JP2011525519A - インターロイキン12をコードするシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス - Google Patents

インターロイキン12をコードするシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス Download PDF

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Abstract

本発明は、マレック病ウイルスに対してトリを防御し微生物感染に対するその感受性を軽減する医薬を製造するための、インターロイキン12をコードする異種核酸配列を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)の使用に関する。

Description

本発明は、シチメンチョウヘルペスウイルス(HVT)ゲノム内に異種核酸配列を含有する、シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスに関する。
組換えHVTは例えばEP 431 668から公知である。HVTは、一般に公知のマレック病ウイルス(MDV)であり、家禽におけるマレック病の有効な防除のための安全なワクチンにおいて広く使用されている。組換えHVTも一般に公知であり、マレック病に対する防御のために使用されており、例えば、他の病原体の抗原の1以上をコードする異種遺伝子を導入することにより、そのような他の病原体に対する防御を追加的にもたらす可能性を提供する。また、組換えHVTは、マレック病ウイルスの別の血清型からの遺伝子を含むHVTでありうる。そのような組換えHVTは例えばUS 5,965,138に記載されており、組換えキメラウイルスまたは新規トリヘルペスウイルスとも称される。
先行技術からは、HVTゲノム内に導入された異種核酸配列を含有する組換えHVTベクターを得るための多数の方法が公知である。例えば、US 5,965,138(’138特許)においては、シチメンチョウのヘルペスウイルスに天然に存在するゲノムの一部である特有の長いウイルス領域の非必須領域に外来DNAを導入することが開示されている。現在のところ、異種核酸を機能性プロモーター(例えば、HVTに天然に存在するプロモーターまたは異種のもの)に機能的に連結させて、該異種DNAが宿主内で実際に発現されるようにすることは、周知の一般的知識である。そのような方法は、前記のとおり’138特許から公知であるが、例えばSondermeijerら(Vaccine,1993;11(3):349−58)、Djerabaら(Journal of Virology,2002年2月,p.1062−1070)およびMohrら(International Journal of Medical Microbiology 298,2008,115−125)からも公知である。EP特許431 668においては、いずれかの病原体、好ましくはトリ病原体から異種核酸配列が誘導されうることが記載されており、それは、HVTゲノム内への挿入後に、その病原体により誘発される疾患または障害に対する免疫を誘導するために適用されうる。そのような病原体は、例えば伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、ニワトリ貧血因子(CAA)、レオウイルス、トリレトロウイルス、ニワトリアデノウイルス、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、エイメリア(Eimeria)属種、サルモネラ(Salmonella)属種、大腸菌(Escherichia coli)、マイコプラズマ・ガリセプチクム(Mycoplasma gallisepticum)およびシノビエ(synoviae)、オルニトバクテリウム・リノトラケレ(Ornithobacterium rhinotracheale)、カンピロバクター(Campylobacter)などでありうるであろう。
しかし、公知組換えHVTは欠点を有する。マレック病に対する防御と共に別の疾患または障害に対する防御をもたらす必要がある各ワクチンにおいては、そのような他の疾患または障害(以下、「障害」なる語は、「疾患」を包含するものとして用いられる)を誘発する病原体の異種核酸配列を挿入しなければならない。これは経済的な観点からは魅力的なものではなく、また、ワクチンにおける組換えHVTの使用の安全性を低下させる。
