JP2011522547A - アスタキサンチンの合成における遺伝子の使用 - Google Patents

アスタキサンチンの合成における遺伝子の使用 Download PDF

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Abstract

好ましくはX.デンドロロウスにおける、酵素アスタキサンチンシンターゼにより触媒される反応に関して電子の供与体としての役目を果たし、ベータカロテンをアスタキサンチンに変換する、シトクロムP450レダクターゼ活性を有する酵素をコードするDNA配列。
【選択図】 無

Description

担子菌酵母キサントフィロマイセス・デンドロロウス(Dendrorhous Xanthophyllomyces)はカロテノイド類、主にキサントフィルアスタキサンチンを合成し、水産養殖産業におけるその栄養補助食品としての用途により非常に商業的に興味深い。
本発明は、シトクロムP450レダクターゼ活性を有し、ベータカロテンからのアスタキサンチンの合成においてアスタキサンチンシンターゼにより触媒される反応における電子供与体として働いて参加しているポリペプチドをコードする遺伝物質を記述する。
カロテノイド類は主に植物、酵母および微細藻類により産生される一群の天然の色素である。特に、キサントフィルアスタキサンチンは天然に広く見られる化合物であり、これは、それが水産養殖においてマスおよびサケの肉を着色するための食品添加物として用いられるために大きな商業的重要性を有している(Johnson et al. 1977)。一方、その高い抗酸化活性により、ヒトの健康に対して、例えば心血管疾患の予防、免疫系の支援、ヘリコバクター・ピロリに対する生理活性および目の白内障の予防において有益であった。(Higuera−Ciapara and et al. 2006)。
元来、この化合物の調製は甲殻類(この色素が豊富な生物)から直接行われており、現在では生産は主に化学合成によっており、いくつかの例が米国特許第4,245,109号、米国特許第5,210,314号、米国特許第5,625,099号および米国特許第5,654,488号において記述されている。
アスタキサンチンを得る別の方法は、微生物からの生合成および抽出であり、この意味では微細藻類(ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvial))および酵母(キサントフィロマイセス・デンドロロウス)の使用が最も重要である。微細藻類中でのアスタキサンチンの増殖、産生および抽出は、カナダ特許CN1,966,660および日本特許出願JP2007/222168、韓国出願2005/0005341、およびメキシコ出願MX/PA05/007801を含むいくつかの特許において記述されているが、ヘマトコッカス・プルビアリスにより産生されるアスタキサンチンをキサントフィロマイセス・デンドロロウスにより得られるものと比較すると、重要な違いが存在する。淡水中では、単細胞微小緑藻類であるH.プルビアリスは長年の間カロテノイドアスタキサンチンの蓄積者として認識されており、特定のストレス条件、例えば高い光の強度および/または窒素制限の下では、藻の細胞はシストを形成し、高い量のアスタキサンチン(>1%乾燥重量)を蓄積し(Margalith, 1999)、その色を緑から赤に変える。
この微細藻類は最近、それらの増殖期の間および後に大量のアスタキサンチンを合成して蓄積するそれらの能力により、多くの注目を集めてきた(Margalith, 1999)。しかし、得られたアスタキサンチンの内の高い割合がエステル化されており(Sommer et al 1991)、色素の産生の質が商業的に要求される質よりも低かったため、H.プルビアリスのアスタキサンチンの源としての用途は乏しかった。この意味では、酵母キサントフィロマイセス・デンドロロウスにより産生されるアスタキサンチンは100%遊離型(エステル化されていない)であり、光学異性体の3R、3R’および幾何異性体のトランスを含み、それは微細藻類により産生されるものと比べてそれに利点を与えている(Andrewes and Starr, 1976)。微細藻類は既知の最も高いアスタキサンチン含有量を有する天然の源であるが、これらの生物の商業的利用に関する興味は、原生動物の混入の高い割合および酵母のような従属栄養生物と比較して低い培養技術の発達のため、十分では無かった。
カロテノイド類色素の生合成経路は酵母において広く研究されており、図1はX.デンドロロウスに関して同定された経路および単離、配列決定、特性付けおよび公開されたそれらの遺伝子の詳細を示す(Kajiwara et al.,1997,Niklitschek et al.,2008,Green et al.,1999a;Alcaino,2002,Green et al.,1999b;Leon,2000)。ベータカロテンからのアスタキサンチンの形成において、2種類の酵素活性が必要となる:ケト基をその分子の4および4’位に組み込むケトラーゼ(ketolase)ならびにベータカロテンの3および3’位において水酸基を導入するベータカロテンヒドロキシラーゼ(Cunningham and Gantt 1998, Linden 1999)。2種類の独立した遺伝子がこの段階に関わっている他の生物とは異なり、X.デンドロロウスからは両方の活性を有する酵素アスタキサンチンシンターゼをコードする遺伝子crtSが単離された(EP1,035,206; Ojima et al., 2006, Alvarez et al., 2006)。遺伝子crtSの推定されたアミノ酸配列および生物情報学的分析の実行から、我々はX.デンドロロウスの酵素アスタキサンチンシンターゼはシトクロムP450モノオキシゲナーゼタンパク質のファミリーに属すると決定した。
