JP2011524382A - ペプチド製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)Z−Arg−OH.ClとH−Lys(Boc)−NH2をカップリングするステップと、
(b)ステップ(a)で得られたZ−Arg−Lys(Boc)−NH2を、好ましくはPd触媒の存在下で水素化分解するステップと
を含む方法を対象とする。
アシル型保護基、特にホルミル、トリフルオロアセチル、フタロイル、4−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル、および2−ニトロフェニルスルフェニル、
芳香族ウレタン型保護基、特に置換または非置換のベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、2−(4−ビフェニリル)プロピル(2)オキシカルボニル、2−(3,5−ジメチルオキシフェニル)、プロピル(2)オキシカルボニル、およびトリフェニルホスホノエチルオキシカルボニルなど、
脂肪族ウレタン型保護基、特にtert−ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、2−メチルスルホニルエチルオキシカルボニル、および2,2,3−トリクロロエチルオキシカルボニル、
シクロアルキルウレタン型保護基、特にシクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、tert−アミルオキシカルボニル、およびイソボルニルオキシカルボニルなど、
チオウレタン型保護基、特にフェニルチオカルボニル、
アルキル型保護基、特にトリフェニルメチル(トリチル)およびベンジルなど、
トリアルキルシランなどのトリアルキルシラン基。上記の保護基は、アミノ保護基として特に適している。
(a)Arg−Lys−NH2またはその誘導体、特にArg−Lys(Boc)−NH2と、N保護Trp−Arg−OHまたはその誘導体、特にZ−Trp−Arg−OHとをカップリングするステップ。
(b)Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号4)またはその誘導体、特にTrp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号4)と、N保護Trp−Trp−Proまたはその誘導体、特にZ−Trp−Trp−Pro−OHとをカップリングするステップ。
(c)Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号3)またはその誘導体、特にTrp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号3)と、N保護Arg−Trp−Proまたはその誘導体、特にZ−Arg−Trp−Pro−OHとをカップリングするステップ。
(d)Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号2)またはその誘導体、特にArg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号2)と、N保護Ile−Leuまたはその誘導体、特にBoc−Ile−Leu−OHとをカップリングするステップ。
−反応ステップの少ない非常に集中的な経路である。テトラフェニルホウ酸(TPB)塩を使用する実施形態において、TPB塩で選択的抽出を行った後、それらの塩を沈殿させ、または単離することなく合成を続けることが可能である。これによって、合成時に柔軟性の向上が実現する。側鎖の保護されたArgを処理する必要はない。
−トリプトファン単位のインドール環を合成時に保護する必要はない。トリプトファンは、強酸性の媒体に非常に高い感受性があることが知られている(インドール核のアルキル化、着色した副生物の生成)。これは、保護が高価であり、後の脱離が困難であることを考慮すると、重要な利点である。したがって、特定の好ましい実施形態において、本明細書の上記に開示される方法および断片においては、少なくとも1つのトリプトファン単位、および好ましくはすべてのトリプトファン単位は保護されていない。
−本発明の方法によって、Arg 10およびLeu 2のラセミ化の量の低減も可能になり、より容易な最終精製が可能になる。
−最後に、本発明の方法によって、最終の脱保護、特に適切な場合にはBoc基の脱離反応のかなりスムーズな条件が可能になる。
−さらに、本発明の方法は、特にC末端のProを有する第1のペプチドが使用されるいくつかの好ましい実施形態において、ラセミ化の危険がさらに低減されることを可能にし、より容易な最終精製が可能になる。
1.02当量のZ−Arg−OH.HCl(Mw=344.8)をDMAとCH2Cl2(6/4)の混合物に室温で添加した。その後、1.03当量のHOBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、Mw=135.12)および1.00当量のH−Lys(Boc)−NH2(Mw=245.3;純度:99%)を添加した。溶液を0±5℃に冷却した後、1.03当量のEDC.HCl(Mw=191.7)を添加した。
