JP2011520441A - Dna鎖を合成する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、伸長ステップにおいて、第1伸長温度と第2伸長温度の間で温度を変動させる、CGリッチな反復配列を含むDNAの構造非依存型増幅のためのプライマー伸長反応法、例えばPCR法などを提供する。本発明はまた、障害を診断する方法も提供する。本発明はまた、本発明の方法を実施するようにプログラムされたサーマルサイクラーも提供する。

Description

本発明はプライマー伸長反応法に関する。特に、本発明は、シトシン及びグアノシン・ヌクレオチドの含有率が高い反復配列を持ち、堅固な二次構造を形成する増幅困難なDNAの構造に依存しない増幅を可能にするプライマー伸長反応法、例えばポリメラーゼ連鎖反応法などに関する。本発明はまた、ポリメラーゼ連鎖反応によって、障害、例えば、筋強直性ジストロフィー1型や、脆弱X症候群や、EPM1などを診断する方法にも関する。本発明はまた、本発明の方法を実施するようにプログラムされたサーマルサイクラーにも関する。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、元の鋳型DNAのセグメントの複数のコピーを製造するために20年あまりにわたって使用されてきており、そして、日々、新しい応用と変更が出てきている。
例えば、US 4 683 202は、PCR法を開示している最先の特許文献の1つである。それには、核酸、又は各核酸が長さの等しい若しくは異なる2本の別々の相補鎖から成るような核酸混合物の中に含まれる少なくとも1つの特定の核酸配列を増幅する方法が説明されており、その方法は、以下のステップ:(a)それぞれ異なる配列を合成するために、それぞれの核酸鎖に相補的であるそれぞれのプライマーの伸長産物が増幅されるような条件下、それぞれ異なる特定の配列を増幅するために2つのオリゴヌクレオチド・プライマーで鎖を処理し、ここで、上述のプライマーは、(一方のプライマーから合成された伸長産物が、その相補鎖から切り離されると、もう一方のプライマーの伸長産物の合成のための鋳型としての役割を果たすことができるように)そこにハイブリダイズできるくらいそれぞれの特定の配列の異なる鎖に対して相補的であるように選択され;(b)それらが合成された鋳型からプライマー伸長産物を切り離して、一本鎖分子を作り;そして(c)鋳型としてステップ(b)で作られたそれぞれの一本鎖を使用してプライマー伸長産物が合成される条件下、ステップ(a)のプライマーで、ステップ(b)から作り出された一本鎖分子を処理する、を含んでなる。それ以来、この方法は、例えばUS 4 800 159及びUS 4 965 188に記載のとおりさらに発達したが、基本原理は当業者に周知である。
PCR法を実施するためのサーマルサイクラーもまた、当該技術分野で周知である。例えば、US 5 038 852では、反応混合物を保持するための熱伝導コンテナ、(利用者が定めた)複数の所定の温度に、若しくはそのいずれかにて上述のコンテナを加熱、冷却、及び維持する手段であり、且つ、上述のコンテナをそこまで加熱、冷却、又はそこに維持する上述の所定の温度を制御する制御信号を受信する入力装置を持つ手段;並びに温度レベル、温度の変化速度のランプ、及び特定の温度レベルでのインキュベーションのタイミングを制御するために適切な制御信号を発生するように上述の加熱及び冷却手段の入力装置と組み合わせたコンピューター手段、を含んでなる基本的なPCRデバイスを開示している。
PCR法はあらゆる適用のために存在しているように見えるが、特定の鋳型のPCRは対処できないままで依然として残っている。プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼがlong−PCR増幅を改善できることがわかるまで、長い断片の増幅は難しかった(Barnes, W.M. 1994,「PCR amplification of up to 35-kb DNA with high fidelity and high yield from lambda bacteriophage templates」, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, vol. 91, no. 6, pp. 2216-2220;Mukai, H. & Nakagawa, T, 1996,「Long and accurate PCR (LA PCR)」, Nippon rinsho. Japanese Journal of Clinical Medicine, vol. 54, no. 4, pp. 917-92)。しかしながら、これらの酵素の増幅効率は、標準的な非プルーフリーディング・ポリメラーゼと比較して比較的低い。このような理由で、数社が、長くて困難な断片の増幅のために設計した、プルーフリーディングの、より進歩した伝統的なDNAポリメラーゼの混合物を市場に投入した。
PCR増幅を実施する人々が依然として頻繁に直面している問題の1つは、どのように堅固な二次構造を形成している反復塩基配列を含むCGリッチなDNAに渡って増幅するかということである。そのような構造の例としては、CG、CTG、及びGCC反復が挙げられる。そのような構造が形成された場合には、DNAポリメラーゼが二本鎖の二次構造にぶつかることが予想されるので、部分的な伸長しかおこらないことが想定される。これが不完全な伸長と低い全体的な増幅効率という結果を招く。不完全な伸長はまた、別の一般的に知られている現象にも関連する。その反復領域で終止すれば、部分的に伸長した新しいDNA鎖は3’末端に反復配列の範囲を持つことになる。それが次の変性ステップにおいて放出され、そして、その3’末端は正しい位置でも間違った位置でも反復のあらゆる部分にアニーリングできるので、次の伸長ステップでは、それが伸長されるであろう。この誤整列と、実験条件、例えばDNAポリメラーゼ又は鋳型DNA濃度などに関連する多くのその他の理由のため、最終的に断片は長さが異なり、それはアガロースゲル上で独特なスメアとして見られる。