基質中への酸素の挿入に関して、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ型の酵素は真核生物では電子供与系を必要とし、タンパク質シトクロムP450レダクターゼ(CPR)である(van den Brink et al., 1998)。加えて、Ojimaら(2006)は、大腸菌を互いに共存できる3種類のプラスミドで形質転換し、そのプラスミドの内の1種類はベータカロテンの合成に必要な遺伝子を含み、別のものはX.デンドロロウスの遺伝子crtSを含み、3番目は出芽酵母のP450レダクターゼを含み、この系はベータカロテンの酸化型誘導体を得ることのみ可能であり、アスタキサンチンは得られなかったという研究を記述した。これらの結果から、我々はその系における生合成経路を補完するのに適したシトクロムP450レダクターゼの配列が必要であると推論することができる。
この点において、X.デンドロロウスからのシトクロムP450レダクターゼをコードする遺伝子はまだ単離および配列決定されておらず、それがアスタキサンチンの合成に関わっていることも示されていない。
この発明は、X.デンドロロウスのシトクロムP450レダクターゼ活性を有するポリペプチドをコードするctrR遺伝子の配列を記述する。この発明は、微生物を形質転換してそのアスタキサンチンを産生する天然の能力を増進する、またはこの色素の産生が可能では無い他のカロテノイド合成生物において新しい経路を作り出すための、商業的に魅力的な形の技術的手段を提供する。
米国特許第4,245,109号 米国特許第5,210,314号 米国特許第5,625,099号 米国特許第5,654,488号 カナダ特許CN1,966,660 日本特許出願JP2007/222168 韓国出願2005/0005341 メキシコ出願MX/PA05/007801 EP1,035,206
Johnson et al. 1977 Higuera−Ciapara and et al. 2006 Margalith, 1999 Sommer et al 1991 Andrewes and Starr, 1976 Kajiwara et al., 1997 Niklitschek et al., 2008 Green et al., 1999a Alcaino, 2002 Green et al., 1999b Leon , 2000 Cunningham and Gantt 1998, Linden 1999 Ojima et al., 2006 Alvarez et al., 2006 van den Brink et al., 1998
本発明は、酵素シトクロムP450レダクターゼ(CPR)をコードする遺伝物質、ならびにCPR活性を有するポリペプチドをコードするゲノムDNA、相補的DNA、メッセンジャーRNAおよびそれぞれの対立遺伝子変異体(allelic variants)のタイプの核酸配列としての遺伝物質が宿主生物の形質転換によるアスタキサンチンの生産に有用であることを理解することに関し、それはこのカロテノイドの天然の生産者であってよく、またはそうで無くてもよい。
図1、X.デンドロロウスにおけるアスタキサンチンの生合成経路の主な段階。それはクローン化および配列決定されているその経路の構造遺伝子を示している。それはカロテノイド生合成経路における中間体を蓄積しているコロニーの色を示している。その色は、合成の異なる期において得られる色素のタイプを示すものである。 図2、X.デンドロロウスのcrtR遺伝子のゲノムDNA配列(SEQ1)。下線が引かれた配列断片は、その遺伝子のエキソンに対応する。太字および下線が引かれた核酸は、連結プロセスに関する供与部分および受容部分として同定された部位を強調している。BamHI酵素に関する制限部位を示す。 図3、異なる菌類からのNADPH−シトクロムP450レダクターゼに関する遺伝子のヌクレオチド配列の比較。C.echinulata:クンニンハメラ・エキヌラタ(Cunninghamella echinulata)(接合菌類)、GenBankアクセス番号:AF195660。S.cerevisiae:出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)(子嚢菌類)、GenBankアクセス番号:D13788。R.minuta:ロドトルラ・ミヌタ(Rhodotorula minuta)(担子菌類)、GenBankアクセス番号:AB055119。灰色の線は表1において記述されるプライマーの一部がどこであるかを示す。 図4、crtR遺伝子のコード領域に関する相補的DNA配列(SEQ2)およびそれぞれのアミノ酸に関して1文字コードを用いたアミノ酸配列への翻訳(SEQ3)。イタリック体:crtR遺伝子エキソン1。黒字:crtR遺伝子エキソン2。下線が引かれた配列:crtR遺伝子エキソン3。 図5、crtR遺伝子のコード領域から推定されるアミノ酸配列。黒字で強調され、下線が引かれた部分は、BlastPプログラムにより同定されたそのタンパク質の保存されたドメインであり、順に膜貫通ドメイン、FMN結合ドメイン、FAD結合ドメインおよびNAD(P)Hの結合ドメインである。 図6、X.デンドロロウスの野生株UCD67−385およびCBS6938におけるcrtR遺伝子の欠失のために設計されたコンストラクトを得るためのプロセスの概要。 図7、X.デンドロロウスの野生株UCD67−385(385)およびCBS6938(CBS)における相同組換えによるcrtR遺伝子の変異の事象の図解、ここで、AはUCD67−385株の形質転換を示し、BはCBS6938株の形質転換を示す。 図8、YM寒天培地を有するペトリ皿中での、野生型の酵母(UCD67−385およびCBS6938)および形質転換体(T13:UCD67−385に由来する、およびCBSTr:CBS6938に由来する)の培養。 図9、野生型(UCD67−385およびCBS6938)および形質転換体(T13およびCBSTr)の酵母に存在する色素の分析。
(A)HPLCクロマトグラム(465nm)。それぞれのピークは対応するカロテノイドを示している、NI:未同定。
(B)それぞれの検出された色素のppm(百万分率)で表した、野生株およびそれらのそれぞれの変異体により産生される色素の比較を示すグラフ。
