JP2011519390A - 微細構造化光学フィルムに好適なオルトベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマー - Google Patents
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Abstract
少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む、重合化構造化表面及び重合性樹脂組成物を有する光学フィルムについて記述される。
Description
米国特許第2005/0148725号に記載されているようなある種の微細構造化光学製品は、一般に「輝度向上フィルム」と呼ばれる。輝度向上フィルムは、エレクトロルミネッセントパネル、ラップトップコンピュータディスプレイ、ワードプロセッサ、デスクトップモニタ、テレビ、ビデオカメラ、並びに自動車及び飛行機用ディスプレイに使用されるものなどを含む液晶ディスプレイ(LCD)のようなバックライト付きフラットパネルディスプレイの輝度を増大するため、多数の電子製品に利用される。
輝度向上フィルムは、望ましくは、生成される輝度ゲイン(即ち「ゲイン」)に関連付けられる輝度向上フィルムの屈折率を含む、特定の光学的及び物理的性質を示す。輝度の向上は、ディスプレイを照明するのにより少ない出力を使用することによって電子製品がより効率的に作動することを可能にし、それによって電力消費を低減し、その構成要素により低い熱負荷が加わり、製品の寿命を延長する。
輝度向上フィルムは、硬化又は重合化された高屈折率モノマーを含む重合性樹脂から調製されている。多くの場合、ハロゲン化(例えば臭素化)モノマー又はオリゴマーを用いて、例えば1.56以上の屈折率を得る。高屈折率組成物を得るための別の方法は、高屈折率ナノ粒子を含む重合性組成物を使用することである。
重合性樹脂組成物において反応性希釈剤として使用されている一般的なモノマーの1つがフェノキシエチルアクリレートであり、これは屈折率が1.517、25℃での粘度が12cpsである。
産業界は、光学フィルム(例えば微細構造化)の製造に使用するのに適した、重合性樹脂組成物中に使用するための代替の反応性希釈剤において利点を見出し得る。
ここでは、重合性樹脂組成物の反応生成物を含む重合微細構造化表面を有する重合性樹脂組成物及び光学フィルムについて述べる。この重合性樹脂組成物は、オルト−ベンジルフェノールモノマーを少なくとも1つ含み、好ましくは高屈折率(例えば少なくとも1.54)と低粘度とを併せ持つ。
1つの実施形態では、重合性樹脂組成物は少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含み、これは次の構造式を有する:
式中、
tは0、又はtは1〜4の範囲であり、Rは独立にC1〜C6のアルキル基であり、
Lは、1つ以上のヒドロキシル基により任意的に置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
nは、0〜10の範囲であり、
R1は、H又はCH3である。
tは0、又はtは1〜4の範囲であり、Rは独立にC1〜C6のアルキル基であり、
Lは、1つ以上のヒドロキシル基により任意的に置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
nは、0〜10の範囲であり、
R1は、H又はCH3である。
別の実施形態では、重合性樹脂組成物は、25℃での粘度が80cps未満の、少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む。
これらの実施形態のそれぞれにおいて、重合性樹脂組成物(例えば光学フィルムの微細構造化表面にあるもの)は好ましくは更に、少なくとも2つの芳香族基及び少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を有する1つ以上の芳香族モノマー又はオリゴマーを25重量%〜75重量%含む。重合性樹脂組成物は所望により、無機ナノ粒子を含んでもよい。更に、重合性樹脂組成物は好ましくは非ハロゲン化物である。
ここでは、少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートを含む(例えば微細構造化の)光学フィルム及び重合性樹脂組成物について述べる。
重合微細構造は、ベース層又は重合微細構造化光学層で構成された光学素子又は光学製品であり得る。ベース層及び光学層は、同一の又は異なるポリマー材料から形成できる。重合微細構造化表面を有する1つの好ましい光学フィルムは、輝度向上フィルムである。
輝度向上フィルムは、一般に、照明装置の軸上の輝き(本明細書で「輝度」と呼ばれる)を増強する。輝度向上フィルムは、光伝達可能な、ミクロ構造フィルムであることができる。ミクロ構造のトポグラフィーは、フィルム表面上に複数のプリズムがあり、その結果フィルムを使用して反射及び屈折を通じて光を転送することができる。プリズムの高さは典型的には約1〜約75ミクロンである。ラップトップコンピュータ、時計等に見出されるような光学ディスプレイに使用されるとき、ミクロ構造の光学フィルムは、ディスプレイから放出が許容された光を光学ディスプレイを通る垂直軸から所望の角度で配置された一組の平面内に制限することによって、光学ディスプレイの輝度を増大することができる。結果として、許容可能な範囲の外側でディスプレイを出るであろう光は、反射されてディスプレイへ戻り、そこでその一部が「再利用」され、ディスプレイから放出できる角度でミクロ構造フィルムに戻されることができる。この再利用は、ディスプレイに所望の輝度を提供するために必要な電力消費量を低減することができることから、有用である。
本発明の輝度向上フィルムは一般に、(例えば予め形成された高分子フィルム)ベース層及び光学層を含む。光学層は、規則的な直角プリズムの直線配列を含む。それぞれのプリズムは、第1ファセット及び第2ファセットを有する。プリズムは、プリズムが形成されている第1表面及び実質的に平ら又は平面でありかつ第1表面に対向する第2表面を有するベースの上に形成されている。直角プリズムとは、頂角が通常約90°であることを意味する。しかし、この角度は70°〜120°の範囲の場合もあり、80°〜100°の範囲でもよい。これらの頂点は、先鋭形、丸形、又は平坦形若しくは切頭形とすることができる。例えば、隆起部は4〜7〜15マイクロメートルの範囲の半径に丸めることができる。プリズム頂点間の間隔(又はピッチ)は、5〜300マイクロメートルであることができる。薄い輝度向上フィルムの場合、ピッチは、好ましくは10〜36マイクロメートル、より好ましくは18〜24マイクロメートルである。これは、好ましくは約5〜18マイクロメートル、より好ましくは約9〜12マイクロメートルのプリズム高さに相当する。プリズム面は同一である必要はなく、プリズムは互いに傾いていてもよい。光学物品の全厚とプリズム高さとの関係は、変化してよい。しかしながら、典型的には、明確なプリズム面を有する比較的薄い光学層を用いるのが望ましい。ほぼ20〜35マイクロメートル(1ミル)の厚みを備えた基材上の薄い輝度向上フィルムの場合、プリズム高さ対総厚みの比は通常、0.2〜0.4である。
米国特許第5,175,030号(Lu et al.)及び同第5,183,597号(Lu)に記載されるように、微細構造保有物品(例えば輝度向上フィルム)は、(a)重合性組成物を調製する工程と、(b)マスターのキャビティーを満たすのにかろうじて十分な量でマスターネガ微細構造化成形表面上に重合性組成物を堆積させる工程と、(c)予備成形されたベース(PETフィルムなど)とマスター(少なくとも一方は可撓性である)との間で重合性組成物のビーズを移動させることによりキャビティーを満たす工程と、(d)組成物を硬化させる工程と、を含む方法により作製可能である。マスターは、ニッケル、ニッケルメッキ銅、若しくは黄銅のような金属製であってよく、又は重合条件下で安定でありかつ好ましくはマスターから重合材料をきれいに取り出すことができる表面エネルギーを有する熱可塑性材料であってもよい。ベースへの光学層の接着を促進するために、ベースフィルムの1つ以上の表面に、任意に下地処理又は他の処理を施すことができる。
幾つかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、表面修飾無機ナノ粒子を含む。このような実施形態ではは、「重合性組成物」とは、全組成物、即ち有機構成成分及び表面修飾無機ナノ粒子を意味する。「有機成分」は、表面改質された無機ナノ粒子を除く組成物の成分すべてを指す。表面処理剤は一般に、無機ナノ粒子の表面に吸着されるかないしは別の方法で付着されることから、表面処理剤は一定量以上の有機成分の一部とは見なされない。組成物が、表面修飾無機ナノ粒子などの無機物質を有しない場合、重合性樹脂組成物及び有機構成成分は同一物である。