1.00当量のTPB.Z−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=535.6;純度=62.0%)のメタノール溶液を、メタノールで洗浄した樹脂IRA 958(Mw=1000;3.00当量)が入っているカラムに数回通した。HPLCで交換を確認した後、樹脂を濾過し、メタノールで3回洗浄した。有機相を合わせて、真空中で部分濃縮した。濃縮された溶液を水で希釈した。
2.00当量の水および1当量のArg(Mw=174.2)をDMFと混合し、溶液が得られるまで室温で撹拌した。1.03当量のZ−Trp−OSu(Mw=435.45;純度=98%)をDMFに溶解し、アルギニン溶液に注いだ。次いで、撹拌を室温で少なくとも5時間続けた。反応の終了をHPLCで確認した後、冷アセトニトリル(0±5℃)をゆっくり添加することによって反応混合物が沈殿し、濾過する前に、この温度で少なくとも30分間維持した。沈殿物をCH3CN/IPE(イソプロピルエーテル)(1/1)の混合物で3回、次いでIPEで2回洗浄した。次いで、固体を真空中、45℃で乾燥した。白色固体が、最終的に得られた。
1.00当量のZ−Trp−Arg−OH(Mw=494.5;純度=85.0%)および1.10当量のHOOBt(Mw=163.13)を、CH2Cl2で予め希釈しておいた1.15当量のHCl.H−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=437.5;純度=20.0%)のDMA溶液に添加した。溶液を−5±5℃に冷却した後、1.00当量のHCl/ジオキサン(4N)をゆっくりと注ぎ入れ、次いで1.10当量のEDC(Mw=191.7)を添加した。反応混合物を−5±5℃で少なくとも3時間撹拌し、次いで5±5℃で少なくとも8時間撹拌した。HPLCで反応の完了を確認した後、反応混合物をCH2Cl2/sec−ブタノール(6/4)の混合物で希釈し、まずHCl(0.5当量)を含有する5%(重量)のNaCl水溶液、次いで2.2当量のNaTPB(Mw=342)を含有する5%(重量)のNa2CO3水溶液1900ml、最後に5%(重量)のNaCl水溶液で5回洗浄した。有機層を濃縮した後、残渣をメタノールに溶解し、次いで残留しているCH2Cl2の大部分を除去するために真空中で濃縮した。この最終溶液をNMRで滴定し、その後精製することなく使用した。
1.00当量の2TPB.Z−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=878.11)のメタノール溶液を、6.00当量のメタノールで洗浄した樹脂IRA 958(Mw=1000)が入っているカラムに数回通した。HPLCで交換を確認した後、樹脂を濾過し、メタノールで3回洗浄した。有機相を合わせて、真空中で部分濃縮した。濃縮された溶液を水で希釈し、Pd触媒を添加した。次いで、懸濁液を35±5℃で少なくとも3時間水素化した。触媒を濾別し、メタノールで2回洗浄した。濾液を真空中で蒸発させ、残渣をDMAに溶解し、残留している水を除去するためにさらに濃縮した。含水率を確認した後、沈殿物をDMAに溶解し、溶液の重量を適合させるために真空中で部分蒸発させた。最終溶液を0.1N HClで滴定し、その後精製することなく使用した。
DMA、1.05当量のDIPEA(Mw=129.2)、および1.05当量のH−Trp−Pro−OH(Mw=301.3;純度=91.0%)を、溶液が生成されるまで室温で少なくとも30分間混合した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、5±5℃に冷却した。この温度に到達すると、1.00当量のZ−Trp−OSu(Mw=435.5;純度=98.0%)を添加し、溶液が再び室温まで温まる前に、撹拌を少なくとも30分間続けた。反応の完了をHPLCで確認した後、0.2当量のDMAPA(N,N’−ジメチルアミノプロピルアミン、Mw=102.2g/mol)を添加した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、2当量のKHSO4を含有する5(重量)%のNaCl水溶液で洗浄した。有機相を、最初は5(重量)%のNaCl水溶液で、最後は水でさらに洗浄した。有機相を真空中で部分濃縮し、残渣を酢酸エチルに懸濁し、さらに残留している水を除去するために濃縮した。濃縮ペプチド溶液を少量ずつ、MTBE/石油エーテル(45〜55)(1/1)の冷(0±5℃)混合物に添加し、濾過する前に、沈殿物を0±5℃で少なくとも30分間維持した。濾過した後、次いで石油エーテル(45〜55)で洗浄し、真空中45℃で乾燥した。白色固体が、最終的に得られた。