図9、野生型(UCD67−385およびCBS6938)および形質転換体(T13およびCBSTr)の酵母に存在する色素の分析。
(A)HPLCクロマトグラム(465nm)。それぞれのピークは対応するカロテノイドを示している、NI:未同定。
(B)それぞれの検出された色素のppm(百万分率)で表した、野生株およびそれらのそれぞれの変異体により産生される色素の比較を示すグラフ。
図10、野生型および形質転換体のPCRの反応物のゲル。λ:分子の大きさの標準である、HindIII酵素で消化したバクテリオファージλのDNA(23.1、9.4、6.6、4.4、2.3、2.0および0.6kbのバンド)。
A:UCD67−385およびT13形質転換体のPCR。レーン:(1):DNA 385 + gpd rev+SEQ50、(2):DNA T13 + gpd rev+SEQ50、(3):HO + gpd rev+SEQ50、(4):DNA 385 + SEQ14+Pef fwd、(5):DNA T13 + SEQ14+Pef fwd、(6):HO + SEQ14+Pef fwd、(7):DNA 385 + SEQ14+SEQ50、(8):DNA T13 + SEQ14+SEQ50、(9):HO + SEQ14+SEQ50、(10):DNA 385 + SEQ14+SEQ15、(11):DNA T13 + SEQ14+SEQ15、および(12):HO + SEQ14+SEQ15。
B:CBS6938およびCBSTr形質転換体のPCR。レーン:(1):DNA CBS + Pef fwd+SEQ35、(2):DNA CBSTr + Pef fwd+SEQ35、(3):HO + Pef fwd+SEQ35、(4):DNA CBS + gpd rev+SEQ30、(5):DNA CBSTr + gpd rev+SEQ30、および(6):HO + gpd rev+SEQ30。
C:CBSTr形質転換体のPCR。レーン:(1):DNA CBSTr + SEQ75+hygSecR、(2):DNA CBSTr + HF+SEQ35、(3):DNA CBSTr + hygSecF+M13F、(4):DNA CBSTr + M13R+SEQ15、(5):DNA CBSTr + SEQ20+SEQ50、および(6):DNA CBSTr + SEQ30+SEQ50。
本発明は、ベータカロテンからのアスタキサンチンの合成の最終段階に関わる遺伝子および酵素に関する。
本発明は、アスタキサンチンを得るためのベータカロテンの分子上のケトおよび水酸基の組み込みに必要な電子の送達を担う、シトクロムP450レダクターゼ(CPR)活性を有する酵素をコードするゲノムDNA(crtR遺伝子)および相補的DNAの配列を提供し、この反応は酵素アスタキサンチンシンターゼにより触媒される。
本発明は、X.デンドロロウスのACWP遺伝子のDNA配列に関し、その好ましい態様において、ゲノムおよび相補的DNAの配列、ならびにその遺伝子の断片、ならびにこれらの半縮重(semi−degenerate)またはそうでないものに関する。
本発明は、酵素CRPの活性を有するポリペプチドをコードする、crtR遺伝子、その相補鎖、それらの対立遺伝子変異体のゲノムDNA配列、および1個以上のヌクレオチドの付加、挿入、欠失および/または置換により表される配列に関する。
その遺伝子コードは縮重しているため、この発明は、Sambrook et al 2001により記述されたような、標準的なストリンジェントな条件の下でcrtR遺伝子とハイブリダイズする核酸配列も提供する。その好ましい態様において、SEQ1に対応するDNA配列および特徴はX.デンドロロウスから来ており、9,903塩基対を有し、その内部で接続(スプライシング)のための供与および受容部位として表される核酸が同定され、その核酸はSEQ1中で黒で目立たせ下線を引いてある(図2)。この遺伝子のゲノムDNA配列は、SEQ1中で強調されているエキソンに対応する配列の3個のセグメントにより特徴付けられる。
この発明は、酵素CPRの活性を有するポリペプチドをコードする相補的DNA配列、その相補鎖およびそれが生じるメッセンジャーRNAの配列、それらの対立遺伝子変異体ならびに1個以上のヌクレオチドの付加、挿入、欠失および/または置換により表される配列も考慮する。
その遺伝子コードは縮重しているため、この発明は、Sambrookらにより記述されたような、標準的なストリンジェントな条件の下でcrtR遺伝子の相補鎖にハイブリダイズする核酸配列も提供する。その好ましい態様において、そのcDNAはcrtR遺伝子から生じたmRNAから合成され、これをSEQ2と呼び(図4)、このcDNAはセグメントをコードするcrtR遺伝子を表し、2,241塩基対の長さを有する。
本発明は、X.デンドロロウスのcrtR遺伝子のDNA配列を得るための方法にも関する。第1の方式または段階において、この方法は半縮重断片を用いた興味のある遺伝子のゲノムDNAまたはその一部の同定に相当する。加えて、別の形、または連続した段階において、前の段階から単離された断片の配列により興味のある遺伝子が同定される。好ましくは、第1段階において、興味のあるものに相当する他の種からの遺伝子の間で保存されている断片のコンセンサス配列が用いられる。
好ましい態様において、本発明は生物情報学の技法を用いた他の酵母のシトクロムP450レダクターゼ遺伝子の既知の配列の比較、保存されたセグメントの同定、およびそれらに従うDNA配列の同定および増幅に有用な核酸の短い断片(15および30bp)の設計を含む。その好ましい態様において、設計されたDNA断片を表1において記述する(SEQ4〜SEQ9)。これらは半縮重プライマーであり、記号R、K、D、H、Wを次のグループの核酸を表すものとして考え:R=GまたはA、K=GまたはT、D=GまたはAまたはT、H=AまたはTまたはC、W=AまたはT、Y=TまたはC、この設計に関して考えられた種のcrtR遺伝子のゲノム配列内のこれらのプライマーの位置を図3において記述する。これらの断片を用いて、X.デンドロロウスのゲノムDNAからcrtR遺伝子の一部をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅した。第2段階において、表1の縮重DNA断片(SEQ6〜SEQ106)が設計される。