疾患を引き起こす反復の不安定性は、40を超える神経系疾患、神経変性疾患、及び神経筋疾患に関係している突然変異の重要、且つ、独特な形態である。これらの反復は、複数の(多くの場合、数十個又は数百個の)短い(通常10ヌクレオチド長未満の)反復単位のコピーから成る。DNA反復拡大突然変異(DNA repeat expansion mutations)は、動的なものであり、且つ、組織内で世代を超えて起こっている。遺伝性の組織特異的な不安定性のパターンは、遺伝子に特異的なシス・エレメントとトランス作動性DNA代謝タンパク質の両方によって判断される。反復の不安定性は、DNAの複製、修復、及び組み換え中の異常なDNA構造の形成に恐らく関与している。反復の不安定性の機構について説明することに貢献した実験的な進歩は、この突然変異過程に対する我々の理解を広げた。それらは、代謝経路を駆動できる又は反復の不安定性から保護できる驚くべき方法を明らかにした。
多数の一般的な遺伝病はCGリッチな反復配列の拡大によって引き起こされる(Mirkin, S.M. 2007,「Expandable DNA repeats and human disease」, Nature, vol. 447, no. 21, pp. 932-940;Mirkin, S.M. 2006,「DNA structures, repeat expansions and human hereditary disorders」, Current Opinion in Structural Biology, vol. 16, no. 3, pp. 351-358)。これら伸長したCGリッチな反復において形成された二次構造が、主要な疾患機構であると考えられた。
CGリッチな断片の高い融解温度に起因する二次構造、そして一本鎖状態のままで残ることの難しさが、プライマー伸長中にDNAポリメラーゼが伸長することを妨げる主な障害である。これが、効率の悪いプライマー伸長と低い増幅効率という結果を招く。
二次構造は、それらの最小構造エネルギー状態を求めた自己相補DNA鎖の結果として多くの場合形成される。二次構造をエネルギー状態最小とみなすことができれば、当業者は、一定の条件において、エネルギー最小は増幅産物のあらゆる分子について同じなので、その分子が最終的に同様の二次構造になると予想するであろう。
しかしながら、長くて反復性の断片では、過程がより複雑なので、ただ一つの末端構造はあまりありそうにないが、非常に類似した最小エネルギー状態を有するかなり多くの構造が見つけられる。
反復拡大の長さの診断的解析を、多くの方法で行うことができる。予想される反復拡大が比較的短いのであれば、これらの反復に渡る伸長が可能である。これらの反復配列の増幅し、その後に断片化をすることは、診断検査施設の日常的な手法である。しかしながら、疾患の多くでは、現在のPCR法には反復拡大が長過ぎるか、及び/又はCGリッチでありすぎる。
優性遺伝病を引き起こすか、又は劣性遺伝病の非罹患保因者に見られる拡大したCGリッチな反復の1つのコピーの確実な識別は、拡大していない短い反復対立遺伝子の1つのコピーの存在のために特に難しい。準最適なPCR条件では、この短い野性型対立遺伝子は非常に高い増幅効率を有し、そしてそれは増幅反応を占有することが多く、拡大対立遺伝子の増幅低下、及び診断誤差を結果的にもたらす。長いCGリッチなセグメントにわたって確実に増幅できないことが、診断検査施設に他の技術、例えばサザンブロッティングを使用して、これらの反復拡大を分析することを余儀なくしている。
GCリッチな領域を増幅するという問題を克服するために、ある方法が開発された。種々の添加物(DMSO、グリセロール、及びベタインを含めた共溶媒)が、CGリッチなセグメントの高い融解温度を下げるために使用された(Henke, W., Herdel, K., Jung, K., Schnorr, D. & Loening, S.A. 1997,「Betaine improves the PCR amplification of GC-rich DMA sequences」, Nucleic acids research, vol. 25, no. 19, pp. 3957-3958;Hube, R, Reverdiau, P., lochmann, S. & Gruel, Y. 2005,「Improved PCR method for amplification of GC-rich DNA sequences」, Molecular biotechnology, vol. 31, no. 1, pp. 81-84)。
いくつかの方法で、dGTPの類似体が使用される。例えば、US 5 091 310では、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの構造非依存型増幅の方法が開示されており、上述の方法は、以下のステップ:(a)ハイブリダイジング条件下、DNAを、1組のオリゴヌクレオチド・プライマー、DNAポリメラーゼ、dATP、dCTP、TTP、及びc7dGTPで(それぞれのオリゴヌクレオチド・プライマーの伸長産物が形成されるように、すなわち上記DNAに相補的であるように)処理し、ここで、上述のプライマー対の第1プライマー伸長産物は、その鋳型から切り離されると、上述の対の第2プライマー伸長産物の合成のための鋳型としての役割を果たし;(b)伸長産物が合成された鋳型から伸長産物を切り離し;そして(c)ステップ(b)で作られた伸長産物上でステップ(a)と(b)を繰り返す、を含んでなる。これらの添加物にもかかわらず、長く反復性の、及び/又はCGリッチな断片は「PCR不可能な(un-PCRable)」ままであることが多い。
US 6 355 422 B1では、2つの異なる一定の伸長温度が使用される方法が開示されている(Liu, Q. & Sommer, S.S. 1998,「Subcycling-PCR for multiplex long-distance amplification of regions with high and low GC content: application to the inversion hotspot in the factor VIII gene」, BioTechniques, vol. 25, no. 6, pp. 1022-1028)。著者は、GCリッチ及びCGプアなセグメントを示す長い複製の増幅のためのPCR法を説明している。セグメントには低いGC含量を有する領域があったので、彼らは、より一般的な65℃と一緒に60℃の低い伸長温度を使用した。1つの伸長ステップに、両方の温度による2つの2分のセッションが含まれた。