有機化合物並びに重合性組成物は、好ましくは実質的に溶媒を含まない。「実質的に溶媒を含まない」とは、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、及び0.5重量%未満の非重合性の(例えば有機)溶媒を有する重合性組成物を意味する。溶剤濃度は、ガスクロマトグラフィー(ASTM D5403にて記載の通り)などの既知の方法によって決定することができる。0.5質量%未満の溶媒濃度が好ましい。
有機構成成分の構成成分は、好ましくは、重合性樹脂組成物が低粘度を有するように選択される。幾つかの実施形態では、有機構成成分の粘度は、コーティング温度にて、1000cps未満であり、通常は900cps未満である。有機成分の粘度は、コーティング温度において800cps未満、700cps未満、600cps未満、又は500cps未満であってよい。本明細書で使用するとき、粘度は(1000sec−1までの剪断速度で)、動的応力レオメーター(Dynamic Stress Rheometer)を使用して、25mm平行プレートで測定される。更に、有機構成成分の粘度は通常、コーティング温度にて、少なくとも10cps、より典型的には少なくとも50cpsである。
コーティング温度は通常、周囲温度(25℃(77°F))〜82℃(180°F)の範囲である。コーティング温度は、77℃(170°F)未満、71℃(160°F)未満、66℃(150°F)未満、60℃(140°F)未満、54℃(130°F)未満、又は49℃(120°F)未満であってよい。有機成分は、重合性組成物の融点がコーティング温度よりも低いという条件で、固体であること又は固体成分を含むことができる。本明細書で記述される、有機成分ならびにオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーは、好ましくは周囲温度で液体である。
オルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマー、並びにその有機構成成分は、少なくとも1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、又は1.61の屈折率を有する。高屈折率ナノ粒子を含む重合性組成物は、最高で1.70の屈折率を有し得る(例えば、少なくとも1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、又は1.69)。可視光線スペクトルでの高透過性も、通常は好ましい。
重合性組成物は、(例えば75マイクロメートルの厚さを有する輝度向上フィルムでは)好ましくは5分間未満の時間スケールでエネルギー硬化性である。重合性組成物は、通常は45℃超のガラス転移温度を提供するように、好ましくは十分に架橋される。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)、変調DSC、又は動的機械測定等の当該技術分野で既知の方法によって測定することができる。重合性組成物は、従来のフリーラジカル重合法によって重合することができる。
本明細書中に記載する光学フィルムは、少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性樹脂組成物から作製される。この(メタ)アクリレート置換基は好ましくはアクリレート置換基である。このモノマーは80cps未満、70cps未満、又は60cps未満の粘度を有する。
オルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは次の構造を有する:
式中、
Rは独立に任意の置換基であり、
tは0〜4の範囲であり、
Lは、所望により1つ以上のヒドロキシ基で置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
nは、0〜10の範囲であり、
R1は、H又はCH3である。
Rは独立に任意の置換基であり、
tは0〜4の範囲であり、
Lは、所望により1つ以上のヒドロキシ基で置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
nは、0〜10の範囲であり、
R1は、H又はCH3である。
一部の実施形態では、tは0である。他の実施形態では、tは少なくとも1であり、RはC1〜C6であり、好ましくはC1〜C3の直鎖アルキル基である。一部の実施形態では、nは0である。他の実施形態では、nは少なくとも1であり、Lは好ましくはC2又はC3である。更に他の実施形態では、tは0であり、nは0である。
オルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーの非限定的な例としては次のものが挙げられる:
(屈折率1.564、粘度21cps)、及び
(屈折率1.558、粘度45cps)。
本明細書で記載されるオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは、当業者には周知の技術の1つとして知られている合成方法により調製することができる。例えば、オルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは、2−ベンジルフェノールと塩化アクリロイルとの反応により調製することができる。代表的な合成は、後述の実施例において記述される。これらの出発材料は、Aldrich、TCI、及びVWRを含む各種供給者から市販されている。
実施例で記述されるように合成した場合、このオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは、トリフェニル(メタ)アクリレート種を同時に生成することなしに調製される。しかしながら、合成の他の方法では、トリフェニル(メタ)アクリレート種が同時に生成されてしまうことがある。幾つかの実施形態では、重合性樹脂組成物中のトリフェニル(メタ)アクリレートモノマーの濃度は典型的に、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満である。
重合性樹脂組成物中で用いられるオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートの量は変えることができる。少ない濃度、例えば、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、又は5重量%は、重合性樹脂組成物の屈折率を増加させるために、低屈折率構成成分(複数可)の一部と置き換えてよい。しかしながら、典型的にはこの重合性樹脂組成物は、少なくとも2つの重合性(メタ)アクリレート基を有する1つ以上の芳香族モノマー又はオリゴマー25重量%〜75重量%と組み合わせて、1つ以上のオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーを25重量%〜75重量%含む。
少なくとも2つの重合性(メタ)アクリレート基を有する、種々の芳香族モノマー及び/又はオリゴマーを用いてよい。このような芳香族モノマーは典型的に、少なくとも2つの芳香環を含み、分子量は少なくとも350g/モル、400g/モル、又は450g/モルである。
少なくとも2つの重合性(メタ)アクリレート基を有する芳香族モノマー又はオリゴマーは、合成又は購入することができる。芳香族モノマー又はオリゴマーは典型的に、主要部、すなわち少なくとも60〜70重量%の固有構造を含む。他の反応生成物もこのようなモノマーの合成の副生成物として典型的に存在することは、一般的に認識される。
幾つかの実施形態では、重合性組成物は、少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートと、次の一般的構造を有する主要部を含む少なくとも1つの芳香族(所望により臭素化)二官能性(メタ)アクリレートモノマーとを含む:
ここで、Zは、独立に−C(CH3)2−、−CH2−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、又は−S(O)2−であり、それぞれのQは、独立にO又はSであり、Lは、連結基である。Lは、独立に、分枝又は直鎖のC2〜C12のアルキル基を含んでよく、nは、0〜10の範囲である。Lは好ましくは、分枝又は直鎖のC2〜C6のアルキル基を含む。より好ましくは、Lは、C2又はC3であり、nは、0、1、2又は3である。アルキル連結基の炭素鎖は、1つ以上のヒドロキシ基で置換されているか又は置換されていない。例えば、Lは、−CH2CH(OH)CH2−であってよく、典型的に、連結基は同一である。R1は、独立に、水素又はメチルである。