特に、SEQ10からSEQ13までのプライマーを用いて、crtR遺伝子の断片の保有者であるX.デンドロロウスのゲノムDNAおよび相補的DNAからPCRの技法によりDNAクローンを同定した。
上記の残りのプライマーは、crtR遺伝子の完全な配列決定のために用いた。
表1:crtR遺伝子の同定および増幅に有用なDNA断片。
Figure 2011522547
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一方、この発明はシトクロムP450レダクターゼ活性を有するアミノ酸配列に関し、、それはその好ましい態様において、SEQ3(図5)において記述されているもの、ならびにcrtR遺伝子、その遺伝子から生じたメッセンジャーRNAまたは相補的DNA、その相補鎖、対立遺伝子変異体および1個以上のヌクレオチドの付加、挿入、欠失および/または置換を有するSEQ1もしくはSEQ2により表される配列、または標準的なストリンジェントな条件の下でそのゲノム配列または相補的DNAとハイブリダイズする核酸配列によりコードされるものに相当する(例えばSambrook et al. 2001)。その好ましい態様において、CPR活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列はSEQ3(図5)の746アミノ酸を有し、生物情報学的手段を用いた比較により、我々はSEQ3中で目立たせたいくつかの保存されたドメインを同定し、それは出現の順に膜貫通ドメイン、FMN結合ドメイン、FAD結合ドメインおよびNAD(P)Hの結合ドメインに対応する。
本発明は、SEQ3ポリペプチドの変異体にも向けられている。これらの変異体は、それらの配列における1個以上のアミノ酸の付加、挿入、欠失および/または置換に、これらの誘導体が記述された活性を保持する限り関する。この活性は、当技術で既知の、または本明細書で具体的に記述されるあらゆる試験により測定することができる。その変異体は化学合成により、または入手可能なDNA配列に基づく組み換えにより、当技術の現状の方法を利用して合成することができる。
本発明は、適切な生物においてアスタキサンチンの産生を増大させる、またはその生物生産(bio manufacturing)につながる新規の代謝経路を生じさせるために改変された生物を得るための、SEQ3の好ましい態様であるCPRポリペプチドの使用に関する。別の態様において、アスタキサンチン産生生物におけるシトクロムP450レダクターゼの機能を削除するように改変されたSEQ3の配列をコードするDNA配列がアスタキサンチンシンターゼと共に用いられ、その提案される用途は研究目的である。
その好ましい態様において、本発明は酵母X.デンドロロウスにおけるcrtR遺伝子の機能の削除ならびに形質転換された株の表現型による、および遺伝型による評価を含む。crtR遺伝子の削除は、X.デンドロロウスの野生株中の本来の遺伝子を、選択マーカー、好ましくは抗生物質耐性遺伝子により妨げられたこの遺伝子の断片を有するモジュールにより置き換えることにより行われる。その好ましい態様において、相同組換えによる本来の遺伝子の置き換えは上記のモジュールを含む適切なベクターを用いて行われ、詳細にはそれは図6において記述されている設計されたベクターであり、それらにより天然のX.デンドロロウスの2種類の株を形質転換して、それが由来する天然の株に関して低下したアスタキサンチンの産生に関する能力を有する2種類の形質転換株(CBSTrおよびT13)が得られた。その形質転換株の表現型の評価は、培養状態にある酵母の色の視覚による検査、およびそれが含む色素を好ましくはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)の技法を用いて同定することによる別の方法でのそれの天然の株との比較によりなされた。
形質転換された株における遺伝子crtRの欠失のゲノムレベルでの評価において、この発明は、当技術の現状において存在する分子生物学の技法を用いた、好ましくは断片SEQ14、SEQ15、SEQ20、SEQ30、SEQ35、SEQ50、SEQ76を含む表1において記述された断片および表3において記述される断片を用いたそれらのPCRでの増幅を通した、この遺伝子に関するゲノム配列の分析および比較を含む。
本発明は、上記で記述されたDNA配列を含むベクターまたはプラスミドならびに上記で記述されたそのDNAまたはベクターまたはプラスミドを用いて形質転換された、またはトランスフェクションされた宿主細胞にも向けられている。
さらに、この発明は、前記のそのベクターまたはプラスミド、ゲノムDNA、cDNAおよび遺伝子断片を含む組成物、製品および/または配合物を提供する。上記で記述されたその組成物、製品および/または配合物、および配列は、研究、生産、分析または当技術の現状において存在する分子生物学的技法のために用いることができる。好ましくは、改変されたアスタキサンチンの産生を得るための生物の形質転換およびこの形質転換の評価に必要なプロセスにおいて用いられる。
本発明は、ベクターまたはプラスミドおよびそれらが含むDNAで形質転換された組換え生物の製造を意図し、これらの生物の培養は、前記ポリペプチドの産生またはアスタキサンチンの産生につながる条件の下で行われた。
本明細書において言及されるポリペプチドおよびそれをコードする配列は、自然にアスタキサンチンを産生する生物をそれらの生合成の能力を増進するように遺伝学的に操作する、または他の生物において生合成経路を生じさせるのに有用であり、それらの増殖の特性、培養の条件、生物学的利用能および他のものは、出芽酵母の場合のように、その色素を得るために生産的により魅力的である可能性がある。