ヒト・ゲノムが配列決定されているが、大規模配列決定プロジェクトは、CGリッチな反復性セグメントを含む領域にわたる効率の悪い増幅に頻繁に苦しめられている。より高いCG含量を有するヒト以外の種からのゲノムを研究する場合、この問題はより一層顕著になる。この問題を克服するPCR法が必要である。そのようなPCR法は、例えば、先に記載の疾患などのそういった配列に関連する疾患及び障害の診断にも有益であろう。CGリッチな配列にわたる効果的なプライマー伸長はまた、CGリッチな配列にわたる確実なDNA配列決定も可能にするであろう。
本発明は、一定の変性、プライマー・アニーリング、及びプライマー伸長温度(2ステップPCRでは最後の2つのステップを組み合わせることができる)を使用した古典的なPCR増幅から、CGリッチな反復配列にわたる増幅効率を著しく改善したよりダイナミックな過程へとPCR反応を転換する驚くべき発見に基づいている。
慣習的に使用される温度よりもはるかに高いプライマー伸長温度への遅くて、段階的な上昇が、非常にCGリッチな反復にわたる伸長を結果的にもたらした。しかしながら、これは、二次構造を形成する長い自己相補的でCGリッチな反復にわたる効率的な増幅を可能にするには十分でなかった。
DNA鎖が決まった二次構造に落ち着くことを許すのではなく、むしろパルス様式で伸長温度を継続的に変えることによって移行状態を維持すれば、長いCGリッチな反復をわたる伸長が達成できるように考えられる。温度変化が、二次構造を連続的に変化させるので、最も堅固な二次構造であっても最終的に、そして少なくとも一時的に、開いて、DNAポリメラーゼがさらにステップを延長することを可能にするであろう。適切な実験条件では、たとえ二次構造が開かれても、新たに合成された伸長DNA鎖は鋳型鎖に対してその位置を維持する。パルセイションはまた、至適温度にて伸長を実施する顕著により長い時間、そして完全な伸長の増加に至る可能性もDNAポリメラーゼに与える。
Heat Push PCRとも呼ばれる本発明の方法を開発する本来の理由は、CGリッチな反復配列の伸長によって引き起こされる遺伝病の分析のための新規な方法の必要性が発端であった。
PCR増幅にとっての最大の難題の1つが、進行性ミオクローヌスてんかん1型、別名EPM1障害の診断検査である。フィンランド人の患者で見つかった主な突然変異は、シスタチンB(CSTB)遺伝子の5’非翻訳領域内の十二塩基反復(CCCCGCCCCGCG)の拡大である。正常な対立遺伝子は2又は3コピーの十二塩基反復を通常含んでいるのに対して、拡大突然変異対立遺伝子では30〜80コピーを含むことが報告された。この拡大はプロモーター機能を害するので、ホモ接合の個体ではCSTB発現の欠損と重度の疾病表現型を結果的にもたらす。EPM1は劣性遺伝される;よって、罹患者は2つの拡大対立遺伝子を持つのに対して、非罹患突然変異保因者は1つの拡大対立遺伝子しか持たない。EPM1の十二塩基反復は、対称的なものでも自己相補的なものでもなく、対称的な反復と同じように堅固な二次構造を作らないであろうことを示唆している。よって、EPM1拡大にわたるPCR増幅における問題は、堅固な二次構造よりも、非常に高いCG含有率(約1kbでC又はGヌクレオチドのみ)と関連する可能性がある。
筋強直性ジストロフィー1型(DM1)は、筋強直性ジストロフィー・プロテインキナーゼ(DMPK)遺伝子のプロモーター領域におけるCTG反復拡大によって引き起こされる遺伝病である。優性遺伝性の反復拡大疾患のように、対立遺伝子の一方だけが拡大される。非罹患個体が5〜34反復単位を保有しているのに対して、罹患患者は50超、時には2000を上回る反復単位を示す。DM1の先天的な形態では、均一なサイズの大きい反復拡大が通常見られる。その拡大は、サザンブロッティング・アッセイで容易に検出される。その一方で、DM1の成人型の診断は、拡大した反復の細胞間の長さの高度な可変性によって複雑になることもある。個々の長さの可変性が大きければ、単一バンドの代わりに、スメア及び/又は複数のバンドがサザンブロッティングで見られ、アッセイのSN比を大幅に減少させる。
脆弱X症候群(FRAXA)は、X染色体脆弱部位精神遅滞1(FMR1)遺伝子の5’非翻訳領域におけるCGG反復の拡大によって引き起こされる。50〜200の反復長は前突然変異であるとみなされ、200反復単位を超える長さの拡大は完全突然変異であるとみなされる。
予測される、わずかに拡大した対立遺伝子の次世代における更なる拡大は、反復拡大によって引き起こされる遺伝病の共通の問題である。これで、わずかに拡大した対立遺伝子を有する無症候性保因者を特定することもまた重要になる(Pearson CE, Nichol EK, Cleary JD: Repeat instability: mechanisms of dynamic mutations. Nat Rev Genet, 2005 Oct; 6(10):729-42)。
細胞モザイクと同様に、反復長の組織不均一性が拡大対立遺伝子の検出を著しく妨げている。サンプル中の細胞のうちの一部だけが大きな拡大を保有していることもあるので、それらの場合には、従来の方法が使用されたときに、短い野性型対立遺伝子の増幅が拡大断片が増幅されるのを完全に妨げることもある。
以下の理由のため、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)が、本発明の方法の初期モデル系として選ばれた:
− 優性遺伝病であり、罹患患者が1つの非拡大対立遺伝子と1つの拡大対立遺伝子を持つ。
− CTG反復拡大が1000反復単位を超える長さになることがあり、そしてサンプル中において一部が複数の可変の拡大断片を持つことがある。
− 長い反復拡大にわたる効率的な増幅のためのPCRプロトコールが存在しない。
− サザンブロッティング分析が、元のサンプルの反復拡大の長さとその可変性の直接評価を可能にした。よって、増幅効率を、拡大対立遺伝子と非拡大対立遺伝子の間で評価するだけではなく、サイズがわずかに異なる複数の拡大断片の間でも評価することができた。
本発明の方法の堅牢性を実証するために、別の、臨床的に非常に重要な遺伝病である脆弱X症候群が選ばれた。CGG反復は、強固な二次が構造を形成するので、増幅するのが最も難しい断片の1つであると考えられる。