EP 431 668 US 5,965,138
Sondermeijerら,Vaccine,1993;11(3):349−58 Djerabaら,Journal of Virology,2002年2月,p.1062−1070 Mohrら,International Journal of Medical Microbiology 298,2008,115−125
前記欠点を克服または少なくとも軽減することが本発明の目的である。この目的のために、序文のとおりの組換えHVTを本発明において案出した。該組換えHVTにおいては、該異種核酸はIL−12タンパク質をコードしており、これは、マレック病ウイルスからトリを防御し微生物感染に対するその感受性を軽減するための医薬を製造するために使用される。
本出願人らが驚いたことに、対応微生物に由来する抗原を投与する必要性を伴うことなく、IL−12をコードするHVTベクターを投与することにより、微生物感染(すなわち、HVT自体が既に防御をもたらしているマレック病ウイルスによる感染以外の感染)に対するトリの感受性を軽減することが可能であるらしい。実際、IL−12は、微生物(すなわち、細菌、ウイルスまたは寄生生物のような微生物)による感染と戦うための免疫応答において或る役割を果たしていることが、文献から一般に公知である。IL−12を欠損している(すなわち、IL−12を産生できない)哺乳動物は、病原体にさらされた場合に、それほど効率的な免疫応答をなし得ないこと、およびそれは、外因性IL−12を直接投与することにより正常レベルになりうることも公知である。しかし、本発明においては、健常(すなわち、IL−12を欠損していない)トリにおいて、IL−12がそれ自体としては投与されずに該HVTベクターにより発現されるDNAの形態で投与された場合であっても、いずれの微生物による感染に対しても、同時(またはいずれの場合にも野生型微生物による実際の感染が生じる前)に、その微生物に由来する抗原を投与する必要性を伴うことなく、該トリをより低感受性にすることが可能であるらしい。このようにして、マレック病ウイルス以外の微生物による感染に対するトリの感受性を軽減する非常に簡便かつ安価な方法が得られる(発現されるIL−12はマレック病に対する防御をも増強しうることが注目される)。さらに、該医薬は極めて安全である。なぜなら、それは、HVT自体以外のいずれの追加的抗原物質をも含有する必要がなく、したがって、種々の抗原の組合せの有害な相互干渉のリスクが完全に回避されうるからである。一方、所望により、該医薬は追加的抗原物質を含有することも可能である。広範囲のMDVまたは更には非MDV微生物に対する最適防御を得たい場合には、この追加的物質は、例えば、他のマレック病ウイルス(MDV)に由来する物質でありうるであろう。
インターロイキン12(IL−12またはIL12と略称される)は、とりわけ、Tヘルパー細胞1型および細胞傷害性リンパ球の産生における免疫調節機能を有する抗原提示細胞により産生される一般に公知のサイトカインである(Blood,Vol.84,No 12,1994年12月15日;pp 4008−2027)。IL−12は、約70kDの分子量を有するヘテロ二量体構造を有するサイトカインである。それは約40kDおよび35kDの2つの連結鎖により形成される。種々の種において、種々のIL−12サイトカイン間の相同性(%)は(例えば、哺乳類IL−12をトリIL−12と比較した場合)、該サイトカインの機能性が維持されている場合でも、例えば僅か20〜40%でありうる(Degenら;The Journal of Immunology,2004,172:4371−4380)。
本特許の意義における防御は、微生物による感染から生じる疾患または障害を予防、改善または治療するのを助けるための免疫応答を、その微生物に由来する1以上の抗原、例えば弱毒化もしくは不活化(死菌)微生物および/またはそのサブユニットあるいはいずれかの他の物質、例えば該微生物の代謝産物(を含有する組成物)の投与の結果として誘導することを意味する。本特許の意義における微生物感染に対する感受性の軽減は、該微生物による感染を受けた場合、該動物が臨床徴候の軽減を示すこと、および/または該微生物の定着(コロニー形成)の軽減を示すこと、および/または該定着の効果の軽減(例えば、病変の軽減)示すことの誘発を意味する。