ここにいくつかの実施例があるが、本発明に対する限定または制限を意図するものでは無い。
実施例1:X.デンドロロウスからACWP遺伝子のゲノムDNA配列を得る。
X.デンドロロウスのACWP遺伝子を単離および特性付けするため、オリゴヌクレオチドを設計してPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の技法によりcrtR遺伝子の一部を増幅した。この目的のため、我々は酵母クンニンハメラ・エキヌラタ、出芽酵母、およびロドトルラ・ミヌタの酵素CPR類の遺伝子のヌクレオチド配列をClustal Wプログラムにより比較し、保存された領域を同定し、これらに基づいて表1において記述した半縮重オリゴヌクレオチド(SEQ4〜SEQ9)を設計し、比較した配列内でのそれらの位置を図3において示す。プライマーSEQ8およびSEQ4のペアを用いて、X.デンドロロウスの野生株UCD67−385のゲノムDNAから、次の条件下でのPCRプロトコルを用いてcrtR遺伝子を増幅した:95℃で3分間の最初の変性、35サイクルの:94℃において30秒間の変性、55℃において30秒間のアニーリング、72℃において3分間の伸長。最後の伸長の後、72℃において10分間。得られた増幅産物を0.8%アガロースゲルで泳動し、それから精製し、次いで配列決定した。この技法を用いて、1649塩基対の増幅産物を得ることができた。得られた配列をBLASTXプログラムを用いて国際データベースと比較する(得られたヌクレオチド配列をアミノ酸に翻訳したものを用いてタンパク質データベースを検索する)ことにより、得られた増幅産物が他の酵母のCPR類と高い百分率の類似性を有することが分かり、カワラタケ(Trametes versicolor)BAB83588.1(一致:61%およびEの値:3×10−142)およびファネロキーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)AAG31351.1(一致:59%およびEの値:1×10−137)との一致が最大であった。
得られた配列から、それらの保存されたコーディングセグメントを分析し(BlastPプログラムを用いた)、それらに基づいてX.デンドロロウスのcrtR遺伝子に特異的な新しいプライマーを設計した(SEQ10〜SEQ13、表1)。これらのプライマーを用いてX.デンドロロウスのゲノムライブラリーにおいてクローンを見つけ、コンストラクションしてプラスミドYIp5のBamHI部位の中に入れ、これをcrtR遺伝子をコードするゲノムDNA断片を含むE.coliのDH5α株へのゲストとして用いた。これらのクローンの研究は、そのゲノムライブラリーのクローンの挿入断片のPCRによる増幅により行われた。crtR遺伝子はそれらの配列の中にBamHI部位を含み、従って用いたゲノムライブラリーから完全なcrtR遺伝子を含むクローンを得ることはできなかった。しかし、我々はその遺伝子の一部を含む2種類のクローンを得た。12820bpの挿入断片を有する一方を完全に配列決定し、それはACWP遺伝子をエキソン1のヌクレオチド番号82の塩基からその遺伝子の終わりまで含んでおり、おおよそ6500bpの挿入断片を含む他方のクローンを完全に配列決定し、それはACWP遺伝子のプロモーター領域およびエキソン1の88bpであった。制限酵素による消化およびプライマーSEQ8およびSEQ4により増幅された断片をプローブとして用いたゲノムDNAのハイブリダイゼーション試験により、crtR遺伝子は配列中にSalI部位を含まず、おおよそ4900bpのSalI断片はその遺伝子を丸ごと含むことが決定された。基本的に、この実験に関して用いられたプロトコルは次のものであった:X.デンドロロウスのUCD67−385のゲノムDNAを異なる制限酵素で消化し、0.8%アガロースゲル上で電気泳動した。次いでそのDNAを変性させ、ナイロン膜に移し、crtR遺伝子の一部に相当するDNA断片をプローブとして用いてハイブリダイゼーションを行った。膜の準備およびハイブリダイゼーションは、Sambroock et al., 2001の標準的な方法に従って行った。
この背景に基づき、我々はX.デンドロロウスのSalI DNA断片を用いておおよそ6400〜4400bpの大きさを選択して新しい部分的なゲノムライブラリーを構築し、ベクターとしてpBluescript SK+を用い、宿主として大腸菌のDH5α株を用い、この新規のゲノムライブラリーの開発は製造業者の説明書に従って行われた。この新規のゲノムライブラリーを用いて、挿入断片をプライマーSEQ13およびSEQ10のペアを用いたPCRにより増幅した。この方法で、我々は遺伝子crtR(SEQ1)を完全に含むクローンを得た。
実施例2:X.デンドロロウスからのACWP遺伝子の相補的DNAの配列の獲得。
crtR遺伝子に相補的なDNA配列を得るため、我々はX.デンドロロウスの相補的DNAのライブラリーを用い、それからプライマーSEQ13およびSEQ10のペアを用いたPCRにより配列を増幅し、それは遺伝子をコードするセグメントとハイブリダイズし、crtR遺伝子のcDNAから予想されるその増幅産物の大きさは338bpである。そのcDNAライブラリーは、Stratageneからの市販のキット“pBluescript II XR cDNA library construction kit”を用いて、宿主として大腸菌のXL10−Gold株を用いて、製造業者の説明書に従って構築した。PCR反応に用いた条件は:95℃において3分間の最初の変性、35サイクルの:94℃において30秒間の変性、55℃において30秒間のアニーリング、72℃において3分間の伸長。最後の伸長の後、72℃において10分間。得られた増幅産物を0.8%アガロースゲル上にロードし、crtR遺伝子のcDNAの増幅に関して陽性クローンの混合物を同定した。
この技法は、crtR遺伝子のcDNAの挿入断片を有するクローンを同定した。この挿入断片を配列決定し、2,241塩基対の配列(SEQ2)を得た。
得られたcDNAの配列をその遺伝子のゲノムDNAの配列と比較して、エキソンおよびイントロンの構成を決定した(図2)。
