチャンバのチャンバ壁に取り付け可能な平面イオン束プローブなどのプローブでデータを収集するために、電流センサ及び電圧センサが用いられてよい。上記のように、センサによって収集されえるデータ点の数は、幾千又は幾百万に及ぶであろう。一部のケースでは、各RFバースト間において幾千から幾万のデータ点が収集されることがあり、これは、先行技術によるリアルタイムに近い解析をほぼ不可能にする。
先行技術では、半導体基板処理中に収集される測定データを解析するために、数時間の時間が充てられることがある。ここで、発明の一態様では、発明者らは、プラズマの特性化のために各RFバースト間における測定データを解析する必要はないことに気付いた。その代わりに、もし、データ集合の関連性範囲に対して曲線適合が適用されるならば、プラズマの特性化に利用されえるパラメータが決定されるであろう。
次の工程D−404では、関連性範囲が決定される。上記のように、関連性範囲は、各RFバースト間に収集されたデータ集合のなかの小集合を言う。先行技術では、データは手作業で解析されているので、収集されたデータの甚大な量は、関連性範囲の計算を困難な作業にする。多くの場合、関連性範囲は、視覚的に推定されえる。関連性範囲を特定するにあたっては、データ集合のなかの小集合から、存在しえるノイズが実質的に排除されてよい。一例では、複雑な基板処理中に、プローブ上にポリマが蓄積され、収集されたデータの一部を歪曲させることがある。例えば、影響を受けるデータの一部は、コンデンサが完全に放電された時点で収集されえるデータである傾向がある。関連性範囲を特定するにあたっては、ポリマの蓄積に関連したデータが、解析から取り除かれてよい。換言すると、関連性範囲の決定は、プラズマの特性化が不規則ノイズに見舞われることなく行われることを可能にしえる。一例として、関連性範囲がどのように決定されえるかに関しては、下記の図9−Eの考察において論じられる。
関連性範囲を特定することに加えて、次の工程D−406では、シード値も決定されてよい。本明細書において論じられるように、シード値は、傾き、電子温度、イオン飽和値、浮遊電圧電位などの推定値を言う。例えばシード値がどのように推定されえるかに関しては、図9−Eの考察において提供される。
関連性範囲及びシード値は、曲線適合を実施するために用いられる。曲線適合は、次のRFバースト前に実施される必要があるので、関連性範囲及び/又はシード値を決定するために用いられる方法は、最小限のオーバーヘッドで最終適合値に近い値を生成することによって、急速な収束を達成するために必要とされえる曲線適合の反復回数を減らす必要がある。
関連性範囲及びシード値によって、次の工程D−408では、非線形適合(例えば曲線適合)が実施されることによって、高価な高性能のコンピュータを必要とすることなく短期間でプラズマが特性化されることを可能にしてよい。先行技術と異なり、この方法は、処理のために数分、又は数時間もの時間を必要とする代わりに、一RFバーストに起因する減衰区間からの結果がおよそ20ミリ秒内に特性化されることを可能にする。リアルタイムに近い解析能力によって、この方法は、自動制御システムの一部として適用されて、プラズマ処理中に技術者に関連データを提供しえる。
図9−Eは、発明の一実施形態における、関連性範囲及びシード値を決定するための簡単なアルゴリズムを示している。図9−Eは、図9−F1、図9−F2、図9−F3、及び図9−F4との関連で論じられる。
第1の工程E−502では、各RFバースト中に収集されたデータが、自動的にプロットされる。一例では、電流センサによって収集される電流データがプロットされ、図9−F1に示されるような電流対時間グラフF1−600に作成される。別の例では、収集された電圧データがプロットされ、図9−F2に示されるような電圧対時間グラフF2−650に作成されてよい。データは、先行技術の場合と同様のグラフを生じえるが、先行技術と異なり、収集されたデータは、人による介在を必要とすることなく自動的に解析プログラムに取り込まれる。或いは、収集された測定データは、プロットされる必要がなく、その代わりに、解析プログラムに直接取り込まれてよい。その代わりに、グラフは、アルゴリズムを説明するための視覚的な例として提供される。
先行技術と異なり、プラズマを特性化するためにデータ集合全体が解析されるのではなく、その代わりに、関連性範囲が決定される。関連性範囲を決定するために、次の工程E−504では、先ず、パーセント減衰点が決定されてよい。本明細書において論じられるように、パーセント減衰点は、初めの値がその一定のパーセントまで減衰したところのデータ点を言う。一実施形態では、パーセント減衰点は、解析されるべきデータ区間の終わりを表わしてよい。一例において、RF源がオフに切り換えられたとき、電流値は、約0.86mA/cm2である。値は、図9−F1のグラフF1−600上のデータ点F1−602によって表わされる。もしパーセント減衰点が、初めの値の10パーセントに設定されるならば、パーセント減衰点は、データ点F1−604にあり、約0.086mA/cm2である。換言すると、パーセント減衰点は、RF源がオフに切り換えられシステムが平衡状態に戻っていくときの電荷の値である初めの値の所定のパーセントをとることによって決定されてよい。一実施形態では、パーセントは、実験的に決定される。一実施形態では、データ区間の終わりを決定するためにパーセント減衰点を用いる代わりに、各RFバーストについて収集されたデータの一次微分のピークが計算されてよい。