微生物に由来する抗原を含有する組成物は、該抗原が免疫学的に有効な量で存在する(すなわち、野生型微生物でのチャレンジの負の効果を少なくとも軽減するのに十分な程度に標的動物の免疫系を刺激しうる)場合には、通常、その微生物に対するワクチンと称される。典型的には、該抗原は、該動物に投与されると対応微生物に対する防御をもたらす免疫刺激物質(アジュバント)を場合によっては含む、水を含有する液体のような医薬上許容される担体と組合される。
一般に、医薬上許容される担体、例えば液体担体、例えば(場合によっては緩衝化された)水、または固体担体、例えば凍結乾燥ワクチンもしくは錠剤、坐剤もしくはカプセル剤を得るために一般に使用される固体担体と、活性化合物(または該活性化合物を含有する組成物)を混合することを基本的に含む、当技術分野で公知の方法を用いることにより、医薬が製造されうる。場合によっては、例えば該医薬の意図される用途、要求される特性または投与方法に応じて、他の物質、例えばアジュバント、安定剤、保存剤、湿潤剤、粘度調節剤、充填剤または他の成分が加えられる。経口および非経口投与の場合、多数の適当な形態が当技術分野において公知である。非経口投与の場合、特に液体製剤(溶解、乳化または懸濁された抗原を含有するもの)が使用されるが、固体製剤、例えばインプラント、または中間形態、例えば、液体に懸濁された抗原のための固体担体も公知である。使用医薬のための非経口投与および適当な(物理的)形態は数百年前から公知である。
IL−12は、細胞性免疫および体液性免疫の両方に基づいて、微生物誘導性免疫応答またはワクチン接種誘導性免疫応答を増強しうることがWO 2004/003017から公知であることが注目される。しかし、病原体に対するワクチンにおけるIL−12のこの公知使用によれば、該ワクチンが防御をもたらすべき病原体に由来する抗原(免疫原性物質)を加えることが尚も必要である。この参考文献は、病原体による感染に対する感受性を、IL−12自体を使用して(すなわち、該病原体に由来する抗原の投与と組合せることなく)軽減することに関しては何ら記載しておらず、ましてや、IL−12をコードするベクターウイルスを使用することに関しては尚更である。
Kincy−Cainら(Infection and Immunity,1996年4月,pp 1437−1440)は、外因性(すなわち、対象動物自体によっては産生されない)インターロイキン12が、サルモネラ・ドゥブリン(Salmonella dublin)で経口的にチャレンジされたマウスにおける防御免疫応答を増強しうることを開示していることも注目される。しかし、この参考文献は、該IL−12が、皮下移植された浸透ポンプを使用することにより直接的に投与されるべきであることを教示している。これは信頼しうるものではあるが、外因性IL−12を投与する、経済的には魅力のない方法であることは明らかであろう。該参考文献はトリにおける効果に関しては何ら記載していないことが注目される。哺乳類と鳥類とでは免疫系がかなり異なり、哺乳類で得られた免疫効果が鳥類種においても得られうると理論的に予測することは不可能であることが一般に公知である。さらに、Kincy−Cainは、外因性IL−12を特にベクターにより間接的に投与するという選択肢に関しては何ら記載しておらず、ましてやシチメンチョウのヘルペスウイルスに関しては尚更である。IL−12をコードするHVTの使用が、健常(すなわち、IL−12を欠損していない)トリにおいて使用された場合に特に、微生物感染に対するこれらのトリの感受性を軽減しうると、Kincy−Cainの開示に基づいて理論的に予想することも予測することも不可能である。
1つの実施形態においては、該微生物感染は細菌またはウイルス感染である。本発明は、そのような感染、特にサルモネラ(Salmonella)およびトリインフルエンザ感染に対する感受性を軽減するのに特に適しているようである。
もう1つの実施形態においては、該インターロイキン12はトリインターロイキンである。非トリインターロイキン12も使用可能かもしれないが(インターロイキン12がその機能性により定義される場合)、トリインターロイキン12の使用は該IL−12に対する自己免疫応答のリスクを軽減し、最適な初回抗原刺激の結果をもたらすと考えられる。
さらにもう1つの実施形態においては、該トリはニワトリであり、該インターロイキンはニワトリインターロイキンである。
さらに別の実施形態においては、該医薬は卵内投与または数日齢(孵化後日数)の動物への投与のためのものである。これらのタイプの投与は、孵化の瞬間から、マレック病に対する(未ワクチン接種動物と比較して)改善された防御および他の微生物に対する軽減された感受性を期待できるという利点を有する。特にブロイラー(これは、MD−ワクチン以外では、しばしば、それらの一生の間、典型的には6〜8週間の間に、いずれの追加的ワクチン接種をも受けない)の場合には、他の病原体による感染に対するそのような孵化後の感受性の軽減は経済的に非常に魅力的である。