その後得られた配列をソフトウェアVector NTI Suite 10 (Informax)のパッケージを用いてアミノ酸に翻訳し(SEQ2)、正しい読み枠を決定した後、図5において表されているタンパク質の保存されたドメインを同定し、それらは出現の順に膜貫通ドメイン、FMN結合ドメイン、FAD結合ドメインおよびNAD(P)Hの結合ドメインである。膜貫通ドメインの同定はTMpredプログラム(www.ch.embnet.org/software/TMPRED_form.html)を用い、2,280のスコアが得られ、連続するドメインはInterProScan programプログラム(http://www.ebi.ac.uk/InterProScan/)により同定し、Eの値はそれぞれ2.5×10−41、1.6×10−67および7.8×10−23であった。
実施例3.crtR遺伝子によりコードされるCPRポリペプチドの、X.デンドロロウスのカロテノイド生成経路における機能的重要性の決定。
酵母X.デンドロロウスにおけるアスタキサンチンの生合成経路におけるcrtR遺伝子の重要性を示すため、野性型のX.デンドロロウスの株におけるACWP遺伝子の欠失変異体を構築し、その変異体の表現型および遺伝型を元の株と比較した。この目的のため、それを形質転換ベクターの中に挿入し、crtR遺伝子を含むDNA断片をハイグロマイシンB抗生物質に対する耐性モジュールに置き換えるようなコンストラクションを行った。このモジュールは、TEF遺伝子(翻訳伸長因子EF−1αをコードする)のプロモーターの制御下のハイグロマイシンBに対する抗生物質耐性遺伝子(hph)およびX.デンドロロウスのGPD遺伝子のターミネーター領域で構成されている。
図6は作製したコンストラクトの詳細を示し、基本的には、X.デンドロロウスのDNA断片(SEQ1のヌクレオチド4531〜9902を含むセグメント)を有するCPR1.3ベクターを制限酵素BsiWIまたはNdeIにより消化してcrtR遺伝子中に欠失を生じさせた。得られた断片(crtRの欠失を含む)の末端をKlenowポリメラーゼで埋めて、その末端がブラントであるハイグロマイシン耐性のモジュールのライゲーションを可能にした。このようにして、2種類のクローン:CPR1.3ΔBsiWI+hygおよびCPR1.3ΔNdeI+hygが得られた。このコンストラクトの、用いた野生株のゲノム中への挿入は、下記で詳しく述べる相同組換えの技法により行われた。これらのベクターを用いてX.デンドロロウスの野生株:UCD67−385およびCBS6938を形質転換した。
UCD67−385株を、crtR遺伝子の欠失およびハイグロマイシンに対する耐性のモジュールを含む線状DNA断片を用いて形質転換した。この断片は、クローンCPR1.3ΔBsiWI+hygのエンドヌクレアーゼSmaIおよびSpeIによる消化から得られた。二重の相同組換えの事象により、UCD67−385株のACWP遺伝子の対立遺伝子が欠失部分により置き換えられ、その結果T13株が得られた。
CBS6938株を、crtR遺伝子の欠失およびハイグロマイシンに対する耐性のモジュールを含むクローンCPR1.3ΔNdeI+hyg(環状DNA)を用いて形質転換した。相同組換えの事象により、野生型のcrtR遺伝子が変異した遺伝子と置き換えられ、CBSTr株をもたらした。
両方の野生型株の形質転換は電気穿孔法により、Adrio et al. (1995)およびKim et al. (1998)により記述されたプロトコルに従って行った。手短に書くと、市販のYM培地(1%グルコース、0.3%酵母抽出物、0.3%麦芽抽出物、および0.5%バクトペプトン)200mlに、48時間増殖させたX.デンドロロウスの培養物1〜2mlを接種し、22℃において一定の攪拌の下でOD550nm1.2まで培養した。細胞を集めて25mlのBD緩衝液(50mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.0、25mMジチオスレイトール[DTT])中で再懸濁し、22℃で15分間保温した。細胞を25mlの冷えたSTM緩衝液(270mMスクロース、10mM Tris−HCl、pH7.5、1mM MgCl2)で2回洗浄し、1mlのSTM緩衝液中で再懸濁した。形質転換のため、60μlのエレクトロコンピテントセルを5μl体積中の形質転換するDNA10〜20μgと混合した。電気穿孔法の条件は:125mF、600Ω、0.45kVであり、次いで細胞を1mlの液体YM培地中で再懸濁し、22℃で5時間保温した。最後に、細胞を10ug/mlのハイグロマイシンBを補ったYM培地および2%寒天のプレートにおいて増殖させた。この選択法を用いて、ハイグロマイシン耐性遺伝子を有する挿入断片を有するクローンを同定した。
抗生物質での1次選択で得られたクローンの内で、野生株のそれぞれの形質転換体の2種類のクローンを選んだ。CBS6938株の形質転換の後、黄色い株(CBSTr)が得られ、その色はそれがベータカロテンを蓄積しており、アスタキサンチンを合成できないことを示している。UCD67−385株の形質転換により、色が薄い形質転換体(T13)が得られ、それもアスタキサンチンの合成の経路が影響を受けていることを示している(表現型の証拠を図8において示す)。An et al. (1989)の方法に基づく次のプロトコルで、2種類の野生株および2種類の形質転換株から全色素を抽出してその組成をHPLCにより分析した(図9):5〜20mlの培養液からの細胞のペレットに、1〜3mlのアセトンおよび1体積のガラスビーズを添加し、次いでそれをボルテックスの最大速度で1分間攪拌した。有機相を4℃における12,100×gでの遠心分離により回収した。全色素を石油のエーテルで抽出し、次いで窒素ガスで乾燥させ、アセトン中で溶解し、逆相カラムRP−18 LiChroCART 125−4 (Merck)での、アセトニトリル:メタノール:イソプロパノール(85:10:5 v/v)を移動相として用いる、流速1ml/分での、室温における、均一溶媒条件下でのHPLCにより分離した。それぞれの溶離のピークのスペクトルを、ダイオードアレイ検出器により回収した。カロテノイド類をその吸収スペクトル、保持時間および特定の標準との比較に従って同定した。形質転換株におけるカロテノイド類の組成は、それらが由来する野生株と完全に異なっていたことを特筆する。形質転換体CBSTrは、それが由来する、アスタキサンチンおよび最小量のベータカロテンを産生する野生株(CBS6938)とは異なり、ベータカロテンを蓄積し、アスタキサンチンを合成することができない。T13形質転換体では、それが由来する、高い量のアスタキサンチンおよび最小量のベータカロテンを産生する野生株(UCD67−385)とは異なり、ベータカロテンの産生の増大を犠牲にしてそれらのアスタキサンチンの産生がおおよそ75%減少していた(図9)。