幾つかの実施形態では、芳香族モノマーは、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、即ちビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸の反応生成物である。ビスフェノールAジグリシジルエーテルは一般に、より幅広く利用可能ではあるが、ビスフェノールFジグリシジルエーテルなどのその他のビフェノールジグリシジルエーテルもまた用いることができると考えられている。例えば、ジ(メタ)アクリレートモノマーは、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物であり得る。このようなモノマーは、UCB Corporation(ジョージア州スマーナ)から「RDX−51027」の商標名で入手できる。この物質は、2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステルの主要部分を含む。
1つの代表的なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerから商標名「SR602」(20℃において粘度610cps、及びTg 2℃を有すると報告されている)にて市販されている。別の代表的−なビスフェノールAエトキシル化ジアクリレートモノマーは、Sartomerから商標名「SR601」(20℃において、粘度1080cps、及びTg 60℃を有すると報告されている)にて市販されている。
代わりに、又はそれに加えて、有機構成成分は、1種以上の(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマーを含んでよい。種々の(メタ)アクリル化芳香族エポキシオリゴマーが市販されている。例えば、(メタ)アクリレート化芳香族エポキシ(変性エポキシアクリレートとして記載される)は、Sartomer(ペンシルバニア州エクストン)から「CN118」及び「CN115」の商標名で入手可能である。(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマー(エポキシアクリレートオリゴマーとして記載される)は、Sartomerから「CN2204」の商標名で入手可能である。更に、(メタ)アクリレート化芳香族エポキシオリゴマー(40%トリメチロールプロパントリアクリレートとブレンドしたエポキシノボラックアクリレートとして記載される)は、Sartomerから、「CN112C60」の商標名で入手可能である。1つの代表的芳香族エポキシアクリレートは、Sartomerから「CN 120」(供給元によって、1.5556の屈折率、65℃にて2150の粘度、及び60℃のガラス転移温度(Tg)を有すると報告されている)の商標名で市販されている。
幾つかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート((meth)acrylate(meth)acrylate)と、次の一般的構造を有する主要部を含む少なくとも1つの二官能性ビフェニル(メタ)アクリレートモノマーとを含む:
式中、それぞれのR1は、独立に、H又はメチルであり、
それぞれのR2は、独立にBrであり、
mは、0〜4の範囲であり、
それぞれのQは、独立に、O又はSであり、
nは、0〜10の範囲であり、
Lは、1つ以上のヒドロキシル基により任意的に置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
zは、芳香環であり、及び
tは、独立に、0又は1である。
それぞれのR2は、独立にBrであり、
mは、0〜4の範囲であり、
それぞれのQは、独立に、O又はSであり、
nは、0〜10の範囲であり、
Lは、1つ以上のヒドロキシル基により任意的に置換されたC2〜C12のアルキル基であり、
zは、芳香環であり、及び
tは、独立に、0又は1である。
幾つかの実施形態では、Qは、好ましくは0である。更に、nは、典型的には0、1又は2である。Lは、通常、C2又はC3である。あるいは、Lは、通常、ヒドロキシル置換されたC2又はC3である。幾つかの実施形態では、zは、好ましくはフェニル基に縮合し、それによってビナフチルコア構造体を形成する。
好ましくは、−Q[L−O]nC(O)C(R1)=CH2基の少なくとも1つが、オルト位又はメタ位にて置換されている。より好ましくは、ビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーは、モノマーが25℃にて液体であるように、十分な量のオルト及び/又はメタ(メタ)アクリレート置換基を含む。幾つかの実施形態では、置換基を含有するそれぞれの(メタ)アクリレート基は、オルト位又はメタ位にて芳香環基に結合している。ビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーは、過半量のオルト(メタ)アクリレート置換基を含むことが望ましい(すなわち、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%のビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマー)。幾つかの実施形態では、置換基を含有するそれぞれの(メタ)アクリレート基は、オルト位又はメタ位にて芳香環基に結合している。メタ及び特にパラ置換基の数が増えるとともに、有機構成成分の粘度も同様に増大し得る。更に、パラ−ビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーは室温で固体であり、フェノキシエチルアクリレート及びテトラヒドロフルフリルアクリレート中であっても溶解度が低い(すなわち10%未満)。
そのようなビフェニルモノマーは、PCT国際特許WO2008/112451号に更に詳細が記述されている。その他のビフェニルジ(メタ)アクリレートモノマーは、文献に記載されている。
重合性樹脂組成物は所望により、最高約50重量%の量の、1つ以上の単官能性希釈剤を含み得る。幾つかの実施形態では、重合性樹脂組成物は、その粘度を低下させることによって、樹脂組成物の加工性を向上させるために、このような単官能性希釈剤を少なくとも5重量%、10重量%又は15重量%含む。
芳香族(例えば単官能性)(メタ)アクリレートモノマーは、通常、フェニル、クミル、ビフェニル、又はナフチル(napthyl)基を含む。好ましい希釈剤は、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、又は1.55を上回る屈折率を有し得る。このような反応性希釈剤は、ハロゲン化、非臭素化、又は非ハロゲン化されたものであり得る。
好適なモノマーとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、2−ナフチルチオエチルアクリレート、1−ナフチルチオエチルアクリレート、ナフチルオキシエチルアクリレート、2−ナフチルオキシエチルアクリレート、フェノキシ−2−メチルエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、及びフェニルアクリレートが挙げられる。
フェノキシエチルアクリレートは、「SR339」の商標名でSartomerから、「Etermer 210」の商標名でEternal Chemical Co.Ltd.から、及び「TO−1166」の商標名で東亜合成から、を含む複数の供給元から市販されている。フェニルチオエチルアクリレート(PTEA)もまた、Cognisから市販されている。これらのモノマーの構造は、次に示す通りである。
幾つかの実施形態では、重合性組成物は、1種以上の単官能性ビフェニルモノマーを含む。
単官能性ビフェニルモノマーは、末端ビフェニル基(ここで、2つのフェニル基は融合しておらず、結合によって繋がっている)又は連結基(例えばQ)で繋がれた2つの芳香族基を含む末端基を含む。例えば、連結基がメタンであるとき、末端基はビフェニルメタン基である。あるいは、連結基が−(C(CH3)2−である場合、末端基は4−クミルフェニルである。単官能性ビフェニルモノマー(類)は、好ましくは(例えば紫外線)放射への曝露によって重合性である1つのエチレン性不飽和基も含む。単官能性ビフェニルモノマーは、好ましくは1つの(メタ)アクリレート基又は1つのチオ(メタ)アクリレート基を含む。アクリレート官能性が一般的に好ましい。幾つかの態様において、ビフェニル基は、エチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)基に直接結合する。この種類の例示的なモノマーは、2−フェニル−フェニルアクリレートである。ビフェニルモノ(メタ)アクリレート又はビフェニルチオ(メタ)アクリレートモノマーは、任意選択的に1つ以上のヒドロキシル基で置換された(例えば1〜5個の炭素の)アルキル基を更に含んでよい。この種類の代表的な種は、2−フェニル−2−フェノキシエチルアクリレートである。
1つの実施形態では、次の一般構造式を有する単官能性ビフェニル(メタ)アクリレートモノマーが用いられ、
式中、R1は、H又はCH3であり、
Qは、O又はSであり、