次の工程E−506では、アルゴリズムは、初めの値と第2の減衰点との間のデータ小集合であるイオン飽和区間を決定してよい。本明細書において論じられるイオン飽和区間は、プローブへの電子束が無視できるようにプローブ電位が浮遊電位に対して十分に負であるような電流電圧(IV)曲線の領域を言う。この領域では、プローブへの電流は、電位の負の度合いが増すにつれて緩やかに線形に増加する。また、イオン飽和区間は、プローブがシステム内における利用可能イオンを全て収集できるようにバイアス電圧が浮遊電位に対して十分に負であるようなレジームである。換言すると、収集される電流は、バイアス電圧が十分高く上昇されるにつれて「飽和」する。また、本明細書において論じられるように、「利用可能イオン」は、「シース境界」に衝突するイオン束を言い、これは、バイアス電圧が更に増加されるにつれて拡大するであろう。
換言すると、イオン飽和区間は、図9−F1のデータ点F1−602からF1−606までの区間である。一実施形態では、第2の減衰点は、初めの値(即ち、データ点F1−602)のパーセントをとることによって決定されてよい。一例において、もし第2の減衰点が、初めの値の約95パーセントであるならば、第2の減衰点は、約0.81mA/cm2(即ち、データ点F1−606)である。したがって、イオン飽和区間は、初めの値(データ点F1−602)から第2の減衰点(データ点F1−606)までである。なお、第2の減衰点は、初めの値(データ点F1−602)とパーセント減衰点(データ点F1−604)との間であることがわかる。パーセント減衰点と同様に、第2の減衰点もまた、一実施形態では所定の閾値に基づいてよい。一実施形態では、パーセントは、実験的に決定される。
イオン飽和区間が決定されたら、次の工程E−508では、傾き(s)及びイオン飽和(i0)が推定されてよい。上記のように、傾き(s)及びイオン飽和(i0)は、プラズマを特性化するパラメータを決定するために数学モデル(下記の式2)に適用されえる4つのシード値のうちの2つである。一例では、傾き(s)は、線形回帰を実施することによって決定されてよい。別の実施形態では、アルゴリズムは、データ点F1−602とF1−606との間のデータ値の平均をとることによってイオン飽和(i0)も決定してよい。
次の工程E−510では、アルゴリズムは、一次微分が符号を変える点である変曲点を決定してよい。一実施形態では、変曲点は、パーセント減衰点と第2の減衰点との間の電流値の一次微分の最小値を特定することによって計算されてよい。説明のため、図9−F3は、電流信号F3−660のパーセント減衰点(F3−664)と初めの点(F3−662)との間の値の一次微分を示している。変曲点は、一次微分(F3−670)の最小データ点であり、(データ点F3−666によって示されるように)−0.012mA/cm2の値と226の指標値とを有する。変曲値を決定するために、指標値は、電流信号プロットF3−660に対してマッピングされている。この例において、一次微分の指標値が、電流信号F3−660に対してマッピングされているとき、変曲値は、データ点F3−668によって示されるように、0.4714mA/cm2である。
一実施形態では、関連性範囲は、初めの値と変曲点との間の範囲として定義される。その追加として又は代わりとして、変曲点を計算する代わりに(例えば35パーセントの)パーセント減衰閾値が設定されてよい。一例において、経験的に決定されえる35パーセントのパーセント減衰点を使用すると、関連性範囲は、図9−F1の点F1−602とF1−604との間に入るであろう。
Figure 2011527523
Figure 2011527523
変曲点を特定されたら、次の工程E−512では、電子温度が推定されてよい。電子温度は、上記の式1を用いて推定されてよい。電子温度を計算するために用いられる電流データ及び電圧データは、プローブが引き込む電流が大抵はイオン飽和電流よりも少ないときである推移区間内にある。一実施形態では、電流データ及び電圧データが測定される時刻は、変曲点に対応していてよい。或いは、電流電圧(I−V)曲線の変曲点が用いられてもよい。電子温度は、電流電圧曲線上の変曲点に対応する時刻における、一RFバーストについて収集されたデータの一次微分(パーセント減衰点を計算するにあたって決定される)の率であるので、その数字を生成するために必要とされえる計算のオーバーヘッドは、最小限である。