上記の株のゲノムレベルでの形質転換を確認するため、我々はそれらの挿入断片により影響を受けた遺伝子座をPCRにより、鋳型として形質転換体および野生株からのゲノムDNAを用いて調べた。形質転換株T13の分析に関して、次のプライマーのペア:gdp rev + SEQ50、SEQ14 + Pef fwd、SEQ14 + SEQ50を用いてPCR反応を行い、鋳型として野生株UCD67−385、形質転換株T13および陰性対照として蒸留水を用いた。形質転換株CBSTrの分析に関して、次のプライマーのペア:Pef fwd + SEQ35、gpd rev + SEQ30を用いてPCR反応を行い、鋳型として野生株CBS6938、形質転換株CBSTrおよび陰性対照として蒸留水を用い、また、プライマーペア:SEQ75 + hygSecR、HF + SEQ35、HygSecF + M13F、M13R + SEQ15、SEQ20 + SEQ50およびSEQ30 + SEQ50も用い、鋳型として形質転換株CBSTrを用いた。これらのプライマーのいくつかはACWPの配列とハイブリダイズせず、それらの配列を表2において詳細に述べ、それらの相対的な位置を図7において示す。PCR反応は次のプロトコルに従って行った:95℃において3分間の最初の変性、35サイクルの:94℃において30秒間の変性、55℃において30秒間のアニーリング、72℃において3分間の伸長。最後の伸長の後、72℃において10分間、およびそれを0.8%アガロースゲル上にロードした。得られた結果を図10において示し、予想される増幅産物の大きさおよび得られた増幅産物の大きさの間の比較を表3において示す。
表2:形質転換株のゲノムの分析において用いた、ACWPの配列に相補的で無いプライマー
Figure 2011522547
表3:形質転換体T13およびCBSTrの分析における、予想される増幅産物および得られた増幅産物の大きさ
A.形質転換体T13に関する結果
Figure 2011522547
B.形質転換体CBSTrに関する結果
Figure 2011522547
形質転換株から得られた増幅産物の大きさは、予想された結果と合っている(表3)。この分析をDNA−DNAハイブリダイゼーションにより確認した。ハイブリダイゼーション実験は、野生株(UCD67−385およびCBS6938)および形質転換株(T13およびCBSTr)からのゲノムDNAを異なる制限エンドヌクレアーゼで消化することにより行った。消化産物を0.8%アガロースゲル上で泳動し、次いでハイブリダイゼーションのために変性させてナイロン膜に移した。その膜を次の2種類のプローブで別々にハイブリダイゼーションした:1)プライマーSEQ4およびSEQ8で増幅させたcrtR遺伝子の遺伝子プローブ、2)ハイグロマイシン遺伝子のプローブ。膜の用意およびハイブリダイゼーションは、Sambroock et al., 2001の標準的な方法に従って行った。
得られた結果は、T13形質転換体はcrtR遺伝子に関してヘテロ接合性であってそこには野生型および別の変異型の対立遺伝子があり、遺伝子量効果のため、この形質転換体はその親の野生型よりも少ないアスタキサンチンを産生し、より多くベータカロテンを蓄積することを示しており、これらの結果により、ハイグロマイシンB耐性を有するcrtR遺伝子の欠失部分の挿入は図7の図解に相当することが示される。CBSTr形質転換体の場合、1コピーのcrtR遺伝子が変異しており、従ってそれはアスタキサンチンを産生することができず、ベータカロテンを蓄積する。この結果は、CBS6938株は少なくともcrtR遺伝子に関しては一倍体であることを示している。全ての増幅産物は完全に配列決定され、それらの分析はそれらの由来を確認した。
参考文献:
Figure 2011522547
Figure 2011522547
Figure 2011522547
Figure 2011522547

Claims (20)

  1. X.デンドロロウスから単離されたDNA配列であって、それがベータカロテンをアスタキサンチンに変換する酵素アスタキサンチンシンターゼにより触媒される反応における電子供与体の役目を果たす、シトクロムP450レダクターゼ活性を有する酵素をコードしていることを特徴とするDNA配列。
  2. 請求項1に記載の単離されたDNA配列であって、それが以下:
    a)SEQ1により表される配列、または
    b)ヌクレオチド配列であって、その遺伝子コードが縮重しているため、a)において記述されたヌクレオチド配列によりコードされるものと同じアミノ酸配列を有するシトクロムP450レダクターゼをコードするヌクレオチド配列、あるいは
    c)a)および/またはb)において記述されたヌクレオチド配列の相補鎖に標準的なストリンジェントな条件の下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;
    に相当することを特徴とする、単離されたDNA配列。
  3. 請求項1に記載の単離されたDNA配列であって、それが以下:
    a)SEQ2により表されるヌクレオチド配列、または