1.00当量のZ−Trp−Trp−Pro−OH(Mw=621.7;純度=94.0%)を、CH2Cl2で予め希釈した1.05当量の2HCl.HTrp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=816.9;純度=15.0%)のDMA溶液に添加した。次いで、1.20当量のN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(Mw=129.2)および1.05当量の2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)(HBTU)(Mw=379.24)を添加した。反応混合物を室温で少なくとも1時間撹拌した。HPLCで反応の完了を確認した後、反応混合物をCH2Cl2/sec−ブタノール(8/2)の混合物で希釈し、まず5%(重量)のNaCl水溶液およびHCl(1.5当量)、次いで5%(重量)のNa2CO3水溶液および2.2当量のNaTPB(Mw=342g/mol)、最後に5%(重量)のNaCl水溶液で3回洗浄した。有機層を濃縮した後、残留油をメトキシエタノールに数回溶解し、次いで残留しているiso−ブタノールの大部分を除去するために真空中で濃縮した。GC制御した後、濃縮物を、5%(重量)の冷(0±5℃)NaCl水溶液にゆっくりと注ぎ込むことによって沈殿させた。少なくとも1時間撹拌した後、懸濁液を濾過し、冷水で2回洗浄した。沈殿物を真空中、45℃で乾燥した。白色固体が、最終的に得られた。
1.00当量の2TPB.Z−TrpTrp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号3)(Mw=1347.5;純度=64.0%)のメタノール溶液を、メタノールで洗浄した樹脂IRA 958(またはAmberjet Cl 1000;6.00当量)が入っているカラムに数回通した。HPLCで交換を確認した後、樹脂を濾過し、3回洗浄した。有機相を合わせて、真空中で部分濃縮し、次いで水で希釈した。最後に、2%(重量)のPd触媒を添加し、懸濁液を40℃で少なくとも3時間水素化した。触媒を濾別し、メタノール/水の混合物で3回洗浄した。濾液を合わせて、真空中で蒸発させ、残渣をDMAに懸濁し、残留している水を除去するためにさらに濃縮した。含水率を確認した後、溶液をHCl(0.1N)、AgNO3(0.1N)、またはNMRで滴定し、その後精製することなく使用した。
DMA、1.00当量のDIPEA、および1.00当量のH−Trp−Pro−OH(Mw=301.3;純度=94.0%)を、溶液が得られるまで室温で少なくとも30分間混合し、次いで溶液を10±5℃に冷却した(溶液No.1)。DMAに、室温で1.00当量のZ−Arg−OH.HCl(Mw=344.8)を清澄な溶液が得られるまで添加した(溶液No.2)。溶液No.2を−15±5℃に冷却しながら、1.05当量のピリジン(Mw=79.1;純度=99.0%)および1.00当量のDIPEAを添加した。この温度に到達すると、1.00当量のピバロイルクロリド(PivCl)(Mw=120.58)を反応混合物(溶液No.2)に注ぎ込み、約5分間さらに活性化した。さらに、活性化された溶液No.2に溶液No.1を添加し、冷却を止めた状態で反応混合物を少なくとも1時間さらに撹拌し、反応混合物を室温まで温まらせた。
1.00当量のZ−Arg−Trp−Pro−OH(Mw=591.65;純度=96.0%)、1.00当量のHCl/ジオキサン(4N)、および1.05当量のHOBt(Mw=135.12;純度=98.0%)を、CH2Cl2で希釈したDMAに溶かした1.00当量の2HCl.H−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号3)(Mw=1213.4;純度=85.0%)に添加した。溶液を10±5℃に冷却した後、1.02当量のEDC(Mw=191.7)を添加した。反応混合物を10±5℃で30分間撹拌し、次いで室温で少なくとも4時間撹拌した。HPLCで反応の完了を確認した後、反応混合物をCH2Cl2/iso−ブタノール(8/3)の混合物で希釈し、まずHCl(0.5当量)を含む5%(重量)のNaCl水溶液、次いで3当量のNaTPB(Mw=342)を含有する5%(重量)のNa2CO3水溶液、最後に5%(重量)のNaCl水溶液で2回洗浄した。有機層を濃縮した後、残留油をメトキシエタノールに数回溶解し、次いでiso−ブタノールの大部分を除去するために真空中で濃縮した。GC制御した後、濃縮物を、5%(重量)の冷NaCl水溶液にゆっくり注ぎ込むことによって沈殿させた。少なくとも1時間撹拌した後、懸濁液を濾過し、冷水で2回洗浄した。沈殿物を40±5℃で乾燥した。灰色がかった白色固体が、最終的に得られた。