本発明はまた、マレック病ウイルスに対してトリを防御し微生物感染に対する感受性を軽減する医薬における使用のための、シチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)に関するものであり、これは、HVTゲノム内に導入された異種核酸配列を含有し、該異種核酸はインターロイキン12をコードしている。本発明はまた、マレック病ウイルスに対してトリを防御し微生物感染に対するその感受性を軽減するための、シチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)の使用に関するものであり、これは、HVTゲノム内に導入された異種核酸配列を含有し、該異種核酸はインターロイキン12をコードしている。
本発明は、標的動物に感染し定着する様態において多種多様である微生物による感染に対する感受性の軽減を達成するために適用可能であることを示してる。特に、細菌、特に腸内細菌であるサルモネラ(Salmonella)、およびウイルス、特に呼吸器ウイルスであるトリインフルエンザに関して、有利な効果が明白に具体的に示されている。これらの微生物は、それらの感染、定着の様態およびそれらが免疫応答を誘導する様態において実際に全く無関係であるため、あらゆる微生物、特に、腸内細菌に属するあらゆる細菌、特にサルモネラ(Salmonella)、またはあらゆるウイルス、特にあらゆる呼吸器ウイルス、特にあらゆるインフルエンザウイルス、またはあらゆる他の微生物、例えばリケッチア(Rickettsia)に属する微生物に、本発明が適用可能である、と理論的に予測されうる。
サルモネラ・エンテリティティス(Salmonella enterititis)感染中の排泄腔スワブ評価に対するHVT−ChL−12の効果。感染後の種々の時点における排泄腔スワブにおけるCfu数が平均±SDとして表されている。 サルモネラ・エンテリティティス(Salmonella enterititis)感染中の定着に対するHVT−ChL−12の効果。感染後の第15日における肝臓(A)の定着レベルが示されている。 サルモネラ・エンテリティティス(Salmonella enterititis)感染中の定着に対するHVT−ChL−12の効果。感染後の第15日における盲腸(B)の定着レベルが示されている。 トリインフルエンザ感染中の臨床徴候に対するHVT−ChL−12の効果。第7日における陽性臨床呼吸器徴候が示されている。
つぎに、以下の非限定的な実施例を用いて本発明を更に詳しく説明することとする。
材料および方法
組換えニワトリIL−12(recChIL−12)の発現および精製
一本鎖IL−12 p40−p35ヘテロ二量体分子(アミノ酸配列に関しては、Degenら,The Journal of Immunology,2004,172:4371−4380を参照されたい)を作製した。この場合、インフレーム(G4S)3−リンカーによりp40鎖をp35鎖に連結した。Degenらにおいて記載されているとおり、この分子をChFlexi−IL−12と称することにした。EP 0 431 668に記載されている方法を用いて、この一本鎖構築物をHVTにおいて発現させた。
HVT−IL−12ウイルスおよびそのウイルスを含有する医薬の製造
Degenら(The Journal of Immunology,2004,172:4371−4380)から公知のIL−12 DNAと共にEP 0 431 668に記載されている方法を用いて、ニワトリIL−12が挿入されたHVTを製造した。該組換えウイルスを30.000pfu/mlでリン酸緩衝食塩水(「PBS」または単に「食塩水」とも称される)に懸濁させて医薬を得た。
recChIL−12のインビトロ生物活性:ニワトリ脾細胞によるChIFN−γ合成の誘導および増殖
ニワトリ初代脾細胞を、3回重複実験において、100μl中に0.5×10 細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート内に播き、示されている量のrecChIL−12または熱不活化recChIL−12と共にインキュベートした(100℃で10分間)。タンパク質の添加の48時間後、18〜20時間の[メチル−H]−チミジン(25μl/ウェルで18.5kBq)の取り込みの後、細胞の増殖を評価した。LKBベータカウンター(LKB Instruments,Gaithersburg,MD)を使用して、取り込まれた放射能を計数した。ChIL−12活性化脾細胞はChIFN−γの産生の増加をも示した(Degenら;The Journal of Immunology,2004,172:4371−4380を参照されたい)。