    b)ヌクレオチド配列であって、その遺伝子コードが縮重しているため、a)において記述されたヌクレオチド配列によりコードされるものと同じアミノ酸配列を有するシトクロムP450レダクターゼをコードするヌクレオチド配列、または
    c)a)および/またはb)において記述されたヌクレオチド配列の相補鎖に標準的なストリンジェントな条件の下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;
    に相当することを特徴とする、単離されたDNA配列。
  4. アミノ酸の配列であって、それがシトクロムP450レダクターゼ活性を有し、請求項2および3に記載のヌクレオチド配列によりコードされ、ここでその配列が好ましくはX.デンドロロウスのものであるSEQ3を有することを特徴とする、アミノ酸の配列。
  5. 請求項4に記載の単離されたポリペプチドであって、それが以下:
    a)SEQ3により表されるアミノ酸配列、または
    b)アミノ酸の1個以上の変化を有し、記述されたシトクロムP450レダクターゼの活性を維持している、SEQ3に類似のポリペプチド、あるいは
    c)化学合成または生合成により合成される、a)および/またはb)において記述されたポリペプチド;
    を有することを特徴とする、単離されたポリペプチド。
  6. オリゴヌクレオチドであって、それがSEQ4〜SEQ106で構成されるグループから選択され、それが請求項1〜3に相当する配列とハイブリダイズすることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
  7. 請求項6に記載の単離されたオリゴヌクレオチドであって、それがPCRまたは他の分子生物学の技法によりDNA配列を増幅するのに役立つことを特徴とする、単離されたオリゴヌクレオチド。
  8. ベクターまたはプラスミドであって、それが請求項1〜3に記載のDNAセグメントを含むことを特徴とする、ベクターまたはプラスミド。
  9. 宿主生物であって、それが請求項1〜3に記載の単離されたDNAにより形質転換またはトランスフェクションされている、宿主生物。
  10. 宿主生物であって、それが請求項8に記載のベクターまたはプラスミドにより形質転換またはトランスフェクションされている、宿主生物。
  11. シトクロムP450レダクターゼ活性を有するポリペプチドを生成するためのプロセスであって、それが請求項9または10のいずれかにおいて記述されたように形質転換され、この酵素の産生の助けになる条件の下で増殖させた宿主生物を培養することを含むことを特徴とするプロセス。
  12. アスタキサンチンの生物学的生産のためのプロセスであって、それが請求項1〜3において詳細に記述された1種類以上の単離されたDNAを適切な宿主生物へ導入し、アスタキサンチンの産生の助けになる条件の下で増殖させ、その培養物からアスタキサンチンを回収することを含むことを特徴とするプロセス。
  13. ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のためのプロセスであって、それが適切な再構成された膜を含む適切な反応混合物中でのアスタキサンチンシンターゼにより触媒される反応のために、それぞれ請求項4または5に記載のアミノ酸配列または単離されたポリペプチドからの電子の供与を提供することを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のためのプロセス。
  14. 請求項13に記載のベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のプロセスであって、前記のアミノ酸配列または前記の単離されたポリペプチドが、ミクロソームまたはミトコンドリア膜のような生物学的な膜から調製された再構成された膜の形で存在することを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のプロセス。
  15. 請求項13に記載のベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のプロセスであって、前記のアミノ酸配列または前記の単離されたポリペプチドが、リポソームのような再構成された人工的な膜の形で存在することを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のプロセス。
  16. ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物であって、それが請求項1〜3に記載のX.デンドロロウスから単離されたDNA配列を含むことを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物。
  17. ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物であって、それがそれぞれ請求項4または5に記載のアミノ酸配列または単離されたポリペプチドを含むことを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物。
  18. ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物であって、それが請求項6〜7に記載のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物。
  19. ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物であって、それが請求項8に記載のベクターを含むことを特徴とする、ベータカロテンからのアスタキサンチンの製造のための組成物。
  20. 請求項16〜20に記載の組成物の使用であって、それがベータカロテンから始まるアスタキサンチンの製造に有用であることを特徴とする使用。
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