本発明は、DNAの構造非依存型増幅のための、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法などのプライマー伸長反応法であって、以下のステップ:サンプルDNA、プライマー、熱安定性DNAポリメラーゼなどの元の核酸鎖に相補的な核酸鎖を合成することができる1つ若しくは複数の酵素、dNTPsの混合物、及びバッファーを含む反応混合物を準備し、変性ステップにおいてDNAを変性させ、アニーリング・ステップにおいてプライマーをアニーリングさせ、伸長ステップにおいてアニーリングしたプライマーを伸長させる、を含んでなり、ここで、上記伸長ステップにおいて、複数サイクルにわたって、最初に、温度をアニーリング温度から70〜90℃の範囲内のより低い第1伸長温度に上げ、その後75〜95℃の範囲内のより高い第2伸長温度まで変動させ、そして第1伸長温度まで戻して、伸長ができるようにDNAの二次構造を不安定化させる上記方法を提供する。伸長温度におけるこの上下のパルス状の変化は、2つ以上の温度間の反復循環を使用して実施できる。1つの実施形態において、上記ステップが、増幅DNAを得るために複数サイクルにわたり反復される。本発明はまた、本発明の方法を実施するようにプログラムされたサーマルサイクラーを提供する。好ましくは、上述のサーマルサイクラーには、例えば100以上の多量のパルスを実施するようにプログラムできる。
本発明は、本発明の方法を実施するように作動する、記憶されたコンピューター実行可能プログラムコードを備えたコンピューター読み取り可能データ記憶媒体をさらに提供する。
本発明はまた、二次構造を形成する反復配列を含むDNAに関連する疾患又は障害を診断する方法も提供し、ここで、本発明のプライマー伸長法は、診断目的で上述のDNAを増幅するのに使用される。本発明はまた、進行性ミオクローヌスてんかん1型(EPM1)を診断する方法を提供し、ここで、本発明の方法をEPM1特異的にDNAを増幅するのに使用して、上述のDNA内の反復単位数の分析で診断することを可能にする。
本発明はまた、脆弱X症候群を診断する方法を提供し、ここで、本発明の方法を脆弱X症候群に特異的なDNAを増幅するのに使用して、上述のDNA内の反復単位数の分析で診断することを可能にする。
本発明はまた、筋強直性ジストロフィー1型を診断する方法を提供し、ここで、本発明の方法は、筋強直性ジストロフィー1型に特異的なDNAを増幅するのに使用して、上述のDNA内の反復単位数の分析で診断することを可能にする。
本発明の方法は、反復性のCGリッチなセグメントの長さに関係なく断片を増幅するのに効率的な改良された増幅を示し、長くてCGリッチな反復配列の均衡のとれた、効果的な増幅におけるその有用性を実証した。
高い融解温度、及び/又は問題の多い二次構造を持つDNA配列をすぐに効率的に増幅できることが本発明の利点である。これは、以前は増幅するのが不可能であるか、又は非常に難しかった特定のDNA配列を増幅することが可能にするであろう。これは、PCR法を利用した高性能な診断法をさらに可能にし、それによって以前は診断又は認識するのが難しかった特定の疾患及び障害を診断することもまた可能にする。
EPM1サンプルのシングル・ヒーティング・ステップPCR分析からの結果であるアガロースゲルを示す。−=野性型、+=拡大十二塩基反復。 DM1サンプルのシングル・ヒーティング・ステップPCR分析からの結果であるアガロースゲルを示す。サザンブロッティング分析で検出された(CTG)反復単位の数がX軸に示されている。ひどいスメア化が見られる。 DM1サンプルからのサザンブロッティングの結果(左側)を示す。DM1の成人型を患っている(しかし先天型を患っていない)患者からの非増幅サンプルDNAは、わずかに異なるCTG拡大長を有する複数の断片を含んでいた。これらの断片はヒート‐プッシュ法を使用して増幅され、アガロースゲル(右側)上に非常に類似した特性を結果的にもたらした。WT=野性型、C=先天型DM1、A=成人型DM1。スメア化はごくわずかである。 シングル・ヒーティング・ステップPCR法と本発明の方法の同時比較からの結果であるアガロースゲルを示す。DM1サンプルの分析。〜nは(CTG)反復単位の数を指す、C=先天型DM1、A=成人型DM1。それぞれの異なるサンプルについて、最初の列がシングル・ヒーティング・ステップ(SH)の結果に相当し、2番目の列がヒート‐プッシュ(HP)の結果に相当する。スメア化は、ヒート‐プッシュPCR法で増幅したサンプルではごくわずかである。 DM1ヒート‐プッシュ法を使用して増幅したDNAサンプルからの結果であるアガロースゲルを示す。X軸上の枠で囲んだ数字は、サザンブロッティングによって検出された反復サイズを使用して計算したPCR産物の予想サイズを示す。 希釈系列実験からの結果であるアガロースゲルを示す。大きなDM1 CTG反復拡大を持つDNAサンプルの希釈物は、DM1ヒート‐プッシュ法を使用して増幅された。過剰の鋳型DNAは、拡大対立遺伝子が増幅するのを妨げる。 様々な脆弱X(CGG)反復単位数を有する男性からのサンプルDNAのヒート‐プッシュ(HP)増幅からの結果であるアガロースゲルを示す。Aq=ブランク、−=野性型、+=拡大(CGG)反復。 男性(拡大した反復)及び女性(複数の拡大した反復と1つの拡大していない反復)からの脆弱X(CGG)サンプルDNAのヒート‐プッシュ(HP)増幅からの結果であるアガロースゲルを示す。 本発明のヒート‐プッシュ法の例である概略図を示す。最初の変性と最後の伸長ステップは示されていない。最初に、変性ステップにおいて、温度を変性温度まで、例えば、最初に45秒間で約95℃まで、その後、10秒間で約98℃までといったように上げる。そして、アニーリング・ステップで、温度を45秒間で約68℃まで下げる。その後に、本発明の独特の伸長ステップを始める。伸長温度は、複数回にわたって、第1伸長温度(ここでは約78℃)と第2の伸長温度(ここでは約83℃)の間で変動させる。全サイクルが数回繰り返される。 本発明のシングル・ヒーティング・ステップPCR法の例である概略図を示す。最初の変性と最後の伸長ステップは示されていない。最初に、変性ステップにおいて、温度を変性温度まで、例えば45秒間で約96℃までといったように上げる。そして、アニーリング・ステップで、温度を45秒間で約69℃まで下げる。その後に、本発明の独特の伸長ステップを始める。伸長温度を、最初と最後の伸長温度(ここでは約79℃)まで非常にゆっくりと上げる。全サイクルが数回繰り返される。
定義
用語「CGリッチな反復」は、そのうちの60%超がC又はGのいずれかである短い反復単位(一般的に<20ヌクレオチドの長さ)を含んでなるゲノムのセグメントを指す。この反復単位は、連続して3回超、しばしば何十回又は何百回も一般的に複製される。