1.00当量の3TPB.Z−Arg−Trp−Pro−TrpTrp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=1787.1;純度=57.0%)のメタノール溶液を、メタノールで洗浄した樹脂IRA 958(Mw=1000、9.00当量)が入っているカラムに数回通した。HPLCで交換を確認した後、樹脂を濾過し、メタノールで3回洗浄した。有機相を合わせて、真空中で部分濃縮した。次いで、濃縮された溶液を水で希釈し、Pd触媒を添加した。次いで、懸濁液を35±5℃で少なくとも6時間水素化した。触媒を濾別し、メタノール/水の混合物で3回洗浄した。濾液を合わせて、真空中で蒸発させ、残渣をDMAに懸濁し、残留している水を除去するためにさらに濃縮した。含水率を確認した後、溶液をHCl(0.1N)またはNMRで滴定し、その後精製することなく使用した。
ジペプチドであるBoc−Ile−Leu−OHの合成を、2つの経路に従って行った:
−Boc−Ile−OHの活性化エステルOSuを経由(経路A)
−Boc−Ile−OHのUNCA(ウレタンN保護カルボキシ無水物)の使用を経由(経路B)。
撹拌下、1.00当量のBoc−Ile−OH.1/2H2O(Mw=240.3)および1.05当量のSuc−OH(Mw=115)を酢酸エチルに添加した。溶液を0±5℃に冷却し、次いで酢酸エチルに希釈した1.10当量のDCC(Mw=206.3)を溶液に注ぎ込んだ。懸濁液を0℃で少なくとも30分間、さらに室温で少なくとも5時間撹拌した。酢酸2.42g(0.20当量)を添加することによって、反応混合物をクエンチした後、DCUを濾過し、酢酸エチルで2回洗浄した。有機層を、0.5当量のKHSO4を含有する5(重量)%のNaCl水溶液、5(重量)%のNaCl水溶液;0.5当量のNa2CO3を含有する5(重量)%のNaCl水溶液、最後に5(重量)%のNaCl水溶液で洗浄した。溶媒を真空中で濃縮した。濃縮した溶液を酢酸エチルで2回抽出し、残留している水を除去するために、真空中でさらに蒸発させた。濃縮した有機層を、シクロヘキサンまたはヘプタンで希釈した。沈殿した懸濁液を室温で少なくとも30分間撹拌し、濾過し、最後に真空乾燥した(45℃)。乾燥した沈殿物から、白色固体のBoc−Ile−OSuが(NMR含有量に基づいて)収率89%で得られた。
まず、2.10当量のTMA(Mw=145.12)で、1.01当量のH−Leu−OH(Mw=131.2)を清澄な溶液が得られるまで約50℃でシリル化した。溶液を室温に冷却し、酢酸イソプロピルで希釈した。次いで、シリル化されたH−Leu−OH溶液に、1.00当量の固体Boc−Ile−OSu(Mw=328.26;100.0%)を添加した。さらに、反応混合物を室温で少なくとも8時間撹拌した。反応の完了をHPLCで確認した後、DMAPAおよび水を添加することによって溶液をクエンチし、5(重量)%のNaCl水溶液500mlにとかしたKHSO4(1.00当量);5(重量)%のNaCl水溶液500ml、および水で洗浄した。酢酸イソプロピルを真空中で蒸発させた後、酢酸イソプロピルと共沸蒸留することによって過剰の水を除去した。濃縮中に、ペプチドが沈殿した。次いで、濃縮した懸濁液をシクロヘキサンに希釈した。沈殿物を室温で少なくとも10分間撹拌し、濾過し、最後に真空中45℃で乾燥した。乾燥した沈殿物から、白色固体のBoc−Ile−Leu−OHが(NMR含有量に基づいて)収率80%で得られた。
DMSOに懸濁した状態の1.10当量のH−Leu−OH(Mw=131.2)に、1.00当量のBoc−Ile−NCA(Mw=257.3)を添加した。次いで、懸濁液を60±5℃で少なくとも2時間加熱した。変換率をHPLCで確認した後、反応混合物を酢酸イソプロピルで希釈し、5(重量)%のNaCl水溶液にとかしたKHSO4(Mw=136;1.00当量)、5(重量)%のNaCl水溶液、および水で洗浄した。酢酸イソプロピルを真空中で蒸発させた後、酢酸イソプロピルと共沸蒸留することによって過剰の水を除去した。濃縮中に、ペプチドが沈殿した。次いで、濃縮した懸濁液をシクロヘキサンに希釈した。沈殿物を室温で少なくとも10分間撹拌し、濾過し、最後に真空中45℃で乾燥した。乾燥した沈殿物から、白色固体のBoc−Ile−Leu−OHが(NMR含有量に基づいて)収率89%で得られた。
1.00当量の3HCl.H−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(Mw=1652.9;純度=89.0%)をDMAおよびCH2Cl2にとかした冷(0±5℃)溶液に、1.05当量のBoc−Ile−Leu−OH(Mw=344.4)および1.10当量のHOOBt(Mw=163.13)を添加する。次いで、1.20当量のEDC(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド;Mw=191.7;純度=100.0%)を、反応混合物に添加し、さらに0±5℃で約4時間、次いで室温で少なくとも8時間撹拌した。反応の完了をHPLCで確認した後、反応混合物をCH2Cl2/イソ−ブタノールの混合物(8/2)で希釈し、5(重量)%のNaCl水溶液+HCl(0.3当量)で洗浄した。有機層を濃縮した後、残留油を、冷(0±5℃)アセトニトリルにゆっくり注ぎ込むことによって沈殿させた。0±5℃で少なくとも30分間撹拌した後、懸濁液を濾過し、冷MTBEで2回洗浄した。沈殿物を40±5℃で乾燥した。灰色がかった白色固体が、最終的に得られた。