nは0〜10の範囲であり(例えばnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、及び
Lは好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、所望によりヒドロキシ基で置換されている。
Qは、O又はSであり、
nは0〜10の範囲であり(例えばnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、及び
Lは好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、所望によりヒドロキシ基で置換されている。
別の実施形態では、単官能性ビフェニル(メタ)アクリレートモノマーは次の一般構造式を有し:
式中、R1は、H又はCH3であり、
Qは、O又はSであり、
Zは−(C(CH3)2−、−CH2、−C(O)−、−S(O)−、及び−S(O)2−から選択され、
nは0〜10の範囲であり(例えばnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、及び
Lは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、所望によりヒドロキシ基で置換されている。
Qは、O又はSであり、
Zは−(C(CH3)2−、−CH2、−C(O)−、−S(O)−、及び−S(O)2−から選択され、
nは0〜10の範囲であり(例えばnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10)、及び
Lは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であり(すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、所望によりヒドロキシ基で置換されている。
日本の東亜合成株式会社より市販されている幾つかの特定のモノマーとして、例えば商品名「TO−2344」で入手可能な2−フェニル−フェニルアクリレート、商品名「TO−2345」で入手可能な4−(−2−フェニル−2−プロピル)フェニルアクリレート、及び商品名「TO−1463」で入手可能な2−フェニル−2−フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。
芳香族単官能性(メタ)アクリレートモノマーの各種組み合わせを用いることができる。例えば、フェニル基を含む(メタ)アクリレートモノマーを、ビフェニル基を含む1種以上の(メタ)アクリレートモノマーと組み合わせて用いてよい。更に、2つの異なったビフェニル(メタ)アクリレート単官能性モノマーを用いてもよい。
重合性樹脂は、所望により、各種その他(例えば非ハロゲン化)エチレン系不飽和モノマーを35重量%まで含み得る。例えば、構造体(例えばプリズム)が、予め形成されたポリカーボネート高分子フィルム上でキャストされ、光硬化された場合、重合性樹脂組成物は、1種以上のN,N−二置換(メタ)アクリルアミドモノマーを含んでよい。これらとしては、N−アルキルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルアクリルアミド、特にC1〜C4のアルキル基を含有するものが挙げられる。例には、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムがある。
重合性樹脂組成物は、少なくとも3つの(メタ)アクリレート基を含む非芳香族架橋剤を20重量%以下で任意的に含んでもよい。好適な架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。架橋剤の任意の1種又は組み合わせを利用しうる。メタクリレート基は、アクリレート基より反応性でない傾向があるため、架橋剤(類)は好ましくはメタクリレート官能基を含まない。
様々な架橋剤が市販されている。例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)は、Sartomer Company(ペンシルバニア州エクストン)から「SR444」の商標名で、大阪有機化学工業(日本、大阪)から「Viscoat No.300」の商標名で、東亜合成(日本、東京)から「Aronix M−305」の商標名で、及びEternal Chemical Co.,Ltd.(台湾、高雄)から「Etermer 235」の商標名で市販されている。トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)は、Sartomer Companyから「SR351」の商標名にて市販されている。TMPTAは、「Aronix M−309」の商標名で、東亜合成からも入手可能である。更に、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート及びエトキシル化ペンタエリスリトールトリアクリレートは、Sartomerからそれぞれ商標名「SR454」及び「SR494」のもとに市販されている。
幾つかの実施形態では、光学フィルムの重合微細構造化表面、重合性樹脂組成物、及びオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーが、実質的に臭素を含まない(即ち、1重量%未満で含有する)ことが好ましい。その他の実施形態では、臭素と塩素とを組み合わせた総量は1重量%未満である。幾つかの態様において、光学フィルムの重合微細構造化表面、重合性樹脂組成物、及びオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは、実質的に非ハロゲン化物である(すなわち、含まれる臭素、塩素、フッ素及びヨウ素が合計で1重量%未満)。
UV硬化性の重合性組成物は、少なくとも1種の光反応開始剤を含む。1つの光反応開始剤又は光反応開始剤のブレンドを、本発明の輝度向上フィルムに用いてよい。一般には、光開始剤(類)は、少なくとも部分的に可溶性(例えば、樹脂の処理温度で)であり、及び重合された後実質的に無色である。光開始剤は(例えば、黄色に)着色していてもよいが、ただし光開始剤が、紫外線光源に暴露された後、実質的に無色になることを条件とする。
好適な光開始剤には、モノアシルホスフィンオキシド及びビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。市販のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、「Lucirin TPO」という商標名でBASF(ノースカロライナ州シャーロット)から市販されている2,4,6−トリメチルベンゾイルビフェニルホスフィンオキシド、更に「Lucirin TPO−L」という商標名でBASFから市販されているエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、及び「Irgacure 819」という商標名でCiba Specialty Chemicalsから市販されているビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが挙げられる。その他の好適な光開始剤としては、Ciba Specialty Chemicalsから「Darocur 1173」の商標名で市販されている2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、並びにCiba Specialty Chemicalsから、「Darocur 4265」、「Irgacure 651」「Irgacure 1800」、「Irgacure 369」、「Irgacure 1700」、及び「Irgacure 907」の商標名にて市販されているその他の光開始剤が挙げられる。
光反応開始剤は、約0.1重量%〜約10重量%の濃度で使用できる。より好ましくは、光反応開始剤は約0.5〜約5重量%の濃度で使用される。5重量%を超える量は、輝度向上フィルムの黄変を引き起こす傾向の観点から一般的に不利である。その他の光反応開始剤類及び光反応開始剤も、当業者によって決定されるように、好適に用いられてもよい。
フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤のような界面活性剤は、表面張力を低減するため、濡れを改良するため、より平滑なコーティングを可能にするため、及びコーティングの欠陥を減少させるため等の目的で、重合性組成物に任意選択的に包含されることができる。
本明細書で記載されるオルト−ベンジルフェノール(メタ)アクリレートモノマーは、非ハロゲン化高屈折率重合性有機組成物の調製において特に有用である。幾つかの実施形態では、組成物は無機ナノ粒子を含まない。
その他の実施形態では、重合性組成物は無機ナノ粒子を更に含む。