用語「拡大した反復」は、反復単位が連続して3回超、しばしば何十回又は数百回も複製されることを意味する。罹患者における反復数は、一般集団に見られるよりも高い。それは、前突然変異又は完全変異であることができる。
用語「ヒート‐プッシュ(Heat-Push)」は、第1伸長温度と第2伸長温度の間で温度を複数回変動させることを意味する。加熱速度と冷却速度は異なっていてもよく、そして、第1伸長温度と第2伸長温度の間には追加の温度転換点があってもよい。第1伸長温度と第2伸長温度の間のこの温度変動は、PCRサイクル中に複数回、一般的に3回超、例えば20〜40回、最高で数百回、繰り返される。標的と実験条件によって、当業者は、より遅い加熱速度のより少ないパルス数か、又はより多数のより速いパルスの使用を最適化しなければならない。
用語「温度」は、サーモサイクラー・ソフトウェアにプログラムされた温度の値を指す。サーモサイクラーは、ブロックと容器内の液体との間に温度勾配を形成することによって温度を変える。それは器具と予測されるランプ速度に依存する。プログラムされた反応容量値はまた、これらの熱勾配の形成に影響する。より小さく反応容量をプログラムすることによって、この特徴を減少させることがある程度可能である。
CGリッチな反復拡大の二次構造
一般的に、CGリッチな反復を持つ一本鎖DNA鋳型の二次構造がDNAポリメラーゼを止め、プライマー伸長反応が鋳型鎖の末端に達するのを妨げることが想定される。DNAポリメラーゼは、堅固な二次構造によって止められる前に、このCGリッチな反復領域の一部しか伸長することができない。従来のPCR反応の次のサイクルの変性ステップにて、部分的に伸長した鎖と鋳型鎖が分離する。次のアニーリング・ステップ中に、この部分的に伸長した鎖は、一本鎖の鋳型DNAに再アニールする。しかしながら、これには2つの重大な問題がある。伸長が反復領域に達した場合に、特にその反復領域が数百塩基の長さであれば、3’末端の再アニーリングがその反復領域内のどこでも起こり得る。鋳型鎖に沿ったこのシフティングは、新しく合成された鎖の長さにおける可変性を結果的にもたらす。反復長の可変性を有する鎖がその後のPCRサイクルの鋳型としての役割を果たすので、可変性は、次のPCRサイクルのあいだ、一層強くなる。その増幅産物がゲル電気泳動で分析され、そして本来の反復長の正確な推定が非常に難しいときに、スメア化とスタッタリング(stuttering)が見られる。
短い拡大は長いものに比べてより高い効率で増幅される
1回の完全な伸長に達する前に複数回のPCRサイクルが必要であるなら、別の問題が低い増幅効率と関連する。拡大対立遺伝子が単独で存在していれば、非常に低い効率であってもCGリッチな反復拡大のPCR産物が形成されることがある。より短い鋳型DNAも持っている異型接合サンプル又はモザイク・サンプルでは、類似したサイズの拡大は増幅されない。この理由は、非常に短い反復領域を持つ対立遺伝子が顕著に高い増幅効率で増幅され、そして短い対立遺伝子が増幅反応を独占するからである。拡大対立遺伝子は、非常に不十分にしか増幅されない。低い増幅効率のために、当業者は、拡大対立遺伝子からのPCR産物の検出にサザンブロッティングを使用している(Gennarelli, M., Pavoni, M., Amicucci, P., Novelli, G. & Dallapiccola, B. 1998,「A single polymerase chain reaction-based protocol for detecting normal and expanded alleles in myotonic dystrophy」, Diagnostic molecular pathology: the American journal of surgical pathology, part B, vol. 7, no. 3, pp. 135-137, Brugnoni R, Morandi L, Briscioli V, Cornelio F, Mantegazza R; A new non-radioactive method for the screening and prenatal diagnosis of myotonic dystrophy patients. J Neurol (1998) 245: 289-93)。
1回の加熱ステップPCRによるCGリッチ配列にわたる増幅
C及びGヌクレオチドの高い含有率は、二本鎖DNAの融解温度を上げる。高いCG含有率は、その初期の頃からPCR増幅の一般的、且つ、周知の問題である。言うまでもなく、単により高い伸長温度を単独で使用するのはうまくいっていない;今日では、CGリッチな配列にわたる別の方法での増幅が簡単な日常業務になっている。
1回の加熱ステップPCR法を含む本発明の1つの実施形態において、プライマー伸長温度を、従来のPCR法で使用されたものより高い最終温度である80℃まで、非常にゆっくりと連続的に上げる。この段階的な加熱の結果として、DNAポリメラーゼが100%のCG含有率を有する約1000塩基の拡大EPM1十二塩基反復をにわたって伸長することができ、そしてPCR産物はエチジウムブロマイド染色されたアガロースゲル電気泳動法により検出される(図1)。増幅効率がとても高かったので、短い非拡大対立遺伝子の存在下でも拡大対立遺伝子が増幅された。十二塩基反復は自己相補性でないので、EPM1反復のPCR増幅に関連する難しさは、堅固な二次構造によって引き起こされるのではなく、ただ単に高いCG含有率によって引き起こされるものである。同等の条件下での拡大DM1反復にわたる増幅は、アガロースゲル上の激しいスメア化を結果的にもたらす(図2)。
ヒート・プッシュPCRによって改善された増幅効率
本発明のヒート・プッシュ法は、二次構造を形成する短いCGリッチな反復にわたる増幅効率と長いCGリッチな反復にわたる増幅効率とのあいだの相違を顕著に改善する。
従来の定温伸長又はシングル・ヒーティング・ステップPCRと異なり、ヒート・プッシュPCRのサーマル・パルセイションは、新たに合成された部分的に伸長した鎖に連続的にわずかに鋳型と分離させ、そして再アニールさせるが、常に十分な結合が鋳型と合成された鎖の間に残っており、鎖が滑ること(slipping)及びその位置を離れること(losing)を防ぐようなやり方による。低い温度相と高い温度相の間のパルシング中、DNAポリメラーゼは、次の二次構造によって再び止まるまで、次の利用可能な遊離一本鎖セグメントにわたって伸長することができる。再びゆっくりと温度を上げることで、このストッパー構造が融解し、そして伸長がしばらく続くこともある。これが、単一のプライマー伸長ステップ中に複数回繰り返され、そしてその結果、これらの伸長物の大部分が段階的に完全な伸長の長さに達する。新たに合成された鎖が鋳型鎖に対してその位置を離れないときに、鋳型鎖の完全、且つ、正確なコピーが作られるので、伸長中に鎖が離れ過ぎないことが最も重要である。これは、高い増幅効率を結果的にもたらし、且つ、長いCGリッチな反復と短いCGリッチな反復の両方の効果的な同時増幅を可能にするらしい。