次の工程E−514では、アルゴリズムは、浮遊電圧電位を決定してよい。浮遊電圧電位は、収集された電圧データに基づいて決定されるので、浮遊電圧電位は、工程E1−504〜E−512において計算されるような値を最初に決定する必要なく決定されえる。当業者ならば、浮遊電圧電位が、外部コンデンサが完全に放電された後にプローブが浮遊する電位であることを承知している。通常、浮遊電圧電位は、次のRFバーストの直前に生じる信号を見ることによって決定されてよい。しかしながら、ポリマの蓄積が歪みを引き起こす可能性ゆえに、誤ったデータ(即ち、ノイズ)が収集されることがあり、したがって、浮遊電圧電位は、収集期間の終わり頃に収集される電圧値を平均化することによって計算されてよい。一実施形態では、浮遊電圧電位は、図9−F2に示されるように、データ点F2−652(電圧がその浮遊電位に最初に到達するデータ点)からデータ点F2−654(次のRFバーストの直前のデータ点)にかけて計算されてよい。別の実施形態では、浮遊電圧電位は、図9−F2に示されるようにデータ点F2−652とF2−654との間に位置する窓F2−656内の電圧値に基づいてよい。一実施形態では、窓F2−656は、先のパルスが99パーセントを超えて減衰する前に始まって次のパルスが始まる前に終わる限り、任意のサイズであってよい。一実施形態では、浮遊電圧電位は、標準偏差(誤差)の小さい平均値を提供する窓から決定されてよい。
以上からわかるように、関連性範囲及びシード値を決定するための方法は、電流、電圧、及び/又は電流電圧(I−V)曲線に生じえる異常を打ち消す。一例では、RFバーストの終わりにポリマの蓄積が発生しえる。しかしながら、上記のアルゴリズムを適用することによって、関連性範囲及びシード値は、処理中に発生しえる予想外のアーチファクトに影響されなくなる。
関連性範囲が決定されシード値が計算されると、次の工程E−516では、図9−F4のグラフF4−680を作成するために、電流値が電圧値に対してプロットされ曲線適合が適用されてよい。一例では、曲線適合を実施するために、レベンバーグ・マーカード(Levenberg-Marquardt)アルゴリズムが適用されてよい。曲線適合グラフを作成すること、及び下記の式2のような数学モデルにシード値を適用することによって、プラズマを特性化するために利用されえる4つのパラメータが決定されえる。
Figure 2011527523
Figure 2011527523
本発明の1つ又は複数の実施形態からわかるように、プラズマ処理中にプラズマを特性化するための自動化された方法が提供される。関連性範囲及びシード値の集合を決定することによって、一RFバースト後に大抵収集される幾千又は幾百万のデータ点を処理する必要なくプラズマの特性化が生じえる。自動化されたこの方法は、手作業によるこれまでの単調なプロセスを、迅速に且つ効率良く実施されえる自動的な作業に転換する。データ解析を数分(又は数時間)から数ミリ秒に大幅に短縮されたことによって、プラズマ特性化は、製造プロセス後の代わりにプラズマ処理中に実施されえる。したがって、関連性データは、現時点のプラズマ環境を明らかにすることによって、レシピ及び/又はツールの調整を行うこと並びに廃棄を最小限に抑えることを可能にしえる。
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲内に入るものとして、代替形態、置換形態、及び均等物がある。また、本発明の方法及び装置を実現する多くの代替的手法があることも留意されるべきである。本明細書では、種々の例が提供されるが、これらの例は、例示的であって、発明に対して限定的であることを意図されない。
また、名称及び要約は、便宜のために本明細書に提供されており、特許請求の範囲の範囲を解釈するために用いられるべきでない。更に、要約は、極めて短縮された形で記載され、便宜のために本明細書に提供されており、したがって、特許請求の範囲に述べられた発明全体を解釈する又は制限するために用いられるべきでない。もし本明細書において、「集合」という用語が用いられる場合は、このような用語は、ゼロ、1つ、又は2つ以上の要素を含む普通に理解される数学的意味を有することを意図される。また、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとしてこのようなあらゆる代替形態、置換形態、及び均等物を含むと解釈されることを意図される。

Claims (20)

  1. 基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内の基板上の付着膜を特性化するための方法であって、
    測定コンデンサが第1の容量値に設定された状態で、プローブヘッドについての電圧電流特性を決定することと、
    前記測定コンデンサが前記第1の容量値よりも大きい第2の容量値に設定された状態で、前記プローブヘッドに高周波(RF)列を印加し、それによって前記測定コンデンサを充電させることと、
    前記付着膜についての初期抵抗値及び前記付着膜についての初期容量値を提供することと、