1.00当量のBoc−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Boc)−NH2(配列番号1)(Mw=1980;純度=89.0%)を、ペプチドに対して24当量のHCl、および6当量の4−(メチルチオ)フェノール(Mw=124.2)を含有するイソプロパノールにゆっくりと添加した。添加が完了した後、反応混合物をイソプロパノールで希釈した。反応混合物を35±5℃で少なくとも2時間撹拌した。反応の完了をHPLCで確認した後、反応混合物を冷イソプロピルエーテルにゆっくりと注ぎ込んだ。沈殿物を0±5℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで濾過し、イソプロピルエーテルで3回洗浄し、最後に真空乾燥して、5HCl.H−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号1)を得た。
実施例14で得られた生成物をアセテート緩衝液に溶解し、0.5μmのメンブランを用いて濾過した。得られた溶液を、HPLCで以下のパラメータを使用して精製した:
−カラム:2.0*25cm(ID*L)
−固定相:C18シリカ;10μm−100A
−移動相:A=アセテート緩衝液、pH5.0(0.15M)
B=アセトニトリル
−流量:19mL/分
−波長:254nm
−グラジエント(分;B(%)):(0;10) (5;10) (6;18) (36;33) (36.1;60) (43;60) (43.1;10) (52;10)。
−カラムの平衡用、水/アセトニトリル 95/5(v/v)
−イオン交換用、0.5M NaCl/MeCN 95/5(v/v)
−溶出用、水/MeCN 60/40(v/v)。
Claims (47)
- H−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号1)という配列のペプチドであるオミガナンまたはその誘導体の製造方法であって、活性化されたカルボキシ基および少なくとも2つのアミノ酸単位を有する第1のペプチド、または活性化されたカルボキシ基を有するIle、Leu、ArgおよびTrp、Proからなる群から選択されるアミノ酸と、遊離アミノ基および少なくとも2つのアミノ酸単位を有する第2のペプチドとを溶液中でカップリングする少なくとも1つのステップを含み、第1および第2のペプチドは異なり、Ile、Leu、Arg、Trp、Pro、およびLysからなる群から選択されるアミノ酸を、オミガナン中のIle−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(配列番号1)という配列で規定される順序で含む方法。
- Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号2)またはその誘導体とIle−Leu(Ileのアミノ基はアミノ保護基で保護されている)をカップリングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
- Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号3)またはその誘導体とArg−Trp−Pro(Argのアミノ基は保護基で保護されている)をカップリングするステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
- Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号4)またはその誘導体とTrp−Trp−Pro(N末端のTrpのアミノ基は保護基で保護されている)をカップリングするステップを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 前記保護基が、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基およびベンジルオキシカルボニル(Z)基から選択される、請求項2から4のいずれかに記載の方法。
- 前記ArgまたはTrpのアミノ基が、ベンジルオキシカルボニル(Z)基で保護される、請求項5に記載の方法。
- 前記Lysの側鎖アミノ基および/またはIle中のN末端アミノ基が、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)で保護される、請求項5に記載の方法。
- Argを含むペプチドのテトラフェニルホウ酸塩を生成するステップを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