何年もの試験にもかかわらず、古典的なPCR法はいずれも堅固な二次構造を形成するCGリッチな反復にわたって効率的な増幅ができなかった。しかしながら、これらの古典的手法は、一定温度でのインキュベーションが実質的に全くなく、伸長温度がより低い伸長温度とより高い伸長温度の間(例えば76℃と83℃の間)で変動する本発明と大幅に異なっている。この短時間のサイクルが、1回の「伸長ステップ」中に>20回(これまでのところ、使用したサーモサイクラー・モデルのメモリーによって制限される)繰り返されることが好ましい。その都度、(第2伸長温度に達するのに必要な時間が延びる)加熱速度と伸長パルス数の間の適性なバランスを見つけなければならない。両方の要因が全体的なアッセイ時間に影響する。
以前の研究は、高い及び低いCG含有率を有する領域の長距離増幅のために異なる伸長温度を使用しようと試みた。US 6 355 422(Liu, Q. & Sommer, S.S. 1998,「Subcycling-PCR for multiplex long-distance amplification of regions with high and low GC content: application to the inversion hotspot in the factor VIII gene」, BioTechniques, vol. 25, no, 6, pp. 1022-1028)に記載のサブサイクリング法では、2つの異なる伸長温度(60℃と65℃、それぞれ2分間)が使用された。それは、X染色体第VII因子遺伝子の第22イントロンの逆位複製のCGリッチ及びATリッチなセグメントにわたる伸長を可能にした。このゲノム構造は、堅固な二次構造を形成する自己相補的なCGリッチな反復ではない。
既存の方法との比較は、従来のPCRを使用した長いCGリッチな反復の効率的な増幅に関する刊行物がほぼ完全にないことによって妨げられている。この理由は、現在のDNAポリメラーゼの鎖置換活性では堅固な二次構造を形成するCGリッチな反復構造にわたる増幅ができないことにあるかもしれない。
よって、本発明の方法は、DNAの増幅のための改良された構造非依存性を有するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法などのプライマー伸長反応法を提供する。その方法は、非常に高GC含有率を有するか、及び/又はDNA二次構造の形成を引き起こす配列又はセグメントを含むDNAの増幅を特に可能にする。そのような構造の制限されることのない例としては、CG、CTG、及びGCCリッチな反復が挙げられる。
複数回の増幅サイクルが存在するPCR法をおもに参照しながら、本明細書において本発明を説明している。しかしながら、1又は複数回のそのようなサイクルを持っているそうしたすべての方法が本発明の範囲内にある。PCR法以外にも、1つの実施形態において、本発明は、本発明のプライマー伸長反応を使用したDNAの配列決定方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、本発明のプライマー伸長反応を使用することによる、ハイブリダイゼーション・アッセイのための標識DNA断片の調製方法を提供する。
本発明の方法において、少なくともサンプルDNA、プライマー、元の核酸鎖に相補的な核酸鎖を合成できる1以上の酵素、例えば熱安定性DNAポリメラーゼなど、dNTPsの混合物、バッファー、及び場合により共溶媒等を一般的に含む、従来のプライマー伸長反応混合物を利用してもよい。こういった反応混合物の調製は、当業者にとって周知である。
本発明の方法は、変性ステップにおいてDNAを変性させ、アニーリング・ステップにおいてプライマーをアニーリングさせ、伸長ステップにおいてアニーリングしたプライマーを伸長し、そしてPCRの場合には、複数回のサイクルにわたってそのステップを繰り返して、増幅されたDNAを得ることを含んでなる。また、これらのステップは、従来のPCR法の大部分に含まれていて、当業者に知られている。
本発明の方法の特徴は、何サイクルにもわたって、伸長ステップにおいて、まずアニーリング温度から段階的に最も低い第1伸長温度まで温度を上げた後、次に、それを第2又はそれ以降のより高い伸長温度まで徐々に変動させ、そして最も低い第1伸長温度まで戻して、伸長が可能になるようにDNAの二次構造を不安定化させることである。実際には、伸長の間において一定温度でのインキュベーションは実質的に存在することはない。伸長温度のこの変動は、2以上の温度及び加熱若しくは冷却速度を使用して行うことができる。別々のアニーリング・ステップもまた除かれる。
最も低い伸長温度と最も高い伸長温度の違いは、伸長している新しいDNA鎖のアニーリングを維持し、且つ、温度が上下に変動する際に、鋳型DNAが堅固に固定された二次構造に落ち着くのを防ぐのに十分であるべきである。これはまた、変動速度にも依存することもある。通常、第1の最も低い伸長温度は70〜90℃の範囲内にあってもよい。1つの実施形態において、最も低い伸長温度は70〜78℃の範囲内にある。他の実施形態において、最も低い伸長温度は76〜78℃の範囲内にある。(第1の伸長温度より高い)第2の最も高い伸長温度は75〜95℃の範囲内にあってもよい。1つの実施形態において、最も高い伸長温度は80〜83℃の範囲内にある。一般的に、第1の伸長温度と第2の伸長温度の違いは、1〜20℃、好ましくは3〜10℃の範囲内にある。また、上述の最も低い温度と最も高い温度の間で使用される他の低い温度及び高い温度が存在してもよい。
最も低い伸長温度と最も高い伸長温度の間の変動サイクルは、それぞれの伸長ステップで3回よりも多く繰り返される。最適の加熱速度と伸長パルス数の間のバランスは、実験条件に依存する。一般的に、20〜40サイクルが使用されているが、何百サイクルが可能であっても、PCRデバイスの能力に依存する。