    前記初期抵抗値、前記初期容量値、及び前記電圧電流特性を利用して第1の疑似電圧時間曲線を生成することと、
    一RF列の間における前記付着膜を通した電位降下を表わす第1の測定電圧時間曲線を決定することと、
    前記第1の疑似電圧時間曲線を前記第1の測定電圧時間曲線と比較し、前記第1の疑似電圧時間曲線と前記第1の測定電圧時間曲線との間の差が所定の閾値未満である場合に、前記付着膜を特性化するために前記初期抵抗値及び前記初期容量値を利用することと、
    を備える方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、更に、
    前記第1の疑似電圧時間曲線と前記第1の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値よりも大きい場合に、非線形最小二乗曲線アルゴリズムを適用して第2の抵抗値及び第2の容量値を生成することと、
    前記第2の抵抗値、前記第2の容量値、及び前記電圧電流特性を利用して第2の疑似電圧時間曲線を生成することと、
    第2の測定電圧時間曲線を決定することと、
    前記第2の疑似電圧時間曲線を前記第2の測定電圧時間曲線と比較することと、
    を備え、
    前記第2の疑似電圧時間曲線を前記第2の測定電圧時間曲線と比較することは、
    前記第2の疑似電圧時間曲線と前記第2の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値未満である場合に、前記付着膜を特性化するために前記第2の抵抗値及び前記第2の容量値を利用することと、
    前記第2の疑似電圧時間曲線と前記第2の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記非線形最小二乗曲線アルゴリズムを適用して第3の抵抗値及び第3の容量値を生成することと、
    を含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、更に、
    疑似電圧時間曲線及び測定電圧時間曲線を計算することと、
    前記疑似電圧時間曲線と前記測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値未満になるまで前記疑似電圧時間曲線を前記測定電圧時間曲線と照らして比較することと、
    を備える方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、
    前記電圧電流特性は、
    前記測定コンデンサの両端の電位を測定して電位変化率を決定することと、
    前記測定コンデンサの両端の電流を測定してコンデンサ電流放電率を決定することと、
    によって生成される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、
    前記初期抵抗値及び前記初期容量値は、実験的に計算される、方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、
    前記初期抵抗値及び前記初期容量値は、理論的に計算される、方法。
  7. 請求項4に記載の方法であって、
    前記付着膜の抵抗値は、前記付着膜の化学組成に関係し、前記抵抗値は、膜抵抗率、距離、及び前記プローブヘッドの面積の関数である、方法。
  8. 請求項4に記載の方法であって、
    前記付着膜の容量値は、少なくとも前記付着膜の厚さ及び比誘電率に関係し、前記容量値は、自由空間の誘電率、膜の誘電体材料の比誘電率、前記プローブヘッドの表面積、及び膜の厚さの関数である、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、
    前記測定コンデンサは、それぞれ異なる容量値を有する複数のコンデンサを有し、コンデンサを切り替え可能な構成である、方法。
  10. 基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内の基板上の付着膜を特性化するように構成されたコンピュータ可読コードを盛り込まれたプログラム格納媒体を備える製造品であって、
    測定コンデンサが第1の容量値に設定された状態で、プローブヘッドについての電圧電流特性を決定するためのコードと、
    前記測定コンデンサが前記第1の容量値よりも大きい第2の容量値に設定された状態で、前記プローブヘッドに高周波(RF)列を印加し、それによって前記測定コンデンサを充電させるためのコードと、
    前記付着膜についての初期抵抗値及び前記付着膜についての初期容量値を提供するためのコードと、
    前記初期抵抗値、前記初期容量値、及び前記電圧電流特性を利用して第1の疑似電圧時間曲線を生成するためのコードと、
    一RF列の間における前記付着膜を通した電位降下を表わす第1の測定電圧時間曲線を決定するためのコードと、