表面修飾ナノ粒子(例えばコロイドナノ粒子)は、物品又は光学素子の耐久性及び/又は屈折率を向上させるのに有効な量で重合構造体中に存在しうる。幾つかの実施形態では、表面修飾無機ナノ粒子の総量は、少なくとも10重量%、20重量%、30重量%又は40重量%の量で、重合性樹脂又は光学物品中に存在しうる。重合性樹脂組成物がミクロ構造フィルムの流延及び硬化プロセスで使用するのに好適な粘度を有するため、その濃度は、典型的には70重量%未満であり、より典型的には60重量%未満である。
このような粒子の寸法は、有意な可視光線の散乱を避けるように選択される。光学又は材料特性を最適化するため及び全組成物コストを低下させるために、複数の種類の無機酸化物粒子の混合物を用いることが望ましい場合がある。表面改質コロイドナノ粒子は、1nm、5nm、又は10nmより大きい一次(例えば会合していない)粒径又は会合粒径を有する酸化物粒子であり得る。一次又は会合粒径は、一般的に100nm、75nm、又は50nm未満である。典型的には、一次又は会合粒径は40nm、30nm、又は20nm未満である。ナノ粒子は非会合性であることが好ましい。それらの測定は、透過型電子顕微鏡法(TEM)に基づき得る。ナノ粒子としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、これらの混合物、又はこれらの混合酸化物のような金属酸化物が挙げられる。表面改質コロイドナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。
完全凝縮ナノ粒子(シリカを例外として)の結晶化度(単離金属酸化物粒子として測定した場合)は、典型的には55%を超え、好ましくは60%を超え、より好ましくは70%を超える。例えば、結晶化度は、約86%までの範囲内又はそれ以上にすることができる。結晶化度は、X線回折法によって割り出すことができる。凝縮結晶性のナノ粒子(例えばジルコニアナノ粒子)は屈折率が高いが、非晶質ナノ粒子は典型的には屈折率がより低い。
ジルコニア及びチタニアナノ粒子は、5〜50nm、又は5〜15nm、又は8nm〜12nmの粒径を有することができる。ジルコニアナノ粒子は、耐久性物品又は光学素子中に10〜70重量%、又は30〜60重量%の量で存在できる。本発明の組成物及び物品に使用されるジルコニアは、Nalco Chemical Co.から「Nalco OOSSOO8」という商品名で、及びBuhler AG(スイス・ウツヴィル)から「Buhler zirconia Z−WO sol」という商品名で入手可能である。
ジルコニア粒子は、米国特許出願第2006/0148950号に記載されているような熱水技術を用いて調製できる。ナノ粒子は、表面修飾されている。表面改質には、表面の特性を改変するために無機酸化物(例えばジルコニア)粒子に表面改質剤を付着させることが含まれる。無機粒子の表面改質の全体的な目標は、均質な構成成分を持つ、好ましくは高輝度のフィルムに調製可能な(例えばキャスト及び硬化プロセスを使用して)低粘度を持つ樹脂を提供することである。
ナノ粒子は、しばしば、有機マトリックス材料との相溶性を改良するために表面改質される。表面改質されたナノ粒子は、しばしば、有機マトリックス材料中で非会合、非粒塊、又はこれらの組み合わせである。得られるこれらの表面改質されたナノ粒子を含有する光管理フィルム(light management films)は高い光学的透明性及び低いくもりを有する傾向がある。ジルコニアのような、高屈折率表面改質されたナノ粒子の添加は、輝度向上フィルムのゲインを、重合された有機材料のみを含有するフィルムと比べて増大することができる。
モノカルボン酸表面処理剤は、好ましくは相溶化基を含む。モノカルボン酸は式A−Bで表わすことができ、ここでA基は(例えばジルコニア又はチタニアなどの)ナノ粒子の表面に付着することができる基(例えばモノカルボン酸基)であり、Bはさまざまに異なる機能を含む相溶化基である。カルボン酸基は、吸着及び/又はイオン結合の形成によって表面に付着できる。相溶化基Bは、一般に、それが(例えば輝度向上)光学物品の重合性な樹脂と相溶するように選択される。相溶化基Bは、反応性又は非反応性であることができ、極性又は非極性であることができる。
ジルコニア粒子に非極性の性質を付与することができる相溶化基Bとしては、例えば、直鎖又は分枝鎖の芳香族又は脂肪族炭化水素が挙げられる。カルボン酸官能性を有する非極性改質剤の代表的な例には、オクタン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
相溶化基Bは、所望により、それが(例えば輝度向上)光学物品の有機マトリックスと共重合性なように、反応性であってよい。例えば、(メタ)アクリレート相溶化基のようなフリーラジカル重合性基は、(メタ)アクリレート官能性有機モノマーと共重合して、良好な均質の輝度向上物品を生成できる。
好適な表面改質は、米国特許公開第2007/0112097号及びPCT国際特許WO2008/121465号に記述されている。
表面改質粒子は、さまざまな方法で、硬化可能な(すなわち重合性の)樹脂組成物に組み込むことができる。好ましい態様においては、溶媒交換手順が利用され、樹脂を表面改質されたゾルに添加してから水及び共溶媒(使用する場合)を蒸発により除去することにより、粒子を重合性樹脂中に分散された状態にする。蒸発工程は、例えば、蒸留、回転蒸発、又はオーブン乾燥により達成可能である。別の態様では、表面改質された粒子を水不混和性溶媒中に抽出した後、それが望ましい場合には溶媒交換を行うことができる。あるいは、表面改質されたナノ粒子を重合性樹脂に組み込む別の方法は、改質粒子を乾燥して粉末にした後、その中に粒子が分散された樹脂材料を添加することを伴う。この方法における乾燥工程は、例えば、オーブン乾燥又は噴霧乾燥のような、その系に適した従来の方法によって達成することができる。
光学層は、ベース層に直接接触するか又はベース層に光学的に整列することができ、光学層が光の流れを方向付け又は集中させることができる寸法、形状及び厚さであることができる。光学層は、米国特許第7,074,463号に記載され、かつ示されているような多数の有用なパターンのいずれかを有することができる、構造化又は微細構造化表面を有することができる。ミクロ構造化された表面は、フィルムの長さ又は幅に沿って伸長する複数の平行な長手方向の隆起部であることができる。これらの隆起部は、複数個のプリズム頂点から形成できる。これらの頂点は鋭角、円形又は扁平又は切頭であることができる。例えば、隆起部は4〜7〜15マイクロメートルの範囲の半径に丸めることができる。
これらは、規則的又は不規則的なプリズムパターンを含み、それは環状プリズムパターン、キューブコーナーパターン又は任意のその他のレンズ状構造であり得る。有用なミクロ構造は、輝度向上フィルムとして使用するための完全内部反射フィルムとして作用できる定形プリズムパターンである。別の有用なミクロ構造は、反射フイルムとして使用するための再帰反射フィルム又は素子として作用できるコーナーキューブプリズムパターンである。別の有用なミクロ構造は、光学ディスプレイに使用するための光学素子として作用できるプリズムパターンである。別の有用なミクロ構造は、光学ディスプレイに使用するための光学回転フィルム又は素子として作用できるプリズムパターンである。
ベース層は、光学製品、すなわち光の流れを制御するよう設計された製品への使用に好適な性質及び組成物であることができる。ほぼいかなる材料も、その材料が十分に光学的に透明であり、特定の光学製品に組立てられるか又は製品内で使用されるのに十分に構造的に強い限り、ベース材料として使用できる。ベース材料は、光学製品の性能が時間とともに損なわれないように十分な耐温度性及び耐老化性が備わっているものを選択できる。
有用なベース材料としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンド、ポリシクロオレフィン、ポリイミド、及びガラスが挙げられる。任意に応じて、基部材料には、これらの物質の混和物又は混合物を含めることができる。実施形態では、ベースは多層であってもよいし、又は連続相の中に懸濁又は分散した分散成分を含有してもよい。
ミクロ構造を有する製品のような幾つかの光学製品、例えば、輝度向上フィルムの場合、好ましいベース材料の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートが挙げられる。有用なPETフィルムの例としては、フォトグレードのポリエチレンテレフタレート及びMELINEX(商標)PET(DuPont Films(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能)が挙げられる。