HVT−ChIL−12生物活性
空HVTベクターウイルスに感染した細胞および模擬感染細胞の上清を比較したところ、HVT−ChIL−12感染細胞の上清は、新鮮に単離された脾細胞の増殖の亢進による測定で、ChIL−12生物活性の明らかな証拠を示した。
サイトカイン発現HVTの投与
1日齢雌非IL−12欠損SPFニワトリ(20匹/群)に前記医薬0.1mlを脚筋肉内に筋肉内注射した。対照動物には、空対照ベクターとしてのHVT−PB1含有リン酸緩衝食塩水(3000pfu/動物の用量)または単なる該食塩水を投与した。HVTでのマレック病に対するワクチン接種は卵内投与により成功裏に達成されうることが一般に公知であることを考慮すると、ニワトリの筋肉内注射の代わりに卵内投与を用いることも可能であることが注目される。
サルモネラ感染および耐性の評価
チャレンジ感染の1日前に、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)(SE)(サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)亜種エンテリカ(enterica)血清型エンテリティディス(Entertidis))株を、通常の方法により、凍結乾燥ストック調製物から、ヒツジ血液寒天培地上で新鮮に一晩培養した。チャレンジ接種物を無菌肉エキスブロス内で調製し、細胞計数後に適切に希釈した。該接種物の生細胞濃度をヒツジ血液寒天上のコロニー数により確認した。7日齢(HVT構築物の注射の6日後)の時点で、10 cfuサルモネラ/mlを含有する0.5mlでのガバージュにより動物に経口感染させた。
サルモネラ感染に対する耐性の分析のために、感染の3、7、11および15日後に排泄腔スワブを採取した。また、肝臓、脾臓および盲腸内容物におけるサルモネラ定着のモニターのために、第15日に動物を犠死させた。固形器官(肝臓および脾臓)における定着(cfu定量)を、後記のとおりのサンプリングにより判定した。
肝臓、脾臓および盲腸の表面を熱いへらで局所的に消毒した。スワブを使用して盲腸および排泄腔をサンプリングした。このスワブを修飾ブリリアントグリーン寒天+60μg/ml ナリジクス酸(BGAm+nal)上に直接的に接種し、60μg/ml ナリジクス酸を含有する9mlの緩衝ペプトン水(BPW+nal)中での37℃で16〜24時間の増菌の後、再び行った。使い捨ての無菌接種ループを使用して肝臓および脾臓をBGAm+nal上に接種した。該器官を沸騰水に浸し、9mlのBPW+nalを加えてスタマッカー内で破砕し、37℃で16〜24時間の増菌の後、BGAm+nal上で培養した。排泄腔スワブをBGAm上に直接的に接種し、9mlのBPW+nal中で37℃で16〜24時間の増菌の後、再び行った。37℃で16〜24時間の接種の後、全てのBGAmプレートを、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)であると疑われるコロニー(赤色コロニー)の存在に関してスクリーニングした。疑われるコロニーをD−抗血清(Difco Laboratories,Detroit,MI,抗O1、9および12)で凝集させた。該チャレンジ株の再分離を以下の方法で半定量的に評価した。
直接接種後のプレート当たりのSEコロニーの数:
>100=6,11−100=5,1−10=4。
増菌後のプレート当たりのSEコロニーの数:
>100=3,11−100=2,1−10=1。
トリインフルエンザ感染および耐性の評価
通常の方法を用いて、トリインフルエンザA亜型H9N2ウイルス(分離体A/ニワトリ/アラブ首長国連邦/99)を卵内で産生させた。該ウイルス懸濁液を含有する水相を0.01M リン酸緩衝食塩水中で希釈し、チャレンジ物質として使用した。14日齢(該HVT構築物の注射の13日後)の時点で、噴霧経路により該トリを10E8.8 EID50/ml H9N2ウイルスでチャレンジした。該噴霧チャレンジのために、10mlのH9N2ウイルス(10E8.8 EID50/ml)を等体積の食塩水と混合し、得られた20mlのウイルス懸濁液を、密閉空気循環を用い圧縮器(1.5atm;平均滴サイズ50μm)と共にエアブラシを使用してアイソレイター(アイソレイター体積:0.79m)内に噴霧した。10分後に該空気循環を再開放した。