1つの実施形態において、伸長ステップの加熱及び冷却速度は、0.01〜10℃/sの範囲内にあり、好ましくは0.01〜1℃/sの範囲内、例えば約0.1℃/sなどである。1つの実施形態において、そういった制御された加熱速度は、温度の上昇と冷却ができるだけ速く行われるときに使用される。
1つの実施形態において、反応混合物には、共溶媒、例えばDMSO、グリセロール又はベタインなどが含まれている。ベタインなどの共溶媒を加えることによって、より低い伸長温度を使用することもできる。通常、約1.8mol/lのベタインが実験で使用されたが、その量は、例えば0〜3mol/l、通常1〜2mol/lの範囲内であってもよい。
本発明はまた、本発明の方法を実施するようにプログラムされたサーマルサイクラーを提供する。そのサーマルサイクラーは、当該技術分野で知られているようなPCRデバイスの必須要素、例えば、温度レベル、変化ランプの温度速度、及び特定の温度レベルでのインキュベーションのタイミングを制御するための適切な制御信号を発生するコンピューター手段など、を含むいずれの好適なサーマルサイクラーであってもよい。そのコンピューター手段は、上記サイクラー内に組み込まれていてもよい。
本発明は、本発明の方法を実施するように作動する、記憶されたコンピューター実行可能プログラムコードを備えたコンピューター読み取り可能データ記憶媒体をさらに提供する。そのようなデータ記憶媒体は、PCR法でサイクラーを運転するためにサーマルサイクラーのコンピューター手段にプログラムを提供するのに使用されてもよい。
全体として、本発明は、二次構造を形成する拡大したCGリッチな反復配列を含むDNAに関連する疾患又は障害の診断方法であって、ここで、本発明のPCR法が診断目的のために上述のDNAを増幅するのに使用される上記方法を提供する。1つの実施形態において、診断方法は電気泳動断片分析である。また、診断をするための他の方法、又はDNA増幅を伴う他の非診断方法、例えば、配列決定法、定量的PCR(qPCR)、逆転写PCR(RT−PCR)又は同様のものなど、が使用されてもよい。1つの実施形態において、上記PCRは、鋳型として相補DNAを使用する。当業者は、これらの方法を知っているので、本発明の方法をそれらに適用することができる。
1つの実施形態において、本発明はまた、進行性ミオクローヌスてんかん1型(EPM1)の診断方法も提供する。1つの実施形態において、本発明のPCR法は、EPM1特異的DNAを増幅するのに使用されて、診断をするための上述のDNA内の反復単位数の分析を可能にする。
他の実施形態において、本発明はまた、脆弱X症候群の診断方法も提供する。1つの実施形態において、本発明のPCR法が、脆弱X症候群特異的DNAを増幅するのに使用されて、診断をするための上述のDNA内の反復単位数の分析を可能にする。
さらに他の実施形態において、本発明はまた、筋強直性ジストロフィーの診断方法も提供する。1つの実施形態において、本発明のPCR法は、筋強直性ジストロフィー特異的DNAを増幅するのに使用されて、診断をするための上述のDNA内の反復単位数の分析を可能にする。
PCRの設計
本発明において使用されるプライマーを実際の反復と近接させすぎて配置しないことが重要である。できれば、プライマーは、増幅効率のバランスをとるために、いくつかのCGリッチな範囲もまた短い野性型対立遺伝子内に含まれるように配置されるべきである。プライマーは、通常より長く、且つ、比較的CGリッチなセグメント内に配置され、それにより、DNAポリメラーゼがすぐにプライマー伸長を開始するようにプライマーが比較的高い温度にてアニールする条件がもたらされる。1つの実施形態において、PCR添加物であるベタインが、そのPCRには含められる。
一回の加熱ステップPCRプログラム
比較的短いCGリッチな反復(<1kb)が、1回の、非常にゆっくりとした加熱‐伸長ステップを用いて増幅できることがわかった。伸長温度は、アニーリング温度から80℃まで徐々に、そして非常にゆっくりと上げるように設定された。
1.8Mのベタインの存在下、短い野性型と80の十二塩基反復を持つ拡大EPM1対立遺伝子との両方の完全伸長が、1回のゆっくりとした段階的な加熱ステップ中に達成できた。こうした高いベタイン濃度では、伸長中の熱による推進が、明らかに従来のPCR増幅を妨げていた拡大対立遺伝子の全ての二次構造を開くことができた(図1)。
同様のPCR条件が長いDM1反復の増幅に使用された場合、スタッタリングとポリメラーゼ・スリッピングが観察され、それにより、アガロースゲル上の増幅産物のスメア化がもたらされた。長いDM1拡大は増幅できなかった(図2)。
本発明のヒート・プッシュPCRプログラム
全ての伸長ステップの間、伸長温度を一定に維持する従来のPCR法と異なり、本発明のヒート‐プッシュPCR法では、伸長温度が連続的に変動する。1つの限定されない実験(図9を参照のこと)では、プログラムされた変性ステップは、最初に95℃にて45秒間、次に98℃にて10秒間であった。アニーリング・ステップは68℃にて30秒間であり、次に78℃まで加熱することによって伸長が開始し、その後に複数回の段階的な加熱及び冷却ステップが続いた。ヒート‐プッシュ・パルスは、78℃から83℃までのゆっくりとした上昇(約0.1℃/s.)とその後の78℃への素早い戻しを含んでなった。これらのヒーティング・パルスを、1PCRサイクル中に21回繰り返した。ヒート‐プッシュ・パルス数は、1サイクルにつきプログラムできるプログラム・ステップ数を制限しているサーモサイクラー(GeneAmp PCR System 9700、Applied Biosystems)のメモリによって制限された。
伸長温度を連続的にパルス状に変化させることによるDNA二次構造の不安定化が、長いCGリッチな反復にわたる伸長を可能にした。どうやら、周期的なより低い温度では鋳型と伸長断片の十分なアニーリングが保たれたのに対して、ヒーティング・パルスは鋳型鎖の二次構造を不安定化させ、無視できるほどわずかなスタッタリングに伴う伸長を可能にした。1回のPCR伸長ステップ中の20回を超えるこの変動する伸長を繰り返すことで、1つの短い野性型対立遺伝子と約1400のCTG反復を含む1つの拡大対立遺伝子を含むサンプルにおいて、両方の対立遺伝子がほぼ同等の増幅効率で増幅されるような高い伸長効率が結果的にもたらされた。サザンブロッティングの結果に示されるように、非増幅サンプルDNAにはわずかに異なるCTG拡大長を有する複数の断片が含まれており、本発明の方法を使用するとき、これらの断片が非常に類似した特性で増幅された(図3)。