幾つかのベース材料は、光学的に活性であり得、及び偏光板として作用することができる。多くのベースはまた、本明細書においてフィルム又は基材とも呼ばれ、光学製品分野において偏光板として有用であることが既知である。フィルムを通る光の偏光は、例えば通過光を選択的に吸収する、フィルム材料内二色偏光子の包含により実現され得る。光の偏光はまた、配列雲母チップのような無機材料を組み込むことによって、又は、連続フィルム中に分散している光変調液晶の液滴といった連続フィルム中に分散している不連続相によって実現させることができる。代替手段として、異なる材料のマイクロファイン層からフィルムを作製することができる。フィルム内の偏光材料は、例えば、フィルムの延伸、電場又は磁場の印加、及び、コーティング技術のような方法を利用することによって、偏光配向に揃えることができる。
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号及び同5,783,120号に記載のものが挙げられる。輝度上昇フィルムとの組み合わせによるこれらの偏光フィルムの使用は、米国特許第6,111,696号に記載されている。
ベースとして使用され得る偏光フィルムの第2の実施例は、米国特許第5,882,774号に記載されたフィルムである。市販のフィルムは、3Mから取引表記DBEF(デュアル輝度上昇フィルム)のもとに販売された多層フィルムである。輝度上昇フィルムにおけるこうした多層偏光光学フィルムの使用は、米国特許第5,828,488号に記載されている。
このような光再利用効果の一般的測定は、光学フィルムのゲインを測定することである。本明細書で使用するとき、「相対ゲイン」は、光学フィルム(又は光学フィルムアセンブリ)をライトボックスの最上部に置いて、実施例にて記載した試験方法による測定で、ライトボックスの最上部に光学フィルムが存在しない場合に測定された軸上輝度に対する軸上輝度として定義される。本定義は、次の関係によって要約することができる。
1つの実施形態では、構造化表面を有する光透過性(例えば硬化済み)のポリマー材料を含む光学フィルムが記述される。光学フィルムは実質的に、少なくとも1.60の相対ゲインの単一シートを有する非分極フィルムである。相対単一シートゲインは、典型的には2.05以下である。したがって、単一シート相対ゲインはまた、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、及び1.90以上を包含する相対ゲイン値のセットの中の任意の値の範囲で変動してよい。
その他の実施形態では、本発明は2種又はそれ以上のフィルムを含む又はそれで構成される各種アセンブリに関する。各アセンブリには、第2の(例えば構造化又は非構造化の)光学フィルムに隣接した、第1の構造化光学フィルムが含まれる。
隣接したとは、十分に近傍であることを意味する。隣接したとは、フィルムがただ単に一緒に積み重ねられているか又はフィルムが各種手段で付着されているようにして、第1構造化光学フィルムが第2光学フィルムと接触していることを含むことができる。フィルムは、機械的手段、化学的手段、熱的手段、又はそれらの組み合わせによって取り付けてよい。化学的手段としては、各種の感圧、溶剤系、及びホットメルト接着剤、並びに熱、湿気、又は放射線に曝露された際に架橋する2元硬化性接着剤組成物が挙げられる。熱的手段としては、例えば、加熱エンボス加工ローラー、高周波(RF)溶着、及び超音波溶接が挙げられる。光学フィルムは、選択箇所のみにて、又は端部のみにて、フィルム平面全体にわたって(例えば連続的に)取り付けてよい。あるいは、隣接した光学フィルムは、空気界面にて互いに離間させて分離させてよい。空気界面は、周辺部の光学フィルムの一方又はその両方の厚さを、例えば、接着剤を適用することによって増大させることで作成してよい。フィルムを、一緒にラミネート加工するのではなく積み重ねた場合、光学フィルム間の空気界面はわずか2〜3マイクロメートルであり得る。
幾つかの実施形態では、第1構造化光学フィルムは、第2構造化光学フィルムに隣接している。このようなアセンブリでは、底部フィルムの構造化表面は好ましくは、最上部フィルムの非構造化表面に隣接して配置される。プリズム構造フィルムを用いる実施形態の場合、フィルムのプリズムは一般に、プリズムを溝部によって分離しつつ、1つの主方向に並列に位置合わせする。積み重ねの中にある第2の(例えば下の)構造化光学フィルムのプリズム(又は溝)を、第1の(例えば上の)フィルムのプリズムに対して実質的に直交するように整列させることが一般に望ましい。しかし、その他の整列もまた用いることができる。例えば、第2光学フィルムのプリズムに対して、溝部又はプリズムの交点が、約70度〜約120度の範囲の角度を形成するように、第2光学フィルムのプリズムを配置されてよい。
1つの実施形態のアセンブリでは、第1構造化実質的非分極光学フィルムは、第2構造化実質的非分極光学フィルムに近接している。本アセンブリのゲインは、少なくとも2.50である。第1光学フィルムは、第2光学フィルムと同一でも又は異なっていてもよい。例えば、第2フィルムは、異なったベース層組成物、異なった構造化表面組成物、及び/又は異なった表面構造を有し得る。本アセンブリの相対ゲインは通常、3.32未満である。したがって、このようなアセンブリの相対ゲインは、2.55、2.60、2.65、2.70、2.75、2.80、2.85、2.90、2.95、及び3.00以上を包含する一連の相対ゲイン値の任意の値の範囲であってもよい。
次に定義する用語については、別の定義が書類名特許請求の範囲中、あるいは本明細書中のいずれかの場所で与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
「構造」という用語は、米国特許第4,576,850号に定義及び説明されているように、本明細書では使用される。それゆえ、それは、ミクロ構造を有する物品の予め定められた所望の利用目的又は機能を叙述する又は特徴づける表面の構成を意味する。その物品の表面における突出部及びくぼみのような不連続は、中心線の上の表面輪郭により包囲された面積の合計が線の下の面積の合計と等しくなるように、ミクロ構造を通って引かれた平均中心線から輪郭が偏差すると考えられ、その線は物品の公称面(nominal surface)(ミクロ構造を有する)に本質的に平行である。例えば、1〜30cmの表面の代表的な特性長を通って、光学又は電子顕微鏡により測定したとき、その偏位の高さは一般に、約+/−0.005〜+/−750マイクロメートルである。その平均中心線は、平面、凹面、凸面、非球面又はそれらの組み合わせであってよい。その偏位が低いオーダー、例えば、+/−0.005、+/−0.1、又は好ましくは、+/−0.05マイクロメートルであり、その偏位がまれにしか又はほとんど発生しない物品、即ち、表面にいかなる有意な不連続もない物品は、構造保有表面が本質的に「平坦」又は「平滑な」表面であるものであり、そのような物品は、眼用レンズのような、例えば精密光学素子又は精密光学インタフェースを有する素子として有用である。その偏位が低いオーダーであり頻繁に発生する物品としては、反射防止ミクロ構造を有するものが挙げられる。前述のずれが大きく、例えば、+/−0.1〜+/−750マイクロメートルであり、同一又は異なり及びランダム又は規則的に隔置され又は連続している複数の実用的な不連続部を含む構造に寄与し得る物品は、逆反射コーナーキューブシーティング、線形フレネルレンズ、ビデオディスク及び輝度向上フィルムなどの物品である。ミクロ構造を有する表面は、その低いオーダー及び高いオーダーの両方の実用的不連続を含有できる。ミクロ構造を有する表面は、その量又は種類がその物品の予め定められた所望の利用を有意に妨害するか又は悪影響を及ぼすものでない限り、外来の又は非実用的な不連続を含有してよい。
「屈折率」とは、材料(例えば、モノマー)の絶対屈折率を意味し、自由空間中の電磁放射線の速度とその材料中の電磁放射線の速度との比を意味する。屈折率は既知の方法を使用して測定でき、かつ一般に、アッベの屈折計又はボッシュ・アンド・ロームの屈折計(カタログ番号33.46.10)(例えば、Fischer Instruments(ペンシルベニア州ピッツバーグ)から市販品として入手可能な)を使用して可視光領域内にて測定することができる。測定された屈折率は、計器に依存してある程度変動しうることは一般的に認識されている。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物の両方を意味する。
用語「ナノ粒子」は、本明細書において、約100nm未満の直径を有する粒子(一次粒子又は会合一次粒子)を意味するように定義される。
「表面改質されたコロイド状ナノ粒子」とは、ナノ粒子が安定な分散を提供するようにそれぞれ改質表面を有するナノ粒子を表す。
本明細書で「安定な分散」は、例えば、室温(約20〜22℃)、大気圧、及び過剰な電磁力がないという周囲条件下で、ある時間、例えば約24時間放置された後に、コロイド状ナノ粒子が疑集しない分散として定義される。
「凝結」とは、互いに化学結合されている可能性がある一次粒子間の強い会合を意味する。凝集体のより小さい粒子への分解は、達成が困難である。