トリインフルエンザに対する耐性の分析のために、チャレンジの7日後に該トリを臨床呼吸器徴候に関してモニターし、評価した。重篤(視認可能)な呼吸困難を有するトリを陽性と評価し、その他を陰性と評価した。
結果
サイトカイン発現組換えHVTのインビトロ生物活性
各動物実験の開始の前に、IL−12活性の特徴の1つ(すなわち、哺乳動物に関して報告されている及びニワトリに関して最近報告された新鮮に単離された脾細胞の増殖(Degenら;The Journal of Immunology,2004,172:4371−4380))を利用して、HVT−ChIL−12の全バッチを生物活性に関してインビトロで試験した。
サルモネラ感染に対する孵化後耐性
感染に対する感受性を軽減するHVT−ChIL−12の効果を空対照ベクターHVT−PB1と比較した。各群ごとに、感染後の幾つかの時点で、排泄腔スワブにおいて見出されるcfuレベルにより表されるサルモネラ感染の速度論を決定した。図1に示すとおり、HVT−ChIL−12は、空HVTベクター(PB1)または食塩水群により惹起される応答と比較した場合、有意(P<0.05)に軽減した定着(約10〜100倍)を示した。
図2は、HVT−ChIL−12が肝臓(図2A)および盲腸扁桃(図2B)における定着を有意(P<0.05)に軽減したことを示している。
トリインフルエンザ感染に対する孵化後耐性
感染に対する感受性を軽減するHVT−ChIL−12の効果を空対照ベクターHVT−PB1と比較した。図3に示すとおり、チャレンジ後の臨床呼吸器徴候は、空HVTベクター(PB1)または食塩水群により惹起される応答と比較した場合、HVT−ChIL−12の投与により有意に軽減された。
結論
総合すると、これらの観察は、IL−12が、HVTにより発現された場合に、微生物感染に対するトリの感受性の安全な宿主由来軽減因子として作用することを示している。該データは、HVTにより発現されたIL−12が、抗生物質の予防的使用の代替手段として、または感染症に対するワクチン接種の代替手段として作用しうることを明らかにしている。全体的に見ると、これらの微生物による実際の感染が生じる前に対応微生物の抗原を投与する必要性を伴うことなく微生物感染全般に対するトリの感受性を有意に軽減するための医薬が、該新規構築物を使用して製造されうる。該新規構築物はHVTに基づくものであるため、それはマレック病に対する防御を本質的にもたらす。該新規構築物の使用の目的が、微生物感染に対する感受性の全般的軽減に加えて、マレック病に対する防御である場合には、MDに対する優れた防御を得るために、該医薬は、MDVの他の血清型、例えば生弱毒化MDV血清型1からの抗原を更に含みうる。US 5,965,138から公知のとおり、MDVの他の血清型からのこれらの抗原も該組換えHVT自体の一部を構成しうる。

Claims (8)

  1. マレック病ウイルスに対してトリを防御し微生物感染に対するその感受性を軽減する医薬を製造するための、インターロイキン12をコードする異種核酸配列を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)の使用。
  2. 該微生物感染が細菌感染またはウイルス感染である、請求項1に記載の使用。
  3. 該細菌感染がサルモネラ(Salmonella)感染であり、該ウイルス感染がトリインフルエンザ感染である、請求項2に記載の使用。
  4. 該インターロイキン12がトリインターロイキンである、請求項1から3のいずれかに記載の使用。
  5. 該トリがニワトリであり、該インターロイキンがニワトリインターロイキンである、請求項1から4のいずれかに記載の使用。
  6. 該医薬が卵内投与または数日齢の動物への投与のためのものである、請求項1から5のいずれかに記載の使用。
  7. マレック病ウイルスに対してトリを防御し微生物感染に対するその感受性を軽減する医薬における使用のための、インターロイキン12をコードする異種核酸配列を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)。
  8. 微生物感染に対するトリの感受性を軽減するための、インターロイキン12をコードする異種核酸配列を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)の使用。
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