- 前記Argを含むペプチドのテトラフェニルホウ酸塩が、請求項1から7のいずれか一項に記載のカップリングステップで得られたArgを含むペプチドを含有するカップリングステップ反応媒体とテトラフェニルホウ酸アニオンの供給源とを接触させることによって生成される、請求項8に記載の方法。
- 前記テトラフェニルホウ酸アニオンの供給源が、テトラフェニルホウ酸ナトリウムを含む、請求項9に記載の方法。
- 前記Argを含むペプチドのテトラフェニルホウ酸塩を、単離することなく少なくとも1つのその後の合成ステップにかける、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記Argを含むペプチドのテトラフェニルホウ酸塩を、少なくとも脱保護ステップと、その後に続くカップリングステップにかける、請求項11に記載の方法。
- 前記第2のペプチドが、NH2−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号4)、NH2−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号5)、NH2−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号6)、NH2−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号7)、NH2−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号8)、NH2−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号9)、NH2−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号10)、NH2−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(X)−R(配列番号11)から選択される式を有し、式中、Xは、Lysの側鎖アミノ基のための保護基であり、Rは、Lysのカルボキシル基のためのカルボキシル保護基、好ましくはアミド基である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2のペプチドが、0.1〜1重量%の(D)Arg−Arg−Lys(X)−R類似体を含む、請求項13に記載の方法。
- 前記第2のペプチドが、0.2〜0.9重量%の(D)Arg−Arg−Lys(X)−R類似体を含む、請求項14に記載の方法。
- 前記第2のペプチドがNH2−Arg−Lys(X)−Rであり、式中、Xは、Lysの側鎖アミノ基のための保護基であり、Rは、Lysのカルボキシル基のためのカルボキシル保護基、好ましくはアミド基であり、前記第1のペプチドが、Y−Trp−Arg、Y−Pro−Trp−Arg、Y−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号12)、Y−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号13)、Y−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号14)、Y−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号15)、Y−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号16)、Y−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号17)、Y−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg(配列番号18)の群から選択され、式中、Yは、アミノ保護基、好ましくはZ基である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カップリングが、アリール環を有するオキソ−トリアジン活性化剤、好ましくはHOOBtの存在下で実施される、請求項16に記載の方法。
- 前記カップリングが、−10から+10℃の温度で実施される、請求項16または17に記載の方法。
- 前記カップリングが、ハロゲン化溶媒と非ハロゲン化溶媒との混合物、好ましくは塩素化溶媒とアミド型溶媒との混合物中で実施される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
- Z−Trp−Arg−OHとHCl.H−Arg−Lys(Boc)−NH2をカップリングし、前記活性化剤がHOOBtであり、前記溶媒がDMAと塩化メチレンとの混合物であり、前記カップリングが、第1の期間を−5±5℃の温度で3から5時間、および第2の期間を+5±5℃の温度で6から10時間実施される、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2のペプチドが、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法で得られる、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