「アグロメレーション」とは、電荷又は極性により保持一体化されていてよく、より小さい構成要素に分解可能である、一次粒子間の弱い会合を表す。
「一次粒径」は、単一の(非凝集、非粒塊)粒子の平均直径を指す。
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5)が含まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「或る(a及びan)」及び「その(the)」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物の言及は、二種以上の化合物の混合物を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
特に指示が無い限り、明細書及び添付特許請求の範囲に使用される成分の量、性質の測定等を表す全ての数は、全ての例において、「約」という用語により修正されることを理解されたい。
本発明は、本明細書中に記載する特定の実施例に限定されると考えるべきではなく、更に適切に言えば添付の特許請求の範囲の中で適正に述べるものが本発明の全態様を包含すると理解されるべきである。本明細書を検討すると様々な修正形態、等価の方法、及び本発明を適用できる非常に多くの構造が、本発明が対象とする当業界の技術者には容易に明らかなはずである。
2−ベンジルフェノールアクリレート(OBA−1)
オーバーヘッド攪拌器及び温度プローブを備えた5000mLの三口丸底フラスコに、2−ベンジルフェノール(1000g、5.4モル、1.0当量)、4−ヒドロキシTEMPO(0.24g、250ppm)及び酢酸エチル(1385g、1.5mL/g)を加えた。この反応生成物をIPA/氷浴で−6℃まで冷やし、塩化アクリロイル(540g、6.0モル、1.1当量)を加えた後、50%水酸化ナトリウム(521g、6.5モル、1.2当量)を滴下で加え、温度を−3℃未満に維持した。この反応は、添加してから30分以内に完了した。−5℃に冷却し続けたまま、DI水1000g、酢酸40gを加え、30分間激しく混合した。放置して20℃まで温め、この水相を分離して、有機相を1000gの7%炭酸ナトリウムDI水で洗い、30分間混合して、水相を分離した。この有機相を減圧下で濃縮し、低粘度の液体を回収した。
2−ベンジルフェノキシエタノール中間体
オーバーヘッド攪拌器、加熱マンテル、温度プローブを備えた3000mLの三口丸底フラスコに、2−ベンジルフェノール(1000g、5.4モル、1.0当量)、炭酸カリウム(7.2g、0.05モル、0.01当量)、炭酸エチレン(526g、6.0モル、1.1当量)を加え、125℃で2時間加熱した後、温度を150℃まで上げた。この反応は20時間後に完了した。冷まし、155〜160℃で高真空下(1mm)で茶色の油を直接蒸留し、1100gを回収した。
2−ベンジルフェノキシエチルアセテート(OBA−2)
オーバーヘッド攪拌器、加熱マンテル、温度プローブ、ディーン・スターク・トラップを備えた5000mLの四口丸底フラスコに、2−ベンジルフェノキシ−エタノール(1000g、4.4モル、1.0当量)、塩化銅(II)(0.58g、500ppm)、BHT(0.58g、500ppm)、アクリル酸(347g、4.8モル、1.1当量)、メタンスルホン酸(25g、0.26モル、0.06当量)を加え、反応物中に乾燥空気の泡を通しながら82℃まで加熱した。ディーン・スターク・トラップ内に水を回収し、20時間後に反応が完了した。この反応生成物を飽和炭酸ナトリウム溶液1000mL(炭酸ナトリウム7%水溶液)で処理した。分離し、食塩水(塩化ナトリウム20%水溶液)1000gで洗った。この有機相を分離し、液体中に空気の泡を通しながら減圧下で濃縮し、低粘度の液体を回収した。
OBA−1及びOBA−2はきわめて低粘度であり、重合性樹脂組成物用に優れた高屈折率希釈剤となる。
重合性樹脂組成物
重合性樹脂組成物1:重量比で28部のOBA−1(屈折率1.564、25℃で粘度21cp)、72部のCN120(エポキシアクリレート、Sartomer Company(ペンシルバニア州エクストン)から入手可能、Sartomerの報告によれば粘度は65℃にて2150cps、屈折率は1.5556、Tgは60℃)、0.3部のDarocur 4265(Ciba Specialty Chemicals(ニューヨーク州タリータウン)から入手可能)を、褐色の瓶に入れて、完全に混合した。
重合性樹脂組成物1:重量比で28部のOBA−1(屈折率1.564、25℃で粘度21cp)、72部のCN120(エポキシアクリレート、Sartomer Company(ペンシルバニア州エクストン)から入手可能、Sartomerの報告によれば粘度は65℃にて2150cps、屈折率は1.5556、Tgは60℃)、0.3部のDarocur 4265(Ciba Specialty Chemicals(ニューヨーク州タリータウン)から入手可能)を、褐色の瓶に入れて、完全に混合した。
重合性樹脂組成物2:33部のOBA−2(屈折率1.558、25℃で粘度45cp)、67部のCN120(エポキシアクリレート、Sartomer Company(ペンシルバニア州エクストン)から入手可能、Sartomerの報告によれば粘度は65℃にて2150cps、屈折率は1.5556、Tgは60℃)、0.3部のDarocur 4265及び1部のTPO(Ciba Specialty Chemicals(ニューヨーク州タリータウン)から入手可能)を、褐色の瓶に入れて、完全に混合した。
重合可能な樹脂組成物1及び2のための光学フィルムサンプル調製:
輝度向上フィルムサンプルは、重合可能な樹脂組成物1〜2を使用して調製した。約3gの温かい樹脂を、50.8マイクロメートル(2ミル)のプライム化PET(ポリエステル)フィルム(DuPontから「Melinex 623」の商標名で入手可能)に適用し、市販のVikuiti TBEF−90/24に類似した90/24パターンを備えた構造化装置に対して置いた。PET、樹脂及び装置を、約66℃(150°F)に設定した加熱した貼合せ機を通過させて、均一な厚みのサンプルを生成した。フィルム及びコーティングされた樹脂サンプルを収容する装置を、15.2m/分(50fpm)にて、2つの600W/10インチD−バルブを収容したフュージョンUV処理装置に通過させて、フィルムを硬化させた。PET及び硬化樹脂を装置から取り外し、サンプルへと切断した。フィルムを評価するために使用した試験方法は、次の通りである。
輝度向上フィルムサンプルは、重合可能な樹脂組成物1〜2を使用して調製した。約3gの温かい樹脂を、50.8マイクロメートル(2ミル)のプライム化PET(ポリエステル)フィルム(DuPontから「Melinex 623」の商標名で入手可能)に適用し、市販のVikuiti TBEF−90/24に類似した90/24パターンを備えた構造化装置に対して置いた。PET、樹脂及び装置を、約66℃(150°F)に設定した加熱した貼合せ機を通過させて、均一な厚みのサンプルを生成した。フィルム及びコーティングされた樹脂サンプルを収容する装置を、15.2m/分(50fpm)にて、2つの600W/10インチD−バルブを収容したフュージョンUV処理装置に通過させて、フィルムを硬化させた。PET及び硬化樹脂を装置から取り外し、サンプルへと切断した。フィルムを評価するために使用した試験方法は、次の通りである。
ゲイン試験法
フィルムの光学性能を、Photo Research,Inc.(カリフォルニア州チャッツワース)から入手可能な、MS−75レンズを有するSpectraScan(商標)PR−650 SpectraColorimeterを使用して測定した。このフィルムを、拡散透過性の中空の光ボックスの頂部上に置いた。ライトボックスの拡散透過及び拡散反射は、ランベルト型として説明することができる。ライトボックスは、約6mmの厚さの拡散PTFE板から作製された約12.5cm×12.5cm×11.5cm(L×W×H)の大きさの六面中空キューブであった。ボックスの1つの面は、サンプル表面として選択されている。中空ライトボックスの拡散反射率は、サンプル表面で測定した時、約0.83であった(例えば、以下に記載の測定法により400〜700nmの波長範囲全体にわたり平均した場合、約83%)。ゲイン試験中、ボックスの底面内の約1cmの円孔を介して内部からボックスを照光した(底面はサンプル表面に対向し、光は内部からサンプル表面に向けた)。この照光は、光を方向付けるために用いられる光ファイバーバンドルに取り付けられている安定化広帯域白熱光源(マサチューセッツ州マールボロ及びニューヨーク州オーバーンのSchott−Fostec LLC製の直径約1cmのファイバーバンドル延長部付きFostec DCR−II)を用いて提供する。標準的な線吸収偏光子(たとえばMelles Griot 03 FPG007)を試料ボックスとカメラの間に配置する。約34cm離間したライトボックスのサンプル面にカメラの焦点を合わせ、カメラレンズから約2.5cmの位置に吸収偏光子を配置する。照射したライトボックスの輝度は、所定の位置に偏光子を配置するとともにサンプルフィルムのない状態で測定したところ、150cd/m2を上回っていた。サンプルフィルムをボックスに概ね接触した状態にしてサンプルフィルムをボックスのサンプル表面に平行に配置した時に、ボックスのサンプル表面の平面に対して法線入射方向で、サンプル輝度をPR−650によって測定する。ライトボックス単独で同じように測定した輝度と、このサンプル輝度を比較することによって、相対ゲインを計算する。迷光源を排除するために、全測定を黒色包囲体中で行った。