    前記第1の疑似電圧時間曲線を前記第1の測定電圧時間曲線と比較し、もし前記第1の疑似電圧時間曲線と前記第1の測定電圧時間曲線との間の差が所定の閾値未満である場合に、前記付着膜を特性化するために前記初期抵抗値及び前記初期容量値を利用するためのコードと、
    を備える製造品。
  11. 請求項10に記載の製造品であって、更に、
    前記第1の疑似電圧時間曲線と前記第1の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値よりも大きい場合に、非線形最小二乗曲線アルゴリズムを適用して第2の抵抗値及び第2の容量値を生成するためのコードと、
    前記第2の抵抗値、前記第2の容量値、及び前記電圧電流特性を利用して第2の疑似電圧時間曲線を生成するためのコードと、
    第2の測定電圧時間曲線を決定するためのコードと、
    前記第2の疑似電圧時間曲線を前記第2の測定電圧時間曲線と比較するためのコードであって、
    前記第2の疑似電圧時間曲線と前記第2の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値未満である場合に、前記付着膜を特性化するために前記第2の抵抗値及び前記第2の容量値を利用するためのコードと、
    前記第2の疑似電圧時間曲線と前記第2の測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記非線形最小二乗曲線アルゴリズムを適用して第3の抵抗値及び第3の容量値を生成するためのコードと、
    を含む、コードと、
    を備える製造品。
  12. 請求項11に記載の製造品であって、更に、
    疑似電圧時間曲線及び測定電圧時間曲線を計算するためのコードと、
    前記疑似電圧時間曲線と前記測定電圧時間曲線との間の差が前記所定の閾値未満になるまで前記疑似電圧時間曲線を前記測定電圧時間曲線と照らして比較するためのコードと、
    を備える製造品。
  13. 請求項12に記載の製造品であって、
    前記電圧電流特性は、
    前記測定コンデンサの両端の電位を測定して電位変化率を決定するためのコードと、
    前記測定コンデンサの両端の電流を測定してコンデンサ電流放電率を決定するためのコードと、
    によって生成される、製造品。
  14. 請求項13に記載の製造品であって、
    前記初期抵抗値及び前記初期容量値は、実験的に計算される、製造品。
  15. 請求項13に記載の製造品であって、
    前記付着膜の抵抗値は、前記付着膜の化学組成に関係し、前記抵抗値は、膜抵抗率、距離、及び前記プローブヘッドの面積の関数である、製造品。
  16. 請求項13に記載の製造品であって、
    前記付着膜の容量値は、少なくとも前記付着膜の厚さ及び比誘電率に関係し、前記容量値は、自由空間の誘電率、膜の誘電体材料の比誘電率、前記プローブヘッドの表面積、及び膜の厚さの関数である、製造品。
  17. 請求項10に記載の製造品であって、
    前記測定コンデンサは、それぞれ異なる容量値を有する複数のコンデンサを有し、コンデンサを切り替え可能な構成である、製造品。
  18. 基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内の付着膜を特性化するための構成であって、
    少なくとも、1つのプラズマプロセスパラメータを測定するように構成され、
    伝導性材料で作成されるプラズマ対向センサと、
    2つ又は3つ以上の値の間で切り替えられるように構成された測定コンデンサと、
    を含み、前記プラズマ対向センサは、前記測定コンデンサの第1の板に接続される、プローブ構成と、
    前記測定コンデンサの第2の板に接続され、前記プラズマ対向センサにRF振動列を提供するように構成された高周波(RF)電圧源と、
    コンデンサに並列の抵抗器を含む抵抗器−コンデンサ回路と、
    前記測定コンデンサと前記RF電圧源との間に直列に配され、前記測定コンデンサの電流放電率を検出するように構成された電流測定器と、
    前記測定コンデンサの第1の板とアースとの間に配され、前記プラズマ対向センサの電位を測定するように構成された電圧測定器と、
    前記電流放電率及び前記プラズマ対向センサの前記電位を解析して前記プラズマ対向センサについての電圧電流特性を決定するように構成された信号プロセッサと、
    を備える構成。
  19. 請求項18に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、前記処理チャンバのチャンバ壁上に配され、前記チャンバ壁と実質的に同一平面上にある、構成。
  20. 請求項18に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、高周波バイアス(RFB)容量結合静電(CCE)プローブヘッドである、構成。
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