- 図1のスキームに従う、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
- H−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号1)という配列のペプチドであるオミガナンを製造するための脱保護方法であって、式Y1−Ile−Leu−Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys(Y2)−NH2(配列番号1)の前駆体ペプチドと酸を実質的に無水の条件下で反応させるステップを含み、式中、Y1とY2は同一もしくは異なるアミノ保護基、またはHを表し、Y1またはY2の少なくとも1つは酸に不安定なアミノ保護基である方法。
- Y1およびY2がBocである、請求項23に記載の方法。
- 前記酸が、HCl、HF、トリフルオロ酢酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸から選択される、請求項23または24に記載の方法。
- 前記酸がHClであり、ペプチド1モル当たり好ましくは6から32モル、より好ましくは12から24モルのHClが使用される、請求項25に記載の方法。
- 前記反応が、有機溶媒、好ましくは脂肪族アルコール、より好ましくはイソプロパノール中で実施される、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
- 10mg/kgから1.5重量%、好ましくは50mg/kgから1重量%の水を含有する液体反応媒体中で反応を実施することによって、実質的に無水の条件が実現される、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反応が、カルボカチオン、特にtert−ブチルカチオンの捕捉剤の存在下で実施される、請求項23から28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記反応が0℃から80℃、好ましくは30℃から45℃の温度で実施される、請求項23から29のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ペプチドであるオミガナンがその五塩酸塩の形で回収される、請求項23から30のいずれか一項に記載の方法。
- 前駆体ペプチドが、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法で得られる、請求項23から31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ペプチドであるオミガナンの精製方法であって、不純物を含んだペプチドであるオミガナンを、水および有機溶媒を含む移動相を用いた逆相液体クロマトグラフィーにかけるステップを含む方法。
- 前記移動相がアセトニトリルを含む、請求項33に記載の方法。
- 前記移動相がアセテート緩衝液を含む、請求項33または34に記載の方法。
- 対イオン交換ステップをさらに含む、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
- 濃縮および凍結乾燥ステップをさらに含む、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法。
- 前記オミガナンペプチドが、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法で得られる、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
- Trp−Trp−Pro−OH。
- Arg−Trp−Pro−Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号2)。
- Arg−Trp−Pro−OH。
- Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号4)。
- Trp−Trp−Pro−Trp−Arg−Arg−Lys−NH2(配列番号6)。
- 前記N末端アミノ基が、保護基、好ましくはZ基で保護される、請求項40から43のいずれか一項に記載の化合物。
- 前記Lysの側鎖アミノ基が、保護基、好ましくはBoc基で保護される、請求項40および42から44のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項40から44のいずれか一項に記載の化合物のテトラフェニルホウ酸塩。
- 図1に含まれる前記Argを含むペプチドのいずれかのテトラフェニルホウ酸塩。
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