フィルムの光学性能を、Photo Research,Inc.(カリフォルニア州チャッツワース)から入手可能な、MS−75レンズを有するSpectraScan(商標)PR−650 SpectraColorimeterを使用して測定した。このフィルムを、拡散透過性の中空の光ボックスの頂部上に置いた。ライトボックスの拡散透過及び拡散反射は、ランベルト型として説明することができる。ライトボックスは、約6mmの厚さの拡散PTFE板から作製された約12.5cm×12.5cm×11.5cm(L×W×H)の大きさの六面中空キューブであった。ボックスの1つの面は、サンプル表面として選択されている。中空ライトボックスの拡散反射率は、サンプル表面で測定した時、約0.83であった(例えば、以下に記載の測定法により400〜700nmの波長範囲全体にわたり平均した場合、約83%)。ゲイン試験中、ボックスの底面内の約1cmの円孔を介して内部からボックスを照光した(底面はサンプル表面に対向し、光は内部からサンプル表面に向けた)。この照光は、光を方向付けるために用いられる光ファイバーバンドルに取り付けられている安定化広帯域白熱光源(マサチューセッツ州マールボロ及びニューヨーク州オーバーンのSchott−Fostec LLC製の直径約1cmのファイバーバンドル延長部付きFostec DCR−II)を用いて提供する。標準的な線吸収偏光子(たとえばMelles Griot 03 FPG007)を試料ボックスとカメラの間に配置する。約34cm離間したライトボックスのサンプル面にカメラの焦点を合わせ、カメラレンズから約2.5cmの位置に吸収偏光子を配置する。照射したライトボックスの輝度は、所定の位置に偏光子を配置するとともにサンプルフィルムのない状態で測定したところ、150cd/m2を上回っていた。サンプルフィルムをボックスに概ね接触した状態にしてサンプルフィルムをボックスのサンプル表面に平行に配置した時に、ボックスのサンプル表面の平面に対して法線入射方向で、サンプル輝度をPR−650によって測定する。ライトボックス単独で同じように測定した輝度と、このサンプル輝度を比較することによって、相対ゲインを計算する。迷光源を排除するために、全測定を黒色包囲体中で行った。
ライトボックスの拡散反射率は、直径15.25cm(6インチ)のSpectralon被覆積分球と、安定化広帯域ハロゲン光源と、光源用の電源を用いて測定した。これらはすべて、Labsphere(ニューハンプシャー州サットン)から供給されている。積分球は、3つの開口ポートを有していた。1つのポート(直径2.5cm)は、入力光用であり、90度で第2の軸に沿った1つのポート(直径2.5cm)は、検出ポートとして用いられ、90度で第3の軸に沿った(すなわち最初の2つの軸に直交する)第3のポート(直径5cm)は、サンプルポートとして用いられた。約38cm離間した検出ポートにPR−650 Spectracolorimeter(上記のものと同一)の焦点を合わせた。拡散反射率が約99%であるLabsphere製の較正反射標準(SRT−99−050)を用いて、積分球の反射効率を計算した。標準は、Labsphereにより較正されたものであり、NIST標準(SRS−99−020−REFL−51)が基になっている。積分球の反射効率を以下のように計算した。
球輝度比=1/(1−R球×R標準)
この場合の球輝度比は、参照サンプルでサンプルポートを覆って検出器ポートで測定した輝度を、サンプルでサンプルポートを覆わずに検出器ポートで測定した輝度で除すことによって得られる比である。この輝度比及び較正標準の反射率(R標準)がわかれば、積分球の反射効率(R球)を計算することができる。次に、この値を以下の類似の式中で再び用いてサンプルの反射率(この場合、PTFEライトボックスを使用)を求める。
この場合の球輝度比は、参照サンプルでサンプルポートを覆って検出器ポートで測定した輝度を、サンプルでサンプルポートを覆わずに検出器ポートで測定した輝度で除すことによって得られる比である。この輝度比及び較正標準の反射率(R標準)がわかれば、積分球の反射効率(R球)を計算することができる。次に、この値を以下の類似の式中で再び用いてサンプルの反射率(この場合、PTFEライトボックスを使用)を求める。
球輝度比=1/(1−R球×Rサンプル)
この場合には、球輝度比は、サンプルをサンプルポートに置いた時の検出器における輝度を、サンプルを用いずに測定した輝度で除すことによって得られる比として求める。R球は以上からわかるので、Rサンプルを計算することができる。これらの反射率を4nmの波長間隔で計算し、400〜700nmの波長範囲にわたる平均として報告した。
この場合には、球輝度比は、サンプルをサンプルポートに置いた時の検出器における輝度を、サンプルを用いずに測定した輝度で除すことによって得られる比として求める。R球は以上からわかるので、Rサンプルを計算することができる。これらの反射率を4nmの波長間隔で計算し、400〜700nmの波長範囲にわたる平均として報告した。
単一シートゲインは、垂直(又はE.T.試験機で使用するディフューザーボックスの正面に対して垂直配向)にて試験した。水平、又は交差したシート配置においては、フィルム積み重ね体のボトムシートが垂直方向にあり、トップシートがディフューザーボックスの前面に水平又は平行である。
表1は、次のように、光学フィルムの試験結果を示す。これらのフィルムから得られる輝度ゲインは、本発明のモノマー及び樹脂組成物を使用する場合、驚くほど大きい。
Claims (23)
- 前記オルト−ベンジルフェノールモノマーが、少なくとも1.54の屈折率を有する、請求項1に記載の光学フィルム。
- tが0である、請求項1に記載の光学フィルム。
- tが1〜4の範囲であり、Rが独立にC1〜C3のアルキル基である、請求項1に記載の光学フィルム。
- nが少なくとも1である、請求項4に記載の光学フィルム。
- Lが、所望により1つ以上のヒドロキシル基で置換されたC2〜C3のアルキル基である、請求項5に記載の光学フィルム。
- 前記オルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートが、25℃で80cps未満の粘度を有する、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記重合性樹脂組成物が、少なくとも2つの芳香族基及び少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を有する、1つ以上の芳香族モノマー又はオリゴマーを25重量%〜75重量%含む、請求項1に記載の光学フィルム。
- 少なくとも2つの芳香族基及び少なくとも2つの重合性(メタ)アクリレート基を有する前記芳香族モノマー又はオリゴマーが、少なくとも350g/モルの分子量を有する、請求項10に記載の光学フィルム。
- 前記重合性樹脂組成物が非ハロゲン化物である、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記重合性樹脂が、ウレタン(メタ)アクリレートモノマー及びオリゴマーを含まない、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記重合性樹脂が、トリフェニル(メタ)アクリレートモノマーを5重量%未満含む、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記光学フィルムが、少なくとも1.59の単一シートゲインを有する輝度向上フィルムである、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記重合性樹脂が無機ナノ粒子である、請求項1に記載の光学フィルム。
- 25℃における粘度が80cps未満である少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む、重合性樹脂組成物の反応生成物を含む、重合化構造化表面を有する、光学フィルム。
- 25℃における粘度が80cps未満である少なくとも1つのオルト−ベンジルフェノールモノ(メタ)アクリレートモノマーを含む、重合性樹脂組成物。
- 請求項21に記載の樹脂組成物を含む重合性樹脂組成物の反応生成物を含む物品。
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