(できる限り最適化した)シングル・ヒーティング・ステップPCR法とヒート‐プッシュ法の間の増幅効率の違いを図4に示す。小さい、中程度又は大きいDM1 CTG拡大を含むサンプル(40ng)を分析した。シングル・ヒーティング・ステップPCRの増幅産物は小さい拡大と非常に類似した産物を示した。野性型対立遺伝子の選択的増幅と考えられる増幅効率の損失、及びくっきりしたバンドのスメア化及び欠落は、中程度のサイズの拡大を含むサンプルを分析したときに見られる。鋳型量がより多ければ(図6)又は拡大がより長ければ、スメア化は重大な問題になる。反復にわたるPCRが失敗していたので、大きい先天的なDM1を含むサンプルは誤診される。その一方、本発明のヒート‐プッシュ法は、短い拡大と長い拡大にわたる増幅において顕著に改善されたバランスを示した。中程度のサイズの成人DM1からの増幅産物は、組織不均一性を示すが、明確なバンドが見られる。図3及び4で見られるように、検証した先天的DM1サンプルから単一の約5kbのPCR産物を得る。
DM1反復拡大の長さについて以前に分析したDNAサンプルを、本発明のPCR法によって分析した。ヒート‐プッシュPCR法の予測サイズを計算し、そして各産物の下の枠内に示した(図5)。アッセイの検証段階では、78個のサンプルを分析し、そして正しく遺伝子型を同定した。
拡大対立遺伝子の増幅の成功は、鋳型DNAの質と量に依存している。多量すぎる鋳型DNAを使用すると、拡大対立遺伝子はわずかしか増幅されない(図6)。
本発明の方法はまた、PCRが増幅するのに最も難しい反復構造の1つと考えられる脆弱XのCCG拡大の分析にも使用できた(図7)。
脆弱Xのサンプルには、断片サイズにより大きな可変性があり、そして、CCG反復は二次構造を非常に形成しやすく、それが非常に高い融解温度を持っている。サイズが約3kbまでの明確なバンドを1つのX染色体しか持たない男性からのサンプルから得、そして女性からのサンプル中の1つの非拡大反復の存在は、拡大断片が増幅されるのを妨げなかった(図8)。
モザイク性、拡大長さの不均一性、及び短い野性型対立遺伝子の存在は、DM1及び脆弱Xサンプルの両方で全て見られる。ヒート‐プッシュPCRの使用が、短い反復と長い反復の間の増幅のバランスを顕著に改善した。

Claims (17)

  1. 以下のステップ:
    ‐ サンプルDNA、プライマー、熱安定性DNAポリメラーゼなどの元の核酸鎖に相補的な核酸鎖を合成できる1つ若しくは複数の酵素、dNTPsの混合物、及びバッファーを含む反応混合物を準備し、
    ‐ 変性ステップにおいてDNAを変性させ、
    ‐ アニーリング・ステップにおいてプライマーをアニーリングさせ、
    ‐ 伸長ステップにおいてアニールしたプライマーを伸長して、増幅されたDNAを得る、
    を含んでなるDNAの構造非依存型増幅のためのプライマー伸長反応法であって、複数サイクルにわたって、伸長ステップにおいて、温度を、最初にアニーリング温度から70〜90℃の範囲内の第1伸長温度まで上げ、次に75〜95℃の範囲内のより高い第2伸長温度まで変動させ、そして、より低い第1伸長温度に戻して、伸長が可能になるようにDNA内の二次構造を不安定化させることを特徴とする、前記方法。
  2. 前記ステップが、複数サイクルにわたって繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1伸長温度が、70〜78℃の範囲内、例えば76〜78℃などであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2伸長温度が、80〜83℃の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第1伸長温度と第2伸長温度との間の変動サイクルが、それぞれの伸長ステップにおいて、少なくとも3回、好ましくは20〜30回、たとえ数百回であっても繰り返されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記伸長ステップにおいて、温度の変動速度が、0.01〜10℃/sの範囲内であり、好ましくは0.01〜1℃/sの範囲内であり、例えば約0.1℃/sであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記DNAが、GC、CTG又はGCCリッチな反復を含んでいることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記反応混合物が、共溶媒、例えば、DMSO、グリセロール又はベタインなどを含んでいることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. DNAを増幅するために請求項1〜8のいずれか1項に記載のプライマー伸長反応を使用することを特徴とするポリメラーゼ連鎖反応法。
  10. 定量的PCR法又は逆転写PCR法であることを特徴とする、請求項9に記載のポリメラーゼ連鎖反応法。
  11. 二次構造を形成する反復配列を含むDNAに関連する疾患又は障害の診断方法であって、請求項9に記載のポリメラーゼ連鎖反応法を使用して、診断目的で上記DNAを増幅することを特徴とする、前記方法。
  12. 上記疾患が脆弱X症候群であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 上記疾患が筋強直性ジストロフィーであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  14. DNAを増幅するために請求項9に記載のPCR反応を使用することを特徴とするDNAの配列決定法。
  15. DNAを増幅するために請求項9に記載のPCR反応を使用することを特徴とする、ハイブリダイゼーション・アッセイのための標識DNA断片の調製方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法を実施するようにプログラムされたサーマルサイクラー。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法を実施するように作動する、記憶されたコンピューター実行可能プログラムコードを備えているコンピューター読み取り可能データ記憶媒体。
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